特許第5775586号(P5775586)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5775586太陽電池及びこれを含む太陽電池モジュール
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5775586
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】太陽電池及びこれを含む太陽電池モジュール
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/046 20140101AFI20150820BHJP
   H01L 31/0224 20060101ALI20150820BHJP
   H01L 31/0749 20120101ALI20150820BHJP
【FI】
   H01L31/04 532Z
   H01L31/04 260
   H01L31/06 460
【請求項の数】8
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-526988(P2013-526988)
(86)(22)【出願日】2011年4月27日
(65)【公表番号】特表2013-536997(P2013-536997A)
(43)【公表日】2013年9月26日
(86)【国際出願番号】KR2011003122
(87)【国際公開番号】WO2012030047
(87)【国際公開日】20120308
【審査請求日】2014年4月28日
(31)【優先権主張番号】10-2010-0085582
(32)【優先日】2010年9月1日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】513276101
【氏名又は名称】エルジー イノテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(72)【発明者】
【氏名】ベ、 ド ウォン
【審査官】 濱田 聖司
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−79752(JP,A)
【文献】 特開2009−65022(JP,A)
【文献】 特開昭61−163671(JP,A)
【文献】 特開2006−216608(JP,A)
【文献】 特開2005−286070(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/00−31/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに反対になる第1面及び第2面を備える支持基板と、
前記第1面側に位置し、第1電極、光吸収層、及び第2電極を含む光電変換部と、
前記第1電極に連結され、前記第2面側に位置する集電電極と、
を含み、
前記第1電極は、前記基板の第1面に位置する電極部と、前記第1面から前記第2面に延びて前記第2面に位置する延長部を含み、
前記集電電極は、前記延長部に接触形成され、
前記第1電極の電極部の上には光吸収層が配置され、前記光吸収層の上に第2電極が配置され、
前記光吸収層は、前記第1電極の電極部と前記第2電極との間に配置され、
前記第1電極は、モリブデン、銅、ニッケル、アルミニウム及びこれらの合金のうち、少なくとも一つからなることを特徴とする、太陽電池。
【請求項2】
前記延長部は、前記第1面から前記支持基板の側面を覆いかぶせながら前記第2面まで延びることを特徴とする、請求項に記載の太陽電池。
【請求項3】
前記第2電極は、透光性伝導性物質で形成され、
前記第1電極、前記光吸収層、及び前記第2電極が前記支持基板の前記第1面の上に順次に積層されことを特徴とする、請求項1に記載の太陽電池。
【請求項4】
前記延長部は、前記第1電極の電極部の一側から延びる第1延長部と、前記第1電極の電極部の他側から延びて前記第2面で前記第1延長部と隔離する第2延長部を含み、
前記集電電極は、前記第1延長部に接触形成される第1集電電極及び前記第2延長部に接触形成される第2集電電極を含むことを特徴とする、請求項1に記載の太陽電池。
【請求項5】
前記第1延長部と前記第2延長部は、60μm以上離隔
前記第1延長部と前記第2延長部は、各々突出部を含み、
前記第1延長部の突出部と前記第2延長部の突出部は、互いに交互に配置されることを特徴とする、請求項4に記載の太陽電池。
【請求項6】
前記光電変換部は互いに直列に連結される複数の光電変換部を含んで前記第1電極の電極部、前記光吸収層、及び前記第2電極が複数に備えられ、
前記第1延長部は前記第2電極とコンタクトパターンを通じて連結されない前記第1電極の電極部から延びて、前記第2延長部は前記第2電極とコンタクトパターンを通じて連結された前記第1電極の電極部から延びることを特徴とする、請求項に記載の太陽電池。
【請求項7】
互いに反対になる第1面及び第2面を備える支持基板、前記第1面側に位置し、第1電極、光吸収層、及び第2電極を含む光電変換部、及び前記第1電極に電気的に連結され、前記第2面側に位置する集電電極を含む太陽電池と、
前記支持基板の前記第2面に位置するジャンクションボックスと、
を含み、
前記第1電極は、前記基板の第1面に位置する電極部と、前記第1面から前記第2面に延びて前記第2面に位置する延長部を含み、
前記集電電極は、前記延長部に接触形成され、
前記第1電極の電極部の上には光吸収層が配置され、前記光吸収層の上に第2電極が配置され、
前記光吸収層は、前記第1電極の電極部と前記第2電極との間に配置され、
前記第1電極は、モリブデン、銅、ニッケル、アルミニウム及びこれらの合金のうち、少なくとも一つからなることを特徴とする、太陽電池モジュール。
【請求項8】
前記第2電極は、透光性伝導性物質で形成され、
前記延長部は、前記第1面から前記支持基板の側面を覆いかぶせながら前記第2面まで延びることを特徴とする、請求項に記載の太陽電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池及びこれを含む太陽電池モジュールに関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近、エネルギーの需要が増加するにつれて、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換する太陽電池に対する開発が進められている。このような太陽電池では光電変換効率を向上させることが重要な課題である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、太陽光を吸収して電気エネルギーを生成できる有効領域を増加させることができる太陽電池及びこれを含む太陽電池モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明に従う太陽電池は、互いに反対になる第1面及び第2面を備える支持基板、上記第1面側に位置し、第1電極、光吸収層、及び第2電極を含む光電変換部、及び上記第1電極及び上記第2電極のうち、少なくともいずれか1つに電気的に連結され、上記第2面側に位置する集電電極を含む。
【0005】
一方、本発明に従う太陽電池モジュールは、上述した太陽電池、及び上記支持基板の上記第2面に位置するジャンクションボックスを含む。
【発明の効果】
【0006】
本発明に従う太陽電池は、集電電極が支持基板の下面に位置するので、支持基板の上面に位置する光電変換部の面積を最大化することができる。これによって、太陽電池の有効面積を増大させることができる。また、延長部及び集電電極を太陽光が入射されない支持基板の後面に位置するようにして、これらを広い面積に形成することができる。これによって、接触抵抗を低めて太陽電池の効率の向上に寄与することができる。
【0007】
また、延長部が支持基板の側面を覆いかぶせながら支持基板の下面まで延びて、簡単な構造で集電電極を支持基板の下面に位置するようにすることができる。
【0008】
ひいては、支持基板の下面にジャンクションボックスを位置するようにして、集電電極とジャンクションボックスが同一な面に位置するようにすることができる。これによって、集電電極とジャンクションボックスとの連結構造を単純化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に従う太陽電池モジュールの前面平面図である。
図2図1のII−II線に沿う断面図である。
図3】本発明の実施形態に従う太陽電池モジュールの背面平面図である。
図4】本発明の変形例に従う太陽電池モジュールの背面平面図である。
図5a】本発明の第1実施形態に従う太陽電池の製造方法の工程を示す断面図である。
図5b】本発明の第1実施形態に従う太陽電池の製造方法の工程を示す断面図である。
図5c】本発明の第1実施形態に従う太陽電池の製造方法の工程を示す断面図である。
図5d】本発明の第1実施形態に従う太陽電池の製造方法の工程を示す断面図である。
図6a】本発明の第2実施形態に従う太陽電池の製造方法の工程を示す断面図である。
図6b】本発明の第2実施形態に従う太陽電池の製造方法の工程を示す断面図である。
図6c】本発明の第2実施形態に従う太陽電池の製造方法の工程を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明を説明するに当たって、各層(膜)、領域、パターン、または構造物が、基板、各層(膜)、領域、パッド、またはパターンの“上(on)”に、または“下(under)”に形成されるという記載は、直接(directly)または他の層を介して形成されることを全て含む。図面において、各層(膜)、領域、パターン、または構造物の厚さやサイズは説明の明確性及び便宜のために変形できるので、実際のサイズを全的に反映するものではない。
【0011】
以下、添付した図面を参照して実施形態を詳細に説明すれば、次の通りである。
【0012】
図1は本発明の実施形態に従う太陽電池モジュールの前面平面図であり、図2図1のII−II線に沿う断面図である。図3は本発明の実施形態に従う太陽電池モジュールの背面平面図である。
【0013】
図1乃至図3を参照すると、本実施形態に従う太陽電池モジュール100は、太陽電池110、そして、該太陽電池110で生成された電気を安定的に集めて前記の逆流を防止するジャンクションボックス120を含む。
【0014】
ここで、図2を参照すると、太陽電池110は、支持基板10、この支持基板10の上に形成された光電変換部20、及びこの光電変換部20で生成された電気を集電する集電電極30を含む。本実施形態では、光電変換部20を複数に形成し、隣り合う光電変換部20を直列に連結して、複数の太陽電池セルCが定義される。これをより詳しく説明すれば、次の通りである。
【0015】
支持基板10はプレート形状を有し、これに形成される光電変換部20及び集電電極30を支持する。このような支持基板10は、ガラスまたはプラスチックなどの絶縁体で形成される。一例として、支持基板10がソーダライムガラス(soda lime glass)でありうる。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、支持基板10が金属基板からなることができる。即ち、求められる太陽電池モジュール100の特性によって、支持基板10をリジッド(rigid)な物質で形成したり、またはフレキシブル(flexible)な物質で形成することができる。
【0016】
支持基板10の第1面(図面の上面;以下、“上面”)12に形成される光電変換部20は、各々、第1電極21、光吸収層23、第2電極(Windows層)29などを含む。以下では、1つの光電変換部20を基準として説明した後、隣り合う光電変換部20の連結構造を説明する。
【0017】
第1電極21は、優れる電気的特性を有する物質で構成される。一例として、第1電極21は、モリブデン、銅、ニッケル、アルミニウム、これらの合金などからなることができる。
【0018】
この第1電極21の上に太陽光を電気エネルギーに変換する光吸収層23が形成される。本実施形態では、このような光吸収層23が非シリコン系半導体物質からなることができる。
【0019】
即ち、光吸収層23がI−III−IV族化合物を含むことができる。例えば、光吸収層23が銅−インジウム−ガリウム−セレナイド系(Cu(In、Ga)Se;CIGS系)化合物、銅−インジウム−セレナイド系(CIS系)化合物、または銅−ガリウム−セレナイド系(CGS系)化合物を含むことができる。
【0020】
または、光吸収層23は、II−IV族化合物、またはIII−IV族化合物を含むことができる。例えば、光吸収層23は、カドミウム(Cd)−テルニウム(Te)化合物、またはガリウム(Ga)−砒素(As)化合物を含むことができる。
【0021】
光吸収層23の上にバッファ層25及び高抵抗バッファ層27が形成される。
【0022】
バッファ層25は、光吸収層23の上に形成され、第2電極29との格子定数差及びエネルギーバンドギャップ差を緩和するための層であって、一例として硫化カドミウム(CdS)からなることができる。
【0023】
高抵抗バッファ層27は、第2電極29の形成時、バッファ層25の損傷を防止するために形成される層である。一例として、高抵抗バッファ層27は酸化亜鉛(ZnO)からなることができる。
【0024】
第2電極29は、透明で光が入射することができ、かつ伝導性により電極として機能することができる透光性伝導性物質で形成される。また、n型半導体の特性を有してバッファ層25とともにn型半導体層を形成してp型半導体層である光吸収層23とpn接合を形成することができる。このために、第2電極29は、例えば、アルミニウムドーピングされたジンクオキサイド(AZO)で形成される。
【0025】
本実施形態では、CIGS系化合物、CIS系化合物、CGS系化合物、Cd−Te化合物、またはGa−As化合物を含む光吸収層23を備えて、優れる光電変換効率を有することができる。これによって、太陽電池モジュール100を薄い厚さで形成することができるので、材料の消耗を減らし、かつ太陽電池モジュール100の活用範囲を広めることができる。また、上述した光吸収層23は、光による劣化現象が少なくて、太陽電池モジュール100の寿命を増やすことができる。
【0026】
しかしながら、本実施形態はこれに限定されるものではない。したがって、染料感応型太陽電池、有機太陽電池、シリコン太陽電池を構成する光電変換部を備えることもできる。
【0027】
このような各々の光電変換部20は、各太陽電池110のセルCに対応して形成され、隣り合う光電変換部20が互いに直列に連結される。より詳しく説明すれば、第1電極21が各太陽電池110のセルCに対応するパターンを有しながら互いに離隔形成される。そして、光吸収層23、バッファ層25、高抵抗バッファ層27、及び第2電極29が分離パターン44により各太陽電池110のセルCに対応するように離隔される。そして、光吸収層23、バッファ層25、及び高抵抗バッファ層27に形成されたコンタクトパターン42を通じて特定セルCに対応する第1電極21に、それに隣り合うセルCに対応する第2電極29が連結できる。
【0028】
これによって、各太陽電池110のセルCに対応する各々の光電変換部20は、第1電極21、光吸収層23、バッファ層25、高抵抗バッファ層27、及び第2電極29が順次に積層されている部分として定義できる。
【0029】
このような光電変換部20の第1電極21及び第2電極29のうち、少なくともいずれか1つに連結されて電流を集電する集電電極30が電気的に連結される。本実施形態では、集電電極30が第1集電電極31及び第2集電電極32を含み、この第1及び第2集電電極31、32が第1電極21の延長部214a、214bに位置することを例示した。
【0030】
より詳しくは、第1電極21が支持基板10の上面12に位置しながら光電変換部20を構成する電極部212と、支持基板10の上面12から第2面(図面の下面;以下、“下面”)14まで延びる延長部214a、214bを含む。この延長部214a、214bは、支持基板10の一側(図面の左側;以下、“左側”)に位置した電極部212から支持基板10の下面14に延びる第1延長部214aと、支持基板10の他側(図面の右側;以下、“右側”)に位置した電極部212から支持基板10の下面14に延びる第2延長部214bを含む。第1延長部214aと第2延長部214bは、支持基板10の下面14で互いに離隔して形成される。
【0031】
この際、第1延長部214aはコンタクトパターン42が位置しない第1電極21の電極部(図面で最左側の電極部)212から延びて、第2延長部214bはコンタクトパターン42により第2電極29と直接連結された第1電極21の電極部212(図面で最右側の電極部)から延びる。これによって、同一な第1電極21に第1及び第2集電電極31、32が全て位置しながらも光電変換部20を直列に連結することができる。
【0032】
第1集電電極31は支持基板10の下面14で第1延長部214aに接触形成され、第2集電電極32は支持基板10の下面14で第2延長部214bに接触形成される。
【0033】
このように、本実施形態では第1及び第2集電電極31、32が支持基板10の下面14に位置するので、支持基板10の上面12に位置する光電変換部20の面積を最大化することができる。即ち、従来には第1及び第2集電電極31、32が光電変換部20と一緒に支持基板10の上面12に形成されるので、第1及び第2集電電極31、32の面積だけ光電変換部20の面積を縮めなければならないので、太陽電池110の有効面積が減る問題があった。しかしながら、本実施形態では第1及び第2集電電極31、32が光電変換部20と異なる面に形成されるので、光電変換部20の形成面積を最大化して、太陽電池110の有効面積を増大させることができる。
【0034】
また、第1及び第2延長部214a、214b、第1及び第2集電電極31、32を太陽光が入射されない支持基板10の後面14に位置するようにして、これらを広い面積に形成することができる。これによって、接触抵抗を低めて太陽電池110の効率の向上に寄与することができる。
【0035】
この際、支持基板10の後面14で第1延長部214aと第2延長部214bは約60μm以上の間隔を置いて離隔できる。即ち、第1延長部214aと第2延長部214bとは互いに電気的に短絡されない程度だけ離隔すればよいので、第1及び第2延長部214a、214bと第1及び第2集電電極31、32の面積を最大化することができる。
【0036】
図3には、延長部214a、214bと第1及び第2集電電極31、32が四角形の平面形状を有することと図示したが、本実施形態はこれに限定されるものではない。したがって、図4に示すように、延長部216a、216bが突出部P1、P2を備えて、第1延長部216aの突出部P1と第2延長部216bの突出部P2とが互いに交互に位置し、第1及び第2集電電極131、132が第1及び第2延長部216a、216bに各々対応する形状に形成されることもできる。
【0037】
このように、第1及び第2延長部、そして第1及び第2集電電極の形状は多様に変形可能であり、これもまた本実施形態に属する。参照に、図4では簡単な説明のために保護フィルム(図2の参照符号50)及びジャンクションボックス(図3の参照符号120)を図示しなかった。
【0038】
また、図1及び図2を参照すると、第1及び第2延長部214a、214bは支持基板10の側面を覆いかぶせながら支持基板10の下面14まで延びて、簡単な構造で第1及び第2集電電極31、32を支持基板10の下面14に位置するようにすることができる。即ち、支持基板10に別途に貫通ホールを形成する等の工程が要求されない単純な製造工程により第1及び第2集電電極31、32を支持基板10の下面14に位置するようにすることができる。
【0039】
本実施形態では、一例として、支持基板10に隣接した第1電極21に集電電極30を形成したが、本実施形態はこれに限定されるものではない。したがって、第2電極29に集電電極30を形成したり、第1電極21と第2電極29に各々集電電極30を形成することも可能である。
【0040】
そして、太陽電池110を保護する保護フィルム50を太陽電池110を覆いかぶせながら形成し、太陽電池110の側面に絶縁性封入材60を形成して太陽電池110をモジュール化することができる。これとともに、太陽電池110の側面を覆いかぶせるフレーム70を用いて太陽電池110を構成する物質を硬く固定することができる。
【0041】
また、図3を参照すると、第1及び第2集電電極31、32が形成された支持基板10の下面14に保護フィルム50の上にジャンクションボックス120が位置する。このジャンクションボックス120は、ダイオードなどが設置された回路基板を収容することができ、ケーブル122等を介して第1及び第2集電電極31、32に連結できる。本実施形態では、第1及び第2集電電極31、32とジャンクションボックス120とが同一な面に位置するので、これらを連結するための別途のホールを支持基板10に形成しなくてもよい。このように、第1及び第2集電電極31、32とジャンクションボックス120との連結構造を単純化することができるので、太陽電池モジュール100のサイズを減らし、製造工程を単純化することができる。
【0042】
しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、上述したジャンクションボックス120及びケーブル122が形成されないこともできる。
【0043】
以下、図5a乃至図5dを参照して、第1実施形態に従う太陽電池の製造方法をより詳しく説明すれば、次の通りである。図5a乃至図5dは、本発明の第1実施形態に従う太陽電池の製造方法の工程を示す断面図である。
【0044】
まず、図5aに示すように、支持基板10の後面14にテープ16を形成する。このテープ16は、第1延長部(図2の参照符号214a;以下、同一)及び第2延長部(図2の参照符号214b;以下、同一)が形成されない部分に形成される。
【0045】
上記テープ16は、金属、セラミック、ポリマーなどのマスク素材で形成することができる。
【0046】
次に、図5bに示すように、支持基板10の全体面に伝導性物質を含む伝導性物質層220を形成する。伝導性物質層220の形成工程では、伝導性物質の供給源または/及び支持基板10をティルティング(tilting)して支持基板10の前面、後面、及び側面の全てに伝導性物質が形成されるようにする。蒸着方法には、電気化学蒸着(electrochemical vapor deposition;EVD)、スプレー工程などの多様な工程が使用できる。
【0047】
次に、図5cに示すように、テープ(図5cの参照符号16;以下、同一)を除去する。すると、テープ16の上に形成された伝導性物質層220が除去されて、電極部と第1及び第2延長部を備えた第1電極層222が形成される。
【0048】
次に、図5dに示すように、第1電極層222をパターニングして各太陽電池セルに対応するパターンの電極部212を有する第1電極21を形成する。
【0049】
次に、光吸収層(図2の参照符号23)、バッファ層(図2の参照符号25)、高抵抗バッファ層(図2の参照符号27)を形成した後、コンタクトパターン(図2の参照符号42)を形成し、第2電極(図2の参照符号29)を形成した後、分離パターン(図2の参照符号44)を形成することができる。これによって、図2の太陽電池110を形成することができる。このような工程は多様な工程により遂行できるので、詳細な説明を省略する。
【0050】
本実施形態では、支持基板10の後面14に第1及び第2延長部214a、214bを有する第1電極21を単純な工程により形成することができる。
【0051】
上述した実施形態ではテープ16を使用することを例示したが、マスクを使用する等の多様な方法を使用することができる。
【0052】
以下、図6a乃至図6cを参照して第2実施形態に従う太陽電池の製造方法を説明する。図6a及び図6cは、本発明の第2実施形態に従う太陽電池の製造方法の工程を示す断面図である。第1実施形態と同一または極めて類似の工程に対しては詳細な説明を省略し、異なる工程に対してのみ詳細に説明する。
【0053】
まず、図6aに示すように、支持基板10をメッキ液などに浸漬させて支持基板10の全体面に伝導性物質層220を形成する。
【0054】
次に、図6bに示すように、第1延長部(図2の参照符号214a;以下、同一)及び第2延長部(図2の参照符号214b;以下、同一)の伝導性物質層(図5aの参照符号220;以下、同一)を除去して第1電極層232を形成することができる。第1延長部214aと第2延長部214bとの間の伝導性物質層220を除去する方法には、チップなどを用いてスクライビングする機械的な方法、またはレーザー、エッチング、またはサンドブラストなどを用いる方法が使用できる。
【0055】
次に、図6cに示すように、第1電極層232をパターニングして各太陽電池セルに対応するパターンの電極部212を有する第1電極21を形成する。
【0056】
次に、光吸収層(図2の参照符号23)、バッファ層(図2の参照符号25)、高抵抗バッファ層(図2の参照符号27)を形成した後、コンタクトパターン(図2の参照符号42)を形成し、第2電極(図2の参照符号29)を形成した後、分離パターン(図2の参照符号44)を形成することができる。これによって、図2の太陽電池110を形成することができる。このような工程は多様な工程により遂行できるので、詳細な説明を省略する。
【0057】
以上、実施形態に説明された特徴、構造、効果などは、本発明の少なくとも1つの実施形態に含まれ、必ず1つの実施形態のみに限定されるものではない。ひいては、各実施形態で例示された特徴、構造、効果などは、実施形態が属する分野の通常の知識を有する者により他の実施形態に対しても組合または変形されて実施可能である。したがって、このような組合と変形に関連した内容は本発明の範囲に含まれることと解釈されるべきである。
【0058】
以上、本発明を好ましい実施形態をもとに説明したが、これは単なる例示であり、本発明を限定するのでない。本発明の本質的な特性を逸脱しない範囲内で、多様な変形及び応用が可能であることが同業者にとって明らかである。例えば、実施形態に具体的に表れた各構成要素は変形して実施することができ、このような変形及び応用にかかわる差異点も、特許請求の範囲で規定する本発明の範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【符号の説明】
【0059】
10 支持基板、 20 光電変換部、 21 第1電極、 23 光吸収層、 25 バッファ層、 27 高抵抗バッファ層、 29 第2電極、 30 集電電極、 31 第1集電電極、 32 第2集電電極、 100 太陽電池モジュール、 110 太陽電池、 120 ジャンクションボックス、 212 電極部、 214a 第1延長部、 214b 第2延長部。
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図5c
図5d
図6a
図6b
図6c