(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このオットマン装置では、ベースフレームが摺動フレームに直接組付けられているため、ベースフレームの摺動フレームに対するガタによってベースフレームと摺動フレームとの間で異音が発生するという問題がある。
【0005】
本発明は、上記事実を考慮し、支持プレートとフィニッシャとの間で異音が発生することを抑制できる車両用シートを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の車両用シートは、乗員が着座するシートクッションに連結機構を介して連結され、乗員の脚部を支えるパッドを有するオットマン本体と、前記連結機構の一部を構成
し、且つ嵌合孔が形成されると共に、前記オットマン本体を前記パッドの裏面側から支持する支持プレートと、前記パッドと一体的に設けられると共に前記パッドと前記支持プレートとの間に配置され、
前記嵌合孔と嵌合される嵌合部を有し、前記支持プレートを覆うように前記支持プレートに組付けられたフィニッシャと、可撓性を有するシート状に形成され、前記支持プレートの前記フィニッシャ側の面を覆うように前記支持プレートと前記フィニッシャとの間に設けられたカバーと、
前記カバーにおける前記嵌合孔と重なる部分に形成され、スリットによって複数に分割されると共に、前記嵌合部によって押されて前記嵌合孔内に展開される分割カバー部と、を備えている。
【0007】
請求項1に記載の車両用シートでは、オットマン本体は、乗員の脚部を支えるパッドを有しており、パッドにはフィニッシャが一体的に設けられている。フィニッシャは、連結機構の一部を構成する支持プレートを覆うように該支持プレートに組付けられている。これにより、連結機構を介してオットマン本体がシートクッションに連結されている。
また、支持プレートに嵌合孔が形成されており、この嵌合孔にフィニッシャの嵌合部が嵌合されている。
【0008】
ここで、支持プレートとフィニッシャとの間には、カバーが設けられている。このカバーは、可撓性を有するシート状に形成されており、カバーによって支持プレートのフィニッシャ側の面が覆われている。これにより、支持プレートの板厚方向におけるフィニッシャの支持プレートに対するガタが、カバーによって抑制されて、フィニッシャと支持プレートとの間で異音が発生することを抑制できる。
またここで、カバーの嵌合孔と重なる部分には、スリットによって複数に分割された分割カバー部が形成されており、嵌合部によって分割カバー部が押されて、分割カバー部が嵌合孔内に展開される。これにより、嵌合孔の内周部と嵌合部との間に分割カバー部が配置されて、分割カバー部によって嵌合部と嵌合孔との間のガタが抑制される。すなわち、支持プレートの板厚方向と直交する方向におけるフィニッシャの支持プレートに対するガタが、カバーによって抑制されるため、フィニッシャと支持プレートとの間で異音が発生することを一層抑制できる。
【0009】
請求項2に記載の車両用シートは、請求項1に記載の車両用シートにおいて、前記支持プレートには、前記フィニッシャと係合されるワイヤが設けられ、前記カバーは、前記ワイヤと前記フィニッシャとの間に配置されている。
【0010】
請求項2に記載の車両用シートでは、支持プレートにワイヤが設けられており、ワイヤにフィニッシャが係合されている。そして、ワイヤとフィニッシャとの間に、カバーが配置されている。このため、支持プレートにフィニッシャを係合させるワイヤを設けても、カバーによって、ワイヤとフィニッシャとの間のガタが抑制される。これにより、ワイヤとフィニッシャとの間で異音が発生することも抑制できる。したがって、1つのカバーによって、ワイヤとフィニッシャとの間及び支持プレートとフィニッシャとの間で異音が発生することを抑制できる。
【0013】
請求項
3に記載の車両用シートは、請求項2
に記載の車両用シートにおいて、前記オットマン本体は、前記連結機構によって前記シートクッションの前端部からシート下側へ傾倒された格納位置と前記シートクッションのシート前側へ突出された脚載せ位置との間で回動可能に構成され、前記オットマン本体と前記シートクッションとの間には、脚載せ位置で前記オットマン本体と前記シートクッションとの間で展開される保護シートが設けられ、前記カバーの前記シートクッション側の端部が前記保護シートに結合されている。
【0014】
請求項
3に記載の車両用シートでは、オットマン本体は、連結機構によって格納位置と脚載せ位置との間で回動可能に構成されており、オットマン本体が脚載せ位置に配置された際には、保護シートがオットマン本体とシートクッションとの間で展開される。
【0015】
ここで、カバーのシートクッション側の端部が保護シートに結合されている。このため、カバーによって支持プレートのシートクッション側の縁部を覆うことができる。これにより、例えば、オットマン本体のパッドが仮に捲られても、支持プレートの縁部の露出がカバーによって抑制される。したがって、支持プレートの縁部に乗員の指等が接触されることが抑制されて、乗員に対する危害性を向上できる。
【0016】
請求項
4に記載の車両用シートは、請求項
3に記載の車両用シートにおいて、前記カバーの前記シートクッションとは反対側の端部には、前記ワイヤに係止される係止部材が設けられている。
【0017】
請求項
4に記載の車両用シートでは、カバーのシートクッション側の端部が保護シートに結合された状態で係止部材をワイヤに係止させることで、カバーが支持プレートに組付けられる。これにより、カバーの支持プレートへの組付性を向上できる。
【発明の効果】
【0018】
請求項1に記載の車両用シートによれば、支持プレートとフィニッシャとの間で異音が発生することを抑制できる。
【0019】
請求項2に記載の車両用シートによれば、1つのカバーによって、ワイヤとフィニッシャとの間及び支持プレートとフィニッシャとの間で異音が発生することを抑制できる。
【0021】
請求項
3に記載の車両用シートによれば、オットマン本体のパッドが仮に捲られても、支持プレートの縁部の露出をカバーによって抑制でき、乗員に対する危害性を向上できる。
【0022】
請求項
4に記載の車両用シートによれば、カバーの支持プレートへの組付性を向上できる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図2には、本発明の実施の形態に係る車両用シート10がシート左方から見た概略した側面図にて示されている。なお、図面に適宜示される矢印FRはシート前方を示し、矢印UPはシート上方を示し、矢印RHはシート右方(シート幅方向一側)を示す。
【0025】
この図に示されるように、車両用シート10は、乗員が着座するシートクッション12を備えており、シートクッション12の前端部には、オットマン装置40が設けられている。そして、オットマン装置40はオットマン本体92を有している。このオットマン本体92は、実線にて示された格納位置に格納されており、「連結機構」としてのリンク機構42(
図2では、図示省略)が作動されることで、オットマン本体92が、
図2の矢印A方向へ回動されて、点線で示される脚載せ位置へ回動されるようになっている。また、
図4に示されるように、シートクッション12とオットマン装置40との間には、「保護シート」としての保護シートユニット34が設けられている。さらに、保護シートユニット34には、カバー120が縫製されており、カバー120はオットマン本体92とリンク機構42の支持プレート66との間に配設されている。以下、それぞれの構成について説明する。
【0026】
図4に示されるように、シートクッション12は、クッションパネル14と、クッションパッド18と、クッショントリム20と、を含んで構成されている。
【0027】
図3にも示されるように、クッションパネル14は、シートクッション12の骨格を構成するクッションフレームユニット13の一部を構成しており、クッションフレームユニット13は、従来周知のスライド機構(図示省略)を介して車体フロア(図示省略)に連結されている。このクッションパネル14は、板金により製作されると共に、板厚方向をシート上下方向にしてクッションフレームユニット13のシート前側部に配置されている。また、クッションパネル14には、シート前側の部分において、後述するJフック32を係止するための係止片16が4箇所形成されており、係止片16は、側面視でクッションパネル14からシート下側へ屈曲されると共に、シート後側へ屈曲されている。
【0028】
図4に示されるように、クッションパッド18は、ウレタン等の発泡材により製作されている。このクッションパッド18は、クッションパネル14のシート上側に設置されており、クッションパッド18の前端部が、クッションパネル14の前端部よりもシート前側及びシート下側へ突出されている。
【0029】
クッショントリム20は、布材により製作されて、本体トリム22と、連結トリム28と、を含んで構成されている。本体トリム22は、クッションパッド18の表面を覆うと共に、クッションパッド18の前端部に巻き回されて、クッションパッド18の前端部の裏面を覆っている。そして、この本体トリム22におけるクッションパッド18の裏面を覆う部分が、ロアトリム部24とされている。また、ロアトリム部24の後端部には、第1屈曲部26が形成されており、第1屈曲部26は側面視でシート上側へ屈曲されている。
【0030】
連結トリム28は、略矩形状に形成されて、厚み方向をシート上下方向にしてロアトリム部24のシート後側に配置されると共に、側面視でシート前後方向に延びている。
【0031】
連結トリム28の前端部には、第2屈曲部30が形成されており、第2屈曲部30は、側面視でシート上側へ屈曲されると共に、本体トリム22の第1屈曲部26とシート前後方向に対向して配置されている。そして、第2屈曲部30は、後述する第1シート36と共に第1屈曲部26と縫製されている。
【0032】
また、連結トリム28の後端部は、シート前側に折り曲げられており、この後端部には、Jフック32が縫製されている。Jフック32は、側面視でシート前側へ開放された略J字形状に形成されて、シート幅方向に沿って延在されている。このJフック32は、前述したクッションパネル14の係止片16の先端部に係止されている。
【0033】
保護シートユニット34は、第1シート36と、第2シート38と、を含んで構成されて、全体として略矩形シート状に形成されている。また、保護シートユニット34は、幅方向をシート幅方向にして、クッショントリム20における第1屈曲部26と第2屈曲部30との間から後述するオットマン本体92へ延設されている。
【0034】
第1シート36は、ポリ塩化ビニル等の可撓性を有する合成皮革により製作されて、略矩形シート状に形成されている。そして、第1シート36の延設方向一端部は、本体トリム22におけるロアトリム部24の第1屈曲部26と連結トリム28の第2屈曲部30との間に配置されて、第1屈曲部26及び第2屈曲部30と共にシート幅方向に沿って縫製されている。
【0035】
さらに、第1シート36の延設方向一端部は、連結トリム28の第2屈曲部30の曲げ根元部でシート後側へ折り曲げられて、連結トリム28の下面に沿ってシート後側へ延びている。そして、第1シート36における連結トリム28の下面と対向された部分が、連結トリム28にシート幅方向に沿って縫製されている。
【0036】
第2シート38は、ポリ塩化ビニル等の可撓性を有する合成皮革により製作されると共に、略矩形状に形成されており、第2シート38の幅寸法が、第1シート36の幅寸法と同じに設定されている。また、第2シート38の延設方向一端部では、第2シート38の表面38Aが第1シート36の表面36Aと重なるように配置されて、第2シート38の延設方向一端部と第1シート36の延設方向他端部とが、シート幅方向に沿って縫製されている。これにより、第1シート36と第2シート38とが一体化されている。
【0037】
一方、第2シート38の延設方向他端部には、後述するカバー120と共にJ字フック39が縫製されており、J字フック39は、側面視で後述するオットマン本体92の裏面側へ開放された略J字形状を成して、シート幅方向に延在されている。そして、J字フック39は、後述する支持プレート66のワイヤ80に係止されている。
【0038】
オットマン装置40は、オットマン本体92と、オットマン本体92をシートクッション12に連結する「連結機構」としてのリンク機構42と、を含んで構成されている。そして、リンク機構42が作動されることによって、オットマン本体92が、格納位置と脚載せ位置(
図4参照)との間で回動されるようになっている。これにより、オットマン本体92を脚載せ位置に回動させて乗員の脚部をオットマン本体92上に載せることで、乗員のふくらはぎ部がオットマン本体92によって支持されるようになっている。
【0039】
ここで、リンク機構42について、簡単に説明する。
図5に示されるように、リンク機構42は、固定リンク44と、フロントリンク50と、リアリンク54と、アッパリンク60と、駆動ユニット82と、を含んで構成されている。
【0040】
固定リンク44は、一対の固定ブラケット46を有している。この固定ブラケット46は、略L字形状に屈曲されて、固定ブラケット46の側壁46Aの板厚方向をシート幅方向にして、シート幅方向に並んで配置されている。この一対の固定ブラケット46の間には、略棒状の固定ロッド48が設けられており、固定ロッド48は軸方向をシート幅方向にして固定ブラケット46を連結している。そして、固定ブラケット46は、前述したクッションフレームユニット13に固定されており、これにより、リンク機構42がシートクッション12に固定されている。
【0041】
フロントリンク50は略長尺板状の一対のフロントアーム52を有している。このフロントアーム52は、板厚方向をシート幅方向にして固定ブラケット46の側壁46Aのシート幅方向外側に配置されており、フロントアーム52の下端部が、軸方向をシート幅方向にして固定ブラケット46の前端部に回転可能に連結されている。
【0042】
リアリンク54は略長尺板状の一対のリヤアーム56を有している。このリヤアーム56は、板厚方向をシート幅方向にして固定ブラケット46の側壁46Aのシート幅方向内側に配置されている。また、リヤアーム56の下端部は、フロントアーム52の下端部よりシート後側の位置で、軸方向をシート幅方向にして固定ブラケット46の前端部に回転可能に連結されている。そして、一対のリヤアーム56の間には、略棒状のリヤロッド58が設けられており、リヤロッド58は、軸方向をシート幅方向にして一対のリヤアーム56の上端部を連結している。
【0043】
アッパリンク60は、略長尺板状の一対のアッパアーム62を有している。このアッパアーム62は、板厚方向をシート幅方向にしてフロントアーム52とリヤアーム56との間に配置されている。そして、一対のアッパアーム62間には、略棒状のアッパロッド64が設けられており、アッパロッド64は、軸方向をシート幅方向にして一対のアッパアーム62を連結すると共に、アッパロッド64の長手方向両端部がアッパアーム62からシート幅方向外側へ突出されている。そして、アッパロッド64の長手方向両端部にフロントアーム52の上端部が回転可能に連結されており、アッパアーム62の下端部がリヤアーム56の上端部に回転可能に連結されている。
【0044】
一対のアッパアーム62の上端部には、板金により製作された支持プレート66が設けられており、支持プレート66は、略矩形板状のプレート部68を有している。そして、プレート部68の裏面(クッションフレームユニット13側の面)に、アッパアーム62の上端部が固定されている。
【0045】
図3に示されるように、このプレート部68の長手方向中間部には、一端部(
図3における上端部)において、後述するワイヤ80を結合するための第1凹部70が形成されており、第1凹部70は、プレート部68の裏面側に膨出された凹状を成している。また、プレート部68の他端部(
図3における下端部)は、プレート部68の裏面側へ屈曲されている。
【0046】
さらに、支持プレート66の長手方向両端部にも、後述するワイヤ80を結合するための第2凹部72が形成されており、第2凹部72は、プレート部68の裏面側に膨出された凹状に形成されると共に、第1凹部70と同一面上に配置されている。また、第2凹部72には、後述するフィニッシャ100を締結するための締結孔74がそれぞれ貫通形成されており、締結孔74は略矩形状に形成されている。
【0047】
プレート部68の略中央部には、第1凹部70よりもシート下側の位置において、略矩形状の嵌合孔76が形成されている。この嵌合孔76のシート幅方向両端部はプレート部68の裏面側へ屈曲されおり、これにより、略矩形板状の突出部78がプレート部68と一体に形成されている。
【0048】
さらに、支持プレート66には、略棒状の一対のワイヤ80が設けられている。このワイヤ80は、シート幅方向内側へ開放された略U字形状に屈曲されて、支持プレート66の外側で支持プレート66の外周に沿うよう配置されている。そして、ワイヤ80の長手方向一端部は、支持プレート66側へ屈曲されると共に支持プレート66の第1凹部70内に配置されて、溶接等によって支持プレート66に結合されている。一方、ワイヤ80の長手方向他端部は、支持プレート66の他端部の外側に配置されて、溶接等によって支持プレート66に結合されている。さらに、ワイヤ80の長手方向中間部(シート幅方向外側の端部)は、シート幅方向内側へ向けて凹形状に屈曲されると共に、支持プレート66の第2凹部72内に配置されて、溶接等によって支持プレート66に結合されている。
【0049】
図5に示されるように、駆動ユニット82は、一対のモータブラケット84と、モータユニット88と、送りねじ90と、を含んで構成されており、駆動ユニット82によって固定ロッド48とアッパロッド64とが連結されている。一対のモータブラケット84は、板金により製作されて、断面略U字形状に屈曲されている。そして、モータブラケット84は、それぞれアッパロッド64及び固定ロッド48に固定されている。
【0050】
固定ロッド48側のモータブラケット84内には、ナット86が設けられており、ナット86は軸方向をシート幅方向にしてモータブラケット84に軸支されている。ナット86の内側には、貫通孔が形成されており、貫通孔はシート幅方向に対して直交する方向に貫通されている。そして、貫通孔の内周部には、雌ネジが形成されている。
【0051】
モータユニット88は、アッパロッド64側のモータブラケット84に軸方向をシート幅方向として回転可能に支持されている。このモータユニット88内には、モータ(図示省略)が内蔵されており、モータは後述する送りねじ90に連結されている。
【0052】
送りねじ90は、略丸棒状に形成されて、ナット86とモータユニット88との間に配設されている。この送りねじ90の長手方向一端部は、モータユニット88内に配置されて、モータユニット88に回転可能に支持されると共に、モータに連結されている。また、送りねじ90の外周部には、雄ネジが形成されており、この雄ネジがナット86の雌ネジに螺合されている。これにより、モータに電流が供給されと、モータの回転によって送りねじ90が回転されることで、送りねじ90がナット86に対して軸方向(シート幅方向と直交する方向)に相対移動されるようになっている。そして、送りねじ90がナット86に対して軸方向に相対移動されることで、固定ロッド48に対してアッパロッド64が相対移動されて、リンク機構42が作動されるようになっている。
【0053】
一方、
図4に示されるように、オットマン本体92は、略直方体状に形成されると共に、オットマン本体92の裏面側から前述した支持プレート66に支持されている。このオットマン本体92は、「パッド」としての脚載せパッド94を有している。脚載せパッド94は、ウレタン等の発泡材によって製作されており、脚載せパッド94の表面が、オットマン側トリム96によって覆われている。
【0054】
脚載せパッド94の裏面部には、収容凹部98が形成されており、収容凹部98は脚載せパッド94の裏面側へ開放された凹状を成している。そして、この収容凹部98内には、前述した支持プレート66が収容されている。
【0055】
また、収容凹部98内には、脚載せパッド94と支持プレート66との間において、樹脂製のフィニッシャ100が脚載せパッド94と一体的に設けられている。
図1に示されるように、フィニッシャ100は、略矩形板状のベース部102を有しており、ベース部102が脚載せパッド94と支持プレート66のプレート部68との間に配置されている(なお、
図1では、説明の便宜上、脚載せパッド94を図示省略している)。また、ベース部102の外周部には、一端部(
図1における上端部)を除く部分において、側壁104が一体に形成されており、側壁104はベース部102から支持プレート66側へ突出されている。これにより、支持プレート66が、フィニッシャ100によって覆われている。
【0056】
ベース部102の他端(
図1における下端)側の部分には、一対の係合部106が一体に形成されている。係合部106は、側面視で略L字形状に形成されて、ベース部102から支持プレート66側へ延びると共に、シート上側へ屈曲されている。そして、係合部106は、前述したプレート部68の他端側に配置されたワイヤ80に係合されている。
【0057】
また、ベース部102の一端側の部分には、一対の取付片108が一体に形成されており、取付片108は、略矩形板状に形成されて、ベース部102から支持プレート66側へ突出されている。この取付片108には、グロメット110が組付けられており(
図4参照)、グロメット110が支持プレート66の締結孔74に締結されている。これにより、フィニッシャ100が支持プレート66に組み付けられている。
【0058】
さらに、ベース部102の略中央部には、支持プレート66の嵌合孔76と重なる位置において、「嵌合部」として嵌合リブ112が形成されている。この嵌合リブ112は、ベース部102の板厚方向から見た平面視で略H字形状に形成されて、ベース部102から支持プレート66側へ突出されている。そして、嵌合リブ112は、嵌合孔76内に配置されて嵌合孔76と嵌合されており、この状態では、嵌合孔76の内周部と嵌合リブ112との間には、僅かな隙間が形成されている。
【0059】
次に、本発明の要部であるカバー120について説明する。
【0060】
図1に示されるように、カバー120は、ポリ塩化ビニル等の可撓性を有する合成皮革により製作されて、略台形シート状に形成されている。カバー120は、幅方向をシート幅方向にして、フィニッシャ100のベース部102と支持プレート66のプレート部68との間に配置されている。
【0061】
このカバー120の一端部(
図1に示される上端部)は、前述した保護シートユニット34の第2シート38の延設方向他端部と縫合されている(
図4参照)。また、カバー120の他端部(
図1に示される下端部)には、「係止部材」としての一対のJフック130が縫製されており、Jフック130は、シートクッション12側へ向けて開放された略J字形状に形成されて、支持プレート66の他端側に配置されたワイヤ80に係止されている。
【0062】
さらに、カバー120の幅方向両端部には、「係止部材」としての一対のJフック132が縫製されており、Jフック132はシート幅方向内側へ開放された略J字形状に形成されて、支持プレート66のワイヤ80に係止されている。これにより、支持プレート66の一対の締結孔74が露出された状態で、カバー120が支持プレート66のプレート部68及びワイヤ80の一部を覆うように配置されている。
【0063】
そして、フィニッシャ100が支持プレート66に組み付けられた状態では、フィニッシャ100のベース部102及び支持プレート66のプレート部68によって、カバー120が厚み方向に押圧された状態で狭持されている。これにより、支持プレート66の板厚方向におけるフィニッシャ100の支持プレート66に対するガタが抑制されるように構成されている。
【0064】
また、カバー120の略中央部には、嵌合孔76と重なる位置において、スリット122が形成されており、スリット122は、略X字形状を成している。これにより、カバー120の略中央部が4分割されて、この分割された部分が分割カバー部124とされている(
図1の斜線にて示された部分参照)。そして、嵌合リブ112が嵌合孔76に嵌合される際には、分割カバー部124が、嵌合リブ112によって押されて嵌合孔76の縁部に沿って折り曲げられて、嵌合孔76の内周部と嵌合リブ112との間に配置される。これにより、嵌合孔76の内周部と嵌合リブ112との間の隙間が分割カバー部124によって詰められて、支持プレート66の板厚方向に対して直交する方向におけるフィニッシャ100の支持プレート66に対するガタが抑制されるように構成されている。
【0065】
次に本実施の形態の作用及び効果について説明する。
【0066】
上記のように構成された車両用シート10では、オットマン本体92が脚載せパッド94を有しており、脚載せパッド94の収容凹部98内にはフィニッシャ100が一体的に設けられている。そして、フィニッシャ100は、支持プレート66を覆うように支持プレート66に組付けられており、これにより、オットマン本体92がシートクッション12に連結されている。そして、オットマン装置40のモータに電流が供給されることで、オットマン本体92が格納位置と脚載せ位置との間で回動される。
【0067】
ここで、支持プレート66とフィニッシャ100との間には、カバー120が設けられており、カバー120は、支持プレート66のプレート部68を覆うように配置されている。また、フィニッシャ100のベース部102及び支持プレート66のプレート部68によって、カバー120が厚み方向に押圧された状態で狭持されている。これにより、支持プレート66の板厚方向におけるフィニッシャ100の支持プレート66に対するガタが、カバー120によって抑制される。したがって、フィニッシャ100と支持プレート66との間で異音が発生することを抑制できる。
【0068】
また、支持プレート66にはワイヤ80が設けられており、このワイヤ80にフィニッシャ100の係合部106が係合されている。そして、カバー120が、ワイヤ80の一部とフィニッシャ100のベース部102との間に配置されている。このため、支持プレート66にフィニッシャ100を係合させるワイヤ80を設けても、カバー120によって、ワイヤ80とフィニッシャ100との間のガタが抑制されるため、ワイヤ80とフィニッシャ100との間で異音が発生することも抑制できる。すなわち、1つのカバー120によって、ワイヤ80とフィニッシャ100との間及び支持プレート66とフィニッシャ100との間で異音が発生することを抑制できる。
【0069】
さらに、カバー120の嵌合孔76と重なる部分には、略X字形状のスリット122が形成されており、これにより、カバー120の略中央部には、スリット122によって分割された分割カバー部124が形成されている。そして、嵌合孔76に嵌合リブ112が嵌合される際には、分割カバー部124が、嵌合リブ112によって押されて嵌合孔76の縁部に沿って折り曲げられて、嵌合孔76の内周部と嵌合リブ112との間に配置される。これにより、分割カバー部124によって嵌合リブ112と嵌合孔76との間のガタが抑制される。すなわち、支持プレート66の板厚方向と直交する方向におけるフィニッシャ100の支持プレート66に対するガタが、カバー120(分割カバー部124)によって抑制されるため、フィニッシャ100と支持プレート66との間で異音が発生することを一層抑制できる。
【0070】
また、カバー120の一端部(シートクッション12側の端部)が保護シートユニット34と縫製によって結合されている。このため、支持プレート66の一端部におけるエッジ(シートクッション12側の縁部)がカバー120によって覆われる。これにより、例えば、オットマン本体92の脚載せパッド94が仮に捲られても、支持プレート66の縁部(エッジ)が露出されることが、カバー120によって抑制されるため、支持プレート66の縁部(エッジ)に乗員の指等が接触されることを抑制できる。したがって、乗員に対する危害性を向上できる。
【0071】
また、カバー120の他端部及びシート幅方向両端部には、Jフック130及びJフック132が設けられており、Jフック130及びJフック132がワイヤ80に係止されている。このため、カバー120の一端部が保護シートユニット34に結合(縫製)された状態でJフック130及びJフック132をワイヤ80に係止させることで、カバー120を支持プレート66に容易に組付けできる。これにより、カバー120の支持プレート66への組付性を向上できる。
【0072】
なお、本実施の形態では、フィニッシャ100に嵌合リブ112が平面視で略H字形状に形成されているが、嵌合リブ112を矩形筒形状に形成してもよい。
【0073】
また、本実施の形態では、カバー120のスリット122がX字形状に形成されているが、スリット122の形状はこれに限らない。例えば、スリット122を+字形状に形成してもよい。
【0074】
さらに、本実施の形態では、カバー120の一端部(シートクッション12側の端部)が保護シートユニット34の第2シート38に縫製されている。これに替えて、カバー120の一端部にJフック130を追加して設けて、Jフック130をワイヤ80に係止させてもよい。