【実施例】
【0061】
以下の実施例は、本発明の例証となるが、本発明の範囲を限定するためのものではない。
【0062】
本発明の実施例1及び2並びに比較例1の生産
すべての原料(エチレン、1−オクテン)及びプロセス溶剤(ExxonMobil Corporationから市販されている、商品名ISOPAR Eのイソパラフィン系溶剤)を、反応環境への導入前にモレキュラーシーブで精製する。水素は、高圧ボンベで高純度グレードとして供給されるので、さらに精製しない。反応器モノマー供給物(エチレン)流を機械的圧縮機によって、反応圧、例えば750psig、より高い圧に加圧する。溶剤及びコモノマー(1−オクテン)供給物を機械式容積型ポンプによって、反応圧、例えば750psig、より高い圧に加圧する。個々の触媒成分を精製溶剤(ISOPAR E)で特定成分濃度に手作業でバッチ希釈し、反応圧、例えば750psig、より高い圧に加圧する。すべての反応供給物流量を質量流量計で測定し、コンピュータ自動バルブ制御システムで独立して制御する。
【0063】
この連続溶液重合反応器は、満液、非断熱、等温、循環、ループから成る。すべての新たな溶剤、モノマー、コモノマー、水素及び触媒成分供給量の独立した制御が可能である。併せた溶剤、モノマー、コモノマー及び水素供給物を、該供給物流を熱交換器に通すことにより、概して5℃から50℃の間、典型的には40℃に温度制御する。重合反応器への新たなコモノマー供給を、コモノマーを再循環溶剤に加えるように方向づける。重合反応器へのその新たな供給物全体を、その反応器における各注入位置間の反応器容積が大体等しい2ヵ所の位置に注入する。典型的には、新たな供給物は、その新たな供給物の全質量流量の半分を受け取るように、各注入器で制御される。特別設計の注入口装置によって触媒成分を重合反応器に注入するが、その反応器への注入前にそれらを併せて1つの混合プロ触媒/助触媒供給物流にする。算出された、プロ触媒成分に対する特定モル比に基づいて、助触媒成分を供給する。それぞれの新たな注入位置(供給物又は触媒のいずれか)のすぐ後に、Kenics静的混合要素で供給物流を循環重合反応器成分と混合する。大量の反応熱の除去に寄与する熱交換器を通して、及び指定温度での等温反応環境の維持に寄与する冷媒側温度で、反応器の内容物を継続的に循環させる。反応器ループ周囲の循環をスクリューポンプによって生じさせる。重合反応器からの流出物(溶剤、モノマー、コモノマー、水素、触媒成分、及び溶融ポリマーを含有)は、反応器ループを出て1区画に入り、そこで該流出物を失活及び酸掃去剤(典型的にはステアリン酸カルシウム及び水和に伴う水)と接触させて反応を停止させ、塩化水素を掃去する。加えて、酸化防止剤などの様々な添加剤をこの時点で添加することができる。その後、この流れは、触媒失活剤及び添加剤を均等に分散させるために、別のセットのKenics静的混合要素を経る。
【0064】
添加剤添加後、流出物(溶剤、モノマー、コモノマー、水素、触媒成分、及び溶融ポリマーを含有)は、他のより低沸点の反応成分からのポリマーの分離に備えて流れの温度を上昇させるために熱交換器を通る。その後、流れは、(反応器の圧力の特定の目標値で維持することに寄与する)圧力降下バルブを通る。その後、流れは、二段階分離・脱揮システムに入り、そこでポリマーを溶剤、水素、並びに未反応モノマー及びコモノマーから除去する。再び反応器に入る前に、再循環流から不純物を除去する。この分離され、脱揮されたポリマー溶融物を、水中造粒用に特別設計されたダイにポンプで通し、一様な固体ペレットに切断し、乾燥させ、ホッパーに輸送する。初期ポリマー特性の検証後、それらの固体ポリマーペレットを貯蔵装置に移す。
【0065】
脱揮工程で除去された部分を再循環させてもよく、又は破壊してもよい。例えば、溶剤の大部分を、浄化層通過後、反応器に再循環させる。この再循環溶剤は、未反応コモノマーを依然として有する場合があり、反応器に再び入る前にその未反応コモノマーを新たなコモノマーで強化する。この再循環溶剤は、多少の水素を依然として有する場合があり、そのときはその水素を新たな水素で強化する。
【0066】
表1〜3は、比較例1並びに本発明の実施例1及び2の重合条件の要約である。比較例1並びに本発明の実施例1及び2において使用する添加剤は、1250ppm ステアリン酸カルシウム、1000ppm Irgafos 168、250ppm Irganox 1076、及び200ppm Irganox 1010であった。
【0067】
【表1】
【0068】
【表2】
【0069】
【表3】
【0070】
比較例1並びに本発明の実施例1及び2の特性評価
比較例1並びに本発明の実施例1及び2の特性評価特性を表4〜14及び
図1〜7に報告する。
【0071】
【表4】
【0072】
【表5】
【0073】
【表6】
【0074】
【表7】
【0075】
【表8】
【0076】
【表9】
【0077】
【表10】
【0078】
比較例1並びに本発明の実施例1及び2についてのATREFデータを表11及び
図6に要約する。ATREF分析において各溶出温度、Tで測定された重量分率、w
T、及び極限粘度、[η]
Tから算出分子量を導出する。先ず、粘度平均分子量、M
V,Tを次のように各極限粘度から計算する:
【数1】
(式中、K=4×10
−4、及びa=0.73)。
次に、平均分子量を次のように計算する:
【数2】
各平均に適用した種々の温度範囲は、M
hcについてはT
hcから110℃、M
c−1については60℃から90℃、M
c−2については75℃から90℃、及びM
Pについては20℃から110℃である。
【0079】
【表11】
【0080】
比較例1並びに本発明の実施例1及び2についてのクロス分別結果を表12〜14に要約する。クロス分別は、
図7に示すように、100℃画分に比べて実施例1及び2の90℃及び95℃画分の重量平均分子量が比較例1の90℃及び95℃画分の重量平均分子量より高いことを示す。
【0081】
【表12】
【0082】
【表13】
【0083】
【表14】
【0084】
本発明のフィルム1〜4及び比較フィルム1〜2
直鎖状低密度(LLDPE)タイプスクリューを有する6インチのダイでフィルムを製造する。フィルム作製中、内部バブル冷却を用いない。フィルムを製造する前にすべての樹脂成分にポリマー加工助剤(PPA)を添加した。PPAは、PE担体中8%のDynamar FX−5920Aを含有する、Ingenia Polymersによって製造されたCKAC−19と呼ばれる1.5%のPPAマスターバッチとして添加する。
【0085】
本発明のフィルム1は、本発明の実施例1のエチレン/アルファ−オレフィン共重合体を含む。
【0086】
本発明のフィルム2は、本発明の実施例2のエチレン/アルファ−オレフィン共重合体を含む。
【0087】
本発明のフィルム3は、65重量パーセントの本発明の実施例1のエチレン/アルファ−オレフィン共重合体と35重量パーセントの高圧低密度ポリエチレン、Dow高圧低密度ポリエチレン(LDPE)LDPE 132I(0.25MI、0.921g/cm
3)とを含むブレンドを含む。
【0088】
本発明のフィルム4は、65重量パーセントの本発明の実施例2のエチレン/アルファ−オレフィン共重合体と35重量パーセントの高圧低密度ポリエチレン、Dow高圧低密度ポリエチレン(LDPE)LDPE 132I(0.25MI、0.921g/cm
3)とを含むブレンドを含む。
【0089】
比較例フィルム1は、比較例1のエチレンポリマーを含む。
【0090】
比較フィルム2は、65重量パーセントの比較例1のポリマーと35重量パーセントの高圧低密度ポリエチレン、Dow高圧低密度ポリエチレン(LDPE)LDPE 132I(0.25MI、0.921g/cm
3)とを含むブレンドを含む。
【0091】
本発明のフィルム1〜4及び比較フィルム1〜2を生産するために使用した一般インフレートフィルムパラメータを表15に示す。表15中の温度は、ペレットホッパーに最も近い(バレル1)温度、及びポリマーが押し出されるにつれてバレル番号昇順でダイ(上方のダイ)までの温度を示す。それらのフィルム特性を表16〜17に報告する。
【0092】
【表15】
【0093】
【表16】
【0094】
【表17】
【0095】
試験法
試験法は、次のものを含む:
密度
密度(g/cm
3)は、イソプロパノール中でASTM−D 792−03、方法Bに従って測定する。成形後1時間以内に、測定前に8分間、23℃のイソプロパノール浴でコンディショニングして熱平衡に達した後、試験片を測定する。ASTM D−4703−00 Annex Aに従って、手順Cにより約190℃の5分間の初期加熱時間及び15℃/分の冷却速度で試験片を圧縮成形する。試験片をそのプレス内で45℃に冷却し、「触れて冷た(い)」くなるまで冷却し続ける。
【0096】
メルトインデックス
メルトインデックス、すなわちI
2は、ASTM D 1238、条件190℃/2.16kgに従って測定し、10分あたりの溶出グラム数で報告する。I
10は、ASTM D 1238、条件190℃/10kgに従って測定し、10分あたりの溶出グラム数で報告する。
【0097】
コモノマー分布幅指数(CDBI)
CDBIは、中央値全モルコモノマー含量の50パーセント以内のコモノマー含量を有するポリマー分子の重量パーセントと定義され、ポリマー中のコモノマー分布とベルヌーイ分布に期待されるコモノマー分布との比較を表す。ポリオレフィンのCDBIは、例えばWild, et al., Journal of Polymer Science, Poly. Phys. Ed., Vol. 20, 441 (1982); L. D. Cady, 「The Role of Comonomer Type and Distribution in LLDPE Product Performance」, SPE Regional Technical Conference, Quaker Square Hilton, Akron, OH, 107-119 (Oct. 1-2, 1985)により;又は米国特許第4,798,081号(Hazlittら)及び米国特許第5,008,204号(Stehling)に記載された、例えば昇温溶出分別法(「TREF」)などの、当分野において公知の技術から得られるデータから適便に計算することができる。しかし、TREF技術は、CDBI計算にパージ量を含まない。さらに好ましくは、例えば米国特許第5,292,845号(Kawasakiら)に及びJ.C.RandallによりRev. Macromol. Chem. Phys., C29, 201-317に記載された技術に従って
13C NMR分析を用いて、ポリマーのコモノマー分布を決定する。
【0098】
長鎖分岐の存在
長鎖分岐の存在は、エチレンホモポリマーに関しては
13C核磁気共鳴(NMR)分光法の使用により判定することができ、Randallによって記載された方法(Rev. Macromol. Chem. Phys., C29, V. 2&3, 285-297)を用いて定量する。エチレン/1−オクテン共重合体をはじめとするエチレンポリマー中の長鎖分岐の存在の判定に有用な他の公知技術がある。2つのかかる例示的方法は、低角度レーザー光散乱検出器と連結されたゲル透過クロマトグラフィー(GPC−LALLS)、及び示差粘度計検出器と連結されたゲル透過クロマトグラフィー(GPC−DV)である。長鎖分岐検出のためのこれらの技術の使用及び基礎となる理論は、文献に十分に記述されている。例えば、Zimm, G. H. and Stockmayer, W. H., J. Chem. Phys., 17, 1301 (1949)、及びRudin, A., Modern Methods of Polymer Characterization, John Wiley & Sons, New York (1991) 103-112参照。
【0099】
DSC結晶化度
示差走査熱分析(DSC)を用いて、広範な温度にわたってポリマーの融解及び結晶化挙動を測定することができる。例えば、RCS(冷凍冷却システム)及びオートサンプラを備えているTA Instruments Q1000 DSCを使用して、この分析を行う。試験中、50mL/分の窒素パージガス流量を使用する。各試料を約175℃で薄膜に溶融プレスし、その後、その溶融試料を室温(〜25℃)に空気冷却する。冷却されたポリマーから3〜10mg、直径6mmの試験片を抜き取り、計量し、軽量アルミニウムパン(約50mg)に入れ、圧着して閉じる。その後、分析を行って、その熱的特性を判定する。
【0100】
試料温度を急上昇させ、急降下させて、温度プロファイルに対する熱の流を生じさせることにより、試料の熱的挙動を判定する。先ず、試料を180℃に急速に加熱し、3分間等温保持してその熱履歴を除去する。次に、試料を10℃/分の冷却速度で−40℃に冷却し、−40℃で3分間等温保持する。その後、試料を10℃/分の加熱速度で150℃に加熱する(これが「第二熱加熱」勾配である)。冷却曲線及び第二加熱曲線を記録する。結晶化開始から−20℃までの基線端点を設定することによって冷却曲線を分析する。−20℃から融解終了までの基線端点を設定することによって加熱曲線を分析する。決定される値は、ピーク融解温度(T
m)、ピーク結晶化温度(T
c)、融解熱(H
f)(ジュール毎グラムで)、及び次の式を用いてポリエチレン試料についての算出結晶化度%である:
結晶化度%=((H
f/(292J/g))×100
融解熱(H
f)及びピーク融解温度を第二加熱曲線から報告する。ピーク結晶化温度を冷却曲線から決定する。
【0101】
ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)
ゲル透過クロマトグラフィー(GPC)測定のためのクロマトグラフシステムは、Polymer Laboratories Model PL−220から成った。カラム及びカルーセル区画を140℃で動作させた。1,2,4 トリクロロベンゼン溶剤を用いて、3本のPolymer Laboratories 10μm Mixed−Bカラムを使用した。試料を50mLの溶剤中の0.1gのポリマーの濃度で調製した。試料を調製するために使用した溶剤は、200ppmの酸化防止剤ブチルヒドロキシトルエン(BHT)を含有した。160℃で4時間、軽度に撹拌することにより、試料を調製した。使用した注入容量は100マイクロリットルであり、流量は1.0mL/分であった。Polymer Laboratoriesから購入した狭分子量分布ポリスチレン標準物質を用いてGPCカラムセットの較正を行った。Williams及びWardの方法:
M
ポリエチレン=A(M
ポリスチレン)
B
(式中、Mは、分子量であり、Aは、0.4316の値を有し、及びBは、1.0に等しい)
を用いて、ポリスチレン標準物質のピーク分子量をポリエチレン分子量に換算した。Viscotek TriSECソフトウェア・バージョン3.0を使用して、ポリエチレン相当分子量計算を行った。Williams, T., and I.M. Ward, 「The Construction of Polyethylene Calibration Curve for Gel Permeation Chromatography Using Polystyrene Fractions」, J. Polym. Sci. Polym. Lett., 6, 621 (1968)。
【0102】
分析的昇温溶出分別(ATREF)
高密度画分(パーセント)を分析的昇温溶出分別分析(ATREF)によって測定する。米国特許第4,798,081号及びWilde, L.; Ryle, T.R.; Knobeloch, D.C.; Peat, I.R.; Determination of Branching Distributions in Polyethylene and Ethylene Copolymers, Journal of Polymer Science, 20, 441-455 (1982)に記載された方法に従って、ATREF分析を行う。分析すべき組成物をトリクロロベンゼンに溶解し、不活性支持体(ステンレス鋼ショット)が収容されているカラムの中で温度を0.1℃/分の冷却速度でゆっくりと20℃に低下させることによって結晶化させる。このカラムは、赤外線検出器を備えている。その後、溶出溶剤(トリクロロベンゼン)の温度を1.5℃/分の速度でゆっくりと20℃から120℃に上昇させることによりその結晶化したポリマー試料をカラムから溶出させることによって、ATREFクロマトグラム曲線を生成する。その溶出ポリマーの粘度平均分子量(M
v)を測定し、報告する。ATREFプロットは、短鎖分岐分布(SCBD)プロット及び分子量プロットを有する。SCBDプロットは、3つのピーク、すなわち高結晶性画分についてのピーク(典型的に90℃より上)、コポリマー画分についてのピーク(典型的に30〜90℃の間)及びパージ画分についてのピーク(典型的に30℃未満)を有する。この曲線はまた、コポリマー画分と高結晶性画分の間に鞍部を有する。T
hcは、この鞍部における最低温度である。高密度(HD)画分%は、T
hcより上の曲線下面積である。M
vは、ATREFからの粘度平均分子量である。M
hcは、T
hcより上の画分についての平均M
vである。M
cは、60〜90℃の間のコポリマーの平均M
vである。M
pは、全ポリマーの平均M
vである。
【0103】
C13 NMRコモノマー含量
ポリマー組成の決定にNMR分光法を用いることは周知である。ASTM D 5017-96, J. C. Randall et al., in 「NMR and Macromolecules」 ACS Symposium series 247, J. C. Randall, Ed., Am. Chem. Soc., Washington, D.C., 1984, Ch. 9、及びJ. C. Randall in 「Polymer Sequence Determination」, Academic Press, New York (1977)は、NMR分光法による一般的なポリマー分析方法を提供している。
【0104】
動的機械的分光法(DMS)
樹脂を350°Fで5分間、1500psiの圧力下、空気中で、3mm厚×1インチの円形プラックに圧縮成形した。その後、その試料をプレスから取り出し、カウンターの上に置いて冷ます。
【0105】
25mm平行板を備えているTA Instruments「Advanced Rheometric Expansion System(ARES)」を使用して、窒素パージしながら温度一定の周波数掃引を行う。試料を板(単数)の上に置き、5分間、190°で融解させる。その後、板(複数)を2mmまで近づけ、試料をトリミングして、試験を開始する。この方法は、温度平衡を可能にするために組み込まれる追加の5分の遅れ時間を有する。190°で0.1から100rad/秒の周波数範囲にわたって実験を行う。ひずみ振幅は10%で一定である。応力応答を振幅及び位相に関して分析し、それらから貯蔵弾性率(G’)、損失弾性率(G’’)、複素弾性率(G
*)、動的粘度η
*、及びタン(δ)又はタンデルタを計算する。
【0106】
溶融強度
溶融強度は、Goettfert Rheotens 71.97(Goettfert Inc.;サウスカロライナ州ロックヒル)を使用し、長さ30mm及び直径2mmの平坦な流入角(180度)を備えているGoettfert Rheotester 2000キャピラリーレオメータに溶融物を供給して、190℃で測定する。ペレットをバレル(L=300mm、直径=12mm)に供給し、圧縮し、10分間溶融させた後、0.265mm/秒の一定ピストン速度(所与のダイ径で38.2秒
−1の壁剪断速度に相当)で押し出す。押出物は、ダイ出口の100mm下に位置するRheotensのホイールを通り、該ホイールによって2.4mm/秒
2の加速率で下方に引っ張られる。ホイールに及ぼされる(cNでの)力を(mm/秒での)ホイール速度の関数として記録する。ストランドが破断する前のプラトー力(cN)として溶融強度を報告する。
【0107】
クロス分別:GPC後の昇温溶出分別(TREF)
この実験は、Gillespie及びLi Pi Shanら(Apparatus for Method for Polymer Characterization、国際公開第2006/081116号)に従って構成した計器で行う。データ収集速度は、1データ点/秒である。
【0108】
TREFカラム
TREFカラムは、アセトン洗浄した1/8インチ×0.085インチの316ステンレス鋼管で構成される。管を42インチの長さに切断し、それらに0.028インチ径の安定化(pacified)316ステンレス鋼カットワイヤ(Pellet Inc.、ニューヨーク州ノーストナウォンダ)及び30〜40メッシュ球形工業グレードガラスビーズの乾燥した混合物(60:40 容量:容量)を充填する。カラム長と充填材料のこの組み合わせは、おおよそ1.75mLの間隙容積をもたらす結果となる。10μmステンレス鋼スクリーンを備えているValco小口径HPLCカラム端取付具で、TREFカラム端をキャップする。これらのカラム端が、TREFカラムをTREFオーブン内のクロス分別計器の配管に直接接続する。取付け前に、TREFカラムをコイル状にし、抵抗温度検出器(RTD)温度センサを装備し、ガラス製絶縁テープを巻きつける。取付け中は、カラム内の妥当な温度一様性を確保にするためにTREFカラムとオーブンのレベル配置に特別注意を払う。浴温が2℃である冷却機により、冷気を40L/分でTREFオーブンに供給する。
【0109】
TREFカラム温度較正
溶出温度に対する実測組成物が以前に報告されたもの(L. Wild, R.T. Ryle et al., J. Polymer Science Polymer Physics Edition 20, 441-455(1982))と一致するように、110℃から30℃の温度範囲で用いる加熱速度でTREFカラムからの報告溶出温度を調整する。
【0110】
試料調製
180ppm ブチルヒドロキシトルエン(BHT)を含有する1,2,4−トリクロロベンゼン(TCB)中の4mg/mL溶液として試料溶液を調製し、溶剤を窒素でスパージする。GPC溶出検証のために少量のデカンを流量マーカーとして試料溶液に添加する。145℃で4時間、穏やかに撹拌することによって、試料の溶解を完了する。
【0111】
試料供給
試料を、固定ループインジェクタ(500μLの注入ループ)への加熱移送ライン経由で、145℃のTREFカラムに直接注入する。
【0112】
TREFカラムの温度プロファイル
試料をTREFカラムに注入した後、カラムを「オフライン」にし、放置して冷却する。TREFカラムの温度プロファイルは、次の通りである:145℃から110℃に2.19℃/分で冷却、110℃から30℃に0.110℃/分で冷却、そして30℃で16分間、熱平衡。溶出中は、カラムを「オンライン」に戻し、1.0分間、0.9mL/分のポンプ溶出速度の流路に配置する。溶出の加熱速度は、30℃から110℃に0.119℃/分である。
【0113】
TREFカラムからの溶出
1画分毎に5℃刻みで30℃から110℃まで、16の画分を回収する。GPC分析のために各画分を注入する。16画分のそれぞれをTREFカラムから1.0分かけてGPCカラムセットに直接注入する。予め温度平衡させたコイルを使用することにより溶出中のTREFカラムと同じ温度で溶出物を平衡させる(Gillespie and Li Pi Shan et al., Apparatus for Method for Polymer Characterization、国際公開第2006/081116号)。TREFカラムを0.9mL/分で1.0分間フラッシュすることにより、TREFの溶出を行う。第一画分、Fraction(30℃)は、30℃でTCBに依然として可溶な材料の量を表す。Fraction(35℃)、Fraction(40℃)、Fraction(45℃)、Fraction(50℃)、Fraction(55℃)、Fraction(60℃)、Fraction(65℃)、Fraction(70℃)、Fraction(75℃)、Fraction(80℃)、Fraction(85℃)、Fraction(90℃)、Fraction(95℃)、Fraction(100℃)及びFraction(105℃)は、それぞれ、30.01から35℃、35.01から40℃、40.01から45℃、45.01から50℃、50.01から55℃、55.01から60℃、60.01から65℃、65.01から70℃、70.01から75℃、75.01から80℃、80.01から85℃、85.01から90℃、90.01から95℃、95.01から100℃及び100.01から105℃の温度範囲でTREFカラムから溶出する材料の量を表す。
【0114】
GPCパラメータ
クロス分別計器は、1本の20μmガードカラム及び4本のMixed A−LS 20μmカラム(Varian Inc.、以前はPolymerLabs)を備えており、PolymerChar(スペイン)からのIR−4検出器は、濃度検出器である。21の狭分子量分布ポリスチレン標準物質を流すことによって、GPCカラムセットを較正する。前記標準物質の分子量(MW)は、580から8,400,000g/molの範囲であり、前記標準物質は、6つの「カクテル」混合物に含有されている。各標準物質混合物「カクテル」)には個々の分子量間に少なくとも10の隔たりがある。Polymer Laboratories(英国シュロプシア)から前記標準物質を購入する。前記ポリスチレン標準物質を1,000,000g/molに等しい又はそれより大きい分子量については20mLの溶剤中に0.005gで、及び1,000,000g/mol未満の分子量については20mLの溶剤中0.001gで調製する。ポリスチレン標準物質を30分間、穏やかに撹拌しながら145℃で溶解する。それらの狭い標準物質混合物を先ず流し、最高分子量成分から分子量の大きい順に流して分解を最小にする。四次多項式あてはめを用いて溶出容量の関数として対数分子量較正曲線を生成する。Williams and Ward, J. Polym. Sci., Polym. Let., 6, 621 (1968)に記載されたような下記方程式を用いて、ポリスチレン標準ピーク分子量をポリエチレン分子量に換算する:
M
ポリエチレン=A(M
ポリスチレン)
B
(式中、Mは、分子量であり、Aは、0.40の値を有し、及びBは、1.0に等しい)。
【0115】
TREFカラムを迂回して1,2,4−トリクロロベンゼン(TCB)中のエイコサンの0.4mg/mL溶液の200μL注入容量を使用することにより、4本のMixed A−LS 20μmカラムのプレートカウントは、少なくとも19,000である必要がある。下記方程式(Striegel and Yau et al., 「Modern Size-Exclusion Liquid Chromatography」, Wiley, 2009, Page 86)を用いることにより、ピーク保持容量(RV
pk max)及び1/2の高さ(クロマトグラフピークの50%)での保持容量(RV)幅からプレートカウントを計算して、カラム内の理論段数の有効測度を得る:
プレートカウント=5.54*[RV
pk max/(RV
後部50%pk ht−RV
前部50%pk ht]
2
【0116】
各画分についてのMWD分析
各画分の分子量分布(MWD)を積分GPCクロマトグラムから計算して、各画分についての重量平均分子量、MW(温度)を得る。
【0117】
積分上限(高分子量端)の確定は、基線からのピーク上昇間の肉眼で認められる差に基づく。積分下限(低分子量端)の確定は、基線への復帰として、又は3250分子量のポリスチレン狭分子量標準物質の溶出容量の点として(どちらでも容易なほうで)検分される。
【0118】
積分上限前(ポリマー溶出前)にGPCクロマトグラムを分析することによってIR−4検出器からIR−4検出器ホワイトノイズレベルを計算する。ポリマー鎖からの寄与を受ける各収集時の検出器応答を先ず基線補正のために補正して、基線減算シグナル(IR(RV)、RVはGPCクロマトグラムの溶出容量である)を得る。その基線補正IR−4応答をさらにホワイトノイズについて補正する:IR(RV)がホワイトノイズ値より大きい場合にのみIR(RV)をGPC計算に用いる。この作業で、IRについての典型的なホワイトノイズは0.35mVであると決定され、一方、mVでの全ポリマー(TREFカラムを迂回するGPCカラムへの直接0.50mg GPC注入)ピーク高は、ポリオレフィンポリマー(高密度ポリエチレン、多分散度M
w/M
nおおよそ2.6)については典型的におよそ240である。ポリオレフィンポリマー(高密度ポリエチレン、多分散度M
w/M
nおおよそ2.6)については1.0mg/mLの500μL注入容量で少なくとも500のシグナル対ノイズ比(全ポリマー注入のピーク高対ホワイトノイズ)を得るための注意を怠ってはならない。
【0119】
それぞれの個々のGPCクロマトグラムの面積は、TREF画分から溶出されるポリオレフィン系材料の量に対応する。上記Fractionの指定温度範囲でのTREF画分の重量百分率、重量%(温度)は、16の個々のGPCクロマトグラムの面積の合計で割った個々のGPCクロマトグラムの面積として計算する。GPC分子量分布計算(Mn、Mw、及びMz)を各クロマトグラムに関して行い、TREF画分の重量百分率が1.0重量%より大きい場合にのみ報告する。GPC重量平均分子量、Mwを各クロマトグラムのMW(温度)として報告する。
【0120】
重量%(30℃)は、TREF溶出プロセス中に30℃でTREFカラムから溶出する材料の量を表す。重量%(35℃)、重量%(40℃)、重量%(45℃)、重量%(50℃)、重量%(55℃)、重量%(60℃)、重量%(65℃)、重量%(70℃)、重量%(75℃)、重量%(80℃)、重量%(85℃)、重量%(90℃)、重量%(95℃)、重量%(100℃)、及び重量%(105℃)は、それぞれ、30.01℃から35℃、35.01℃から40℃、40.01から45℃、45.01℃から50℃、50.01℃から55℃、55.01℃から60℃、60.01℃から65℃、65.01℃から70℃、70.01℃から75℃、75.01℃から80℃、80.01℃から85℃、85.01℃から90℃、90.01℃から95℃、95.01℃から100℃、及び100.01℃から105℃の温度範囲でTREFカラムから溶出する材料の量を表す。累積重量分率を、指定温度までの画分の重量%の合計と定義する。全温度範囲の累積重量分率は、1.00である。
【0121】
最高温度画分分子量、MW(最高温度画分)を、1.0重量%より多くの材料を含有する最高温度で計算した分子量と定義する。各温度のMW比を、MW(最高温度画分)で割ったMW(温度)と定義する。
【0122】
フィルム試験条件
生産したフィルムに関して、以下の物理的特性を測定する:
・全及び内部ヘイズ:全ヘイズ及び内部ヘイズについて測定された試料をASTM D−1003に従って採取し調製する。フィルムの両面に鉱油を使用する屈折率マッチングにより内部ヘイズを得る。Hazeguard Plus(BYK−Gardner USA;メリーランド州コロンビア)を試験に使用する。
・45°光沢度:ASTM D−2457。
・MD及びCDエルメンドルフ引裂強度:ASTM D−1922。
・MD及びCD引張強度:ASTM D−882。
・ダートインパクト強度:ASTM D−1709。
・パンクチャ:Instron Model 4201とSintech Testworks Software Version 3.10を用いて、パンクチャを測定する。試験片サイズは、6インチ×6インチであり、4回測定を行って平均パンクチャ値を決定する。フィルムをフィルム生産後40時間、及びASTM制御実験室内で少なくとも24時間コンディショニングする。100lbロードセルを丸形試験片ホルダとともに使用する。試験片は、4インチ円形試験片である。パンクチャプローブは、7.5インチの最大移動長を有する1/2インチ径の研磨されたステンレス鋼球(0.25インチロッド上)である。ゲージ長はない;このプローブは、可能な限り試験片の近くにあるが、試験片に接触しない。用いるクロスヘッド速度は、10インチ/分である。試験片の中央の厚みを測定する。フィルム厚、クロスヘッド移動距離、及びピーク荷重を用いて、前記ソフトウェアによりパンクチャを決定する。各試験片後に「キムワイプ(Kim‐wipe)」を使用してパンクチャプローブをクリーニングする。
・収縮張力は、Y. Jin, T. Hermel-Davidock, T. Karjala, M. Demirors, J. Wang, E. Leyva, and D. Allen, 「Shrink Force Measurement of Low Shrink Force Films」, SPE ANTEC Proceedings, p.1264 (2008)記載された方法に従って測定する。
・自由収縮%:10.16cm×10.16cmの寸法を有する単層正方形フィルムを、縦方向(MD)及び横方向(CD)の縁に沿ってフィルム試料からパンチプレスによって切り出す。その後、フィルムをフィルムホルダに入れ、そのフィルムホルダを150℃の熱油浴に30秒間浸漬する。その後、ホルダを油浴から取り出す。油を切った後、フィルムの長さを複数の位置で各方向で測定し、その平均を最終長として採用する。自由収縮%は、下記方程式から決定する:
((初期長)−(最終長))/初期長×100
【0123】
本発明の精神及び本質的特質から逸脱することなく他の形態で本発明を実施することができる。したがって、本発明の範囲を示すものとして、上記明細書ではなく添付の請求項を参照すべきである。
本願発明には以下の態様が含まれる。
[1]
エチレン/アルファ−オレフィン共重合体であって、
60%未満のCDBIを有し、並びに前記エチレン/アルファ−オレフィン共重合体のクロス分別で、>0.68の重量分率比及び0.65より大きい分子量均一性指数(molecular weight homogeneity index)を構成する、85℃から90℃及び90℃から95℃で溶出する、少なくとも2つの画分を含み(この場合の重量分率比は、95℃と100℃の間で溶出するポリマーの重量で割った各画分中のポリマーの重量の比であり、及び分子量均一性指数は、95℃と100℃の間で溶出するポリマーの重量平均分子量で割った前記画分中のポリマーの重量平均分子量の比である)、並びに0.920から0.940g/cm3の範囲の密度を有する、エチレン/アルファ−オレフィン共重合体。
[2]
エチレン/アルファ−オレフィン共重合体の製造プロセスであって、
触媒組成物を用いて好適な重合条件下でエチレンと少なくとも1つのアルファ−オレフィンを接触させてエチレン/アルファ−オレフィン共重合体を形成する工程を含み、前記エチレン/アルファ−オレフィン共重合体が、60%未満のCDBIを有し、並びに前記エチレン/アルファ−オレフィン共重合体が、前記エチレン/アルファ−オレフィン共重合体のクロス分別で、>0.68の重量分率比及び0.65より大きい分子量均一性指数を構成する、85℃から90℃及び90℃から95℃で溶出する、少なくとも2つの画分を含み(この場合の重量分率比は、95℃と100℃の間で溶出するポリマーの重量で割った各画分中のポリマーの重量の比であり、及び分子量均一性指数は、95℃と100℃の間で溶出するポリマーの重量平均分子量で割った前記画分中のポリマーの重量平均分子量の比である)、並びに前記エチレン/アルファ−オレフィン共重合体が、0.920から0.940g/cm3の範囲の密度を有する、製造プロセス。
[3]
100重量パーセント未満の上記[1]に記載のエチレン/アルファ−オレフィン共重合体と;
10重量パーセントに等しい又はそれより多い低密度ポリエチレン組成物と
を含む組成物。
[4]
エチレン/アルファ−オレフィン共重合体を含むフィルムであって、
前記エチレン/アルファ−オレフィン共重合体が、60%未満のCDBIを有し、並びに前記エチレン/アルファ−オレフィン共重合体が、前記エチレン/アルファ−オレフィン共重合体のクロス分別で、>0.68の重量分率比及び0.65より大きい分子量均一性指数を構成する、85℃から90℃及び90℃から95℃で溶出する、少なくとも2つの画分を含み(この場合の重量分率比は、95℃と100℃の間で溶出するポリマーの重量で割った各画分中のポリマーの重量の比であり、及び分子量均一性指数は、95℃と100℃の間で溶出するポリマーの重量平均分子量で割った前記画分中のポリマーの重量平均分子量の比である)、並びに前記エチレン/アルファ−オレフィン共重合体が、0.920から0.940g/cm3の範囲の密度を有する、フィルム。
[5]
(a)エチレン/アルファ−オレフィン共重合体であって、
60%未満のCDBIを有し、並びに前記エチレン/アルファ−オレフィン共重合体のクロス分別で、>0.68の重量分率比及び0.65より大きい分子量均一性指数を構成する、85℃から90℃及び90℃から95℃で溶出する、少なくとも2つの画分を含み(この場合の重量分率比は、95℃と100℃の間で溶出するポリマーの重量で割った各画分中のポリマーの重量の比であり、及び分子量均一性指数は、95℃と100℃の間で溶出するポリマーの重量平均分子量で割った前記画分中のポリマーの重量平均分子量の比である)、並びに0.920から0.940g/cm3の範囲の密度を有するエチレン/アルファ−オレフィン共重合体と、(b)1つ又はそれ以上のLDPEとを含む、フィルム。
[6]
前記エチレン/アルファ−オレフィン共重合体が、平均Mv及び低結晶性画分と高結晶性画分の間の鞍部温度(valley temperature)、Thcを、ATREFからの全エチレン/アルファ−オレフィン共重合体の平均Mvで割ったATREFからのThcより上の画分についての平均Mv(Mhc/Mp)が1.3未満であるように有する、上記[1]から[5]に記載のエチレン/アルファ−オレフィン共重合体又は製造プロセス又は組成物又はフィルム。
[7]
前記エチレン/アルファ−オレフィン共重合体が、0.923から0.935g/cm3の範囲の密度を有する、上記[1]から[6]に記載のエチレン/アルファ−オレフィン共重合体又は製造プロセス又は組成物又はフィルム。
[8]
前記エチレン/アルファ−オレフィン共重合体が、0.1から3g/10分の範囲のメルトインデックスを有する、上記[1]から[7]に記載のエチレン/アルファ−オレフィン共重合体又は製造プロセス又は組成物又はフィルム。
[9]
前記エチレン/アルファ−オレフィン共重合体が、0.1から1.5g/10分の範囲のメルトインデックスを有する、上記[1]から[8]に記載のエチレン/アルファ−オレフィン共重合体又は製造プロセス又は組成物又はフィルム。
[10]
前記エチレン/アルファ−オレフィン共重合体が、不均一に分岐している、上記[1]から[9]に記載のエチレン/アルファ−オレフィン共重合体又は製造プロセス又は組成物又はフィルム。
[11]
前記エチレン/アルファ−オレフィン共重合体が、55%未満のCDBIを有する、上記[1]から[10]に記載のエチレン/アルファ−オレフィン共重合体又は製造プロセス又は組成物又はフィルム。
[12]
前記エチレン/アルファ−オレフィン共重合体が、1000のC原子につき1未満の長鎖分岐を有する、上記[1]から[11]に記載のエチレン/アルファ−オレフィン共重合体又は製造プロセス又は組成物又はフィルム。
[13]
前記エチレン/アルファ−オレフィン共重合体が、約5未満の分子量分布、Mw/Mnを有する、上記[1]から[12]に記載のエチレン/アルファ−オレフィン共重合体又は製造プロセス又は組成物又はフィルム。
[14]
25cNより大きいMD収縮張力、10%未満のヘイズ、及び170ft・lb/in3より大きいパンクチャ強度を有する、上記[4]又は上記[5]に記載のフィルム。
[15]
65%より大きい光沢度及び250gより大きいダートインパクトを有する、上記[4]又は上記[5]に記載のフィルム。
[16]
前記触媒組成物が、
(A)(1)一般式R’’R’Mg.xAlR’3(式中、各R’’及びR’はアルキル基である)によって表される少なくとも1つの炭化水素可溶性マグネシウム成分と、
(2)少なくとも1つの非金属又は金属ハライド源と
を反応温度が約60℃を超えないような条件下で接触させることによって調製されたマグネシウムハライドと;
(B)式Tm(OR)y Xy−x(式中、Tmは、周期表のIVB、VB、VIB、VIIB又はVIII族の金属であり;Rは、1から約20個、例えば1から約10個の炭素原子を有するヒドロカルビル基であり;Xはハライドであり;並びにy及びxは整数であり、それらの合計は4である)によって表される少なくとも1つの遷移金属化合物と;
(C)過剰なX:Mg比を生じさせるさらなるハライド源と
の反応生成物を含む、上記[2]に記載の製造プロセス。
[17]
85℃と100℃の間で溶出するポリマーの全3画分の重量の合計が、前記エチレン/アルファ−オレフィン共重合体の60重量%より多い、上記[1]から[16]に記載のエチレン/アルファ−オレフィン共重合体又は製造プロセス又は組成物又はフィルム。
[18]
前記エチレン/アルファ−オレフィン共重合体の重量平均Mwが、125,000g/molより大きい、上記[1]から[17]に記載のエチレン/アルファ−オレフィン共重合体又は製造プロセス又は組成物又はフィルム。
[19]
前記エチレン/アルファ−オレフィン共重合体のI10/I2のメルトフローレートが、7.8未満である、上記[1]から[18]に記載のエチレン/アルファ−オレフィン共重合体又は製造プロセス又は組成物又はフィルム。
[20]
190℃で測定した前記エチレン/アルファ−オレフィン共重合体の[0.1rad/秒での粘度]/[100rad/秒での粘度]が、6未満である、上記[1]から[19]に記載のエチレン/アルファ−オレフィン共重合体又は製造プロセス又は組成物又はフィルム。