特許第5775427号(P5775427)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許5775427-流動化処理土の圧送方法 図000002
  • 特許5775427-流動化処理土の圧送方法 図000003
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5775427
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】流動化処理土の圧送方法
(51)【国際特許分類】
   E02F 7/00 20060101AFI20150820BHJP
【FI】
   E02F7/00 D
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2011-253877(P2011-253877)
(22)【出願日】2011年11月21日
(65)【公開番号】特開2013-108275(P2013-108275A)
(43)【公開日】2013年6月6日
【審査請求日】2014年7月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】501451956
【氏名又は名称】アルマーレエンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082418
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 朔生
(72)【発明者】
【氏名】藤原 愼二
【審査官】 鷲崎 亮
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−122392(JP,A)
【文献】 特開昭52−067003(JP,A)
【文献】 特開平08−134964(JP,A)
【文献】 特開2003−170414(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 5/00−7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンクリートを運搬するミキサー車とサンドポンプを搭載した車両とから構成し、
ミキサー車の吐出口に、袋状ホースの上端を接続し、
状ホースの下端を、サンドポンプの流入口に接続し、
サンドポンプの吐出口にエアー抜きバルブを設けた中継管を接続し、
サンドポンプの中継管に、吐出ホースを接続し、
ミキサー車の吐出口の高さを、エアー抜きバルブの高さよりも高い位置とし、
流動化処理土の圧送開始時には、
(1)エアー抜きバルブの開放と、置エネルギーによ袋状ホースとサンドポンプの内部への流動化処理土充填と、を行い
(2)エアー抜きバルブから流動化処理土が流出した後は、エアー抜きバルブを閉鎖してサンドポンプを作動し、流動化処理土を吐ホースから打設場所へ供給する、
流動化処理土の圧送方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、流動化処理土の圧送方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
建設現場で発生する建設発生土のリサイクル化の一環として開発された流動化処理土は、転圧機械による締固めの必要がなく、短時間に充填が可能な新しい埋め戻し材としての特徴を備えている。
そのような流動化処理土を埋戻しの現場まで運搬して圧送する場合に従来は次のような方法によって行っていた。
<1> 特許文献1に示すような、ミキサー車で運搬し、埋戻しの現場で定置式のコンクリートポンプ、あるいはポンプ車に移して圧送する方法。
<2> バキューム車によって運搬、圧送する方法。
<3> 図3に示すように、現場に水槽aを設置し、この水槽a内にサンドポンプbを設置しておき、ミキサー車cで運搬した流動化処理土sを水槽a内に投入し、投入された流動化処理土sをサンドポンプbで圧送する方法。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−155855号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記したような従来の流動化処理土の圧送方法にあっては、次のような問題点がある。
<1> 定置式のコンクリートポンプ、あるいはポンプ車を使用する方法では、ポンプとミキサー車を使用するために広い用地を必要とする。
<2> ミキサー車からポンプ車へ移す段階でホッパー部で流動化処理土が飛散して周囲を汚しやすい。
<3> 定置式のコンクリートポンプを使用する場合には、設置や撤去に手数と費用を要して不経済である。
<4> バキューム車を使用する場合にも上記のような問題がある。
<5> 図3に示すように水槽を設置し、その内部にサンドポンプを設置する方法では、水槽内に多量の打設残しが発生する。これはサンドポンプの流入口からエアーが入るため、水槽底から30cm程度の流動化処理土は圧送が出来なくなるからである。
<6> そのような打設残しは最後に水を加えて圧送するが、流動化処理土としては使用できないから、現場内の廃棄可能な場所を探す必要があり、きわめて不経済である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記のような課題を解決するためになされた本発明の流動化処理土の圧送方法は、コンクリートを運搬するミキサー車とサンドポンプを搭載した車両とから構成し、ミキサー車の吐出口に、袋状ホースの上端を接続し、袋状ホースの下端を、サンドポンプの流入口に接続し、サンドポンプの吐出口にエアー抜きバルブを設けた中継管を接続し、サンドポンプの中継管に、吐出ホースを接続し、ミキサー車の吐出口の高さを、エアー抜きバルブの高さよりも高い位置とし、流動化処理土の圧送開始時には、(1)エアー抜きバルブの開放と、置エネルギーによ袋状ホースとサンドポンプの内部への流動化処理土充填と、を行い(2)エアー抜きバルブから流動化処理土が流出した後は、エアー抜きバルブを閉鎖してサンドポンプを作動し、流動化処理土を吐ホース口から打設場所へ供給することを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明の流動化処理土の圧送方法は以上説明したようになるから次のような効果を得ることができる。
<1> ミキサー車とサンドポンプを使用するだけであるから、流動化処理土を打設するためのスペースが、上記したように従来の方法と比較して狭くてすみ、経済的である。
<2> ミキサー車の吐出口とサンドポンプの流入口とを袋状ホースで直接接続する方法であるから、受け渡しの途中に開放部がない。そのために流動化処理土が外部に飛散する可能性がなく、周囲を汚染することがない。
<3> 水槽を用いた従来の方法のように、圧送残りが発生しない。そのために流動化処理土が無駄にならず、作業終了時の水洗い処理に苦労をすることがない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の流動化処理土の圧送方法の実施例の説明図。
図2】使用するサンドポンプの実施例の説明図。
図3】従来の流動化処理土の圧送方法の実施例の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下図面を参照しながら本発明の圧送方法の好適な実施の形態を詳細に説明する。
【実施例】
【0009】
<1>使用する機材
本発明の圧送方法では、コンクリートを運搬するミキサー車1とサンドポンプ2によって構成する。
ミキサー車1もサンドポンプ2も、市販の公知の装置を利用することができる。
【0010】
<2>サンドポンプ
サンドポンプ2は多くの種類の装置が市販されているが、例えば図2に示すような横型のものを小型トラックなどの車両3に搭載して使用する。
このサンドポンプ2は、一か所に流動化処理土の流入口21を備え、他の箇所の流動化処理土の吐出口22を備えている。
サンドポンプ2の吐出口22には、中継管23の一端を接続する。
この中継管23の途中には、エアー抜きバルブ24を備えている。
中継管23の他端には、吐出ホース25を接続し、この吐出ホース2によって流動化処理土を埋戻し現場に流入して打設する。
【0011】
<3>袋状ホース
ミキサー車1のシュート内に袋状ホース4を設置する。
この袋状ホース4は、柔軟性のある材料で製作した袋体であるが、両端は貫通している。
この袋状ホース4の上端をミキサー車1のコンクリート吐出口11に接続する。
一方袋状ホース4の下端は、サンドポンプ2の流入口21に接続して使用する。
袋状ホース4が一般のホースと異なるところは、ミキサー車1の吐出口11の外径に合わせた直径の大きい袋であり、かつ単に流動化処理土を通過させるだけでなく、その流下を出口側で阻止した場合に内部に一定量の流動化処理土sを貯蔵できるだけの容量を備えている点である。
なお、輸送中に袋状ホース4の内部に残った流動化処理土sが流出する可能性があるときには、袋状ホース4を中間で二つ折りにし、その下端をまくり上げてミキサー車1の一部に係止しておけばよい。
【0012】
<4>現場での準備
ミキサー車1で埋戻し現場まで流動化処理土sを運搬したら、そのミキサー車1の吐出口11に袋状ホース4の上端を接続する。
そして袋状ホース4の下端を、現場で待機しているサンドポンプ2の流入口21に接続する。
その状態でミキサー車1のドラムを逆回転させて内部の流動化処理土sを吐出する。
その場合に、ミキサー車1の吐出口11の高さを、サンドポンプ2のエアー抜きバルブ24の高さよりも十分に高い位置に設置する。
【0013】
<5>流動化処理土の吐出
その状態でサンドポンプ2のエアー抜きバルブ24を開放すると、バルブ24から流動化処理土sの一部が吐出し、同時に内部に溜まった空気を排除することができる。
こうして、袋状ホース4とサンドポンプ2の内部に空気が残らず、完全に流動化処理土sで充満した状態を作り上げる。
その後にエアー抜きバルブ24を閉鎖すれば、ミキサー車1からの吐出に伴って位置のエネルギーを利用して、流動化処理土sを順調に排出し、吐出ホース25の先端から埋戻し場所へ供給することができる。
【符号の説明】
【0014】
1:ミキサー車
2:サンドポンプ
21:流動化処理土流入口
22:吐出口
23:中継管
24:エアー抜きバルブ
25:吐出ホース
3:車両
4:袋状ホース
s:流動化処理土
図1
図2
図3