特許第5775561号(P5775561)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社エス・ケー・ジーの特許一覧

特許5775561導光板を用いた表示装置、この表示装置を含む道路標識及び道路標識の製造方法
<>
  • 特許5775561-導光板を用いた表示装置、この表示装置を含む道路標識及び道路標識の製造方法 図000002
  • 特許5775561-導光板を用いた表示装置、この表示装置を含む道路標識及び道路標識の製造方法 図000003
  • 特許5775561-導光板を用いた表示装置、この表示装置を含む道路標識及び道路標識の製造方法 図000004
  • 特許5775561-導光板を用いた表示装置、この表示装置を含む道路標識及び道路標識の製造方法 図000005
  • 特許5775561-導光板を用いた表示装置、この表示装置を含む道路標識及び道路標識の製造方法 図000006
  • 特許5775561-導光板を用いた表示装置、この表示装置を含む道路標識及び道路標識の製造方法 図000007
  • 特許5775561-導光板を用いた表示装置、この表示装置を含む道路標識及び道路標識の製造方法 図000008
  • 特許5775561-導光板を用いた表示装置、この表示装置を含む道路標識及び道路標識の製造方法 図000009
  • 特許5775561-導光板を用いた表示装置、この表示装置を含む道路標識及び道路標識の製造方法 図000010
  • 特許5775561-導光板を用いた表示装置、この表示装置を含む道路標識及び道路標識の製造方法 図000011
  • 特許5775561-導光板を用いた表示装置、この表示装置を含む道路標識及び道路標識の製造方法 図000012
  • 特許5775561-導光板を用いた表示装置、この表示装置を含む道路標識及び道路標識の製造方法 図000013
  • 特許5775561-導光板を用いた表示装置、この表示装置を含む道路標識及び道路標識の製造方法 図000014
  • 特許5775561-導光板を用いた表示装置、この表示装置を含む道路標識及び道路標識の製造方法 図000015
  • 特許5775561-導光板を用いた表示装置、この表示装置を含む道路標識及び道路標識の製造方法 図000016
  • 特許5775561-導光板を用いた表示装置、この表示装置を含む道路標識及び道路標識の製造方法 図000017
  • 特許5775561-導光板を用いた表示装置、この表示装置を含む道路標識及び道路標識の製造方法 図000018
  • 特許5775561-導光板を用いた表示装置、この表示装置を含む道路標識及び道路標識の製造方法 図000019
  • 特許5775561-導光板を用いた表示装置、この表示装置を含む道路標識及び道路標識の製造方法 図000020
  • 特許5775561-導光板を用いた表示装置、この表示装置を含む道路標識及び道路標識の製造方法 図000021
  • 特許5775561-導光板を用いた表示装置、この表示装置を含む道路標識及び道路標識の製造方法 図000022
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5775561
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】導光板を用いた表示装置、この表示装置を含む道路標識及び道路標識の製造方法
(51)【国際特許分類】
   E01F 9/016 20060101AFI20150820BHJP
   F21S 2/00 20060101ALI20150820BHJP
   F21V 3/00 20150101ALI20150820BHJP
   G02B 6/00 20060101ALI20150820BHJP
   G09F 13/18 20060101ALI20150820BHJP
   F21Y 101/02 20060101ALN20150820BHJP
【FI】
   E01F9/016
   F21S2/00 435
   F21S2/00 433
   F21S2/00 431
   F21V3/00 320
   F21V3/00 530
   G02B6/00 331
   G09F13/18 D
   F21Y101:02
【請求項の数】17
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2013-254558(P2013-254558)
(22)【出願日】2013年12月9日
(62)【分割の表示】特願2013-522032(P2013-522032)の分割
【原出願日】2012年7月24日
(65)【公開番号】特開2014-111887(P2014-111887A)
(43)【公開日】2014年6月19日
【審査請求日】2014年4月17日
(31)【優先権主張番号】特願2012-48580(P2012-48580)
(32)【優先日】2012年3月5日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000127857
【氏名又は名称】株式会社エス・ケー・ジー
(74)【代理人】
【識別番号】100129676
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼荒 新一
(74)【代理人】
【識別番号】100158067
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 基
(72)【発明者】
【氏名】坂本 光秀
(72)【発明者】
【氏名】安藤 淳一
【審査官】 須永 聡
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−226247(JP,A)
【文献】 特開平11−142842(JP,A)
【文献】 特開2005−243601(JP,A)
【文献】 特開2000−082314(JP,A)
【文献】 特開2005−352400(JP,A)
【文献】 特開2002−107716(JP,A)
【文献】 特開2011−158672(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0227261(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0184257(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0109060(US,A1)
【文献】 特開2009−146787(JP,A)
【文献】 特開平10−068857(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E01F 9/016
F21S 2/00
F21V 3/00
G02B 6/00
G09F 13/18
F21Y 101/02
CiNii
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
側面から入射した光を主面に導光する導光板であって、
前記主面は、第一拡散領域と第二拡散領域とを有し、少なくとも3以上の直線部と、隣り合う前記直線部同士をそれぞれ連結する曲線部とによって囲まれた形状であり、
前記第一拡散領域は、前記曲線部と隣接しない領域であって、側面から入射した前記光を主面側に拡散する複数の第一拡散部を有する領域であり、
前記第二拡散領域は、前記曲線部と隣接する領域であって、複数の前記第一拡散部と、側面から入射した前記光を主面側に拡散する複数の第二拡散部と、を有する領域であり、
前記第一拡散領域に対する複数の前記第一拡散部が占める面積の割合が、前記第二拡散領域に対する複数の前記第一拡散部及び複数の第二拡散部が占める面積の割合よりも小さい導光板と、
前記曲線部に隣り合う2つの前記直線部の外側に位置し、2つの前記直線部の側面に光を照射する複数のLEDと、
を備え、
前記曲線部の外側に前記LEDが位置しない、
表示装置。
【請求項2】
前記第一拡散部及び前記第二拡散部は、拡散ドットである、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第一拡散部は、拡散ドットであり、
前記第二拡散部は、拡散ドットと第一拡散溝である、
請求項1に記載の表示装置。
【請求項4】
前記第一拡散溝は、点線状に連続して設けられる、
請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記第一拡散溝は、前記曲線部側から放射線状に複数形成されている、
請求項3又は4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第二拡散領域は、隣り合う前記直線部の延長線が互いに交わる交点を中心として描いた仮想円弧と前記曲線部とによって囲まれた領域を含む領域である、
請求項1〜5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の表示装置において、
前記第二拡散領域は、前記第二拡散領域の曲線部側の一部に、側面から入射した前記光を主面側に拡散する第二拡散溝を有する第三拡散領域を含む、
表示装置。
【請求項8】
前記第二拡散溝は、点線状に連続して設けられる、
請求項7に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第二拡散溝は、前記曲線部側から放射線状に複数形成されている、
請求項7又は8に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第二拡散領域は、前記第一拡散溝と側面から入射した前記光を主面側に拡散する第二拡散溝とが交互に設けられた領域である、
請求項3〜5のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項11】
前記第三拡散領域は、前記第二拡散領域と相似形である、
請求項7〜9のいずれか1項に記載の表示装置
【請求項12】
前記主面は、三角形、四角形、五角形又は六角形である、
請求項1〜11のいずれか1項に記載の表示装置。
【請求項13】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の表示装置において、
前記導光板の前記主面は、五角形であり、
複数の前記LEDは、五角形を形成する5つの前記直線部のうちの4つの直線部の外側に位置し、
複数の前記LEDが外側の位置に設けられていない直線部が上方側となるように前記導光板が配置される、
表示装置。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の表示装置において、
前記曲線部の曲面側に位置し、前記曲線部の曲面側に導光された光を反射する反射部材と、
を備えた、
表示装置。
【請求項15】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の表示装置において、
前記主面の前記第一拡散部が設けられている側に隣接し、前記主面から照射された光を反射する反射板と、
前記主面の前記第一拡散部が設けられていない側に隣接し、所定の情報を表示する乳半板と、
を備えた、
表示装置。
【請求項16】
請求項1〜15のいずれか1項に記載の表示装置と、
文字、記号、図形又はこれらの組み合わせからなる表示情報を表示する表示部と、
を備えた、
道路標識。
【請求項17】
側面から入射した光を主面に導光する導光板と、前記主面の表面に設けられ、文字、記号、図形又はこれらの組み合わせからなる表示情報を表示する表示フィルムと、
前記曲線部に隣り合う2つの前記直線部の外側に位置し、前記曲線部の外側に位置しない、2つの前記直線部の側面に光を照射する複数のLEDと、を備えた請求項16に記載の道路標識を製造する道路標識の製造方法において、
(a)超音波加工用ホーンの先端面に配置された加工ドットを押圧することで、前記加工ドットの形状を反映した形状で前記主面に複数の拡散ドットを形成する拡散ドット形成ステップと、
(b)拡散ドット加工ステップの後に、レーザー加工機を用いて前記第二拡散領域に前記第二拡散部を形成する拡散溝形成ステップと、
(c)前記直線部の側面にLEDを位置決めする組み立てステップと、
を含むことにより、表示フィルム全体の明るさの相違を減少させた道路標識を製造することを特徴とする、
道路標識の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導光板を用いた表示装置、この表示装置を含む道路標識及び道路標識の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、円形や多角形(例えば、五角形)の導光板の主面を光らせる方法として、導光板の側面側全体にLEDを配置する方法が知られている。例えば、主面が円形の導光板の場合には、図18に示すように、内側に複数のLEDを有する光源部を備えたC型鋼を導光板の側面側に配置し、導光板の側面側からLEDの光を照射し、この光が導光板に入射されると、導光板の主面に設けられた拡散ドットで光を拡散する照明装置や表示装置が知られている。しかしながら、導光板の側面の広範囲にLEDを配置するこの方法では、配置されるLEDの数が多くなり、消費電力が大きいという課題がある。
【0003】
LEDの消費電力を減らす方法としては、例えば、側面に配置するLEDの数を減らすことが考えられる。特に、導光板が多角形(例えば、五角形)の場合には、湾曲する各頂点付近に光源を配置せず、直線状の各辺の側面側にのみ光源を配置する方法が考えられる。このような場合には、側面側全体に光源を配置する場合と比較して、配置されるLEDの数を減らすことにより消費電力を減らすことでできるとともに、LEDが主面の湾曲する部分に配置されないため、LEDを配置する際の労力を低減することができる。しかしながら、各頂点付近にLEDが配置されないため、各頂点付近が他の部分と比較して暗くなり、明るさのムラが生じ、主面全体の明るさを均一にすることができないという課題がある。
【0004】
このような課題に対して、例えば特許文献1には、導光板のLED配置側の側面側全体にプリズムを形成することにより、LEDとLEDとの間に光を拡散することにより、主面全体の明るさを均一にする導光板を用いた照明装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−331628号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、こうした導光板では、LEDの位置にプリズムを高精度に位置合わせをする必要があり、また、プリズムを有効に利用するためにはLEDとプリズムとの間に一定の距離が必要となるため、導光板に入射する光が減少し、導光板全体が暗くなるという課題がある。
【0007】
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、主面の湾曲する各頂点付近に光源を配置しない場合であっても、主面の場所による明るさの相違を減少させつつ、省電力に資する導光板を提供し、この導光板を用いることにより、主面の湾曲する各頂点付近に光源を配置することなく、主面の場所による明るさの相違を小さく保ちつつ、消費電力を低減することができる表示装置及びこの表示装置を含む道路標識を提供すること主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述の目的の少なくとも1つを達成するために以下の手段を採った。
【0009】
本発明の表示装置は、
側面から入射した光を主面に導光する導光板であって、
前記主面は、第一拡散領域と第二拡散領域とを有し、少なくとも3以上の直線部と、隣り合う前記直線部同士をそれぞれ連結する曲線部とによって囲まれた形状であり、
前記第一拡散領域は、前記曲線部と隣接しない領域であって、側面から入射した前記光を主面側に拡散する複数の第一拡散部を有する領域であり、
前記第二拡散領域は、前記曲線部と隣接する領域であって、複数の前記第一拡散部と、側面から入射した前記光を主面側に拡散する複数の第二拡散部と、を有する領域であり、
前記第一拡散領域に対する複数の前記第一拡散部が占める面積の割合が、前記第二拡散領域に対する複数の前記第一拡散部及び複数の第二拡散部が占める面積の割合よりも小さい導光板と、
を備え、
前記曲線部の外側に前記LEDが位置しない、
ものである。
【0010】
この表示装置は、第一拡散領域と曲線部との間の位置に第二拡散領域を有し、この第二拡散領域に占める第二拡散部の面積の割合は、第一拡散領域に占める第一拡散部の面積の割合よりも大きい。言い換えると、第二拡散領域に設けられている第二拡散部は、第一拡散領域に設けられている第一拡散部よりも密になるよう設けられている。このため、側面側全体から均一に光が入射した場合には、第一拡散領域よりも第二拡散領域の方が明るくなる。こうすることにより、曲線部に光源を配置しない場合には、曲線部に近づくにつれて側面側から入射する光が減少することになるが、第二拡散領域における第二拡散部の面積の割合を第一拡散領域における第一拡散部の面積の割合よりも大きくすることにより、第一拡散領域と第二拡散領域との明るさのムラを減少させることができる。言い換えると、主面全体における明るさの相違を減少させることができる。
【0011】
本発明の表示装置において、前記第一拡散部及び前記第二拡散部は、拡散ドットであってもよい。こうすることにより、第一拡散部と第二拡散部とを同様の方法で形成することができるため、第一拡散部と第二拡散部とを異なる方法で形成する場合と比較して、第二拡散部を形成する際の労力をより低減することができる。このような場合には、第二拡散領域に第一拡散領域よりも多くの拡散ドットを設けることにより、側面側全体から均一に光が入射した場合には、第一拡散領域よりも第二拡散領域の方が明るくなる。こうすることにより、曲線部に光源を配置しない場合には、曲線部に近づくにつれて側面側から入射する光が減少することになるが、第二拡散領域における第二拡散部の面積割合を増大させることにより、第一拡散領域と第二拡散領域との明るさの相違を減少させることができる。言い換えると、主面全体における明るさのムラを減少させることができる。
【0012】
本発明の表示装置において、前記第一拡散部は、拡散ドットであり、前記第二拡散部は、拡散ドットと第一拡散溝であってもよい。このような場合には、第二拡散領域に設けられる拡散ドットと第一拡散溝との面積割合が、第一拡散領域に設けられる拡散ドットの面積割合よりも大きくなり、側面側全体から均一に光が入射した場合には、第一拡散領域よりも第二拡散領域の方が明るくなる。こうすることにより、曲線部に光源を配置しない場合には、曲線部に近づくにつれて側面側から入射する光が減少することになるが、第二拡散領域における第二拡散部の面積割合を増大させることにより、第一拡散領域と第二拡散領域との明るさのムラを減少させることができる。言い換えると、主面全体における明るさのムラを減少させることができる。
【0013】
この態様を採用した本発明の表示装置において、前記第一拡散溝は、点線状に連続して設けられものであってもよいし、前記第一拡散溝は、前記曲線部側から放射線状に複数形成されていてもよい。このような場合には、曲線部側に近づくに従って、第一拡散溝の面積割合が増大するため、側面側全体から均一に光が入射した場合には、曲線部付近が最も明るくなる。こうすることにより、曲線部に光源を配置しない場合には、最も入射する光が減少することになる曲線部付近における第一拡散部の面積割合を増大させることにより、曲線部に近づくにつれて変化する明るさを減少させることができる。言い換えると、主面全体における明るさのムラを減少させることができる。
【0014】
本発明の表示装置において、前記第二拡散領域は、隣り合う前記直線部の延長線が互いに交わる交点を中心として描いた仮想円弧と前記曲線部とによって囲まれた領域を含む領域であってもよい。こうすることにより、曲線部に光源を配置しない場合には、曲線部に近づくにつれて側面側全体から入射する光が減少することになるが、第二拡散領域における第二拡散部の面積割合を増大させることにより、第一拡散領域と第二拡散領域との明るさの相違を減少させることができる。言い換えると、主面全体における明るさのムラを減少させ、優れた美観を与えることができる。
【0015】
本発明の表示装置において、前記第二拡散領域は、前記第二拡散領域の曲線部側の一部に、側面から入射した前記光を主面側に拡散する第二拡散溝を有する第三拡散領域を含むものであってもよい。このような場合には、導光板の中心から曲線部側に近づくに従って、第一拡散領域、第二拡散領域、第三拡散領域の3段階でそれぞれの領域における第一拡散部又は第二拡散部の面積割合が大きくなり、側面側全体から均一に光が入射した場合には、三段階に光の明るさが変わることになる。こうすることにより、第三拡散領域を有しない場合と比較して、より主面全体の明るさのムラを減少させることができる。
【0016】
この態様を採用した本発明の表示装置において、前記第二拡散溝は、点線状に連続して設けられるものであってもよいし、前記第二拡散溝は、前記曲線部側から放射線状に複数形成されていてもよい。このような場合には、曲線部側に近づくに従って、第二拡散溝の面積割合が増大するため、側面側全体から均一に光が入射した場合には、曲線部付近が最も明るくなる。こうすることにより、曲線部に光源を配置しない場合には、最も入射する光が減少することになる曲線部付近における第二拡散部の面積割合を増大させることにより、曲線部に近づくにつれて変化する明るさを減少させることができる。言い換えると、主面全体における明るさのムラを減少させることができる。
【0017】
本発明の表示装置において、前記第三拡散領域は、前記第一拡散溝と前記第二拡散溝とが交互に設けられた領域であってもよい。こうすれば、第一拡散溝と第二拡散溝とが周期的に配置されることにより、周期的な形状による優れた美観を与えつつ、側面側全体から均一に光が照射された場合に、第三拡散領域内における明るさの相違を減少させることができる。言い換えると、主面全体における明るさのムラを減少させ、優れた美観を与えることができる。
【0018】
本発明の表示装置において、前記第三拡散領域は、前記第二拡散領域と相似形であってもよい。こうすれば、いずれの直線部に対向する位置に同様に光源を配置した場合には、それぞれの光源から第三拡散領域及び第二拡散領域までの距離が同一となるため、第三拡散領域と第二拡散領域との明るさの相違を減少させることができる。言い換えると、主面全体における明るさの相違を減少させることができる。
【0019】
本発明の表示装置において、前記主面は、三角形、四角形、五角形又は六角形であってもよい。主面がこれらの形状の場合には、従来の導光板では、曲線部に光源を配置しない場合に主面全体における明るさのムラが大きくなるため、本発明を適用する効果が大きい。
【0020】
本発明の表示装置において、前記導光板の前記主面は、五角形であり、複数の前記LEDは、五角形を形成する5つの前記直線部のうちの4つの直線部の外側に位置し、複数の前記LEDが外側の位置に設けられていない直線部が上方側となるように前記導光板が配置される、ものであってもよい。いずれの場合も導光板の各頂点に近づくに従って、LEDから照射される光の量が減少することになるが、上述したいずれかに記載の導光板を備えているため、各頂点に近づくにつれて変化する明るさを減少させることができる。このとき、側面全体にLEDが配置される場合と比較して、配置されるLEDの数を少なくすることができるため、より省電力に資する。言い換えると、消費電力を低減させつつ、主面全体における明るさの相違を減少させた表示装置を提供することができる。
【0021】
本発明の表示装置は、前記曲線部の曲面側に位置し、前記曲線部の曲面側に導光された光を反射する反射部材と、を備えていてもよい。こうすれば、曲線部の曲面側に導光された光が反射部材によって反射されることにより曲線部付近がより明るくなり、曲線部に近づくにつれて変化する明るさの減少度を低減することができる。
【0022】
本発明の表示装置は、前記主面の前記第一拡散部が設けられている側に隣接し、前記主面から照射された光を反射する反射板と、前記主面の前記第一拡散部が設けられていない側に隣接し、所定の情報を表示する乳半板と、を備えていてもよい。こうすることにより、乳半板に表示される情報を、反射板が無い場合と比較してより明るく、かつ、表示装置全体における明るさの相違を減少させることができる。
【0023】
本発明の道路標識は、上述したいずれかの表示装置と、文字、記号、図面又はこれらの組み合わせからなる表示情報を有する表示部と、を含むものである。本発明の道路標識は、上述したいずれかの表示装置を含むものであるため、上述した表示装置と同様の効果、例えば、消費電力を低減させつつ、表示部に表示される表示情報を、道路標識全体における明るさの相違を小さな状態で表示するという効果が得られる。
【0024】
本発明の道路標識において、前記表示部は、前記乳半板の表面に貼着されたフィルムであってもよい。こうすれば、フィルムを乳半板の表面に貼着するという簡単な操作で表示部を設けることができる。
【0025】
本発明の表示装置に使用される導光板の製造方法は、
(a)前記主面に複数の第一拡散部を形成する第一拡散部形成ステップと、
(b)前記第二拡散領域に前記第二拡散部を形成する第二拡散部形成ステップと、
を含むものである。
【0026】
本発明の表示装置に使用される導光板の製造方法は、前記主面に複数の第一拡散部を形成する第一拡散部形成ステップと、前記第二拡散領域に前記第二拡散部を形成する第二拡散部形成ステップと、を含むため、主面全体における明るさの相違を減少させた導光板を製造することができる。
【0027】
本発明の表示装置に使用される導光板の製造方法は、(a)超音波加工用ホーンの先端面に配置された加工ドットを押圧することで、前記加工ドットの形状を反映した形状で前記主面に複数の前記拡散ドットを形成する拡散ドット形成ステップと、(b)前記拡散ドット加工ステップの後に、レーザー加工機を用いて前記第二拡散領域に前記第二拡散部を形成する拡散溝形成ステップと、を含むものであってもよい。こうすれば、加工ドットを押圧して主面に複数の拡散ドットを形成した後にレーザー加工機を用いて第二加工領域に第二拡散部を形成することにより、主面全体における明るさの相違を減少させた導光板を製造することができる。
【0028】
本発明の表示装置に使用される導光板の製造方法は、(a)前記主面に複数の第一拡散部を形成する第一拡散部形成ステップと、(b)前記第三拡散領域に前記第二拡散溝を形成する拡散溝形成ステップと、を含むものであってもよい。こうすれば、第二拡散溝を有しない導光板と比較して、より主面全体における明るさの相違を減少させた導光板を製造することができる。
【0029】
本発明の表示装置に使用される導光板の製造方法は、(a)超音波加工用ホーンの先端面に配置された加工ドットを押圧することで、前記加工ドットの形状を反映した形状で前記主面に複数の前記拡散ドットを形成する拡散ドット形成ステップと、(b)前記拡散ドット形成ステップの後に、レーザー加工機を用いて前記第三拡散領域に前記第二拡散溝を形成する拡散溝形成ステップと、(c)前記拡散溝形成ステップの後に、レーザー加工機を用いて前記第三拡散領域に前記第二拡散溝を形成する第二拡散溝形成ステップと、を含むものであってもよい。こうすれば、第二拡散溝を有しない導光板と比較して、より主面全体における明るさの相違を減少させた導光板を製造することができる。
【0030】
本発明の道路標識の製造方法は、側面から入射した光を主面に導光する導光板と、前記主面の表面に設けられ、文字、記号、図形又はこれらの組み合わせからなる表示情報を表示する表示フィルムと、前記導光板の外側に位置し、前記導光板の側面に光を照射するLEDとを備えた道路標識を製造する道路標識の製造方法において、
(a)超音波加工用ホーンの先端面に配置された加工ドットを押圧することで、前記加工ドットの形状を反映した形状で前記主面に複数の前記拡散ドットを形成する拡散ドット形成ステップと、
(b)前記拡散ドット加工ステップの後に、レーザー加工機を用いて前記第二拡散領域に前記第二拡散溝を形成する拡散溝形成ステップと、
(c)前記直線部の側面にLEDを位置決めする組み立てステップと、
を含むことにより、表示フィルム全体の明るさの相違を減少させた道路標識を製造することを特徴とするものである。
【0031】
本発明の道路標識の製造方法は、直線部の側面に位置決めしたLEDから光を照射した場合であっても、主面全体における明るさの相違を減少させることができる方法で製造した導光板を用いるため、主面全体における明るさの相違を減少させた道路標識を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1図1は、導光板30の構成の概略を示す正面図である。
図2図2は、導光板30に第一拡散ドット32a及び第二拡散ドット32bを形成する工程を説明するための説明図である。
図3図3は、表示装置20の構成の概略を示す斜視図である。
図4図4は、道路標識10の構成の概略を示す斜視図である。
図5図5は、導光板130の構成の概略を示す正面図である。
図6図6は、導光板230の構成の概略を示す正面図である。
図7図7は、導光板230の他の実施の形態の構成の概略を示す正面図である。
図8図8は、導光板230の他の実施の形態の構成の概略を示す正面図である。
図9図9は、導光板330の構成の概略を示す正面図である。
図10図10は、導光板330の他の実施の形態の構成の概略を示す正面図である。
図11図11は、導光板330の他の実施の形態の構成の概略を示す正面図である。
図12図12は、明るさを測定するための導光板の構成の概略を示す正面図である。
図13図13は、導光板の各頂点付近を示す部分拡大図である。
図14図14は、導光板の各部の明るさを示す説明図である。
図15図15は、明るさを測定するための導光板の構成の概略を示す正面図である。
図16図16は、導光板の各頂点付近を示す部分拡大図である。
図17図17は、導光板の各部の明るさを示す説明図である。
図18図18は、従来の導光板の一例を示す正面図である。
図19図19は、道路標識110の構成の概略を示す説明図である。
図20図20は、道路標識210の構成の概略を示す正面図である。
図21図21は、道路標識210の構成の概略を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
ここで、上記簡単に説明した図面に基づいて、本発明を実施するための形態を説明するにあたり、本実施の形態の構成要素と本発明の構成要素との対応関係を明らかにする。本実施の形態の導光板30が導光板に相当し、曲線部30aが曲線部に相当し、直線部30bが直線部に相当し、第一拡散領域31aが第一拡散領域に相当し、第二拡散領域31bが第二拡散領域に相当し、第三拡散領域31cが第三拡散領域に相当し、第一拡散ドット32aが第一拡散部に相当し、第一拡散ドット32a、第二拡散ドット32b及び第三拡散ドット32cが拡散ドットに相当し、第一拡散溝132が第一拡散溝に相当し、白色発光型LED54がLEDに相当し、反射シール28が反射部材に相当し、反射板22が反射板に相当し、乳半板24が乳半板に相当し、表示フィルム12が表示部に相当する。なお、導光板30を含む表示装置20の製造方法を説明することにより本発明の導光板30、表示装置20及び道路標識10の製造方法の一例も明らかにしている。
【0034】
本発明を実施するための形態を説明するにおいて、まず、図1を用いて、本発明の実施の形態の一例である導光板30について説明した後に、この導光板30を用いた表示装置20及び道路標識10について説明する。図1は、本発明の第一の実施の形態である導光板30の構成の概略を示す平面図であり、右下部にA部の拡大平面図を示したものである。
【0035】
導光板30は、厚さが約4ミリメートルから約8ミリメートルであり、略五角形形状の板状に形成された透過性を有するメタクリル樹脂製の板である。この導光板30の形状は、略五角形形状の各辺の一部であって、直線状に形成されている直線部30bと、略五角形形状の各頂点付近であって、隣り合う直線部30b同士をつなぐ曲線部30aとによって囲まれた形状である。この導光板30の裏面側には、複数の第一拡散ドット32aが設けられており、各頂点の近傍には第二拡散ドット32bが設けられている。こうすることにより、導光板30の各頂点近傍は、導光板30の側面側全体から均一に光が入射した場合には、他の位置と比較して、より明るくなる。なお、この第一拡散ドット32aが密に設けられている各頂点の近傍の領域(図1中、一点鎖線で囲まれた領域)が第二拡散領域31bであり、第二拡散領域31b以外の領域が第一拡散領域31aである。なお、以下の説明において、導光板30の裏面側とは、導光板30の主面であって第一拡散ドット32a及び第二拡散ドット32bを有する側を意味し、導光板30の表面側とは、導光板30の主面であって第一拡散ドット32a及び第二拡散ドット32bを有しない側を意味する。
【0036】
第一拡散ドット32a及び第二拡散ドット32bは、略四角錐形状に凹む凹部であり、四角錐の底面に相当する位置が導光板30の裏面に位置するように設けられている。この四角錐の各辺の長さは、0.6ミリメートル〜1.5ミリメートルに設けられ、第一拡散ドット32a及び第二拡散ドット32bの深さは、0.4ミリメートル〜0.8ミリメートルに設けられている。また、隣り合う第一拡散ドット32a間のピッチは、約1.5ミリメートル〜約8.0ミリメートルのピッチに設けられている。なお、図1中において、第一拡散ドット32a及び第二拡散ドット32bの大きさは、作図の都合上実際よりも大きく、且つ、少なく描いており、実際には、より小さな第一拡散ドット32a及び第二拡散ドット32bがより多く形成されることになる。
【0037】
ここで、第二拡散領域31bについて、更に詳しく説明する。図1の右下部に示すように、第二拡散領域31bは、導光板30の各頂点付近の領域であって、第一拡散ドット32aに加え、第二拡散ドット32bが設けられた領域である。具体的には、第一拡散ドット32aの形状と同様の形状の第二拡散ドット32bが、第一拡散ドット32aのピッチ間隔に対して2分の1ピッチずらして設けられている。また、第二拡散領域31bは、例えば、導光板30の各頂点から半径20.0ミリメートル〜300.0ミリメートルが好ましく、30.0ミリメートル〜250.0ミリメートルがより好ましい。こうすることにより、第二拡散領域31bにおける第一拡散ドット32a及び第二拡散ドット32bの面積密度は、第一拡散領域31aにおける第一拡散ドット32aの面積密度の2倍となるため、側面側全体から同一の光量の光が入射した場合には、第一拡散領域31aと比較して、より導光板30の表面側を明るくすることができる。この結果、例えば直線部30bに対向する位置のみに光源ユニット50(図3参照)を設けた場合であっても、第二拡散領域31bの明るさを第一拡散領域31aと同程度にすることができる。このように、曲線部30aの側面に光源ユニット50を設けなくとも導光板30の全体の明るさを同程度にすることができるため、光源ユニット50を導光板30の各頂点付近に設けなくともよい。なお、第二拡散領域31bの範囲は、曲線部30aの角度や導光板230の大きさに応じて適宜定めることができる。
【0038】
次に、こうして構成される本実施の形態の導光板30の製造方法の一例について、図2を用いて詳しく説明する。ここで図2は、第一拡散ドット32a及び第二拡散ドット32bを形成する方法を説明するための説明図である。導光板30に第一拡散ドット32aを形成する際には、図2(A)に示すように、樹脂製板に超音波振動を印加した超音波加工用ホーン60を押圧することで第一拡散ドット32aを形成する。この超音波加工用ホーン60は、図示しない公知の超音波加工機と接続されており、先端面に加工ドット62が縦横それぞれ4つずつ、マトリクス状に配置されている。この加工ドット62は、略四角錐形状であり、超音波加工用ホーン60の先端面に設けられている。このため、超音波加工用ホーン60に超音波振動を印加した状態で導光板30に押圧すると、加工ドット62の形状が反映された第一拡散ドット32aを形成することができる。
【0039】
第二拡散領域31bを形成する際には、上述した方法で導光板30の全面に第一拡散ドット32aを形成した後、図2(B)に示すように、第一拡散ドット32aと第一拡散ドット32aとの間の位置に超音波加工用ホーン65を位置決めし、超音波加工用ホーン65に超音波振動を引加した状態で導光板30に押圧することで、超音波加工用ホーン65の先端面に配置された加工ドット62の形状が反映された第二拡散ドット32bを形成することができる。このとき、図2(c)に示すように、第一拡散ドット32aと第一拡散ドット32aとの中間点に第二拡散ドット32bを形成することで、光が周期的に拡散されることになるため、美観に優れる。また、第一拡散領域31aよりも第二拡散ドット32bの分だけ多く拡散ドットが配置されることになるため、第二拡散ドット32bを有しない場合と比較して、より明るく見える。
【0040】
次に、この導光板30を備えた表示装置20について、図3を用いて詳しく説明する。ここで、図3は、表示装置20の構成の概略を示す分解斜視図である。表示装置20は、上述した導光板30と、導光板30の裏面側に配置される反射板22と、導光板30の表面側に配置される乳半板24と、導光板30の各頂点付近に設けられた曲線部30aの側面側に配置される反射シール28と、導光板30の各辺の一部である直線部30bに対向する位置に配置される光源ユニット50と、を備えており、図示しない枠体により側面側から固定されている。この表示装置20では、光源ユニット50から導光板30の側面に光が照射されると、導光板30によって主に表面側に光が導光される。一方、光源ユニット50から照射された光のうち、曲線部30a方向に導光された光は、曲線部30aの側面側に設けられた反射シール28によって反射され、導光板30によって再び導光されることになる。こうすることにより、導光板30の各頂点近傍に光源ユニット50を配置しなくても、各頂点付近が暗くなることなく、主面全体を同程度の明るさにすることができる。言い換えると、各頂点近傍に光源ユニット50を配置しないことで、光源ユニット50を湾曲して配置する労力を低減しつつ、光源ユニット50の数を減らすことで、消費電力を低減することができる。
【0041】
反射板22は、導光板30と略同一の形状をした不透明白色のプラスチックの板材であり、導光板30の裏面側に導光された光を導光板30の表面側に反射する。このため、反射板22を備えていない場合と比較して、より導光板30の表面側を明るくすることができる。
【0042】
乳半板24は、導光板30と略同一の形状をした乳半色半透明の樹脂製板であり、第一拡散ドット32a及び第二拡散ドット32bで拡散された光を散乱させ、透過する。こうすることにより、第一拡散ドット32a及び第二拡散ドット32bの形状が視認させる可能性を低減し、表面側全体を明るくすることにより、導光板30の表面に明るさのムラが生じる可能性を未然に低減することができる。
【0043】
反射シール28は、導光板30の厚さと略同一の幅を有する不透明白色のプラスチックのフィルム又はシート部材であり、導光板30の側面側に導光された光を導光板30の中心方向に反射する。このため、反射シール28が設けられている導光板30の各頂点付近は、反射シール28によって反射された光により、反射シール28を有しない場合と比較して、より明るくなる。
【0044】
光源ユニット50は、基板52と、この基板52に所定の間隔で実装された複数の表面実装型の白色発光型LED54(以下、「LED54」と言う。)と、を備えており、導光板30の側面に光を照射する。この光源ユニット50は、導光板30の各辺の一部である直線部30bの対向する位置にそれぞれ設けられている。このため、曲線部30aに設ける場合には曲線部30aと同様の形状に曲線加工する必要があるが、曲線加工する労力を低減することができる。また、光源ユニット50は、防水又は防滴処理が施されていても良い。具体的には、例えば、基板52上にエポキシ樹脂等をポッティングしてもよいし、完全に密封コーティングしても良いし、光源ユニット50をシリコンチューブ等に封入しても良い。こうすることにより、仮に表示装置20の内部で結露が生じたり、雨滴等が表示装置20の内部に侵入した場合であっても、光源ユニット50が故障したり誤作動したりする可能性を未然に低減することができる。なお、光源ユニット50の配置位置は、第一拡散領域31aの外側のみであってもよいし、第一拡散領域31aと第二拡散領域31bとのそれぞれの外側であってもよい。
【0045】
以上のように、表示装置20は、導光板30の表面側に乳半板24が重なり、導光板30の裏面側に反射板22が重なり、導光板30の曲線部30bに反射シール28が配置され、直線部30aに対向する位置に光源ユニット50が配置された状態で図示しない枠体によって固定されてなる。
【0046】
続いて、表示装置20を用いた道路標識10について、図4を用いて詳しく説明する。ここで、図4は、道路標識10の構成の概略を示す斜視図である。道路標識10は、図3に示す表示装置20と、表示装置20の裏面側に配置される支持柱14と、を備えており、乳半板24の表面には、所定の表示情報(例えば、「止まれ」の文字)を有する表示フィルム12が付されている。この道路標識10では、表示装置20に備えられた光源ユニット50から導光板30の側面に光が照射されると、導光板30によって主に表面側に光が導光され、表示フィルム12の表示情報が表示される。一方、光源ユニット50から照射された光のうち、曲線部30a方向に導光された光は、曲線部30aの側面側に設けられた反射シール28によって反射され、導光板30によって再び導光されることになる。こうすることにより、表示フィルム12の各頂点付近が暗くなることを未然に防止し、表示フィルム12全体を同程度の明るさにすることができるため、表示フィルム12の表示情報を同程度の明るさで表示することができ、視認性に優れる。
【0047】
支持柱14は、鉄製の柱状部材であり、一端側が表示装置20の裏面側に固定されており、他端側を所望の場所に固定することで、道路標識10を所望の位置に固定して設置する。
【0048】
以上のように、道路標識10は、表示装置20の表面側に表示フィルム12を設け、一端側が固定された支持柱14により所望の位置に配置される。なお、支持柱14の設置形態はこれに限定されるものでは無く、例えば、トンネル等の出入り口の上部壁面等に設置してもよい。
【0049】
次に、本発明の第二の実施の形態における導光板130の構成の概略について、図5を用いて詳しく説明する。ここで、図5は、導光板130の構成の概略を示す正面図である。なお、第一の実施の形態と同様の部分については、同様の符番を付し、説明を省略する。導光板30と比較すると、導光板130は、第三拡散領域31cが設けられている点が異なる。
【0050】
導光板130は、図5に示すように、第二拡散領域31bのうち、更に各頂点に近い位置に第三拡散領域31c(図5中、二点鎖線で囲まれた領域)を有している。この第三拡散領域31cは、第二拡散領域31bに設けられた複数の第一拡散ドット32a及び第二拡散ドット32bに加えて、第三拡散ドット32cが設けられている。具体的には、第三拡散領域31cは、例えば、導光板30の各頂点から半径30.0ミリメートル〜200.0ミリメートルが好ましく、50.0ミリメートル〜150.0ミリメートルがより好ましい。この第三拡散ドット32cは、第二拡散領域31bに設けられた第一拡散ドット32a又は第二拡散ドット32bと隣接する第一拡散ドット32a又は第二拡散ドット32bとの中間点に設けられているため、第三拡散領域31cにおける拡散ドットの面積密度は第二拡散領域31bにおける第一拡散ドット32a及び第二拡散ドット32bの面積密度の2倍、第一拡散領域31aと比較した場合には、4倍の面積密度となる。このため、側面側全体から同一の光量の光が入射した場合には、第一拡散領域31a及び第二拡散領域31bと比較して、より導光板30の表面側を明るくすることができる。この結果、例えば直線部30bに対向する位置のみに光源ユニット50を設けた場合であっても、光源ユニット50から遠ざかるにつれて拡散ドットの面積密度が2段階変わるため、光源ユニット50を導光板130の各頂点付近に設けなくとも、導光板130の全体の明るさのムラを減少させることができる。なお、第三拡散領域31cの範囲は、曲線部30aの角度や導光板130の大きさに応じて適宜定めることができる。
【0051】
上述した第二の実施の形態では、導光板130に設けられた第三拡散ドット32cは第二拡散ドット32bと同一の大きさとしたが、第二拡散ドット32bよりも小さくてもよい。この場合も、上述した実施の形態と同様の効果を得ることができる。なお、同様に、第二拡散ドット32bは第一拡散ドット32aよりも小さくともよい、この場合も、上述した実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0052】
なお、表示装置20及び道路標識10に備えられた導光板30に代えて、導光板130を用いて表示装置20又は道路標識10を構成した場合には、表示装置20又は道路標識10は、導光板130と同様の効果、例えば、導光板130の主面全体を同程度に明るくすることができる。このとき、表示装置20及び道路標識10の構成及び製造方法については、導光板30を導光板130に変更すること以外は同様であるため、説明は省略する。
【0053】
次に、本発明の第三の実施の形態における導光板230の構成の概略について、図6を用いて詳しく説明する。ここで、図6は、導光板230の構成の概略を示す正面図である。なお、第一の実施の形態と同様の部分については、同様の符番を付し、説明を省略する。導光板30と比較すると、導光板230は、第二拡散領域31bに第二拡散ドット32bが設けられておらず、複数の第一拡散溝132が設けられている点が異なる。
【0054】
導光板230は、図6に示すように、第二拡散領域31bに、複数の第一拡散溝132が設けられている。この第一拡散溝132は、曲線部30aから導光板230の中心方向に向かって放射線状にそれぞれ設けられているため、曲線部30a付近では第一拡散溝132の間隔が密に、曲線部30aから離れるに従って、第一拡散溝132の間隔が疎に設けられることになる。こうすることにより、導光板230の側面側から均等に光が照射された場合には、第一拡散ドット32aと第一拡散溝132とを合わせた光を拡散する領域の面積密度が曲線部30aに近づくに従って大きくなるため、曲線部30aに近づくに従って主面が明るく見える。この結果、例えば直線部30bに対向する位置のみに光源ユニット50を設けた場合であっても、光源ユニット50から遠ざかるにつれて第一拡散ドット32a及び第一拡散溝132の面積密度が大きくなるため、光源ユニット50を導光板30の各頂点付近に設けなくとも、導光板230の全体の明るさのムラを減少させることができる。
【0055】
ここで、第一拡散溝132について、更に詳しく説明する。第一拡散溝132は、導光板230の表面に設けられた溝である。この第一拡散溝132の幅は、例えば、0.2ミリメートル〜1.0ミリメートルが好ましく、0.4ミリメートル〜0.6ミリメートルがより好ましい。また、第一拡散溝132に曲線部30aから導光板230の中心方向に向かう長さは、例えば、20.0ミリメートル〜300.0ミリメートルが好ましく、30.0ミリメートル〜250.0ミリメートルがより好ましい。なお、この第一拡散溝132の幅及び長さは、曲線部30aの角度や導光板230の大きさに応じて適宜定めることができる。
【0056】
上述した第三の実施の形態における導光板230では、第一拡散溝132が曲線部30aから導光板230の中心方向に向かって放射線状にそれぞれ設けられているものとしたが、図7(A)に示すように、第一拡散溝132は、曲線部30aに隣接するいずれかの直線部30bと略平行に複数設けられていてもよい。こうすれば、例えば、曲線部30aに隣接する直線部30bのいずれか一方にのみ光源ユニット50が設けられている場合には、光源ユニット50が設けられている直線部30bに略平行に第一拡散溝132を設けることにより、光源ユニット50から照射される光を十分に主面に拡散することができる。
【0057】
上述した第三の実施の形態における導光板230では、第一拡散溝132が曲線部30aから導光板230の中心方向に向かって放射線状にそれぞれ設けられているものとしたが、図7(B)に示すように、曲線部30aに隣接するそれぞれの直線部30bと略平行に複数設けられて、格子状を形成するものであってもよいし、図7(C)に示すように、曲線部30aから遠ざかる方向にそれぞれ平行に設けられていてもよい。こうすれば、例えば、曲線部30aに隣接する直線部30bのいずれか一方のみに光源ユニット50が設けられている場合であっても、いずれに隣接する直線部30bに光源ユニット50が設けられていても、光源ユニット50から照射される光を十分に主面に拡散し、導光板130の全体の明るさのムラを減少させることができる。
【0058】
上述した第三の実施の形態における導光板230では、第一拡散溝132は直線状の溝であるものとしたが、図8(A)に示すように、等間隔で設けられた点線であってもよいし、図8(B)に示すように、長い溝と溝の間に短い間隔を有する点線であってもよい。いずれの場合であっても、上述した第三の実施の形態と同様の効果を得ることができる。なお、この点線の方向は、上述したいずれかの方向であってもよい。いずれの場合であっても、上述した第三の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0059】
次に、本発明の第四の実施の形態における導光板330の構成の概略について、図9を用いて詳しく説明する。ここで、図9は、導光板330の構成の概略を示す平面図である。なお、第三の実施の形態と同様の部分については、同様の符番を付し、説明を省略する。導光板230と比較すると、導光板330は、第三拡散領域31cが設けられている点が異なる。
【0060】
導光板330は、図9に示すように、第一拡散領域31aのうち、更に各頂点に近い位置に第三拡散領域31cを有している。この第三拡散領域31cは、第二拡散領域31bに加えて、更に第二拡散溝134を備えている。第三拡散領域31cに設けられた第二拡散溝134は、第一拡散溝132と第一拡散溝132との間の位置に、曲線部30aから導光板330の中心方向に向かって放射線状にそれぞれ設けられている。こうすることにより、導光板330の側面側全体から均等に光が照射された場合には、第三拡散領域31cに設けられている第一拡散溝132及び第二拡散溝134(以下、「拡散溝136」とも言う。)の面積密度は、第二拡散領域31bよりも大きくなるため、曲線部30aに近づくに従って主面が明るく見える。この結果、例えば直線部30bに対向する位置のみに光源ユニット50を設けた場合であっても、光源ユニット50から遠ざかるにつれて拡散溝136の面積密度が大きくなるため、光源ユニット50を導光板30の各頂点付近に設けなくとも、導光板330の全体の明るさのムラを減少させることができる。
【0061】
上述した第四の実施の形態では、第一拡散溝132と第一拡散溝132との間に第二拡散溝134を設けるものとしたが、図10(A)に示すように、曲線部30aから導光板330の中心方向に向かって放射線状にそれぞれ設けられている第一拡散溝132と第一拡散溝132との間に第二拡散溝134を設けるものとしたが、図10(A)に示すように、第一拡散溝132及び第二拡散溝134は、曲線部30aに隣接するいずれかの直線部30bと略平行に複数交互に設けられていてもよい。こうすれば、例えば、曲線部30aに隣接する直線部30bのいずれか一方にのみ光源ユニット50が設けられている場合には、光源ユニット50が設けられている直線部30bに略平行に第一拡散溝132及び第二拡散溝134を設けることにより、光源ユニット50から照射される光を十分に主面に拡散することができる。
【0062】
上述した第四の実施の形態では、第一拡散溝132と第一拡散溝132との間に第二拡散溝134を設けるものとしたが、図10(B)に示すように、第一拡散溝132と直交する位置に第二拡散溝134を設け、第一拡散溝132と第二拡散溝134とで格子状を形成するものであってもよいし、図10(C)に示すように、第一拡散溝132を格子状に設け、第一拡散溝132で形成した格子よりも小さな格子となるように、第二拡散溝134を格子状に設けてもよいし、図10(D)に示すように、曲線部30aから遠ざかる方向に第一拡散溝132及び第二拡散溝134をそれぞれ平行に設けられていてもよい。こうすれば、例えば、曲線部30aに隣接する直線部30bのいずれか一方のみに光源ユニット50が設けられている場合であっても、いずれに隣接する直線部30bに光源ユニット50が設けられていても、光源ユニット50から照射される光を十分に主面に拡散することができる。
【0063】
上述した第四の実施の形態では、曲線部30aから導光板330の中心方向に向かって放射線状にそれぞれ設けられている第一拡散溝132と第一拡散溝132との間に第二拡散溝134を設けるものとしたが、図10(B)に示すように、曲線部30aに隣接するいずれかの直線部30bと略平行に設けられた第一拡散溝132に直交するように第二拡散溝134が設けられていてもよい。
【0064】
上述した第四の実施の形態では、第一拡散溝132及び第二拡散溝134は直線状の溝であるものとしたが、図11(A)に示すように、等間隔で設けられた点線であってもよいし、図11(B)に示すように、長い溝と溝の間に短い間隔を有する点線であってもよいし、図11(C)に示すように、第一拡散溝132と第二拡散溝134とで、溝の長さが異なっていてもよい。いずれの場合であっても、上述した第四の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0065】
次に、本発明の他の実施の形態における道路標識110の構成について、図19を用いて詳しく説明する。ここで、図19は、道路標識110の構成の概略を示す正面図、側面図及びA−A断面図である。なお、第一の実施の形態と同様の部分については、同様の符番を付し、説明を省略する。この道路標識110は、図19に示すように、正面側に表示板112が設けられ、裏面側に図示しない支柱等に固定されることで道路標識110を支持する二つの固定具111がそれぞれ設けられている。このとき、道路標識110の下方側には図示しない貫通孔が設けられている。こうすることにより、仮に道路標識110の内部で結露が生じたり、雨滴等が道路標識110の内部に侵入したりした場合であっても、内部の水を排出することができる。
【0066】
道路標識110は、図19に示すように、本体枠114の表面側にL字形状の側面枠116がボルト113aによって固定されており、本体枠114と側面枠116との間に表示板112が挟持されている。このとき、本体枠114とボルト113aとの間には防水ワッシャ113bが挟まれており、表示板112と側面枠116との間には緩衝部材117が挟まれているため、防水性に優れ、道路標識110が屋外に設置することができる。また、本体枠114の裏面側には裏板118がボルト115aによって固定されており、固定部材120によって裏板118に導光板30が固定されている。このとき、裏板118とボルト115aとの間には防水ワッシャ115bが挟まれているため、防水性に優れる。
【0067】
固定部材120は、図19に示すように、互いに平行な上面120a及び下面120bを有し、上面120aと下面120bとが傾斜面120cで連接された形状を有する。この固定部材120の上面120aに導光板30が、下面120bに裏板118が、それぞれ固定される。こうすることにより、本体枠114や側面枠116、裏板118に当接すること無く、導光板30を固定することができる。例えば、仮に道路標識110の内部で結露が生じたり、雨滴等が道路標識110の内部に侵入したりした場合には、水滴は道路標識110の下方に溜まることになるが、溜まった水は道路標識110の下方に設けられた図示しない貫通孔から排出されることに加え、導光板30及び光源ユニット50は道路標識110の下方面から離れた状態に位置決めされているため、道路標識110の下方に溜まった水によって光源ユニット50又は導光板30が故障又は誤作動が生じる可能性を未然に低減することができる。
【0068】
導光板30の側面側には、第一の実施の形態と同様に、各辺の直線状の部分に光源ユニット50が設けられており、光源ユニット50は、U字形状の光源固定部材122によって、導光板30の側面側に固定される。こうすることにより、光源ユニット50から導光板30の側面に光が照射され、導光板30によって導光板30の主面方向に拡散される。
【0069】
次に、本発明の他の実施の形態における道路標識210の構成について、図20及び図21を用いて詳しく説明する。ここで、図20は道路標識210の正面図であり、図21は、道路標識210の構成の概略を示す側面図、B−B断面図及びC−C断面図である。この導光板210は、図21に示すように、正面側に表示板212が設けられ、裏面側に図示しない支柱等に固定されることで道路標識210を支持する二つの固定具211が設けられている。このとき、道路標識110の下方側には図示しない貫通孔が設けられている。こうすることにより、仮に道路標識210の内部で結露が生じたり、雨滴等が道路標識210の内部に侵入したりした場合であっても、下面側の円弧に沿って水が移動し、内部の水を自然に排出することができる。なお、道路標識210に含まれる導光板230は、第一の実施の形態における導光板30の形状を円板状にしたものであるため、ここでは説明を省略する。
【0070】
道路標識210は、図21に示すように、本体枠214の表面側にL字形状の側面枠216がボルト213aによって固定されており、本体枠214と側面枠216との間に表示板212が挟持されている。このとき、本体枠214とボルト213aとの間には防水ワッシャ213bが挟まれており、表示板212と側面枠216との間には緩衝部材217が挟まれているため、防水性に優れ、道路標識210を屋外に配置することができる。また、本体枠214の裏面側には裏板218がボルト215aによって固定されており、固定部材220によって裏板218に導光板230が固定されている。このとき、裏板218とボルト215aとの間には防水ワッシャ215bが挟まれているため、防水性に優れる。また、仮に道路標識210の内部で結露が生じたり、雨滴等が道路標識210の内部に侵入したりした場合には、水滴は道路標識210の下方に溜まることになるが、溜まった水は道路標識210の下方に設けられた図示しない貫通孔から排出されることに加え、導光板230及び光源ユニット250は道路標識210の下方面から離れた状態に位置決めされているため、道路標識210の下方に溜まった水によって光源ユニット250又は導光板230が故障又は誤作動が生じる可能性を未然に低減することができる。なお、固定部材220の形状は、固定部材120と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0071】
導光板230の側面側には、光源ユニット250が設けられており、光源ユニット250は、U字形状の光源固定部材222によって、導光板230の側面側に固定される。こうすることにより、光源ユニット250から導光板230の側面に光が照射され、導光板230によって導光板230の主面方向に拡散される。なお、光源ユニット250の構成は光源ユニット50と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0072】
以上詳述した本実施の形態の導光板30によれば、第二拡散領域31bに占める第一拡散ドット32a及び第二拡散ドット32bの面積割合が第一拡散領域31aに占める第一拡散ドット32aの面積割合よりも大きいため、曲線部30aに光源ユニット50を設けない場合であっても、主面全体における明るさの違い(明るさのムラ)を減少させることができる。
【0073】
また、第二拡散領域31bには、第二拡散ドット32bに加えて第一拡散溝132を備えているため、
曲線部30aに光源ユニット50を設けない場合であっても、主面全体における明るさの違い(明るさのムラ)を減少させることができる。
【0074】
更に、第一拡散溝132は、等間隔で設けられた点線状であって、曲線部30aから中心方向に向かって放射線状に複数形成されているため、点線の面積密度は曲線部30aに近づくにつれて大きくなる。こうすることにより、曲線部30aに光源ユニット50を設けない場合であっても、主面全体における明るさの違い(明るさのムラ)を減少させることができる。
【0075】
そしてまた、第二拡散領域31bの曲線部30a側の一部に第三拡散領域31cを有しているため、中心側から曲線部30aに向かって、第一拡散領域31a、第二拡散領域31b、第三拡散領域31cの順で拡散ドット32と拡散溝136との合計面積密度が段階的に中心側から曲線部30aに向かうにつれて密になっているため、第三拡散領域31cを有しない場合と比較して、より主面全体における明るさの違い(明るさのムラ)を減少させることができる。
【0076】
このとき、第二拡散溝134は、等間隔で設けられた点線上であって、曲線部30aから中心方向に向かって放射線状に複数形成されているため、点線の面積密度は曲線部30aに近づくにつれて大きくなる。こうすることにより、曲線部30aに光源ユニット50を設けない場合であっても、主面全体における明るさの違い(明るさのムラ)を減少させることができる。
【0077】
そして更に、第二拡散溝134は、第一拡散溝132と第一拡散溝132との間に設けられており、第二拡散領域31bでは、第一拡散溝132と第二拡散溝134とが交互に配置されているため、第二拡散領域31bにおける明るさのムラを減少させ、主面全体における明るさの違い(明るさのムラ)を減少させることができる。
【0078】
そして更にまた、第三拡散領域31cは、第二拡散領域31bと相似形であるため、直線部30bに設けられた光源ユニット50から第二拡散領域31b又は第一拡散領域31aまでの距離が同一となり、第三拡散領域31cと第二拡散領域31bとの明るさの違い(明るさのムラ)を減少させることができる。言い換えると、主面全体における明るさの違い(明るさのムラ)を減少させることができる。
【0079】
加えて、導光板30は略五角形であるため、直線状の光源ユニット50が配置できない5箇所の曲線部30aが存在するため、導光板が円形である場合と比較して、導光板30を適用する効果が大きい。
【0080】
なお、本発明は上述した実施の形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
【0081】
例えば、上述した第一の実施の形態〜第四の実施の形態を任意に組み合わせて導光板を形成してもよし、これらの組み合わせの導光板を用いて表示装置や道路標識を形成してもよい。いずれの場合も、上述した実施の形態と同様の効果が得られる。
【0082】
上述した実施の形態では、第一拡散ドット32a及び第二拡散ドット32bはそれぞれ同一なものとしたが、異なる大きさにしてもよい。例えば、光源ユニット50から遠ざかるにつれて拡散ドット32の各辺を徐々に長くしたり、深さを徐々に深くしたりしてもよい。こうすれば、光源ユニット50から遠ざかるにつれて拡散ドット32で拡散される光量が大きくなるため、より導光板全体における明るさの違い(明るさのムラ)を減少させることができる。
【0083】
上述した実施の形態では、導光板30は透過性を有するメタクリル樹脂製の板であるものとしたが、透過性を有する素材であればメタクリル樹脂製に限定されるものでなく、メチルメタクリレートやエチルメタクリレート等のメタクリル樹脂以外にも、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレート等のアクリル製樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリエチレン等の種々の素材を用いることができる。いずれの場合であっても、上述した実施の形態と同様の効果が得られる。
【0084】
上述した実施の形態では、導光板30は透過性を有するメタクリル樹脂製の板であるものとしたが、第一拡散領域31aと第二拡散領域31bや第三拡散領域31cを異なる材質にしてもよい。例えば、導光板30に所定の量の拡散剤を練り込んでもよいし、拡散率の異なる複数の材料を組み合わせてもよい。このとき、第一拡散領域31aとは異なる量の拡散剤を第二拡散領域31b又は第三拡散領域31cに練り込んでもよいし、第二拡散領域31b又は第三拡散領域31cに第一拡散領域31aよりも拡散率の高い材料を使用してもよい。こうすることにより、上述した実施の形態と同様の効果が得られる。
【0085】
上述した実施の形態では、拡散ドット32を超音波加工用ホーン60を用いて形成し、第一拡散溝132及び第二拡散溝134をレーザー加工機を用いて加工するものとしたが、拡散ドット32、第一拡散溝132及び第二拡散溝134の加工方法は、適宜選択した所望の方法を用いてもよい。例えば、拡散ドット32、第一拡散溝132及び第二拡散溝134の全てをレーザー加工機を用いて加工してもよいし、プロッターを用いて溝を削ってもよい。一方、拡散ドット32、第一拡散溝132及び第二拡散溝134は、凹状に加工するものとしたが、例えば、スクリーン印刷やシルク印刷等によって凸状に加工してもよいし、あらかじめ凹凸が刻まれた金型を用いた射出成形で加工してもよい。いずれの場合であっても、上述した実施の形態と同様の効果が得られる。
【0086】
このとき、第一拡散領域31aと第二拡散領域31b又は第三拡散領域31cを異なる材質にすると共に、拡散ドット32や第一拡散溝132及び第二拡散溝134は、それぞれ所望の加工方法を用いて加工してもよい。例えば、第一拡散領域31aとは異なる量の拡散剤を第二拡散領域31b又は第三拡散領域31cに練り込みつつ、拡散ドット32、第一拡散溝132及び第二拡散溝134の全てをレーザー加工機を用いて加工したり、プロッターを用いて溝を削ったりしてもよい。上述した材質及び加工方法のいずれを選択し、どのように組み合わせたとしても、上述した実施の形態と同様の効果が得られる。
【0087】
(実施例1)
次に、導光板の表面に明るさのムラを示す明るさ測定結果の一例を示す。図12は、明るさ測定結果を行った導光板を示す正面図である。この測定で用いた導光板は、各頂点付近に設けられた拡散溝の形状以外は図9に示した導光板330と同様であるため、説明を省略する。この導光板の表面全体に拡散ドットが設けられており、各頂点付近であるA部、B部及びC部には、それぞれ拡散溝が形成されている。
【0088】
A部には、図13(A)に示すように、隣り合う直線部の延長線上の交点αを中心として、10°間隔で放射線状に長さ1.0ミリメートル幅0.5ミリメートルのドットが4.0ミリメートル間隔で交点αを中心に70.0ミリメートル形成された第一拡散溝と、第一拡散溝と第一拡散溝との間に長さ1.0ミリメートル幅0.5ミリメートルのドットが4.0ミリメートル間隔で交点αを中心として53.0ミリメートル形成された第二拡散溝と、が設けられている。
【0089】
B部には、図13(B)に示すように、隣り合う直線部の延長線上の交点βを中心として、20°間隔で放射線状に長さ2.0ミリメートル幅0.5ミリメートルのドットが2.0ミリメートル間隔で交点βを中心に30.0ミリメートル形成された第一拡散溝が設けられている。
【0090】
C部には、図13(C)に示すように、隣り合う直線部の延長線上の交点γを中心として、10°間隔で放射線状に長さ1.5ミリメートル幅0.5ミリメートルのドットが3.5ミリメートル間隔で交点γを中心に98.0ミリメートル形成された第一拡散溝と、第一拡散溝と第一拡散溝との間に長さ4ミリメートル幅0.5ミリメートルのドットが2.0ミリメートル間隔で交点γを中心として72.0ミリメートル形成された第二拡散溝と、が設けられている。
【0091】
次に、光源の配置位置について、図12を用いて説明する。光源は、複数の表面発光型の白色LEDを用い、図12中の長方形を用いて模式的に示す位置に配置した。図12から明らかなように、光源は導光板の左右両側の側面部に配置し、導光板の図12中の上方側の辺の側面側及び各頂点付近の位置には配置しなかった。この状態で、LEDを点灯し、導光板の各部の明るさを測定した。
【0092】
(比較例1)
A部、B部及びC部に第一拡散溝及び第二拡散溝を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様の導光板を用い、実施例1と同様の条件で測定した。
【0093】
実施例1及び比較例1における導光板の各部の照度の比較結果を図14に示す。ここで、図14は、実施例1と比較例1との照度の比較結果を表す比較図であり、図14(A)は実施例1の結果を、図14(B)は比較例1の結果をそれぞれ示している。なお、図中の値の単位はルクスである。この結果、実施例1では、導光板の中央部付近で1200ルクス前後に対して、各頂点付近では、1300〜1400ルクス前後と、曲線部にはLEDが配置されていないにもかかわらず、各頂点付近で明るいという結果が得られた。この結果は、比較例1では、中央部が1000〜1300ルクスに対して、各頂点付近が567〜960であり、各頂点付近が暗いという結果と比較すると、第一拡散溝及び第二拡散溝を形成することにより、明るくなったことを示していることは明らかである。
【0094】
(実施例2)
導光板の表面に明るさのムラを示す明るさ測定結果の他の一例を示す。図15は、明るさ測定結果を行った導光板を示す正面図である。この測定で用いた導光板は、略三角形であり、導光板の表面全体に拡散ドットが設けられており、各頂点付近であるA部及びB部には、それぞれ拡散溝が形成されている。
【0095】
A部には、図16(A)に示すように、隣り合う直線部の延長線上の交点αを中心として、10°間隔で放射線状に長さ1.0ミリメートル幅0.5ミリメートルのドットが4.0ミリメートル間隔で交点αを中心に115.0ミリメートル形成された第一拡散溝と、第一拡散溝と第一拡散溝との間に長さ2ミリメートル幅0.5ミリメートルのドットが4.0ミリメートル間隔で交点αを中心として69ミリメートル形成された第二拡散溝と、が設けられている。
【0096】
B部には、図16(B)に示すように、隣り合う直線部の延長線上の交点αを中心として、10°間隔で放射線状に長さ1.0ミリメートル幅0.5ミリメートルのドットが4.0ミリメートル間隔で交点αを中心に93.0ミリメートル形成された第一拡散溝と、第一拡散溝と第一拡散溝との間に長さ2.0ミリメートル幅0.5ミリメートルのドットが4.0ミリメートル間隔で交点αを中心として55.0ミリメートル形成された第二拡散溝と、が設けられている。
【0097】
次に、光源の配置位置について、図15を用いて説明する。光源は、複数の表面発光型の白色LEDを用い、図15中の長方形を用いて模式的に示す位置に配置した。図15から明らかなように、光源は導光板の各辺の側面部に配置し、導光板の各頂点付近の位置には配置しなかった。この状態で、LEDを点灯し、導光板の各部の明るさを測定した。
【0098】
(比較例2)
A部及びB部に第一拡散溝及び第二拡散溝を形成しなかったこと以外は、実施例2と同様の導光板を用い、実施例1と同様の条件で測定した。
【0099】
実施例2及び比較例2における導光板の各部の照度の比較結果を図17に示す。ここで、図17は、実施例2と比較例2との照度の比較結果を表す比較図であり、図17(A)は実施例2の結果を、図17(B)は比較例2の結果をそれぞれ示している。なお、図中の値の単位はルクスである。この結果、実施例2では、導光板の中央部付近で1390ルクスに対して、各頂点付近では、1340〜1500ルクス前後と、曲線部にはLEDが配置されていないにもかかわらず、各頂点付近で明るいという結果が得られた。この結果は、比較例2では、中央部が1380ルクスに対して、各頂点付近が900〜1000ルクスであり、各頂点付近が暗いという結果と比較すると、第一拡散溝及び第二拡散溝を形成することにより、明るくなったことを示していることは明らかである。
【0100】
以上の結果より、第一拡散溝及び第二拡散溝を形成することにより、各部が明るくなり、導光板全体における明るさのムラが減少したと言える。
【産業上の利用可能性】
【0101】
上述した実施の形態で示すように、照明分野、特に照明用の導光板及びこの導光板を用いた表示装置として利用することができる。
【符号の説明】
【0102】
10、110、210…道路標識、12…表示フィルム、14…支持柱、
20…表示装置、22…反射板、24…乳半板、28…反射シール、
30,130,230.330…導光板、30a…曲線部、30b…直線部、
31a…第一拡散領域、31b…第二拡散領域、31c…第三拡散領域、
32…拡散ドット、32a…第一拡散ドット、32b…第二拡散ドット、
32c…第三拡散ドット、50、250…光源ユニット、52…基板、
54…白色発光型LED、60…超音波加工用ホーン、62…加工ドット、
111、211…固定具、112、212…表示板、
113a、115a、213a、215a…ボルト、
113b、115b、213b、215b…防水ワッシャ、114、214…本体枠、
116、216…側面枠、117、217…緩衝部材、118、218…裏板、
120…固定部材、120a…上面、120b…下面、122…光源固定部材、
132…第一拡散溝、134…第二拡散溝、136…拡散溝。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21