特許第5775448号(P5775448)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5775448ヘッダプレート及びそれを用いた熱交換器
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5775448
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】ヘッダプレート及びそれを用いた熱交換器
(51)【国際特許分類】
   F28F 9/02 20060101AFI20150820BHJP
   F28F 9/18 20060101ALI20150820BHJP
【FI】
   F28F9/02 Z
   F28F9/18
【請求項の数】8
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-502267(P2011-502267)
(86)(22)【出願日】2009年3月27日
(65)【公表番号】特表2011-516811(P2011-516811A)
(43)【公表日】2011年5月26日
(86)【国際出願番号】EP2009002276
(87)【国際公開番号】WO2009121531
(87)【国際公開日】20091008
【審査請求日】2012年2月10日
【審判番号】不服2014-8447(P2014-8447/J1)
【審判請求日】2014年5月7日
(31)【優先権主張番号】0800716-3
(32)【優先日】2008年3月31日
(33)【優先権主張国】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】508282395
【氏名又は名称】ヴァレオ システム テルミク
(74)【代理人】
【識別番号】100060759
【弁理士】
【氏名又は名称】竹沢 荘一
(72)【発明者】
【氏名】リュイ アマヤ
【合議体】
【審判長】 田村 嘉章
【審判官】 千壽 哲郎
【審判官】 森本 康正
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−57134(JP,A)
【文献】 特開2006−337000(JP,A)
【文献】 特開2003−201923(JP,A)
【文献】 特表2002−529636(JP,A)
【文献】 特開2001−241872(JP,A)
【文献】 特開平11−237192(JP,A)
【文献】 特開2002−156196(JP,A)
【文献】 特開昭61−72831(JP,A)
【文献】 特開平9−89491(JP,A)
【文献】 特開平5−322475(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28F
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定厚さ(t)の金属板から製造され、複数のエアチューブ(6)を挿通させるスタンピングされた複数の孔(15)を有するヘッダプレート(11)(12)において、
前記孔(15)が、前記ヘッダプレート(11)(12)の一面に突出し、かつ前記ヘッダプレート(11)(12)の孔(15)に挿入される前記エアチューブ(6)の支持を助けるリム(22)を有し、
隣接する孔(15)間の距離(da)、従って隣接するエアチューブ(6)間の距離(dt)が、前記ヘッダプレート(11)(12)を製造する金属板の板厚(t)の2倍未満であり、
前記孔(15)がほぼ長方形であり、隣接する孔(15)間の前記距離(da)、すなわち隣接するエアチューブ(6)間の距離(dt)が、ほぼ長方形の前記孔(15)の長辺間、すなわち隣接するエアチューブ(6)の広い面間の距離と、ほぼ長方形の前記孔(15)の短辺間、すなわち隣接するエアチューブ(6)の狭い面間の距離とを、それぞれ測定したものであり、
前記ヘッダプレート(11)(12)は、前記孔(15)が設けられた中央ウエブ(16)と、これに沿って延びているフランジ(17)(18)とを有する樋状に形成されている
ことを特徴とするヘッダプレート。
【請求項2】
前記孔(15)のリム(22)および前記フランジ(17)(18)は、ヘッダプレート(11)(12)の同じ側に突出し、いずれかのフランジ(17)(18)の内面と、前記内面に隣接する孔(15)との間の距離(di)が、前記ヘッダプレート(11)(12)を製造する金属板の板厚(t)の3倍未満であることを特徴とする請求項記載のヘッダプレート。
【請求項3】
挿入スペース(26)(27)が、前記フランジ(17)(18)と、ケース壁(9)(10)のエッジ部(23)(24)を収容する隣接する孔(15)のリム(22)との間に設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載のヘッダプレート。
【請求項4】
前記ヘッダプレート(11)(12)およびエアチューブ(6)は、前記エアチューブ(6)を前記孔(15)に挿入した後に、オーブン中でろう付け可能にするために、クラッドおよび予めフラックス被着されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載のヘッダプレート。
【請求項5】
複数のエアチューブ(6)を挿通させる冷媒ハウジング(7)を備える熱交換器(1)において、
前記エアチューブ(6)は、請求項1〜のいずれか1つに記載の少なくとも1個のヘッダプレート(11)(12)のリム付き孔(15)に挿入して取り付けられていることを特徴とする熱交換器。
【請求項6】
前記冷媒ハウジング(7)は、2個のヘッダプレート(11)(12)よりなる対向する2つの側壁を備え、前記2個のヘッダプレート(11)(12)の少なくとも1個に設けられた前記孔(15)のリム(22)は、前記少なくとも1個のヘッダプレート(11)(12)から突出し、対向するヘッダプレート(11)(12)から遠ざかっていることを特徴とする請求項に記載の熱交換器。
【請求項7】
前記冷媒ハウジング(7)は、2個のヘッダプレート(11)(12)よりなる対向する2つの側壁を備え、前記2個のヘッダプレート(11)(12)の少なくとも1個に設けられた前記孔(15)のリム(22)は、前記少なくとも1個のヘッダプレート(11)(12)から、対向するヘッダプレート(11)(12)に向けて突出していることを特徴とする請求項に記載の熱交換器。
【請求項8】
前記熱交換器(1)は、多列タイプであり、隣接する孔(15)間の距離(da)が、前記ヘッダプレート(11)(12)の全ての隣接する孔(15)間について同じであることを特徴とする請求項のいずれか1つに記載の熱交換器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘッダプレート及びそれを用いた熱交換器に関し、特に、エアチューブが挿通される複数の孔が設けられている所定厚さの金属板により構成されたヘッダプレート及び熱交換器であって、ハウジング内に収められたヘッダプレートの複数のエアチューブの少なくとも1つに、冷媒を通過させるようになっている。
【背景技術】
【0002】
下記の特許文献1に開示しているように、ヘッダプレートを備える内燃エンジン用の熱交換器は公知である。特許文献1によると、ヘッダプレートは、複数の平坦なエアチューブを保持するようになっており、各チューブの長辺は相互に平行をなし、かつ冷媒の主流に面し、長辺が隣接するように配置されている。各エアチューブの両端は、それぞれ、取込エアタンク、及び取出エアタンクの対向するヘッダプレートに設けられた孔に気密に取り付けられている。
【0003】
これらのヘッダプレートは、4つの壁を有する冷媒ケースに気密に取り付けられ、冷媒ケース及びヘッダプレートは、一体として、平行な冷媒ハウジングを形成している。この冷媒ハウジングは、ケースの壁の1つに設けられた冷媒の入口及び出口を有し、更に冷媒案内手段及び冷媒撹乱手段を備えている。これらの手段は、ハウジングを貫通する隣接エアチューブの長辺間に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】ドイツ国特許公開第103 02 708A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ヘッダプレートをケースに、冷媒が何れのエアタンクにも入らず、かつエンジンがトラブルを生じないようにする確実に取り付けるために、公知のヘッダプレートは、ヘッダプレートとケース間を安全に接触させる周縁フランジを備えている。しかし、エアチューブをヘッダプレートに取り付け、これらの部品間を気密にする付加手段がなく、単に打ち抜きされた孔に、エアチューブを挿通して、チューブ間を熔接接続しているに過ぎない。従って、製造中に熔接工程で十分な注意を払って、不良品の発生による歩留まりの低下を避ける必要があった。また、振動衝撃を抑えて、使用中に接続部に強度不足が生じないようにする必要があった。
【0006】
本発明は、従来の上述した課題に鑑みてなされたものであり、上記課題を、解決又は軽減し、特に、製造作業性及び耐久性に優れ、改善した性能を有するヘッダプレート及びそれを用いた熱交換器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決すると共に上述した目的を達成するために、本発明のヘッダプレート及びそれを用いる熱交換器は、次の如き特徴的な構成を採用している。
【0008】
本発明のヘッダプレートは、所定厚さの金属板製であり、エアチューブが挿通される複数の打ち抜き形成された孔を有し、各孔は、ヘッダプレートの一側に突出するとともに、ヘッダプレートに挿通されるエアチューブを付加的にサポートする周縁リムを有し、隣接する孔及び隣接するエアチューブ間の間隔は、ヘッダプレートの金属板の厚さの2倍未満であり、
ヘッダプレートの孔はほぼ長方形であり、隣接する孔又はエアチューブ間の間隔は、孔の長辺又はエアチューブの幅広側面間の間隔と、隣接する孔の短辺又はエアチューブの狭い側面間の間隔とにおいてそれぞれ測定され、
ヘッダプレートは、内部に孔が設けられている中央ウエブを有するチャンネル状であり、フランジが中央ウエブに沿って延びている
ことを特徴としている。
【0009】
ヘッダプレートの孔をほぼ長方形とし、エアチューブ間の間隔を上記のように設定することは、エアチューブが平坦である場合に好適なデザインである。
【0011】
本発明の他の実施例によると、上述した孔のリム及びフランジは、ヘッダプレートの同じ側に突出し、何れかのフランジの内面と、この内面に隣接する孔との間の距離は、ヘッダプレートの金属板の厚さの3倍未満である。
【0012】
本発明の更に他の実施例によると、挿入スペースが、フランジと隣接開口のリム間に設けられ、ケースの壁のエッジ部を受けている。
【0013】
また、本発明のヘッダを用いた熱交換器は、複数のエアチューブが挿通される冷媒ハウジングを備え、これらのエアチューブは、上述した実施例の何れかによる少なくとも1つのヘッダプレートのリム付き孔に挿入して取り付けられている。
【0014】
本発明の熱交換器の一実施例によると、冷媒ハウジングは、2枚のヘッダプレートにより形成された対向する側壁を備え、これら2枚のヘッダプレートの少なくとも一方は、他方のヘッダプレートから遠ざかる方向のヘッダプレート側にリム付きの孔を有する。
【0015】
本発明の熱交換器の他の実施例によると、冷媒ハウジングは、2枚のヘッダプレートにより形成された対向する側壁を有し、これら2枚のヘッダプレートの少なくとも一方に、他方のヘッダプレートに面し、少なくとも一方のヘッダプレートから突出するリム付き孔を有する。
【発明の効果】
【0016】
本発明のヘッダプレート及びそれを用いる熱交換器は、上述の如き特徴的な構成を採用しているので、以下の如き種々の特有の効果を奏する。
【0017】
本発明のヘッダプレートは、孔のフランジがヘッダプレートを他の部品、例えば冷媒ハウジングに確実に取り付け可能にするのみならず、この冷媒ハウジングから漏洩する可能性がある冷媒を、エアチューブが差し込まれるエアタンクから遠ざけるように導く。
また、上述した本発明の実施例によると、ヘッダプレートとほぼ同じ厚さのハウジング壁を、フランジ内部に配置するとき、エアチューブ間、及びハウジング壁と隣接するエアチューブ間に、同種類のタービュレート手段を使用することを可能にする。本発明によるヘッダプレートを含むユニットの組立は簡単である。
【0018】
更に、本発明のヘッダプレートを備える熱交換器は、ヘッダプレートを2枚使用して、極めてコンパクトで、しかも優れた耐久性が得られる。
また、上述した実施例によると、エアチューブに入る空気流の抵抗は幾分高められるが、冷媒ハウジング内で、ヘッダプレートに沿って通過する冷媒の流れに対する抵抗は最小となる。これとは逆に、冷媒ハウジング内をヘッダプレートに沿って通過する冷媒の流れ抵抗は若干高められるが、エアチューブに入る空気流の抵抗を最小にすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明によるヘッダプレートを用いた熱交換器の好適実施例の全体構成を示す斜視図である。
図2】本発明による熱交換器の一実施例の部品の一部を取り外して、内部構成を明瞭に示す斜視図である。
図3】本発明によるヘッダプレートの好適な実施例の構成を示す斜視図である。
図4】本発明の熱交換器に使用される平坦なエアチューブの一例の端面図である。
図5】本発明による熱交換機の他の実施例の構成を示す図2に対応する図である。
図6図5に示す熱交換器に用いるヘッダプレートの構成を示す斜視図である。
図7図6に示すヘッダプレートの端面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付図面を参照して、本発明によるヘッダプレート、及びそれを用いた熱交換器の実施例について詳細に説明する。
【0021】
先ず、図1を参照して説明する。図1に示す熱交換器1は、所謂WCCAC(水冷チャージエアクーラ)である。これは、主として水である冷媒の助けにより、エンジンへのチャージエアの冷却に使用される。この冷媒は、通常エンジンと共用され、WCCACの冷却と同様に、エンジン冷却ラジエータに使用可能である。
【0022】
WCCACでは、エンジンへ導入されるチャージエア内に冷媒が漏洩するのを避けることが重要事項である。その理由は、漏洩が起きると、エンジントラブルを生じる虞があるためである。従って、エア側とWCCACの冷媒側との間の絶対的な気密性の保持が最重要事項である。
【0023】
図1に示す熱交換器1において、エア側には、それぞれエア入口4及びエア出口5を有する2個のエアタンク2、3、及び複数のエアチューブ6が設けられている。これらのエアチューブ6の一部は、図2図4及び図5に示してある。これらの詳細については、後述する。
【0024】
他方、図1に示す熱交換器1の冷媒側には、平行六面体状の冷媒ハウジング7が設けられている。この冷媒ハウジング7は、底壁(図示せず)、上壁8、対向する幅広の側壁9、10及び対向する幅狭の側壁11、12(図2及び図5参照)を備えている。これら全ての壁8〜12は、熔接可能な金属板、例えばアルミニウム製であるのが好ましい。底壁及び側壁9、10は完全に閉じ、上壁8には、冷媒入口13及び冷媒出口14が設けられている。これらの冷媒入口13及び冷媒出口14は、エンジン冷却回路に接続されている。
【0025】
他方、上述した幅狭の側壁11、12には、エアチューブ6用の複数の長方形の孔15が設けられている。従って、幅狭の側壁11、12は、熱交換器1の冷媒側の一部を形成するのみならず、熱交換器1のエア側の一部をも形成している。それは、エアタンク2、3のヘッダプレートとして使用することによる。従って、この説明の残り、及び特許請求の範囲においては、エアタンクのヘッダプレートを、符号11及び12で示す。
【0026】
図2図3及び図5図7に異なる実施例を示すヘッダプレート11、12は、チャンネル状であり、対向するフランジ17、18間に中央ウエブ16を有する。フランジ17、18は、幅広の側壁9、10に跨り、エアタンク2、3の一部を形成するカバー19、20が、それを跨ぐように構成されている。図示の各ヘッダプレート11、12には、複数の長方形の孔15が設けられている。これらの孔15は、複数の孔が横並びのグループに形成され、それらの狭い辺を相互に対向させて、縦方向に複数のグループが配列されている。従って、長方形の孔15の各グループでは、長い辺が相互に対向している。
【0027】
上述した長方形の孔15は、エアチューブ6との相互接続のために設けられている。エアチューブ6は、平坦であり、長方形の孔15と同様の断面形状を有する(図4参照)。これらのエアチューブ6は、アルミニウム等の熔接可能な金属板で製造され、内部にチャージエア用のターブレータ21を有する。エアチューブ6は、上述した長方形の孔15と同様に、グループ状に配列され、冷媒ハウジング7内で、それらの狭い長辺が冷媒の主流に面し、それらの幅広の長辺は、冷媒ターブレータ25と接触している(図5参照)。冷媒ターブレータ25は、エアチューブ6間に配置され、また冷媒ハウジング7の幅広の側壁9、10及びエアチューブ6間に配置されている。
【0028】
ここで、熱交換器1は、多列タイプの交換器である。換言すると、ヘッダプレート11、12には複数の長方形の孔15が、例えば5列に設けられ、各列には、4個の長方形の孔15が設けられている。
【0029】
エアチューブ6とヘッダプレート11、12間、即ち熱交換器1のエア側と冷媒側間の漏洩を防止すると共に、全体構成を可能な限り小型化しかつ組立固定を容易にするために、本発明の熱交換器1では、ヘッダプレート11、12の長方形の孔15は、通常のデザインとは異なる形状を有する。即ち、本発明の熱交換器1において、各長方形の孔15は、周縁リム22が設けられ、このリム22は、ヘッダプレート11、12の一面側に突出し、ヘッダプレート11、12の長方形の孔15に挿入されたエアチューブ6のサポートを補助している。
【0030】
更に、本発明の熱交換器1によると、隣接する長方形の孔15間の距離da、及び隣接するエアチューブ5間の距離dtは、ヘッダプレート11、12の金属板の板厚tの2倍未満である(図3図6及び図7参照)。
【0031】
上述した長方形の孔15を形成するために、上述したリム22の金属板を引き伸ばし、かつ薄くするようにスタンピング、即ち打ち抜きして、長方形の孔15を形成する。例えば、打ち抜きされる2個の孔15間に、小型のアンビルダイを用いる。
【0032】
特定の実施例では、(ヘッダプレートの金属板の板厚tの2倍未満である)距離daが、全ての隣接するエアチューブ6間及び熱交換器1のヘッダプレート11、12の全ての長方形の孔15間において満足すべきものである。換言すると、エアチューブ6及び矩形孔の特定の列の隣接する2個のエアチューブ6、及び長方形の孔15と隣接する2列のエアチューブ6、及び長方形の孔15の2個の隣接するエアチューブ、6及び長方形の孔15は、相互に同じ距離daだけ離れている。更に換言すると、ヘッダプレート11、12の隣接するエアチューブ6、及び長方形の孔15間の距離は何れもdaである。
【0033】
典型的には、ヘッダプレート11、12は、厚さ2.2mmのプレフラックスアルミニウムから製造される。但し、ロードが軽い場合には、厚さ1.5mm、重いロードの場合には厚さ3mm以上であってもよい。上述した距離daを、典型例の厚さの場合には、例えば4mm、厚さ1.5mmの薄い場合には、例えば2.8mm、厚さ3mmの場合には、例えば5.5mmとする。
【0034】
図3及び図6図7は、本発明の2つの実施例のヘッダプレート11、12を示す。図3に示す第1実施例のヘッダプレートでは、長方形の孔15のリム22は、ヘッダプレート11、12からフランジ17、18を有する側と反対側に突出している。上述の場合とは逆に、図6図7に示す実施例のヘッダプレート11、12の場合には、リム22は、ヘッダプレート11、12からフランジ17、18と同じ側へ突出している。当業者には容易に理解されるように、リム22は、前者では冷媒の流れに逆らわないが、後者では冷媒の流れに逆らう。
【0035】
以上、本発明のヘッダプレート、及びそれを用いた熱交換器の好適な実施例について詳述した。しかし、この実施例は、本発明の単なる例示に過ぎず、何ら本発明を限定するものではないことに留意されたい。当業者は、本発明の精神及び要旨を逸脱することなく、特定用途に応じて種々の変形変更が可能であることが理解できよう。例えば、リム22は、上述した平坦なエアチューブとは異なるタイプのエアチューブにも使用可能である。そして、もしエアチューブが冷媒ハウジング7内に突出すると、挿入スペース26、27を提供する(図7参照)。更に、異なる種類のヘッダプレート11、12を同じ熱交換器1に使用することも可能である。
【符号の説明】
【0036】
1 熱交換器
6 エアチューブ
7 冷媒ハウジング
9、10 ケースの壁
11、12 ヘッダプレート
15 孔
16 中央ウエブ
17、18 フランジ
22 リム
23、24 エッジ部
26、27 挿入スペース
da 隣接する孔間の距離
dt 隣接するエアチューブ間の距離
t 金属板の板厚
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7