(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5775652
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】ケーブルラック加工カット寸法読み取り器
(51)【国際特許分類】
G01B 3/06 20060101AFI20150820BHJP
【FI】
G01B3/06
【請求項の数】2
【全頁数】7
(21)【出願番号】特願2013-98020(P2013-98020)
(22)【出願日】2013年5月8日
(65)【公開番号】特開2013-178267(P2013-178267A)
(43)【公開日】2013年9月9日
【審査請求日】2014年7月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】710005980
【氏名又は名称】山崎 範昭
(72)【発明者】
【氏名】山崎範昭
【審査官】
岸 智史
(56)【参考文献】
【文献】
登録実用新案第367530(JP,Z2)
【文献】
特開2010−248876(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 3/00−3/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
幅が100mmかつ長さが100mm以上である同寸法の長方形の直尺2本を、回動自在に連結した寸法読み取り器であって、一方の直尺は、幅方向の1つの辺を一辺とする正方形の中心にネジ付きの軸を有し、他方の直尺は、幅方向の1つの辺を一辺とする正方形の中心に前記軸を通す穴を有し、さらに、長さ方向の1つの辺に目盛りを有し、前記目盛りは、前記穴から前記長さ方向の1つの辺に対して下ろした垂線が交わる位置に、基準として0を表示し、長さ方向の両側に向かって目盛りをつけたものであり、前記2本の直尺は、いずれも、前記正方形の角の部分に、前記正方形の一辺を直径とする丸みを有し、前記軸と前記穴との間に、固定用金具を設けた事を特徴とする寸法読み取り器。
【請求項2】
請求項1の寸法読み取り器が回動し直尺辺交差部が差し示す目盛り値は、前記正方形の軸芯から一辺の2分の1の辺が回動した直尺辺交差部であり、よって値も2分の1を示すことから、寸法読み取り器に表示されている目盛りの値を、当初から2倍で表示した事を特徴とする請求項1の寸法読み取り器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケーブルラック敷設時、ルート変更又は障害物等によるラック加工が生じたときのカット寸法を速やかに算出する寸法読み取り器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ラック加工は、主にラック本体の敷設高さの変更、両サイドへのラック本体の平行移動である。中でも平行移動する為に斜め加工を施し、元の角度に戻す作業でよく見かけるのは、ラック本体を使って折り重ね組み合わせ、実寸法からカット寸法を求めている事である。又既設ラックの曲がりに合わせる場合は、細かく実寸を既設ラックから測り取っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−248876
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
解決しようとする問題点は、ラック本体を折り重ね組み合わせ、実寸法からカット寸法を求めている事である。これは現場作業スペースを広く取ってしまい作業効率も悪い。本発明は、これらの問題点を解決する為になされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
幅100mm、
かつ長さは100mm以上を持った
同寸法の長方形の直尺2本を、角を基準に幅と同じ正方形の中心点にネジ付きの軸(4)を
一方の直尺(2)に固定し設け、
他方の直尺(1)は中心に軸用の穴をあけ、直尺2本が自在に回動する様連結した寸法読み取り器である。直尺(1)の片辺側には
軸芯経由の垂線(6)が交わった側辺部分を基準0と
表示し
長さ方向の両
側に向かって目盛り(3)を付ける。対称側の片辺側部分の外曲げ側に当たる角は、両
直尺(1,2)ともに既設ラック等の曲げ側桁の折り曲げ部に支障なく添え充てる事を可能にさせる
前記正方形の一辺を直径とする丸みを設ける。尚、軸のネジ部には折り曲げ角度と目盛り値を保持させる固定用金具(5)を設けておく。
【0006】
前記寸法読み取り器は、既製のラックサイズの幅
が、粗方100mm単位でサイズアップされているので、寸法読み取り器本体の幅を100mmとし対比計算しやすくしたものである。
しかし、寸法読み取り器を
回動し折り曲げた時の直尺辺交差部が
差し示す目盛り値は、
前記正方形の軸芯から一辺の2分の1の辺が回動した直尺辺交差部(図4)である。よって値
も2分の1を示す
ことから、寸法読み取り器に表示
されている目盛り
の値を、当初から2倍で表示し、
計測値に既製のラック幅と対比された倍率を乗法し求める。
【発明の効果】
【0007】
ラック本体を折り重ねて確認することなく加工寸法
が、寸法読み取り器の
折れ角度の直尺辺交差部分
が示す目盛り値に
対比された倍率で乗法し算出できる。既設ラックの曲がり加工寸法も、寸法読み取り器を既設ラックの桁に添えて折れ角度に合わせ、寸法読み取り器の固定用金具で保持させる事で、目盛り値を確実に読み取れる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図4】既製ラック幅と対比計算された倍率を、寸法読み取り器の表示目盛り値に乗法した値が、桁のカット寸法値として表示された値との整合性が見て取れる
【
図5】直尺辺交差部分の示す目盛り値は、
軸芯から一辺の2分の1の辺が回動した直尺辺交差部であり、よって値
も2分の1を示す
ことから、寸法読み取り器に表示
されている目盛りの
値を、当初から2倍で表示した図
【
図7】既設ラック折り曲げ箇所の、寸法を読み取る場合の寸法読み取り器の状態図
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、寸法読み取り器の折り畳み状態図であり同寸法の幅100mm、長さは100mm以上を持った長方形の直尺(1,2)を、角を基準に幅と同じ正方形の中心点にネジ付きの軸(4)を
一方の直尺(2)に固定し設け、
他方の直尺(1)は中心に軸用の穴をあけ目盛り(3)を設け、直尺2本が自在に回動する様連結した寸法読み取り器である。
【0010】
図2は、分解構造図で
一方の直尺(1)の片辺側には
前記正方形の軸芯経由の垂線(6)が交わった側辺部分を基準0とし
長さ方向の両
側に向かって目盛り(3)を
表示する。
前記2本の直尺は、いずれも、前記正方形の角
の部分に、前記正方形の一辺を直径とする丸みを有し、既設ラック等の曲げ側桁の折り曲げ部に支障なく添え充てる事を可能にさせる
前記正方形の一辺を直径とする丸みを設ける。従って測定箇所の折り曲げ部の内側・外側を選ばずに添え充てる事が出来る。
【0011】
図3,4,5は、対比関係の図である。既製のラックサイズの幅が、粗方100mm単位でサイズアップされている事から寸法読み取り器本体の幅を100mmとし、
対比計算しやすくしたものである。しかし、寸法読み取り器を回動し折り曲げた時の直尺辺交差部の示す値は、前記正方形の軸芯から一辺の2分の1の辺が回動した直尺辺交差部であり、よって値
も2分の1を示す
ことから、寸法読み取り器に表示
されている目盛りの
値を、当初から2倍で表示
したものである。
【0012】
図6は、重複部分のカット
される寸法部分を示したものである。
【0013】
図7は、既設ラックの加工寸法を調べる時の状態図で、寸法読み取り器を既設ラックの曲げ側桁の
どちらかの折り曲げ部に添え充て、曲がり角度と目盛り値を固定用金具(5)で保持させ読み取る事が出来る。
【符号の説明】
【0014】
1 1部R加工され軸用の穴をあけ、目盛り(3)を付けた直尺
2 1部R加工されネジ付きの軸を固定された直尺
3 軸芯と垂直に交わった部分を基準0とし両方向に向かって表示された目盛り
4 ネジ付きの軸
5 曲がり角と目盛り値を保持させる固定用金具
6 軸芯から側辺への垂直線