【文献】
「CRめぞん一刻〜桜の下で〜」,パチンコ必勝本CLIMAX2月号,株式会社綜合図書,2012年 2月 1日,p.181-182
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳述する。
図1〜
図17は本発明をパチンコ機に採用した一実施形態を例示している。
図1、
図2において、遊技機1(パチンコ機)は、遊技店内に配列された島設備に固定(設置)される正面視矩形状の外枠2と、この外枠2の前面側に着脱、開閉自在に取り付けられた前枠3(本体枠)とを備えている。前枠3は、左端側の上下一対のヒンジ手段4Aを介して外枠2に着脱及び開閉自在に装着されている。
【0021】
遊技島は、例えば、複数の遊技機1及び複数の台間機(遊技媒体貸出装置)が所定方向(前方向)に向けて交互に並べることにより構成されている。各遊技機1の例えば左隣にある台間機(図示省略)は、遊技者によって入金された紙幣、または一般カードや会員カード等のカード(ICカード、プリペイドカード等)に関連付けられた有価価値に基づいて、対応する遊技機1で遊技するための遊技球(遊技媒体)を貸し出す処理を行う機能を備えている。
【0022】
外枠2は、
図1、
図2に示すように、例えば木製の横枠板及び縦枠板を枠組みして正面視で矩形状に形成されるものが挙げられる。なお、外枠2の四隅を金属製板金で補強した構成や、木製に替えて金属製(例えばアルミ製)の板部材を採用してもよい。
【0023】
前枠3は、その前面側に、ヒンジ手段4Aと同一側のヒンジ手段4Bにより開閉自在なガラス扉5 (前面扉)と、ヒンジ手段4Aと同一側のヒンジ手段4Cにより開閉自在な開閉扉6とを、上下に備えている。前枠3の前側でガラス扉5の裏側に対応する箇所には、遊技盤7が前側から着脱自在に装着され、また開閉扉6の裏側に対応する箇所には、発射手段(図示省略)が装着されている。なお、前枠3は前述とは逆に、その後側に遊技盤7が装着されるものであってもよい。つまり、前枠3は、その中央箇所に形成された開口に遊技盤7の遊技領域が位置するように当該前枠3の後側箇所に遊技盤7が装着されるものでもよい。
【0024】
開閉扉6は、発射用の遊技球を貯留する球供給皿9と、発射手段を作動させるための発射ハンドル10と、球供給皿9が満杯状態のときの余剰球を貯留する下貯留皿8とを備えている。発射手段は、発射ハンドル10を操作したときに作動して、球供給皿9から供給される遊技球を1個ずつ遊技盤7側へと発射させるようになっている。また、開閉扉6は、その球供給皿9を形成する皿枠部6aの例えば手前側上面の左側、中央及び右側の箇所に、遊技機1の演出用に用いられる演出ボタン5f、5g、5hをそれぞれ備えている。左側の演出ボタン5fは、例えばトラックボール(ボール型コントローラ)であり、中央の演出ボタン5gは、例えば押下ボタンであり、右側の演出ボタン5hは方向キーである。なお本実施形態では、3個の演出ボタン5f〜5hを設けているが、3個以外の複数としてもよいし、単数としてもよい。
【0025】
例えば、前枠3は、樹脂材料を用いて形成されており、その中央部には遊技盤7の背面の大部分が位置する図示しない窓部(図示省略)が形成されている。この窓部内は、主制御基板やサブ制御基板や電源基板など種々の基板を配置するためのスペースである。
【0026】
前枠3は、図示しない球受け部、球整流部、賞球払出装置及び球通路を備えている。球受け部は、上面が開放された箱状に形成されている。球受け部は、この遊技機1が設置される遊技機島内の図示しない球循環機構から供給された遊技球を貯留しておく。球受け部の下部に形成された球出口は球整流部と連通している。球整流部の下端は賞球払出装置に接続されており、これにより、球整流部に流入した遊技球は、一列に整列して賞球払出装置に供給されるようになっている。賞球払出装置から払い出される遊技球は、球通路及び前枠3の下部に形成された供給口(図示省略)を通って、賞球または貸球として球供給皿9(
図1参照)に払い出される。
【0027】
ガラス扉5は、
図1、
図2に示すように、遊技盤7に対向する位置に、当該遊技盤7の遊技領域に対応する大きさの開口5aを備えている。近年、遊技の興趣性を向上させるために遊技盤7の遊技領域が益々大型化しており、それに伴ってガラス扉5の開口5aも大型化していることから、
図6、
図7に示すように当該開口5aがガラス扉5に対して高い比率を占めている。ガラス扉5の開口5aにガラス板などの透明板5bを装着する(例えば嵌める)ことで当該開口5aが塞がれて(覆われて)おり、ガラス扉5を前枠3に対して閉じた状態(閉状態)で、その透明板5bを介して、当該透明板5bの奥側の遊技盤7を視認可能となっている。
【0028】
また、
図1、
図6に示すように、ガラス扉5の前面上部には、左右一対のスピーカ5cが配設されている。また、ガラス扉5の前面下部には、複数(本実施形態では例えば3個。単一としてもよい。)の装飾ランプ5dが配設されている。また、ガラス扉5の前面における開口5a、スピーカ5c及び装飾ランプ5dが配設されている領域を除く領域にも、種々の装飾ランプ5eが分散(あるいは連続)して配設されている。
【0029】
さらに、ガラス扉5は、その右下部に、当該ガラス扉5を前枠3に施錠(ロック)するための鍵機構12を備えている。この鍵機構12は、ガラス扉5を前枠3に対して閉じることにより施錠されるようになっている。また、鍵機構12の鍵穴12Aに遊技店の店員などが鍵を挿入して所定方向(例えば反時計回り)に回転させることにより、鍵機構12が解錠されて、ガラス扉5を前枠3に対して開くことが可能になっている。
【0030】
ガラス扉5は、
図2〜
図6に示すように、その上辺部に配設された上辺ユニット20(上端側突出部)と、その左側辺部及び下辺部に配設された、透明板5bよりも一段前方寄りに位置する略平坦な前面部21と、その右側辺部に、当該ガラス扉5の右側辺に沿って配設された右辺ユニット22と、を備えている。
図1、
図2及び
図6に示すように、ガラス扉5の前面部21には、前述のスピーカ5c、装飾ランプ5d、5eが配設されている。具体的には、ガラス扉5は、
図6、
図7に示すように、中央が遊技領域に対応して開口したガラス枠ベース13を備えており、このガラス枠ベース13の前面側の上辺部箇所及び右辺部箇所に上辺ユニット20と右辺ユニット22等がそれぞれ取り付けられている。
【0031】
右辺ユニット22は、その右側面箇所に、
図2、
図3及び
図8に示すように、装飾パネル23を有する装飾パネル部24(突出装飾部)を備えている。この実施形態では、右辺ユニット22における下部分25を除く部分が装飾パネル部24(
図2及び
図3参照)として機能する。なお、
図3には後述するパネル収容部30に装飾パネル23が収容された状態を示している。
【0032】
図3及び
図4に示すように、右辺ユニット22の下部分25の前端面は、前面部21の前面よりもやや前方側に位置する略平坦面としている。また、右辺ユニット22における下部分25を除く部分には、前方側に向けて膨出する略扁平状をなす膨出部26が設けられている。膨出部26は、右辺ユニット22の上半分に相当する上部分27と、右辺ユニット22の上下方向の中央部に相当する中央部分28とを備えている。上部分27の前端面は、下部分25の前端面よりも一定量(例えば10cm程度)前方側に向けて膨出し、かつ下部分25の前端面と略平行をなしている。中央部分28の前端面は、上方に向かうに従って前方側に向かうように傾斜する傾斜面である。中央部分28の前端面の上端部は上部分27の前端面に繋がっており、また、中央部分28の前端面の下端部は下部分25の前端面に繋がっている。
【0033】
上辺ユニット20は、
図5、
図6に示すように、ガラス扉5における上辺部のほぼ全域から、前方側に向けて膨出する略扁平状のものである。上辺ユニット20は、
図2〜
図5に示すように、水平平坦面からなる上面を有しており、この上辺ユニット20の上面は、
図2及び
図4に示すように、右辺ユニット22の上端面(膨出部26の上端面)と同一高さとなっている。上辺ユニット20の前面は、
図4に示すように緩やかな凸湾曲面に形成されている。上辺ユニット20の左端部の正面側は、
図2、
図5に示すように、後方に向けて大きく切り欠かれており、略円弧状の凹湾曲面からなる凹部29が形成されている。例えば、この遊技機1と同様の遊技機が複数台、遊技島に一列に並べられたときに、ある遊技機1のガラス扉5を開状態にしたとき(その開度を例えば約100°としたとき)、上辺ユニット20と、その遊技機1の左隣の遊技機の右辺ユニット22(または、各遊技機1の左隣にある台間機(図示省略))とが干渉しないように、この凹部29が形成されている。上辺ユニット20の前面の右端部は、右辺ユニット22の上部分27の前端面と略同一の突出量となっている。
【0034】
また、
図3に示すように、ガラス扉5のうち、前面部21や右辺ユニット22の下部分25は、開閉扉6の発射ハンドル10の基端側面から殆ど突出しない。これに対して、ガラス扉5のうち、右辺ユニット22の膨出部26及び上辺ユニット20は、発射ハンドル10の基端側面から大きく前方に突出しており、球供給皿9の先端側近くまで突出していることがわかる。
【0035】
図2に示すように、右辺ユニット22の右側面は、前枠3の前側を構成する枠形状の前端枠70の右側部を構成する右辺部70Cと略同一平面となっている。また、右辺ユニット22の上端面は、前端枠70の上側部を構成する上辺部70Aと略同一平面となっている。右辺ユニット22の下端部は、前記の開閉扉6の右端部上方に位置している(
図1、
図2参照)。
【0036】
また、装飾パネル部24は、
図3及び
図10に示すように、所定の装飾表示が施された装飾パネル23と、装飾パネル23を外部から視認可能に収容保持するためのパネル収容部30とを備えている。装飾パネル23は、パネル収容部30に対し着脱可能に設けられている。具体的には、装飾パネル23は、右辺ユニット22の膨出部26内における、後述する拡散板53と右透明カバー37との間に形成される狭空間からなるパネル収容領域に収容される。
【0037】
右辺ユニット22は、
図8及び
図9に示すように、その右側から順に、右カバー枠34、右透明カバー37、装飾パネル23、拡散板53、上側及び下側LED基板51,52、メッキ飾り板54、補強用板金102(補強部材)、飾り用樹脂板50及び左カバー枠35を備えている。これら右カバー枠34、右透明カバー37、装飾パネル23、拡散板53、上側及び下側LED基板51,52の拡散板53側の面に実装されたLED55によって右辺ユニット22の右側装飾表示面が構成されている。また、左カバー枠35、飾り用樹脂板50、メッキ飾り板54、上側及び下側LED基板51,52のメッキ飾り板54側の面に実装されたLED56によって右辺ユニット22の左側装飾表示面が構成されている。
【0038】
また、左カバー枠35の下部左側箇所には、
図6に示すように、前枠3の下辺右部を構成する飾り部101が一体化されている。飾り部101は横長のL字状(正面視でL字を左右反転させた形状)に形成されており、正面視で、遊技盤7と開閉扉6(図示省略)との間に上下に挟まれる位置に配置される。なお、飾り部101の前面は、下部分25の前端面と略同一平面を有している。
【0039】
また、右辺ユニット22の前端面、つまり、右カバー枠34と左カバー枠35とによって区画される(挟まれる)空間の前端面は、
図6、
図8に示すように、正面レンズ36によって閉塞されている。また、この空間における後端面の上部分(膨出部26に対応する部分)は、
図9、
図10に示すように、右カバー枠34の後壁部と補強用板金102の基端部103によって閉塞されている。この空間における後端面の下部分(下部分25に対応する部分)及び下端面は、合成樹脂製の配線収容部104によって閉塞されている。また、この空間における上端面には、
図16に示すように、上部開口(出入口)31が形成されており、この上部開口(出入口)31が蓋部材32によって開閉される(着脱阻止構造)。換言すると、蓋部材32、右カバー枠34、左カバー枠35、正面レンズ36、右透明カバー37及び補強用板金102によって、右辺ユニット22の膨出部26の外郭(パネル収容部30の外郭)が形成されている。
【0040】
上部開口31は、
図16(c)に示すように、右辺ユニット22内に形成されているパネル収容領域と連通している。蓋部材32は、
図16、
図17に示すように、上部開口31を閉塞できる大きさ及び形状を有する板状部材であり、
図10、
図13、
図17に示すように、その先端部に先端片60が形成され、その基端部の両側部箇所に、上部開口31の前端辺に沿う回動軸32A(
図13、
図17参照)がそれぞれ突出形成されており、ガラス扉5が開状態の場合において回動軸32Aを中心として回動できるように、右辺ユニット22の上部に取り付けられている。
図17に示すように、拡散板53の配設された付勢バネ62の一端部62aが蓋部材32の基端部側の当接片61に当接し、蓋部材32は付勢バネ62によって閉状態に付勢されており、当該蓋部材32が水平姿勢となっている。
【0041】
具体的には、蓋部材32は、ガラス扉5が開状態の場合において、上部開口31を塞ぐ水平姿勢(
図16(b)参照)と、鉛直姿勢(
図16(c)参照)との間で回動可能となっている。蓋部材32は、
図16(a)、
図17に示すように、当該蓋部材32が付勢バネ62に付勢されて上部開口31を塞ぐ水平姿勢となっており、ガラス扉5が閉状態の場合には、その先端片60が前枠3の前端枠70における上辺部70Aの下方位置に挿入された状態となっていることから、先端片60を上方に回動不可となっている。そこで、パネル収容部30に対する装飾パネル23の取付けまたは取外しは、
図16(b)に示すように、ガラス扉5を開状態とし、作業者が蓋部材32の先端片60を持って上方に起立させて、蓋部材32を鉛直姿勢にすることにより、上部開口31を開放させた状態で行われる。
【0042】
装飾パネル23は、ポリ塩化ビニル(PVC)などの透明樹脂材料を用いて形成された可撓性シートである。また、装飾パネル23は必ずしも可撓性を有する必要はなく、この場合、PET(ポリエチレンテレフタレート)やポリカーボネート(PC)などを採用することもできる。装飾パネル23は、
図9に示すように、側面視において下部前側の一角を切り取ったような略矩形状(略台形状)で薄板形状としている。装飾パネル23の表面(例えば右面)には、遊技機1の機種に関連する表示(その遊技機1の機種名や、機種名にちなんだロゴ、機種に関連するオリジナルデザイン等を含む)が色付きで描かれている。後述するバックライト(上側及び下側LED基板51,52のLED55)からの光が拡散板53を介して装飾パネル23の左面に照射されることで、装飾パネル23の表面(右面)が発光し、装飾パネル23表面の意匠が明るくなる。
【0043】
右透明カバー37は、
図9に示すように、側面視において、装飾パネル23と同様の形状としている。この右透明カバー37も、前述した装飾パネル23と同じ手順(
図16参照)で着脱可能である。また、右透明カバー37は、その縦長さが装飾パネル23よりも僅かに(例えば1、2ミリ程度)短くなっており、装飾パネル23がパネル収容部30に収容された状態(
図8参照)において
図9に示すように当該装飾パネル23の上端23aが右透明カバー37の上端37aよりもその分(例えば1、2ミリ程度)上方に突出した状態となり、且つ、拡散板53の上部に形成されて作業者の指が挿入可能な凹形状の上側凹部53fにより、装飾パネル23のみを摘んで引き出し易くなっている。なお、装飾パネル23の上端23a及び右透明カバー37の上端37aを同一高さとし、拡散板53の上側凹部53fのみで装飾パネル23を引き出す構成としたり、装飾パネル23の上端23aを右透明カバー37の上端37aよりも高くし、拡散板53の上側凹部53fを備えずに、装飾パネル23を引き出す構成としたりしてもよい。
【0045】
図3、
図8に示すように、パネル収容部30(すなわち右辺ユニット22の膨出部26)はガラス扉5の右側面に設けられている。また換言すると、パネル収容部30は、膨出部26の右側面に形成されていると言える。このように、ガラス扉5の正面右辺側箇所に前方に大きく突出したパネル収容部30(膨出部26)を設けているので、パネル収容部30は大面積化されている。
【0046】
右カバー枠34は、例えばABS樹脂やポリカーボネート等の合成樹脂製の枠体としている。右カバー枠34は、
図3及び
図10に示すように、装飾パネル23の外周部と同等の略台形状をなす本体枠39と、本体枠39の前杆の上下方向途中部と本体枠39の後杆の上下方向途中部とを連結し、前方に向かうに従って下方に向かう連結枠40と、本体枠39の下方に設けられた直線状の下部直線部41とを備えている。また、
図9に示すように、本体枠39の前杆の左側面箇所には、上下方向に3個の枠固定用ボス部39aが配設され、この枠固定用ボス部39aを挿入孔58aに挿入させて飾りカバー58が取り付けられ、この枠固定用ボス部39aの先端にはネジ穴が形成されている。また、右カバー枠34は、その上端手前側箇所に、上辺ユニット20の2個の長状ボス部20aの先端が位置する貫通孔34cが形成されており、この貫通孔34cに挿入したネジを長状ボス部20aの先端のネジ穴に螺入することで、右カバー枠34が上辺ユニット20に固定される。
【0047】
左カバー枠35は、例えばABS樹脂やポリカーボネート等の合成樹脂製の枠体としている。左カバー枠35は、
図4、
図6に示すように、装飾パネル23の外周部と同等の略台形状をなす本体枠42と、本体枠42の前杆の上下方向途中部と本体枠42の後杆の上下方向途中部とを連結し、前方に向かうに従って下方に向かう第1及び第2連結枠43,44と、本体枠42の前杆の上下方向途中部と、本体枠42の後杆の上下方向途中部とを連結し、後方に向かうに従って下方に向かう第3連結枠45と、本体枠42の下方に設けられた直線状の下部直線部46とを備えている。第1及び第3連結枠43,45の前端同士が繋がっており、第2及び第3連結枠44,45の後端同士が繋がっている。
【0048】
また、
図9に示すように、左カバー枠35は、その上部手前側箇所に、上辺ユニット20の右端手前側箇所に突出形成された複数(本実施形態では2本)の長状ボス部20aが挿入される各貫通孔35aが上下に2個形成され、その上端中央箇所に、上辺ユニット20の右端の上側中央箇所に突出形成された例えば1本の短状ボス部20bが挿入される上部ボス部35bが1個形成され、その上部ボス部35bの下方位置に、上辺ユニット20の右端奥行き中間箇所及び奥側箇所に突出形成された複数(本実施形態では3本)の短状ボス部20bが挿入される各挿入孔35cが3個形成されている。なお、左カバー枠35の上部ボス部35bは、左カバー枠35を上辺ユニット20の右端に固定するためのものである。
【0049】
また、左カバー枠35の右面には、
図9、
図13に示すように、右方向に向けて突出する円筒状のボス部105が、略上下方向に並んで複数(本実施形態では5個)形成されている。各ボス部105の先端側には、拡散板53の左側(上側及び下側LED基板51,52に対向する側)に突出形成された挿入ボス部53a(
図9参照)が挿入される挿入孔106が形成されている。なお、このボス部105は、拡散板53の挿入ボス部53aが挿入されて当該拡散板53を左カバー枠35に固定するためのものである。
【0050】
また、左カバー枠35の右面における奥側及び手前側箇所には、
図9、
図14に示すように、右方向に向けて突出する円筒状のピン部35dが、手前側と奥側とに上下方向にそれぞれ2個ずつ並んで合計4個形成されている。また、
図9に示すように、飾り部101の右面には、右方向に向けて突出する円筒状のピン部35dが1個形成されている。なお、各ピン部35dは、その先端側が補強用板金102のピン支持部129に挿入された状態となり、補強用板金102を支持するためのものである。
【0051】
また、左カバー枠35の右面手前側箇所には、
図9に示すように、右方向に向けて突出する円筒状の左枠用ボス部35eが上下方向に並んで複数(本実施形態では3個)形成されている。各左枠用ボス部35eの先端側には、右カバー枠34の左側(拡散板53に対向する側)で手前箇所に突出形成された枠固定用ボス部39aが挿入される挿入孔35fが形成されている。なお、この左枠用ボス部35eは、右カバー枠34の枠固定用ボス部39aが挿入されて当該右カバー枠34を左カバー枠35に固定するためのものである。
【0052】
飾り用樹脂板50は、
図9及び
図14に示すように、左カバー枠35の右隣に配置されている。飾り用樹脂板50は、左カバー枠35の外周部と整合する板状をなしており、その表面には、大小の同心円模様が複数形成されている。この飾り用樹脂板50は、例えばABS樹脂やポリカーボネート等の光透過性の合成樹脂材料を用いて形成されており、透光性としている。飾り用樹脂板50には、左カバー枠35の複数(上側4個)のボス部105がそれぞれ挿通される丸孔形状のボス挿通孔124が、当該ボス部105に対応する箇所に4個それぞれ形成されている。また、飾り用樹脂板50には、その上部箇所で左カバー枠35の挿入孔35cに対応する箇所に、上辺ユニット20の短状ボス部20bとネジ止めするための上部ボス部50aが複数(本実施形態では3個)形成されている。
【0053】
補強用板金102は、
図9、
図13に示すように、飾り用樹脂板50の右隣に配置されている。この補強用板金102は、例えば金属製材料で形成されており、導電性を有する。補強用板金102は、右辺ユニット22の基端側に固定された基端部103と、この基端部103から右辺ユニット22の突出方向に延出した延出部107とを備えている。延出部107は、その左側箇所が飾り用樹脂板50に重なり、その右側箇所がメッキ飾り板54に重なる。
【0054】
延出部107は、
図9に示すように、上辺ユニット20の端部との連結箇所(右辺ユニット22の上端箇所)から離れた箇所(
図9では当該上端から下方に離れた箇所)に形成されている。延出部107は、
図9、
図13に示すように、左右方向視において、左カバー枠35の本体枠42のうち第1連結枠43以下の台形形状に略整合する形状としている。
【0055】
具体的には、延出部107は、
図9に示すように、トラス形状(例えばワーレントラス形状)としており、左カバー枠35の本体枠42のうち第1連結枠43以下の台形形状と同等の台形形状をなす本体枠142と、この本体枠142の上方に設けられた直線状の上部直線部147と、本体枠142の下方に設けられた直線状の下部直線部148と、を備えている。この本体枠142は、
図12、
図13に示すように、その前側に位置する前杆142aと、後側に位置し前杆142aよりも上下方向に長い後杆142b(
図9参照)と、前杆142aの上端部と後杆142bの上端部とを連結し、前方に向かうに従って下方に向かう第1連結枠143と、本体枠142の前杆142aで第1連結枠143の前端の下側箇所と本体枠142の後杆142bの上下方向途中部とを連結し、後方に向かうに従って下方に向かう第2連結枠144と、本体枠142の後杆142bで第2連結枠144の後端の下側箇所と本体枠142の前杆142aの下端側とを連結し、前方に向かうに従って下方に向かう第3連結枠145と、本体枠142の前杆142aの下端箇所と本体枠142の後杆142bの下端箇所とを連結し、後方に向かうに従って下方に向かう第4連結枠146と、を備えている。第1及び第3連結枠143,145の前端同士が繋がっており、第2及び第3連結枠144,145の後端同士が繋がっており、第3及び第4連結枠145,146の前端同士が繋がっている。そして、本体枠142は、左右方向視において、左カバー枠35の本体枠42のうち第1連結枠43以下の台形形状に整合しており、第1、第2及び第3連結枠143,144,145は、それぞれ左右方向に関して左カバー枠35の第1、第2及び第3連結枠43,44,45に整合している。
【0056】
また、
図9に示すように、補強用板金102の延出部107の所定箇所(例えば、第1〜第4連結枠143〜146の上辺略中央箇所)には、左カバー枠35の4個のボス部105が位置する円弧状の板金側切欠部130がそれぞれ形成されている。また、延出部107の所定箇所(第1,第3連結枠143,145の後端箇所と、第2,第4連結枠144,146の前端箇所との箇所)には、左カバー枠35及び飾り部101のピン部35dが挿入されるピン支持部129がそれぞれ形成されている。なお、ピン支持部129は、例えば、延出部107の左側(飾り用樹脂板50と対向する側)に円筒状の穴を形成するために、当該延出部107の右側(メッキ飾り板54と対向する側)が略半球状に突出形成されている。
【0057】
図9、
図13に示すように、基端部103は、例えば、右辺ユニット22の上部から鍵機構12までの長さを有する縦長の矩形板であり、正面レンズ36と略同じ横幅としている。補強用板金102の下端は、配線収容部104の直上方にまで達している。
図15に示すように、ガラス扉5における右フレーム板金150(扉補強部材)のネジ孔151に挿入されたネジ152が、ガラス枠ベース13の貫通孔13aと、補強用板金102の基端部103にその上下方向に形成された複数(本実施形態では5個)のネジ挿通孔108とを介して、右辺ユニット22の右カバー枠34のネジ穴34aに螺入されて、右辺ユニット22がガラス扉5の本体(ガラス扉5から右辺ユニット22等を取り除いた本体)にネジ止めされることにより、右辺ユニット22の背面側がガラス扉5に固定される。
【0058】
メッキ飾り板54は、
図9に示すように、多数の凹凸状の装飾意匠が形成された合成樹脂板であり、側面視(右側面視)で装飾パネル23とほぼ同じ形状及び大きさとしている。また、メッキ飾り板54の左側表面には、例えばメッキ加工が施されている。
【0059】
また、メッキ飾り板54は、その右側(上側及び下側LED基板51,52に対向する側)に大小の円形部54aが複数形成されている。大きい円形部54aは、その左側(飾り用樹脂板50に対向する側)に同心円状の段差部が形成された底浅の椀状形状としており、当該円形部54aの中心箇所に、上側及び下側LED基板51,52のLED56の位置する円孔54bが形成されている。この円孔54bは、上側及び下側LED基板51,52のLED56よりも大きい開口形状としている。小さい円形部54aも、当該円形部54aの中心箇所に、上側及び下側LED基板51,52のLED56の位置する円孔54bが形成されており、この円孔54bも上側及び下側LED基板51,52のLED56よりも大きい開口形状としている。つまり、上側及び下側LED基板51,52のLED56からの光が円形部54aの円孔54bを介して飾り用樹脂板50に出射され、飾り用樹脂板50の大小の同心円模様で拡散されたり、飾り用樹脂板50で反射された光がメッキ飾り板54で当該飾り用樹脂板50に再反射されたりして、飾り用樹脂板50の大小の同心円模様が発光表示される。
【0060】
メッキ飾り板54は、
図9に示すように、左カバー枠35のボス部105が挿入される、上下方向に形成された複数(本実施形態では5個)のボス孔部54cと、補強用板金102のピン支持部129が位置する複数(本実施形態では5個)の受け部54dと、拡散板53と固定するためのネジが挿入される複数(本実施形態では8個)の貫通孔54eとを備えている。
【0061】
メッキ飾り板54の右隣には、上側及び下側LED基板51,52が配置されている。メッキ飾り板54における下部分を除く部分に対応して上側LED基板51が配置され、メッキ飾り板54における下部分に対応して下側LED基板52が配置されている。上側LED基板51は矩形状としており、下側LED基板52は前方下部の角部が切り欠かれた略矩形状としている。
【0062】
上側及び下側LED基板51,52は、
図8に示すように、その両面に複数のLED55,56が間隔を隔てて分散配置されている(LED55,56を単数配置としてもよい)。各LED基板51,52には、遊技機の演出制御を司る演出制御基板(図示省略)に接続され、発光制御されている。
図9、
図12に示すように、上側及び下側LED基板51,52は、左カバー枠35のボス部105に対応する箇所に、拡散板53の挿入ボス部53aが挿入されるボス入力部122が形成されている。このボス入力部122は、上側LED基板51の2箇所及び下側LED基板52の下側の1箇所については挿入孔であり、下側LED基板52の上側の1箇所については切欠部としている。また、上側及び下側LED基板51,52は、
図8に示すように、絶縁性を有する拡散板53と、メッキ飾り板54の右側表面(当該右側表面はメッキ加工されておらず、絶縁性を有する合成樹脂面である)との間に介装されているので、上側及び下側LED基板51,52の絶縁性を確保でき、補強用板金102に接触することがない。
【0063】
拡散板53は、
図9に示すように、上側及び下側LED基板51,52の右隣に配設されている。拡散板53は、例えばアクリル板によって構成されており、
図9、
図11に示すように、側面視(右側面視)で、装飾パネル23とほぼ同じ形状及び大きさを有している。また、拡散板53は、
図9に示すように、メッキ飾り板54の8個の貫通孔54eに対応する箇所に、当該貫通孔54eに挿入されたネジが螺入されるネジ孔部(図示省略)が形成されている。
【0064】
拡散板53には、
図8、
図9に示すように、ボス部105の挿入孔106に対応する箇所に挿入ボス部53aが形成されている。この挿入ボス部53aは、その先端側に、左カバー枠35のボス部105に挿入されたネジ80が螺入されるネジ孔121が形成されている。また、
図8に示すように、挿入ボス部53aは、その突出長さ方向の略中間位置に上側及び下側LED基板51,52を支持する支持部53bを備えており、拡散板53の左面から離間した状態で上側及び下側LED基板51,52を支持している。この支持部53bは、挿入ボス部53aの基端側に放射状(十字状)に突出形成された支持リブ形状としているが、例えば挿入ボス部53aと同心軸で当該挿入ボス部53aよりも外形の大きい円形リブ等としてもよい。
【0065】
また、正面レンズ36は、
図13に示すように、右辺ユニット22の前辺(すなわち、左カバー枠35の前辺及び右カバー枠34の前辺)に沿う略帯状形状としており、その下部が上部に比較して後方側に位置するような湾曲状に形成されている。具体的には、正面レンズ36は、右辺ユニット22の上部分27(
図3参照)に対応して設けられる第1レンズ部111と、右辺ユニット22の中央部分28 (
図3参照)に対応して設けられる第2レンズ部112と、右辺ユニット22の下部分25(
図3参照)に対応して設けられる第3レンズ部113とを備えている。第1レンズ部111は鉛直方向に延び、第3レンズ部113は第1レンズ部111と平行に鉛直方向に延びている。第2レンズ部112は、第1レンズ部111の下端部と、第3レンズ部113の上端部とをつなげており、下方に向かうに従って後ろになるように傾斜している。正面レンズ36は、略同一形状の一対の帯状レンズ体を前後に重ね合わせることにより構成されている。
【0066】
第1レンズ部111の後ろ隣には、第1LED基板114が配設されている。第1LED基板114は、第1レンズ部111の正面形状に整合する略矩形としている。第2レンズ部112の斜め後ろ隣には、第2LED基板115が配設されている。第2LED基板115は、第2レンズ部112の正面形状に整合する略矩形としている。第3レンズ部113の後ろ隣には、矩形の第3LED基板116が配設されている。第1〜第3LED基板114〜116の両面(第2LED基板115は、前斜め下の面)には、それぞれ一または複数のLED57(
図8、
図14参照)が配置されている。第1〜第3LED基板114〜116には、遊技機1の演出制御を司る演出制御基板(図示省略)に接続され、この演出制御基板によってLED基板114,115,116が発光制御されている。
【0067】
LED基板114,115,116のLED57が発光すると、その光は正面レンズ36によって拡散され、全てのレンズ部111,112,113、すなわち右辺ユニット22の前端面が発光するようになっている。
【0068】
なお、配線収容部104は、
図13に示すように、第3LED基板116の信号配線等を収容して上方に案内するための配線収容部である。配線収容部104は、第3レンズ部113の後方領域における第3LED基板116の上方に配置されている。拡散板53は、その前端側に形成された配線用切欠部53c(
図9参照)を通じて第1,第2LED基板114,115の信号配線等が入力されており、第1,第2LED基板114,115の信号配線等と、上側及び下側LED基板51,52の信号配線等とを、上側及び下側LED基板51,52の左側(メッキ飾り板54に対向する側)でLED56に重ならないように当該拡散板53内に収容している。そして、
図10に示すように、右辺ユニット22の上部背面箇所に形成された配線口22a(拡散板53の上部奥側に形成された切欠部53dと飾り用樹脂板50とで形成される開口)からそれらの信号配線等がガラス扉5の背面側に引き出され、当該ガラス扉5の背面上辺側箇所に配設された上部カバー部材15(
図7参照)の内部を通ってガラス扉5のヒンジ手段4B側へと案内されている。
【0069】
図13に示すように、左カバー枠35の右側に飾り用樹脂板50を位置させ、且つ、この飾り用樹脂板50の右側に補強用板金102を位置させた状態では、左カバー枠35の上側4個のボス部105が、補強用板金102の板金側切欠部130に位置し、左カバー枠35の最下側のボス部105が、補強用板金102の下方に位置しており、全てのボス部105が補強用板金102の延出部107の右側に突出した状態となっている。具体的には、ボス部105は、飾り用樹脂板50のボス挿通孔124を通って補強用板金102の板金側切欠部130に位置しており、メッキ飾り板54のボス孔部54cに挿入された状態となっており、この状態のボス部105の挿入孔106に拡散板53の挿入ボス部53aが挿入され、左カバー枠35の左面側からボス部105の箇所に挿入されたネジ80が拡散板53の挿入ボス部53aに螺入されることで、左カバー枠35と拡散板53との間に飾り用樹脂板50、補強用板金102、メッキ飾り板54、上側及び下側LED基板51,52が位置する状態で左カバー枠35と拡散板53とが固定される。
【0070】
ここで、右辺ユニット22の組み付け手順について、
図9を用いて説明する。まず、上辺ユニット20の右端部に左カバー枠35の上部左側を取り付ける。具体的には、上辺ユニット20の右端部の各長状ボス部20aを左カバー枠35の各貫通孔35aに挿入するとともに、上辺ユニット20の右端の上側中央箇所における短状ボス部20bを左カバー枠35の上部ボス部35bに挿入した状態とし、この上部ボス部35bに対して当該左カバー枠35の右側から挿入したネジをこの短状ボス部20bに螺入することで、左カバー枠35を上辺ユニット20の右端部に固定する。このとき、左カバー枠35の3個の挿入孔35cは、上辺ユニット20の対応する3個の短状ボス部20bに合致している。
【0071】
続いて、左カバー枠35の右側に飾り用樹脂板50を取り付ける。具体的には、左カバー枠35のボス部105を飾り用樹脂板50のボス挿通孔124に挿入した状態とし、飾り用樹脂板50の3個の上部ボス部50aに挿入したそれぞれのネジを、上辺ユニット20の対応する3個の短状ボス部20bに螺入することで、飾り用樹脂板50を左カバー枠35の右側に固定する。
【0072】
次に、補強用板金102よりも右側の構成を組み立てる。つまり、拡散板53の左側に上側及び下側LED基板51,52を位置させた状態で、メッキ飾り板54を拡散板53の左側に取り付ける。
【0073】
具体的には、
図9に示すように、上側及び下側LED基板51,52のボス入力部122に拡散板53の挿入ボス部53aを挿入することで、上側及び下側LED基板51,52を拡散板53の左側に位置させる。このとき、
図8に示すように、拡散板53の左側に複数形成された基板支持ボス部53eの先端に上側及び下側LED基板51,52が載置され、当該基板支持ボス部53eに対応する箇所に形成された、上側及び下側LED基板51,52の貫通孔にネジを挿入して、このネジを基板支持ボス部53eの先端のネジ穴に螺入することで、上側及び下側LED基板51,52を拡散板53の左側にネジ止めする。このとき、基板支持ボス部53eの先端と、挿入ボス部53aの途中箇所に形成された支持部53bとによって、上側及び下側LED基板51,52が支持されており、上側及び下側LED基板51,52が拡散板53から所定間隔(例えば1cm程度)離間した位置に支持される。また、第1〜第3LED基板114〜116を拡散板53の前端側にネジ止めする。
【0074】
そして、上側及び下側LED基板51,52をネジ止めした拡散板53に対して、メッキ飾り板54を合わせた状態とし、メッキ飾り板54の8個の貫通孔54eに挿入したそれぞれのネジを、拡散板53における当該メッキ飾り板54の貫通孔54eに対応する箇所に形成された8個の飾り板支持ボス部(図示省略)の先端のネジ孔部に螺入することで、メッキ飾り板54を拡散板53の左側にネジ止めする。このように、上側及び下側LED基板51,52は、メッキ飾り板54と拡散板53との間に介装された状態となっている。
図8に示すように、上側及び下側LED基板51,52は、メッキ飾り板54の内壁面と拡散板53の内壁面とから離間した位置に支持されている。
【0075】
次に、前記の組み上げた拡散板53を、補強用板金102を間に挟んだ状態で、前記の上辺ユニット20と一体化済みの左カバー枠35にネジ止めする。具体的には、左カバー枠35の左面側からボス部105に挿入したネジ80を、拡散板53の挿入ボス部53aのネジ孔121に螺入することで、当該拡散板53を左カバー枠35に固定する。
【0076】
そして、
図8、
図9に示すように、左カバー枠35のボス部105におけるネジ挿入側の開口に閉塞キャップ17を取り付け、当該開口が閉塞キャップ17によって閉塞される。この閉塞キャップ17はその挿入側に係止爪17a(例えば一対の係止爪17a)を備えており、ボス部105に形成された被係止部105a(例えば一対の切欠き部)に閉塞キャップ17の係止爪17aが係止した状態となり、閉塞キャップ17の装着後は当該閉塞キャップ17が取り外せない又は取り外し難くなっている。
【0077】
続いて、右カバー枠34を左カバー枠35にネジ止めする。具体的には、左カバー枠35の前端側に上下方向に配設された3個の左枠用ボス部35eに、右カバー枠34の枠固定用ボス部39aを挿入し、左カバー枠35の左面側から左枠用ボス部35eに挿入したネジ80を、右カバー枠34の枠固定用ボス部39aの先端のネジ穴に螺入することで、当該右カバー枠34を左カバー枠35に固定する。そして、この左枠用ボス部35eのネジ挿入側の開口に閉塞キャップ17を取り付け、当該開口が閉塞キャップ17によって閉塞される。
【0078】
また、右カバー枠34の上部前端側の貫通孔34cにネジを挿入し、このネジを上辺ユニット20における長状ボス部20aの先端のネジ穴に螺入することで、右カバー枠34が上辺ユニット20に固定される。
【0079】
また、飾り部101を左カバー枠35の左側に取り付けた状態とし、飾り部101の飾り部用ボス部101aが右カバー枠34の下部直線部41に形成された貫通孔34bに位置し、この貫通孔34bに挿入したネジを飾り部101の飾り部用ボス部101aの先端に形成されたネジ穴に螺入することで、飾り部101を右カバー枠34に固定する。
【0080】
続いて、このように組み上げた右辺ユニット22を、
図15に示すように、ガラス枠ベース13の前面右端箇所に取り付ける。なお、
図15では、右辺ユニット22から離れた状態で補強用板金102を図示しているが、これは右カバー枠34と補強用板金102と補強用板金102とガラス枠ベース13と右フレーム板金150との取り付け関係を明確に説明するためであり、実際には前述したように補強用板金102が飾り用樹脂板50とメッキ飾り板54との間で挟持されて右辺ユニット22に一体化された状態となっている。
【0081】
具体的には、前記の組み上げた右辺ユニット22をガラス枠ベース13の前面右端箇所に位置させた状態とする。このとき、ガラス枠ベース13の正面右辺箇所に前方に向けて突出形成された例えば3個の支持ピン13bが、補強用板金102の3個のピン孔103aを介して右カバー枠34の背面箇所に形成された3個のピン挿入部34dに挿入されており、右辺ユニット22をガラス枠ベース13に好適に位置合わせできる。そして、このガラス枠ベース13の正面右辺箇所の背面側に右フレーム板金150を位置させた状態とし、この右フレーム板金150の貫通孔13aにネジを挿入して右カバー枠34のネジ穴34aに螺入することで、右辺ユニット22及び右フレーム板金150をガラス枠ベース13に固定する。このようにして、右辺ユニット22のガラス枠ベース13への組み付けが完成する。
【0082】
なお、ガラス枠ベース13の正面下辺箇所の背面側に下フレーム板金155がネジ止めされる。右フレーム板金150及び下フレーム板金155の一部が重なって固定されている。また、ガラス枠ベース13の正面左辺箇所の背面側に左フレーム板金157がネジ止めされる。左フレーム板金157及び下フレーム板金155の一部が重なって固定されている。右フレーム板金150、左フレーム板金157及び下フレーム板金155は、例えば金属製材料で形成されており、導電性を有する。装飾パネル部24の補強用板金102の基端部103がガラス扉5の右フレーム板金150にネジ止め固定されているので、補強用板金102と右フレーム板金150とが電気的に接続されている。また、右フレーム板金150、左フレーム板金157及び下フレーム板金155がガラス枠ベース13に重ね合わせてネジ止め固定されているので、これらが電気的に接続されている。また、左フレーム板金157はヒンジ手段4Bを通じて前枠3に電気的に接続され、前枠3は接地されている。
【0083】
そして、前枠3に開閉可能に取り付けられたガラス扉5を開状態とし(
図16(b)参照)、作業者が蓋部材32の先端片60を持って上方に起立させてこの蓋部材32を鉛直姿勢にし(
図16(c)参照)、右透明カバー37及び装飾パネル23を上部開口31に挿入し(
図16(d)参照)、ガラス扉5を開状態とする(
図16(a)参照)。
図2に示すようにパネル収容部30に装飾パネル23が収容された状態では、周囲の遊技客は、右透明カバー37を介して装飾パネル23の表面(右面)を視認することができる。
【0084】
パネル収容部30に装飾パネル23が収容された状態では、上側及び下側LED基板51,52のLED55から発せられた光は、拡散板53を介して装飾パネル23の裏面(左面)に与えられるようになっている。拡散板53によって拡散された光が装飾パネル23の裏面に与えられるので、装飾パネル23の裏面に均一に光を供給することができる。これにより、装飾パネル23の全域が明るく発光する。
【0085】
以上説明したように、本実施形態の遊技機1では、前枠3と、この前枠3の前面側に当該前枠3に対して開閉可能に設けられたガラス扉5とを備え、このガラス扉5の前面側に突出形成されて装飾表示を行う装飾パネル部24を備え、この装飾パネル部24は、当該装飾パネル部24のその突出方向を奥行き幅とする突出外面(右透明カバー37)を通して視認可能に配置された装飾パネル23と、装飾パネル部24の突出方向に配設された補強用板金102と、を備えている。したがって、装飾パネル部24は、その突出方向を奥行き幅とする突出外面(右透明カバー37)を通して視認可能に装飾パネル23を配置しているので、装飾パネル部24の突出外面(右透明カバー37)に対応した大きさの装飾パネル23をガラス扉5に配設することができ、ガラス扉5に配設した大面積の装飾パネル部24によって装飾表示効果を向上させることができる。さらに、装飾パネル部24は、装飾パネル部24の突出方向に補強用板金102を備えているので、遊技者による故意的な衝撃力が装飾パネル部24に対してその突出外面(右透明カバー37)に向く方向に与えられたとしても、装飾パネル部24を撓み難くして補強することができ、前扉の装飾パネル部24の損傷を低減できる。したがって、ガラス扉5に突出形成した装飾パネル部24に配設した大面積の装飾パネル23によって装飾表示効果を向上させることができるとともに、装飾パネル部24の剛性を向上できる遊技機を提供することができる。
【0086】
また、装飾パネル部24は、その突出方向を奥行き幅とする両突出外面のうち一方の突出外面(右透明カバー37)を通して装飾パネル23が視認可能に配置される構成としているので、装飾パネル部24の両突出外面のうち一方の突出外面(右透明カバー37)を通して装飾パネル23を見せることができ、他方の突出外面(左カバー枠35側の飾り用樹脂板50)を他の装飾表示に活用できる。
【0087】
また、ガラス扉5の前面で側端部箇所に装飾パネル部24を設け、装飾パネル部24の両突出外面のうちガラス扉5の側辺に近い方の突出外面を通して装飾パネル23が視認可能となっているので、外部から装飾パネル23が見易くでき、隣の遊技者によって遊技が覗き見られることを低減でき、遊技の覗き見を気にしなくてよく、より遊技に集中できる。また、ガラス扉5の前面で側端部箇所以外の箇所に、遊技に関する構成(例えば遊技領域、図柄表示領域など)を設けることができ、ガラス扉5の前面を有効活用できる。
【0088】
また、装飾パネル部24の突出外面が平面形状であり、装飾パネル23はそのパネル面が突出外面と平行又は略平行であるとしている。この場合には、装飾パネル23と平行又は略平行な突出外面を介して当該装飾パネル23を見るので、当該装飾パネル23が見易い。また、装飾パネル23と突出外面との間にデッドスペースが生じることを低減できる。なお、装飾パネル23は、ガラス扉5の前方に向けて傾斜姿勢で配設されるようにしてもよい。
【0089】
また、補強用板金102は、その基端部103が装飾パネル部24の基端側に固定され、この基端部103から延出した延出部107が装飾パネル部24の突出方向に設けられているので、装飾パネル部24に対してその突出外面に向く方向に衝撃力が与えられたとしても、装飾パネル部24自体(例えば装飾パネル部24の先端側)が撓むことをより低減でき、装飾パネル部24自体をより強固な構造とすることができる。
【0090】
なお、延出部107は、前述したように突出外面を見た状態で前記例示した種々の形状としてもよい。また、補強用板金102は突出外面に向く方向で断面した状態でL字状であるとしてもよい。
【0091】
また、ガラス扉5は、当該ガラス扉5面に沿って配設された右フレーム板金150を備え、装飾パネル部24の補強用板金102の基端部103をガラス扉5の右フレーム板金150に固定しているので、装飾パネル部24をガラス扉5に対して強固に固定でき、遊技者による故意的な衝撃力が装飾パネル部24の突出外面方向に与えられたとしても、装飾パネル部24を撓み難くして補強することができ、前扉の装飾パネル部24の損傷を低減できる。
【0092】
また、装飾パネル部24の補強用板金102とガラス扉5の右フレーム板金150とは導電性部材であり、前記固定によって補強用板金102と右フレーム板金150とが電気的に接続され、右フレーム板金150は前枠3を介して接地されている。つまり、補強用板金102と右フレーム板金150とが電気的に接続され、右フレーム板金150が前枠3を介して接地(アース)されているので、ガラス扉5の装飾パネル部24に配設された電気部品(例えばLED基板など)について、電気的な安全性を確保でき、その動作安定性の確保や電磁波の不要輻射の低減を図ることができる。
【0093】
また、ガラス扉5は、その前面側上端箇所に前方に向けて突出形成された上辺ユニット20を備え、装飾パネル部24は、ガラス扉5の前面側右端箇所(左端箇所としてもよい)に当該端箇所に沿って設けられ、上辺ユニット20の端部と装飾パネル部24の端部とを連結しているので、さらに装飾パネル部24を撓み難くして補強することができ、装飾パネル部24の剛性を向上できる。
【0094】
また、補強用板金102は、上辺ユニット20の端部との連結箇所から離れた箇所に延出部107を備える。したがって、装飾パネル部24の端部は上辺ユニット20と連結されているので、この装飾パネル部24の端部側が撓むことを低減でき、装飾パネル部24の端部側に補強用板金102の延出部107を設ける必要がなく、その分だけ重量増加を抑えることができる。
【0095】
なお、装飾パネル部24は、ガラス扉5が開状態の場合に装飾パネル23が着脱可能となり、ガラス扉5が閉状態の場合に装飾パネル23が着脱不可能としている。つまり、ガラス扉5は、装飾パネル23を挿抜するための上部開口31(出入り口)と、当該上部開口31を閉塞する蓋部材32(閉塞部)とを備え、ガラス扉5の閉状態では、上部開口31を閉塞した状態の蓋部材32が開放不可に規制する前枠3の上辺部70A及び当該蓋部材32の先端片60(規制部)を備える構成を採用している。したがって、ガラス扉5を開状態にすると装飾パネル23の着脱が可能となるので、ガラス扉5を開状態にできる正規作業者(例えば遊技店関係者や製造メーカー社員)が装飾パネル23の着脱を正規に行うことができ、部外者(遊技者など)が勝手に装飾パネル23を取り外したり交換したりすることを低減できる。また、新たな装飾パネル23を装着することで、ガラス扉5全体を交換することなく新たな機種表示に対応させたり、外観印象を変更させたりすることができ、経済性・作業性に優れる。なお、ガラス扉5は、装飾パネル23を挿抜するための上部開口31(出入り口)を備え、ガラス扉5の閉状態では、装飾パネル23が挿抜不可なように上部開口31に位置する規制部(例えば閉状態としたガラス扉5の上部開口31に位置する、前枠3側に形成された突起部)を備える構成としてもよい。
【0096】
また、装飾パネル部24は、その外形を構成する右カバー枠34及び左カバー枠35(外形本体部)を備え、補強用板金102は、耐熱性部材であり、右カバー枠34及び左カバー枠35の内部に配設されているので、装飾パネル部24の外見からは、装飾パネル部24が補強用板金102を備えているかどうかも分からないし、補強用板金102が装飾パネル部24のどこに位置しているのかも分からないようにできる。このため、不正行為者がガラス扉5の装飾パネル部24の一部を不正に溶かしたとしても補強用板金102が位置することで、不正な溶解孔を貫通させることができず、その溶解孔に不正具を挿入して遊技機内部に進入させるという不正行為を低減できる。
【0097】
なお、本実施形態では補強用板金102は金属製部材とすることで耐熱性を有しているが、繊維強化プラスチック部材等として耐熱性を有するものとしてもよい。
【0098】
以上、本発明の実施形態について詳述したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0099】
前述した実施形態では、パチンコ機を例に挙げて説明しているが、スロットマシン、アレンジボール機等の各種の遊技機に採用してもよい。
【0100】
前述した実施形態では、前面扉としてガラス扉5を例に挙げて説明しているが、前面扉として開閉扉6を採用してもよい。また、前面扉としてガラス扉5及び開閉扉6を一体化した扉を採用してもよい。
【0101】
また、装飾パネル23の表面の表示は、遊技機1の機種に関連するものでなくてもよい。例えば、遊技機1が設置されている遊技店の宣伝広告や遊技店からのメッセージ、デザイン等を採用してもよいし、遊技方法を説明する表示等としてもよい。
【0102】
また、前述した実施形態では、装飾パネル部24は、
図8、
図9に示すように、その左側面にのみ装飾パネル23(第1装飾表示パネル)を設けた構成としているが、さらに右側面にも前記と同じ表示又は異なる表示とする別体の装飾パネル(第2装飾表示パネル)を備え、装飾パネル23が右辺ユニット22の右側面(右透明カバー37)を通して視認可能で、前記別体の装飾パネルが右辺ユニット22の左側面(例えば左透明カバー)を通して視認可能としてもよい。この場合には、右辺ユニット22の両側の装飾パネル23、別邸の装飾パネル(第1,第2装飾表示パネル)でそれぞれ装飾表示を行うことができ、装飾領域を右辺ユニット22の両側に拡張でき、両者の表示内容を異ならせることができ、右辺ユニット22を見る方向(左側面視と右側面視)によって違う印象を与えるようにでき、装飾表示のバリエーションを増やすことができる。
【0103】
前述した実施形態では、補強用板金102は、例えば、ワーレントラス形状を採用しているが、その他のトラス形状(プラットトラス、ハウトラスなどの各種トラス形状)としてもよい。また、右辺ユニット22に配設された状態でその突出外面から見た場合において、板形状(矩形状、台形状、菱形、平行四辺形、多角形状、半円状、蒲鉾状などの板形状)、枠形状(矩形枠状、台形枠状、菱形枠状、多角形枠状、半円枠状、蒲鉾枠状など)、格子状(網の目状)、井の字状若しくはアルファベット字状(例えばB字、E字、F字、H字、L字、P字、T字、X字、Y字、Z字、それらの逆字など)又はこれらを組み合わせた形状などとしてもよい。
【0104】
また、前述した実施形態では、装飾パネル部24の内部、つまり、右カバー枠34と左カバー枠35とで形成される内部空間に補強用板金102を配設しているが、右カバー枠34と左カバー枠35との少なくとも一方を金属製部材または繊維強化プラスチック部材としそれ自体を補強部材としてもよいし、内部に補強用板金102を配設していてもよい。
【0105】
また、前述した実施形態では、
図15に示すように、補強用板金102と右フレーム板金150とを採用しているが、この補強用板金102の下端をガラス扉5の下端まで延出した形状とし、右フレーム板金150を採用しない構成としてもよい。また、右フレーム板金150の前面側に補強用板金102の延出部107を形成し、この右フレーム板金150をガラス枠ベース13の正面右辺側箇所に固定 (下フレーム板金155と電気的に接続された状態での固定が好ましい)し、補強用板金102を採用しない構成としてもよい。
【0106】
また、前述した実施形態では、装飾パネル23を採用しているが、装飾パネル23に替えて、電子ペーパー、液晶表示装置、有機EL表示装置などの薄型表示装置を採用してもよい。例えば電子ペーパーは、表示画面内容を変更させる時にだけ電力を消費するため消費電力も小さく、電源を切っても表示を維持でき、軽いなどの特徴がある。このように、電子ペーパーの表示画像を書き換えることで新たな装飾表示・情報表示を行うことができ、機種変更後も電子ペーパーを継続使用することができ、さらに部品点数を低減できる。また、液晶表示装置、有機EL表示装置などを採用して遊技内容に応じて表示内容をリアルタイムに変更するようにしてもよい。
【0107】
また、前述した実施形態では、上側LED基板51と下側LED基板52とを採用しているが、単一のLED基板を採用してもよい。また、右カバー枠34は連結枠40を備えているが、連結枠40を備えないようにし、中央が開口した外形枠状としてもよい。また、左カバー枠35は第1〜第3連結枠43〜45を備えているが、第1〜第3連結枠43〜45を備えないようにし、中央が開口した外形枠状としてもよい。また、飾り用樹脂板50及びメッキ飾り板54はその表面形状として大小の円形部54aが複数形成されものを採用しているが、これに限られず種々の模様、形状を採用してもよい。
【0108】
また、上述した複数の実施形態のうちいくつかを組み合わせた構成としてもよいし、ある実施形態の一部の手段等(手段、構成、装置、部品、機能、要素、処理ステップ、工程又はこれらの結合)を他の実施形態(いくつかの実施形態を組み合わせたものを含む)に組み合わせた構成としてもよいし、ある実施形態の一部の手段等と他の実施形態における一部の手段等とを組み合わせた構成としてもよいし、ある実施形態の一部の手段等を削除した構成としてもよい。