(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
使用限度額をホワイトカードに紐づけられた入金額に応じて引き上げることが可能で、受金にのみ利用可能な受金IDと、消費使用に利用可能な消費使用IDとの二種類のIDがあらかじめ紐付けられているホワイトカードに対する入金システムであって、
ホワイトカードに対する入金に際して、入金すべきホワイトカードの受金IDを取得する受金ID取得部と、
そのホワイトカードの使用限度額を引き上げようとする額の入金を受け付けた旨の情報である入金受付情報を取得する入金受付情報取得部と
取得した受金IDと、入金受付情報とを関連付けて出力する出力部と、
を有するホワイトカード使用限度額引上指示装置と、
受金IDと関連付けられた入金受付情報をホワイトカード使用限度額引上指示装置から受信する受信部と、
受信した入金受付情報に関連付けられたホワイトカード受金IDと紐付けられている消費使用IDをホワイトカードID管理装置から取得する消費使用ID取得部と、
取得した消費使用IDと関連付けた使用限度額引上額を含む引上命令を送信する引上命令送信部と、
を有する引上命令装置と、
消費使用IDと受金IDとを紐付けた紐付テーブルを保持する紐付テーブル保持部と、
引上命令装置から受金IDを受信する受金ID受信部と、
受信した受金IDに紐付けられている消費使用IDを紐付テーブルから取得して引上命令装置に送信する消費使用ID送信部と、
を有するホワイトカードID管理装置と、
からなるホワイトカード使用限度額引き上げシステム。
入金をしようとする利用者の個人特定をするための免許証、保険証、パスポートなど公的に個人を特定することが可能な書類の画像情報または/及び文字情報と関連付けられた個人IDおよびその個人IDで特定される利用者用のパスワードを保持する個人ID保持部と、
引上命令装置からパスワードと個人IDとの対からなる特定要求を取得する特定要求取得部と、
取得した特定要求に含まれるパスワードと個人IDの対が個人ID保持部に保持されているパスワードと個人IDとの対と合致したか判断する判断部と、
判断結果が合致したとの判断結果である場合には、その旨を示す情報である結果情報を返信する結果情報返信部と、
を有する個人認証サーバ装置をさらに有し、
前記引上命令装置は、
入金をしようとする利用者からパスワードと個人IDとの対の入力を受け付ける個人ID入力受付部と、
受け付けたパスワードと個人IDとの対を特定要求として前記個人認証サーバ装置に送信する個人ID送信部と、
送信した特定要求に応じて個人認証サーバ装置から返信される結果情報を受信する結果情報受信部と、
結果情報を受信した場合にのみ引上命令の送信を可能とする引上命令送信制御部と、
を有する請求項1または2に記載のホワイトカード使用限度額引上げシステム。
入金をしようとする利用者の個人特定をするための免許証、保険証、パスポートなど公的に個人を特定することが可能な書類の画像情報または/及び文字情報と関連付けられた個人IDおよびその個人IDで特定される利用者用のパスワードを保持する個人ID保持部と、
ホワイトカード使用限度額引上指示装置からパスワードと個人IDとの対からなる特定要求を取得する特定要求取得部と、
取得した特定要求に含まれるパスワードと個人IDの対が個人ID保持部に保持されているパスワードと個人IDとの対と合致したか判断する判断部と、
判断結果が合致したとの判断結果である場合には、その旨を示す情報である結果情報を返信する結果情報返信部と、
を有する個人認証サーバ装置をさらに有し、
ホワイトカード使用限度額引上指示装置は、
入金をしようとする利用者からパスワードと個人IDとの対の入力を受け付ける個人ID入力受付部と、
受け付けたパスワードと個人IDとの対を特定要求として前記個人認証サーバ装置に送信する個人ID送信部と、
送信した特定要求に応じて個人認証サーバ装置から返信される結果情報を受信する結果情報受信部と、
結果情報を受信した場合にのみ取得した受金IDと、入金受付情報とを関連付けて出力するように出力部を制御する出力部制御部と、
を有する請求項1または2に記載のホワイトカード使用限度額引上げシステム。
使用限度額をホワイトカードに紐づけられた入金額に応じて引き上げることが可能で、受金にのみ利用可能な受金IDと、消費使用に利用可能な消費使用IDとの二種類のIDがあらかじめ紐付けられているホワイトカードに対する入金システムであり、
ホワイトカード使用限度額引上指示装置と、引上命令装置と、ホワイトカードID管理装置と、からなる入金システムの動作方法であって、
ホワイトカード使用限度額引上指示装置は、
ホワイトカードに対する入金に際して、入金すべきホワイトカードの受金IDを取得する受金ID取得ステップと、
そのホワイトカードの使用限度額を引き上げようとする額の入金を受け付けた旨の情報である入金受付情報を取得する入金受付情報取得ステップと
取得した受金IDと、入金受付情報とを関連付けて出力する出力ステップと、
を計算機に実行させ、
引上命令装置は、
受金IDと関連付けられた入金受付情報をホワイトカード使用限度額引上指示装置から受信する受信ステップと、
受信した入金受付情報に関連付けられたホワイトカード受金IDと紐付けられている消費使用IDをホワイトカードID管理装置から取得する消費使用ID取得ステップと、
取得した消費使用IDと関連付けた使用限度額引上額を含む引上命令を送信する引上命令送信ステップと、
を計算機に実行させ、
ホワイトカードID管理装置は、
消費使用IDと受金IDとを紐付けた紐付テーブルを保持する紐付テーブル保持部を有するとともに、
引上命令装置から受金IDを受信する受金ID受信ステップと、
受信した受金IDに紐付けられている消費使用IDを紐付テーブルから取得して引上命令装置に送信する消費使用ID送信ステップと、
を計算機に実行させる、
ホワイトカード使用限度額引き上げシステムの動作方法。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に、図を用いて本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明はこれら実施の形態に何ら限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施しうる。
【0019】
なお、実施例1は、主に請求項1、5について説明する。また、実施例2は、主に請求項2、6について説明する。また、実施例3は、主に請求項3、4、7、8について説明する。
【0022】
図1は、本実施例のホワイトカード使用限度額引き上げシステムにおけるカードの利用形態の一例を説明するための概念図である。例えば、ユーザαがユーザβに1万円の入金を行おうと考えた。そこでユーザαは、自身の携帯端末などを利用して本システムによる使用限度額引上サービスを利用するためのWebサイトにアクセスする。そして入金先のユーザβの携帯電話番号とその入金額とを当該Webサイトの画面に入力し、さらに自身のユーザIDやパスワードなどと合せて登録処理を行う。すると当該Webサイトを管理するサーバ装置では、入力された情報を元に認証コードを生成し、データベースに蓄積保持する。
【0023】
そして
図1(a)に示すように、ユーザαがコンビニなどを訪れ本サービスを実際に利用する際に、ユーザIDやパスワードなどを入力し認証コードの返信リクエストを行う。そして上記サーバ装置にてユーザIDとパスワードの組を元に登録ユーザである旨の認証が為されると、データベースに蓄積保持されている認証コードがユーザの携帯端末などに返信される。そしてコンビニなどの店頭端末(ホワイトカード使用限度額引上指示装置)に当該認証コードを読取らせることにより、ユーザβの携帯電話番号および入金額を入力する。そしてその金額分の金銭をコンビニのレジにて支払う。すると店頭端末では、その実際に入金がなされた旨を示す情報である入金受付情報を生成し、
図1(b)に示すように、その入金受付情報と入金先を特定するためのβの携帯電話番号とを関連付けて、カードの使用限度額を引上げるための命令を出力する装置(引上命令装置)に対して送信する。
【0024】
もちろん、引上命令装置への情報送信に関しては、第三や第四の装置を介して送信されても良いし、直接送信されても良い。
【0025】
すると、その引上命令装置では、
図1(c)に示すように例えば本システムの管理者が管理する装置(ホワイトカードID管理装置)に対して携帯電話番号を転送し、入金すべきホワイトカードの消費使用IDについて問合せを行う。そしてホワイトカードID管理装置では携帯電話番号等の入金用のIDと、カードを消費使用する際のIDとを紐付けて管理しており、上記引上命令装置からの問合せに応じてカードの消費使用IDを返信する。
【0026】
そして
図1(d)に示すように、引上命令装置ではその返信された消費使用IDとともに、例えばカードを発行する信販会社などの装置に対してカードの使用限度額を引上げる命令を出力する。すると、当該消費使用IDで識別されるカードについて「1万円」の入金があったことが信販会社などにて確認され、当該カードをその1万円分増加した限度額内で使用することができる、という具合である。
【0027】
このようにして、本システムを利用することで、他者からの入金などに応じてリアルタイムにカードの使用限度額を引上げることができる。また、カードへの入金時に入金先を指定するID(携帯電話番号等)と、実際にカードにて支払いをする際に消費使用IDとが別であるため、送金者などに消費使用IDを知らせなくとも受金を行うことができるので、安全に受金と消費を行うことができる。
【0028】
なお、上記説明における各装置を管理する主体は一例であって、それ以外の主体によって管理されても良いし、例えば引上命令装置とホワイトカード管理装置が一の主体によって管理されても良い。例えばセキュリティ上、引上命令装置はカードを発行する機関ごとに一つずつ設置されるケースが考えられるが、もちろん統一的に一の主体が管理しても良い。また、逆にホワイトカードID管理装置は、サービス提供者が統合的に管理するケースが考えられるが、カードを発行する機関ごとに一つずつ設置されるなどしても良い。また、例えば引上命令装置とホワイトカード管理装置など複数の装置が物理的に一の装置として実現されていても良いし、逆に一の装置が物理的に複数の装置を組み合わせて実現されても良い。また、最初のユーザ登録などに応じた認証コードの生成など無しに、ホワイトカード使用限度額引上指示装置に直接ユーザαの携帯電話番号および入金額などが入力されるよう構成しても良い。
【0030】
図2は、本実施例のホワイトカード使用限度額引き上げシステムにおける機能ブロックの一例を表す図である。なお、以下に記載する本システムを構成する各装置の機能ブロックは、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェア及びソフトウェアの両方として実現され得る。具体的には、コンピュータを利用するものであれば、CPUや主メモリ、バス、あるいは二次記憶装置(ハードディスクや不揮発性メモリ、CDやDVDなどの記憶メディアとそれらメディアの読取ドライブなど)、情報入力に利用される入力デバイス、印刷機器や表示装置、その他の外部周辺装置などのハードウェア構成部、またその外部周辺装置用のインターフェース、通信用インターフェース、それらハードウェアを制御するためのドライバプログラムやその他アプリケーションプログラム、ユーザ・インターフェース用アプリケーションなどが挙げられる。
【0031】
そして主メモリ上に展開したプログラムに従ったCPUの演算処理によって、入力デバイスやその他インターフェースなどから入力され、メモリやハードディスク上に保持されているデータなどが加工、蓄積されたり、上記各ハードウェアやソフトウェアを制御するための命令が生成されたりする。また、この発明はシステムとして実現できるのみでなく、方法としても実現可能である。また、このような発明の一部をソフトウェアとして構成することができる。さらに、そのようなソフトウェアをコンピュータに実行させるために用いるソフトウェア製品、及び同製品を固定した記録媒体も、当然にこの発明の技術的な範囲に含まれる(本明細書の全体を通じて同様である)。
【0032】
そして本実施例のホワイトカード使用限度額引き上げシステムは、「ホワイトカード使用限度額引上指示装置」(0200)と、「引上命令装置」(0210)と、「ホワイトカードID管理装置」(0220)と、からなる。
【0033】
(ホワイトカード使用限度額引上指示装置の構成要件)
【0034】
まず、「ホワイトカード使用限度額引上指示装置」の構成要件について説明する。なお、この「ホワイトカード使用限度額引上指示装置」は、下記構成要件を備え、中央処理装置との間で情報を有線、無線、あるいは基盤接続によって入出力する装置をいい、例えばコンビニやサービスステーション、旅行代理店、その他各種店舗など設置された店頭端末に組み込まれ実現することができる。あるいは、エンドユーザの利用するPC(パーソナル・コンピュータ)や携帯電話やゲーム端末などの携帯端末などに組み込まれ実現することもできる。
【0035】
そして
図2にあるように、「ホワイトカード使用限度額引上指示装置」(0200)は、「受金ID取得部」(0201)と、「入金受付情報取得部」(0202)と、「出力部」(0203)と、を有する。
【0036】
「受金ID取得部」(0201)は、ホワイトカードに対する入金に際して、入金すべきホワイトカードの受金IDを取得する機能を有する。なお「ホワイトカード」とは、本システムによって管理されるカードをいい、もちろんその名称はホワイトカードに限定されない。また、「受金ID」とは、受金にのみ利用可能なIDをいう。ただし「受金にのみ利用可能」とは、ホワイトカードとの関係において受金にのみ利用され消費使用には利用されない、という意味であり、ホワイトカードとの関係の無い場面において各種利用がなされるIDも含まれる。したがって例えば受金用に発行される専用IDのほか、携帯/固定電話番号や電子メールアドレス、住民基本台帳番号なども含まれる。
【0037】
そして、この受金ID取得部は、例えばGUIやその他入力デバイス、あるいはバーコードリーダなどの情報読取装置などによって実現することができる。具体的に、例えば上記例のようにコンビニの店頭端末にて実現されるのであれば、GUIなどを介して直接受金IDが入力され取得する形態が挙げられる。また、
図3に示すようにユーザの携帯電話など別の端末にて入力されコード変換された受金IDを、店頭端末のコードリーダで読取る、あるいはユーザの携帯端末に入力されたそれら情報を近距離無線通信で受信するなどの形態も挙げられる。また、そのコードは、受金IDのほか入金予定額なども含み変換されたコードであっても良い。また、その受金IDなどを含み生成されたコードは、複数に分割生成されており、この受金ID取得部では、その複数のコードを取得することで受金IDなどを取得するよう構成しても良い。
【0038】
また、前述のように携帯電話などのユーザ端末そのものがホワイトカード使用限度額引上指示装置であっても良く、その場合、そのユーザ端末の「受金ID取得部」に例えばGUIなどを介して直接この受金IDが入力されると良い。
【0039】
そして、ここで受付ける受金IDが後述するホワイトカードの消費使用IDとは別であるため、ホワイトカードの利用者以外の者は、受金IDを知っていたとしてもホワイトカードを消費に使用することができない。したがって本システムにおけるカードの管理において、その受金と消費を安全に行うことができる、という具合である。
【0040】
「入金受付情報取得部」(0202)は、入金受付情報を取得する機能を有する。「入金受付情報」とは、そのホワイトカードの使用限度額を引き上げようとする額の入金を受け付けた旨の情報をいう。つまり、この入金受付情報は実際に入金のための支払があったことを示す情報である。そのためこの入金受付情報の生成は、コンビニやサービスステーション、旅行代理店、その他の店舗など実際の金銭の支払を受付ける側の装置で生成されることを前提とする。
【0041】
したがって、例えば当該店舗などの店頭端末やサーバ装置で入金があったことを確認すると、それに応じて入金受付情報が生成され、ホワイトカード使用限度額引上指示装置である当該店頭端末などに取得される。あるいは、ホワイトカード使用限度額引上指示装置が携帯電話などであれば、その店頭端末などで生成されたその情報が、通信やその他の情報読取手段によって携帯電話の「入金受付情報取得部」に取得される、という具合である。
【0042】
「出力部」(0203)は、取得した受金IDと、入金受付情報とを関連付けて出力する機能を有し、例えばネットワークなどを介して次の引上命令装置にこれら情報を送信する、という具合である。
【0044】
次に、
図2に戻り「引上命令装置」の構成要件について説明する。この
図2にあるように、「引上命令装置」(0210)は、「受信部」(0211)と、「消費使用ID取得部」(0212)と、「引上命令送信部」(0213)と、を有する。
【0045】
「受信部」(0211)は、受金IDと関連付けられた入金受付情報をホワイトカード使用限度額引上指示装置から受信する機能を有し、例えばネットワーク網などを介してホワイトカード使用限度額引上指示装置からこれら情報を受信する、という具合である。
【0046】
「消費使用ID取得部」(0212)は、受信した入金受付情報に関連付けられたホワイトカード受金IDと紐付けられている消費使用IDをホワイトカードID管理装置から取得する機能を有する。なお「消費使用ID」は、ホワイトカードの利用者が消費使用に利用可能な消費使用IDをいい、基本的にはホワイトカードの利用者およびシステムの一部管理者以外には知りえない機密情報であることを前提とする。
【0047】
このように、ホワイトカードID管理装置にて、ホワイトカードの利用者以外が入金に利用するために知っている受金ID(例えば携帯電話番号:090−xxx−xxxx)を、利用者しか知らない消費使用ID(例えば秘密のカードID:0123)にコンバートすることで、このホワイトカードによる受金と消費を安全に行うことができる。なおホワイトカードID管理装置における受金IDから消費使用IDへのコンバート処理の詳細については、次のホワイトカードID管理装置の構成要件の説明にて記載する。
【0048】
「引上命令送信部」(0213)は、取得した消費使用IDと関連付けた使用限度額引上額を含む引上命令を送信する機能を有する。具体的には、例えば「カードID:0123のカードに関して1万円の使用限度額を引上げる」といった命令を、ホワイトカードを発行し管理する会社のサーバ装置などに送信する、という具合である。そして、その引上命令を受信したサーバ装置では、そのホワイトカードの使用限度額を1万円分引き上げ、買い物などで利用できるよう管理することができる。なお、「使用限度額引上額」は入金された額面そのままでも良いし、手数料などを引いた額面や何らかの特典によって増加された額面などであっても良い。
【0049】
なお、この引上命令装置は、上記のように実際にカードの使用限度額を引上げるためのトリガーとなる引上命令を送信する装置である。そのため、例えばその管理者などに悪意ある者がいると、不正に(ホワイトカード使用限度額引上指示装置からの受金IDと入金受付情報の受信が無いにも関わらず)自己の受金IDを対象とする引上命令を生成し送信することなども想定される。そこで、本発明のホワイトカード使用限度額引上げシステムでは、この引上命令装置を物理的に2以上用意し、それぞれを別の管理主体に管理させるよう構成しても良い。
【0050】
すなわち、第一の引上命令装置を専用に管理する主体のほかに、例えば上記概要で記載したような認証コードの発行主体のもとにも上記構成を備える第二の引上命令装置を設置しておく。そして、認証コードの発行主体の装置が前述のようにユーザ登録などに応じて認証コードを生成し、それをコンビニなどの店頭端末に送信した際に、当該認証コードに関連付けて入金受付情報の返信待ち状態となるよう構成する。そしてホワイトカード使用限度額引上指示装置からの受金IDと入金受付情報を、第一と第二双方(さらに第三、第四・・・)の引上命令装置に対して出力されるよう構成することで、2以上の主体が別々に管理する引上命令装置に受金IDと入金受付情報を受信するよう構成する。
【0051】
そして、それぞれの引上命令送信部において装置や管理主体のIDを含む引上命令を送信するよう構成する。このように構成することで実施例2で後述するホワイトカード管理サーバ装置では、受信した引上命令のIDを確認し、双方からの引上命令が揃わなければ後述するような使用限度額の引上処理を行わない、という具合である。
【0052】
このような構成をとることで、引上命令装置のいずれかの管理主体に悪意ある者がいたとしても協力者を探す必要があるなど容易には不正を働くことができず、その抑止力とすることができる。
【0054】
次に、「ホワイトカードID管理装置」の構成要件について説明する。
図2にあるように、「ホワイトカードID管理装置」(0220)は、「紐付テーブル保持部」(0221)と、「受金ID受信部」(0222)と、「消費使用ID送信部」(0223)と、を有する。
【0055】
「紐付テーブル保持部」(0221)は、消費使用IDと受金IDとを紐付けた紐付テーブルを保持する機能を有し、例えばハードディスクドライブなどの各種記憶媒体によって実現することができる。
【0056】
図4は、この紐付テーブルの一例を表す概念図である。この図にあるように、例えば携帯電話番号「090−xxx−xxxx」を受金IDとし、それに対して消費使用ID「0123」が関連付けられている。あるいは受金IDである電子メールアドレス「α@yyy.ne.jp」に対して消費使用ID「1234」、あるいは専用ID「USER−001」に対して消費使用ID「5432」が関連付けられている、という具合である。
【0057】
このようにして、送金者に消費使用IDを知らせなくても、携帯電話番号などを指定することで安全に受金し、ホワイトカードの使用限度額を引上げることができる。
【0058】
また、この紐付テーブルにて保持される消費使用IDについては、固定ID(実際の消費使用に利用されるカードID)と変動ID(1回のみの使いきりID)の2種類を合せて管理するよう構成し、引上命令装置に対して実際の消費に利用されるIDを知らせないよう構成し、そのセキュリティ性を高めても良い。例えば、受金IDを受信した際に、固定IDとは別に1回きりの変動IDを新規に生成し、その変動IDを消費使用IDとして引上命令装置に送信する。そして、その変動IDと固定IDの組を、実際に引上命令にしたがって使用限度額を引上げて管理する例えばホワイトカードの発行管理者のサーバ装置に対して送信する、という具合である。
【0059】
「受金ID受信部」(0222)は、引上命令装置から受金IDを受信する機能を有し、例えばネットワーク網などを介して受信する、という具合である。また、このホワイトカードID管理装置と引上命令装置が物理的に1つの装置で実現されている場合には、バス線などを介して内部的に情報を送受信するよう構成すると良い。
【0060】
「消費使用ID送信部」(0223)は、受信した受金IDに紐付けられている消費使用IDを紐付テーブルから取得して引上命令装置に送信する機能を有し、例えばCPUなどの論理演算処理によって上記テーブルを検索し、該当する消費使用IDをネットワーク網(あるいは内部バス線)などを介して返信する、という具合である。
【0061】
このように本実施例のホワイトカード使用限度額引き上げシステムによって、送金などの受金によって一時的に増えた金額を元にカードを利用した支払をすることができる。また、そのための受金を安全に行うことができる。
【0062】
なお、上記実施例では、ホワイトカード使用限度額引上指示装置から出力される受金IDと入金受付情報の出力先は引上命令装置として説明したが、ホワイトカードID管理装置に送信するよう構成しても良い。その場合、ホワイトカードID管理装置は引上命令装置を介さず直接受信した受金IDを消費使用IDにコンバートして、それを引上命令装置に入金受付情報と合せて送信する、といった処理を行うことになる。このように、本発明において各構成要件は様々な装置上に設けることができる。
【0064】
図5,6,7を利用して、本システムの各装置におけるハードウェア構成の一例を説明する。
【0065】
(ホワイトカード使用限度額引上指示装置のハードウェア構成)
【0066】
図5は、本システムのホワイトカード使用限度額引上指示装置のハードウェア構成の一例を表す図である。この図にあるように、本システムのホワイトカード使用限度額引上指示装置は、各種演算処理を実行する「CPU(中央演算装置)」(0501)と、「主メモリ」(0502)と、を備えている。また受金ID取得部である「コードリーダ」(0503)や、入金受付情報取得部である「店内通信回路」(0504)、出力部である「インターネット通信回路」(0505)も備えている。そしてそれらが「システムバス」などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
【0067】
また、「主メモリ」にはプログラムが読み出され、「CPU」は読み出された当該プログラムを参照し、プログラムで示される手順に従い各種演算処理を実行する。また、この「主メモリ」や「フラッシュメモリ」にはそれぞれ複数のアドレスが割り当てられており、「CPU」の演算処理においては、そのアドレスを特定し格納されているデータにアクセスすることで、データを用いた演算処理を行うことが可能になっている。
【0068】
なお、このホワイトカード使用限度額引上指示装置は、例えばコンビニなどの店頭端末を例に挙げ説明するが、もちろんそれに限定されない。
【0069】
ここで、ユーザは予め自身の端末で生成した受金IDと入金額を入力することで生成されたバーコードを印刷した紙をこのコンビニに持参し、それを「コードリーダ」に読取らせる。すると、「CPU」は、受金ID取得プログラムを解釈し、それにしたがって読取ったバーコードで示される受金ID、および入金額を「主メモリ」のアドレス1、2に格納する。また、その入金額をレジに設置されたPOSレジの店員向け画面に表示するよう「店内通信回路」を介して出力する。
【0070】
そして、ユーザがコンビニの店員にその入金額で示した金銭を支払うと、店員は画面に表示された入金額と支払額とを確認し、その額が一致すれば例えば画面上の「了承」ボタンをタッチする。するとPOSレジにて入金受付情報が生成され、それをホワイトカード使用限度額引上指示装置は「店内通信回路」を介して受信し、「主メモリ」のアドレス3に格納する。そして、「CPU」は出力プログラムを解釈し、それにしたがって、「主メモリ」のアドレス1に格納されている受金IDと、アドレス3に格納されている入金受付情報とを関連付けて「インターネット通信回路」から引上命令装置に対して出力する。
【0072】
図6は、本システムの引上命令装置のハードウェア構成の一例を表す図である。この図にあるように、本システムの引上命令装置は、各種演算処理を実行し、また消費使用ID取得部である「CPU(中央演算装置)」(0601)と、「主メモリ」(0602)と、を備えている。また受信部および引上命令送信部である「インターネット通信回路」(0603)も備えている。そしてそれらが「システムバス」などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
【0073】
ここで、「インターネット通信回路」にて受金IDと入金受付情報とを受信すると、「CPU」は受信プログラムを解釈し、それにしたがって受信した受金IDと入金受付情報とを「主メモリ」のアドレス1,2に格納する。
【0074】
つづいて「CPU」は消費使用ID取得プログラムを解釈し、それにしたがって「インターネット通信回路」から受金IDを含み、その受金IDに関連付けられた消費使用IDの返信リクエストを次に詳述するホワイトカードID管理装置に対して出力する。そして、そのリクエストに応じて返信されてきた消費使用IDを、「主メモリ」のアドレス3に格納する。
【0075】
そして最後に「CPU」は、引上命令送信プログラムを解釈し、それにしたがって「主メモリ」のアドレス2に格納されている入金受付情報に含まれる入金額と、アドレス3に格納されている消費使用IDとを関連付けて引上命令を生成する。そして、例えばホワイトカードを発行管理しているサーバ装置に「インターネット通信回線」を介して送信する、という具合である。
【0076】
(ホワイトカードID管理装置のハードウェア構成)
【0077】
図7は、本システムのホワイトカードID管理装置のハードウェア構成の一例を表す図である。この図にあるように、本システムのホワイトカードID管理装置は、各種演算処理を実行する「CPU(中央演算装置)」(0701)と、「主メモリ」(0702)と、を備えている。また紐付テーブル保持部である「HDD」(0703)や、受金ID受信部および消費使用ID送信部である「インターネット通信回路」(0704)も備えている。そしてそれらが「システムバス」などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
【0078】
ここで、「インターネット通信回路」にて上記返信リクエストを受信すると、「CPU」は受金ID受信プログラムを解釈し、それにしたがって受信したリクエストに含まれる受金IDを「主メモリ」のアドレス1に格納する。
【0079】
つづいて「CPU」は消費使用ID送信プログラムを解釈し、それにしたがって「主メモリ」のアドレス1に格納されている受金IDをキーとして消費使用IDを検索するため、「HDD」に保持されている紐付テーブルを参照し論理演算処理を行う。その結果、紐付テーブルにて当該受金IDに関連付けられた消費使用IDを特定し、「主メモリ」のアドレス2に格納する。
【0080】
そして「CPU」は、さらに消費使用ID送信プログラムを解釈し、それにしたがって「主メモリ」のアドレス2に格納されている消費使用IDをリクエストの送信元である引上命令装置に「インターネット通信回線」を介して返信する、という具合である。
【0082】
図8は、本実施例のホワイトカード使用限度額引き上げシステムにおける処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、上記のような計算機の各ハードウェア構成によって実行されるステップであっても良いし、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。
【0083】
この図にあるように、まず、例えばコンビニの店頭端末やユーザの携帯端末などのホワイトカード使用限度額引上指示装置にて、入金すべきホワイトカードの受金IDを取得する(ステップS0801)。その後、実際の支払などで入金を受け付けた旨の入金受付情報をその入金額を含み取得する(ステップS0802)と、取得した受金IDと、入金受付情報とを関連付けて出力する(ステップS0803)。
【0084】
そして、引上命令装置にて、受金IDと関連付けられた入金受付情報をホワイトカード使用限度額引上指示装置から受信する(ステップS0811)と、受信した入金受付情報に関連付けられたホワイトカード受金IDをホワイトカードID管理装置に送信する(ステップS0812)。
【0085】
するとホワイトカードID管理装置にて、引上命令装置から受金IDを受信し(ステップS0821)、予め保持されている紐付テーブルを参照して消費使用IDを取得する(ステップS0822)。そしてその消費使用IDを引上命令装置に返信する(ステップS0823)。
【0086】
そして、引上命令装置では返信された消費使用IDを取得し(ステップS0813)、その取得した消費使用IDと使用限度額引上額を含む引上命令を送信する(ステップS0814)。
【0088】
本実施例のホワイトカード使用限度額引き上げシステムによって、送金などの受金によって一時的に増えた金額を元にカードを利用した支払をすることができる。また、そのための受金を安全に行うことができる。
【0091】
本実施例は、上記実施例を基本として、さらに、引上命令装置から送信された引上命令に応じてホワイトカードの使用限度額を引上げて使用できるよう管理する、例えばホワイトカードの発行会社などのサーバ装置である「ホワイトカード管理サーバ装置」を備えることを特徴とするホワイトカード使用限度額引き上げシステムである。
【0092】
この「ホワイトカード管理サーバ装置」では、消費使用IDとその使用限度額とを関連付けて管理し、引上命令を受信した場合、その使用限度額を変更する機能を有する。したがって、例えば店舗などでホワイトカードが提示され、その店舗端末から消費使用IDを含むカードの使用可否の問合せを受付けた場合、その引上命令による使用限度額が変更されたカードの利用可否判断をすることができる、という具合である。
【0094】
図9は、本実施例のホワイトカード使用限度額引き上げシステムにおける機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例のホワイトカード使用限度額引き上げシステムは、上記実施例1を基本として「ホワイトカード使用限度額引上指示装置」(0900)と、「引上命令装置」(0910)と、「ホワイトカードID管理装置」(0920)と、を有する。なお、これら装置における機能ブロックなどは上記実施例にて記載済みであるので、その説明は省略する。
【0095】
そして、本実施例のホワイトカード使用限度額引き上げシステムは、さらに「ホワイトカード管理サーバ装置」(0930)を有することを特徴とする。
【0097】
図9に示すように、この「ホワイトカード管理サーバ装置」は、「引上命令受信部」(0931)と、「使用限度額テーブル保持部」(0932)と、「使用限度額変更部」(0933)と、を有する。
【0098】
「引上命令受信部」(0931)は、引上命令装置から引上命令を受信する機能を有し、例えばインターネット網などを介して、この引上命令を取得する、という具合である。
【0099】
「使用限度額テーブル保持部」(0932)は、使用限度額テーブルを保持する機能を有し、例えばHDDなどの各種記憶媒体によって実現することができる。また、「使用限度額テーブル」とは、消費使用IDと使用限度額とを関連付けたテーブルをいい、これによって例えば実際に店舗などでカードが提示された際に、その使用限度額を参照して使用可否の判断を行う、という具合である。そして、本実施例では、以下の構成によってこの使用限度額が受金に応じて変更可能に構成されていることを特徴とする。
【0100】
「使用限度額変更部」(0933)は、受信した引上命令に応じて使用限度額テーブル中の消費使用IDと関連付けられた使用限度額を変更する機能を有する。
【0101】
図10は、この使用限度額の変更処理の一例を説明するための図である。この
図10(a)にあるように、消費使用ID「0123」に関連付けられている使用限度額は、「10万円」である。ここで、ID:0123(受金ID:090−xxx−xxxx)のホワイトカードに対して1万円が入金されると、その旨の引上命令がこのホワイトカード管理サーバ装置に受信される。すると、
図10(b)に示すように、消費使用ID「0123」に関連付けられている使用限度額が「11万円」に更新される、という具合である。
【0102】
なお、このホワイトカード管理サーバ装置では、その使用限度額内での支払が実行された旨の情報を受付け、その支払金額分だけ使用限度額を引上げるよう構成すると良い。このようにすることで、カードの受金および使用に応じてその使用限度額を適宜変更し管理することができるようになる。
【0103】
また前述のように、この使用限度額変更部では、2以上の引上命令装置からの引上命令が揃わなければ、その使用限度額の変更処理を行わないよう構成しても良い。具体的には、例えば引上命令に含まれるIDを参照し、2以上の引上命令装置それぞれから引上命令が来ているか判断し、その判断結果にしたがって使用限度額の変更処理を行う、という具合である。
【0105】
本実施例のホワイトカード使用限度額引き上げシステムは、さらに以下のような構成を有することで、入金受付情報(実際の金銭の入金があったことを示す情報)の取得無しに、カードの使用限度額が引上げられたユーザβが、その引上分を別のユーザγに譲渡できるよう構成しても良い。
【0106】
具体的には、「引上命令装置」が、今までに送信した引上命令の履歴を保持する「引上命令送信履歴保持部」と、引上命令によって変更された使用限度額が残っているか否か確認情報を取得する「使用限度額確認情報取得部」と、を有する。
【0107】
そして例えば、ユーザβがWebアクセスなどで直接この引上命令装置にアクセスし、ユーザγの携帯電話番号とその譲渡金額とを入力する。すると引上命令装置は、ユーザβのIDをキーとして「引上命令送信履歴保持部」を参照し、ユーザβのカード宛の引上命令が今までに送信されたか否かを判断する。そして実際にユーザβのカード宛に引上命令が送信されていれば、ホワイトカードの管理会社のサーバ装置に対して、その引上命令で変更されたカードの使用限度額が譲渡金額分残っているか否かを確認するためのリクエストを送信する。なお、この確認リクエストの送信及び確認レスポンスの返信は、通常のクレジットカードの使用限度額の確認システムなどを転用して実現しても良い。
【0108】
そして、「使用限度額が譲渡金額分残っている」とのレスポンスを「使用限度額確認情報取得部」にて取得した場合、それを入金受付情報の代わりとしてユーザγに対する使用限度額変更のための入金が実際にある(残っている)と判断し、引上命令を送信する、という具合である。もちろん、その場合ユーザβの使用限度額はその譲渡分引下げられ、使用できないよう構成すると良い。
【0110】
(ホワイトカード管理サーバ装置のハードウェア構成)
【0111】
図11は、本システムのホワイトカード管理サーバ装置のハードウェア構成の一例を表す図である。この図にあるように、本システムのホワイトカード管理サーバ装置は、各種演算処理を実行し、かつ使用限度額変更部である「CPU(中央演算装置)」(1101)と、「主メモリ」(1102)と、を備えている。また使用限度額テーブル保持部である「HDD」(1103)や、引上命令受信部である「インターネット通信回路」(1104)も備えている。そしてそれらが「システムバス」などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
【0112】
ここで、「インターネット通信回路」にて、引上命令装置から送信された引上命令を受信すると、「CPU」は引上命令受信プログラムを解釈し、それにしたがって受信した引上命令に含まれる消費使用IDとその入金額を「主メモリ」のアドレス1、2にそれぞれ格納する。
【0113】
つづいて「CPU」は使用限度額変更プログラムを解釈し、それにしたがって「主メモリ」のアドレス1に格納されている消費使用IDをキーとして「HDD」に保持されている使用限度額テーブルを参照し論理演算処理を行う。その結果、使用限度額テーブルにて当該消費使用IDに関連付けられた使用限度額を特定し、「主メモリ」のアドレス3に格納する。
【0114】
そして「CPU」は、「主メモリ」のアドレス2に格納されている入金額を、アドレス3に格納されている使用限度額に加算する演算処理を行い、額面が引上げられた使用限度額を算出する。そして、その新たな使用限度額を「HDD」に保持されている使用限度額テーブルの該当レコードに書き込む、という具合である。
【0116】
図12は、本実施例のホワイトカード使用限度額引き上げシステムにおける処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、上記のような計算機の各ハードウェア構成によって実行されるステップであっても良いし、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。
【0117】
なお、引上命令装置から引上命令が送信されるまでの処理については
図8にて記載済みであるのでその説明は省略する。
【0118】
そして、ホワイトカード管理サーバ装置では、引上命令装置から送信された消費使用IDと使用限度額引上額を含む引上命令を受信する(ステップS1231)と、受信した引上命令に含まれる消費使用IDに応じて、予め保持されている使用限度額テーブル中で当該消費使用IDと関連付けられた使用限度額を取得する(ステップS1232)。そして、引上命令に含まれる使用限度額引上額に応じて、その取得した使用限度額を変更する(ステップS1232)。
【0120】
本実施例のホワイトカード使用限度額引き上げシステムによって、送金などの受金によって一時的に増えた金額を元にカードの使用限度額を変更可能に管理し、その変更される使用限度額の範囲内でカードが使用可能か否かを判断することができる。
【0123】
本実施例は、上記実施例を基本として、さらに例えばコンビニの店頭や自身の端末などを使ってホワイトカードへ入金をしようとする入金者を認証する機能を備えることを特徴とするホワイトカード使用限度額引上げシステムである。
【0124】
例えば2009年9月現在の法令によると、他者に対して10万円以上の入金を行う場合、入金者の本人認証を行うよう定められている。そこで本実施例では、システム内で入金者の本人認証をすることで、10万円以上の入金を可能とすることができる。また、法令に関わらず、入金者の本人認証を行うことで、詐欺などの何らかの悪意ある行為に利用されることを抑止する効果も期待できる。
【0125】
具体的には、予めパスポートなどの写真やパスポートなどに記載された住所氏名などのテキスト情報を個人認証サーバに登録させ、登録に応じて個人IDとパスワードを当該登録ユーザに発行する。そして入金に際しては、パスワードと個人IDの組を入力させ、その組が一致するかにより認証を行う、という具合である。
【0127】
図13は、本実施例のホワイトカード使用限度額引き上げシステムにおける機能ブロックの一例を表す図である。この図にあるように、本実施例のホワイトカード使用限度額引き上げシステムは、上記実施例1を基本として「ホワイトカード使用限度額引上指示装置」(1300)と、「引上命令装置」(1310)と、「ホワイトカードID管理装置」(1320)と、を有する。また、実施例2を基本として、図示しない「ホワイトカード管理サーバ装置」を備えていても良い。
【0128】
そして、本実施例のホワイトカード使用限度額引き上げシステムは、さらに「個人認証サーバ装置」(1330)を有する点、および「引上命令装置」または「ホワイトカード使用限度額引上指示装置」が後述するような各構成要件を有する点を特徴とする。
【0130】
図13に示すように、「個人認証サーバ装置」(1330)は、「個人ID保持部」(1331)と、「特定要求取得部」(1332)と、「判断部」(1333)と、「結果情報返信部」(1334)と、を有する。
【0131】
「個人ID保持部」(1331)は、入金をしようとする利用者の個人特定をするための免許証、保険証、パスポートなど公的に個人を特定することが可能な書類の画像情報または/及び文字情報と関連付けられた個人IDおよびその個人IDで特定される利用者用のパスワードを保持する機能を有し、例えばHDDやその他の記憶媒体によって実現することができる。
【0132】
なお、この個人ID保持部で保持される画像情報または/及び文字情報の取得や、個人IDおよび利用者用のパスワードの発行などについては様々な方法で実現されて良い。例えば本システムを利用する際にユーザ登録を要求し、その登録に際して免許証、保険証、パスポートなどの写しをFAXにて送付させる。そして、そのFAXデータを画像データとして取り込むとともに、新規に個人IDとパスワードを生成し、登録ユーザに返信する、といった方法が挙げられる。また、その際に免許証のFAXデータをOCR(光学式文字読取装置)などで解析し、住所情報などの文字情報を同時に登録されるようにしても良い。あるいは、別途ユーザ端末にて登録サーバなどにアクセスさせ、そこで表示されるGUI画面などを介して、パスポートなどの公的に個人を特定することが可能な書類の情報を文字情報として入力させて取得する方法なども挙げられる。
【0133】
また、画像データを直接ユーザの端末から送信させて取得するよう構成しても良いし、ユーザが任意に入力した個人IDやパスワードを重複判定処理の後で登録できるよう構成しても良い。
【0134】
そして、いずれの場合においても、この個人IDとパスワードの組を認証情報として保持し、入金時に入力された組情報とのマッチング判断をすることで入金者の個人認証を実現する、という具合である。また、この組情報には免許証、保険証、パスポートなど公的に個人を特定することが可能な書類の「画像情報」や「文字情報」もデータとして関連付けられているため、後述するようにその画像情報や文字情報も合せて認証に利用することができる。
【0135】
なお、ここで保持されている個人IDとパスワードの組とのマッチング処理に関して、そのマッチング対象となる情報の送信元は引上命令装置またはホワイトカード使用限度額引上指示装置のいずれからでも構わない。したがって、以下では両パターンにおける構成要件について合せて説明する。
【0136】
「特定要求取得部」(1332)は、引上命令装置またはホワイトカード使用限度額引上指示装置からパスワードと個人IDとの対からなる特定要求を取得する機能を有する。具体的には、例えば入金時に店頭端末やユーザ端末(ホワイトカード使用限度額引上指示装置)に個人IDとパスワードとを入力させるためのGUIを表示し、そこに入力された個人IDとパスワードの組を、直接ホワイトカード使用限度額引上指示装置から、あるいは間接的に引上命令装置を経由して取得する、という具合である。
【0137】
「判断部」(1333)は、取得した特定要求に含まれるパスワードと個人IDの対が個人ID保持部に保持されているパスワードと個人IDとの対と合致したか判断する機能を有し、例えばCPUや主メモリ、判断プログラムなどによって実現することができる。このようにして、入金者が確かに登録されているユーザか否かを判断し、本人認証を行うことができる。
【0138】
また、この判断部での判断処理に関しては、さらに以下の情報を加味して判断されるよう構成しても良い。すなわち個人認証サーバ装置は、店頭端末などから特定要求を取得した際に、それに含まれる個人ID、パスワードに関連付けられた画像情報または文字情報を当該店舗の店員向けシステムに返信する。そして、店員はその画像をディスプレイに表示し、その入金者の実際の顔と画像の顔、あるいは別途記入提出された用紙に記載された住所などの文字情報とが一致あるいは類似しているか否かを示す目視確認情報を店頭端末に入力する。そして、パスワードと個人IDとの対と合致したかに加えてその入力された目視確認情報を加味して本人認証のための判断を行う、という具合である。
【0139】
「結果情報返信部」(1334)は、判断結果が合致したとの判断結果である場合には、その旨を示す情報である結果情報を返信する機能を有する。なお、判断結果が合致しないときでも、その合致しない旨を示す不一致結果情報を返信するよう構成しても良い。
【0140】
また、その結果情報の返信先は、特定情報の送信元である引上命令装置またはホワイトカード使用限度額引上指示装置となる。そして、結果情報が引上命令装置に返信される場合は、結果情報に応じて引上命令の出力を制御することで、この本人認証結果を入金可否に反映させる。一方、結果情報がホワイトカード使用限度額引上指示装置に返信される場合は、結果情報に応じて取得した受金IDと入金受付情報との出力を制御することで、この本人認証結果を入金可否に反映させる、という具合である。
【0142】
図13に示すように、「引上命令装置」(1310)は、「個人ID入力受付部」(1311)と、「個人ID送信部」(1312)と、「結果情報受信部」(1313)と、「引上命令送信制御部」(1314)と、を有する。なお、上記実施例ですでに記載済みの構成要件についての図示、および説明は省略する。
【0143】
「個人ID入力受付部」(1311)は、入金をしようとする利用者からパスワードと個人IDとの対の入力を受け付ける機能を有し、例えば入金者による入金サービス開始操作などに応じて、パスワードと個人IDとの対の入力を促すGUI画面を表示するなどの方法が挙げられる。なお、引上命令装置が店頭端末やユーザ端末に組み込まれていない場合、ユーザから直接、パスワードと個人IDとの対の入力を受付けることができない。そのような場合には、店頭端末やユーザ端末に組み込まれているホワイトカード使用限度額引上指示装置の機能によって上記GUI画面などを店頭端末やユーザ端末上に表示し、入力されたパスワードと個人IDとの対を間接的に受け付けるよう構成すると良い。
【0144】
また、この個人ID入力受付部は、さらに以下のような機能を有していても良い。すなわち、前述のように現在の法令では10万円以上の入金の場合個人認証が必要と定められている。そこで、ユーザが受金IDとともに入力した入金額が例えば10万円など所定額以上か否かをCPUの演算処理により判断し、その判断結果に応じて10万円以上などであれば個人IDとパスワードの対の入力を受け付けるよう構成する、という具合である。
【0145】
「個人ID送信部」(1312)は、受け付けたパスワードと個人IDとの対を特定要求として前記個人認証サーバ装置に送信する機能を有する。
【0146】
「結果情報受信部」(1313)は、送信した特定要求に応じて個人認証サーバ装置から返信される結果情報を受信する機能を有する。
【0147】
「引上命令送信制御部」(1314)は、結果情報を受信した場合にのみ引上命令の送信を可能とするよう制御する機能を有する。このようにして、個人IDとパスワードの組み合わせ(対)、また場合によっては画像情報を利用した店員などの目視による確認情報を利用して本人認証を行い、本人と認証された場合にのみ引上命令を送信し、ホワイトカードに対する入金処理を実行することができる。
【0148】
(ホワイトカード使用限度額引上指示装置)
【0149】
図13に示すように、「ホワイトカード使用限度額引上指示装置」(1300)は、「個人ID入力受付部」(1301)と、「個人ID送信部」(1302)と、「結果情報受信部」(1303)と、「出力部制御部」(1304)と、を有する。なお、上記実施例ですでに記載済みの構成要件についての図示、および説明は省略する。また、引上命令装置における上記同名の構成要件も、その機能などは同様であるので説明は省略する。
【0150】
「出力部制御部」(1304)は、結果情報を受信した場合にのみ取得した受金IDと、入金受付情報とを関連付けて出力するように出力部を制御する機能を有する。この構成においても、個人IDとパスワードの組み合わせ(対)、また場合によっては画像情報を利用した店員などの目視による確認情報を利用して本人認証を行い、本人と認証された場合にのみ引上命令を送信し、ホワイトカードに対する入金処理を実行することができる。
【0152】
(個人認証サーバ装置のハードウェア構成)
【0153】
図14は、本システムの個人認証サーバ装置のハードウェア構成の一例を表す図である。この図にあるように、本システムの個人認証サーバ装置は、各種演算処理を実行し、かつ判断部である「CPU(中央演算装置)」(1401)と、「主メモリ」(1402)と、を備えている。また個人ID保持部である「HDD」(1403)や、特定要求取得部および結果情報返信部である「インターネット通信回路」(1404)も備えている。そしてそれらが「システムバス」などのデータ通信経路によって相互に接続され、情報の送受信や処理を行う。
【0154】
ここで、「インターネット通信回路」にて、引上命令装置やホワイトカード使用限度額引上指示装置から送信された個人IDとパスワードの組を受信すると、「CPU」は特定要求取得プログラムを解釈し、それにしたがって受信した特定要求に含まれる個人IDとパスワードの組を「主メモリ」のアドレス1、2にそれぞれ格納する。
【0155】
つづいて「CPU」は判断プログラムを解釈し、それにしたがって「主メモリ」のアドレス1に格納されている個人IDをキーとして「HDD」に保持されている個人IDおよびパスワードを参照し論理演算処理を行う。その結果、当該個人IDに関連付け保持されているパスワードを特定し、「主メモリ」のアドレス3に格納する。
【0156】
また、ここで同じく個人IDに関連付けて「HDD」に保持されている画像情報や文字情報を取得し、それを入金受付を行う店頭の店員向け端末に返信するよう構成しても良い。その場合、その画像情報や文字情報を利用した店員の目視確認による目視認証情報が店員向け端末に入力され、それを「インターネット通信回路」にて取得しても良い。
【0157】
そして「CPU」は、「主メモリ」のアドレス2と3に格納されているパスワードが一致するか論理演算処理を行い、一致していればその旨を示す結果情報を「主メモリ」のアドレス4に格納する。そして、その結果情報を「インターネット通信回路」から引上命令装置やホワイトカード使用限度額引上指示装置に返信する。
【0158】
そして引上命令装置やホワイトカード使用限度額引上指示装置では、返信された結果情報に応じて、引上命令の送信制御(引上命令装置)や、受金IDと入金受付情報との関連付け出力の制御(ホワイトカード使用限度額引上指示装置)を行う、という具合である。
【0160】
図15は、本実施例のホワイトカード使用限度額引き上げシステムにおける処理の流れの一例を表すフローチャートである。なお、以下に示すステップは、上記のような計算機の各ハードウェア構成によって実行されるステップであっても良いし、媒体に記録され計算機を制御するためのプログラムを構成する処理ステップであっても構わない。
【0161】
なお、ホワイトカード使用限度額引上指示装置での受金IDの取得から引上命令装置による引上命令送信に関する処理の流れについては
図8などで記載済みであるのでその説明は省略する。
【0162】
まず、個人認証サーバ装置は、例えばユーザ登録などを要求することで、入金をしようとする利用者の個人特定をするための免許証、保険証、パスポートなど公的に個人を特定することが可能な書類の画像情報や文字情報を取得する(ステップS1511)。そしてその画像情報と関連付けて個人IDおよびその個人IDで特定される利用者用のパスワードを生成、あるいは取得し、それらを関連付けて個人ID保持部に記録する(ステップS1512)。
【0163】
その後、その利用者が入金を行うためホワイトカード使用限度額引上指示装置での受金IDを入力する前または後に、引上命令装置、またはホワイトカード使用限度額引上指示装置にて、入金をしようとする利用者からパスワードと個人IDとの対の入力を受け付け(ステップS1501)、そのパスワードと個人IDとの対を特定要求として個人認証サーバ装置に送信する(ステップS1502)。
【0164】
そして個人認証サーバ装置では、引上命令装置またはホワイトカード使用限度額引上指示装置から送信されたパスワードと個人IDとの対からなる特定要求を取得する(ステップS1513)と、取得した特定要求に含まれるパスワードと個人IDの対が個人ID保持部に保持されているパスワードと個人IDとの対と合致したか判断する(ステップS1514)。そして判断結果が合致したとの判断結果である場合には、その旨を示す情報である結果情報を引上命令装置またはホワイトカード使用限度額引上指示装置に返信する(ステップS1515)。
【0165】
そして引上命令装置では、結果情報を受信した場合にのみ引上命令の送信を可能とする(ステップS1503A)。あるいはホワイトカード使用限度額引上指示装置であれば、結果情報を受信した場合にのみ取得した受金IDと、入金受付情報とを関連付けて出力するように出力部を制御する(ステップS1503A)。
【0167】
以上のように、本実施例のホワイトカード使用限度額引き上げシステムにおいて、入金者の本人認証を行うことができる。したがって、例えば法令に沿った運用が可能になり、また詐欺などに悪用されることを抑止する効果も期待できる。