(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された技術のように、現像剤担持体の周速度が現像剤搬送部材の周速度の5倍よりも大きく設定された場合、換言すれば、現像剤搬送部材の周速度が、現像剤担持体の周速度の5分の1未満に設定されることで、現像剤に対するストレスが低下される。しかしながら、この場合、現像剤搬送部材から現像剤担持体への現像剤の供給が不足することがあった。
【0006】
特に、現像剤搬送部材が、回転軸回りに螺旋羽根が配設されたスクリュー形状を備える場合、螺旋羽根部分では現像剤の供給量が多く、回転軸部分では現像剤の供給が不足する。この結果、層厚規制部材の裏側において部分的な現像剤量の差が生じ、画像上に縦スジ状の濃度差が生じることがあった。
【0007】
一方、現像剤搬送部材から現像剤担持体に多くの現像剤を供給するために、現像剤搬送部材の周速度が著しく増大されると、層厚規制部材の裏側で多量の現像剤が滞留する。この場合、現像剤の劣化が促進されるとともに、現像器の駆動トルクが増大するという課題があった。
【0008】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、特に、一成分現像剤が現像剤搬送部材から現像剤担持体に供給されるにあたり、現像剤の供給不足に伴う画像欠陥および現像剤の劣化を抑止することが可能な現像装置
を備えた画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一局面に係る
画像形成装置は、
表面に静電潜像が形成される像担持体と、前記像担持体に現像剤を供給する現像装置と、前記像担持体からシートに画像を転写する転写装置と、現像剤排出口を備え、前記現像装置に補給される現像剤を貯留する現像剤貯留部と、を有し、前記現像装置は、一成分磁性現像剤を収容する筐体と、前記筐体に配置され、回転駆動され、周面に前記現像剤を担持する現像剤担持体と、前記筐体内において、前記現像剤担持体に沿って
水平な第1方向に前記現像剤が搬送される第1搬送路と、前記第1搬送路に沿って配設され前記第1方向と逆方向の
水平な第2方向に前記現像剤が搬送される第2搬送路とを備え、前記第1および第2搬送路の間で前記現像剤が循環搬送される現像剤搬送路と、前記第1搬送路に配設され、回転軸と、前記回転軸回りに形成されたスクリュー羽根とを有し、前記現像剤担持体に対向する領域において、下方から上方に向かって回転駆動され、前記第1方向に前記現像剤を搬送し、かつ、前記現像剤担持体に前記現像剤を供給する第1現像剤搬送部材と、前記現像剤担持体の前記周面と間隔をおいて配置され、前記現像剤担持体に供給された前記現像剤の層厚を規制する層厚規制部材と、前記層厚規制部材のうち前記現像剤担持体の回転方向上流側に、前記現像剤担持体の前記周面と間隔をおいて配置される対向磁石と、
前記第2搬送路の前記第2方向下流側であって前記第2搬送路の上方において前記筐体に開口され、前記現像剤排出口から前記現像剤を受け入れる現像剤補給口と、前記第2搬送路に配設され、前記第2方向に前記現像剤を搬送する第2現像剤搬送部材と、前記第2現像剤搬送部材において、前記現像剤補給口よりも前記第2方向下流側に配置され、前記第2現像剤搬送部材の前記現像剤の搬送能力を部分的に抑制することによって、前記現像剤補給口が対向する位置に前記現像剤の滞留部を形成する搬送能力抑制部と、を有し、前記第1現像剤搬送部材の前記回転軸は、前記現像剤担持体の周面の下端部よりも下方であって、前記下端部から水平方向に間隔をおいた位置に配置され、
前記第1現像剤搬送部材の外周縁の上端部は、前記現像剤担持体の回転軸心よりも下方に配置され、前記層厚規制部材は、前記第1現像剤搬送部材が前記現像剤担持体の周面に前記現像剤を供給する第1の位置の上方の第2の位置において、前記現像剤の層厚を規制し、前記現像剤担持体の周速度をVd、前記第1現像剤搬送部材の周速度をVsとした場合、1.3≦Vd/Vs≦5.0の関係を満た
し、前記現像剤搬送路の現像剤量が増大すると、前記滞留部が前記現像剤補給口を封止し、前記現像剤搬送路の現像剤量が減少すると、前記滞留部と前記現像剤補給口との間に隙間が生じることで、前記現像剤補給口から現像剤が前記現像剤搬送路に流入可能とされることを特徴とする。
【0010】
本構成によれば、第1現像剤搬送部材は、第1搬送路内で第1方向に現像剤を搬送し、かつ、現像剤担持体に前記現像剤を供給する。そして、1.3≦Vd/Vs≦5.0の関係を満たすように、現像剤担持体の周速度をVdおよび第1現像剤搬送部材の周速度をVsが設定される。このため、第1現像剤搬送部材から現像剤担持体に十分な現像剤が供給され、層厚規制部材によって規制される現像剤量にむらが生じることが抑止される。また、第1現像剤搬送部材から現像剤担持体に過量な現像剤が供給されることによって、層厚規制部材の周辺で現像剤に過剰な負荷がかかり、現像剤の劣化が促進されることが抑止される。
この結果、シート上に形成された画像に、縦スジ状の画質欠陥が生じることが抑止される。また、長期に亘って、シートに安定した画像が形成される。また、本構成によれば、二成分現像剤と比較して異なる粒子同士を攪拌する必要がない一成分現像剤を、第1現像剤搬送部材から現像剤担持体に、より安定して供給することができる。更に、本構成によれば、スクリュー羽根のピッチに依存して、第1現像剤搬送部材から現像剤担持体への現像剤の供給力が部分的に異なる場合であっても、第1現像剤搬送部材から現像剤担持体に十分な現像剤が供給され、層厚規制部材によって規制される現像剤量にむらが生じることが抑止される。また、第1現像剤搬送部材から現像剤担持体に過量な現像剤が供給されることによって、層厚規制部材の周辺で現像剤に過剰な負荷がかかり、現像剤の劣化が促進されることが抑止される。また、本構成によれば、現像剤担持体上の現像剤が、層厚規制部材の上流側に配置された対向磁石によって、回転方向と交差する方向に移動しにくい場合であっても、第1現像剤搬送部材から現像剤担持体に十分な現像剤が供給され、層厚規制部材によって規制される現像剤量にむらが生じることが抑止される。また、第1現像剤搬送部材から現像剤担持体に過量な現像剤が供給されることによって、層厚規制部材の周辺で現像剤に過剰な負荷がかかり、現像剤の劣化が促進されることが抑止される。
【0011】
上記の構成において、2.0<Vd/Vs≦5.0の関係を満たすことが望ましい。
【0012】
本構成によれば、層厚規制部材の周辺で現像剤に過剰な負荷がかかることが、一層抑制される。
【0013】
上記の構成において、1.3≦Vd/Vs≦4.0の関係を満たすことが望ましい。
【0014】
本構成によれば、現像剤搬送部材から現像剤担持体に十分な現像剤が安定して供給され、層厚規制部材によって規制される現像剤量にむらが生じることが一層抑止される。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、一成分現像剤が現像剤搬送部材から現像剤担持体に供給されるにあたり、現像剤の供給不足に伴う画像欠陥および現像剤の劣化を抑止することが可能な現像装置
を備えた画像形成装置が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態につき詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1の外観を示す斜視図である。また、
図2は、本発明の一実施形態に係る画像形成装置1の内部構造を示す側断面図である。ここでは、画像形成装置1としてモノクロプリンターを例示するが、画像形成装置は、複写機、ファクシミリ装置、或いは、これらの機能を備える複合機であってもよく、またカラー画像を形成する画像形成装置であっても良い。
【0018】
画像形成装置1は、略直方体形状の筐体構造を有する本体ハウジング10と、この本体ハウジング10内に収容される画像形成部30と、定着部40と、トナーコンテナ50と、給紙部90と、を含む。
【0019】
本体ハウジング10の前面側には前カバー11が、後面側には後カバー12が各々備えられている。前カバー11が開放されることで、トナーコンテナ50が前面側に露出する。これにより、ユーザーは、トナー切れの際にトナーコンテナ50を本体ハウジング10の前面側から取り出すことができる。後カバー12は、シートジャムやメンテナンスの際に開放されるカバーである。画像形成部30及び定着部40の各ユニットは、後カバー12が開放されることで、本体ハウジング10の後面側から取り出し可能となる。また、本体ハウジング10の側面には、左カバー12L(
図1)と、左カバー12Lとは反対側の右カバー12R(
図1には表れていない)とが、それぞれ鉛直方向に延伸するように配設されている。左カバー12Lの前側部分には、本体ハウジング10内に空気を取り込むための吸気口12Laが配設されている。また、本体ハウジング10の上面には、画像形成後のシートが排出される排紙部13が備えられている。前カバー11と、後カバー12と、左カバー12Lと、右カバー12Rと、排紙部13とによって画定される内部空間S(
図2)に、画像形成を実行するための各種装置が内装される。
【0020】
画像形成部30は、給紙部90から送り出されるシートにトナー画像を形成する画像形成処理を行う。画像形成部30は、感光体ドラム31(像担持体)と、この感光体ドラム31の周囲に配置された、帯電装置32、露光装置(
図2には表れていない)、現像装置20、転写ローラー34(転写装置)及びクリーニング装置35とを含む。画像形成部30は、左カバー12Lと右カバー12Rとの間に、配設される。
【0021】
感光体ドラム31は、回転軸と、回転軸回りに回転する円筒面と、を備える。円筒面には、静電潜像が形成されるとともに、該静電潜像に応じたトナー像が円筒面に担持される。感光体ドラム31としては、アモルファスシリコン(a−Si)系材料を用いた感光体ドラムを用いることができる。
【0022】
帯電装置32は、感光体ドラム31の表面を均一に帯電するものであって、感光体ドラム31に当接する帯電ローラーを含む。
【0023】
クリーニング装置35は、不図示のクリーニングブレードを有し、トナー像転写後の感光体ドラム31の周面に付着したトナーを清掃するとともに、不図示の回収装置に該トナーを搬送する。
【0024】
露光装置は、レーザー光源とミラーやレンズ等の光学系機器とを有し、感光体ドラム31の周面に、パーソナルコンピューター等の外部装置から与えられる画像データに基づいて変調された光を照射して、静電潜像を形成する。現像装置20は、感光体ドラム31上の前記静電潜像を現像してトナー像を形成するために、感光体ドラム31の周面にトナーを供給する。現像装置20は、感光体ドラム31に供給するトナーを担持する現像ローラー21と、現像ハウジング210(
図3)の内部で現像剤を攪拌しながら循環搬送する第1搬送スクリュー24及び第2搬送スクリュー23とを含む。なお、本実施形態に係る現像装置20については、後記で詳述する。
【0025】
転写ローラー34は、感光体ドラム31の周面に形成されたトナー像をシート上に転写させるためのローラーである。転写ローラー34は、感光体ドラム31の円筒面に当接し、転写ニップ部を形成している。この転写ローラー34には、トナーと逆極性の転写バイアスが与えられる。
【0026】
定着部40は、転写されたトナー像をシート上に定着する定着処理を行う。定着部40は、加熱源を内部に備えた定着ローラー41と、この定着ローラー41に対して圧接され、定着ローラー41との間に定着ニップ部を形成する加圧ローラー42とを含む。トナー像が転写されたシートが前記定着ニップ部に通紙されると、トナー像は、定着ローラー41による加熱および加圧ローラー42による押圧により、シート上に定着される。
【0027】
トナーコンテナ50は、現像装置20に補給するトナーを貯留する。トナーコンテナ50は、トナーの主な貯留箇所となるコンテナ本体51と、コンテナ本体51の一側面の下部から突設された筒状部52と、コンテナ本体51の他の側面を覆う蓋部材53と、コンテナ内部に収容されトナーを搬送する回転部材54とを含む。トナーコンテナ50内に貯留されたトナーは、回転部材54が回転駆動されることによって、筒状部52の先端下面に設けられたトナー排出口521から現像装置20内に供給される。また、トナーコンテナ50の上方を覆うコンテナ天板50Hは、排紙部13の下方に位置する(
図2参照)。
【0028】
給紙部90は、画像形成処理が施されるシートを収容する給紙カセット91を含む(
図2)。この給紙カセット91は、その一部が本体ハウジング10の前面からさらに前方に突出している。給紙カセット91のうち、本体ハウジング10内に収容されている部分の上面は、給紙カセット天板91Uによって覆われている。給紙カセット91には、前記シートの束が収容されるシート収容空間、前記シートの束を給紙のためにリフトアップするリフト板等が備えられている。給紙カセット91の後端側の上部にはシート繰出部91Aが設けられている。このシート繰出部91Aには、給紙カセット91内のシート束の最上層のシートを1枚ずつ繰り出すための給紙ローラー91Bが配置されている。
【0029】
本体ハウジング10内には、シートを搬送するために、主搬送路92F及び反転搬送路92Bが備えられている。主搬送路92Fは、給紙部90のシート繰出部91Aから画像形成部30及び定着部40を経由して、本体ハウジング10上面の排紙部13に対向して設けられている排紙口14まで延びている。反転搬送路92Bは、シートに対して両面印刷を行う場合に、片面印刷されたシートを主搬送路92Fにおける画像形成部30の上流側に戻すための搬送路である。
【0030】
主搬送路92Fは、感光体ドラム31および転写ローラー34によって形成される転写ニップ部を、下方から上方に向かって、通過するように延設される。また、主搬送路92Fの、転写ニップ部よりも上流側には、レジストローラー対93が配置されている。シートは、レジストローラー対93にて一旦停止され、スキュー矯正が行われた後、画像転写のための所定のタイミングで、前記転写ニップ部に送り出される。主搬送路92F及び反転搬送路92Bの適所には、シートを搬送するための搬送ローラーが複数配置されており、例えば排紙口14の近傍には排紙ローラー対94が配置されている。
【0031】
反転搬送路92Bは、反転ユニット95の外側面と、本体ハウジング10の後カバー12の内面との間に形成されている。なお、反転ユニット95の内側面には転写ローラー34及びレジストローラー対93の一方のローラーが搭載されている。後カバー12及び反転ユニット95は、それらの下端に設けられた支点部121の軸回りに各々回動可能である。反転搬送路92Bにおいてシートジャムが発生した場合、後カバー12が開放される。主搬送路92Fでシートジャムが発生した場合、或いは感光体ドラム31のユニットや現像装置20が外部に取り出される場合には、後カバー12に加えて反転ユニット95も開放される。
【0032】
<現像装置の説明>
次に、本実施形態に係る現像装置20について、詳述する。
図3は、現像装置20の内部構造を示す断面図である。また、
図4は、現像装置20の内部構造を示す平面図である。現像装置20は、一方向(現像ローラー21の軸方向)に長尺の箱形形状を有する現像ハウジング210(筐体)を備える。該現像ハウジング210は、内部空間220を有する。内部空間220には、現像ローラー21(現像剤担持体)と、第1攪拌スクリュー23および第2攪拌スクリュー24(現像剤搬送部材)と、トナー補給口25とが配設されている。本実施形態では、一成分現像方式として、この内部空間220には、磁性材料を含むトナーが現像剤(磁性現像剤)として充填される。トナーは、内部空間220内において攪拌搬送され、静電潜像を現像するために、逐次現像ローラー21から感光体ドラム31に供給される。
【0033】
現像ローラー21は、現像ハウジング210の長尺方向に延設される円筒形状を有する。現像ローラー21は、回転駆動される円筒形状のスリーブ21Sと、スリーブ21Sの内部に、軸方向に沿って固定配置される円柱形状のマグネット21Mとを備える。スリーブ21Sは、不図示の駆動手段によって、
図3の矢印D31方向に回転駆動され、周面に磁性トナーを担持する。マグネット21Mは、スリーブ21Sの内部に、スリーブ21Sの周方向に複数の磁極を有する固定磁石である。マグネット21Mは、周方向に配置される4つの磁極S1極、N1極、S2極、N2極を備える。
図3において、現像ローラー21を囲む曲線MCは、各磁極によってもたらされる現像ローラー21の半径方向の磁力を、スリーブ21S上の周方向の分布として示したものである。S1極は、マグネット21Mのうち、前方かつ上方の位置に配置される。S1極は、規制極として、トナー層を規制するために使用される。N1極は、マグネット21Mのうち、後方かつ上方の位置に配置される。N1極は、現像極として、感光体ドラム31にトナーを供給する機能を備える。N2極は、マグネット21Mのうち、前方かつ下方の位置に配置される。N2極は、キャッチ極として、現像ローラー21にトナーを汲み上げる機能を備える。S2極は、マグネット21Mのうち、N1極よりもスリーブ21Sの回転方向下流側であって、N2極よりもスリーブ21Sの回転方向上流側の位置に配置される。S2極は、主に、マグネット21Mのうち、後方かつ下方の位置に配置される。S2極は、N1極において、感光体ドラム31側に移動されなかったトナーを、現像ハウジング210に回収する搬送極としての機能を備える。スリーブ21S上に担持されたトナーは、現像ハウジング210に配設された開口部(不図示)まで搬送され、対向する感光体ドラム14に供給される。
【0034】
現像ハウジング210の内部空間220は、不図示の天板によって覆われるとともに、左右方向に延びる仕切り板22によって、左右方向に長尺の第1搬送路221と第2搬送路222とに区画されている。仕切り板22は、現像ハウジング210の左右方向の幅よりも短く、仕切り板22の左端及び右端には、第1搬送路221と第2搬送路222とをそれぞれ連通させる第1連通路223及び第2連通路224が備えられている。これにより、内部空間220には、第1搬送路221、第1連通路223、第2搬送路222及び第2連通路224に至る循環経路(現像剤搬送路)が形成される。トナーは、該循環経路内を
図4において時計回りに搬送される。
【0035】
トナー補給口25は、前記天板に穿孔された開口部であり、第1搬送路221の左端付近の上方に配置されている(
図4)。トナー補給口25は、上記の循環経路に対向して配置され、トナーコンテナ50から補給される補給トナーを内部空間220に受け入れる機能を備える。本実施形態では、トナー補給口25は、平面視で14mm×8mmの開口からなる。
【0036】
第1攪拌スクリュー23は、第1搬送路221に配設されている。第1攪拌スクリュー23は、第1回転軸23aと、この第1回転軸23aの周上にスパイラル状に突設された第1螺旋羽根23bとを含む。第1攪拌スクリュー23は、不図示の駆動手段によって第1回転軸23a回り(
図3の矢印D33、
図4の矢印R2)に回転駆動されることで、
図4の矢印D1方向にトナーを搬送する。第1攪拌スクリュー23は、トナー補給口25が第1搬送路221に対向する位置を通過するように現像剤を搬送する。これにより、第1攪拌スクリュー23は、トナー補給口25から流入する新しいトナーと、第1搬送路221を搬送されるトナーとを混合し、混合されたトナーを第2搬送路222側に受け渡す機能を有する。なお、本実施形態では、第1螺旋羽根23bの外径は14mmであり、軸方向のピッチは20mmに設定される。第1攪拌スクリュー23の搬送性能に応じて、前記ピッチは変更可能であるが、トナーの搬送能力を維持する上では15mmが下限とされることが好ましい。第1攪拌スクリュー23のトナー搬送方向(D1方向)下流側には、第1パドル23cが配設されている。第1パドル23cは、第1回転軸23a上に配設された板状部材である。第1パドル23cは、第1回転軸23aと共に回転され、
図4の矢印D3方向に向かって、第1搬送路221から第2搬送路222に、トナーを受け渡す。本実施形態では、第1パドル23cの軸方向の長さは、20mmに設定される。
【0037】
第2攪拌スクリュー24は、第1搬送路222に配設されている。第2攪拌スクリュー24は、第2回転軸24a(回転軸)と、この第2回転軸24aの周上にスパイラル状に突設された第2螺旋羽根24b(スクリュー羽根)とを含む。第2攪拌スクリュー24は、不図示の駆動手段によって第2回転軸24a回り(
図3の矢印D32、
図4の矢印R1)に回転駆動されることで、
図4の矢印D2方向にトナーを搬送する。第2攪拌スクリュー24は、第2搬送路222内で、トナーを搬送するとともに、現像ローラー21にトナーを供給する。なお、本実施形態では、第2螺旋羽根24bの外径は14mmであり、軸方向のピッチは20mmに設定される。第2攪拌スクリュー24の搬送性能に応じて、前記ピッチは変更可能であるが、トナーの搬送能力を維持する上では15mmが下限とされることが好ましい。
【0038】
第2攪拌スクリュー24は、現像ローラー21よりも、前方かつ下方の位置に、配置される。すなわち、第2攪拌スクリュー24は、マグネット21MのN2極に対向して配置される。第2攪拌スクリュー24の回転(
図3の矢印D32)に伴って、第2攪拌スクリュー24からスリーブ21Sにトナーが供給される。第2攪拌スクリュー24の回転軸24aは、スリーブ21Sの回転軸よりも下方に位置する。更に、第2攪拌スクリュー24の回転軸24aは、スリーブ21Sの周面の下端部よりも下方に位置する。本実施形態では、現像ローラー21へのトナーの供給経路は、第2攪拌スクリュー24から供給される経路のみによって形成される。第2攪拌スクリュー24は、現像ローラー21に対して、下方から上方にトナーを汲み上げることによって、スリーブ21Sにトナーを供給する。
【0039】
第2攪拌スクリュー24のトナー搬送方向(D2方向)下流側には、第2パドル24cが配設されている。第2パドル24cは、第2回転軸24a上に配設された板状部材である。第2パドル24cは、第2回転軸24aと共に回転され、
図4の矢印D4方向に向かって、第2搬送路222から第1搬送路221に、トナーを受け渡す。本実施形態では、第2パドル24cの軸方向の長さは、20mmに設定される。
【0040】
現像装置20は、更に、層規制部材60(層厚規制部材)と、磁石プレート70(対向磁石)と、を備える。
【0041】
層規制部材60は、現像ローラー21よりも、前方かつ上方の位置に配置される。層規制部材60は、現像ローラー21の軸方向に沿って、現像ローラー21(スリーブ21S)の周面に対向して配置される。詳しくは、層規制部材60は、現像ローラー21のうち、マグネット21MのS1極に対向して配置される。層規制部材60は、磁性材料から構成される板状部材である。層規制部材60は、現像ローラー21の回転軸と直交する断面において、現像ローラー21に向かう方向を長辺とする矩形形状を備える。層規制部材60の先端部は、現像ローラー21のスリーブ21Sと、間隔を置いて配置される。この結果、前記先端部と、スリーブ21Sとの間で、層規制ギャップGが形成される。層規制部材60は、第2攪拌スクリュー24からスリーブ21S上に汲み上げられたトナーの層厚を規制する。
【0042】
磁石プレート70は、層規制部材60の前側に、層規制部材60に沿って配置される。換言すれば、磁石プレート70は、層規制部材60よりも、現像ローラー21のスリーブ21Sの回転方向(
図3の矢印D31)上流側に配置される。本実施形態では、磁石プレート70は、板状形状を備えた永久磁石から構成される。磁石プレート70は、現像ローラー331の回転軸と直交する断面において、層規制部材60に沿って延設される略矩形形状を備える。磁石プレート70は、層規制部材60の下方部分に固定される。磁石プレート70は、マグネット21MのS1極と対向する位置に、S1極と同極のS極の磁力を備える。また、磁石プレート70は、マグネット21MのS1極に対して、前記S極よりも遠い位置に、N極を備える。
【0043】
このように、本実施形態では、層規制部材60よりも、現像ローラー21(スリーブ21S)の回転方向上流側に、磁石プレート70が配置される。換言すれば、現像ローラー21の回転方向上流側から下流側に向かって、磁石プレート70、層規制部材60が順に、現像ローラー21の周面に対向して配置される。
【0044】
かくして、本実施形態では、第2攪拌スクリュー24は、スリーブ21Sの周面のうち、鉛直下方に面する第1の位置P1に向かって、トナーをスリーブ21Sに供給する。また、層規制部材60は、スリーブ21Sの周面のうち、鉛直上方に面し、かつ、第1の位置P1の上方に位置する第2の位置P2において、スリーブ21S上のトナーの厚さを規制する。この際、マグネット21MのS1極と磁石プレート70のS極が、同極の磁力を有することから、スリーブ21Sと磁石プレート70との間には、反発磁界が作用する。該反発磁界は、スリーブ21Sの回転方向上流側に向かう磁界と、回転方向下流側(層規制部材60側)に向かう磁界とに分類される。この結果、スリーブ21S上を搬送され、磁石プレート70の下部に進入されたトナーは、スリーブ21Sの周面に移動する力を付与される。この結果、トナーが薄層化された状態で、トナーの層規制が実現される。更に、層規制部材60の層規制ギャップGに進入されなかったトナーは、反発磁界に促進され、スリーブ21Sの回転方向上流側に向かって流動する。
【0045】
<滞留部について>
図4を参照して、前述のトナーコンテナ50は、現像ハウジング210のトナー補給口25の上方に、配置されている。トナーコンテナ50は、内部にトナーが搬送されるトナー搬送路50aと、回転部材54と、トナー排出口521と、を備える。トナーコンテナ50は、トナーコンテナ50の長手方向(トナー搬送路50aが形成されている方向)が、現像装置20の長手方向(第1攪拌スクリュー23の現像剤搬送方向。矢印D1方向)に直交する方向に位置するように、現像装置20に組みつけられている。
【0046】
トナー排出口521は、現像装置20のトナー補給口25に対応して、トナーコンテナ50の底部に配設されている。回転部材54は、軸部と該軸部回りに回転される羽根部とを有し(
図2参照)、トナー搬送路50a内の補給トナーをトナー排出口521に向かって搬送する。トナー排出口521から落下したトナーは、トナー補給口25を介して、現像装置20に補給される。
【0047】
次に、トナー補給口25から現像ハウジング210に新たに補給されるトナーの流れについて説明する。
図5は、現像装置20に配設されたトナー補給口25およびトナーコンテナ50に配設されたトナー排出口521付近の断面図である。なお、
図5では、説明のために、トナーコンテナ50の配置を水平方向において90度回転させて示している。実際には、トナーコンテナ50内の回転部材54は、紙面手前に向かって延設され、第1攪拌スクリュー23と、トナーコンテナ50内の回転部材54とは、互いに直交する位置関係となっている。また、
図6は、第1攪拌スクリュー23の一部を拡大した斜視図である。
【0048】
トナーコンテナ50のトナー排出口521から供給された補給トナーT2は、第1搬送路221に落下して既存のトナーT1と混合され、第1攪拌スクリュー23により矢印D1方向に搬送される。この際、トナーT1、T2は攪拌され、帯電される。
【0049】
第1攪拌スクリュー23は、トナー補給口25よりトナー搬送方向下流側に、部分的に現像剤の搬送性能が抑制される搬送能力抑制部26を備える。本実施形態では、搬送能力抑制部26は、第1攪拌スクリュー23の第1螺旋羽根23bを欠落させることによって形成される(
図6参照)。本実施形態では、搬送能力抑制部26の軸方向の長さは、12mmに設定される。換言すれば、搬送能力抑制部26は、部分的に第1回転軸23aのみが配設されている部分に相当する。この場合、搬送能力抑制部26は、第1回転軸23aの軸方向の現像剤搬送性能を有さない。従って、第1搬送路221内において、搬送能力抑制部26よりも上流側から搬送されるトナーは、該搬送能力抑制部26において、滞留し始める。そして、これらのトナーの滞留は、搬送能力抑制部26の直ぐ上流側であって、トナー補給口25が第1搬送路221に対向する位置まで累積していく。この結果、トナー補給口25の入口付近には、現像剤の滞留部27が形成される。
【0050】
トナー補給口25から補給トナーT2が補給され、内部空間220内のトナー量が増えると、この滞留部27で滞留するトナーがトナー補給口25を塞ぎ(封止し)、それ以上のトナーの補給を抑制する。その後、内部空間220内のトナーが現像ローラー21から消費され、滞留部27で滞留するトナーが減少すると、トナー補給口25を塞いでいたトナーが減り、滞留部27とトナー補給口25との間に隙間が生じる。この結果、再び補給トナーT2がトナー補給口25から内部空間220に流入する。このように、本実施形態では、滞留部27に滞留するトナーの減少に伴って、補給トナー量の受入量が調整される体積補給型のトナー補給形式が採用される。
【0051】
<現像ローラー20および第1攪拌スクリュー24の周速度比について>
従来、一成分現像剤が使用された現像装置では、二成分現像剤が使用された場合のように異なる粒子同士(トナーとキャリア)を攪拌させる必要がない。このため、第2攪拌スクリュー24に相当する搬送部材(以後、第3攪拌スクリュー24Aと称する)は、トナーへのストレスを低減するために、可及的に小さな周速度で回転された。特に、現像ローラー21の周速度が、第3攪拌スクリュー24Aの周速度の5倍よりも大きく設定されることが多かった。換言すれば、第3攪拌スクリュー24Aの周速度が、現像ローラー21の周速度の5分の1未満に設定されることで、現像剤に対するストレスが低下された。しかしながら、この場合、第3攪拌スクリュー24Aから現像ローラー21への現像剤の供給が不足することがあった。
【0052】
特に、第3攪拌スクリュー24Aが、第2攪拌スクリュー24と同様に、回転軸回りに螺旋羽根が配設されたスクリュー形状を備える場合、螺旋羽根部分では現像剤の供給量が多く、回転軸部分では現像剤の供給が不足する。この結果、層規制部材60の裏側において部分的な現像剤量の差が生じ、画像上に縦スジ状の濃度差が生じることがあった。更に、本実施形態のように、層規制部材60の上流側に、磁石プレート70が配置された場合、周辺の現像剤が磁石プレート70の磁力によって現像ローラー21の軸方向に移動することができず、前記現像剤量の差は一層顕著となる。
【0053】
一方、第3攪拌スクリュー24Aから現像ローラー21に多くの現像剤を供給するために、第3攪拌スクリュー24Aの周速度が著しく増大されると、層規制部材60の裏側で多量の現像剤が滞留する。この場合、現像剤の劣化が促進されるとともに、現像装置20の駆動トルクが増大するという課題があった。
【0054】
上記のような課題を解決するために、本実施形態では、現像ローラー20の周速度Vdと、第2攪拌スクリュー24の周速度Vsとの比が好適に設定される。特に、本実施形態では、1.3≦Vd/Vs≦5.0の関係を満たすように、現像剤担持体の周速度をVdおよび現像剤搬送部材の周速度をVsが設定される。この結果、第2攪拌スクリュー24から現像ローラー21に十分なトナーが供給され、層規制部材60によって規制される現像剤量にむらが生じることが抑止される。また、第2攪拌スクリュー24から現像ローラー21に過量なトナーが供給されることによって、層規制部材60の周辺でトナーに過剰な負荷がかかり、トナーの劣化が促進されることが抑止される。
【0055】
<実施例>
次に、本実施形態を実施例に基づいて説明するが、本実施形態は下記の実施例によって限定されるものではない。なお、以後の各実施例は、下記の実験条件にて行った。
【0056】
<実験条件について>
・感光体ドラム31:OPCドラム
・感光体ドラム31の周速度:146mm/sec
・層規制ギャップG:0.3mm
・現像バイアスAC成分:矩形波振幅1.7kV、Duty50%
現像バイアスDC成分:270V
・感光体ドラム31の表面電位(背景部/画像部):430V/30V
・現像ローラー331の直径:16mm
・感光体ドラム31の直径:24mm
・磁性トナーの平均粒子径:6.8μm(D50)
<実験1>
表1に、現像ローラー21の周速度Vdおよび第2攪拌スクリュー24の周速度Vsの周速度比Vd/Vsについて評価した実験1の結果を示す。
【0058】
実験1では、第2攪拌スクリュー24の周速度Vsが調整されることによって、周速度比Vd/Vsが変化され、各条件における縦スジレベルおよび画像濃度低下が評価された。なお、縦スジレベルは、シート上のハーフトーン画像において評価した。表1の縦スジレベルにおいて、◎は、縦スジが全く発生していない状態を示す。また、○は、縦スジがほとんど発生していない状態を示し、△は、非常に軽微な縦スジが若干発生しているものの、実使用上まったく問題ない状態を示す。また、×は、縦スジが発生している状態を示している。
【0059】
また、画像濃度低下は、現像剤の劣化に伴う帯電性の低下に依存するものであり、画像サンプル上の濃度の推移を測定して評価した。表1の画像濃度低下において、○は、濃度低下が発生していない状態を示し、×は濃度低下が発生している状態を示している。また、画像濃度低下の評価は、シート上の画像密度が1%の画像を1枚ずつ複数回印刷した場合(1%1枚間欠)と、3枚ずつ複数回印刷した場合(1%3枚間欠)で行った。更に、画像密度が3.8%の画像を3枚ずつ複数回印刷した場合(3.8%3枚間欠)でも評価を行った。実使用上の使用条件は、3.8%3枚間欠の条件に相当し、1%1枚間欠の条件は、実使用条件を超えたストレス条件に相当する。
【0060】
表1に示されるように、Vd/Vsが1.3≦Vd/Vs≦5.0の範囲の場合、縦スジレベルおよび画像濃度低下が良好な結果となった。すなわち、上記の範囲では、縦スジレベルは△以上となり、実使用上の使用条件である3.8%3枚間欠の条件および1%3枚間欠の条件において、画像濃度低下が発生していない。
【0061】
更に、2.0<Vd/Vsの範囲では、ストレス条件である1%1枚間欠の条件においても、画像濃度低下が発生せず、安定した画像品質が維持された。また、Vd/Vs≦4.0の範囲では、縦スジレベルが○以上となり、ハーフトーン画像にムラのない画像が獲得された。
【0062】
<実験2>
表2に、実験1と比較して、現像ローラー21の直径および周速度Vdを変化させた実験2の結果を示す。なお、縦スジレベルおよび画像濃度低下の評価については、前述のとおりである。
【0064】
表2に示されるように、現像ローラー21の直径および周速度Vdが、実験1と異なる場合であっても、Vd/Vsが1.3≦Vd/Vs≦5.0の範囲の場合、縦スジレベルおよび画像濃度低下が良好な結果となった。すなわち、上記の範囲では、縦スジレベルは△以上となり、実使用上の使用条件である3.8%3枚間欠の条件を含む各条件において、画像濃度低下が発生していない。
【0065】
以上、上記に示した実施形態によれば、第2攪拌スクリュー24は、第2搬送路222で第1方向にトナーを搬送し、かつ、現像ローラー21にトナーを供給する。そして、1.3≦Vd/Vs≦5.0の関係を満たすように、現像ローラー21の周速度をVdおよび第2攪拌スクリュー24の周速度をVsが設定される。このため、第2攪拌スクリュー24から現像ローラー21に十分なトナーが供給され、層規制部材60によって規制されるトナー量にむらが生じることが抑止される。また、第2攪拌スクリュー24から現像ローラー21に過量なトナーが供給されることによって、層規制部材60の周辺でトナーに過剰な負荷がかかり、トナーの劣化が促進されることが抑止される。
【0066】
また、上記の実施形態によれば、2.0<Vd/Vsの関係が満たされることによって、層規制部材60の周辺でトナーに過剰な負荷がかかることが、一層抑制される。更に、Vd/Vs≦4.0の関係が満たされることによって、第2攪拌スクリュー24から現像ローラー21に十分なトナーが安定して供給され、層規制部材60によって規制されるトナー量にむらが生じることが一層抑止される。
【0067】
また、上記の実施形態によれば、第2攪拌スクリュー24は、現像ローラー21に対向する領域において、下方から上方に向かって回転されながら、現像ローラー21に前記現像剤を供給する。このため、二成分現像剤と比較して異なる粒子同士を攪拌する必要がない一成分現像剤を、第2攪拌スクリュー24から現像ローラー21に、より安定して供給することができる。
【0068】
また、上記の実施形態によれば、第2攪拌スクリュー24の螺旋羽根のピッチに依存して、第2攪拌スクリュー24から現像ローラー21へのトナーの供給力が部分的に異なる場合であっても、1.3≦Vd/Vs≦5.0の関係を満たすように、現像ローラー21の周速度をVdおよび第2攪拌スクリュー24の周速度をVsが設定され、第2攪拌スクリュー24から現像ローラー21に十分な現像剤が供給される。
【0069】
また、上記の実施形態によれば、現像ローラー21上のトナーが、層規制部材60の上流側に配置された磁石プレート70によって、現像ローラー21の軸方向(回転方向と交差する方向)に移動しにくい場合であっても、第2攪拌スクリュー24から現像ローラー21に十分な現像剤が供給され、層規制部材60によって規制されるトナー量にむらが生じることが抑止される。
【0070】
また、上記の実施形態に係る現像装置20を備えた画像形成装置1によると、シート上に形成された画像に、縦スジ状の画質欠陥が生じることが抑止される。また、長期に亘って、シートに安定した画像が形成される。
【0071】
以上、本発明の実施形態に係る現像装置20、およびこれを備えた画像形成装置1について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば次のような変形実施形態を採用することができる。
【0072】
上記の実施形態では、トナーコンテナ50から現像装置20へのトナー補給が、搬送能力抑制部26(滞留部27)によって調整される態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。画像濃度を検出する不図示の濃度センサーや、現像ハウジング210内のトナー量を検出する不図示のトナーセンサーの検出結果に応じて、トナーコンテナ50から現像ハウジング210にトナーが補給される態様であってもよい。
【0073】
なお、上記のように、滞留部27のトナー量に応じてトナーコンテナ50から現像ハウジング210にトナーが補給される現像装置20では、1.3≦Vd/Vs≦5.0の関係を満たすように、現像ローラー21の周速度をVdおよび第2攪拌スクリュー24の周速度をVsが設定されることで、層規制部材60の裏側に滞留するトナーの軸方向の分布量が安定する。すなわち、層規制部材60の裏側に、第2攪拌スクリュー24の第2螺旋羽根24bのピッチに応じたトナー分布が形成されにくい。この場合、現像ハウジング210内のトナーの分布が安定するため、現像ローラー21から消費されたトナー量に応じて、精度良く滞留部27のトナー量が変化される。したがって、前記トナー消費量に応じて、好適にトナーコンテナ50から現像ハウジング210にトナーを補給することができる。