【課題を解決するための手段】
【0011】
本方法によれば、前記目的は請求項1の特徴によって達成され、本装置によれば、前記目的は、請求項11の特徴によって達成される。有用且つ有利な実施形態は、従属請求項及び図面の説明に記載される。
【0012】
本発明の中心概念は、各粉砕ローラの通過後に、微細材料に粉砕されたミル材料を可能な限り完全に除去することによって、過剰粉砕を防止することであると認識できる。微細材料は、各粉砕ローラの後方で、粉砕床、及び粉砕パン又は粉砕トラックから除去されて、上昇する搬送空気流に送られるため、粉砕床は、その粒径分布について目標とする分布とされる。粉砕床が粗くなり、過剰粉砕を排除、又は大幅に抑制できるため、その結果として、ローラミルの処理量の大幅な向上を実現できる。
【0013】
ローラミル内でミル材料を粉砕する本発明の方法において、粉砕対象のミル材料は、保持リムが設けられた回転式粉砕パンに供給され、その供給されたミル材料によって形成された粉砕床に力を加える方式で回転する定置の粉砕ローラを利用して、粉砕ローラと粉砕パン又は粉砕トラックの間の粉砕区画内で粉砕される。本発明によれば、各粉砕ローラの通過後に、所定の衝撃力を有する空気噴流が、上方から微細材料集中区画に向かって微細材料ノズルから送出される。微細材料集中区画は、各粉砕ローラの粉砕区画の直後に形成され、粉砕されるべく供給されるミル材料から極めて分離されている。このミル材料は、粉砕パンの回転によって、螺旋状のトラックを描いて粉砕ローラへと送られるが、その結果、粉砕ローラの側面によって向きが変えられる。この粉砕ローラの「影」になる部分において、微細材料領域が、微細材料集中区画と共に最初に形成し得る。
【0014】
微細材料集中区画、及びこれより面積の大きい微細材料領域は、保持リムの近くにおいて、粉砕ローラから排出された直後の、各粉砕ローラの粉砕区画のすぐ隣に形成される。微細材料は、微細材料ノズルの少なくとも一つの空気噴流に助けられて、微細材料集中区画から上方に吹き飛ばされて、上昇している搬送空気流に到達する。この搬送空気流は、粉砕パンとミルハウジングの間に設けられたブレードリングから供給されて、微細材料を空気圧搬送してミルの分級工程に供給する。
【0015】
重要な特徴は、各粉砕ローラの粉砕区画の直後の保持リム領域に形成された微細材料集中区画に向けられた空気噴流又は微細材料ノズルの向きであり、これは、新たに供給されたミル材料と混合して次の粉砕ローラによる過剰粉砕が行われる前に、微細材料が外側かつ上方に向かって吹き飛ばされるようにする向きである。微細材料は、基本的に、各粉砕ローラの粉砕区画のすぐ後方、且つ保持リムに縁取られた、上面から見ると比較的小さい三角形部分から吹き飛ばされる。
【0016】
ノズル状の装置を利用して、各粉砕ローラの後方で粉砕材料を空気と衝突させることは、特許文献3(DE33 11 433 A1)により知られている。ただし、この構成において、粉砕されたミル材料は、中空スクレーパのノズル開口からの空気によって弾き飛ばされる。この中空スクレーパは、当該スクレーパによって細分された粉砕ミル材料と微細材料粒子とを粗い材料から分離し、分離された材料及び材料粒子を、ブレードリングからの搬送空気流によってその空気流と共に移送できるように、粉砕トラックから僅かな距離だけ上方に位置し、且つその粉砕トラックを横断する方向に設けられる。この既知の方法は、各粉砕ローラの後方の粉砕トラックの全幅において粉砕ミル材料を分類するためのものであるため、粗い破砕物は、再び粉砕テーブルに完全に戻されて、もう一度粉砕される。また、粉砕された材料の層に対する空気の強力な噴射は、粉砕材料層がスクレーパによって持ち上げられた後で下方から行われる。下方からの空気の噴射と、粉砕テーブルの全幅での粉砕材料の一次分類とによって、十分に小さくなった微細材料を粉砕テーブルから除去することで、粉砕処理のエネルギ必要量が少なくなり、搬送空気の圧力低下が抑制される。
【0017】
この既知の空気噴射とは対照的に、微細材料ノズルは、本発明の方法において、粉砕されるべく新たに供給された材料から十分に分離された微細材料集中区画に上方から対峙する姿勢で配設される。
【0018】
実験用ローラミルでの試験により、本発明に係る微細材料ノズルを用いることで、規定の作業必要量を大幅に抑制できることが確認されている。比較試験において、0.1MPa(1バール)のノズル予圧で規定の作業必要量が約20%低下することが確認された。この試験は、原則的に、所定の方式、特に上方から仕向けられた微細材料ノズル及び空気噴流を利用することで、微細材料を吹き飛ばすことができ、その結果、過剰粉砕及びミルの振動の防止、又は大幅な削減を実現できることを示した。
【0019】
各粉砕ローラの直後の微細材料集中区画から微細材料を局部的に吹き飛ばして除去することによって、ミルの製造及び処理技術に何らかの他の介在物を必要とすることなく、ミルの振動の低減と同時に粉砕パンの特定の作業要件の約20%の低減を保証できる。
【0020】
本発明の微細材料ノズルを利用することで、粉砕パン外周の保持リムの高さと、特定のエネルギ要件との間の相反関係を処理条件において切り離せるという利点がある。これにより、処理量を増やすために、粉砕パンのエネルギ要件に不利益をもたらすことなく、より高い保持リムを利用できるようになる。
【0021】
更に、微細材料を除去することで粗くなったミル材料は、振動を増大させずに、より高い作動圧で粉砕できるため、粉砕の進行が速まるという利点がある。これにより、内部循環が低下して圧力差が縮小するため、この方式で、ローラミルの処理量も大きくできる。
【0022】
微細材料ノズルからの空気噴流は、その質量流量及び速度が個々の要件に応じて設定されると有利である。調整可能であるため、粉砕床は、所望するように局部的に変形でき、粉砕プロセス全体が有利な影響を受け得る。
【0023】
微細材料ノズル及び噴出する空気噴流の調節は、傾斜角度及び噴出角度を基準に行うことができるため、微細材料の吹き飛ばし、ひいては粉砕床の最適化を実現できる。傾斜角度及び噴出角度は、微細材料集中区画及び微細材料ノズルの出口領域によって規定される。これについては、図面の説明に関連して更に説明する。微細材料ノズルからの空気噴流は、質量流量及び速度に関して効果的に設定及び変更することができ、この速度は、10m/sから使用する気体の音速までの範囲内の値を取り得る。このため、特殊な形状のノズル(ラバールノズル)を利用することができる。
【0024】
ローラミル外部の圧縮空気ラインから微細材料ノズルに圧縮空気を送るのみでなく、これに代えて、微細材料ノズルから各粉砕ローラの微細材料集中区画に他の気体又は蒸気を送出して、外側且つ上方に微細材料を吹き飛ばすことも本発明の範囲に入る。
【0025】
微細材料ノズルの対応する構造において、空気、気体、又は蒸気の噴流は、−50℃から800℃の範囲の値の温度で供給されてよい。低温の気体は、例えば、室温において粘性を有する材料を人工的に脆化するために利用でき、高温の蒸気は、所望するように後の処理を行うために粉砕材料を局部的に調製することに適し得る。
【0026】
空気掃引ローラミル又はローラパンミルとして、それ自体は既知の方式で構成されて、実質的に水平な粉砕トラックを有する回転式粉砕パンと、粉砕パン端縁の保持リムとを含む本発明のローラミルには、本発明に係る微細材料ノズルが設けられる。微細材料ノズルは、各空気噴流が、各粉砕ローラの直後且つ隣接する保持リム領域上の微細材料集中区画に対して上方から送出され、そこに堆積された微細材料を上方に吹き飛ばし、且つ上昇している搬送空気流に供給するように配置される。
【0027】
粉砕ローラの直後且つ保持リム領域上の比較的小さい所定の領域に向けて方向付けされた進歩的な微細材料ノズルにより、微細材料は、ローラの側面で偏向された新しい粉砕材料が微細材料と混合し得る前、又は新しい粉砕材料が微細材料の上に重なり得る前に上方に吹き飛ばされる。
【0028】
各粉砕ローラの後段に設けられる微細材料ノズルは、粉砕ローラと粉砕パンの間のローラ間隙から出てくる微細材料が、個別に調整可能な空気噴流によって巻き上げて上方に吹き上げられるように、角度調整可能な設計であると有用である。全ての微細材料又は産出された微細材料の少なくとも大部分は、この後、ブレードリングから出てくる比較的高速の搬送空気から供給されて、上方に向かって分級機へと空気圧搬送することができる。
【0029】
微細材料ノズルは、粉砕中に生じる微細材料の大部分が保持リムによって収集又は堆積される場所である微細材料集中区画に向かうように個別に方向決めされると有利である。これにより、極めて効率的な方式で微細材料を除去できると同時に、ミルの振動を防止する目的に合うように粉砕床を最適化することができる。
【0030】
送出する空気噴流用の少なくとも一つのノズル開口を有する微細材料ノズルを、各粉砕ローラの細分化区画から所定の距離に配置すると有用であることが試験により確認された。この距離は、200〜1200mmの範囲の値を取ることができ、基本的に微細材料ノズルの形状によって異なる。
【0031】
微細材料ノズルが、送出する空気噴流用の少なくとも一つのノズル開口を有する出口領域と、ミルハウジングから粉砕トラックを通って径方向に延びて粉砕床、又は微細材料領域及び微細材料集中区画の少なくともいずれかの上方に所定の距離で位置する供給領域とを含む場合に、ノズル開口を有する出口領域は、保持リム領域の方向において下方及び外側に向かう姿勢で微細材料集中区画を目指すように方向付けできる。
【0032】
実験用ミルを用いた実験室での試験において、ミルハウジングの外部のノズルリングラインにおいて、約0.05MPa(約0.5バール)から約0.15MPa(約1.5バール)、特に、約0.1MPa(約1バール)の予圧(一次圧)に設定された空気を供給できることが判明した。大規模な設備では、体積流量が大きくなり、圧力は低くなる。
【0033】
微細材料ノズルは、原則的に任意の形状であってよく、例えば円形のジェットノズル又は平坦なノズルとして設計されてよい。また、これらのノズルは、一つ又は複数の噴流を有するように設計でき、同一又は異なる角度に調整された複数のノズルも利用できる。
【0034】
個々の微細材料ノズルへの代替の空気供給部は、微細材料ノズルに提供される空気流全てのために、例えば径方向にローラミルの中心部内へと延びるラインを含む。ローラミルの中心部に、特大材料コーン内に位置すると有用である分配装置を設けることができ、この装置から、均一な空気流、気体流、又は他の媒体流を、複数のライン、例えば分岐ラインを介して各微細材料ノズルへと分配することができる。
【0035】
分配装置を中心に配置することにより、回転方向に対称な形で微細材料ノズルへ流れを促進するライン配置を実現できる。
【0036】
特に有利であるのは、本発明の微細材料ノズルが設けられたローラミルは、所望の粉末度が原因で高い保持リムを使用しなければならない状況において、粉砕が困難なミル材料、又は非常に細かく粉砕されるミル材料に利用できることである。本発明のローラミルは、セメントクリンカ、高炉粉砕スラグの粉砕に好ましく利用されると共に、非常に硬いセメント原料及び鉱石にも好ましく利用される。
【0037】
既に記載した利点の他に、本発明の微細材料ノズルの向きにより、微細材料のみを巻き上げて吹き飛ばすことが実現する。粗粒又はより粗い部分は、微細材料ノズルによって捕捉されないが、これは、微細材料ノズルが所定の領域を向くように設定され、高い集中度で存在する微細材料を巻き上げるためである。
【0038】
本発明の微細材料ノズルの向きにより、微細材料の移送は、ブレードリングからの上昇空気流内へと外側に向かって行われるため、分級機への効果的な移送が保証される。
【0039】
更に、粉砕パン上のミル材料と直接接触することがないため、微細材料ノズルは、原則的に磨滅することがないという利点がある。
【0040】
本質的な利点は、加工技術において、保持リムの高さとエネルギ要件の相反関係が解除されることにあるため、処理量を最大化するために、振動及びエネルギ要件についての不利な結果をもたらすことなく、保持リムを大きくすることもできる。したがって、同じミル処理量をより小さいミルで実現でき、ひいては設備投資及び運用コストが低下する。