【課題を解決するための手段】
【0016】
(発明の開示)
本発明の目的にしたがい、1つの態様において、本発明は、α−トコトリエノールではない少なくとも1種類のトコトリエノールを含有する原料ソース(source material)からのα−トコトリエノールの産生、富化、および/または単離のための新規のプロセスに関する。いくつかの実施形態においては、α−トコトリエノールではない少なくとも1種類のトコトリエノールには、β−トコトリエノール、γ−トコトリエノール、もしくはδ−トコトリエノール;またはβ−トコトリエノール、γ−トコトリエノール、もしくはδ−トコトリエノールのうちの任意の2種類;またはβ−トコトリエノール、γ−トコトリエノール、およびδ−トコトリエノールの3種類全てが含まれる。上記実施形態のいずれにおいても、原料ソースは、場合により、α−トコフェロールも含有し得る。1つの実施形態において、本発明は、天然に存在している混合トコトリエノールを含有する植物抽出物からの純粋なα−トコトリエノールの産生、富化、および/または単離のための新規のプロセスに関する。1つの実施形態において、本発明は、天然に存在している混合トコトリエノールに富む植物抽出物からの純粋なα−トコトリエノールの産生、富化、および/または単離のための新規のプロセスに関する。1つの実施形態においては、本発明ではクロマトグラフィーを使用する必要はなく、α−トコトリエノールの大規模な商業的産生に適している。別の実施形態においては、本発明には、最小限のクロマトグラフィーの使用が必要であり、α−トコトリエノールの大規模な商業的産生に適している。
【0017】
1つの実施形態において、本発明は、トコトリエノールとα−トコフェロールの混合物を含有する天然に存在している抽出物からの純粋なα−トコトリエノールの産生、富化、および/または単離のための新規のプロセスに関する。別の実施形態においては、天然に存在している抽出物は、パーム油抽出物、パーム果実抽出物、またはパーム油/パーム果実抽出物である。別の実施形態においては、天然に存在している抽出物は、濃縮されたパーム油抽出物、パーム果実抽出物、またはパーム油/パーム果実抽出物である。別の実施形態においては、天然に存在している抽出物は、Elaeis guineensis由来のパーム油抽出物、パーム果実抽出物、またはパーム油/パーム果実抽出物である。別の実施形態においては、天然に存在している抽出物は、Elaeis guineensis由来の濃縮されたパーム油抽出物、パーム果実抽出物、またはパーム油/パーム果実抽出物である。別の実施形態においては、天然に存在している抽出物は、Carotech Bhd.(マレーシア)の製品である市販されているパーム油濃縮物Tocomin(登録商標)である。これは、新しい(virgin)粗パーム油/パーム果実(Elaeis guineensis)から抽出され、濃縮されたトコトリエノールとα−トコフェロールの混合物を含有し、これはまた、パーム果実由来のトコトリエノールとともに天然から抽出された非トコール植物栄養素(例えば、植物性スクアレン、フィトステロール、コエンザイムQ10、および混合カロテノイド)も含有する。いくつかの実施形態においては、天然に存在している抽出物は、パーム油、米糠油、大麦、もしくはアナトーの抽出物、または上記油のうちの2種類以上の任意の組み合わせである。別の実施形態においては、本発明の処方物は、Carotech、Golden Hope Bioorganic、Davos Life Science、Beijing Gingko Group、Eisai、Eastman Corporation、Sime Darby Biorganic Sdn Bhd、またはPalm Nutraceuticalsにより販売されているような、パーム油由来の富化されたトコトリエノール抽出物を含有する。
【0018】
本発明の別の実施形態は、以下から選択される少なくとも1種類の化合物を含有する原料からの天然のd−α−トコトリエノールの産生、富化、および/または単離を含み:
【0019】
【化1】
上記原料を、ホルムアルデヒド等価物および式H−N(R
11)(R
12)の少なくとも1種類のアミン化合物(式中、R
11とR
12は、独立して、HおよびC
1〜C
8アルキルからなる群より選択されるか、または、式中、R
11とR
12が、これらが結合した窒素とともに互いに結合して5員〜8員の複素環(上記複素環は、R
11とR
12が結合する窒素に加えて、0個、1個、または2個のさらなるヘテロ原子を有している)を形成する)と反応させて、以下から選択される少なくとも1種類のアミノメチル化化合物を生じさせ:
【0020】
【化2】
上記アミノメチル化化合物(単数または複数)を非アミノメチル化化合物から分離し、上記アミノメチル化化合物(単数または複数)を還元して、以下を得る:
【0021】
【化3】
。
【0022】
本発明の1つの実施形態は、
図1に記載されるように、以下の工程を含む、少なくとも1種類の非α−トコトリエノールと、場合により、さらなるトコトリエノールを含有し、場合により、α−トコフェロールと、場合により、他のトコールおよび、場合により、非トコール植物栄養素、または不純物もまた含有する天然の植物源からの天然のd−α−トコトリエノールの産生、富化、および/または単離を含む:
1a.)植物抽出物混合物を、1種類以上の非α−トコールと反応する適切な試薬と反応させて、1種類以上の非α−トコールの自由な(free)5位および/または7位に官能基を導入する工程;
1b.)官能化した1種類以上の非α−トコールホモログを、α−トコトリエノール、任意選択のα−トコフェロール、および存在し得る他の非トコール化合物から分離する工程;
1c.)場合により、工程(1b)で分離した混合物中のα−トコトリエノールを、任意選択のα−トコフェロールおよび他の非トコール化合物からさらに分離する工程;
1d.)工程(1b)による1種類以上の非α−トコール官能化ホモログを化学反応させて、α−トコトリエノールを得る工程;ならびに、
1e.)場合により、工程(1c)によるα−トコトリエノールを、工程(1d)により新しく産生されたα−トコトリエノールと混合して、高純度のα−トコトリエノールを得る工程。
【0023】
別の実施形態においては、工程1b)に続いて、官能化した1種類以上の非α−トコールホモログの溶液を濾過する任意選択の工程1b1)が行われる。濾過は、珪藻土(例えば、Celite(登録商標))を使用して、または当業者に公知の任意の他の濾過方法を使用して行われ得る。
【0024】
別の実施形態においては、工程1d)に続いて、任意選択の工程1d1)が行われる。ここでは、還元により産生された(トルエンのような溶媒中の)α−トコトリエノールの溶液がシリカゲルと混合される。シリカゲルは濾過によって除去され、残っている濾液が濃縮されて、高純度のα−トコトリエノールが得られる。
【0025】
別の実施形態においては、工程1b1)と工程1d1)の両方が行われる。
【0026】
別の実施形態においては、植物抽出物はパーム油植物抽出物である。別の実施形態においては、植物抽出物はパーム果実植物抽出物である。別の実施形態においては、植物抽出物は米抽出物である。別の実施形態においては、植物抽出物は米糠油抽出物である。別の実施形態においては、植物抽出物は大麦抽出物である。別の実施形態においては、植物抽出物はアナトー抽出物である。別の実施形態においては、植物抽出物は、上記植物抽出物の2種類以上の混合物である。
【0027】
1つの実施形態において、非α−トコールホモログの自由な5位および/または7位への官能基の導入は、出発原料、原料ソース、または抽出物中の非官能化化合物と比較して、官能化された非α−トコールホモログの差次的溶解度の増大(increased differential solubility)をもたらす基の導入を含む。差次的溶解度の増大は単一溶媒中の差次的溶解度であり得、または、混合溶媒系中の2種類以上の溶媒の間での差次的溶解度の増大でもあり得る。1つの実施形態において、非α−トコールホモログの自由な5位および/または7位への官能基の導入は、トコトリエノール化合物中に存在する二重結合を減少させることなく(without reducing)、そして/またはトコトリエノール化合物中に存在する二重結合の異性化を生じることなく達成される。1つの実施形態において、非α−トコール官能化ホモログを化学反応させてα−トコトリエノールを生じさせる工程は、トコトリエノール化合物中に存在する二重結合を減少させることなく、そして/またはトコトリエノール化合物中に存在する二重結合の異性化を生じることなく達成される。
【0028】
1つの実施形態において、官能化は、アミノアルキル化、それに続く酸性化によってもたらされ、それにより非α−トコトリエノールを対応するアミノアルキル化生成物に転換し、そして上記生成物を酸塩に転換する。いくつかの実施形態においては、官能化は、ホルムアルデヒド等価物(例えば、パラホルムアルデヒド)とアミン(例えば、第2級アミン、例えば、1−メチルピペラジン、ピペリジン、またはモルホリンのような環状アミン)でのアミノアルキル化によりもたらされる。いくつかの実施形態においては、官能化は、パラホルムアルデヒドと1−メチルピペラジンでのアミノアルキル化によりもたらされる。いくつかの実施形態においては、官能化は、パラホルムアルデヒドとモルホリンでのアミノアルキル化によりもたらされる。
【0029】
1つの実施形態においては、α−トコトリエノール、任意選択のα−トコフェロール、および存在し得る他の非トコール化合物からのアミノアルキル化生成物の分離は、2つの有機層の間での分配により行われる。1つの実施形態においては、α−トコトリエノール、任意選択のα−トコフェロール、および存在し得る他の非トコール化合物からのアミノアルキル化生成物の分離は、有機層と水層との間での分配により行われる。1つの実施形態においては、α−トコトリエノール、任意選択のα−トコフェロール、および存在し得る他の非トコール化合物からのアミノアルキル化生成物の分離は、酸性有機層(例えば、ギ酸を含有するアセトニトリル)を使用する分配により行われる。
【0030】
別の実施形態においては、非α−トコトリエノール官能化ホモログは、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(NaCNBH
3)のような水素化試薬(hydride reagent)で還元される。別の実施形態においては、非α−トコトリエノール官能化ホモログは、水素化ホウ素ナトリウムのような水素化試薬で還元される。別の実施形態においては、非α−トコトリエノール官能化ホモログは、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素亜鉛、またはテトラアルキルアンモニウムヒドライドで還元される。なお別の実施形態では、非α−トコトリエノール官能化ホモログは、水素化リチウムアルミニウムのような水素化試薬で還元される。なお別の実施形態では、非α−トコトリエノール官能化ホモログは、ボラン、ジボラン、またはボラン錯体(例えば、ボラン−t−ブチルアミン錯体)で還元される。別の実施形態においては、非α−トコトリエノール官能化ホモログは、電気化学的に、または電子供与体(例えば、ナトリウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、亜鉛、ニッケル、またはそれらのアマルガム)を用いて、適切な陽子源(例えば、アンモニウム塩またはカルボン酸)の存在下で還元される。
【0031】
上記実施形態のいずれにおいても、本発明のプロセスにより高純度のα−トコトリエノールを得ることができる。いくつかの実施形態においては、純度は、80%〜99.9%の範囲、または85%〜99.9%の範囲、または90%〜99.9%の範囲、または95%〜99.9%の範囲である。いくつかの実施形態においては、純度は、約80%〜約99.9%の範囲、または約85%〜約99.9%の範囲、または約90%〜約99.9%の範囲、または約95%〜約99.9%の範囲である。いくつかの実施形態においては、純度は、80%を上回る、または85%を上回る、または90%を上回る、または91%を上回る、または92%を上回る、または93%を上回る、または94%を上回る、または95%を上回る、または96%を上回る、または97%を上回る、または98%を上回る、または99%を上回る、または99.5%を上回る、または99.9%を上回る。いくつかの実施形態においては、純度は、約80%を上回る、または約85%を上回る、または約90%を上回る、または約91%を上回る、または約92%を上回る、または約93%を上回る、または約94%を上回る、または約95%を上回る、または約96%を上回る、または約97%を上回る、または約98%を上回る、または約99%を上回る、または約99.5%を上回る、または約99.9%を上回る。他の実施形態においては、最終生成物中の不純物は、20%未満、または15%未満、または10%未満、または5%未満、または4%未満、または3%未満、または2%未満、または1%未満、または0.5%未満、または0.1%未満である。他の実施形態においては、最終生成物中の不純物は、約20%未満、または約15%未満、または約10%未満、または約5%未満、または約4%未満、または約3%未満、または約2%未満、または約1%未満、または約0.5%未満、または約0.1%未満である。他の実施形態においては、最終生成物中のトコールまたはトコール誘導体からなる不純物は、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、1%未満、0.5%未満、または0.1%未満である。他の実施形態においては、最終生成物中のトコールまたはトコール誘導体からなる不純物は、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、約1%未満、約0.5%未満、または約0.1%未満である。1つの実施形態において、本発明は、少なくとも50グラム、少なくとも100グラム、少なくとも250グラム、少なくとも500グラム、少なくとも1キログラム、少なくとも2キログラム、少なくとも5キログラム、または少なくとも10キログラム、または少なくとも約50グラム、少なくとも約100グラム、少なくとも約250グラム、少なくとも約500グラム、少なくとも約1キログラム、少なくとも約2キログラム、少なくとも約5キログラム、または少なくとも約10キログラムのα−トコトリエノールを含有する原料の量のような、大規模なα−トコトリエノールの産生、富化、および/または単離のための方法を提供する。α−トコトリエノールを含有する原料の量は、本明細書中に記載されるような任意の純度水準を有し得る。
【0032】
上記実施形態のいくつかにおいて、上記プロセスは、高純度のα−トコトリエノールを酸化して高純度のα−トコトリエノールキノンを生じさせるさらなる任意選択の工程を含む。1つの実施形態において、α−トコトリエノールのα−トコトリエノールキノンへの転換は、緩衝化条件下で行われる。1つの実施形態において、α−トコトリエノールのα−トコトリエノールキノンへの転換の際に利用されるバッファーおよび/または塩基は、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、リン酸バッファー、または上記バッファーの2種類以上の任意の割合での任意の混合物である。
【0033】
上記実施形態のいずれにおいても、本発明のプロセスにより、高純度のα−トコトリエノールキノンを得ることができる。いくつかの実施形態においては、純度は、80%〜99.9%の範囲、または85%〜99.9%の範囲、または90%〜99.9%の範囲、または95%〜99.9%の範囲である。いくつかの実施形態においては、純度は、約80%〜約99.9%の範囲、または約85%〜約99.9%の範囲、または約90%〜約99.9%の範囲、または約95%〜約99.9%の範囲である。いくつかの実施形態においては、純度は、80%を上回る、または85%を上回る、または90%を上回る、または91%を上回る、または92%を上回る、または93%を上回る、または94%を上回る、または95%を上回る、または96%を上回る、または97%を上回る、または98%を上回る、または99%を上回る、または99.5%を上回る、または99.9%を上回る。いくつかの実施形態においては、純度は、約80%を上回る、または約85%を上回る、または約90%を上回る、または約91%を上回る、または約92%を上回る、または約93%を上回る、または約94%を上回る、または約95%を上回る、または約96%を上回る、または約97%を上回る、または約98%を上回る、または約99%を上回る、または約99.5%を上回る、または約09.9%を上回る。他の実施形態においては、最終生成物中の不純物は、20%未満、または15%未満、または10%未満、または5%未満、または4%未満、または3%未満、または2%未満、または1%未満、または0.5%未満、または0.1%未満である。他の実施形態においては、最終生成物中の不純物は、約20%未満、または約15%未満、または約10%未満、または約5%未満、または約4%未満、または約3%未満、または約2%未満、または約1%未満、または約0.5%未満、または約0.1%未満である。他の実施形態においては、最終生成物中のトコールまたはトコール誘導体からなる不純物は、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、1%未満、0.5%未満、または0.1%未満である。他の実施形態においては、最終生成物中のトコールまたはトコール誘導体からなる不純物は、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、約1%未満、約0.5%未満、または約0.1%未満である。1つの実施形態においては、本発明は、少なくとも50グラム、少なくとも100グラム、少なくとも250グラム、少なくとも500グラム、少なくとも1キログラム、少なくとも2キログラム、少なくとも5キログラム、または少なくとも10キログラム、または少なくとも約50グラム、少なくとも約100グラム、少なくとも約250グラム、少なくとも約500グラム、少なくとも約1キログラム、少なくとも約2キログラム、少なくとも約5キログラム、または少なくとも約10キログラムのα−トコトリエノールキノンを含有する原料の量のような、α−トコトリエノールキノンの大規模な産生、富化、および/または単離のための方法を提供する。α−トコトリエノールキノンを含有する原料の量は、本明細書中に記載されるような任意の純度水準を有し得る。
【0034】
別の実施形態においては、本発明は、トリエン部分の二重結合の最小限の異性化を伴う、α−トコトリエノールを酸化してα−トコトリエノールキノンにするための方法を含む。いくつかの実施形態においては、上記方法により産生されたα−トコトリエノールキノン、2−((6E,10E)−3R−ヒドロキシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデカ−6,10,14−トリエニル)−3,5,6−トリメチルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオンは、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、または少なくとも約99.9%の2−(3−ヒドロキシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデカ−6,10,14−トリエニル)−3,5,6−トリメチルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン原料の存在を含む。
【0035】
上記実施形態のいずれにおいても、α−トコトリエノールのα−トコトリエノールキノンへの酸化は、硝酸セリウム(IV)アンモニウムを用いて行うことができる。
【0036】
別の実施形態においては、溶媒(例えば、酢酸イソプロピル、n−ヘプタン、または酢酸イソプロピルとn−ヘプタンの混合物)中のα−トコトリエノールキノンの溶液が、シリカゲルを充填したクロマトグラフィーカラム上に載せられる。シリカゲルは、約0.1〜5重量%の炭酸水素ナトリウム(例えば、約0.5〜2重量%または約1重量%の炭酸水素ナトリウム)を含み得る。α−トコトリエノールキノンは、溶媒(例えば、n−ヘプタン、酢酸イソプロピル、または約100:1、約100:5、約100:10、もしくは約100:15の比のn−ヘプタン:酢酸イソプロピル)で、シリカゲル/NaHCO
3から溶出させることができる。α−トコトリエノールキノンの回収した溶液を濃縮し、高純度のα−トコトリエノールキノンを得ることができる。
【0037】
別の実施形態においては、α−トコトリエノールまたはα−トコトリエノールキノンの上記量は、上記方法の1回の能力(single performance)を使用して、すなわち上記方法の工程の1回の反復により産生され得る。
【0038】
本発明の1つの実施形態は、
図2に記載されるように、以下の工程を含む、パーム油由来の天然の植物源抽出物(ここでは、上記抽出物は、少なくとも1種類の非α−トコトリエノールを含有する)からの天然のd−α−トコトリエノールの産生、富化、および/または単離を含み:
2a.)パーム油抽出物混合物を、1種類以上の非α−トコールと反応するアミノアルキル化剤と反応させて、1種類以上の非α−トコトリエノールの自由な5位および/または7位に官能基を導入し、生成物を酸塩に転換する工程、
2b.)工程(2a)による生成物の1種類以上の非α−トコトリエノール酸塩を、α−トコトリエノール、任意選択のα−トコフェロール、および存在し得る他の非トコール化合物から分離する工程;ならびに
2c.)非α−トコトリエノール官能化ホモログを還元剤で還元して、高純度のα−トコトリエノールを得る工程。
【0039】
この具体的な実施形態において、工程(2b)の1種類以上のアミノアルキルトコトリエノールホモログから分離したα−トコトリエノールは回収されず、これにより、徹底的なおよび/または高価なクロマトグラフィーの必要なく、純粋なα−トコトリエノールを得るプロセスが可能となる。
【0040】
別の実施形態においては、上記プロセスは、工程(2b)によるα−トコトリエノールを回収するさらなる工程を含まず、これにより、より安価な商業用のプロセスが可能となる。
【0041】
別の実施形態においては、工程2b)に続いて、官能化した1種類以上の非α−トコールホモログの溶液を濾過する任意選択の工程2b1)が行われる。濾過は、珪藻土(例えば、Celite(登録商標))または当業者に公知の任意の他の濾過方法を使用して行われ得る。
【0042】
別の実施形態においては、工程2c)に続いて、還元により産生された(トルエンのような溶媒中の)α−トコトリエノールの溶液をシリカゲルと混合する任意選択の工程2c1)が行われる。シリカゲルは濾過により除去され、残っている濾液が濃縮されて、高純度のα−トコトリエノールが得られる。
【0043】
別の実施形態においては、工程2b1)と工程2c1)の両方が行われる。
【0044】
1つの実施形態において、パーム油抽出物は、市販されているTocomin(登録商標)である。別の実施形態においては、パーム油抽出物は、市販されているTocomin(登録商標)−50である。
【0045】
1つの実施形態において、非α−トコールホモログの自由な5位および/または7位へのアミノアルキル基の導入は、出発原料、原料ソース、または抽出物中の非官能化化合物と比較して、官能化された非α−トコールホモログの差次的溶解度の増大を提供する。差次的溶解度の増大は、単一溶媒中での差次的溶解度であり得、または、混合溶媒系中の2種類以上の溶媒の間での差次的溶解度の増大でもあり得る。1つの実施形態において、非α−トコールホモログの自由な5位および/または7位へのアミノアルキル基の導入は、トコトリエノール化合物中に存在する二重結合を減少させることなく、そして/またはトコトリエノール化合物中に存在する二重結合の異性化を生じることなく達成される。1つの実施形態において、非α−トコール官能化ホモログを還元してα−トコトリエノールを生じさせる工程は、トコトリエノール化合物中に存在する二重結合を減少させることなく、そして/またはトコトリエノール化合物中に存在する二重結合の異性化を生じることなく達成される。
【0046】
別の実施形態においては、アミノアルキル化は、ホルムアルデヒド等価物(例えば、パラホルムアルデヒド)とアミン(例えば、第2級アミン、例えば、1−メチルピペラジン、ピペリジン、またはモルホリンから選択される環状アミン)を用いて行われる。なお別の実施形態においては、アミノアルキル化は、パラホルムアルデヒドと1−メチルピペラジンを用いて行われる。なお別の実施形態においては、アミノアルキル化は、パラホルムアルデヒドとモルホリンを用いて行われる。
【0047】
別の実施形態においては、還元は、水素化試薬(例えば、水素化リチウムアルミニウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素亜鉛、テトラアルキルアンモニウムヒドライド、水素化ホウ素ナトリウム、またはシアノ水素化ホウ素ナトリウム)を用いて行われる。
【0048】
別の実施形態においては、還元は、ボラン、ジボラン、またはボラン錯体(例えば、ボランt−ブチルアミン錯体)を用いて行われる。
【0049】
別の実施形態においては、還元は、電気化学的に、または電子供与体(例えば、ナトリウム、リチウム、カリウム、マグネシウム、亜鉛、もしくはニッケル、またはそれらのアマルガム)を用いて、適切な陽子源(例えば、プロトン溶媒(例えば、有機アルコールまたは液体アンモニア)または、例えば、アンモニウム塩またはカルボン酸)の存在下で行われる。
【0050】
上記の実施形態のいずれにおいても、本発明のプロセスにより、高純度のα−トコトリエノールを得ることができる。いくつかの実施形態においては、純度は、80%〜99.9%の範囲、または85%〜99.9%の範囲、または90%〜99.9%の範囲、または95%〜99.9%の範囲である。いくつかの実施形態においては、純度は、約80%〜約99.9%の範囲、または約85%〜約99.9%の範囲、または約90%〜約99.9%の範囲、または約95%〜約99.9%の範囲である。いくつかの実施形態においては、純度は、80%を上回る、または85%を上回る、または90%を上回る、または91%を上回る、または92%を上回る、または93%を上回る、または94%を上回る、または95%を上回る、または96%を上回る、または97%を上回る、または98%を上回る、または99%を上回る、または99.5%を上回る、または99.9%を上回る。いくつかの実施形態においては、純度は、約80%を上回る、または約85%を上回る、または約90%を上回る、または約91%を上回る、または約92%を上回る、または約93%を上回る、または約94%を上回る、または約95%を上回る、または約96%を上回る、または約97%を上回る、または約98%を上回る、または約99%を上回る、または約99.5%を上回る、または約99.9%を上回る。他の実施形態においては、最終生成物中の不純物は、20%未満、または15%未満、または10%未満、または5%未満、または4%未満、または3%未満、または2%未満、または1%未満、または0.5%未満、または0.1%未満である。他の実施形態においては、最終生成物中の不純物は、約20%未満、または約15%未満、または約10%未満、または約5%未満、または約4%未満、または約3%未満、または約2%未満、または約1%未満、または約0.5%未満、または約0.1%未満である。他の実施形態においては、最終生成物中のトコールまたはトコール誘導体からなる不純物は、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、1%未満、0.5%未満、または0.1%未満である。他の実施形態においては、最終生成物中のトコールまたはトコール誘導体からなる不純物は、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、約1%未満、約0.5%未満、または約0.1%未満である。1つの実施形態において、本発明は、少なくとも50グラム、少なくとも100グラム、少なくとも250グラム、少なくとも500グラム、少なくとも1キログラム、少なくとも2キログラム、少なくとも5キログラム、または少なくとも10キログラム、または少なくとも約50グラム、少なくとも約100グラム、少なくとも約250グラム、少なくとも約500グラム、少なくとも約1キログラム、少なくとも約2キログラム、少なくとも約5キログラム、または少なくとも約10キログラムのα−トコトリエノールを含有する原料の量のような、α−トコトリエノールの大規模な産生、富化、および/または単離のための方法を提供する。α−トコトリエノールを含有する原料の量は、本明細書中に記載されるような任意の純度水準を有し得る。
【0051】
上記実施形態のいくつかにおいては、上記プロセスは、高純度のα−トコトリエノールを酸化させて高純度のα−トコトリエノールキノンを生じさせるさらなる任意選択の工程を含む。1つの実施形態において、α−トコトリエノールのα−トコトリエノールキノンへの転換は、緩衝化条件下で行われる。1つの実施形態において、α−トコトリエノールのα−トコトリエノールキノンへの転換の際に使用されるバッファーおよび/または塩基は、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、リン酸バッファー、または2種類以上の上記バッファーの任意の割合での任意の混合物である。
【0052】
上記の実施形態のいずれにおいても、本発明のプロセスにより、高純度のα−トコトリエノールキノンを得ることができる。いくつかの実施形態においては、純度は、80%〜99.9%の範囲、または85%〜99.9%の範囲、または90%〜99.9%の範囲、または95%〜99.9%の範囲である。いくつかの実施形態においては、純度は、約80%〜約99.9%の範囲、または約85%〜約99.9%の範囲、または約90%〜約99.9%の範囲、または約95%〜約99.9%の範囲である。いくつかの実施形態においては、純度は、80%を上回る、または85%を上回る、または90%を上回る、または91%を上回る、または92%を上回る、または93%を上回る、または94%を上回る、または95%を上回る、または96%を上回る、または97%を上回る、または98%を上回る、または99%を上回る、または99.5%を上回る、または99.9%を上回る。いくつかの実施形態においては、純度は、約80%を上回る、または約85%を上回る、または約90%を上回る、または約91%を上回る、または約92%を上回る、または約93%を上回る、または約94%を上回る、または約95%を上回る、または約96%を上回る、または約97%を上回る、または約98%を上回る、または約99%を上回る、または約99.5%を上回る、または約99.9%を上回る。他の実施形態においては、最終生成物中の不純物は、20%未満、または15%未満、または10%未満、または5%未満、または4%未満、または3%未満、または2%未満、または1%未満、または0.5%未満、または0.1%未満である。他の実施形態においては、最終生成物中の不純物は、約20%未満、または約15%未満、または約10%未満、または約5%未満、または約4%未満、または約3%未満、または約2%未満、または約1%未満、または約0.5%未満、または約0.1%未満である。他の実施形態においては、最終生成物中のトコールまたはトコール誘導体からなる不純物は、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、1%未満、0.5%未満、または0.1%未満である。他の実施形態においては、最終生成物中のトコールまたはトコール誘導体からなる不純物は、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、約1%未満、約0.5%未満、または約0.1%未満である。1つの実施形態において、本発明は、少なくとも50グラム、少なくとも100グラム、少なくとも250グラム、少なくとも500グラム、少なくとも1キログラム、少なくとも2キログラム、少なくとも5キログラム、または少なくとも10キログラム、または少なくとも約50グラム、少なくとも約100グラム、少なくとも約250グラム、少なくとも約500グラム、少なくとも約1キログラム、少なくとも約2キログラム、少なくとも約5キログラム、または少なくとも約10キログラムのα−トコトリエノールキノンを含有する原料の量のような、α−トコトリエノールキノンの大規模な産生、富化、および/または単離のための方法を提供する。α−トコトリエノールキノンを含有する原料の量は、本明細書中に記載されるような任意の純度水準を有し得る。
【0053】
別の実施形態においては、本発明は、トリエン部分の二重結合の最小限の異性化を伴う、α−トコトリエノールを酸化してα−トコトリエノールキノンにするための方法を含む。いくつかの実施形態においては、上記方法により産生されたα−トコトリエノールキノン、2−((6E,10E)−3R−ヒドロキシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデカ−6,10,14−トリエニル)−3,5,6−トリメチルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオンは、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、または少なくとも約99.9%の2−(3−ヒドロキシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデカ−6,10,14−トリエニル)−3,5,6−トリメチルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン原料の存在を含む。
【0054】
上記実施形態のいずれにおいても、α−トコトリエノールのα−トコトリエノールキノンへの酸化は、硝酸セリウム(IV)アンモニウムを用いて行われ得る。
【0055】
別の実施形態においては、溶媒(例えば、酢酸イソプロピル、n−ヘプタン、または酢酸イソプロピルとn−ヘプタンの混合物)中のα−トコトリエノールキノンの溶液は、シリカゲルを充填したクロマトグラフィーカラム上に載せられる。シリカゲルは、約0.1〜5重量%の炭酸水素ナトリウム(例えば、約0.5〜2重量%または約1重量%の炭酸水素ナトリウム)を含み得る。α−トコトリエノールキノンは、溶媒(例えば、n−ヘプタン、酢酸イソプロピル、または約100:1、約100:5、約100:10、もしくは約100:15の比のn−ヘプタン:酢酸イソプロピル)を用いてシリカゲル/NaHCO
3から溶出させることができる。α−トコトリエノールキノンの回収した溶液を濃縮して、高純度のα−トコトリエノールキノンを得ることができる。
【0056】
別の実施形態においては、α−トコトリエノールまたはα−トコトリエノールキノンの上記量は、上記方法の1回の能力を使用して、すなわち、上記方法の工程の1回の反復により産生され得る。
【0057】
いくつかの実施形態においては、
図3に記載されるように、上記プロセスは以下の工程を含む:
3a.)少なくとも1種類の非α−トコトリエノールを含有する植物抽出物混合物を、1種類以上の非α−トコールと反応する適切な試薬と反応させて、1種類以上の非α−トコールの自由な5位および/または7位に官能基を導入する工程;
3b.)α−トコトリエノール由来の官能化した1種類以上の非α−トコールホモログを、α−トコトリエノール、任意選択のα−トコフェロール、および存在し得る他の非トコール化合物から分離する工程;
3c.)場合により、工程(3b)で分離した混合物中のα−トコトリエノールを、任意選択のα−トコフェロールおよび他の非トコール化合物からさらに分離する工程;
3d.)1種類以上の非α−トコール官能化ホモログを化学反応させてα−トコトリエノールを得る工程;
3e.)場合により、工程(3c)によるα−トコトリエノールを、工程(3d)により新しく産生されたα−トコトリエノールと混合して、高純度のα−トコトリエノールを得る工程;ならびに
3f.)工程(3e)によるα−トコトリエノールを酸化して、高純度のα−トコトリエノールキノンを得る工程。
【0058】
別の実施形態においては、工程3b)に続いて、官能化した1種類以上の非α−トコールホモログの溶液を濾過する任意選択の工程3b1)が行われる。濾過は、珪藻土(例えば、Celite(登録商標))または当業者に公知の任意の他の濾過方法を使用して行われ得る。
【0059】
別の実施形態においては、工程3d)に続いて、任意選択の工程3d1)が行われ、そして/または、工程3e)に続いて、任意選択の工程3e1)が行われる。ここでは、還元により産生された(トルエンのような溶媒中の)α−トコトリエノールの溶液がシリカゲルと混合される。シリカゲルは濾過により除去され、残っている濾液が濃縮されて、高純度のα−トコトリエノールが得られる。
【0060】
別の実施形態においては、工程3b1)と工程3d1)の両方、工程3b1)と工程3e1)の両方、または3つの工程3b1)、工程3d1)、および工程3e1)の全てが行われる。
【0061】
1つの実施形態において、非α−トコールホモログの自由な5位および/または7位への官能基の導入は、出発原料、原料ソース、または抽出物中の非官能化化合物と比較して、官能化された非α−トコールホモログの差次的溶解度の増大を提供する基の導入を含む。差次的溶解度の増大は、単一溶媒中での差次的溶解度であり得、または、混合溶媒系中の2種類以上の溶媒の間での差次的溶解度の増大でもあり得る。1つの実施形態において、非α−トコールホモログの自由な5位および/または7位への官能基の導入は、トコトリエノール化合物中に存在する二重結合を減少させることなく、そして/またはトコトリエノール化合物中に存在する二重結合の異性化を生じることなく達成される。1つの実施形態において、非α−トコール官能化ホモログを化学反応させてα−トコトリエノールを生じさせる工程は、トコトリエノール化合物中に存在する二重結合を減少させることなく、そして/またはトコトリエノール化合物中に存在する二重結合の異性化を生じることなく達成される。
【0062】
1つの実施形態において、官能化は、アミノアルキル化、それに続く酸性化によってもたらされ、それにより、非α−トコトリエノールを対応するアミノアルキル化生成物に転換し、そして上記生成物を酸塩に転換する。いくつかの実施形態においては、官能化は、ホルムアルデヒド等価物(例えば、パラホルムアルデヒド)とアミン(例えば、第2級アミン、例えば、1−メチルピペラジン、ピペリジン、もしくはモルホリンのような環状アミン)でのアミノアルキル化によりもたらされる。いくつかの実施形態においては、官能化は、パラホルムアルデヒドと1−メチルピペラジンでのアミノアルキル化によりもたらされる。いくつかの実施形態においては、官能化は、パラホルムアルデヒドとモルホリンでのアミノアルキル化によりもたらされる。
【0063】
上記の実施形態のいずれにおいても、本発明のプロセスにより、高純度のα−トコトリエノールを得ることができる。いくつかの実施形態においては、純度は、80%〜99.9%の範囲、または85%〜99.9%の範囲、または90%〜99.9%の範囲、または95%〜99.9%の範囲である。いくつかの実施形態においては、純度は、約80%〜約99.9%の範囲、または約85%〜約99.9%の範囲、または約90%〜約99.9%の範囲、または約95%〜約99.9%の範囲である。いくつかの実施形態においては、純度は、80%を上回る、または85%を上回る、または90%を上回る、または91%を上回る、または92%を上回る、または93%を上回る、または94%を上回る、または95%を上回る、または96%を上回る、または97%を上回る、または98%を上回る、または99%を上回る、または99.5%を上回る、または99.9%を上回る。いくつかの実施形態においては、純度は、約80%を上回る、または約85%を上回る、または約90%を上回る、または約91%を上回る、または約92%を上回る、または約93%を上回る、または約94%を上回る、または約95%を上回る、または約96%を上回る、または約97%を上回る、または約98%を上回る、または約99%を上回る、または約99.5%を上回る、または約99.9%を上回る。他の実施形態においては、最終生成物中の不純物は、20%未満、または15%未満、または10%未満、または5%未満、または4%未満、または3%未満、または2%未満、または1%未満、または0.5%未満、または0.1%未満である。他の実施形態においては、最終生成物中の不純物は、約20%未満、または約15%未満、または約10%未満、または約5%未満、または約4%未満、または約3%未満、または約2%未満、または約1%未満、または約0.5%未満、または約0.1%未満である。他の実施形態においては、最終生成物中のトコールまたはトコール誘導体からなる不純物は、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、1%未満、0.5%未満、または0.1%未満である。他の実施形態においては、最終生成物中のトコールまたはトコール誘導体からなる不純物は、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、約1%未満、約0.5%未満、または約0.1%未満である。1つの実施形態において、本発明は、少なくとも50グラム、少なくとも100グラム、少なくとも250グラム、少なくとも500グラム、少なくとも1キログラム、少なくとも2キログラム、少なくとも5キログラム、または少なくとも10キログラム、または少なくとも約50グラム、少なくとも約100グラム、少なくとも約250グラム、少なくとも約500グラム、少なくとも約1キログラム、少なくとも約2キログラム、少なくとも約5キログラム、または少なくとも約10キログラムのα−トコトリエノールを含有する原料の量のような、α−トコトリエノールの大規模な産生、富化、および/または単離のための方法を提供する。α−トコトリエノールを含有する原料の量は、本明細書中に記載されるような任意の純度水準を有し得る。
【0064】
上記の実施形態のいずれにおいても、本発明のプロセスにより、高純度のα−トコトリエノールキノンを得ることができる。いくつかの実施形態においては、純度は、80%〜99.9%の範囲、または85%〜99.9%の範囲、または90%〜99.9%の範囲、または95%〜99.9%の範囲である。いくつかの実施形態においては、純度は、約80%〜約99.9%の範囲、または約85%〜約99.9%の範囲、または約90%〜約99.9%の範囲、または約95%〜約99.9%の範囲である。いくつかの実施形態においては、純度は、80%を上回る、または85%を上回る、または90%を上回る、または91%を上回る、または92%を上回る、または93%を上回る、または94%を上回る、または95%を上回る、または96%を上回る、または97%を上回る、または98%を上回る、または99%を上回る、または99.5%を上回る、または99.9%を上回る。いくつかの実施形態においては、純度は、約80%を上回る、または約85%を上回る、または約90%を上回る、または約91%を上回る、または約92%を上回る、または約93%を上回る、または約94%を上回る、または約95%を上回る、または約96%を上回る、または約97%を上回る、または約98%を上回る、または約99%を上回る、または約99.5%を上回る、または約99.9%を上回る。他の実施形態においては、最終生成物中の不純物は、20%未満、または15%未満、または10%未満、または5%未満、または4%未満、または3%未満、または2%未満、または1%未満、または0.5%未満、または0.1%未満である。他の実施形態においては、最終生成物中の不純物は、約20%未満、または約15%未満、または約10%未満、または約5%未満、または約4%未満、または約3%未満、または約2%未満、または約1%未満、または約0.5%未満、または約0.1%未満である。他の実施形態においては、最終生成物中のトコールまたはトコール誘導体からなる不純物は、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、1%未満、0.5%未満、または0.1%未満である。他の実施形態においては、最終生成物中のトコールまたはトコール誘導体からなる不純物は、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、約1%未満、約0.5%未満、または約0.1%未満である。1つの実施形態において、本発明は、少なくとも50グラム、少なくとも100グラム、少なくとも250グラム、少なくとも500グラム、少なくとも1キログラム、少なくとも2キログラム、少なくとも5キログラム、または少なくとも10キログラム、または少なくとも約50グラム、少なくとも約100グラム、少なくとも約250グラム、少なくとも約500グラム、少なくとも約1キログラム、少なくとも約2キログラム、少なくとも約5キログラム、または少なくとも約10キログラムのα−トコトリエノールキノンを含有する原料の量のような、α−トコトリエノールキノンの大規模な産生、富化、および/または単離のための方法を提供する。α−トコトリエノールキノンを含有する原料の量は、本明細書中に記載されるような任意の純度水準を有し得る。
【0065】
1つの実施形態において、工程3f)のα−トコトリエノールのα−トコトリエノールキノンへの転換は、緩衝化条件下で行われる。1つの実施形態において、工程3f)のα−トコトリエノールのα−トコトリエノールキノンへの転換の際に使用されるバッファーおよび/または塩基は、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、リン酸バッファー、または2種類以上の上記バッファーの任意の割合での任意の混合物である。
【0066】
別の実施形態においては、本発明は、トリエン部分の二重結合の最小限の異性化を伴う、α−トコトリエノールを酸化してα−トコトリエノールキノンにするための方法を含む。いくつかの実施形態においては、上記方法により産生されたα−トコトリエノールキノン、2−((6E,10E)−3R−ヒドロキシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデカ−6,10,14−トリエニル)−3,5,6−トリメチルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオンは、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、または少なくとも約99.9%の2−(3−ヒドロキシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデカ−6,10,14−トリエニル)−3,5,6−トリメチルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン原料の存在を含む。
【0067】
上記実施形態のいずれにおいても、α−トコトリエノールのα−トコトリエノールキノンへの酸化は、硝酸セリウム(IV)アンモニウムを用いて行われ得る。
【0068】
別の実施形態においては、溶媒(例えば、酢酸イソプロピル、n−ヘプタン、または酢酸イソプロピルとn−ヘプタンの混合物)中のα−トコトリエノールキノンの溶液が、シリカゲルを充填したクロマトグラフィーカラム上に載せられる。シリカゲルは、約0.1〜5重量%の炭酸水素ナトリウム、例えば、約0.5〜2重量%、または約1重量%の炭酸水素ナトリウムを含み得る。α−トコトリエノールキノンは、溶媒(例えば、n−ヘプタン、酢酸イソプロピル、または約100:1、約100:5、約100:10、もしくは約100:15の比のn−ヘプタン:酢酸イソプロピル)を用いて、シリカゲル/NaHCO
3から溶出させることができる。α−トコトリエノールキノンの回収した溶液を濃縮し、高純度のα−トコトリエノールキノンを得ることができる。
【0069】
別の実施形態においては、α−トコトリエノールまたはα−トコトリエノールキノンの上記量は、上記方法の1回の能力を使用して、すなわち、上記方法の工程の1回の反復により産生され得る。
【0070】
いくつかの実施形態においては、
図4に記載されるように、上記プロセスは以下の工程を含む:
4a.)少なくとも1種類の非α−トコトリエノールを含有するパーム油抽出物混合物を、1種類以上の非α−トコールと反応するアミノアルキル化剤と反応させて、1種類以上の非α−トコトリエノールの自由な5位および/または7位に官能基を導入し、上記生成物を酸塩に転換する工程;
4b.)(工程4aによる)生成物の1種類以上の非α−トコトリエノール酸塩を、α−トコトリエノール、任意選択のα−トコフェロール、および存在し得る他の非トコール化合物から分離する工程;
4c.)(工程4bによる)1種類以上の非α−トコトリエノール官能化ホモログを還元剤で還元して、高純度のα−トコトリエノールを得る工程;ならびに
4d.)工程(4c)によるα−トコトリエノールを酸化して、高純度のα−トコトリエノールキノンを得る工程。
【0071】
別の実施形態においては、工程4b)に続いて、官能化した1種類以上の非α−トコールホモログの溶液を濾過する任意選択の工程4b1)が行われる。濾過は、珪藻土(例えば、Celite(登録商標))または当業者に公知の任意の他の濾過方法を使用して行われ得る。
【0072】
別の実施形態においては、工程4c)に続いて、還元により産生された(トルエンのような溶媒中の)α−トコトリエノールの溶液がシリカゲルと混合される任意選択の工程4c1)が行われる。シリカゲルは濾過により除去され、残っている濾液が濃縮されて、高純度のα−トコトリエノールが得られる。
【0073】
別の実施形態においては、工程4b1)と工程4c1)の両方が行われる。
【0074】
1つの実施形態においては、工程4d)のα−トコトリエノールのα−トコトリエノールキノンへの転換は、緩衝化条件下で行われる。1つの実施形態において、工程4d)のα−トコトリエノールのα−トコトリエノールキノンへの転換の際に使用されるバッファーおよび/または塩基は、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、リン酸バッファー、または2種類以上の上記バッファーの任意の割合での任意の混合物である。
【0075】
1つの実施形態において、非α−トコールホモログの自由な5位および/または7位へのアミノアルキル基の導入は、出発原料、原料ソース、または抽出物中の非官能化化合物と比較して、官能化された非α−トコールホモログの差次的溶解度の増大を提供する。差次的溶解度の増大は、単一溶媒中での差次的溶解度であり得、または、混合溶媒系中の2種類以上の溶媒の間での差次的溶解度の増大でもあり得る。1つの実施形態において、非α−トコールホモログの自由な5位および/または7位へのアミノアルキル基の導入は、トコトリエノール化合物中に存在する二重結合を減少させることなく、そして/またはトコトリエノール化合物中に存在する二重結合の異性化を生じることなく達成される。1つの実施形態において、非α−トコール官能化ホモログを還元してα−トコトリエノールを生じさせる工程は、トコトリエノール化合物中に存在する二重結合を減少させることなく、そして/またはトコトリエノール化合物中に存在する二重結合の異性化を生じることなく達成される。
【0076】
別の実施形態においては、アミノアルキル化は、ホルムアルデヒド等価物(例えば、パラホルムアルデヒド)とアミン(例えば、第2級アミン、例えば、1−メチルピペラジン、ピペリジン、またはモルホリンから選択される環状アミン)を用いて行われる。なお別の実施形態においては、アミノアルキル化は、パラホルムアルデヒドと1−メチルピペラジンを用いて行われる。なお別の実施形態においては、アミノアルキル化は、パラホルムアルデヒドとモルホリンを用いて行われる。
【0077】
別の実施形態においては、溶媒(例えば、酢酸イソプロピル、n−ヘプタン、または酢酸イソプロピルとn−ヘプタンの混合物)中のα−トコトリエノールキノンの溶液が、シリカゲルを充填したクロマトグラフィーカラム上に載せられる。シリカゲルは、約0.1〜5重量%の炭酸水素ナトリウム(例えば、約0.5〜2重量%または約1重量%の炭酸水素ナトリウム)を含み得る。α−トコトリエノールキノンは、溶媒(例えば、n−ヘプタン、酢酸イソプロピル、または約100:1、約100:5、約100:10、もしくは約100:15の比のn−ヘプタン/酢酸イソプロピル)で用いて、シリカゲル/NaHCO
3から溶出させることができる。α−トコトリエノールキノンの回収した溶液を濃縮して、高純度のα−トコトリエノールキノンを得ることができる。
【0078】
上記の実施形態のいずれにおいても、本発明のプロセスにより、高純度のα−トコトリエノールを得ることができる。いくつかの実施形態においては、純度は、80%〜99.9%の範囲、または85%〜99.9%の範囲、または90%〜99.9%の範囲、または95%〜99.9%の範囲である。いくつかの実施形態においては、純度は、約80%〜約99.9%の範囲、または約85%〜約99.9%の範囲、または約90%〜約99.9%の範囲、または約95%〜約99.9%の範囲である。いくつかの実施形態においては、純度は、80%を上回る、または85%を上回る、または90%を上回る、または91%を上回る、または92%を上回る、または93%を上回る、または94%を上回る、または95%を上回る、または96%を上回る、または97%を上回る、または98%を上回る、または99%を上回る、または99.5%を上回る、または99.9%を上回る。いくつかの実施形態においては、純度は、約80%を上回る、または約85%を上回る、または約90%を上回る、または約91%を上回る、または約92%を上回る、または約93%を上回る、または約94%を上回る、または約95%を上回る、または約96%を上回る、または約97%を上回る、または約98%を上回る、または約99%を上回る、または約99.5%を上回る、または約99.9%を上回る。他の実施形態においては、最終生成物中の不純物は、20%未満、または15%未満、または10%未満、または5%未満、または4%未満、または3%未満、または2%未満、または1%未満、または0.5%未満、または0.1%未満である。他の実施形態においては、最終生成物中の不純物は、約20%未満、または約15%未満、または約10%未満、または約5%未満、または約4%未満、または約3%未満、または約2%未満、または約1%未満、または約0.5%未満、または約0.1%未満である。他の実施形態においては、最終生成物中のトコールまたはトコール誘導体からなる不純物は、5%未満、4%未満、3%未満、2%未満、1%未満、0.5%未満、または0.1%未満である。他の実施形態においては、最終生成物中のトコールまたはトコール誘導体からなる不純物は、約5%未満、約4%未満、約3%未満、約2%未満、約1%未満、約0.5%未満、または約0.1%未満である。1つの実施形態において、本発明は、少なくとも50グラム、少なくとも100グラム、少なくとも250グラム、少なくとも500グラム、少なくとも1キログラム、少なくとも2キログラム、少なくとも5キログラム、または少なくとも10キログラム、または少なくとも約50グラム、少なくとも約100グラム、少なくとも約250グラム、少なくとも約500グラム、少なくとも約1キログラム、少なくとも約2キログラム、少なくとも約5キログラム、または少なくとも約10キログラムのα−トコトリエノールを含有する原料の量のような、α−トコトリエノールの大規模な産生、富化、および/または単離のための方法を提供する。α−トコトリエノールを含有する原料の量は、本明細書中に記載されるような任意の純度水準を有し得る。
【0079】
上記α−トコトリエノールキノンの産生のためのプロセスのいずれにおいても、α−トコトリエノールキノンは高純度である。いくつかのプロセスにおいては、純度は、80%〜99%の範囲、または85%〜99%の範囲、または90%〜99%の範囲、または95%〜99%の範囲である。いくつかのプロセスにおいては、純度は、80%を上回る、または85%を上回る、または90%を上回る、または91%を上回る、または92%を上回る、または93%を上回る、または94%を上回る、または95%を上回る、または96%を上回る、または97%を上回る、または98%を上回る、または99%を上回る、または99.5%を上回る、または99.9%を上回る。他の実施形態においては、最終生成物中の不純物は、20%未満、または15%未満、または10%未満、または5%未満、または4%未満、または3%未満、または2%未満、または1%未満、または0.5%未満、または0.1%未満である。いくつかの実施形態においては、最終生成物中のトコールまたはトコール誘導体からなる不純物は、5%未満、または4%未満、または3%未満、または2%未満、または1%未満、または0.5%未満、または0.1%未満である。いくつかのプロセスにおいては、純度は、約80%〜約99%の範囲、または約85%〜約99%の範囲、または約90%〜約99%の範囲、または約95%〜約99%の範囲である。いくつかのプロセスにおいては、純度は、約80%を上回る、または約85%を上回る、約90%を上回る、または約91%を上回る、または約92%を上回る、または約93%を上回る、または約94%を上回る、または約95%を上回る、または約96%を上回る、または約97%を上回る、または約98%を上回る、または約99%を上回る、または約99.5%を上回る、または約99.9%を上回る。他の実施形態においては、最終生成物中の不純物は、約20%未満、または約15%未満、または約10%未満、または約5%未満、または約4%未満、または約3%未満、または約2%未満、または約1%未満、または約0.5%未満、または約0.1%未満である。いくつかの実施形態においては、最終生成物中のトコールまたはトコール誘導体からなる不純物は、約5%未満、または約4%未満、または約3%未満、または約2%未満、または約1%未満、または約0.5%未満、または約0.1%未満である。
【0080】
別の実施形態においては、本発明は、トリエン部分の二重結合の最小限の異性化を伴う、α−トコトリエノールを酸化してα−トコトリエノールキノンにする方法を含む。いくつかの実施形態においては、この方法により産生されたα−トコトリエノールキノン、2−((6E,10E)−3R−ヒドロキシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデカ−6,10,14−トリエニル)−3,5,6−トリメチルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオンは、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約96%、少なくとも約97%、少なくとも約98%、少なくとも約99%、少なくとも約99.5%、または少なくとも約99.9%の2−(3−ヒドロキシ−3,7,11,15−テトラメチルヘキサデカ−6,10,14−トリエニル)−3,5,6−トリメチルシクロヘキサ−2,5−ジエン−1,4−ジオン原料の存在を含む。
【0081】
上記実施形態のいずれにおいても、非α−トコールを、ホルムアルデヒド等価物と式H−N(R
11)(R
12)の少なくとも1種類のアミン化合物(式中、R
11とR
12は、独立して、HおよびC
1〜C
8アルキルからなる群より選択されるか、または、式中、R
11とR
12が、これらが結合した窒素とともに互いに結合して5員〜8員の複素環(上記複素環は、R
11とR
12を結合する窒素に加えて、0個、1個、または2個のさらなるヘテロ原子を有している)を形成する)と反応させることができる。
【0082】
上記実施形態のいずれにおいても、α−トコトリエノールのα−トコトリエノールキノンへの酸化は、硝酸セリウム(IV)アンモニウムを用いて行われ得る。
【0083】
別の実施形態においては、本明細書中に記載される純度水準での、本明細書中に記載されるα−トコトリエノールまたはα−トコトリエノールキノンの量は、本明細書中に記載される方法の1回の能力を使用して、すなわち上記方法の工程の1回の反復を用いて産生され得る。
本発明は、例えば以下の項目を提供する。
(項目1)
植物抽出物からのd−α−トコトリエノールの産生、富化、および/または単離のためのプロセスであって、該植物抽出物は、少なくとも1種類の非α−トコトリエノールを含有し、場合により、α−トコフェロールを含有し、場合により、他のトコール、非トコール、および/または有機不純物を含有し、該プロセスは:
1a.)該植物抽出物を、1種類以上の非α−トコールと反応する適切な試薬と反応させて、該1種類以上の非α−トコールの自由な5位および/または7位に官能基を導入する工程;
1b.)工程(1a)で官能化した該1種類以上の非α−トコールを、該α−トコトリエノール、および任意選択のα−トコフェロール、および存在し得る他の非トコール化合物から分離する工程;
1c.)場合により、工程(1b)で分離した混合物中の該α−トコトリエノールを、該任意選択のα−トコフェロールから、および任意選択の他の非トコールからさらに分離する工程;
1d.)工程(1b)により分離した、官能化した1種類以上の非α−トコールを化学反応させて、α−トコトリエノールを得る工程;ならびに、
1e.)場合により、工程(1c)による該α−トコトリエノールを、工程(1d)による該α−トコトリエノールと混合して、α−トコトリエノールを得る工程、
を含む、プロセス。
(項目2)
前記植物抽出物が、パーム油抽出物、パーム果実抽出物、米抽出物、米糠抽出物、大麦抽出物、アナトー抽出物、またはそれらの混合物から選択される、項目1に記載のプロセス。
(項目3)
前記植物抽出物がパーム油抽出物である、項目2に記載のプロセス。
(項目4)
前記植物抽出物がTocomin(登録商標)である、項目2に記載のプロセス。
(項目5)
工程(1a)の反応が、アミノアルキル化と、それに続く酸性化である、項目1に記載のプロセス。
(項目6)
前記アミノアルキル化が、パラホルムアルデヒドと、1−メチルピペラジン、ピペリジン、またはモルホリンから選択される環状アミンとを用いて行われる、項目5に記載のプロセス。
(項目7)
前記アミノアルキル化が、パラホルムアルデヒドと1−メチルピペラジンを用いて行われる、項目5に記載のプロセス。
(項目8)
還元剤が、水素化試薬、ボラン錯体、または適切な陽子源の存在下の電子供与体である、項目1に記載のプロセス。
(項目9)
前記還元剤がシアノ水素化ホウ素ナトリウムである、項目8に記載のプロセス。
(項目10)
パーム油の抽出物からのd−α−トコトリエノールの産生、富化、および/または単離のためのプロセスであって、該抽出物は、少なくとも非α−トコトリエノールを含有し、場合により、α−トコフェロールを含有し、場合により、他のトコール、非トコール、および/または有機不純物を含有し、該プロセスは:
2a.)該抽出物を、1種類以上の非α−トコールと反応するアミノアルキル化剤と反応させて、該1種類以上の非α−トコトリエノールの自由な5位および/または7位に官能基を導入し、該生成物を酸塩に転換する工程、
2b.)工程(2a)の該生成物の該1種類以上の非α−トコトリエノール酸塩を、該α−トコトリエノール、該任意選択のα−トコフェロール、および存在し得る他の任意選択の非トコール化合物から分離する工程;ならびに
2c.)1種類以上の非α−トコトリエノール官能化ホモログを還元剤で還元して、α−トコトリエノールを得る工程、
を含む、プロセス。
(項目11)
前記パーム油由来の抽出物がTocomin(登録商標)である、項目10に記載のプロセス。
(項目12)
前記アミノアルキル化が、パラホルムアルデヒドと、1−メチルピペラジン、ピペリジン、またはモルホリンから選択される環状アミンとを用いて行われる、項目10に記載のプロセス。
(項目13)
前記アミノアルキル化が、パラホルムアルデヒドと1−メチルピペラジンを用いて行われる、項目10に記載のプロセス。
(項目14)
前記還元剤が、水素化試薬、ボラン錯体、または適切な陽子源の存在下の電子供与体である、項目10に記載のプロセス。
(項目15)
前記還元剤がシアノ水素化ホウ素ナトリウムである、項目14に記載のプロセス。
(項目16)
工程(2b)から前記α−トコトリエノールを回収するさらなる工程を含む、項目10に記載のプロセス。
(項目17)
前記α−トコトリエノール(工程1dおよび/または工程1eによる)を酸化してα−トコトリエノールキノンにする、さらなる最終工程をさらに含む、項目1に記載のプロセス。
(項目18)
前記α−トコトリエノール(工程2cによる)を酸化してα−トコトリエノールキノンにする、さらなる最終工程をさらに含む、項目10に記載のプロセス。
(項目19)
官能化した前記非α−トコールホモログの溶液を濾過する、工程1b)後の工程1b1)をさらに含む、項目1に記載のプロセス。
(項目20)
官能化した非α−トコールホモログの溶液を濾過する、工程2b)後の工程2b1)をさらに含む、項目10に記載のプロセス。
(項目21)
官能化した前記非α−トコールホモログの溶液を濾過する、工程1b)後の工程1b1)をさらに含む、項目17に記載のプロセス。
(項目22)
官能化した前記非α−トコールホモログの溶液を濾過する、工程2b)後の工程2b1)をさらに含む、項目18に記載のプロセス。
(項目23)
還元により産生された前記α−トコトリエノールの溶液をシリカゲルと混合し、続いて、濾過により該シリカゲルを除去する、工程1d)後の工程1d1)をさらに含む、項目1に記載のプロセス。
(項目24)
前記還元により産生された前記α−トコトリエノールの溶液をシリカゲルと混合し、続いて、濾過により該シリカゲルを除去する、工程2d)後の工程2d1)をさらに含む、項目10に記載のプロセス。
(項目25)
前記還元により産生された前記α−トコトリエノールの溶液をシリカゲルと混合し、続いて、濾過により該シリカゲルを除去する、工程1d)後の工程1d1)をさらに含む、項目17に記載のプロセス。
(項目26)
前記還元により産生された前記α−トコトリエノールの溶液をシリカゲルと混合し、続いて、濾過により該シリカゲルを除去する、工程2d)後の工程2d1)をさらに含む、項目18に記載のプロセス。
(項目27)
シリカゲルカラム上に前記α−トコトリエノールキノンをのせ、該α−トコトリエノールキノンを該カラムから溶出させる工程をさらに含む、項目17に記載のプロセス。
(項目28)
シリカゲルカラム上に前記α−トコトリエノールキノンをのせ、該α−トコトリエノールキノンを該カラムから溶出させる工程をさらに含む、項目18に記載のプロセス。