特許第5775573号(P5775573)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 華為技術有限公司の特許一覧

特許5775573処理方法、ユーザ装置、移動管理装置及び処理システム
<>
  • 特許5775573-処理方法、ユーザ装置、移動管理装置及び処理システム 図000002
  • 特許5775573-処理方法、ユーザ装置、移動管理装置及び処理システム 図000003
  • 特許5775573-処理方法、ユーザ装置、移動管理装置及び処理システム 図000004
  • 特許5775573-処理方法、ユーザ装置、移動管理装置及び処理システム 図000005
  • 特許5775573-処理方法、ユーザ装置、移動管理装置及び処理システム 図000006
  • 特許5775573-処理方法、ユーザ装置、移動管理装置及び処理システム 図000007
  • 特許5775573-処理方法、ユーザ装置、移動管理装置及び処理システム 図000008
  • 特許5775573-処理方法、ユーザ装置、移動管理装置及び処理システム 図000009
  • 特許5775573-処理方法、ユーザ装置、移動管理装置及び処理システム 図000010
  • 特許5775573-処理方法、ユーザ装置、移動管理装置及び処理システム 図000011
  • 特許5775573-処理方法、ユーザ装置、移動管理装置及び処理システム 図000012
  • 特許5775573-処理方法、ユーザ装置、移動管理装置及び処理システム 図000013
  • 特許5775573-処理方法、ユーザ装置、移動管理装置及び処理システム 図000014
  • 特許5775573-処理方法、ユーザ装置、移動管理装置及び処理システム 図000015
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5775573
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】処理方法、ユーザ装置、移動管理装置及び処理システム
(51)【国際特許分類】
   H04W 36/14 20090101AFI20150820BHJP
   H04W 80/10 20090101ALI20150820BHJP
   H04W 48/18 20090101ALI20150820BHJP
【FI】
   H04W36/14
   H04W80/10
   H04W48/18 111
【請求項の数】14
【全頁数】51
(21)【出願番号】特願2013-515679(P2013-515679)
(86)(22)【出願日】2011年5月31日
(65)【公表番号】特表2013-534762(P2013-534762A)
(43)【公表日】2013年9月5日
(86)【国際出願番号】CN2011074977
(87)【国際公開番号】WO2011137851
(87)【国際公開日】20111110
【審査請求日】2012年12月21日
(31)【優先権主張番号】201010270425.6
(32)【優先日】2010年8月30日
(33)【優先権主張国】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】▲呉▼ ▲暁▼波
(72)【発明者】
【氏名】徐 小英
(72)【発明者】
【氏名】▲劉▼ 海
【審査官】 青木 健
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−233987(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04W 4/00 − 99/00
H04B 7/24 − 7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リバース単一無線音声呼継続のための処理方法であって、
回線交換ドメインネットワークからパケット交換ドメインネットワークへ音声サービスをハンドオーバする最中又はその前に、前記パケット交換ドメインネットワークにおいてユーザ装置が音声サービスのハンドオーバに必要なリソースの情報を事前に設定するステップであって、前記リソースの情報は、少なくとも、リバース音声呼継続サービスのためのセッション切替番号(STN−SR)の情報を有する、ステップと、
前記ユーザ装置が前記回線交換ドメインネットワークから前記パケット交換ドメインネットワークへ前記音声サービスをハンドオーバする際に、事前に設定されるリソースの情報を利用することで、前記ユーザ装置が、前記パケット交換ドメインネットワークの第1のネットワーク要素と前記回線交換ドメインネットワークの第2のネットワーク要素との間に転送チャネルを設定するステップであって、前記転送チャネルは、前記ユーザ装置が前記パケット交換ドメインネットワークにアクセスした後に、前記ユーザ装置及びピアユーザ装置の間で音声サービスデータを送信するように設定され、前記第1のネットワーク要素はアクセス切替ゲートウェイ(ATCF/ATGW)であり、前記第2のネットワーク要素はリバース単一無線音声呼継続サービスをサポートする移動交換局である、ステップと、
を有する処理方法。
【請求項2】
事前に設定されるリソースの情報を利用することで、前記パケット交換ドメインネットワークの第1のネットワーク要素と前記回線交換ドメインネットワークの第2のネットワーク要素との間に転送チャネルを設定する前記ステップが、
事前に設定される前記リソースの情報を利用することで、移動管理装置(MME)が、前記パケット交換ドメインネットワークの第1のネットワーク要素と前記回線交換ドメインネットワークの第2のネットワーク要素との間に前記転送チャネルを設定することを制御するステップを含む、請求項に記載の処理方法。
【請求項3】
前記リソースの情報が、前記パケット交換ドメインネットワークにおいて前記ユーザ装置が事前に登録した少なくともコンテキスト情報を含み、前記コンテキスト情報は、前記STN−SR報を含み、
前記第1のネットワーク要素がATCF/ATGWであり、前記ユーザ装置がデュアルトランスファモード(DTM)又はユニバーサル移動通信システム(UMTS)モードをサポートしていた場合、事前に設定される前記リソースの情報を利用することで、移動管理装置(MME)が、前記パケット交換ドメインネットワークの第1のネットワーク要素と前記回線交換ドメインネットワークの第2のネットワーク要素との間に前記転送チャネルを設定することを制御する前記ステップは、
サービングGPSRサポートノードから転送されたハンドオーバリクエストであって前記ユーザ装置が事前に登録した前記コンテキスト情報を含むハンドオーバリクエストを前記MMEが受信するステップと、
前記移動交換局が前記コンテキスト情報におけるSTN−SR情報に従って対応するATCF/ATGWをアドレス指定するように前記コンテキスト情報を前記移動交換局へ転送し、前記対応するATCF/ATGWと前記転送チャネルを設定するステップと
を有する、請求項に記載の処理方法。
【請求項4】
前記リソースの情報が、前記パケット交換ドメインネットワークにおいて前記ユーザ装置が事前に設定した少なくともコンテキスト情報を含み、前記コンテキスト情報は前記STN−SR情報を含み、
前記第1のネットワーク要素がATCF/ATGWであり、前記ユーザ装置がデュアルトランスファモード(DTM)もユニバーサル移動通信システム(UMTS)モードもサポートしていなかった場合、リソースについて事前に設定される前記情報を利用することで、前記MMEが、前記パケット交換ドメインネットワークの第1のネットワーク要素と前記回線交換ドメインネットワークの第2のネットワーク要素との間に前記転送チャネルを設定することを制御する前記ステップは、
前記MMEが、前記移動交換局から転送され受信したハンドオーバリクエストに従って、ホームサブスクライバサーバ(HSS)の中にある前記ユーザ装置に対応するサービングGPRSサポートノードの識別子を問い合わせるステップと、
前記MMEが、発見された前記サービングGPRSサポートノードの識別子に従って、前記ユーザ装置が事前に登録した前記コンテキスト情報を、指定されたサービングGPRSサポートノードから取得するステップと、
前記MMEが、前記コンテキスト情報内の前記STN−SR情報をハンドオーバ応答メッセージに含めるステップと、
前記移動交換局が前記コンテキスト情報内の前記STN−SR情報に従って対応するATCF/ATGWをアドレス指定しかつ対応するATCF/ATGWと共に前記転送チャネルを設定するように、前記ハンドオーバ応答メッセージを前記移動交換局に返すステップと
を有する請求項に記載の処理方法。
【請求項5】
前記リソースの情報が、前記パケット交換ドメインネットワークにおいて前記ユーザ装置が事前に設定した少なくともコンテキスト情報を含み、前記コンテキスト情報は前記STN−SR情報を含み、
前記第1のネットワーク要素がATCF/ATGWであり、前記ユーザ装置がデュアルトランスファモード(DTM)もユニバーサル移動通信システム(UMTS)モードもサポートしていなかった場合、事前に設定されるリソースの情報を利用することで、前記パケット交換ドメインネットワークの第1のネットワーク要素と前記回線交換ドメインネットワークの第2のネットワーク要素との間に転送チャネルを設定する前記ステップは、
前記移動交換局が、ハンドオーバリクエストを受信した後に、ホームサブスクライバサーバ(HSS)の中で前記ユーザ装置に対応するサービングGPRSサポートノードの識別子を問い合わせるステップと、
前記移動交換局が、発見された前記サービングGPRSサポートノードの識別子に従って、指定されたサービングGPRSサポートノードを介して前記ハンドオーバリクエストを前記MMEに転送し、前記ユーザ装置が事前に登録している前記コンテキスト情報を、指定されたサービングGPRSサポートノードから取得するステップと、
前記移動交換局が前記コンテキスト情報内の前記STN−SR情報に従って対応するATCF/ATGWをアドレス指定し、対応するATCF/ATGWと共に前記転送チャネルを設定するステップと
を有する請求項に記載の処理方法。
【請求項6】
前記パケット交換ドメインネットワークへの前記ユーザ装置のハンドオーバの後に、ネットワークがアクセス切替手順を開始し、前記ユーザ装置が、前記パケット交換ドメインネットワーク及び前記回線交換ドメインネットワークの前記第2のネットワーク要素を利用することで、前記ピアユーザ装置と共に音声データを通信するステップ
を更に有する請求項1−の何れか1項に記載の処理方法。
【請求項7】
ユーザ装置であって、
該ユーザ装置が回線交換ドメインネットワークからパケット交換ドメインネットワークへ音声サービスをハンドオーバする処理において、事前に設定されるリソースの情報を利用することで、前記パケット交換ドメインネットワークの第1のネットワーク要素と前記回線交換ドメインネットワークの第2のネットワーク要素との間に転送チャネルが設定されるように、当該ユーザ装置が回線交換ドメインネットワークからパケット交換ドメインネットワークへ音声サービスをハンドオーバする前に、前記音声サービスのハンドオーバに必要なリソースの情報を前記パケット交換ドメインネットワークにおいて事前に設定するリソース情報設定モジュールを有し、
前記リソースの情報は、少なくとも、リバース音声呼継続サービスのためのセッション切替番号(STN−SR)の情報を有し、
前記転送チャネルは、当該ユーザ装置が前記パケット交換ドメインネットワークにアクセスした後に、当該ユーザ装置及びピアユーザ装置の間で音声サービスデータを転送するように設定され
前記第1のネットワーク要素はアクセス切替ゲートウェイ(ATCF/ATGW)であり、前記第2のネットワーク要素はリバース単一無線音声呼継続サービスをサポートする移動交換局である、ユーザ装置。
【請求項8】
前記リソース情報設定モジュールが、
前記ユーザ装置が前記回線交換ドメインネットワークから前記パケット交換ドメインネットワークへ前記音声サービスをハンドオーバする前に、前記パケット交換ドメインネットワークにおいてIMS登録を実行するIMS登録部と、
前記ユーザ装置が前記回線交換ドメインネットワークから前記パケット交換ドメインネットワークへ前記音声サービスをハンドオーバする前に、前記パケット交換ドメインネットワークにおいてSIPセッションを設定するSIPセッション設定部と
を有する、請求項に記載のユーザ装置。
【請求項9】
前記SIPセッション設定部が少なくとも第1の通知サブユニットを有し、
前記第1の通知サブユニットは、SIPセッション設定処理において、リバース単一無線音声呼継続(rSRVCC)指示情報をサービスセントラル化継続性アプリケーションサーバ(SCC−AS)に送信し、前記rSRVCC指示情報は、前記SIPセッションがリバース単一無線音声呼継続サービスハンドーバで使用されることを前記SCC−ASに通知するために使用され、前記SCC−ASは、前記ピアユーザ装置に対する音声呼を開始する必要はなく、事前に設定される前記リソースの情報を解除する処理を積極的に起動する必要もない、請求項に記載のユーザ装置。
【請求項10】
前記IMS登録部が少なくとも第2の通知サブユニットを有し、
前記第2の通知サブユニットは、前記IMS登録手順において指示情報をサービングGPRSサポートノードに送信し、前記指示情報は、前記ユーザ装置が前記回線交換ドメインネットワークから前記パケット交換ドメインネットワークへ前記音声サービスのハンドオーバを開始する前に、前記サービングGPRSサポートノードは無線アクセスベアラ設定手順を開始する必要はないことを通知するために使用される、請求項に記載のユーザ装置。
【請求項11】
ユーザ装置の音声サービスを回線交換ドメインネットワークからパケット交換ドメインネットワークへハンドオーバすることを要求するのに使用されるハンドオーバリクエストを受信する受信モジュールと、
前記ユーザ装置が前記回線交換ドメインネットワークから前記パケット交換ドメインネットワークへ前記音声サービスをハンドオーバする際に、前記ユーザ装置が前記パケット交換ドメインネットワークで事前に設定した前記音声サービスのハンドオーバに必要なリソースの情報を使用しかつ前記ハンドオーバリクエストに従って、前記パケット交換ドメインネットワークの第1のネットワーク要素と前記回線交換ドメインネットワークの第2のネットワーク要素との間に転送チャネルを設定することを制御する転送チャネル設定モジュールと
を有し、前記リソースの情報は、少なくとも、リバース音声呼継続サービスのためのセッション切替番号(STN−SR)の情報を有し、
前記転送チャネルは、前記ユーザ装置が前記パケット交換ドメインネットワークにアクセスした後に、前記ユーザ装置及びピアユーザ装置の間で音声サービスデータを転送するように設定され
前記第1のネットワーク要素はアクセス切替ゲートウェイ(ATCF/ATGW)であり、前記第2のネットワーク要素はリバース単一無線音声呼継続サービスをサポートする移動交換局である、移動管理装置。
【請求項12】
前記リソースの情報が、前記パケット交換ドメインネットワークにおいて前記ユーザ装置が事前に登録した少なくともコンテキスト情報を含み、前記コンテキスト情報は、前記STN−SR報を含み、
前記第1のネットワーク要素がATCF/ATGWであり、前記ユーザ装置がデュアルトランスファモード(DTM)又はユニバーサル移動通信システム(UMTS)モードをサポートしていた場合、前記転送チャネル設定モジュールは、
サービングGPSRサポートノードから転送されたハンドオーバリクエストであって前記ユーザ装置が事前に登録した前記コンテキスト情報を含むハンドオーバリクエストを受信するリクエスト受信部と、
前記移動交換局が前記コンテキスト情報におけるSTN−SR情報に従って対応するATCF/ATGWをアドレス指定するように、前記コンテキスト情報を前記移動交換局へ転送し、前記対応するATCF/ATGWとに前記転送チャネルを設定する情報設定部と
を有する、請求項11に記載の移動管理装置。
【請求項13】
前記リソースの情報が、前記パケット交換ドメインネットワークにおいて前記ユーザ装置が事前に設定した少なくともコンテキスト情報を含み、前記コンテキスト情報は前記STN−SR情報を含み、
前記第1のネットワーク要素がATCF/ATGWであり、前記ユーザ装置がデュアルトランスファモード(DTM)もユニバーサル移動通信システム(UMTS)モードもサポートしていなかった場合において、前記転送チャネル設定モジュールは、
前記移動交換局から転送され受信したハンドオーバリクエストに従って、ホームサブスクライバサーバ(HSS)の中にある前記ユーザ装置に対応するサービングGPRSサポートノードの識別子を問い合わせる識別子問合せ部と、
発見された前記サービングGPRSサポートノードの識別子に従って、前記ユーザ装置が事前に登録した前記コンテキスト情報を、指定されサービングGPRSサポートノードから取得する情報取得部と、
前記コンテキスト情報内の前記STN−SR情報をハンドオーバ応答メッセージに含め、前記移動交換局が前記STN−SR情報に従って対応するATCF/ATGWをアドレス指定しかつ対応するATCF/ATGWと共に前記転送チャネルを設定するように、前記ハンドオーバ応答メッセージを前記移動交換局に返すリクエスト応答部と
を有する、請求項12に記載の移動管理装置。
【請求項14】
ユーザ装置、第1のネットワーク要素及び第2のネットワーク要素を含み、リバース単一無線音声呼継続処理のためのシステムであって、
前記ユーザ装置は、回線交換ドメインネットワークからパケット交換ドメインネットワークへ音声サービスをハンドオーバする前に、前記パケット交換ドメインネットワークにおいて前記音声サービスのハンドオーバに必要なリソースの情報を事前に設定するように形成され、前記リソースの情報は、少なくとも、リバース音声呼継続サービスのためのセッション切替番号(STN−SR)の情報を有し、
前記第1のネットワーク要素は前記パケット交換ドメインネットワーク内に配置され、
前記第2のネットワーク要素は前記回線交換ドメインネットワーク内に配置され、
前記ユーザ装置が前記回線交換ドメインネットワークから前記パケット交換ドメインネットワークへ前記音声サービスをハンドオーバする際に、事前に設定されるリソース情報を利用することで、前記パケット交換ドメインネットワークの第1のネットワーク要素と前記回線交換ドメインネットワークの第2のネットワーク要素との間に転送チャネルが設定され、前記転送チャネルは、前記ユーザ装置が前記パケット交換ドメインネットワークにアクセスした後に、前記ユーザ装置及びピアユーザ装置の間で音声サービスデータを転送するように設定され
前記第1のネットワーク要素がアクセス切替ゲートウェイ(ATCF/ATGW)であり、前記第2のネットワーク要素がリバース単一無線音声呼継続サービスをサポートする移動交換局である、処理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施の形態は通信の技術分野に関連し、特にリバース単一無線音声呼継続(reverse single radio voice call continuity)のための処理方法、装置及びシステムに関連する。なお、本願の関連出願については発明の詳細な説明の末尾に記載されている。
【背景技術】
【0002】
第2世代の移動通信技術(2nd Generation:2G)又は第3世代の移動通信技術(3rd Generation:3G)のネットワークは、長年の運用により非常に広いカバレッジを達成している。それと同時に、ネットワーク技術の発展により、パケット交換(Packet Switched:PS)のみを行うPSドメインのみのネットワーク(例えば、ロングタームエボリューション(Long Term Evolution:LTE)方式のネットワーク)が、ネットワーク構築の初期段階において、都市部やトラフィックの多い地域を徐々にカバーしつつある。従って、現在の通信ネットワークでは、これらのPSドメインのみのネットワークと2G/3Gネットワークが共存している。
【0003】
音声サービスは、異なる通信ネットワークでは異なる処理手段を有する。具体的には、2G/3Gネットワークにおいては、音声呼は回線交換(Circuit Switched:CS)ドメインで処理される会話型サービスをサポートする一方、PSドメインネットワークにおいては、音声呼はパケット交換(PS)ドメインで処理される会話型サービスをサポートし、それはボイスオーバインターネットプロトコル(Voice over Internet Protocol:VoIP)とも言及され、サービス品質はIPマルチメディアサブシステム(IP Multimedia Subsystem:IMS)によって保証される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
PSドメインネットワークは、CSドメインネットワークと比較すると、高速高品質の音声サービスをユーザに提供することができかつユーザの多くのデータサービス条件を満たすことができる。従って、PSドメインネットワークに多くの音声ユーザを収容するために、オペレータは、通常、PSドメインの優先度をCSドメインの優先度よりも高く設定し、音声ユーザがPSドメインネットワークに在圏しやすくなるようにする。CSドメインネットワークとPSドメインネットワークが共存する状況において、ユーザ装置(User Equipment:UE)が2G又は3GネットワークのCSドメインで音声呼を開始し、PSドメインネットワークによってもカバーされている地域へ移動すると、音声サービスの高品質化の要請に基づいて又は高い優先度に制約されることを考慮することにより、UEはCSドメインからLTE/HSPAネットワークのPSドメインへ音声呼をハンドオーバする必要が生じ、すなわちリバース単一無線音声呼継続(Single Radio Voice Call Continuity:SRVCC)のための処理手順を実行する必要が生じる。ハンドオーバ手順では、音声呼に関し、ハンドオーバに起因する音声中断遅延は300msを超えてはならない。そうでなければユーザの体感品質が劣化してしまう。
【0005】
既存のリバースSRVCCの手順は、概して、以下の2つの方法を用いることで実現されている。第1の方法は、リバースSRVCCの手順を実行する場合に、先ずUEは音声サービスの2G/3GのCSドメインネットワークから出て、その後にLTEネットワークアクセスし、アクセス切替処理手順を開始する。この方法におけるネットワークアクセス手順により、UEは音声サービスをLTEネットワークに速やかに接続でき、長時間の音声遮断遅延を回避し、ユーザが感じる音声の継続性に影響しないようにできる。しかしながらこのアクセス切替手順の場合、持続時間(duration)は様々なアプリケーションの状況に応じて異なり、必要な最短の持続時間は、音声ハンドオーバの際に、最低限300msの中断時間よりも非常に長く、リバースSRVCCハンドオーバの最中に音声の継続性に深刻な影響を与え、貧弱なサービス品質を招いてしまう。
【0006】
第2のリバースSRVCC処理方法は、リバースSRVCC処理を実行する場合に、先ずUEは2G/3Gネットワークにおいて音声サービスのベアラをCSドメインからPSドメインにハンドオーバし(遷移させ)、その後にLTEネットワークへの接続を実行し、LTEネットワークのPSドメインへの音声サービスのハンドオーバを完了させる。この方法の場合、LTEのPSドメインネットワーク及び2G/3GのCSドメインネットワークの間におけるUEの音声サービスのサービス継続性は、2G/3GネットワークのPSドメイン音声サービスの転送を用いることで保証できるが、2G/3GのPSドメインネットワークによりサポートされているPSドメイン音声サービスは、低いサービス品質をUEに提供することしかできず、従ってユーザは長時間高品質で音声サービスを受けることができない。
【0007】
開示される発明の課題は、改善された音声サービス提供方法及び装置等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
開示される発明による処理方法は、
リバース単一無線音声呼継続処理のための方法であって、
回線交換ドメインネットワークからパケット交換ドメインネットワークへ音声サービスをハンドオーバする最中又はその前に、前記パケット交換ドメインネットワークにおいてユーザ装置が音声サービスのハンドオーバに必要なリソースの情報を設定するステップと、
前記ユーザ装置が前記回線交換ドメインネットワークから前記パケット交換ドメインネットワークへ前記音声サービスをハンドオーバする際に、前記ユーザ装置が、前記パケット交換ドメインネットワークの第1のネットワーク要素と前記回線交換ドメインネットワークの第2のネットワーク要素との間に転送チャネルを設定するステップと
を有し、前記転送チャネルは、前記ユーザ装置が前記パケット交換ドメインネットワークにアクセスした後に、前記ユーザ装置及びピアユーザ装置の間で音声サービスデータを送信するように設定される、処理方法である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】リバース単一無線音声呼継続処理を行う本発明の第1の実施の形態による方法のフローチャート。
図2】リバース単一無線音声呼継続処理を行う本発明の第2の実施の形態による方法のフローチャート。
図3】リバース単一無線音声呼継続処理を行う方法において、リバースSRVCCハンドオーバを開始する前に、ユーザ装置がIMS登録を実行しPSドメインでSIPセッションを設定する本発明の実施の形態による手順のシグナリングを示す図。
図4】リバース単一無線音声呼継続処理を行う本発明の第3の実施の形態による方法のフローチャート。
図5】リバース単一無線音声呼継続処理を行う方法における本発明の実施の形態によるアクセス切替手順のシグナリングを示す図。
図6】リバース単一無線音声呼継続処理を行う本発明の第4の実施の形態による方法のフローチャート。
図7】リバース単一無線音声呼継続処理を行う本発明の第5の実施の形態による方法のフローチャート。
図8】リバース単一無線音声呼継続処理を行う方法において、リバースSRVCCハンドオーバを開始する前に、ユーザ装置がIMS登録を実行しPSドメインでSIPセッションを設定する本発明の実施の形態による手順のシグナリングを示す図。
図9】リバース単一無線音声呼継続処理を行う本発明の第6の実施の形態による方法のフローチャート。
図10】本発明の第1の実施の形態によるユーザ装置の概略的な構造を示す図。
図11】本発明の第2の実施の形態によるユーザ装置の概略的な構造を示す図。
図12】本発明の第1の実施の形態による移動管理装置の概略的な構造を示す図。
図13】本発明の第2の実施の形態による移動管理装置の概略的な構造を示す図。
図14】本発明の実施の形態によるリバース単一無線音声呼継続処理を行うシステムの概略的な構造を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<概要>
本発明の実施の形態は、リバース単一音声呼継続処理方法、装置及びシステムを提供することで、既存のリバースSRVCC方式における音声ハンドオーバの際に長い中断時間に起因して、優れた音声の継続性を保証できないという問題点又は音声ハンドオーバ手順におけるサービス品質が低いという問題点を解決する。
【0011】
上記の課題に対処するため、本発明の実施の形態は、リバース単一無線音声呼の継続性を促す処理方法を提供し、当該処理方法は、
回線交換ドメインネットワークからパケット交換ドメインネットワークへ音声サービスをハンドオーバする前に、前記パケット交換ドメインネットワークにおいてユーザ装置が音声サービスのハンドオーバに必要なリソースの情報を設定するステップと、
前記回線交換ドメインネットワークから前記パケット交換ドメインネットワークへ前記音声サービスをハンドオーバする際に、前記ユーザ装置が、前記パケット交換ドメインネットワークの第1のネットワーク要素と前記回線交換ドメインネットワークの第2のネットワーク要素との間に転送チャネルを設定するステップと
を有し、前記転送チャネルは、前記ユーザ装置が前記パケット交換ドメインネットワークにアクセスした後に、前記ユーザ装置及びピアユーザ装置の間で音声サービスデータを送信するように設定される、処理方法である。
【0012】
上記の課題に対処するため、本発明の実施の形態により提供されるユーザ装置は、
当該ユーザ装置が回線交換ドメインネットワークからパケット交換ドメインネットワークへ音声サービスをハンドオーバする前に、当該ユーザ装置が前記回線交換ドメインネットワークから前記パケット交換ドメインネットワークへ前記音声サービスをハンドオーバする際に、前記パケット交換ドメインネットワークの第1のネットワーク要素と前記回線交換ドメインネットワークの第2のネットワーク要素との間に転送チャネルが設定されるように、前記音声サービスのハンドオーバに必要なリソースの情報を前記パケット交換ドメインネットワークにおいて設定するリソース情報設定モジュールを有し、
前記転送チャネルは、前記ユーザ装置が前記パケット交換ドメインネットワークにアクセスした後に、前記ユーザ装置及びピアユーザ装置の間で音声サービスデータを転送するように設定される、ユーザ装置である。
【0013】
上記の課題に対処するため、本発明の実施の形態により提供される移動管理装置(Mobility Management Entity:MME)は、
ユーザ装置の音声サービスを回線交換ドメインネットワークからパケット交換ドメインネットワークへハンドオーバすることを要求するのに使用されるハンドオーバリクエストを受信する受信モジュールと、
前記ユーザ装置が前記回線交換ドメインネットワークから前記パケット交換ドメインネットワークへ前記音声サービスをハンドオーバする際に、前記ユーザ装置が前記パケット交換ドメインネットワークで設定した前記音声サービスのハンドオーバに必要なリソースの情報を使用しかつ前記ハンドオーバリクエストに従って、前記パケット交換ドメインネットワークの第1のネットワーク要素と前記回線交換ドメインネットワークの第2のネットワーク要素との間で転送チャネルを設定することを制御する転送チャネル設定モジュールと
を有し、前記転送チャネルは、前記ユーザ装置が前記パケット交換ドメインネットワークにアクセスした後に、前記ユーザ装置及びピアユーザ装置の間で音声サービスデータを転送するように設定される、移動管理装置である。
上記の課題に対処するため、本発明の実施の形態により提供される処理システムは、ユーザ装置、第1のネットワーク要素及び第2のネットワーク要素を含み、リバース単一無線音声呼の継続性を確保し、当該処理システムにおいて、
前記ユーザ装置は、回線交換ドメインネットワークからパケット交換ドメインネットワークへ音声サービスをハンドオーバする前に、前記パケット交換ドメインネットワークにおいて前記音声サービスのハンドオーバに必要なリソースの情報を設定し、
前記第1のネットワーク要素は前記パケット交換ドメインネットワーク内に配置され、前記第2のネットワーク要素は前記回線交換ドメインネットワーク内に配置され、前記ユーザ装置が前記回線交換ドメインネットワークから前記パケット交換ドメインネットワークへ前記音声サービスをハンドオーバする際に、リソースについての予め設定された情報を利用して、前記パケット交換ドメインネットワークの第1のネットワーク要素と前記回線交換ドメインネットワークの第2のネットワーク要素との間に転送チャネルが設定され、前記転送チャネルは、前記ユーザ装置が前記パケット交換ドメインネットワークにアクセスした後に、前記ユーザ装置及びピアユーザ装置の間で音声サービスデータを転送するように設定される、処理システムである。
【0014】
本発明の実施の形態によりリバース単一無線音声呼継続処理を行う方法、装置及びシステムによれば、UEがCSドメインネットワークからPSドメインネットワークへ音声サービスをハンドオーバする前に、UEはPSドメインネットワークにおいて音声ハンドオーバに必要なリソースの情報を事前に設定する。UEがCSドメインネットワークからPSドメインネットワークに音声サービスをハンドオーバする際に、確保されたベアラについての情報(PSドメインネットワークにおいてUEにより事前に設定されている情報)を用いることで、CSドメインネットワーク及びPSドメインネットワークの間に音声データの転送チャネルが設定される。こうして、CSドメインネットワークからPSドメインネットワークへUEが音声サービスのハンドオーバを実際に開始した後に、PSドメインネットワークに速やかにアクセスし、UEは、アクセス切替手順が完了する前に長時間待機する必要なしに、設定された転送チャネルを通じてピアユーザ装置に音声データを速やかに送信できる。これは、リバースSVRCC手順における音声サービスの継続性について優れたパフォーマンスを保証する。更に、転送チャネルは、UEがPSドメインネットワークへのアクセスを完了したことに基づいて設定される。従って、転送チャネルに基づいて実行される音声サービスは優れた品質の音声サービスを提供できる。
【0015】
<実施の形態の詳細な説明>
本発明の課題、解決手段及び利点の理解を更に促すため、本発明の実施の形態に関する添付図面を参照しながら、本発明の実施の形態による解決手段が明確かつ充分に説明される。明らかに、以下の説明における実施の形態は本発明の実施の形態の全てではなくその一部に過ぎない。創作的能力を発揮することなく本発明の実施の形態に基づいて当業者が行う他の全ての実施の形態は、本発明の保護範囲内に属する。
【0016】
図1は、リバース単一無線音声呼継続処理を行う本発明の第1の実施の形態による方法のフローチャートを示す。図1に示されているように、本方法は以下のステップを有する。
【0017】
ステップ100:CSドメインネットワークからPSドメインネットワークへ音声サービスをハンドオーバする前に、PSドメインネットワークにおいてUEが音声サービスのハンドオーバに必要なリソースの情報を設定する。
【0018】
この実施の形態におけるリバースSRVCC処理方法の場合、CSドメインネットワークからPSドメインネットワークへの音声サービスハンドオーバを開始する前に、PSドメインネットワークにおいて、音声サービスのベアラをPSドメインネットワークへハンドオーバするためのリソースの情報を事前に設定することで、リバースSRVCCハンドオーバ手順が実際に開始された後に、PSドメインネットワークのコアネットワーク要素が、事前に割り当てられたベアラリソースを使用することでUE及びピアユーザ装置の間に新たな音声ベアラチャネルを速やかに設定できるようにし、UEは、音声サービスハンドオーバを開始する前に、PSドメインネットワークのコアネットワーク要素のユーザメディアレイヤに関するコンフィギュレーションを、PSドメインネットワークにおいて事前に設定完了できるようにする。こうして、音声データパケットを送信するための所定のリソースに関する情報が、PSドメインネットワークにおいて予め設定される。
【0019】
具体的には、UEが音声サービスのリバースSRVCCハンドオーバを開始する前に、準備手順が行われる。UEは、PSドメインネットワーク(例えば、LTEネットワーク)においてユーザメディアレイヤに関する設定又はコンフィギュレーションを事前に完了することで、PSドメインネットワークのコアネットワーク要素は、PSドメインネットワークにおいて、そのUEに関し、VOIP音声サービスの信号を運ぶのに必要なリソースの情報(例えば、PSドメインネットワークで音声サービスの信号を運ぶ際にUEに必要なIPアドレス、番号及びコーデック方式)を事前に指定できるようにする。こうして、UEが音声サービスのアクセス切替を実際に開始する場合に、制御ネットワーク要素は、リソースについて事前に設定された情報を用いることでUE及びピアユーザ装置の間で新たな音声ベアラチャネルを速やかに設定し、ハンドオーバ手順におけるUEの音声サービスの継続性を保証できるようにする。
【0020】
ステップ101:CSドメインネットワークからPSドメインネットワークへ音声サービスをハンドオーバすることをUEが開始する際に、リソースについて事前に設定された情報を用いることで、PSドメインネットワークの第1のネットワーク要素とCSドメインネットワークの第2のネットワーク要素との間に転送チャネルを設定する。転送チャネルは、UEがPSドメインネットワークにアクセスした後に、UEの音声サービスデータを転送する。
【0021】
UEがCSドメインからPSドメインへの音声サービスのハンドオーバを開始する場合に、UEがリバースSRVCCハンドオーバを実行する前に、PSドメインネットワークは、そのUEについて、PSドメインネットワークにおいてUEに関連するサービスを行うためのリソースの情報を事前に指定し、これにより、ハンドオーバ手順において、PSドメインネットワークは、リソースについて事前に設定された情報を用いることで、UE及びピアユーザ装置の間で音声データを送受信するための新たなデータ転送チャネルを速やかに設定できる。
【0022】
具体的には、リバースSRVCCハンドオーバ手順におけるアクセス切替に必要な、音声ハンドオーバサービスの中断時間に関する長時間待機する影響を排除し、UE及びピアユーザ装置の間で音声データの転送チャネルを速やかに設定するために、本実施の形態では、UEがリバースSRVCCサービスハンドオーバ手順を開始した後に、UEにより実行される事前の登録手順において、PSドメインネットワークがそのUEについて予め設定及び予約したリソースの情報を利用することで、PSドメインネットワークの第1のネットワーク要素とCSドメインネットワークの第2のネットワーク要素との間に転送チャネルが設定される。UEがPSドメインネットワークにアクセスした後、具体的にはPSドメインネットワークのエボルブドノードB(Evolved NodeB:eNB)にアクセスしかつUEがアクセス切替手順を実行する前に、転送チャネルはUE及びピアUEの間でやり取りされる音声データを転送する(これは、UE及びピアUEに関して新たな経路又はパスを設定し、音声セッションを実行することと等価である)。
【0023】
PSドメインネットワークは、UEに関し、PSドメインにおいてそのUEのサービスの信号を運ぶためのリソースの情報を事前に設定する。リソースに関する事前に設定された情報に基づいて、第1のネットワーク要素及び第2のネットワーク要素間の転送チャネルは、UEにより実行されるリバースSRVCCハンドオーバ手順におえるアクセス切替手順の完了に依存することなく、速やかに設定可能である。それと同時に、UEに関し、リバースSRVCCにおいて、UEはPSドメインのeNBにアクセスためのPSドメインネットワークにおけるアクセス処理を速やかに完了することができる。従って、本実施の形態では、UEが音声サービスのリバースSRVCCハンドオーバを開始した後に、UEのPSドメインネットワークへのアクセスが成功すれば、UEは、アクセス切替手順が完了するまで長時間待機する必要なしに、転送チャネルを通じてピアUEと音声データの送受信を速やかに実行できる。このように、MMEはPSドメインネットワーク環境においてUEの音声サービスをPSドメインネットワークのVoIPベアラに短時間で速やかにハンドオーバし、UEがピアユーザ装置と音声通信を速やかに実行できるようにする。このように、本実施の形態によるリバースSRVCC音声ハンドオーバの最中に生じる中断による遅延は、たとえアクセス切替の完了に長時間を要したとしても影響を受けず、これにより、ハンドオーバ手順における音声サービスの優れた音声継続性を保証できる。
【0024】
更に、UEがPSドメインネットワークへのアクセスを完了したことに基づいて、新たな転送チャネルが設定される。従って、転送チャネルに基づくUEの音声サービスは、PSドメインネットワークのVoIP音声サービスクラスに属する。この場合、従来の2G/3GネットワークのPSドメイン音声サービスの切替方法と比較すると、転送チャネルは、UEの音声サービスがハンドオーバ手順において優れたサービス品質を達成することを保証できる。
【0025】
本実施の形態によるリバース単一無線音声呼継続処理方法によれば、CSドメインネットワークからPSドメインネットワークへUEが音声サービスをハンドオーバする前に、UEは、PSドメインネットワークにおいて、音声サービスハンドオーバを完了するのに必要なベアラリソースについての情報を事前に設定する。CSドメインネットワークからPSドメインネットワークへUEが音声サービスをハンドオーバする手順において、予約されたベアラに関する情報を利用することで、CSドメインネットワーク及びPSドメインネットワークの間に音声データの転送チャネルが設定され、そのUEに関して情報がPSドメインネットワークにより事前に設定される。このように、CSドメインネットワークからPSドメインネットワークへUEが音声サービスのハンドオーバを開始しかつPSドメインネットワークに速やかにアクセスし後に、UEは、アクセス切替手順の完了まで長時間待機する必要なしに、設定されている転送チャネルを通じてピアユーザ装置と音声データを速やかに通信することができる。これは、リバースSRVCCハンドオーバ手順において音声サービスの継続性に関する優れたパフォーマンスを保証する。更に、UEがPSドメインネットワークへのアクセスを完了したことに基づいて、転送チャネルが設定される。従って、転送チャネルに基づいて実行される音声サービスは、優れた品質の音声サービスとなる。
【0026】
図2は、リバース単一無線音声呼継続処理を行う本発明の第2の実施の形態による方法のフローチャートを示す。図2に示されているように、本方法は以下のステップを有する。
【0027】
ステップ200:CSドメインネットワークからPSドメインネットワークへ音声サービスをハンドオーバする前に、UEがIMS登録を実行しPSドメインネットワークにおけるセッションイニシエーションプロトコル(Session Initiation Protocol:SIP)セッションを設定し、PSドメインネットワークにおけるリソースについての情報を事前に設定する。
【0028】
本実施の形態において、CSドメインネットワークからPSドメインネットワークへの音声サービスのハンドオーバの前に、PSドメインネットワークにおけるリソースについての情報をUEが事前に設定することは、具体的には、UEがIMS登録を実行しかつPSドメインネットワークにおいてSIPセッションを設定する手順を利用することで実行されてもよい。具体的には、リソースの情報を事前に設定する手順は以下のステップを含んでもよい。
【0029】
ステップ2000:UEが、PSドメインネットワークのサービングGPRSサポートノード(Serving GPRS Support Node:SGSN)に関するプライマリ(primary)パケットデータプロトコル(Packet Data Protocol:PDP)アクティベーション手順及びアタッチ手順を開始する。
【0030】
CSドメインネットワークからPSドメインネットワークへ音声サービスをハンドオーバする前に、UEは、そのプロトコルで規定されている登録手順に従ってPSドメインネットワークにおける登録を事前に完了していても良い。具体的には、UEは、プロトコルに規定されている手順に従って、PSドメインネットワークのSGSN装置に関し、アタッチ(Attach)手順及びプライマリPDPアクティベーション手順を順番に開始及び完了する。アタッチ手順及びプライマリPDPアクティベーション手順を利用することで、UEは、SGSNと共に、PSドメインネットワークでUEが音声呼を開始するのに必要な情報(例えば、PSドメインネットワークにおけるUEの音声コーデック(CodeC)情報、SRVCCのセッション切替番号の情報(Session Transfer Number for Single Radio Voice Call Continuity:STN-SR))をネゴシエーション又は交渉により決定し、PSドメインネットワークがそのUEに必要なリソースを割り当てることができるようにする。具体的には、CodeC情報に関し、UEが開始したアタッチ手順において、UEは、SGSNに送信したアタッチリクエストにおいて、PSドメインネットワークでデフォルトでサポート又は設定されているCodeC情報を含める。CodeC情報に基づいて、SGSNはPSドメインにおけるUEの対応するコーデックタイプを学習する。
【0031】
或いは、プライマリPDPアクティベーション手順の後に、UEはSGSNに対するセカンダリPDPアクティベーション手順を更に開始してもよく、セカンダリPDPアクティベーション手順はプライマリPDPアクティベーション手順を補助する。セカンダリPDPアクティベーション手順において、UEは、SGSNに対して、現在のPSドメインネットワーク登録におけるUEのサービスのクラスを指定し、例えば、現在の登録手順が音声サービスに具体的に使用されることを指定する。
【0032】
ステップ2001:UEが、PSドメインネットワークのサービスセントラル化継続アプリケーションサーバー(Service Centralization and Continuity Application Server:SCC-AS)に対するSIPセッションセットアップ手順を開始する。
【0033】
UEがSGSNに関するPSドメイン登録を完了すると、UEは、SCC-ASに対してSIPセッションセットアップリクエストを開始し、SCC-ASと共にSIPセッションのセットアップを開始することで、PSドメインネットワークで予約されたSIPセッションコネクションを事前に設定する。具体的には、SIPセッションセットアップリクエストをUEが開始することは、ピアUEとのSIPセッションを実際に設定することを意図していない。実際、UEがCSドメインネットワークからPSドメインネットワークへの音声サービスのハンドオーバを開始する前では、事前に設定されたSIPセッションコネクションは、実際には機能せず、PSドメインネットワークのコアネットワークでUEに対応するリソースを割り当てるためにしか使用されず、如何なるデータも送信しない。SIPセッションセットアップ手順においてでさえ、SCC-ASはピアUEに対する実際の呼を発呼する必要はない。しかしながら、UEが音声サービスのリバースSRVCCハンドオーバ手順を開始すると、リバースSRVCCハンドオーバ手順において、UEは、事前に割り当てられたリソースに基づいて音声サービスをPSドメインのVoIP音声に速やかにハンドオーバし、音声サービスに関する以後のアクセス切替手順を実行する。このように、SIPセッションは、以後のアクセス切替手順で一時的に開始される必要はなく、これにより以後のアクセス切替手順を促進することになる。
【0034】
具体的には、UEは、SCC-ASに送信されるSIPセッションセットアップリクエストによりリバースSRVCC指示情報(reverse SRVCC indication information)を送信し、リバースSRVCC指示情報は、現在設定されているSIPセッションが以後のリバースSRVCCハンドオーバ手順に使用されることをSCC-ASに通知するために使用され、これにより、SIPssションセットアップリクエストに従ってUEに関してSIPセッションを設定する場合に、SCC-ASがピアUEに対する実際の呼を発呼する必要がないことを表す。更に、この実施の形態において、UEがリバースSRVCCハンドオーバを実行する前に、PSドメインネットワークでUEに関して事前に設定されているSIPセッション及びUEにより事前に設定されているリソースの情報の双方は、音声データを実際に送信するのには使用されない。任意の音声ベアラの経路に関し、プロトコルレイヤで規定されているような長時間の間如何なるデータも送信されなかった場合、対応するコアネットワーク要素はそのベアラに属するリソースの情報を解放又は解除する。従って、本実施の形態において、そのような状況を回避するには、確保されているSIPセッションコネクションにおいて長時間の間如何なるデータも送信されなかった場合でさえ、SCC-ASはUEのリソースに関する情報を解放又は解除する手順を積極的に行う必要はないことを示すために、SCC-ASに送信されたSIPセッションセットアップリクエストにUEが含めたリバースSRVCC指示情報が使用されてもよい。
【0035】
実際の応用例では、SCC-ASに送信されるSIPセッションセットアップリクエストにリバースSRVCC指示情報をUEが含めて送信することは、具体的には、以下の2つの手順により実行されてもよい:UEが、指示情報の一部(例えば、rSRVCC指示情報)をSIPセッションセットアップリクエストに別個に含め、rSRVCC指示情報は、設定されるSIPセッションが以後のリバースSRVCCハンドオーバで実際に使用されることをSCC-ASに通知する;或いはUEがSCC-ASに送信されるSIPセッションセットアップリクエストに特定の被呼番号(special called number)を含め、特定の被呼番号はリバースSRVCCハンドオーバに関する特定の番号であってもよい。同様な被呼番号を搬送するSIPセッションセットアップリクエストを受信すると、SCC-ASは、そのSIPセッションがリバースSRVCCハンドオーバで使用されていることを把握し、従って、ピアUEへの音声呼を実際に開始するのではなく、SIPセッションセットアップ手順において、必要なベアラリソースについての情報の割当を交渉するだけでもよい。
【0036】
更に、代替的に、UEがIMS登録を実行しかつPSドメインネットワークのSIPセッションコネクションを設定する手順において、UEは、SCC-ASにリバースSRVCC指示情報を送信することに加えて、別の指示情報をSGSNに送信してもよい。SIPセッションがUEについてPSドメインネットワークで設定された後に、SGSNが無線アクセスベアラ(Radio Access Bearer:RAB)の設定手順を開始する必要はないことを、指示情報は示す。リバースSRVCCハンドオーバの前は、UEについてSIPセッションコネクションを設定する実際の機能により、以後のリバースSRVCCハンドオーバ手順を準備しているので、UEは、SGSNがRAB設定手順を開始する必要はないことを示す指示情報を送信する。リバースSRVCCハンドオーバ手順が実行される前、SIPセッションコネクションはUEの如何なる音声データも送信しない。従って、SGSNは実際のRABせっていて順を開始する必要はなく、これによりリソースの浪費を回避できる。
【0037】
具体的には、UEは、以下の方法により指示情報をSGSNに送信してもよい。SGSNがGn/Gpモードをサポート又は使用している場合、UEは対応する識別ビットを設定し、例えば最大ビットレート(Maximum Bite Rate:MBR)のフィールドを0に設定し、ステップ2000においてプライマリPDPアクティベーション手順でプライマリPDPアクティベーションリクエストをSGSNに送信する場合、RAB設定手順が開始される必要はないことをSGSNに通知する。更に、UEは、SGSNに送信されるプライマリPDPアクティベーションリクエストに指示情報を含めて搬送し、VoIP音声ベアラがリバースSRVCCハンドオーバのために予約されることをSGSNに通知し、これによりSGSNがRAB設定手順を開始する必要はないことを表してもよい。更に、UEは何らかの特殊な指標又はインジケータを追加してもよい。SGSNが、UEから送信されたプライマリPDPアクティベーションリクエストを受信した後、ネットワークがPSドメイン音声サービスを処理する能力を有していなかった場合(サポートしていなかった場合)、SGSNはRAB設定手順を起動しない。SGSNがS4モードを使用又はサポートしている場合において、プライマリPDPアクティベーションリクエストをSGSNに送信した場合、UEは、リクエストに含まれているサービス品質(Quality of Service:QoS)のパラメータの中でトラフィッククラスパラメータを会話クラスに設定し、RAB設定手順が起動される必要はないことをSGSNに通知してもよい。
【0038】
更に、SGSNにアタッチする手順の最中に、或いはその手順においてUE及びSCC-ASによりSIPセッションを設定するシグナリングインタラクション手順において、PSドメインネットワークでUEが使用しているCodeC情報をUEが報告しなかった場合、UEは、SCC-ASと共に、PSドメインネットワークにおけるUEのCodeC情報を交渉又はネゴシエーションにより決定してもよい。ネゴシエーションが成功した場合、SCC-ASは、交渉で決まったCodeC情報をSIPレスポンスメッセージに含め、そのSIPレスポンスメッセージをUEに返す。更に、例えば、PSドメインネットワークのUEに送信するサービスの宛先IPアドレス等を識別する情報は、シグナリングインタラクション手順においてUE及びSCC-ASによる交渉により決定され、交渉で決定されたIPアドレス情報は、SCC-ASによりSIPレスポンスメッセージに含められ、CodeC情報と共にUEに返される。ステップ200においてPSドメインネットワークでUEが実行する登録手順を利用することで、PSドメインネットワークは、UEがPSドメインネットワークで音声データを送信するために予約されるUEのリソースについての情報を事前に割り振る。具体的には、予約されるリソースの情報は、PSドメインのUEのCodeC情報、IPアドレス又はSTN-SR数等のような情報を含む。更に、予約される情報についての情報は、PSドメインネットワークの第1のネットワーク要素が、リバースSRVCCハンドオーバ用にUEに割り当てられる少なくとも第1の情報を含むべきであり、第1のネットワーク要素は、例えば、アクセス切替ゲートウェイ(Access Transfer Gateway:ATGW)又はパケットデータネットワークゲートウェイ(Packet Data Network Gateway:PGW)である。
【0039】
第1の情報は、具体的には、UEのために第1のネットワーク要素が割り当てたポート及び/又はIPアドレス等のような情報を含んでいてもよい。ネットワーク内の他のネットワーク要素は、第1の情報に基づいて第1のネットワーク要素を識別することができ、これにより第1のネットワーク要素との間のデータ転送チャネルを設定できる。第1のネットワーク要素が事前に割り当てたポートに関する情報は、具体的には、第1のネットワーク要素において、リバースSRVCCハンドオーバのために事前に予約されているポートについての情報でもよく、すなわち第1のネットワーク要素はリバースSRVCCハンドオーバ手順のための特定のポートを事前に指定していてもよいことに留意を要する。従って、第1のネットワーク要素がUEに第1の情報を割り当てる場合、第1のネットワーク要素はUEのためのポートを一時的に又は時間変化させながら割り当てる必要はなく、むしろ事前に指定されたポートの情報をUEに割り当ててもよい。更に、実際の応用例では、ATGWがアクセス切替制御機能部(Access Transfer Control Function:ATCF)と一緒に備わっているのが一般的であることに留意を要する。従って、この実施の形態において、第1のネットワーク要素が以後ATGWと言及される場合、第1のネットワーク要素はむしろATCF/ATGWのように言及されてもよく、これは、他のネットワーク要素からATGWに送信される全てのシグナリングメッセージは、ATCFによりATGWに転送されてもよいことを示す。
【0040】
具体的には、第1のネットワーク要素がPGWであった場合、ステップ2000でSGSNに対して開始されるプライマリPDPアクティベーション手順において、UEは、PGWから第1の情報を取得すべきことをSGSNに命令又は指示し;或いは、SGSNに対してプライマリPDPアクティベーション手順を開始した後に、UEがセカンダリPDPアクティベーションリクエストをSGSNに送信する場合、UEは、PGWから第1の情報を取得すべきことをSGSNに命令又は指示する。第1のネットワーク要素がATCF/ATGWであった場合、UEは、PSドメインにおけるIMS登録手順の最中にATCF装置に対するIMS登録を固持し(anchor)、SCC-ASとのSIPセッションを設定する手順の最中にATGWに対するSIPセッションのユーザプレーンを固持し、ATCF/ATGWが、PSドメインネットワークにおける対応するベアラリソースに関する情報をUEのために割り当て、すなわち第1の情報を割り振る。
【0041】
この実施の形態の場合、UEがPSドメインにおけるIMS登録を完了し、SCC-ASに対するSIPセッションセットアップを開始し、UEにより実行されるリバースSRVCCハンドオーバに起因するハンドオーバ遅延を更に低減した後或いはこれを基に、UEは、UEのVoIP音声サービスを搬送するためにSCC-ASと共に予約されたVoIP音声ベアラを、PSドメインネットワークで事前に設定してもよいことに、留意を要する。すなわち、ベアラ情報は、PSドメインネットワークのコアネットワーク要素において、VoIPサービス用にUEに割り当てられる。事前に設定された予約されたVoIP音声ベアラは、以後のリバースSRVCCハンドオーバ手順にも使用され、ハンドオーバの前は停止状態(suspended state)にある。停止状態のVoIP音声ベアラを事前に設定することで、UEがリバースSRVCCハンドオーバ手順を実際に開始する場合、UEはVoIPベアラを一時的又は時間と共に変化するように設定する必要はなく、これによりPSドメインネットワークへの音声サービスハンドオーバを促すことができる。
【0042】
更に、SIPセッションコネクションがUE及びSCC-ASの間で設定された後であってリバースSRVCCハンドオーバ手順の前に、予約されたVoIP音声ベアラがUEのために設定され、更に、本実施の形態の場合において、PSドメインのベアラネットワークの第1のネットワーク要素がATCF/ATGWであった場合、UEがリバースSRVCCハンドオーバリクエストを開始した後にPSドメインネットワークのコアネットワーク要素により、リバースSRVCCハンドオーバ手順において、VoIP音声ベアラ設定手順が起動されてもよいことに留意を要する。具体的には、UEがリバースSRVCCハンドオーバ手順を開始した直後に、SGSN、移動切替センタ又は交換局(Mobile Switching Center:MSC)、ATCF又はPSドメインネットワーク内の他のネットワーク要素により、VoIP音声ベアラ設定手順が起動されてもよい。リバースSRVCCハンドオーバ手順の前に予約されたVoIP音声ベアラが設定される方法と比較すると、本方法の場合、VoIP音声ベラがリバースSRVCCハンドオーバ手順において設定されているが、リバースSRVCCハンドオーバの前に関連するリソースがPSドメインネットワークで予約される必要がある状況が回避され、これによりPSドメインにおけるリソースの浪費を回避できる。
【0043】
更に、音声サービスに関し、UEは2つのタイプに分類されてもよいことに留意を要する:1つのタイプは、デュアルトランスファモード(Dual Transfer Mode:DTM)又はユニバーサル移動通信システム(Universal Mobile Telecommunications System:UMTS)モードをサポートするタイプであり、もう1つのタイプは、DTMモードもUMTSモードもサポートしていないタイプである。UEがDTMモード又はUMTSモードをサポートしていた場合(使用可能であった場合)、UEの音声サービス及びデータサービスは、CSドメイン及びPSドメインにそれぞれ同時に存在してもよい。従って、UEがリバースSRVCCハンドオーバを実行する場合、UEは、ピアUEとのCSドメインの音声セッションを設定した後で、PSドメインネットワークのIMS登録を実行してもよい。新たなIMS登録手順は、元々のCSドメインネットワークにおけるUEの音声サービスに影響しない。UEがDTMモードもUMTSモードもサポートしていなかった場合、UEの音声サービス及びデータサービスはCSドメイン及びPSドメインに同時には存在できない。従ってUEがリバースSRVCCハンドオーバを実行する前に、UEがPSドメインネットワークで実行するIMS登録及びSIPセッション設定は、UEがCSドメインネットワークでCSドメインの音声セッションを設定する前に完了している必要がある。すなわち、必要なリソースは先ずPSドメインネットワークでUEに割り当てられ、その後にUEがCSドメインネットワークで音声サービスを行うためCSドメインネットワークで通常の音声セッションを設定し、これにより、IMS登録及びSIPセッションの設定が元々のCSドメインネットワークでの音声サービスに影響してしまう状況を回避できる。
【0044】
ステップ201:UEが、CSドメインネットワークからPSドメインネットワークへの音声サービスハンドオーバを開始する。
【0045】
ステップ202:リソースについて事前に設定された情報を利用することで、PSドメインの第1のネットワーク要素及びCSドメインの第2のネットワーク要素の間に転送チャネルを設定する。
【0046】
ステップ203:UEがPSドメインネットワークにアクセスする。
【0047】
UEが、PSドメインネットワークでIMS登録手順及びSIPセッション設定手順を完了し、CSドメインネットワークからPSドメインネットワークへUEが音声サービスを実際にハンドオーバする手順において、UEのハンドオーバの前に、音声データを搬送及び送信するのに必要なリソースの情報をPSドメインネットワークが事前に設定できるようにし、PSドメインの第1のネットワーク要素及びCSドメインの第2のネットワーク要素は、UEがアクセス切替を実行しない又はアクセス切替手順が完了していないことを前提として、PSドメインネットワークがUEに事前に割り当てたリソースの情報及び事前に設定されたSIPセッションを利用することで、ドメイン間の転送チャネルを適切に設定する。この方法において、PSドメインネットワークのeNBがハンドオーバリクエストに従ってUEに悪閲すハンドオーバリソースを割り当て、UEがPSドメインネットワークへのアクセスに成功し後で、第1のネットワーク要素及び第2のネットワーク要素の間の転送チャネルは、UEがPSドメインネットワークにアクセスした後であって、アクセス切替処理が実行される前又はアクセス切替手順が完了する前に、UE及びピアUEの間で音声データを搬送及び送信するのに使用される。
【0048】
具体的に言えば、CSドメインネットワークの第2のネットワーク要素は、具体的にはリバースSRVCCサービスをサポートするMSC(rSRVCC-MSC)であってもよい。UEからピアUEに送信されるダウンリンク音声データは、UE、eNB、第1のネットワーク要素、第1のネットワーク要素及び第2のネットワーク要素間の転送チャネル、及び第2のネットワーク要素を介して、ピアUEに送信される。ピアUEからUEに送信されるアップリンク音声データは、逆の経路を介してUEに送信される。このように、UEは、新たに設定された転送チャネルを介して、アクセス切替手順に依存することなく、ピアUEに音声データを送信することができ、ハンドオーバ手順において音声呼の優れた継続性パフォーマンスを保証できる。
【0049】
具体的には、リバースSRVCCハンドオーバ手順において、第1のネットワーク要素及び第2のネットワーク要素の間に転送チャネルを設定することは、移動管理装置(Mobility Management Entity:MME)によって制御される。例えば、PSドメインネットワークの第1のネットワーク要素がPGWであった場合、本実施の形態では、事前に設定されたリソース情報を利用することで、PSドメインの第1のネットワーク要素及びCSドメインの第2のネットワーク要素の間に転送チャネルを設定することをMMEが制御する具体的な手順は、次のとおりである。
【0050】
UEの事前の登録手順において、第1のネットワーク要素がUEに割り当てるIPアドレス及び/又はポートのような第1の情報は、SGSNにより取得及び保存される。従って、現在のリバースSRVCCハンドオーバ手順では、MMEが第1の情報をSGSNから取得する。更に、CSドメインネットワークの第2のネットワーク要素が、第1のネットワーク要素と共に、音声データを送信するための転送チャネルを設定できるようにするため、更にMMEは取得した第1の情報を第2のネットワーク要素に転送し、これは、第1のネットワーク要素のIPアドレス及び/又はポートのような情報を第2のネットワーク要素に通知することに等しい。この方法において、ピアUEからUEに送信されたアップリンク音声データを受信すると、第2のネットワーク要素は、アップリンク音声データを情報に従って第1のネットワーク要素に送信し、アップリンク音声データをUEに送信するようにする。
【0051】
更に、第1のネットワーク要素が第2のネットワーク要素のIPアドレス及び/又はポートのような情報を把握できるようにし、UEからピアエンドに送信されたダウンリンク音声データを受信した場合に、第1のネットワーク要素が、第2のネットワーク要素について取得した関連情報に従ってダウンリンク音声データを対応する第2のネットワーク要素に送信できるようにするため、更に、MMEは、CSドメインの第2のネットワーク要素(すなわち、rSRVCC-MSC)から、rSRVCC-MSCが転送チャネルに割り当てた第2の情報を取得する。同様に、第2の情報はrSRVCC-MSCがUEに割り当てたIPアドレス及び/又はポートのような情報を含む。第2の情報を第2のネットワーク要素から取得した後に、MMEは第2の情報を第1のネットワーク要素に転送する。このように、UEがピアUEに送信したダウンリンク音声データを受信した場合、第1のネットワーク要素は、第2のネットワーク要素のIPアドレス及び/又はポートの情報に従って、ダウンリンク音声データを第2のネットワーク要素に送信する。
【0052】
留意すべきことに、第1のネットワーク要素により割り当てられたIPアドレス及び/又はポート情報を第2のネットワーク要素に転送することに加えて、MMEは、例えばPSドメインネットワークにおけるUEの対応するCodeC情報及びSTN-SR情報のようなコンテキスト情報を第2のネットワーク要素に転送し、コンテキスト情報は登録手順においてUEにより登録されており、第2のネットワーク要素(rSRVCC-MSC)は、CodeC情報に従って、ピアUEから送信され受信したアップリンク音声データに対する対応するエンコード処理と、UEから送信されたダウンリンク音声データに対する対応するエンコード処理とを実行することができ、かつUE及びピアUEの間で通信を実行することができる。
【0053】
本実施の形態においてPSドメインネットワークの第1のネットワーク要素がATCF/ATGWであった場合、ATCF/ATGW及びrSRVCC-MSCの間に転送チャネルを設定することをMMEが制御する手順は、次のようになる:rSRVCC-MSCから転送されたハンドオーバリクエストを受信した後に、先ずMMEはPSドメインネットワークでUEが事前に登録したSTN-SR情報をSGSNから取得し、STN-SR情報をCSドメインネットワークの第2のネットワーク要素(すなわち、rSRVCC-MSC)に転送する;PSドメインネットワークでUEが事前に登録したSTN-SR情報を取得した後、rSRVCC-MSCはATCF装置を正確にアドレス指定することができ、UEは事前の登録手順においてそのATCFに登録リクエストを固定し(anchor)、rSRVCC-MSCは、割り当てられたIPアドレス及び/又はポートの第2の情報を、ATCF装置を介してPSドメインネットワークの第1のネットワーク要素のユーザプレーンエンティティATGWに送信する;そして、rSRVCC-MSCのIPアドレス及び/又はポートの情報を把握した後に、第1のネットワーク要素のユーザプレーンエンティティATGWは、UEに事前に割り当てられているIPアドレス及び/又はポートの情報の第1部分をrSRVCC-MSCに正確に送信することができる。このように、第1のネットワーク要素及び第2のネットワーク要素が各自のIPアドレス及び/又はポートの情報を交換した後に、第1のネットワーク要素及び第2のネットワーク要素の間に転送チャネルが適切に設定される。
【0054】
留意すべきことに、上記の手順において、UEがDTM又はUMTSモードをサポート又は使用していた場合、UEがPSドメインネットワークで事前に登録したSTN-SR情報をMMEがSGSNから取得する手順は、ハンドオーバリクエストを受信した後に、SGSNがSTN-SR情報をMMEに接触的に送信することで実行されてもよく、STN-SR情報は、MMEに転送されたハンドオーバリクエストの中に含まれておりハンドオーバリクエストと共に送信される。UEがDTMモードもUMTSモードもサポートしていなかった場合、SGSNはハンドオーバリクエストを受信せず、UEがPSドメインネットワークで事前に登録したSTN-SR情報をMMEがSGSNから取得する手順は、MMEが、識別子問合せリクエスト(例えば、位置更新要求メッセージ又はロケーションアップデートリクエストメッセージ)をHSSに送信し、UEの識別子に従ってHSS内のUEに対応するSGSNを問い合わせ、UEが事前に登録しておりかつSTN-SR情報を含んでいるコンテキスト情報をSGSNから取得することで、行われてもよい。
【0055】
更に、留意すべきことに、本実施の形態においてPSドメインネットワークの第1のネットワーク要素がATCF/ATGWであった場合、リソースについて事前に設定された情報を用いることでATCF/ATGW及びrSRVCC-MSCの間に転送チャネルを設定する手順は、MMEによって制御されなくてもよい。具体的な手順は次のようになる:ハンドオーバリクエストを受信した後に、rSRVCC-MSCは、UEの識別子を含む識別子問合せリクエスト(例えば、ロケーションアップデートリクエストメッセージ)をHSSに直接的に送信し、そのUEに対応するSGSNの識別子をHSSに問合せ;SGSNの識別子を発見した後に、rSRVCC-MSCは、ハンドオーバリクエストを指定されたSGSNに直接的に転送し、そのハンドオーバリクエストを用いることで、UEが事前に登録しているコンテキスト情報をSGSNから取得する。この場合、SGSNはハンドオーバリクエストをMMEに転送し、ターゲットの側でベアラ準備手順を起動する。更に、rSRVCC-MSCは、UEの取得したSTN-SR情報に従って、アドレスを UEが事前登録手順で登録リクエストを置いたATCF装置に直接的に送信し、ATCF装置を介して第1のネットワーク要素ATGWと共に転送チャネルを設定する。
【0056】
UEにより実行されるリバースSRVCCハンドオーバ手順において、第1のネットワーク要素及び第2のネットワーク要素の間の転送チャネルは様々な方法で設定されてよいことが、上記の説明から分かる。以下の実施の形態において、様々な方法がそれぞれ詳細に説明される。
【0057】
更に、留意すべきことに、実施の形態の場合、UEが実行するリバースSRVCCハンドオーバ手順において、UEがPSドメインネットワークにアクセスする手順と第1のネットワーク要素及び第2のネットワーク要素の間に転送チャネルを設定する手順とは、同時に実行されてもよい。具体的には、PSドメインのeNBが、転送チャネルを設定する手順と同時に、アクセスリソースをUEに割り当てる。ネットワークアクセス手順におけるUEの処理速度は非常に速い。従って、転送チャネルが設定される前に、一般にUEはPSドメインネットワークに適切にアクセスすることができる。この場合において、転送チャネルが設定されると、PSドメインネットワークのeNB、第1のネットワーク要素、第1のネットワーク要素及び第2のネットワーク要素間の転送チャネル、第2のネットワーク要素の通信リンクを介して、UEはピアUEと音声データ通信を実行し、これはPSドメインネットワークのハンドオーバの終了に等しい。転送チャネルを設定する手順は、アクセス切替手順と比較すると、時間的に短い期間しか必要としない。従って本実施の形態においてUEは音声サービスをPSドメインネットワークに迅速にハンドオーバし、ハンドオーバの完了はアクセス切替手順に依存しない。これは、リバースSRVCCハンドオーバ手順において優れた音声サービス継続性パフォーマンスを保証する。更に、UEがPSドメインネットワークへのアクセスを終了することに基づいて転送チャネルが設定される。従って、転送チャネルに基づいてUEが実行する音声サービスを、高品質の音声サービスとすることができる。
【0058】
ピアUEに関し、留意すべきことに、UEはPSドメインネットワークにアクセスし、PSドメインネットワークで音声サービスを受けているが、ピアUEは依然としてCSドメインの第2のネットワーク要素を介して、すなわちMGWを介してUEと音声データを送受信しているので、ピアUEは、UEがPSドメインネットワークい音声サービスをハンドオーバしたことを把握できず、CSドメインネットワークでUEとの音声データ通信を実行しているように見える。しかしながら、このことは2者間の音声サービス品質には影響せず、他の如何なる問題も生じない。
【0059】
ステップ204:UEはアクセス切替手順を開始する。
【0060】
ステップ205:アクセス切替手順が完了した後に、SCC-ASが転送チャネルに使用されているリソースの解放又は解除を制御する。
【0061】
転送チャネルが設定され、UEが転送チャネルを介してピアUEと音声データ通信を実行できるようになり、本実施の形態において、事前に設定され予約されたVoIP音声ベアラを利用してUE及びピアUE間の音声サービスをPSドメインネットワークに実際にハンドオーバした後に、UEはこれに基づいてアクセス切替手順を開始してもよい。アクセス切替手順は、UEがピアUEと通常のVoIP音声サービスを実行できることに基づいて実行される。従って、アクセス切替手順の速度はUEの音声サービスを中断しない。
【0062】
アクセス切替手順が完了した後、UEは、第1のネットワーク要素及び第2のネットワーク要素間の転送チャネルを介して、ダウンリンク音声データをピアUEに送信する必要はなく、ピアUEから送信されたアップリンク音声データを転送チャネルを介して受信する必要もない。そうではなく、UEは、eNB、サービングゲートウェイ(Serving Gateway:ServingGW)及びPGWに至る通信リンクを介して、ピアUEとの音声データ通信を直接的に実行してもよい。従って、この状況の場合、SCC-ASは転送チャネルで使用されているリソースの解放又は解除を制御し、リバースSRVCCハンドオーバ手順を実際に終了する。
【0063】
本実施の形態によるリバース単一無線音声呼の継続方法によれば、UEがCSドメインネットワークからPSドメインネットワークへ音声サービスをハンドオーバする前に、UEはPSドメインネットワークでIMS登録を実行してSIPセッションの設定を事前に開始し、PSドメインネットワークがベアラリソースについての情報をUEに事前に割り当てるようにする。CSドメインネットワークからPSドメインネットワークへのUEによる音声サービスのハンドオーバ手順において、予約されたベアラの情報を利用することで、CSドメインネットワークとPSドメインネットワークとの間に音声データの転送チャネルが設定され、その情報はPSドメインネットワークによりUEに事前に割り当てられている。このように、UEが、CSドメインネットワークからPSドメインネットワークへの音声サービスハンドオーバを開始し、PSドメインネットワークに速やかにアクセスした後、UEは、アクセス切替手順が完了する前に、長い時間待機する必要なしに、設定された転送チャネルを介して音声データをピアユーザ装置に速やかに送信できる。これは、リバースSRVCCハンドオーバ手順における音声サービスの継続性に関する優れたパフォーマンスを保証する。更に、UEがPSドメインネットワークへのアクセスを完了したことに基づいて、転送チャネルが設定される。従って、転送チャネルに基づいて実行される音声サービスは優れた品質の音声サービスになる。
【0064】
図3は、リバース単一無線音声呼継続処理を行う方法において、リバースSRVCCハンドオーバを開始する前に、ユーザ装置がPSドメインでIMS登録を実行してSIPセッションを設定する本発明の実施の形態による手順のシグナリングを示す。実施の形態におけるシグナリング図では、UEがPSドメインネットワークにおいて事前にIMS登録及びSIPセッション設定を行うことによる具体的な実行手順を説明するために、DTMモードもUTMSモードもサポートしていないUE及びATCF/ATGWであるPSドメインの第1のネットワーク要素が、一例として示されている。図3に示されているように、実施の形態では、UEがリバースSRVCCハンドオーバ手順を開始する前に、PSドメインネットワークで実行される準備手順は、具体的には以下のステップを含む。
【0065】
ステップ300:UEがアタッチリクエスト(アタッチ要求メッセージ)をSGSNに送信する。
【0066】
ステップ301:SGSNがアタッチレスポンス(アタッチ応答メッセージ)をUEに返す。
【0067】
ステップ302:UEがプライマリPDPアクティベーションリクエスト(プライマリPDPアクティベーションメッセージ)をSGSNに送信する。
【0068】
ステップ303:SGSNがプライマリPDPアクティベーションレスポンス(プライマリPDPアクティベーション応答メッセージ)をUEに返す。
【0069】
ステップ304:UEがセカンダリPDPアクティベーションリクエスト(セカンダリPDPアクティベーション要求メッセージ)をSGSNに送信する。
【0070】
ステップ305:SGSNがセカンダリPDPアクティベーションレスポンス(セカンダリPDPアクティベーション応答メッセージ)をUEに返す。
【0071】
ステップ304及びステップ305は選択的又はオプションである。SCC-AS/ATCFがSIPセッションセットアップリクエストを受信すると、セカンダリPDPは、ポリシ及び課金ルール機能(Policy and Charging Rules Function:PCRF)を起動し、ベアラの設定を開始する。
【0072】
本実施の形態では、DTMモードもUMTSモードもサポートしていないUEが説明における一例として使用されており、すなわちUEはCSドメイン音声ベアラ及びPSドメイン音声ベアラを同時には処理又はサポートできない。従って、リバースSRVCCハンドオーバの前にPSドメインでUEが実行するIMS登録は、UEがCSドメインの音声呼を開始してピアUEとCDドメイン音声セッションを設定する前に実行されなければならない。実際の応用例では、UEは電源が投入されると速やかにPSドメインで準備手順を実行する。
【0073】
具体的には、本実施の形態では、PSドメインネットワークでUEが行う登録は、具体的には2つの手順に分割されてもよい:第1の手順は、UEがPSドメインネットワークにおける登録をSGSN装置で実行することであり、第2の手順は、UEがIMS登録を実行し、その後にSIP音声呼を開始することである。第1の登録手順は具体的にはステップ300ないしステップ305を含んでもよい。或いは、UEからSGSNに送信されたアタッチリクエストに関し、UEは、PSドメインネットワークでデフォルトでサポート又は設定されているコーデックタイプ(CodeC)についての情報を、アタッチリクエストに含めてもよい。CodeC情報に基づいて、SGSNはPSドメインネットワークでUEがサポートしているコーデックタイプを把握する。
【0074】
UEがSGSNによりPSドメインネットワークにおける登録を完了した後に、UEは更に登録された情報に基づいてSCC-ASによりIMS登録を実行する。具体的には、IMS登録手順は以下のステップを含む。
【0075】
ステップ306:UEがSGSNを介してIMS登録リクエストをATCFに送信する。
【0076】
代替的に、この手順において、SGSNがUEから送信されたIMS登録リクエストを受信した後に、SGSNは、ゲートウェイGPRSサポートノード(Gateway GPRS Support Node:GGSN)を介してIMS登録リクエストをATCFに送信する。
【0077】
ステップ307:ATCFはIMS登録を自身で処理する(anchor)。
【0078】
ステップ308:ATCFは、STN-SR情報をUEに割り当て、STN-SRをIMS登録リクエスト煮含め、問い合せ/サービング呼セッション制御機能部(Interrogation/Serving Call Session Control Function:I/S-CSCF)を介して、IMS登録リクエストをSCC-ASに転送する。
【0079】
ステップ309:SCC-ASがHSSに対してUEのSTN-SRを更新する。
【0080】
ステップ310:HSSがSGSNに対してUEのSTN-SRを更新する。
【0081】
UEがSGSNによりPSドメインで登録を完了した後、UEがSCC-ASに対するIMS登録手順を開始し、SIPセッション設定手順を開始し、SCC-ASとのSIPセッションの設定手順を介して、PSドメインネットワークでのUEに対応する予約されたVoIP音声ベアラを事前に設定する。具体的には、実施の形態において、UEは、ATCFを介してSIPセッションの設定手順を開始するために、ATCFネットワーク要素に対するIMS登録リクエストを先ず処理する必要がある。アンカープロセス(anchor process)は、UEがIMS登録リクエストをATCFに送信し、IMS登録リクエストを受信した後にATCFに対するIMS登録手順をATCFが処理することで実行されてもよい。更に、IMS登録手順を自身で処理した後に、ATCFは、PSドメインネットワークにおけるUEのSTN-SR識別子をUEに割り当て、STN-SRをIMS登録リクエストに含め、IMS登録リクエストをI/S-CSCFを介してSCC-ASに転送し、SCC-ASが、UE、データベースHSS及びSGSNに割り当てられているSTN-SR識別子を更新するようにする。
【0082】
ステップ311:UEはSIPセッションセットアップリクエストをATCFに送信する。
【0083】
ステップ312:ATCFはATGWにSIPセッションを設定し、ATGWが、VoIP音声サービスを担う第1の情報をUEに割り当てる。
【0084】
ステップ313:ATCFは、SIPセッションセットアップリクエストをI/S-CSCFを介してSCC-ASに転送する。
【0085】
UEがIMS登録リクエストをATCFに設定した後に、ATCFは、UEがSIPセッションセットアップリクエストをそこに送信した場合にSIPセッションをATCF/ATGWに設定する。設定手順(anchor process)において、ATGWは、UEのVoIP音声サービスを担う情報及び/又はIPアドレス(すなわち、情報の第1部分)をUEに割り当てる。具体的には、UEのSIPセッションセットアップリクエストを受信し、SIPセッションをATGWに設定した後に、ATCFはI/S-CSCFを介してSIPセッションセットアップリクエストをSCC-ASに転送する。この場合、SCC-ASは、UEコンテキスト情報を完備し、UEに設定される情報をI/S-CSCFを介してATCFに返す。或いは、ATCFはATCFにおいてSIPセッションセットアップリクエストメッセージを終端する。
【0086】
具体的には、UEが開始するSIPセッションセットアップリクエストは、ピアUEとのSIPセッションを実際に設定することを意図していない。UEがCSドメインネットワークからPSドメインネットワークへの音声サービスハンドオーバを開始する前には、事前に設定されたSIPセッションコネクションは実際には機能せず、PSドメインネットワークのコアネットワークでUEに対応するリソースを割り当てるためだけに使用され、如何なるデータも送信しなくてよい。しかしながら、UEが音声サービスのリバースSRVCCハンドオーバ手順を開始すると、リバースSRVCCハンドオーバ手順において、UEは事前に割り当てられているリソースに基づいて音声サービスをPSドメインのVoIP音声に速やかにハンドオーバし、音声サービスに関する以後のアクセス切替手順を実行する。この方法では、SIPセッションは、以後のアクセス切替手順で開始される必要はなく、VoIP音声ベアラを一時的に設定し、これは以後のアクセス切替手順を高速化する。
【0087】
従って、UEは、ATCFを介してUEから送信されるSIPセッションセットアップリクエストに、リバースSRVCC指示情報を含め、リバースSRVCC指示情報は、現在設定されているSIPセッションが以後のリバースSRVCCハンドオーバ手順で使用されることをSCC-ASに最終的に通知するのに使用され、これにより、SIPセッションセットアップリクエストに従ってUEに対するSIPセッションを設定する場合に、SCC-ASは、SIPセッションセットアップリクエストメッセージをローカルに処理することのみを必要とし、ピアUEに対する実際の音声呼の開始を必要としないことを通知し、リバースSIPセッションコネクションで長時間の間一切データが送信されなかった場合でさえ、UEのリソース情報の解放手順又は解除手順を積極的に促す必要はないことを通知する。
【0088】
実際の応用例では、UEが、SCC-ASに送信されるSIPセッションセットアップリクエストにリバースSRVCC指示情報を含めることは、具体的には、以下の2つの手順で実行されてもよい。UEが、指示情報の一部を、SIPセッションセットアップリクエスト(例えば、rSRVCCインジケータ情報)に別途に含める;或いはUEが、SCC-ASに送信されるSIPセッションセットアップリクエストに特定被呼番号(special called number)を含め、その被呼番号を含むSIPセッションセットアップリクエストを受信した場合に、そのSIPセッションはリバースSRVCCハンドオーバに使用されることをSCC-ASが分かるようにする。
【0089】
更に、好ましくは、UEがSGSNを介してSIPセッションセットアップリクエストをSCC-ASに送信する手順において、UEは、指示情報の別の部分をSGSNに送信することに加えて、最終的にはリバースSRVCC指示情報をSCC-ASに送信する。指示情報は、UEに関してSIPセッションがPSドメインネットワークで設定された後に、SGSNはRAB設定手順を開始する必要はないことを表すのに使用される。リバースSRVCCハンドオーバの前に、UEのためにSIPセッションコネクションを設定する実際の処理は、以後のリバースSRVCCハンドオーバ手順を準備する。リバースSRVCCハンドオーバ手順が実行される前に、SIPセッションコネクションはUEの如何なる音声データも送信しない。従って、SGSNは実際のRAB設定処理を開始する必要はなく、これによりリソースの無駄を回避できる。UEが指示情報をSGSNに送信する方法については、上記の実施の形態の説明を参照されたい。ここでは更には説明しない。
【0090】
更に留意すべきことに、SGSNに対するアタッチ手順において或いはUE及びSCC-ASがこの手順でSIPセッションを設定するシグナリングのやり取りのて順において、UEがPSドメインネットワークでサポートされているCodeC情報を報告しない場合、UEはSCC-ASと共にPSドメインネットワークにおけるUEのCodeC情報を交渉してもよい。交渉が成功した後、SCC-ASは交渉で決定したCodeC情報をSIPレスポンスメッセージに含め、SIPレスポンスメッセージをUEに返す。更に、例えばPSドメインネットワークにおけるUEのサービスの宛先IPアドレスを識別するために使用される情報も、UE及びSCC-ASによりシグナリングのやり取りの手順で交渉してもよく、交渉で決まったIPアドレス情報は、SCC-ASによりSIPレスポンスメッセージに含められ、CodeC情報と共にUEに返される。
【0091】
ステップ314:SCC-ASはI/S-CSCFを介してコールレスポンスメッセージ(call response message)をATCFに返し、コールレスポンスメッセージは、UE関連のコンフィギュレーション情報、例えば対応関係MSISDN(Correlation-MSISDN:C-MISDN)を含む。
【0092】
UEから送信されたSIPセッションセットアップリクエストを処理した後に、SCC-ASはI/S-CSCFを介してコールレスポンスメッセージをATCFに返す。或いは、返されるコールレスポンスメッセージにおいて、SCC-ASは、UEに割り当てられかつUEのために設定されたSIPセッションに対応するC-MSISDN番号をATCFに返し、例えば特定の番号のrSRVCCアクセストランスファ識別子(rSRVCC Access Transfer Update-Session Transfer Identifer:rSRVCC ATU-STI)をUEに割り当て、その特定の番号をATCFに返す。ATCFはSCC-ASから受信した特定の番号及びC-MSISDN番号を保存する。更に、ATCFは、保存される情報を含んでいないコールレスポンスメッセージをUEに直接的に返してもよい。この場合、UE及びATGWの間で音声ベアラが設定される。
【0093】
ステップ315:UEはSCC-ASと共にPSドメインネットワークで予約されているVoIP音声ベアラを設定する。
【0094】
UEがPSドメインネットワークでIMS手順を完了した後に、UEはSCC-ASと共にPSドメインネットワークで予約されたVoIP音声ベアラを更に設定してもよく、これは、UE、SGSN、SGW、PGW及びATGWの間のPSメディアプレーンと言及される。予約されているVoIP音声ベアラは以後のリバースSRVCCハンドオーバ手順に使用されてもよい。事前に設定されている予約されたVoIP音声ベラは、以後のリバースSRVCCハンドオーバ手順に使用され、ハンドオーバの前は停止状態(suspended state)になっている。停止状態のVoIP音声ベアラを事前に設定することで、UEがSRVCCハンドオーバ手順を実際に開始した時点で、UEはVoIP音声ベアラを設定する必要はなく、これによりPSドメインネットワークへの音声サービスハンドオーバを促進することができる。
【0095】
ステップ316:UEはピアUEとのCSドメイン音声セッションを設定するためにCSドメインの音声呼を開始する。
【0096】
PSドメインにおけるUE及びSCC-AS間に予約されたVoIP音声ベラを事前に設定すること及びIMS登録を完了した後で、UEは、通常のCSドメイン音声セッション手順に従って、ピアUEに対するCSドメインの音声呼を開始し、ピアUEとのCSドメイン音声セッションを設定する。
【0097】
留意すべきことに、実施の形態においてUEがPSドメインネットワークでの登録を実行する手順において、UEがDTMモードをサポートしていた場合、すなわちUEの音声サービスがCSドメイン及びPSドメインで同時に処理できる場合、先行する手順において、PSドメインネットワークでUEが実行する登録は、UEがCSドメインネットワークでCSドメイン音声セッションを設定した後に完了する。すなわち、先ずUEはCSドメインネットワークで通常の音声セッションを設定し、その後にPSドメインネットワークで必要なリソースがUEに割り当てられる。この方法において、音声サービスはCSドメインネットワークで処理され、新たな音声サービスの登録が元々のCSドメインネットワークでの音声サービスに影響してしまうという状況を回避できる。
【0098】
図4は、リバース単一無線音声呼継続処理を行う本発明の第3の実施の形態による方法のシグナリングを示す。この実施の形態の場合、リバースSRVCCハンドオーバ手順が、上記の実施の形態で説明されたUEによる事前の登録及びシグナリング図に基づいて実行される。しかしながら、この実施の形態では、DTMモードもUMTSモードもサポートしていないUE及びATCF/ATGWであるPSドメインの第1のネットワーク要素が一例として示され、UEにより実行されるリバースSRVCCハンドオーバの具体的な手順が説明される。留意すべきことに、ATCF/ATGWである第1のネットワーク要素に関し、本実施の形態では、ATCF/ATGW及びrSRVCC-MSCの間に転送チャネルを設定する手順が、MMEにより制御される、或いはrSRVCC-MSCがHSSからの関連情報を積極的に問い合わせることで完了してもよい。MMEにより制御される設定手順のみが本実施の形態で詳細に説明され、他の手順は後続の実施の形態で詳細に説明される。更に、実際の応用例では、ATFC及びATGWは概して一緒に配備されていることに留意すべきである。従って本実施の形態において第1のネットワーク要素ATGWはATCF/ATGWとして説明され、これは他のネットワーク要素からATGWに送信されたシグナリングメッセージがATCFによりATGWに転送されてもよいことを示す。
【0099】
図4に示されているように、本方法は以下のステップを有する。
【0100】
ステップ400:UEがPSドメインネットワークでIMS登録を実行してSIPセッションを設定し、PSドメインネットワークがリソースの情報をUEに事前に割りあてることができるようにする。
【0101】
ステップ401:UEがCSドメインの音声呼を開始し、ピアUEと共にCSドメイン音声セッションを設定する
ステップ400の具体的な手順については、先行するシグナリングの具体的な説明を参照されたい。リバースSRVCCハンドオーバを実行する前に、UEはPSドメインで事前に登録を実行してSIPセッションコネクションを設定し、PSドメインネットワークが、予約されたリソースの情報をUEに事前に割り振る。更に、リソースについて事前に割り当てられた情報に基づいて、UEは更にPSドメインにおける音声サービスのために予約されたVoIP音声ベアラを事前に設定してもよい。この実施の形態では、DTMモードもUMTSモードもサポートしていないUEが説明における具体例として使用されている。従って、PSドメインネットワークでUEが実行する事前の登録手順は、通常のCSドメイン音声セッションを設定する手順の前に実行される必要がある、なぜなら新たな音声サービスの登録が元々のCSドメインネットワークでの音声サービスに影響を及ぼしてしまう問題を回避するためである。
【0102】
ステップ402:無線ネットワークサブシステム(Radio Network Subsystem:RNS)/基地局システム(Base Station System:BSS)はハンドオーバリクエストをサービングMSCに送信する。
【0103】
実施の形態では、UEはDTMモードもUMTSモードもサポートしておらず、すなわちUEは1種類の音声ベアラを処理できるだけであることが仮定されている。従って、RNS/BSSがリバースSRVCCハンドオーバを開始する手順では、CSドメインの音声タイプのベアラのみがハンドオーバされる必要がある。従ってこの手順においてRNS/BSSはハンドオーバリクエストをサービングMSCにのみ送信する必要がある。しかしながら、留意すべきことに実施の形態においてUEがDTMモード又はUMTSモードをサポートしていた場合、この手順において、RNS/BSSはハンドオーバリクエストをサービングMSC及びSGSNに同時に送信する必要がある。
【0104】
代替的に、BSS/RNSは、ハンドオーバリクエストをサービングMSCに送信する場合に、リバースSRVCC指示情報をハンドオーバリクエストに含め、ハンドオーバはrSRVCCであることをサービングMSCを介してMME又はrSRVCC-MSCに通知する。この場合、以後の手順において、MMEは、指示情報に従ってホームサブスクライバサーバ(Home Subscriber Server:HSS)にアクセスし、対応するSGSNの識別情報を取得する。
【0105】
ステップ403:サービングMSCは、ハンドオーバリクエストをrSRVCC-MSCに転送する。
【0106】
ステップ404:rSRVCC-MSCは、ハンドオーバリクエストをMMEに転送する。
【0107】
RNS/BSSのハンドオーバリクエストを受信した後、サービングMSCはハンドオーバリクエスト(rSRVCC_CS-PSリクエスト)をrSRVCC-MSCに転送する。ハンドオーバリクエストに応答するため、rSRVCC-MSCは、IPアドレス及び/又はポートのような第2の情報をUEに割り当てる。
【0108】
ステップ405:MMEは、識別子問合せリクエスト(identifier query request)をHSSに送信し、そのUEを管理しているSGSNの識別子を取得する。
【0109】
ステップ406:HSSは、UEに対応するSGSNの識別子をMMEに返す。
【0110】
MMEがrSRVCC-MSCから転送されてきたハンドオーバリクエストを受信した後、rSRVCC-MSCが対応するATCF/ATGWをアドレス指定できるようにし、ATCF/ATGWとの間でIPアドレス及び/又はポート情報を交換し、これにより転送チャネルを設定するために、先ずMMEはUEに対応するSGSNの識別子をデータベースHSSから取得し、これによりPSドメインネットワークにおけるUEの関連する音声ベアラ情報及びSTN-SR情報を対応するSGSNから取得し、STN-SRに従って対応するATCF/ATGWをアドレス指定する。
【0111】
従って実施の形態においてrSRVCC-MSCが転送したハンドオーバリクエストを受信した後に、MMEは識別子問合せリクエストメッセージをHSSに送信し、識別子問合せリクエストメッセージは、具体的には、ロケーションアップデートリクエストメッセージ、位置更新要求メッセージ又は他のタイプのリクエストメッセージであってもよく、識別子問合せリクエストメッセージは、UEの識別子を含み、指定されているUEが所属するSGSNの識別子を返すようにHSSに指示する。UEの識別子を含むロケーションアップデートリクエストメッセージを受信した後に、HSSは、指定されているUEをローカルデータベースの中で探し、UEに対応するSGSNの発見された識別子をMMEに返す。或いは、MMEからHSSに送信される識別子問合せリクエストメッセージがrSRVCC指示情報を更に含み、現在の問合せがrSRVCCハンドオーバ処理で使用されることをHSSに通知してもよい。
【0112】
ステップ407:MMEが、UEのコンテキスト情報をSGSNから取得する。
【0113】
UEに対応するSGSNの識別子を取得した後、MEは対応するSGSNをアドレス指定し、そのSGSNとの間でシグナリングのやり取りを行い、UEのコンテキスト情報をSGSNから取得し、コンテキスト情報は、PSドメインネットワークでUEにより登録されたSTN-SR情報及びCodeC情報を含む。
【0114】
ステップ408:MMEは、アクセスハンドオーバリソースをUEに割り当てるようにeNBに指示する。
【0115】
ステップ409:eNBはアクノリッジ情報MMEに送信し、アクセスハンドオーバリソースの割り当てが完了したことを知らせる。
【0116】
この状況において、MMEはUEのコンテキスト情報を取得している。或いは、UEがPSドメインネットワークへのアクセスに成功し、PSドメインネットワークでのアクセス処理を完了させるために、MMEは、PSドメインネットワークのeNBに、アクセスハンドオーバリソースをUEのために準備することを指示する。リソース割当が完了すると、eNBはアクノリッジメッセージをMMEに送信し、UEのために準備されるアクセスハンドオーバリクエストの割当が完了したことを通知する。
【0117】
ステップ410:MMEはハンドオーバレスポンスメッセージをrSRVCC-MSCに送信し、ハンドオーバレスポンスメッセージはUEの取得されたコンテキスト情報を含んでいる。
【0118】
eNBはアクノリッジメッセージをMMEに送信し、MMEはeNBがアクセスハンドオーバリソースをUEに割り当てることが終了したことを知った後に、MMEはハンドオーバレスポンスメッセージをrSRVCC-MSCに返し、そのハンドオーバレスポンスメッセージはステップ407でSGSNから取得したUEのコンテキスト情報を含んでおり、コンテキスト情報は、事前の登録手順でUEがPSドメインネットワークで登録していたSTN-SR情報及びCodeC情報である。このように、UEのコンテキスト情報は、ハンドオーバレスポンスメッセージを用いることでrSRVCC-MSCに転送される。CodeC情報は選択的又はオプションである。UEのアップリンク音声データをATGWに転送する場合、CodeC情報に基づいて、rSRVCC-MSCはアップリンク音声データについて対応するエンコード処理を実行することができ、ATGWと共に転送チャネルを設定した後、エンコードされたアップリンク音声データをUEに転送する。
【0119】
ステップ411:rSRVCC-MSCは、サービングMSCを介してハンドオーバレスポンスメッセージをRNS/BSSに返す。
【0120】
RNS/BSSにおいてUEのアクセス処理をできるだけ速やかに完了させるために、rSRVCC-MSCはMSCを介してハンドオーバレスポンスメッセージを転送し、UEのために準備されたアクセスハンドオーバリソースの割当が完了したことをRNS/BSSに通知する。
【0121】
ステップ412:rSRVCC-MSCはSIPメッセージをATCF/ATGWに送信し、SIPメッセージはrSRVCC-MSCが割り当てた第2の情報を含んでいる。
【0122】
ステップ413:ATCF/ATGWは、SIPメッセージをrSRVCC-MSCに返し、SIPメッセージはATCF/ATGWが割り当てた第1の情報を含んでいる。
【0123】
具体的には、rSRVCC-MSCがUEのコンテキスト情報を把握した後、UEの事前登録手順においてUEはIMS登録をATCFに設定しているので、rSRVCC-MSCは、STN-SR情報に従って対応するATCF/ATGWを直接的にアドレス指定し、ATCF/ATGWとの間でIPアドレス及び/又はポートの情報をやりとりし、これによりATCF/ATGWとの間に転送チャネルを設定する。
【0124】
ステップ414:RNS/BSSはハンドオーバコマンドをUEに送信する。
【0125】
ステップ415:UEはeNBにアクセスする。
【0126】
ステップ416:eNBはハンドオーバ完了メッセージ(handover complete message)をMMEに送信する。
【0127】
rSRVCC-MSCがATCF/ATGWとの間でIPアドレス及び/又はポート情報をやり取りし、RNS/BSSがMSCから送信されたハンドオーバレスポンスメッセージを受信した後に、UEがPSドメインへできるだけ速やかにアクセスを完了できるようにするため、RNS/BSSはハンドオーバコマンドをUEに送信し、PSドメインネットワーク(E-UTRAN)へのアクセス手順を実行するようにUEに指示する。このように、eNBがUEに割り当てたアクセスハンドオーバリソースを用いることで、UEはeNBに適切にアクセスし、すなわちPSドメインネットワークにアクセスし、ネットワークアクセス手順を完了する。UEがeNBにアクセスする手順が終了した後に、eNBはハンドオーバ完了メッセージをMMEに送信し、PSドメインネットワークへのアクセスが完了したことをMMEに通知する。
【0128】
rSRVCC-MSC及びATCF/ATGWの間で行われるIPアドレス及び/又はポート情報の交換とUEによるeNBへのアクセスとの双方が完了した後に、UE及びピアUEの間に新たな音声ベアラ経路が設定される。UEからピアUEへ送信されるダウンリンク音声データは、ダウンリンク音声ベアラ経路を介してピアUEへ送信され(UE-eNB-SGW-PGW-ATGW-rSVCC MSC-ピアUE)、ピアUEからUEに送信されたアップリンク音声データは、リバースベアラ経路を介してUEに送信される(ピアUE-rSVCC MSC-ATGW-PGW-SGW-eNB-UE)(図4におけるステップ416の後の破線で示されている)。このように、アクセス切替手順が開始される前であっても又はアクセス切替手順が完了していない場合であっても、UE及びピアUEは、音声サービスを中断する必要なしに、ベアラ経路を介して音声データ通信を実行することができ、これにより音声サービスの優れた継続性を保証できる。更に、UEがPSドメインネットワークにアクセスしたことに基づいてベアラ経路が設定される。従って現在のUEに基づく音声サービスは優れた品質の音声サービスとなる。
【0129】
ステップ417:ATCF/ATGWが、アクセス切替手順を開始する。
【0130】
ステップ418:アクセス切替手順が完了した後、転送チャネルに使用されていたリソースを解放又は解除する。
【0131】
ベアラ経路の設定が成功し、そのベアラ経路を介してUEがピアUEとの間で音声データ通信を実行できるようになった後、実施の形態では、UE及びピアUE間の音声サービスをPSドメインネットワークに実際にハンドオーバするため、ATCF/ATGWはアクセス切替手順を開始する。UEがピアUEとの間で通常のVoIP音声サービスを実行できることに基づいて、アクセス切替手順が実行される。従ってアクセス切替手順の進行の速さは、UEの音声サービスの継続性に影響を与えない。具体的に、ATCF/ATGWによるアクセス切替を開始する手順については図5に関する説明を参照されたい。留意すべきことに、PSドメインネットワークにおいてUEが実行する事前の登録手順においてIMS登録手順をUEが実行していなかった場合、ATCF/ATGWがアクセス切替手順を開始する前に、先ずUEはPSドメインネットワークにおいてIMS登録を実行する必要がある。
【0132】
アクセス切替手順が完了すると、UEは、アクセス切替手順において設定されている新たなベアラ経路を利用することで、ピアUEとの間で音声データ通信を実行してもよく、すなわち、ダウンリンクベアラ経路(UE-eNB-SGW-PGW-ATGW-ピアUE)及びアップリンクベアラ経路(ピアUE-ATGW-PGW-SGW-eNB-UE)を介してピアUEとの間で音声サービスを実行する(図4のステップ417の後の破線で示されている)。このように、rSRVCC-MSCは転送チャネルで使用されているリソースの解放又は解除を制御し、リバースSRVCCハンドオーバ手順を実際に完了させる。具体的には、リソース解放手順はATCFによって開始されてもよい。
【0133】
更に、実施の形態では、留意すべきことに、UEがPSドメインネットワークでの事前登録手順においてステップ315においてSCC-ASと共に予約されたVoIP音声ベアラを事前に設定していなかった場合、すなわちリバースSRVCCハンドオーバ手順の前に、UEが予約されたVoIP音声ベアラを設定していなかった場合、実施の形態では、ステップ402においてRNS/BSSがハンドオーバリクエストをMSCに送信した後に、PSドメインネットワークのコアネットワーク要素は、PSドメインネットワークにおけるUEのVoIP音声ベアラの設定を積極的に促す。具体的には、ステップ402の直後に、VoIP音声ベアラを設定する手順が、SGSN、MSC、ATCF又はPSドメインネットワーク内の他のコアネットワーク要素により開始される。リバースSRVCCハンドオーバ手順の前に、予約された音声ベアラが設定される方法と比較すると、VoIP音声ベアラがリバースSRVCCハンドオーバ手順で設定される方法の場合、関連する音声リソースがリバースSRVCCハンドオーバの前にPSドメインネットワークで確保されることを要する状況が回避され、PSドメインネットワークのリソースの浪費を回避できる。
【0134】
実施の形態によるリバース単一無線音声呼継続処理方法によれば、UEがCSドメインネットワークからPSドメインネットワークへ波音声サービスをハンドオーバする前に、UEがPSドメインネットワークでIMS登録を実行してSIPセッションの設定を開始し、PSドメインネットワークはベアラリソースの情報をUEに事前に割り当てる。UEがCSドメインネットワークからPSドメインネットワークへ音声サービスをハンドオーバする手順において、MMEは、PSドメインネットワークによりUEに事前に割り当てられている予約ベアラ情報を利用することで、CSドメインネットワークのrSRVCC-MSCとPSドメインネットワークのATGWとの間に音声データの転送チャネルを設定することを管理する。このように、UEがCSドメインネットワークからPSドメインネットワークへの音声サービスハンドオーバを実際に開始し、PSドメインネットワークに速やかにアクセスした後、UEは、アクセス切替手順が完了するまで長時間待機する必要はなく、設定された転送チャネルを介してピアユーザ装置と音声データを速やかに通信できる。これは、リバースSRVCCハンドオーバ手順における音声サービス継続性の優れたパフォーマンスを保証する。更に、転送チャネルは、UEがPSドメインネットワークにアクセスしたことに基づいて設定される。従って転送チャネルに基づいて実行される音声サービスは優れた品質の音声サービスになる。
【0135】
図5は、リバース単一無線音声呼継続処理を行う方法における本発明の実施の形態によるアクセス切替手順のシグナリングを示す。rSRVCC-MSC及びATGWによるIPアドレス及び/又はポートを送受信する詳細な手順が実施の形態によるシグナリング図で示されている。図5に示されているように、上記の実施の形態に基づいて、ステップ411においてハンドオーバ応答メッセージがサービングMSCを介してRNS/BSSに返された後に、rSRVCC-MSC及びATGWによるポート及び/又はポート情報の送受信の手順及びATCFにより開始されるアクセス切替手順は、具体的には次のようになる。
【0136】
ステップ500:rSRVCC-MSCが、C-MSISDN番号及びIPアドレス及び/又はポートの情報を含むSIPメッセージ(INVITEメッセージ)をATCFに送信する。
【0137】
ステップ501:ATCFが受信したSIPメッセージに従ってATGWを設定する。
【0138】
具体的には、STN-SR情報に従って対応するATCFをアドレス指定した後に、rSRVCC-MSCは、事前に取得しているC-MSISDN番号及びUEに割り当てられているIPアドレス及び/又はポート情報をSIPメッセージに含め、そのSIPメッセージをATCFに送信する。C-MSISDN番号は事前にUEのために設定されているSIPセッションに関連する。ATCFは、C-MSISDN番号に従って、UEに対応するSIPセッションを見出す。
【0139】
SIPメッセージを受信した後、ATCFはC-MSISDNを用いて移行させるべきセッションを関連付け、ATGWとやり取りを行う。この方法では、メディアプレーンが更新され、事前に設定された音声ベアラが新たなベアラに関連付けられ、すなわちrSRVCC-MSCとATGWとの間に新たなベアラが設定される。
【0140】
ステップ502:ATGWは設定ATGW確認(Configure ATGW Acknowledgement)メッセージをATCFに返し、ATGWによりUEに事前に割り当てられたIPアドレス及び/又はポート情報は、ATCFに送信される。
【0141】
ステップ503:ATCFは、SIP応答メッセージをrSRVCC-MSCに返し、SIP応答メッセージはATGWのIPアドレス及び/又はポート情報を含んでいる。
【0142】
ステップ504:ATCFは、アクセス切替更新(Access Transfer Update)メッセージをSCC-ASに送信する。
【0143】
ステップ505:SCC-ASはアクセス切替更新メッセージをピアUEに転送する。
【0144】
CS-PSアクセス切替メッセージを受信すると、ATCFはSCC-ASと共にセッションを再設定し、CS-PSアクセス切替が生じたことをSCC-ASに通知する。SCC-ASはrSRVCC-ATU-STIを用いることで関連するセッションを特定し、ATCF及びSCC-ASの間に新たなセッションが設定される。更に、SCC-ASは新たなセッションと登録手順でUEが事前に設定したSIPセッションとを関連付け、関連付けの処理は一般にC-MSISDNを用いることで行われる。
【0145】
或いは、SCC-ASはピアUEのメディアプレーンを更新し、ピアUEが音声データをATGWに直接的に送信できるようにする。更に、ピアUEはATGWから送信された音声データを直接的に受信することができる。
【0146】
ステップ506:ピアUEは更新応答メッセージをSCC-ASに返す。
【0147】
ステップ507:SCC-ASはアクセス切替更新応答メッセージをATCFに返す。
【0148】
この状況において、UE及びピアUEの間に新たな音声ベアラ経路が設定されている。アクセス切替後に設定される新たな音声ベアラ経路は、具体的には、ダウンリンク音声ベラ経路(UE-eNB-SGW-PGW-ATGW-ピアUE)及びアップリンク音声ベアラ経路(ピアUE-ATGW-PGW-SGW-eNB-UE)である。
【0149】
図6は、リバース単一無線音声呼継続処理を行う本発明の第4の実施の形態による方法のシグナリングを示す。この実施の形態によるリバースSRVCCハンドオーバ手順は、図3に示すシグナリングの手順及び実施の形態で説明されたUEの事前登録処理に基づいて実行される。しかしながら、本実施の形態では、DTMモード又はUMTSモードをサポートするUEとATCF/ATGWであるPSドメインの第1のネットワーク要素とが、UEにより実行されるリバースSRVCCハンドオーバの具体的な手順を説明するための具体例として使用されている。ATCF/ATGW及びrSRVCC-MSCの間に転送チャネルを設定する処理をMMEが制御する手順に限って詳細に説明する。更に留意すべきことに、本実施の形態と図4に示されている実施の形態との間の相違は、本実施の形態によるUEはDTMモード又はUMTSモードをサポートしているが、上記の実施の形態におけるUEはDTMモードもUMTSモードもサポートしていない点にある。従って、本実施の形態において、図4に示す実施の形態におけるものと同じステップについては、図4に示す実施の形態における対応する説明箇所を参照されたい。
【0150】
図6に示されているように、本方法は以下のステップを有する。
【0151】
ステップ600:UEがCSドメインの音声呼を開始し、ピアUEと共にCSドメイン音声セッションを設定する。
【0152】
ステップ601:UEがPSドメインネットワークでIMS登録及びSIPセッション設定を行い、PSドメインネットワークがリソース情報をUEに事前に割り当てることを可能にする。
【0153】
この実施の形態においては、DTMモード又UMTSモードをサポートしているUEが説明における具体例として使用されている。従って、PSドメインネットワークでUEが実行する事前登録手順は、通常のCSドメイン音声セッションを設定する手順の後に実行され、新たな音声サービスの登録が元々のCSドメインネットワークにおける音声サービスに影響を与えてしまう状況を生じないようにする。
【0154】
ステップ602:RNS/BSSが、ハンドオーバリクエストをサービングMSC及びSGSNに同時に送信する。
【0155】
ステップ603:サービングMSCはハンドオーバリクエストをrSRVCC-MSCに転送する。
【0156】
ステップ604:rSRVCC-MSCは、ハンドオーバリクエストをMMEに転送する。
【0157】
ステップ605:SGSNが、UEのコンテキスト情報をハンドオーバリクエストに含め、そのハンドオーバリクエストをMMEに転送する。
【0158】
この実施の形態において、UEはDTMモード又はUMTSモードをサポートしている。従って、ロケーションアップデートリクエストメッセージを用いることでUEに対応するSGSNの識別子をHSSから取得してSGSNをアドレス指定するためにMMEが識別子問合せリクエストメッセージをHSSに送信する必要はない。本実施の形態において、RNS/BSSから送信されたハンドオーバリクエストが受信されていることに基づいて、SGSNはUEのコンテキスト情報をMMEに積極的に転送する。この場合、MMEは、識別子問合せリクエストメッセージをHSSに送信する必要なしに、PSドメインネットワークでUEが事前に登録したコンテキスト情報を自動的に取得できる。
【0159】
ステップ606:MMEは、アクセスハンドオーバリソースをUEに割り当てるようにeNBに指示する。
【0160】
ステップ607:eNBはアクノリッジ情報をMMEに送信し、アクセスハンドオーバリソースの割り当てが完了したことを知らせる。
【0161】
この状況において、UEがPSドメインネットワークにアクセスできるようにしかつPSドメインネットワークにおけるアクセス手順を完了させるために、MMEはアクセスハンドオーバリソースをUEに割り当てるようにPSドメインネットワークのeNBに指示してもよい。リソースの割り当てが完了した後に、eNBはアクノリッジメッセージをMMEに送信し、UEのために準備されるアクセスハンドオーバリソースの割り当てが完了したことを知らせる。
【0162】
ステップ608:MMEは、UEのコンテキスト情報を含むハンドオーバ応答メッセージをrSRVCC-MSCに送信する。
【0163】
ステップ609:rSRVCC-MSCは、rSRVCC-MSCが割り当てた第2の情報を含むSIPメッセージをATCF/ATGWに送信する。
【0164】
ステップ610:ATCF/ATGWは、ATCF/ATGWが割り当てた第1の情報を含むSIP応答メッセージをrSRVCC-MSCに返す。
【0165】
具体的には、UEの事前登録処理においてUEはIMS登録をATCFに設定しているので、rSRVCC-MSCがUEのコンテキスト情報を把握した後に、ATCF/ATGWとの間でIPアドレス及び/又はポート情報を交換するために、rSRVCC-MSCはSTN-SR情報に従って対応するATCF/ATGWを直接的にアドレス指定し、これによりATCF/ATGWと共に転送チャネルを設定する。
【0166】
ステップ611:rSRVCC-MSCはハンドオーバ応答メッセージをサービングMSCを介してRNS/BSSに返す。
【0167】
ステップ612:MMEは、ハンドオーバ応答メッセージをSGSNを介してRNS/BSSに送信する。
【0168】
更に、ステップ607において、MMEは、eNBがアクセスハンドオーバリソースをUEのために割り当てたことを把握した後に、ハンドオーバ応答メッセージをSGSNに返し、SGSNがハンドオーバ応答メッセージをRNS/BSSに転送し、アクセスハンドオーバリソースがUEのためにeNBで割り当てられたことをRNS/BSSに知らせる。
【0169】
ステップ613:RNS/BSSはハンドオーバコマンドをUEに送信する。
【0170】
ステップ614:UEはeNBにアクセスする。
【0171】
ステップ615:eNBはハンドオーバ完了メッセージをMMEに送信する。
【0172】
ステップ616:MMEはベアラ修正リクエストをATCF/ATGWに送信する。
【0173】
ステップ617:ATCF/ATGWはベアラ修正応答メッセージをMMEに返す。
【0174】
rSRVCC-MSC及びATCF/ATGWの間で行われるIPアドレス及び/又はポート情報の交換とUEのeNBへのアクセスとの双方が完了した後に、UE及びピアUEの間に新たな音声ベアラが設定される。UEからピアUEへ送信されるダウンリンク音声データは、ダウンリンク音声ベアラ経路(UE-eNB-SGW-PGW-ATGW-rSVCC MSC-ピアUE)を介してピアUEに送信され、ピアUEからUEへ送信されるアップリンク音声データは、リバースベアラ経路(ピアUE-rSVCC MSC-ATGW-PGW-SGW-eNB-UE)を介してUEに送信される。本方法によれば、アクセス切替手順が開始される前であっても或いはアクセス切替手順が完了していなかったとしても、UE及びピアUEは、音声サービスを中断させる必要なしに、ベアラ経路を介して音声データ通信を実行することができ、これにより音声サービスの優れた継続性を保証できる。更に、UEがPSドメインネットワークにアクセスしたことに基づいてベアラ経路が設定される。従って現在のUEに基づく音声サービスは優れた品質の音声サービスとなる。
【0175】
ステップ618:ATCF/ATGWはアクセス切替手順を開始する。
【0176】
ステップ619:アクセス切替手順が完了した後、転送チャネルに使用されていたリソースを解放又は解除する。
【0177】
ベアラ経路の設定が成功しかつUEがベアラ経路を介してピアUEと音声データ通信を実行できるようになった後、本実施の形態では、UE及びピアUE間の音声サービスをPSドメインネットワークに実際にハンドオーバするために、ATCF/ATGWはアクセス切替手順を開始してもよい。アクセス切替手順が完了した後、UEは、アクセス切替手順で設定された新たな音声ベアラ経路を利用することで、ピアUEとの間で音声データ通信を実行し、すなわちダウンリンク音声ベアラ経路(UE-eNB-SGW-PGW-ATGW-ピアUE)及びアップリンクベアラ経路(ピアUE-ATGW-PGW-SGW-eNB-UE)を介してピアUEとの間で音声サービスを実行する。この場合において、rSRVCC-MSCは、転送チャネルに使用されているリソースの解放又は解除を制御し、リバースSRVCCハンドオーバ手順を実際に完了させる。具体的なリソース解放手順はATCFにより開始される。
【0178】
リバース単一無線音声呼の継続処理を行う実施の形態によれば、UEがCSドメインネットワークからPSドメインネットワークへ音声サービスをハンドオーバする前に、UEがPSドメインネットワークで事前にIMS登録を実行しかつSIPセッション設定を開始し、PSドメインネットワークがベアラリソース情報をUEに事前に割り当てるようにする。CSドメインネットワークからPSドメインネットワークへUEが音声サービスをハンドオーバする手順において、MMEは、予約ベアラの情報を利用することで、CSドメインネットワークのrSRVCC-MSCとPSドメインネットワークのATGWとの間に音声データの転送チャネルを設定することを制御し、その情報はPSドメインネットワークがUEに事前に割り当てていたものである。この場合において、UEがCSドメインネットワークからPSドメインネットワークへの音声サービスハンドオーバを開始しかつPSドメインネットワークに速やかにアクセスした後、UEは、アクセス切替手順が終了するまで長時間の間待機する必要なしに、設定された転送チャネルを介してピアユーザ装置との間で音声データを速やかに送信することができる。これは、リバースSRVCCハンドオーバ手順における音声サービスの優れた継続性を保証する。更に、UEがPSドメインネットワークにアクセスしたことに基づいて転送チャネルが設定される。従って転送チャネルに基づいて実行される音声サービスは優れた品質の音声サービスとなる。
【0179】
図7は、リバース単一無線音声呼継続処理を行う本発明の第5の実施の形態による方法のシグナリングを示す。実施の形態によるリバースSRVCCハンドオーバ手順は、上記の実施の形態に関して説明した事前の登録手順及びシグナリングの送受信に基づいて実行される。しかしながら、実施の形態において、DTMモードもUMTSモードもサポートしていないUE及びATCF/ATGWであるPSドメインの第1のネットワーク要素は、UEが実行するリバースSRVCCハンドオーバの具体的な手順を説明するための具体例として使用されている。留意すべきことに、ATCF/ATGWである第1のネットワーク要素に関し、ATCF/ATGW及びrSRVCC-MSC間に転送チャネルを設定する手順は、MMEにより制御されてもよく、或いはrSRVCC-MSCがHSS内の関連情報を積極的に問い合わせることで終了してもよい。rSRVCC-MSCがHSS内の関連情報を積極的に問い合わせること実行される設定手順は、本実施の形態で詳細に説明される。更に、留意すべきことに、実際の応用例ではATCF及びATGWは通常一緒に配備されている。従って実施の形態において第1のネットワーク要素はATCF/ATGWとして説明され、他のネットワーク要素がATGWに送信したシグナリングメッセージはATCFによってATGWに転送される。
【0180】
図7を参照するに、本方法は以下のステップを含む。
【0181】
ステップ700:UEはPSドメインネットワークでIMS登録及びSIPセッション設定を行い、PSドメインネットワークがリソース情報をUEに割り当てるようにする。
【0182】
ステップ701:UEはCSドメインの音声呼を開始し、ピアUEと共にCSドメイン音声セッションを設定する 。
【0183】
この実施の形態では、DTMモードもUMTSモードもサポートしていないUEが説明の便宜上使用されている。従って、新たな音声サービスの登録が元々のCSドメインネットワークの音声サービスに影響を及ぼしてしまうことを回避するため、PSドメインネットワークでUEにより実行される事前登録手順は、通常のCSドメイン音声セッションを設定する手順の前に実行される必要がある。
【0184】
ステップ702:RNS/BSSはハンドオーバリクエストをサービングMSCに送信する。
【0185】
この実施の形態では、UEはDTMモードもUMTSモードもサポートしておらず、すなわちUEは1種類の音声ベアラしか処理しないことが仮定されている。従って、RNS/BSSがリバースSRVCCハンドオーバを開始する手順において、CSドメインの音声タイプのベアラのみがハンドオーバされる必要がある。従って、この段階でRNS/BSSはハンドオーバリクエストをサービングMSCのみに送信する必要がある。或いは、BSS/RNSは、ハンドオーバリクエストをサービングMSCに送信する場合に、リバースSRVCC指示情報をハンドオーバリクエストに含めてもよい。
【0186】
ステップ703:サービングMSCは、ハンドオーバリクエストをrSRVCC-MSCに転送する。
【0187】
ステップ704:rSRVCC-MSCはUEの識別子を含む識別子問合せリクエストをHSSに送信する。
【0188】
ステップ705:HSSがUEに対応するSGSNの識別子をrSRVCC-MSCに返す。
【0189】
実施の形態では、サービングMSCから転送されてきたハンドオーバリクエストを受信した後に、rSRVCC-MSCはUEの識別子を含む識別子問合せリクエストをHSSに送信し、MMEを介してSGSNの識別子を取得するのではなく、UEに対応するSGSNの識別子情報をデータベースHSSに直接問い合わせて取得する。識別子問合せリクエストメッセージは具体的にはロケーションアップデートリクエスト又は他のタイプのリクエストメッセージであってもよい。或いは、MMEからHSSに送信される識別子問合せリクエストメッセージは、rSRVCC指示情報を含み、現在のこの問合せはrSRVCCハンドオーバ処理に使用されることをHSSに通知してもよい。
【0190】
ステップ706:rSRVCC-MSCはハンドオーバリクエストを指定されたSGSNに転送する。
【0191】
ステップ707:SGSNは、UEのコンテキスト情報を含む応答メッセージをrSRVCC-MSCに返す。
【0192】
UEに対応するSGSNの識別子を取得した後、rSRVCC-MSCは対応するSGSNのアドレスを指定し、ハンドオーバリクエストをSGSNに転送し、ハンドオーバリクエストは、UEのコンテキスト情報を返すようにSGSNに指示する指示情報(命令)を含み、コンテキスト情報はUEがPSドメインネットワークで登録したSTN-SR情報及びCodeC情報を含む。
【0193】
ステップ708:SGSNはハンドオーバリクエストをMMEに転送する。
【0194】
ステップ709:MMEは、アクセスハンドオーバリソースをUEに割り当てるようにeNBに指示する。
【0195】
ステップ710:eNBはアクノリッジ情報をMMEに送信し、アクセスハンドオーバリソースの割り当てが完了したことを通知する。
【0196】
SGSNは、rSRVCC-MSCに応答メッセージを返すのと同時に、ハンドオーバリクエストメッセージをMMEに転送する。UEによるPSドメインネットワークへのアクセスが成功し、PSドメインネットワークにおけるアクセス処理を終了させるため、MMEは、アクセスハンドオーバリソースをUEのために準備又は用意するようにPSドメインネットワークのeNBに指示又は命令する。リソースの割り当てが完了した後に、eNBはアクノリッジメッセージをMMEに送信し、UEのために準備されたアクセスハンドオーバリソースの割り振りが終了したことを通知する。
【0197】
ステップ711:rSRVCC-MSCは、rSRVCC-MSCが割り当てた第2の情報を含むSIPメッセージをATCF/ATGWに送信する。
【0198】
ステップ712:ATCF/ATGWは、ATCF/ATGWが割り当てた第1の情報を含むSIP応答メッセージをrSRVCC-MSCに返す。
【0199】
更に、ステップ707の後に、rSRVCC-MSCはUEのコンテキスト情報を取得する。UEの事前登録処理においてUEはIMS登録をATCFに対して設定しているので、rSRVCC-MSCは、ATCF/ATGWとの間でIPアドレス及び/又はポート情報をやり取りするために、コンテキスト情報中のSTN-SR情報に従って、対応するATCF/ATGWのアドレスを直接的に指定し、これによりATCF/ATGWとの間に転送チャネルを設定してもよい。
【0200】
ステップ713:MMEはハンドオーバ応答メッセージをrSRVCC-MSCに送信する。
【0201】
ステップ714:rSRVCC-MSCはサービングMSCを介してハンドオーバ応答メッセージをRNS/BSSに返す。
【0202】
ステップ715:RNS/BSSはハンドオーバコマンドをUEに送信する。
【0203】
ステップ716:UEはeNBにアクセスする。
【0204】
ステップ717:eNBはハンドオーバ完了メッセージをMMEに送信する。
【0205】
rSRVCC-MSCがATCF/ATGWとの間でIPアドレス及び/又はポート情報をやり取りし、RNS/BSSがMGWから送信されたハンドオーバレスポンスメッセージを受信した後に、UEがPSドメインへできるだけ速やかにアクセスを完了できるようにするため、RNS/BSSはハンドオーバコマンドをUEに送信し、PSドメインネットワーク(E-UTRAN)へのアクセス手順を実行するようにUEに指示する。このように、eNBがUEに割り当てたアクセスハンドオーバリソースを用いることで、UEはeNBに適切にアクセスし、すなわちPSドメインネットワークにアクセスし、ネットワークアクセス手順を完了する。UEがeNBにアクセスする手順が終了した後に、eNBはハンドオーバ完了メッセージをMMEに送信し、PSドメインネットワークへのアクセスが完了したことをMMEに通知する。
【0206】
rSRVCC-MSC及びATCF/ATGWの間で行われるIPアドレス及び/又はポート情報の交換とUEのeNBへのアクセスとの双方が完了した後に、UE及びピアUEの間に新たな音声ベアラが設定される。UEからピアUEへ送信されるダウンリンク音声データは、ダウンリンク音声ベアラ経路(UE-eNB-SGW-PGW-ATGW-rSVCC MSC-ピアUE)を介してピアUEに送信され、ピアUEからUEへ送信されるアップリンク音声データは、リバースベアラ経路(ピアUE-rSVCC MSC-ATGW-PGW-SGW-eNB-UE)を介してUEに送信される。本方法によれば、アクセス切替手順が開始される前であっても或いはアクセス切替手順が完了していなかったとしても、UE及びピアUEは、音声サービスを中断させる必要なしに、ベアラ経路を介して音声データ通信を実行することができ、これにより音声サービスの優れた継続性を保証できる。更に、UEがPSドメインネットワークにアクセスしたことに基づいてベアラ経路が設定される。従って現在のUEに基づく音声サービスは優れた品質の音声サービスとなる。
【0207】
ステップ718:ATCF/ATGWはアクセス切替手順を開始する。
【0208】
ステップ719:アクセス切替手順が完了した後に、転送チャネルに使用されていたリソースを解放又は解除する。
【0209】
ベアラ経路の設定が成功しかつUEがベアラ経路を介してピアUEと音声データ通信を実行できるようになった後、本実施の形態では、UE及びピアUE間の音声サービスをPSドメインネットワークに実際にハンドオーバするために、ATCF/ATGWはアクセス切替手順を開始してもよい。UEはピアUEと通常の音声サービスを実行できることに基づいて、アクセス切替手順が実行される。従ってアクセス切替手順の進行速度はUEの音声サービスの継続性に影響しない。具体的にATCF/ATGWによりアクセス切替を開始する手順については図5を参照されたい。留意すべきことに、PSドメインネットワークでUEが実行する事前登録手順においてUEがIMS登録手順を実行していなかった場合、先ずATCF/ATGWがアクセス切替手順を開始する前に、UEはPSドメインネットワークでIMS登録手順を実行する必要がある。
【0210】
アクセス切替手順が完了した後、UEは、アクセス切替手順で設定された新たな音声ベアラ経路を利用することで、ピアUEとの間で音声データ通信を実行し、すなわちダウンリンク音声ベアラ経路(UE-eNB-SGW-PGW-ATGW-ピアUE)及びアップリンクベアラ経路(ピアUE-ATGW-PGW-SGW-eNB-UE)を介してピアUEとの間で音声サービスを実行する。この場合において、rSRVCC-MSCは、転送チャネルに使用されているリソースの解放又は解除を制御し、リバースSRVCCハンドオーバ手順を実際に完了させる。具体的なリソース解放手順はATCFにより開始される。
【0211】
更に、実施の形態において、更に留意すべきことに、PSドメインネットワークでの事前登録手順におけるステップ315においてUEがSCC-ASと共に予約VoIP音声ベアラを事前に設定していなかった場合、すなわちリバースSRVCCハンドオーバ手順の前にUEが予約VoIP音声ベアラを設定していなかった場合、実施の形態では、ステップ702においてRNS/BSSがハンドオーバリクエストをMSCに送信した後に、PSドメインネットワークにおけるコアネットワークが、PSドメインネットワークにおけるUEのVoIP音声ベアラの設定を積極的に促す。具体的には、VoIP音声ベアラを設定する手順は、SGSN、MSC、ATCF又はPSドメインネットワーク内の他のコアネットワーク要素により、ステップ702の直後に行われてもよい。
【0212】
リバース単一無線音声呼の継続処理を行う実施の形態によれば、UEがCSドメインネットワークからPSドメインネットワークへ音声サービスをハンドオーバする前に、UEがPSドメインネットワークで事前にIMS登録を実行しかつSIPセッション設定を開始し、PSドメインネットワークがベアラリソース情報をUEに事前に割り当てるようにする。CSドメインネットワークからPSドメインネットワークへUEが音声サービスをハンドオーバする手順において、音声データの転送チャネルは、予約ベアラの情報を利用することで及びCSドメインネットワークのrSRVCC-MSCがHSSの関連情報(PSドメインネットワークがUEのために事前に割り当てられている)を積極的に問い合わせることで、rSRVCC-MSC及びATGWの間に設定される。この場合において、UEがCSドメインネットワークからPSドメインネットワークへの音声サービスハンドオーバを開始しかつPSドメインネットワークに速やかにアクセスした後、UEは、アクセス切替手順が終了するまで長時間の間待機する必要なしに、設定された転送チャネルを介してピアユーザ装置との間で音声データを速やかに送信することができる。これは、リバースSRVCCハンドオーバ手順における音声サービスの優れた継続性を保証する。更に、UEがPSドメインネットワークにアクセスしたことに基づいて転送チャネルが設定される。従って転送チャネルに基づいて実行される音声サービスは優れた品質の音声サービスとなる。
【0213】
図8は、リバース単一無線音声呼継続処理を行う方法において、リバースSRVCCハンドオーバを開始する前に、ユーザ装置がIMS登録を実行しPSドメインでSIPセッションを設定する本発明の実施の形態による別のシグナリング手順を示す。実施の形態によるシグナリングを示す図では、DTMモード又はUMTSモードをサポートするUEとPGWであるPSドメインの第1のネットワーク要素とが、IMS登録手順及びSIPセッション設定をPSドメインネットワークで事前にUEにより実行される具体的な手順を説明するために一例として使用されている。図8に示されているように、実施の形態では、リバースSRVCCハンドオーバ手順を開始する前にPSドメインネットワークで登録手順及びSIPセッション設定をUEが実行する手順は、以下のステップを含む。
【0214】
ステップ800:UEはピアUEとの間でCSドメイン音声セッションを設定するためにCSドメインの音声呼を開始する。
【0215】
実施の形態では、DTMモード又はUMTSモードをサポートするUEが説明の便宜上使用されており、UEはCSドメイン音声ベアラとPSドメイン音声ベアラとを同時に処理することができる。従って、リバースSRVCCハンドオーバの前にPSドメインでUEにより開始されるIMS登録及びSIPセッション設定は、UEがCSドメインの音声呼を開始してピアUEとのCSドメイン音声セッションを設定することに基づいて実行されてもよい。
【0216】
具体的な実施の形態において、通常のCSセッション手順に従ってピアUEとのCSセッションの設定を完了した後に、PSドメインネットワークのUEがIMS登録及びSIPセッション設定を実行する手順は、具体的には2つの手順に分割される。第1の手順は、UEがSGSNに対してPSドメインネットワークの登録を実行することである。PSドメインネットワークにおける登録手順は以下のステップを含む。
【0217】
ステップ801:UEがアタッチリクエストをSGSNに送信する。
【0218】
ステップ802:SGSNがアタッチ応答をUEに返す。
【0219】
ステップ803:UEがプライマリPDPアクティベーションリクエストをSGSNに送信する。
【0220】
ステップ804:SGSNがプライマリPDPアクティベーション応答をUEに返す。
【0221】
ステップ805:UEがセカンダリPDPアクティベーションリクエストをSGSNに送信する。
【0222】
ステップ806:SGSNがセカンダリPDPアクティベーション応答をUEに返す。
【0223】
SGSNに対してUEがプライマリPDPアクティベーション手順を実行するステップ805及び806は選択的又はオプションである。具体的には、UEからSGSNに送信されるアタッチリクエストにおいて、UEは、PSドメインネットワークでデフォルトとして設定されているコーデックタイプ(CodeC)についての情報をアタッチリクエストに含めてもよい。CodeC情報に基づいて、SGSNはPSドメインネットワークにおいてUEでサポートされているコーデックタイプを把握できる。
【0224】
更に、代替的に、UEからSGSNに送信されるプライマリPDPアクティベーションリクエスト又はセカンダリPDPアクティベーションリクエストに、UEが指示情報を含め、その指示情報は、IPアドレス及び/又はポートに関する第1の情報をPSドメインネットワークのPGWから取得するようにSGSNに命令する。指示情報による命令の下で、SGSNは、UEがPSドメインネットワークで必要とするリソース情報をUEに割り当て、リソース情報をSGSNに返すようにPGWに指示し、第1の情報は以後のリバースSRVCCハンドオーバ手順で転送チャネルを設定するために使用される。留意すべきことに、第1の情報に関し、PGWがUEのために割り当てたポートについての情報は、リバースSRVCCハンドオーバにおいて転送チャネルを設定するために設定された汎用ポート(public port)を示してもよい。そのポートが個別汎用ポート(dedicated public port)であった場合、PGWがUEに割り当てたポートについての情報はMME又はrSRVCC-MSCに関して直接的に設定されてもよい。
【0225】
UEがSGSNに関してPSドメインネットワークにおける登録を完了した後に、UEは登録された情報に基づいてSCC-ASに関するIMS登録を実行する。IMS登録手順において、SCC-ASは固有のSTN-SR情報をUEに割り当てる。IMS登録手順が完了した後に、UEはSCC-ASに関してSIPセッション設定手順を開始してもよい。具体的には、SIPセッション設定手順は以下のステップを含む。
【0226】
ステップ807:UEがSIPセッションセットアップリクエストをSCC-ASに送信する。
【0227】
ステップ808:SCC-ASが、UEに割り当てられたリソース情報を含むSIP応答メッセージをUEに返す。
【0228】
UEがSGSNに関してPSドメイン登録を完了した後、UEはSCC-ASに対するSIPセッション設定手順を開始し、SCC-ASと共にSIPセッションを設定する手順により、PSドメインネットワークにおける予約されたSIPセッションコネクションを事前に設定する。具体的には、UEがSIPセッション設定リクエストを開始することは、ピアUEとのSIPセッションを実際に設定することを意図していない。UEがCSドメインネットワークからPSドメインネットワークへの音声サービスハンドオーバを開始する前は、事前に設定されたSIPセッションコネクションは事実上機能せず、PSドメインネットワークのコアネットワークで対応するリソースをUEに割り当てるためのみに使用され、如何なるデータも送信しない。しかしながら、UEが音声サービスのリバースSRVCCハンドオーバ手順を開始すると、UEは事前に割り当てられているリソースに基づいて音声サービスをPSドメインのVoIP音声に速やかにハンドオーバし、音声サービスに関する以後のアクセス切替手順を実行する。こうして、SIPセッションは以後のアクセス切替手順において一時的にVoIP音声ベアラを設定する処理を開始する必要はなく、これにより以後のアクセス切替手順を促進できる。
【0229】
従ってUEはUEからSCC-ASに送信するSIPセッションセットアップリクエストメッセージにリバースSRVCC指示情報を含め、リバースSRVCC指示情報は、現在設定されているSIPセッションが以後のリバースSRVCCハンドオーバ手順で使用されることをSCC-ASに通知し、これによりSIPセッションセットアップメッセージに従ってUEのためのSIPセッションを設定する際にSCC-ASはピアUEとの実際の音声呼を開始する必要はないことを示し、更に、たとえ長期間の間予約されたSIPセッションコネクションで如何なるデータも送信されなかったとしても、UEのリソース情報を解放又は解除する手順を積極的に起動する必要は無いことを通知する。実際の応用例では、SCC-ASに送信するSIPセッションセットアップリクエストメッセージにリバースSRVCC指示情報をUEが含める手順は、具体的には以下の2つの手順により実行されてもよい:UEが例えばrSRVCC指示情報のようなSIPセッションセットアップリクエストに一部の指示情報を含める;或いはUEがSCC-ASに送信されたSIPセッションセットアップリクエストに特定の被呼番号(special called number)を含め、被呼番号を含むSIPセッションセットアップリクエストを受信した場合に、そのSIPセッションがリバースSRVCCハンドオーバで使用されることをSCC-ASが把握できるようにする。
【0230】
更に、好ましくは、UEがSIPセッションセットアップリクエストをSGSNを介してSCC-ASに送信する手順において、UEは別の部分の指示情報をSGSNに送信すると共に、最終的にはリバースSRVCC指示情報をSCC-ASに送信してもよい。SIPセッションがPSドメインネットワークでUEのために設定された後にSGSNはRAB設定手順を開始しないことを通知するために、指示情報が使用されてもよい。リバースSRVCCハンドオーバ手順の前に、UEのためのSIPセッションコネクションを設定する実際の機能は、以後のリバースSRVCCハンドオーバ手順を準備する。リバースSRVCCハンドオーバ手順が実行される前に、SIPセッションコネクションはUEの如何なる音声データも送信しない。従って実際にはSGSNは実際のRAB設定手順を開始する必要はなく、これによりリソースの無駄を回避できる。具体的には、指示情報をSGSNに送信するUEのための方法については、上記の実施の形態を参照されたい。ここでは更なる説明は行わない。
【0231】
更に、留意すべきことに、SGSNへのアタッチの手順において或いはそのステップでUE及びSCC-ASによるSIPセッションを設定するシグナリング送受信の手順において、UEがPSドメインネットワークにおいてサポートされているCodeC情報をSGSNに報告していなかった場合、UEは、SCC-ASと共に、PSドメインネットワークにおけるUEのCodeC情報を交渉又はネゴシエーションにより決定してもよい。ネゴシエーションが成功すると、SCC-ASは交渉で決まったCodeC情報をSIP応答メッセージに含め、そのSIP応答メッセージをUEに返す。更に、例えばPSドメインネットワークにおけるUEのサービス送信の宛先アドレスを識別するための情報も、シグナリング送受信手順でUE及びSCC-ASによりネゴシエーションにより決定されてもよく、決定されたIPアドレス情報はSCC-ACによりSIP応答メッセージに含められ、CodeC情報と共にUEに返される。
【0232】
ステップ809:UEはPSドメインネットワークで予約VoIP音声ベアラを設定する。
【0233】
更に、UEがSCC-ASに関してSIPセッションを設定した後、UEはPSドメインネットワークにおいてUEのVoIPサービスを担うための予約VoIPサービスベアラをSCC-ASととおmに事前に設定してもよい。すなわち、VoIP音声サービスに使用される予約ベアラについての情報が、PSドメインネットワークのコアネットワーク要素においてUEに割り当てられる。事前に設定された予約VoIP音声ベアラは、以後のリバースSRVCCハンドオーバ手順で使用されかつハンドオーバの前は停止状態(suspended state)になっている。停止状態のVoIP音声ベアラを事前に設定することで、UEがリバースSRVCCハンドオーバ手順を実際に開始する際にUEがVoIP音声ベアラをその時点で暫定的に設定する必要はなく、これによりPSドメインネットワークへの音声サービスハンドオーバを促すことができる。
【0234】
更に、留意すべきことに、実施の形態においてUEがPSドメインネットワークにおいて登録を実行する際に、UEがDTMモードをサポートしていなかった場合、すなわちUEの音声サービスは同時にCSドメイン及びPSドメインでは処理できない場合、先行する手順において、UEがCSドメインネットワークでCS止めインサービスセッションを設定する前に、PSドメインにおいてUEにより実行されるIMS登録が完了している必要がある。すなわち、先ず必要なリソースがPSドメインネットワークでUEに割り当てられ、次にUEがCSドメインネットワークで通常の音声セッションを設定する。音声サービスはCSドメインネットワークで処理され、新たな音声セッションの登録が元々のCSドメインネットワークの音声サービスに影響してしまう状況を回避できる。
【0235】
図9は、リバース単一無線音声呼継続処理を行う本発明の第6の実施の形態による方法のシグナリングを示す。実施の形態では、DTMモード又はUMTSモードをサポートするUE及びPGWであるPSドメインの第1のネットワーク要素が、UEにより実行されるリバースSRVCCハンドオーバの具体的な手順を説明するための一例として使用されている。図9に示すように、本方法は以下のステップを含む。
【0236】
ステップ900:UEはピアUEと共にCSドメイン音声セッションを設定するためにCSドメインの音声呼を開始する。
【0237】
ステップ901:UEはPSドメインネットワークでIMS登録を実行してSIPセッションを設定し、PSドメインネットワークがリソース情報をUEに割り当てることができるようにする。
【0238】
上記のステップの具体的な手順については、上記のシグナリングに関する具体的な説明を参照されたい。リバースSRVCCハンドオーバを実行する前に、UEはPSドメインネットワークで事前にSIPセッションコネクションの登録及び設定を行い、PSドメインネットワークが予約リソース情報をUEに事前に割り当てることができるようにする。更に、事前に割りあてられるリソース情報に基づいて、UEはPSドメインネットワークの予約VoIP音声ベアラを音声サービスのために事前に割り当ててもよい。
【0239】
ステップ902:RNS/BSSはサービングMSC及びSGSNに同時にハンドオーバリクエストを送信する。
【0240】
実施の形態では、UEはDTMモード又はUMTSモードをサポートしており、2つのタイプの音声ベアラを同時に処理できることが仮定されている。従って、RNS/BSSがリバースSRVCCハンドオーバを開始する手順において、RNS/BSSは2つのタイプのベアラを同時にハンドオーバする必要があり、具体的にはCS音声サービス及びPS音声サービスのハンドオーバが同時に実行されることを要する。従ってこの段階でRNS/BSSはMSC及びSGSNに同時にハンドオーバリクエストを送信する必要がある。留意すべきことに、実施の形態において、この段階でUEがDTMモードをサポートしていなかった場合、RNS/BSSはハンドオーバリクエストをMSCに送信することしか要しない。
【0241】
ステップ903:サービングMSCはハンドオーバリクエストをrSRVCC-MSCに送信する。
【0242】
ステップ904:rSRVCC-MSCはUEのために第2の情報を割り当て、その第2の情報部分はハンドオーバリクエストに含まれてMMEに転送される。
【0243】
実施の形態において、RNS/BSSのハンドオーバリクエストを受信した後に、サービングMSCは、ハンドオーバリクエストをrSRVCC-MSCに転送し、IPアドレス及び/又はポートに関する第2の情報をUEに割り当てるようにrSRVCC-MSCに指示する。こうして、rSRVCC-MSCは、ハンドオーバリクエストにより、UEはこの時点で音声サービスをPSドメインネットワークにハンドオーバする必要があることを把握する。従ってrSRVCC-MSCはハンドオーバリクエストに応答して、IPアドレス及び/又はポート情報をUEに割り当て、IPアドレス及び/又はポートに関する割り当てた第2の情報をハンドオーバリクエストに含め、そのハンドオーバリクエストをMMEに転送する。
【0244】
ステップ905:先ずSGSNはPGWにより事前に割りあてられた第1の情報部分とUEのコンテキスト情報とをハンドオーバリクエスト煮含め、そのハンドオーバリクエストをMMEに転送する。
【0245】
RNS/RSSのハンドオーバリクエストを受信した後に、SGSNはハンドオーバリクエストをMMEに転送する。更に、SGSNは、ハンドオーバリクエストの中に、第1のネットワーク要素PGWから取得したIPアドレス及び/又はポートの第1の情報と、PSドメインネットワークでUEにより事前に実行されるIMS登録手順でUEがPSドメインネットワークで登録したコンテキスト情報(例えば、STN-SR及びCodeC情報)とを含め、そのハンドオーバリクエストをMMEに転送する。
【0246】
留意すべきことに、実施の形態において、この段階でUEがDTMモードもUMTSモードモードもサポートしていなかった場合において、RNS/BSSから送信されたハンドオーバリクエストを受信していなかった場合、SGSNは第1の情報及びUEのコンテキスト情報をMMEに積極的に送信できない。この場合、MMEはUEの識別子を含むロケーションアップデートリクエストメッセージ又は他のリクエストメッセージをHSSに送信し、SGSNから上記の情報を取得するようにする。こうして、HSSはロケーションアップデートリクエストメッセージ内のUEの識別子に対応するSGSNの識別子を見出し、そのSGSNの識別子をMMEに返すことができる。従ってMMEは対応するSGSNからUEのコンテキスト情報及び第1の情報を取得できる。
【0247】
ステップ906:MMEはアクセスハンドオーバリソースをUEに割り当てるようにeNBに指示する。
【0248】
ステップ907:eNBはアクノリッジ情報をMMEに送信し、アクセスハンドオーバリソースの割り当てが完了したことを知らせる。
【0249】
この状況において、UEがPSドメインネットワークにアクセスできるようにしかつPSドメインネットワークにおけるアクセス手順を完了させるために、MMEはアクセスハンドオーバリソースをUEに割り当てるようにPSドメインネットワークのeNBに指示してもよい。リソースの割り当てが完了した後に、eNBはアクノリッジメッセージをMMEに送信し、UEのために準備されるアクセスハンドオーバリソースの割り当てが完了したことを知らせる。
【0250】
ステップ908:MMEはハンドオーバ応答メッセージをrSRVCC-MSCに送信し、そのハンドオーバ応答メッセージは、PGWが割り当てた第1の情報とUEのコンテキスト情報とを含む。
【0251】
アクセスハンドオーバリソースをUEに割り当てることをeNBが完了したと判定された後、MMEはハンドオーバ応答メッセージをMGWに返し、ハンドオーバ応答メッセージは、PGWが転送チャネル用に割り当てた第1のベアラ情報と、ステップ905でSGSNが首都kした事前登録手順でUEがPSドメインネットワークで登録したCodeC情報とを含み、PGWにより割り当てられた第1の情報を第2のネットワークリソースrSRVCC-MSCに転送し、これは第1のネットワーク要素PGWのIPアドレス及び/又はポート情報をrSRVCC-MSCに通知することに等しい。この場合において、ピアUEからUEへ送信されたアップリンク音声データを受信した場合に、SRVCC-MSCはIPアドレス情報及び/又はポート情報に従ってアップリンク音声データを第1のネットワーク要素PGWに正確に送信し、アップリンク音声データがUEに送信されるようにする。更に、rSRVCC-MSCは、UEのアップリンク音声データをPGWに転送する前に、PSドメインネットワークでUEにより登録されたCodeC情報に基づいて、アップリンク音声データについて対応するエンコード処理を実行し、その後にエンコード後のアップリンク音声データをUEに転送する。
【0252】
ステップ909:rSRVCC-MSCはサービングMSを介してハンドオーバ応答メッセージをRNS/BSSに返す。
【0253】
MMEから送信されたハンドオーバ応答メッセージを受信した後、rSRVCC-MSCはメッセージに含まれていたベアラ情報を保存し、更にrSRVCC-MSCはサービングMSCを介してハンドオー応答メッセージをRSS/BSSに転送し、PSドメインへのCS音声ハンドオーバを完了する。
【0254】
ステップ910:MMEはSGSNを介してハンドオーバ応答メッセージをRNS/BSSに返す。
【0255】
更に、ステップ407において、MMEは、eNBがアクセスハンドオーバリソースをUEのために割り当てたことを把握した後に、ハンドオーバ応答メッセージをSGSNに返し、SGSNがハンドオーバ応答メッセージをRNS/BSSに転送し、アクセスハンドオーバリソースがUEのためにeNBで割り当てられたことをRNS/BSSに知らせる。
【0256】
ステップ911:RNS/BSSはハンドオーバコマンドをUEに送信する。
【0257】
ステップ912:UEはeNBにアクセスする。
【0258】
ステップ913:eNBはハンドオーバ完了メッセージをMMEに送信する。
【0259】
ハンドオーバ応答メッセージを受信した後に、RNS/BSSはハンドオーバコマンドをUEに送信し、PSドメインネットワークに対するアクセス処理を実行するようにUEに指示する。この場合、eNBがUEに割り当てたアクセスハンドオーバリソースを利用することで、UEはeNBへ適切にアクセスし、すなわちPSドメインにアクセスし、ネットワークアクセス手順を完了できる。UEのeNBへのアクセス手順が完了した後に、eNBはハンドオーバ完了メッセージをMMEに送信し、PSドメインネットワークへのアクセスが完了したことをMMEに通知する。
【0260】
ステップ914:MMEは、rSRVCC-MSCがUEに割り当てた第2の情報を含むベアラ修正リクエストをPGWに送信する。
【0261】
ステップ915:PGWはベアラ修正応答メッセージをMMEに返す。
【0262】
ハンドオーバ完了メッセージを受信した後に、MMEはPSドメインネットワークにおける第1のネットワーク要素PGWにベアラ修正リクエストを送信し、ベアラ修正リクエストはステップ904で第2のネットワーク要素rSRVCC-MSCから取得した第2の情報を含み、MMEは、rSRVCC-MSCを示すUEの音声サービス用のベアラ経路をPGWに関して設定し、rSRVCC-MSCによりUEに割り当てられたIPアドレス及び/又はポート情報をPGWに転送する。このように、PGWは、本来はピアUEを指す音声ベアラがrSRVCC-MSCを指すようにし、これによりPGW及びrSRVCC-MSC間に転送チャネルを設定する。従って、UEからピアUEへ送信されたダウンリンク音声データをeNBを介して受信した場合に、PGWは、そのダウンリンク音声データをrSRVCC-MSCに正確に転送することができ、UEのVoIP音声ベアラについてrSRVCC-MSCが割り当てたIPアドレス及び/又はポート情報に従ってピアUEに送信することができる。更に、PSドメインネットワークでUEにより登録されかつステップ908でrSRVCC-MSCにより取得されたCodeC情報に基づいて、PGWから転送されたUEのダウンリンク音声データを受信した後に、rSRVCC-MSCは、ダウンリンk右音声データをピアUEに送信する前にダウンリンク音声データに関して対応するデコード処理を実行し、その後にデコードされたダウンリンク音声データをピアUEに転送することができる。
【0263】
これにより、UE及びピアUEの間に新たな音声ベアラ経路が設定される。UEからピアUEへ送信されるダウンリンク音声データは、ダウンリンク音声ベアラ経路(UE-eNB-SGW-PGW-rSVCC MSC-サービングMSC-ピアUE)を介してピアUEに送信され、ピアUEからUEへ送信されるアップリンク音声データは、リバースベアラ経路(ピアUE-サービングMSC-rSVCC MSC-PGW-SGW-eNB-UE)を介してUEに送信される(これらは図9においてステップ915の下側で破線で示されている)。本方法によれば、アクセス切替手順が開始される前であっても或いはアクセス切替手順が完了していなかったとしても、UE及びピアUEは、音声サービスを中断させる必要なしに、ベアラ経路を介して音声データ通信を実行することができ、これにより音声サービスの優れた継続性を保証できる。更に、UEがPSドメインネットワークにアクセスしたことに基づいてベアラ経路が設定される。従って現在のUEに基づく音声サービスは優れた品質の音声サービスとなる。
【0264】
更に、留意すべきことに、UEは2つのタイプ又は種類に分類できる:DTMモード又はUMTSモードをサポートしているタイプ又は種類と、DTMモードもUMTSモードもサポートしていないタイプ又は種類である。DTMモード又はUMTSモードをサポートしているUEが実施の形態におけるリバースSRVCCハンドオーバ手順を説明するために使用されているが、UEがDTMモードもUMTSモードもサポートしていない場合と、UEがDTMモードをサポートしている場合との相違は次のような点にあることが理解されるべきである。
【0265】
UEがDTMモードもUMTSモードもサポートしていない場合、ハンドオーバ前にPSドメインネットワークでUEにより実行されるIMS登録手順は、UEがCSドメインネットワークでピアUEと共にCSドメイン音声セッションを設定する前に完了している必要があり、リバースSRVCCハンドオーバ手順では、UEは同時に2つのタイプの音声ベアラを処理できないので、ステップ902において、RNS/BSSは、ハンドオーバリクエストをサービングMSCに送信するだけでよく、ハンドオーバリクエストをSGSN及びサービングMSCに同時に送信する必要はない。この場合において、SGSNはRNS/BSSが送信したハンドオーバリクエストを受信してないので、SGSNは、UEがPSドメインネットワークで登録したコンテキスト情報とPGWが割り当てた第1の情報とをハンドオーバリクエストに含めてそのハンドオーバリクエストをMMEに転送することができない。この場合、MMEはロケーションアップデートリクエストメッセージ又は他のリクエストメッセージをHSSに送信し、そのロケーションアップデートリクエストメッセージを用いることで、例えば第1の情報のような情報を含むSGSNの情報をHSSから取得し、これによりPGWが割り当てた第1の情報とUEがPSドメインネットワークで割り当てたコンテキスト情報とを対応するSGSNから積極的に取得する。
【0266】
ステップ916:UEはドメイン切替手順を開始する。
【0267】
ステップ917:アクセス切替手順が完了した後に、転送チャネルに使用されていたリソースを解放又は解除する。
【0268】
ベアラ経路の設定が成功しかつUEがベアラ経路を介してピアUEと音声データ通信を実行できるようになった後、本実施の形態では、UE及びピアUE間の音声サービスをPSドメインネットワークに実際にハンドオーバするために、UEはアクセス切替手順を開始してもよい。アクセス切替手順は、UEがピアUEと通常のVoIP音声サービスを実行できることに基づいて実行される。従ってアクセス切替手順の進行速度はUEの音声サービスの継続性に影響しない。留意すべきことに、UEがPSドメインネットワークでの事前登録手順においてUEがIMS登録手順を実行していなかった場合、先ずUEがアクセス切替手順を開始する前にPSドメインネットワークにおけるIMS登録を実行する必要がある。
【0269】
アクセス切替手順が完了した後、UEは、アクセス切替手順で設定された新たな音声ベアラ経路を利用することで、ピアUEとの間で音声データ通信を実行し、すなわちダウンリンク音声ベアラ経路(UE-eNB-SGW-PGW-ピアUE)及びアップリンクベアラ経路(ピアUE-PGW-SGW-eNB-UE)を介してピアUEとの間で音声サービスを実行する(図9ではステップ916より下側の破線で示されている)。この場合において、SCC-ASは、転送チャネルに使用されているリソースの解放又は解除を制御し、リバースSRVCCハンドオーバ手順を実際に完了させる。具体的なリソース解放手順はインターワーキングソリューション機能部(Interworking Solution Function:IWS)により開始される。IWSはMSCを介してリソース解放指示情報をMMEに送信し、MMEがVoIPベアラの全てのリソースを管理できるようにする。
【0270】
リバース単一無線音声呼の継続処理を行う実施の形態によれば、UEがCSドメインネットワークからPSドメインネットワークへ音声サービスをハンドオーバする前に、UEがPSドメインネットワークで事前にIMS登録を実行しかつSIPセッション設定を開始し、PSドメインネットワークがベアラリソース情報をUEに事前に割り当てるようにする。CSドメインネットワークからPSドメインネットワークへUEが音声サービスをハンドオーバする手順において、MMEは、PSドメインネットワークがUEに事前に割り当てていた予約ベアラの情報を利用することで、rSRVCC-MSCとPGWとの間に音声データの転送チャネルを設定することを制御する。この場合において、UEがCSドメインネットワークからPSドメインネットワークへの音声サービスハンドオーバを開始しかつPSドメインネットワークに速やかにアクセスした後、UEは、アクセス切替手順が終了するまで長時間の間待機する必要なしに、設定された転送チャネルを介してピアユーザ装置との間で音声データを速やかに送信することができる。これは、リバースSRVCCハンドオーバ手順における音声サービスの優れた継続性を保証する。更に、UEがPSドメインネットワークへのアクセスを完了したことに基づいて転送チャネルが設定される。従って転送チャネルに基づいて実行される音声サービスは優れた品質の音声サービスとなる。
【0271】
実施の形態による方法のステップの全部又は一部が、関連するハードウェアを命令するプログラムによって実現されてもよいことを、当業者は理解すべきである。プログラムはコンピュータが読み取ることの可能な記憶媒体に保存される。プログラムが実行されると、実施の形態による方法の手順が実行される。記憶媒体は、ROM、RAM、磁気ディスク又は光ディスクのようなプログラムコードを格納する任意の媒体であってもよい。
【0272】
図10は、本発明の第1の実施の形態によるユーザ装置の概略的な構造を示す。図10に示されているように、この実施の形態によるユーザ装置は少なくともリソース情報処理モジュール11を含んでいる。具体的には、リソース情報処理モジュール11は、ユーザ装置が音声サービスをCSドメインネットワークからPSドメインネットワークへハンドオーバする前に、PSドメインネットワークにおいて、音声サービスハンドオーバに必要なリソース情報を事前に設定するように構築されており、リソース情報は、ユーザ装置が音声サービスをCSドメインネットワークからPSドメインネットワークへハンドオーバする手順で使用される。具体的には、その事前に設定されたリソース情報を用いることで、PSドメインネットワークの第1のネットワーク要素とCSドメインネットワークの第2のネットワーク要素との間に転送チャネルを設定することができ、転送チャネルは、ユーザ装置がPSドメインネットワークにアクセスした後に、ユーザ装置とピアユーザ装置との間で音声サービスデータを転送するように形成される。
【0273】
具体的に言えば、実施の形態における全てのモジュールの具体的な処理は、リバース単一無線音声呼継続処理方法に関する実施の形態で説明された処理である。従って更なる説明は行わない。
【0274】
実施の形態におけるユーザ装置が音声サービスをCSドメインネットワークからPSドメインネットワークへハンドオーバする前に、ベアラリソースについての情報がPSドメインネットワークでUEに事前に割り当てられる。これにより、音声サービスをCSドメインネットワークからPSドメインネットワークへハンドオーバする手順において、PSドメインネットワークでユーザに事前に割り当てられた予約ベアラ情報を用いることで、CSドメインネットワーク及びPSドメインネットワーク間に音声データの転送チャネルが事前に設定される。こうして、UEがCSドメインネットワークからPSドメインネットワークへ音声サービスハンドオーバを実際に開始しかつPSドメインネットワークに迅速にアクセスした後に、UEは、アクセス切替手順が完了するまで長時間にわたって待機することなく、転送チャネルを通じてピアユーザ装置との間で音声データを速やかに通信することができる。これは、リバースSRVCCハンドオーバ手順における音声サービスの優れた継続性を保証する。更に、UEがPSドメインネットワークへのアクセスを完了したことに基づいて転送チャネルが設定される。従って転送チャネルに基づいて実行される音声サービスは優れた品質の音声サービスとなる。
【0275】
図11は、本発明の第2の実施の形態によるユーザ装置の概略的な構造を示す。具体的には、この実施形態におけるPSドメインネットワークの第1のネットワーク要素は具体的にはPGW又はATGWであり、CSドメインネットワークの第2のネットワーク要素は具体的にはrSRVCC-MSCであってもよい。
【0276】
図11に示されているように、上記の実施の形態に基づいて、本実施の形態のユーザ装置におけるリソース情報処理モジュールは具体的にはIMS登録部及びSIPセッション設定部112を含む。IMS登録部は、ユーザ装置が音声サービスをCSドメインネットワークからPSドメインネットワークへハンドオーバする前に、PSドメインネットワークでIMS登録を実行し;SIPセッション設定部112は、ユーザ装置が音声サービスをCSドメインネットワークからPSドメインネットワークへハンドオーバする前に、PSドメインネットワークでSIPセッションを設定する。
【0277】
具体的には、SIPセッション設定部112は第1の通知サブユニット1121を更に含み、第1の通知ユニット1121はSIPセッション設定部112で実行されるSIPセッション設定手順においてrSRVCC指示情報をSCC-ASに送信するように構築されており、rSRVCC指示情報は、現在設定されているSIPセッションがリバースSRVCCサービスハンドオーバで使用されることをSCC-ASに通知するのに使用されるので、従ってSCC-ASはピアユーザ装置に対する音声呼を開始する必要はなく、事前に設定されたリソース情報を解放又は解除する手順を積極的に起動する必要もない。
【0278】
更に、代替的に、実施の形態によるユーザ装置の場合、IMS登録部111は第2の通知サブユニット1111を更に含み、第2の通知サブユニット1111は、IMS登録モジュール111により実行されるIMS登録手順において指示情報をSGSNに送信するように構築され、その指示情報は、ユーザ装置がCSドメインネットワークからPSドメインネットワークへの音声サービスハンドオーバを開始する前に、SGSNはRAB設定手順を開始する必要はないことを通知するのに使用される。
【0279】
更にこの実施の形態の場合ユーザ装置はVoIP音声ベアラ設定モジュール12を有し、VoIP音声ベアラ設定モジュール12は、SIPセッション設定部112がSIPセッション設定手順を実行した後であってユーザ装置がCSドメインネットワークからPSドメインネットワークへの音声サービスハンドオーバを開始する前に、PSドメインネットワークにおいて、音声サービスハンドオーバのために予約VoIP音声ベラを事前に設定する;或いはVoIP音声ベアラ設定モジュール12は、ユーザ装置がCSドメインネットワークからPSドメインネットワークへの音声サービスハンドオーバを開始した後に、PSドメインネットワークで音声サービスハンドオーバのためにVoIP音声ベラを設定する。
【0280】
具体的に言えば、実施の形態における全てのモジュールの具体的な処理手順については、リバース単一無線音声呼継続処理方法に関する実施の形態で説明された内容を参照されたい。従って更なる説明は行わない。
【0281】
実施の形態によるユーザ装置は、CSドメインネットワークからPSドメインネットワークへ音声サービスをハンドオーバする前にPSドメインネットワークで事前にIMS登録を実行し、PSドメインネットワークがベアラリソースをUEに割り当てることができるようにする。CSドメインネットワークからPSドメインネットワークへ音声サービスをハンドオーバする手順において、PSドメインネットワークがUEに事前に割り当てた予約ベアラ情報を利用することで、CSメインネットワーク及びPSドメインネットワークの間に転送チャネルが事前に設定される。このように、UEが、CSドメインネットワークからPSドメインネットワークへの音声サービスハンドオーバを開始しかつPSドメインネットワークに迅速にアクセスした後に、UEは、アクセス切替手順が完了するまで長時間待機することなく、転送チャネルを介してピアユーザ装置との間で音声データを速やかに通信することができる。これは、リバースSRVCCハンドオーバ手順における音声サービスの優れた継続性を保証する。更に、UEがPSドメインネットワークへのアクセスを完了したことに基づいて転送チャネルが設定される。従って転送チャネルに基づいて実行される音声サービスは優れた品質の音声サービスとなる。
【0282】
図12は、本発明の第1の実施の形態における移動管理装置(MME)の概略的な構造を示す。図12に示されているように、実施の形態による移動管理装置は、受信モジュール21及び転送チャネル設定モジュール22という少なくとも2つのモジュールを有する。受信モジュール21はハンドオーバリクエストを受信し、ハンドオーバリクエストはCSドメインネットワークからPSドメインネットワークへの音声サービスのハンドオーバを要求するのに使用される。転送チャネル設定モジュール22は、UEが音声サービスをCSドメインネットワークからPSドメインネットワークへハンドオーバする手順において、音声サービスハンドオーバに必要なリソース情報を利用することで、PSネットワークの第1のネットワーク要素とCSネットワークの第2のネットワーク要素との間に転送チャネルを設定することを制御し、そのリソース情報はPSドメインネットワークでUEが事前に設定したものである。具体的には、転送チャネル設定モジュール22の制御の下で設定された転送チャネルは、UEがPSドメインネットワークにアクセスした後に音声サービスデータを転送する。
【0283】
具体的に言えば、実施の形態における全てのモジュールの具体的な処理手順については、リバース単一無線音声呼継続処理方法に関する実施の形態で説明された内容を参照されたい。従って更なる説明は行わない。
【0284】
実施の形態による移動管理装置は、CSドメインネットワークからPSドメインネットワークへUEが音声サービスをハンドオーバする手順において、音声サービスをCSドメインからPSドメインへハンドオーバする前に、PSドメインネットワークでUEが事前に設定したリソース情報を利用することで、CSドメインネットワーク及びPSドメインネットワークの間で音声データの転送チャネルを設定することを制御する。こうして、UEがCSドメインネットワークからPSドメインネットワークへの音声サービスハンドオーバを開始しかつPSドメインネットワークに速やかにアクセスした後に、UEは、アクセス切替手順が完了するまで長時間の間待機する必要なしに、転送チャネルを介してピアユーザ装置との間で音声データを速やかに通信できる。これは、リバースSRVCCハンドオーバ手順における音声サービスの優れた継続性を保証する。更に、UEがPSドメインネットワークへのアクセスを完了したことに基づいて転送チャネルが設定される。従って転送チャネルに基づいて実行される音声サービスは優れた品質の音声サービスとなる。
【0285】
図13は、本発明の第2の実施の形態における移動管理装置(MME)の概略的な構造を示す。具体的には、この実施形態におけるPSドメインネットワークの第1のネットワーク要素は具体的にはPGW又はATGWであり、CSドメインネットワークの第2のネットワーク要素は具体的にはrSRVCC-MSCであってもよい。IMS登録手順及びSIPセッション設定手順を用いてPSドメインネットワークでUEが事前に設定したリソース情報は、少なくとも、PSドメインネットワークでUEが事前に設定したコンテキスト情報(少なくとも、STN-SR情報を含む)を含んでもよい。
【0286】
この場合において、第1のネットワーク要素がATGWであり、UEがDTMモード又はUMTSモードをサポートしていたとすると、転送チャネル設定モジュール22は具体的にはリクエスト受信部221及び情報転送部222という2つのサブユニットを更に含んでもよい。リクエスト受信部221は、SGSNが転送したハンドオーバリクエストを受信し、ハンドオーバリクエストはUEが事前に登録したコンテキスト情報を含む。情報転送部222は、rSRVCC-MSCがUEのSTN-SR情報に従って対応するATGWをアドレス指定できるように、コンテキスト情報をrSRVCC-MSCに転送し、対応するATGWと共に転送チャネルを設定する。
【0287】
更に、第1のネットワーク要素がATGWであり、UEがDTMモードもUMTSモードもサポートしていなかった場合、転送チャネル設定モジュール22は具体的には識別子問合せ部223、情報取得部224及びリクエスト応答部225という3つのサブユニットを含んでもよい。具体的には、識別子問合せ部223は、rSRVCC-MSCから転送され受信したハンドオーバリクエストに従って、UEに対応するSGSNの識別子をHSSの中で探索し又は問合せる。情報取得部224は、指定されたSGSNから及び識別子問合せ部223で発見されたSGSNの識別子に従って、UEが事前に登録したコンテキスト情報を取得する。リクエスト応答部225は、情報取得部224が取得したコンテキスト情報内のSTN-SR情報をハンドオーバ応答メッセージに含め、rSRVCC-MSCがSTN-SR情報に従って対応するATGWをアドレス指定できるようにハンドオーバ応答メッセージをrSRVCC-MSCに返し、対応するATGWと共に転送チャネルを設定する。
【0288】
更に、第1のネットワーク要素がPGWであった場合、実施の形態では、転送チャネル設定モジュール22は、具体的には情報取得転送部226を含む。情報取得転送部226は、PGW及びrSRVCC-MSCからそれぞれ、PWG及びrSRVCC-MSCがUEに割り当てたIPアドレス及び/又はポート情報を取得し、転送チャネルがPGW及びrSRVCC-MSCの間で設定されるように、取得したIPアドレス及び/又はポート情報がPGW及びrSRVCC-MSCの間で送受信できるようにする。
【0289】
具体的に言えば、実施の形態における全てのモジュールの具体的な処理手順については、リバース単一無線音声呼継続処理方法に関する実施の形態で説明された内容を参照されたい。従って更なる説明は行わない。
【0290】
移動管理装置は、UEが音声サービスをCSドメインネットワークからPSドメインネットワークへハンドオーバする手順において、UEにより設定されたリソース情報を利用することでCSドメインネットワーク及びPSドメインネットワークの間に音声データの転送チャネルを設定する処理を制御し、そのUEは音声サービスをCSドメインネットワークからPSドメインネットワークへハンドオーバする前にPSドメインネットワークでIMS登録手順を実行している。このように、UEがCSドメインネットワークからPSドメインネットワークへの音声サービスハンドオーバを開始しかつPSドメインネットワークに速やかにアクセスした後に、UEは、アクセス切替手順が完了する前に長時間待機する必要なしに、転送チャネルを介してピアユーザ装置との間で音声データを速やかに通信することができる。これは、リバースSRVCCハンドオーバ手順における音声サービスの優れた継続性を保証する。更に、UEがPSドメインネットワークへのアクセスを完了したことに基づいて転送チャネルが設定される。従って転送チャネルに基づいて実行される音声サービスは優れた品質の音声サービスとなる。
【0291】
図14は、本発明の実施の形態によりリバース単一無線音声呼継続処理を行うシステムの概略的な構造を示す。図14に示されているように、実施の形態によりリバース単一無線音声呼継続処理方法を実行するシステムは、少なくとも、ユーザ装置1、第1のネットワーク要素2及び第2のネットワーク要素3を含む。
【0292】
具体的には、ユーザ装置1は、CSドメインネットワークからPSドメインネットワークへ音声サービスをハンドオーバする前に、PSドメインネットワークにおいてリソースについての情報を事前に設定するのに使用され;第1のネットワーク要素2はPSドメインネットワーク内に設けられ、第2のネットワーク要素はCSドメインネットワーク内に設けられ、第1のネットワーク要素2は具体的にはPSドメインネットワークにおけるPGW又はATGW装置であってもよく、第2のネットワーク要素3は具体的にはCSドメインネットワークにおけるrSRVCC-MSCであってもよい。ユーザ装置1が音声サービスをCSドメインネットワークからPSドメインネットワークへハンドオーバする手順において、ユーザ装置1が事前に設定したリソース情報を利用することで、第1のネットワーク要素2及び第2のネットワーク要素3の間に転送チャネルが設定され、転送チャネルは、ユーザ装置1がPSドメインネットワークにアクセスした後にユーザ装置1及びピアユーザ装置の間で音声サービスデータを転送するように設定される。
【0293】
具体的に言えば、実施の形態における全てのモジュールの具体的な処理手順については、リバース単一無線音声呼継続処理方法、ユーザ装置及び移動管理装置に関する実施の形態で説明された内容を参照されたい。従って更なる説明は行わない。
【0294】
リバース単一無線音声呼継続処理を行うシステムによれば、実施の形態では、UEが音声サービスをCSドメインネットワークからPSドメインネットワークへハンドオーバする前に、PSドメインネットワークがベアラリソース情報をUEに事前に割り当てることができるように、UEはPSドメインネットワークで事前にIMS登録を実行してSIPセッション設定手順を開始する。UEが音声サービスをCSドメインネットワークからPSドメインネットワークへハンドオーバする手順において、PSドメインネットワークによりUEに事前に割り当てられた予約されたベアラについての情報を利用することで、CSドメインネットワーク及びPSドメインネットワークの間に音声データの転送チャネルが設定される。UEが、CSドメインネットワークからPSドメインネットワークへの音声サービスハンドオーバを実際に開始しかつPSドメインネットワークに速やかにアクセスした後、UEは、アクセス切替手順が完了するまで長時間待機する必要なしに、設定された転送チャネルを介してピアユーザ装置との間で音声データを速やかに通信できる。これは、リバースSRVCCハンドオーバ手順における音声サービスの優れた継続性を保証する。更に、UEがPSドメインネットワークへのアクセスを完了したことに基づいて転送チャネルが設定される。従って転送チャネルに基づいて実行される音声サービスは優れた品質の音声サービスとなる。
【0295】
上記の技術的解決手段に基づく実施の形態によるリバース単一無線音声呼継続処理を行うシステムは移動管理装置4を更に含んでもよい。移動管理装置4は、ユーザ装置1が音声サービスをCSドメインネットワークからPSドメインネットワークへハンドオーバする手順において、ユーザ装置1により事前に設定されたリソースについての情報を利用することで、第1のネットワーク要素2及び第2のネットワーク要素3の間に転送チャネルを設定することを制御する。具体的に言えば、移動管理装置に含まれる全てのモジュール及び実施の形態に含まれているモジュールの具体的な処理については、リバース単一無線音声呼継続処理方法、ユーザ装置及び移動管理装置に関する実施の形態で説明された内容を参照されたい。従って更なる説明は行わない。
【0296】
本発明の実施の形態は、本発明を限定するように意図されているのではなく、本発明による技術的解決手段を説明するように意図されていることに留意を要する。本発明は上記の実施の形態を参照しながら詳細に説明されてきたが、本発明の実施の形態による技術的可決手段に関する精神及び範囲から逸脱することなしに、上記実施の形態で説明された技術的解決手段に変形を施すこと或いは上記の技術的特徴に対する等価な置換等を行ってよいことを、当業者は認めるであろう。
【0297】
<関連出願>
本願は西暦2010年8月30日付けで中国特許庁に出願された「METHOD, DEVICE AND SYSTEM FOR PROCESSING REVERSE SINGLE RADIO VOICE CALL CONTINUITY」と題する中国特許出願第201010270425.6号の優先的利益を享受し、その出願の内容全体が本願のリファレンスに組み入れられる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14