特許第5775827号(P5775827)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 日立アプライアンス株式会社の特許一覧

<>
  • 特許5775827-照明器具および照明装置 図000002
  • 特許5775827-照明器具および照明装置 図000003
  • 特許5775827-照明器具および照明装置 図000004
  • 特許5775827-照明器具および照明装置 図000005
  • 特許5775827-照明器具および照明装置 図000006
  • 特許5775827-照明器具および照明装置 図000007
  • 特許5775827-照明器具および照明装置 図000008
  • 特許5775827-照明器具および照明装置 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5775827
(24)【登録日】2015年7月10日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】照明器具および照明装置
(51)【国際特許分類】
   F21S 2/00 20060101AFI20150820BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20150820BHJP
   F21V 29/74 20150101ALI20150820BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20150820BHJP
   F21Y 101/02 20060101ALN20150820BHJP
【FI】
   F21S2/00 231
   F21V19/00 130
   F21V19/00 170
   F21V19/00 150
   F21V19/00 450
   F21V29/74
   F21V29/503
   F21Y101:02
【請求項の数】3
【全頁数】21
(21)【出願番号】特願2012-7614(P2012-7614)
(22)【出願日】2012年1月18日
(65)【公開番号】特開2013-149401(P2013-149401A)
(43)【公開日】2013年8月1日
【審査請求日】2014年5月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】399048917
【氏名又は名称】日立アプライアンス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100310
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 学
(74)【代理人】
【識別番号】100098660
【弁理士】
【氏名又は名称】戸田 裕二
(74)【代理人】
【識別番号】100091720
【弁理士】
【氏名又は名称】岩崎 重美
(72)【発明者】
【氏名】藁谷 二郎
(72)【発明者】
【氏名】山本 涼平
(72)【発明者】
【氏名】丸山 孝享
(72)【発明者】
【氏名】小野 隆
(72)【発明者】
【氏名】石井 光浩
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 浩一
(72)【発明者】
【氏名】中澤 育男
【審査官】 竹中 辰利
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3166715(JP,U)
【文献】 実開平03−076318(JP,U)
【文献】 特開2009−199820(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 2/00
F21V 19/00
F21V 29/503
F21V 29/74
F21Y 101/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
直管形LEDランプを両端から保持する一対のソケットと、
前記一対のソケットの間で前記直管形LEDランプを保持する保持具と、
を備える照明器具であって、
前記保持具は、絶縁部材を介して前記照明器具に固定され、
前記絶縁部材は、前記照明器具に対する固定面である器具カバーと接するベース部と、
ネジ孔および突起部が形成された押さえ部とを有していることを特徴とする照明器具。
【請求項2】
前記保持具は、
開口部を有し、前記直管形LEDランプを着脱自在に保持するホルダと、
前記開口部を閉塞する係止機構と、を有することを特徴とする請求項1に記載の照明器具。
【請求項3】
請求項1又は2に記載された照明器具と、前記直管形LEDランプと、を備えることを特徴とする照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明器具および照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ワット数の小さな直管形蛍光ランプを多数用いる方式よりも、ワット数の大きな直管形蛍光ランプを少数用いる方式のほうが、設置する照明器具や直管形蛍光ランプの数を少なくすることができるため経済的である。このため、管長の長い(例えば、2300〜2400mm)直管形蛍光ランプ(例えば、110W直管形蛍光ランプ)を用いる照明器具や照明装置が知られている。
【0003】
特許文献1には、直管形蛍光ランプの長手方向に沿ったたわみを阻止し、また、直管形蛍光ランプがたわむことにより直管形蛍光ランプが照明器具から脱落することを阻止するために、直管形蛍光ランプを弾発的に着脱自在に保持する補助ランプホルダを備える天井用露光形蛍光灯器具(照明器具)が開示されており、該補助ランプホルダは器具本体に直接接する形で取り付けられている。また、該補助ランプホルダの材質については、適度に硬く適度の弾力性をもう帯板と記載されているが、一般的には鉄やSUSなどを基材としたバネ性を有する金属が用いられている。
【0004】
また、近年では、蛍光ランプ(直管形蛍光ランプ)に代わって、発光ダイオード(Light Emitting Diode;LED)を用いたLEDランプ(直管形LEDランプ)が普及しつつある。LEDランプ(直管形LEDランプ)は、蛍光ランプ(直管形蛍光ランプ)と比較して、ランニングコストにおいて優れている。また、例えば高所に設置された照明器具のように、容易にランプを交換できない照明器具のランプとして、寿命が長い(蛍光ランプが例えば定格寿命12,000時間であるのに対し、LEDランプは例えば定格寿命40,000時間)LEDランプ(直管形LEDランプ)が用いられている。
【0005】
特許文献2に開示されたLED照明装置は、直管形LEDランプの内部に、基板上に実装された複数のLED素子と、LED素子から発する熱を放熱するための金属製(例えば、アルミニウム)のヒートシンクと、AC/DCコンバータ(LED駆動回路)と、を備え、照明器具から供給される商用電源(交流電源;AC)をAC/DCコンバータにより直流電源(DC)に変換してLEDを駆動させるようになっている。また、特許文献3のように、照明器具の内部に整流回路(AC/DCコンバータに相当)が設けられ、照明器具から供給される直流電源によりLEDを駆動させる場合もある。
【0006】
なお、特許文献2および特許文献3に開示された照明器具において、直管形LEDランプは、直管形LEDランプの口金(口金ピン)を照明器具のソケットに嵌合させることにより、照明器具に固定するようになっている。
【0007】
特許文献4には透光性の略筒状に成形された絶縁体本体内部に発光素子(LED)を実装した基板を配設した直管形LEDランプが開示されている。
【0008】
特許文献5にはアルミの押出材で形成された放熱部と、透光性を有するカバーとで構成された略筒状の本体形状を有する直管形LEDの事例が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2000−251522号公報
【特許文献2】特開2011−108378号公報
【特許文献3】特開2011−253732号公報
【特許文献4】特開2011−23359号公報
【特許文献5】特開2011−210729号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
特許文献2に示すように、直管形LEDランプは、内部にLED素子が実装された基板や、金属製のヒートシンク等を備えるため、ガスが封入される直管形蛍光ランプと比較して、重くなっている。このため、直管形LEDランプにおいて、長手方向に沿ってたわむことにより直管形LEDランプが照明器具から脱落するおそれがあった。また、特許文献1に開示された補助ランプホルダでは、直管形蛍光ランプと比較して重い直管形LEDランプを保持するには十分とはいえなかった。
【0011】
また、特許文献4に示すように略筒状の絶縁体本体内部に発光素子(LED)を実装した基板を配設した場合、本体内部に熱がこもり、LEDの温度が上昇してしまい、LEDは温度が上昇すると、発光効率が低下してしまうという問題があった。
【0012】
一方、特許文献5に示されているようなアルミの押出材で形成された放熱部と、透光性カバーとで略筒状の本体形状を構成した場合、LEDからの発生した熱は前記アルミの押出材の熱伝導により本体外部に放熱することが可能となるが、アルミは導電材料のため、雷サージ等の電気的な負荷をかけたとき、金属製のランプホルダを通して、本体のアースとの間で絶縁が破壊され、本体内部のLED素子や電源回路を破壊してしまうおそれがあった。
【0013】
ランプホルダの材料として絶縁性のプラスチック材料を用いる事例も見られる。この場合には絶縁破壊のおそれはなくなるが、照明器具は設計耐用年数を越えて10年以上の長い期間使用されることが多く、その場合に、プラスチック材料の経年劣化による割れや脱落といった耐久性の問題があった。
【0014】
そこで、本発明は、直管形LEDランプを保持するとともに、電気的負荷による絶縁破壊に対する耐久力に優れ、尚かつ、LEDからの発熱を効率よく放熱することでLEDの発光効率にも優れた照明器具および照明装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
このような課題を解決するために、本発明は、直管形LEDランプを両端から保持する一対のソケットと、前記一対のソケットの間で前記直管形LEDランプを保持する保持具と、を備える照明器具であって、前記保持具は、絶縁部材を介して前記照明器具に固定され、前記絶縁部材は、前記照明器具に対する固定面である器具カバーと接するベース部と、
ネジ孔および突起部が形成された押さえ部とを有していることを特徴とする照明器具。
【0016】
また、本発明は、前記照明器具と、直管形LEDの本体部が、LEDを実装した基板を配設した金属性の放熱部と、透光性を有するカバー部とを組み合わせて略筒状に構成されている前記直管形LEDランプと、を備えることを特徴とする照明装置である。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、直管形LEDランプを保持するとともに、電気的負荷による絶縁破壊に対する耐性に優れ、かつ、LEDからの発熱を効率よく放熱することで発光効率の優れた照明器具および照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】第1実施形態に係る照明装置の斜視図である。
図2】(a)は保持具の斜視図であり、(b)はホルダの斜視図であり、(c)は係止部材の斜視図であり、(d)はスペーサの斜視図である。
図3】保持具の一部を拡大した断面図である。
図4】直管形LEDランプおよび保持具を備える照明器具を、長手方向を法線とする面で切断した断面図であり、(a)は係止が解除されている状態を示し、(b)は第1ホルダ部で保持し係止されている状態を示し、(c)は第2ホルダ部で保持し係止されている状態を示す。
図5】管形LEDランプおよび保持具を備える逆富士形の照明器具を、長手方向を法線とする面で切断した断面図である。
図6】直管形LEDランプの取り付け方法の変形例を説明する図である。
図7】第2実施形態に係る照明装置に用いられる保持具を説明する図であり、(a)は保持具の分解斜視図であり、(b)は保持具が直管形LEDランプを保持している状態の斜視図である。
図8】第3実施形態に係る照明装置に用いられる保持具を説明する図であり、(a)は保持具の分解斜視図であり、(b)は保持具が直管形LEDランプを保持している状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を実施するための形態(以下「実施形態」という)について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図において、共通する部分には同一の符号を付し重複した説明を省略する。
【0020】
≪第1実施形態≫
<照明装置>
図1は、第1実施形態に係る照明装置の斜視図である。
【0021】
照明装置は、LED(Light Emitting Diode)素子を有する直管形LEDランプ100と、直管形LEDランプ100を保持するとともに直管形LEDランプ100に給電する照明器具200と、を備えている。
【0022】
直管形LEDランプ100は、LED素子の光を透過する樹脂製(例えば、アクリル樹脂、ポリカーボネート等)の透光部101(図4参照)と、LED素子から発する熱を放熱する金属製(例えば、アルミニウム)の放熱部102(図4参照)とで、円筒形状の管が形成され、円筒形状の管の内部に、LED素子が配列された基板103(図4参照)が配置されている。また、直管形LEDランプ100の両端には、口金104A,104Bが設けられている。
【0023】
照明器具200は、器具ベース201と、ソケット202A,202Bと、器具ベース201を覆う器具カバー203と、保持具1と、を備えている。
【0024】
ソケット202A,202Bは、器具ベース201に固定され、直管形LEDランプ100の口金104A,104Bと嵌合することができるようになっている。
【0025】
なお、照明器具200から直管形LEDランプ100への給電は、特許文献2のように、交流電流を給電する方式であってもよく、特許文献3のように、直流電流を給電する方式であってもよい。
【0026】
また、特許文献2のように、給電のためのコネクタ(図示せず)を介して照明器具200から直管形LEDランプ100へ給電する方式であって、ソケット202A,202Bには通電されず、直管形LEDランプ100を機械的に保持する保持機構としての役割を果たすものであってもよく、特許文献3のように、照明器具200のソケット202A,202Bと直管形LEDランプ100の口金104A,104Bとを介して給電する方式であって、ソケット202A,202Bは給電機構としての役割を果たすとともに、直管形LEDランプ100を機械的に保持する保持機構としての役割を果たすものであってもよい。
【0027】
<保持具の構成>
照明器具200は、長手方向(直管形LEDランプ100を保持するソケット202Aとソケット202Bとを結ぶ方向)の略中央に、直管形LEDランプ100を保持する保持具1を備えており、直管形LEDランプ100が長手方向に沿ってたわむことを抑止することができるようになっている。
【0028】
次に、図2および図3を用いて照明器具200が備える保持具1の構成について説明する。なお、図2および図3は、図1とは上下が反対に図示されている。
【0029】
図2(a)は、保持具1の斜視図である。
保持具1は、ホルダ10と、係止部材20と、スペーサ30と、を備え、ネジ40(後述する図3および図4参照)により、固定面である器具カバー203(器具ベース201)(図1および後述する図4参照)に固定されている。
【0030】
図2(b)は、ホルダ10の斜視図である。
ホルダ10は、直管形LEDランプ100を保持する部材であり、適度の硬さと適度の弾力性を持つ帯板を、打ち抜き加工、曲げ加工して、開口部10aを有するように形成され、直管形LEDランプ100を着脱自在に保持することができるようになっている。なお、ホルダ10は、経年劣化を防ぐため、金属製(例えば、鉄、SUS)であることが望ましい。
【0031】
開口部10aの一端側である回動端11は、o形状に曲げ加工されている。一方、開口部10aの他端側である開閉端12は、一部が開口したc形状に曲げ加工されている。
【0032】
また、ホルダ10は、曲げ加工により、直管形LEDランプ100を挟持して保持するための第1ホルダ部13Aが先端側におよび第2ホルダ部13Bが基端側に形成されている。なお、第1ホルダ部13Aおよび第2ホルダ部13Bにわたって切り抜き13hが形成されており、ホルダ10の弾力性が調整されている。
【0033】
また、ホルダ10の底部14(器具カバー203に固定される側)には、保持具1を器具カバー203に固定するためのネジ40(後述する図3および図4参照)が貫通する貫通孔14hが形成されている。
【0034】
図2(c)は、係止部材20の斜視図である。
係止部材20は、ホルダ10の開口部10aを開放状態、または閉塞状態とするための部材であり、適度の硬さを持つ棒材を曲げ加工して形成される。なお、係止部材20も、経年劣化を防ぐため、金属製(例えば、鉄、SUS)であることが望ましい。
【0035】
係止部材20は、一辺の略中央部が切断された略矩形環に形成されており、略中央部が切断された一辺である回動軸部21と、回動軸部21と対向する一辺である係止部22と、が形成されている。
【0036】
回動軸部21は、ホルダ10の回動端11に挿入され、回動端11に挿入された回動軸部21を回転軸として係止部材20が回動することができるようになっている。
【0037】
ホルダ10の回動端11と開閉端12とが近づくように弾性変形させ、係止部材20を回転(図4において時計回り)させることにより、係止部材20の係止部22がホルダ10の開閉端12に係止される状態にすることができるようになっている。また、係止部22が開閉端12に係止される状態から、回動端11と開閉端12とが近づくように弾性変形させ、係止部材20を開閉端12方向に逆方向に回転(図4において反時計回り)させることにより、係止を解除することができるようになっている。
【0038】
係止部22がホルダ10の開閉端12に係止されることにより、ホルダ10の開口部10aを閉塞状態(後述する図3(b)(c)参照)とすることができるようになっており、係止部22と開閉端12との係止が解除されることにより、ホルダ10の開口部10aを開放状態(後述する図3(a)参照)とすることができるようになっている。
【0039】
図2(d)は、スペーサ30の斜視図である。
スペーサ30は、ホルダ10の高さ方向の位置を調整するとともに、ホルダ10と器具カバー203(器具ベース201)とを電気的に絶縁するための部材である。なお、スペーサ30は樹脂製の絶縁素材(例えば、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド等)であることが望ましいが、セラミック等の無機絶縁性の部材を用いてもよい。
【0040】
スペーサ30は、固定面である器具カバー203と接するベース部31と、ネジ孔32hおよび突起部32aが形成された押さえ部32とを有している。
【0041】
図3を用いて、ホルダ10、スペーサ30およびネジ40の関係について更に説明する。図3は、保持具1の一部を拡大した断面図である。
【0042】
図3に示すように、スペーサ30の押さえ部32に形成されたネジ孔32hに沿って、ベース部31の方向に、突起部32aが形成されている。
【0043】
ホルダ10をスペーサ30のベース部31と押さえ部32との間に挿入すると、スペーサ30の突起部32aがホルダ10の貫通孔14hに入り込むので、ホルダ10とスペーサ30とが容易に分離することができないようになる。
【0044】
これにより、保持具1をネジ40で器具カバー203(図1および後述する図4参照)に固定する際、ホルダ10とスペーサ30とが容易に分離することを抑止できるので、組み付け作業の作業性を向上させることができる。
【0045】
また、ネジ孔32hに沿って形成された突起部32aがホルダ10の貫通孔14hに入り込むため、ホルダ10とネジ40とが接することが抑止できる。
【0046】
これにより、絶縁素材のスペーサ30により、ホルダ10とネジ40とが絶縁され、即ち、ホルダ10とネジ40が固定される器具カバー203(器具ベース201)とを絶縁することができるようになっている。
【0047】
<保持具の作用>
次に、図4を用いて照明器具200が備える保持具1の作用について説明する。図4は、直管形LEDランプ100および保持具1を備える照明器具200を、長手方向を法線とする面で切断した断面図である。
【0048】
図4(a)は、係止部材20の係止部22とホルダ10の開閉端12との係止が解除されている状態を示す。
【0049】
図4(a)に示すように、ホルダ10の開口部10aは開放状態となっており、直管形LEDランプ100を保持具1(ホルダ10)に自在に着脱することができるようになっている。
【0050】
図4(b)は、直管形LEDランプ100をホルダ10の第1ホルダ部13Aで保持し、係止部材20の係止部22がホルダ10の開閉端12に係止されている状態を示す。
【0051】
図4(b)に示すように、直管形LEDランプ100が第1ホルダ部13Aで保持されているので、直管形LEDランプ100が長手方向に沿ってたわむことを抑止し、直管形LEDランプ100が照明器具200から脱落することを抑止することができる。
【0052】
また、ホルダ10の開口部10aは、係止部材20により閉塞状態となっており、ホルダ10はこれ以上広がることができないようになっている。このため、直管形蛍光ランプと比較して重い直管形LEDランプ100であっても、保持具1で直管形LEDランプ100を保持することができるようになっている。
【0053】
図4(c)は、直管形LEDランプ100をホルダ10の第2ホルダ部13Bで保持し、係止部材20の係止部22がホルダ10の開閉端12に係止されている状態を示す。
【0054】
図4(c)に示すように、直管形LEDランプ100が第2ホルダ部13Bで保持されているので、直管形LEDランプ100が長手方向に沿ってたわむことを抑止し、直管形LEDランプ100が照明器具200から脱落することを抑止することができる。
【0055】
また、ホルダ10の開口部10aは、係止部材20により閉塞状態となっており、ホルダ10はこれ以上広がることができないようになっている。このため、第2ホルダ部13Bにおいても保持力が向上し、直管形蛍光ランプと比較して重い直管形LEDランプ100であっても、保持具1で直管形LEDランプ100を保持することができるようになっている。
【0056】
保持具1は、図4(b)および図4(c)に示すように、保持具1の固定面である器具カバー203からの高さが異なる位置で直管形LEDランプ100を保持することができるようになっている。
【0057】
このため、ソケット202A,202Bの形状が異なる(直管形LEDランプ100をソケット202A,202Bに取り付けた際、器具カバー203から直管形LEDランプ100までの高さが異なる)照明器具200であっても、第1実施形態の保持具1を使用することができる。特に、直管形蛍光ランプを使用する照明器具を換装して、LEDランプ100を使用する照明器具200に換装する場合、第1実施形態の保持具1はソケットの形状が異なる照明器具に対応することができるので、直管形蛍光ランプを使用する照明器具に取り付けられているソケットを再利用することができる。
【0058】
また、ベース部31の高さが異なるスペーサ30を適宜組み合せて保持具1を構成することにより、より適切な位置で直管形LEDランプ100を保持することができる保持具1とすることができる。
【0059】
なお、図4(c)に示すように、直管形LEDランプ100の金属製の放熱部102と保持具1の金属製のホルダ10とが接触して導通可能な状態となる場合があるが、図3に示すように、スペーサ30によりホルダ10とネジ40(即ち、器具ベース201および器具カバー203)とは絶縁されている。放熱部102に外部からの電位が印加されることがないようになっている。これは、放熱部102と基板103上の回路パターンとは距離が短いため、LED素子の駆動電圧を大きく超える電位が放熱部102に印加されると、放熱部102と基板103上の回路パターンとの絶縁が破壊されるおそれがあるためである。該スペーサ30を設けることで、直管形LEDランプ100の金属製の放熱部102は金属製のホルダ10を介して器具カバー203(器具ベース201)とを絶縁することができるため、雷サージのような電気的負荷がかかってもLED素子や回路パターンを破壊することがない。従って、直管形LEDランプ100の金属製の放熱部102を金属製のホルダ10とを接する構造にすることが可能となり、放熱部201を直接ランプ外面の外気に触れるように構成することができるため、LED素子を効率的に冷却でき、より発光効率の高いLED照明器具を提供することができる。
【0060】
<変形例:逆富士形照明器具>
図1および図4において、保持具1を備える照明器具200は、トラフ形であり保持具1の固定面(器具カバー203)が水平である場合について説明したが、これに限られるものではない。2灯式の逆富士形照明器具のように保持具1の固定面が傾斜していてもよい。図5は、直管形LEDランプ100および保持具1を備える逆富士形の照明器具210を、長手方向を法線とする面で切断した断面図である。
【0061】
図5に示すように、逆富士形の照明器具210において、保持具1は、ホルダ10の回動端11がホルダ10の開閉端12よりも下方となるように配置されることが望ましい。
【0062】
このように保持具1を配置することにより、係止部材20の係止部22とホルダ10の開閉端12との係止が解除されている状態において、係止部材20が重力により垂れ下がり(破線で示す係止部材20参照)、ホルダ10の開閉端12と、係止部材20の係止部22とが大きく離れるので、係止部材20が係止状態で有るか否かを容易に判断することができるようになっている。
【0063】
また、直管形LEDランプ100の交換時において、係止部材20がホルダ10の回動端11から垂れ下がるため、ホルダ10の開口部10aをふさぐことなく、直管形LEDランプ100の交換作業の邪魔にならないようになっている。
【0064】
また、直管形LEDランプ100がたわんでも、係止部材20の係止部22がホルダ10の開閉端12に係止されている状態を維持するようになっているため、直管形LEDランプ100を保持具1で保持することができる。
【0065】
<変形例:照明器具200への直管形LEDランプ100の取り付け方法>
ここまでは、ソケット202A,202B(図1参照)の位置に対応する第1ホルダ部13Aまたは第2ホルダ部13Bで直管形LEDランプ100を保持した状態でホルダ10を弾性変形させ係止部材20により係止するものとして説明した。
【0066】
しかし、開口部10aの側である第1ホルダ部13Aに直管形LEDランプ100を保持した状態において、ホルダ10を弾性変形させ係止部材20により係止する場合、弾性変形する領域が短いため、変形させるのに大きな力が必要となる場合がある。
【0067】
図6は、直管形LEDランプ100の取り付け方法の変形例である。なお、ソケット202A,202Bは、つきあわせ形のソケットであり、ソケット202Aが可動側、ソケット202Bが固定側として説明する。
【0068】
図6(a)の示す係止部材20の係止が解除されホルダ10の開口部10a(図2参照)が開放されている状態から、直管形LEDランプ100をホルダ10の第2ホルダ部13Bで保持する状態でホルダ10の回動端11(図2参照)と開閉端12(図2参照)とが近づくように弾性変形させ、図6(b)に示す係止部材20が係止される状態にする。
【0069】
この際、ホルダ10の第1ホルダ部13Aから回動端11、開閉端12までを弾性変形させるため、大きな力を必要とせず弾性変形させることができる。
【0070】
そして、図6(c)に示すように、直管形LEDランプ100の口金104Aをソケット202Aに押し込みながら、直管形LEDランプ100を第2ホルダ部13Bの位置から第1ホルダ部13Aの位置へ移動させ、図6(d)に示すように、直管形LEDランプ100の口金104Bをソケット202Bに嵌合させることにより、直管形LEDランプ100を照明器具200に取り付けることができる。
【0071】
この際、作業者は、直管形LEDランプ100を把持して第2ホルダ部13Bの位置から第1ホルダ部13Aの位置へ移動させる。
【0072】
このように、図6(a)から(d)に示す手順で直管形LEDランプ100を照明器具200に取り付けることにより、作業性が向上する。なお、直管形LEDランプ100を照明器具200から取り外す場合には、図6(a)から(d)に示す手順を逆に行えばよい。
【0073】
≪第2実施形態≫
次に、第2実施形態に係る照明装置について説明する。
【0074】
第2実施形態に係る照明装置は、第1実施形態に係る照明装置(図1参照)と比較して、保持具の構成が異なっている。その他の構成は同様であり、説明を省略する。
【0075】
図7は、第2実施形態に係る照明装置に用いられる保持具1Aを説明する図であり、(a)は保持具1Aの分解斜視図である。
【0076】
保持具1Aは、吊り下げ部材50と、係止保持部材60と、照明器具200の器具カバー203に保持具1Aを固定するためのネジ40と、を備えている。
【0077】
図7(a)に示すように、吊り下げ部材50は、底部51と、吊り下げ部材50の両端に設けられた側面部52と、により構成され、ネジ40により照明器具200の器具カバー203に固定される部材である。なお、経年劣化を防ぐため、吊り下げ部材50は金属製(例えば、鉄、SUS)であることが望ましい。
【0078】
吊り下げ部材50の底部51(器具カバー203に固定される側)には、ネジ40が貫通する貫通孔51hが形成されている。
【0079】
吊り下げ部材50の側面部52には、底部51の側が広く開口する略T字形状の係止穴53A、係止穴53Bが形成されている。
【0080】
図7(a)に示すように、係止保持部材60は、略U字状の部材であり、両端の先端には、係止部61と、くびれ部62とが形成されている。なお、経年劣化を防ぐため、係止保持部材60も金属製(例えば、鉄、SUS)であることが望ましい。
【0081】
係止部61の幅は、略T字形状の係止穴53A、係止穴53Bのうち底部51の側の広く開口した領域を通過することができるようになっているが、略T字形状の係止穴53A、係止穴53Bのうち底部51の側とは反対側の狭く開口した領域を通過することができないようになっている。
【0082】
くびれ部62の幅は、略T字形状の係止穴53A、係止穴53Bのうち底部51の側の広く開口した領域および底部51の側とは反対側の狭く開口した領域を通過することができるようになっている。
【0083】
図7(b)は保持具1Aが直管形LEDランプ100を保持している状態の斜視図である。
係止保持部材60の係止部61が、略T字形状の係止穴53Aのうち底部51の側の広く開口した領域を通過して、底部51の側とは反対側の狭く開口した領域を通過することができないため、係止部61が係止穴53Aに係止され、保持具1A(吊り下げ部材50、係止保持部材60、ネジ40)で直管形LEDランプ100を保持することができるようになっている。
【0084】
このように保持具1Aは、直管形LEDランプ100を保持することができる。また、保持具1Aの吊り下げ部材50および係止保持部材60は、帯板を打ち抜き加工、曲げ加工して、製作することができる。
【0085】
なお、図7(b)において、係止部61を係止穴53Aに挿入して係止するものとして説明したが、係止部61を係止穴53Bに挿入して係止してもよい。これにより、保持具1Aの固定面である器具カバー203からの高さが異なる位置で直管形LEDランプ100を保持することができる。
【0086】
図7(b)において、保持具1Aの吊り下げ部材50と器具カバー203との間にスペーサ30が図示されていないが、図7(b)は保持具1の別実施形態を説明するための図であり、吊り下げ部材50と器具カバー203との間に本発明のスペーサ30を設けることで、本発明の効果が得られることはいうまでもない。
【0087】
≪第3実施形態≫
次に、第3実施形態に係る照明装置について説明する。
【0088】
第3実施形態に係る照明装置は、第1実施形態に係る照明装置(図1参照)と比較して、保持具の構成が異なっている。その他の構成は同様であり、説明を省略する。
【0089】
図8は、第3実施形態に係る照明装置に用いられる保持具1Bを説明する図であり、(a)は保持具1Bの分解斜視図であり、(b)は保持具1Bが直管形LEDランプ100を保持している状態の斜視図である。
【0090】
保持具1Bは、吊り下げ部材55と、係止保持部材60と、照明器具200の器具カバー203に保持具1Bを固定するためのネジ40と、を備えている。
【0091】
図8(a)に示すように、吊り下げ部材55は、底部56と、底部56の両側に設けられた屈曲部57と、吊り下げ部材55の両端に設けられた側面部58と、により構成され、ネジ40により照明器具200の器具カバー203に固定される部材である。なお、経年劣化を防ぐため、吊り下げ部材55は金属製(例えば、鉄、SUS)であることが望ましい。
【0092】
吊り下げ部材55の底部56(器具カバー203に固定される側)には、ネジ40が貫通する貫通孔56hが形成されている。
【0093】
吊り下げ部材55の屈曲部57から側面部58にわたって、係止穴59が形成されている。係止穴59は、屈曲部57において広く開口し、側面部58において狭く開口する。
【0094】
図8(a)に示すように、係止保持部材60は、略U字状の部材であり、両端の先端には、係止部61と、くびれ部62とが形成されている。なお、経年劣化を防ぐため、係止保持部材60も金属製(例えば、鉄、SUS)であることが望ましい。
【0095】
係止部61の幅は、係止穴59のうち屈曲部57の広く開口した領域を通過することができるようになっているが、係止穴59のうち側面部58の狭く開口した領域を通過することができないようになっている。
【0096】
くびれ部62の幅は、係止穴59のうち屈曲部57の広く開口した領域および側面部58の狭く開口した領域を通過することができるようになっている。
【0097】
図8(b)は保持具1Bが直管形LEDランプ100を保持している状態の斜視図である。
【0098】
係止保持部材60の係止部61が、係止穴59のうち屈曲部57の広く開口した領域を通過して、係止穴59のうち側面部58の狭く開口した領域を通過することができないため、係止部61が係止穴59に係止され、保持具1B(吊り下げ部材55、係止保持部材60、ネジ40)で直管形LEDランプ100を保持することができるようになっている。
【0099】
このように保持具1Bは、直管形LEDランプ100を保持することができる。また、保持具1Bの吊り下げ部材55および係止保持部材60は、帯板を打ち抜き加工、曲げ加工して、製作することができる。
【0100】
また、係止保持部材60の係止部61を吊り下げ部材55の係止穴59に係止させる際には、係止保持部材60を器具カバー203の方向に移動させ係止部61が係止穴59のうち屈曲部57の広く開口した領域を通過させた後、係止保持部材60の両端の係止部61が離れるように付勢しながら係止保持部材60を器具カバー203の方向とは逆方向に移動させることにより係止させることができるので、第2実施形態に係る保持具1Aと比較して、容易に係止させることができる。
【0101】
図8(b)においても、保持具1Bの吊り下げ部材55と器具カバー203との間にスペーサ30が図示されていないが、図8(b)は保持具1の別実施形態を説明するための図であり、吊り下げ部材55と器具カバー203との間に本発明のスペーサ30を設けることで、本発明の効果が得られることはいうまでもない。
【0102】
<その他の変形例>
なお、本発明は、上記第1から第3実施形態の構成に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。
【0103】
第1実施形態に係る保持具1および第2実施形態に係る保持具1Aにおいて、直管形LEDランプ100を保持可能な位置が2ヶ所(第1実施形態において、第1ホルダ部13A、第2ホルダ部13B。第2実施形態において、係止穴53A,53Bによって決定される直管形LEDランプ100の保持位置)あるものとして説明したが、これに限られるものではない。ホルダ10の形状や吊り下げ部材50の形状を変更して、3ヶ所以上の直管形LEDランプ100を保持可能な位置が形成されていてもよく、直管形LEDランプ100を保持可能な位置が1ヶ所のみであってもよい。
【0104】
また、図1において、照明器具200は1本の直管形LEDランプ100に対して1つの保持具1が設けられているものとして説明したが、これに限られるものではなく、1本の直管形LEDランプ100に対して複数の保持具1が設けられている照明器具であってもよい。
【0105】
第2実施形態に係る保持具1Aおよび第3実施形態に係る保持具1Bにおいて、図7(b)および図8(b)に示すように、係止保持部材60が樹脂製の透光部101で直管形LEDランプ100を保持するようになっているため、吊り下げ部材50,55と器具カバー203とは直接取り付けられているものとしたが、これに限られるもののではなく、第1実施形態に係る保持具1と同様に絶縁素材からなるスペーサを介して、吊り下げ部材50,55と器具カバー203(器具ベース201)とが絶縁されるように構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0106】
1,1A,1B 保持具
10 ホルダ
10a 開口部
11 回動端(係止機構)
12 開閉端(係止機構)
13A 第1ホルダ部(保持位置)
13B 第2ホルダ部(保持位置)
13h 切り抜き
14,51,56 底部
14h,51h,56h 貫通孔
20 係止部材(係止機構)
21 回動軸部(係止機構)
22,61 係止部(係止機構)
30 スペーサ(絶縁部材)
31 ベース部
32 押さえ部
32a 突起部
32h ネジ孔
40 ネジ
50,55 吊り下げ部材
52,58 側面部
53A,53B,59 係止穴(係止機構)
57 屈曲部
60 係止保持部材
62 くびれ部(係止機構)
100 直管形LEDランプ
101 透光部
102 放熱部
103 基板
104A,104B 口金
200,210 照明器具
201 器具ベース
202A,202B ソケット
203 器具カバー
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8