(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
センサー信号は、外科手術ツールと障害物の間の接触力と関連付けられた感知された力を含み、アクチュエータは、第1の閾値と第2の閾値の間に接触力を維持するように構成された力を出力するように構成されている、請求項7のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0011】
例示的実施形態が、触覚的フィードバックをもった最小侵襲性外科手術ツールのためのシステムと方法の文脈で、ここに記載される。以下の記載は単に描写的なだけで、いかなるやり方でも限定するものとして意図されていないことを当業者は悟るであろう。その他の実施形態は、この開示の恩恵を受けたそのような当業者に、それら自体を容易に示唆するであろう。ここで付随する図面に描かれた例示的実施形態の実装を詳細に参照する。同じまたは同様の項目を参照するのに、同じ参照指示が、図面と以下の記載を通して使われる。
【0012】
明確さへの関心から、ここに記載された実装の慣行的な特徴の全てが示され記載されはしない。勿論、いかなるそのような実際の実装の開発において、応用または事業と関係した制約の遵守のような開発者の特定のゴールを達成するために、多数の実装に特定の決定がなされなければならないことと、それらの特定のゴールは、1つの実装から別のものへと1人の開発者から別のものへで変動することが、理解されるであろう。更には、以下の開示された実施形態では、「または」という用語が、特定の実施形態の異なる特徴を記載するのに使われ得る。「または」という用語の使用は、包含的および排他的の両方で解釈されることが意図されており、よって組み合わせは、ここに記載された通りの同定された特徴のいずれかまたは全てを含み得る。
【0013】
触覚的フィードバックをもった最小侵襲性外科手術ツールのための描写的システム
触覚的フィードバックをもった最小侵襲性外科手術ツールのための1つの描写的システムでは、システムは、生きている患者上での最小侵襲性外科手術(MIS)中に外科医を支援するように構成されている。例えば、外科医は、あらゆる異常を検出するためまたは不整脈に対処するために心臓組織を切除するために、心臓発作に引き続いてのような、患者の心臓の内部表面上の電位(即ち、電圧)の変化を測定するための心臓電気生理学を行うようにMISを行っても良い。
【0014】
ここで
図1を参照すると、
図1は、本発明の一実施形態に従った、触覚的フィードバックをもった最小侵襲性外科手術ツールのためのシステム10の描写的実施形態を示す。
図1中のシステム10は、挿入鞘20と、ハンドル32をもった外科手術ツール30(この場合はガイドワイヤ)と、プロセッサ52、メモリ54およびディスプレイ56をもったコンピューター50と、心拍数モニター60からなる。
【0015】
描写的MIS手順を行うために、外科医は、患者の脚12中に切開を作り、外科手術ツールのための挿入経路を提供するように、挿入鞘20(この場合はカテーテル)を、患者の大腿動脈中に挿入する。外科医はそれから、それが患者の心臓に達するまでカテーテル20を患者の脈管系を通して挿入する。外科医はそれから、心臓壁上または内の様々なポイントでの電圧を測定するために、ガイドワイヤ30の遠位端上に電圧センサー36または複数のセンサーを備えたガイドワイヤのような外科手術ツール30を、患者の心臓までカテーテル20を通して挿入しても良い。そのようなガイドワイヤ30は典型的には、心臓壁上の関心のある様々なポイントに達するように外科医がガイドワイヤ30を操作することを許容するために、ハンドル32に接続された近位端を有する。ガイドワイヤ30を操作するために、外科医は、ガイドワイヤ30の遠位先端を多数の方向のいずれかで動かすように、ガイドワイヤのハンドル32上の1つ以上の操作子34、例えばノブまたはレバー、を操作する。そのような実施形態では、外科医はそれから、センサー36での電圧測定をするために、心臓壁に接触するようにガイドワイヤの遠位先端を操作しても良い。
【0016】
図1に示された描写的実施形態では、挿入チューブ20は、MIS手順を行う際に外科医を支援するために、アクチュエータ40が備えられている。ガイドワイヤ30がアクチュエータ40を通して挿入チューブ20中まで通るように、環または円筒形状に構成された誘導性アクチュエータ40が、挿入チューブ20の近位端に結合されている。誘導性アクチュエータ40は、挿入チューブ内のガイドワイヤ30の並進運動を支援するかまたはそれに抵抗するように、運動感覚性触覚的効果を提供するために、ガイドワイヤ30上に電磁気力を生成するようにアクチュエータ40のコイルを通して電流を伝送することによって作動されることができる。誘導性アクチュエータを使用することの利点は、ローラーを使った時にはあるであろうようなアクチュエータとガイドワイヤの間に物理的結合がないので、ガイドワイヤを操作している外科医は、ローラーまたはその他の摩擦のある接触が採用されていたとすればあったかもしれないような、克服する摩擦と慣性がないために、より正確な触感覚を受け取り得る、ということであり得る。しかしながら、以下でより詳細に説明するように、その他のタイプのアクチュエータが採用されても良い。
【0017】
加えて、ガイドワイヤ30のハンドル32は、複数のアクチュエータ42、44を含む。アクチュエータ42の1つは、振動触覚アクチュエータであり、ガイドワイヤの遠位端上のセンサー36によって感知された電圧に基づいて、ガイドワイヤハンドル32に振動的効果を出力するのに使われる。例えば、振動効果の周波数は、センサー36によって感知された電圧の大きさに比例しても良く、よって外科医に手順のステータスに関する追加の情報を提供する。この場合の振動情報は、様々なセンサー読み出し値についてのグラフィック情報を示しているディスプレイに追加してのものである。
【0018】
ハンドル32内に配置された第2のアクチュエータ44は、ハンドル上の操作子34に触覚的効果を提供するように構成されている。例えば、第2のアクチュエータ44は、ガイドワイヤの遠位先端と心臓の壁の間の接触力に基づいて、またはガイドワイヤの遠位先端と心臓の壁の迎え角に基づいて、触覚的効果を出力しても良い。示された実施形態では、第2のアクチュエータ44は、ガイドワイヤの遠位端の先端(図示されていない力センサー)上の感知された力に基づいて操作子34の動きに抵抗する運動感覚性力を出力する。
【0019】
プロセッサ52とメモリ54からなるコンピューター50は、外科手術ツール30、およびいくつかの場合には挿入鞘20、からセンサー信号を受け取り、ガイドワイヤ30、ガイドワイヤハンドル32または操作子34上の様々なアクチュエータ40、42、44によって出力されるべき触覚的効果を引き起こすようにアクチュエータ信号を生成する。加えて、コンピューター50は、心臓モニター60のようなその他の外部デバイスから情報を受け取り、それも触覚的効果を生成するのに使っても良い。その他の外部センサーの例は、心拍数モニター、血圧モニター、酸素センサー、血液ガスセンサー等を含む。
【0020】
例えば、この描写的実施形態では、心拍数モニター60が患者に接続されており、心拍数情報をコンピューター50に提供する。コンピューター50は、患者の心拍数が許容可能な限度の外に入るかどうかを指し示すために触覚的効果を生成することができる。外科医は、特定の電圧読み出し値とガイドワイヤを操作することに焦点を絞ってい得るので、この追加の情報は外科医には直ちに明らかでなくても良い。例えば、もし患者の心臓があまりにも速く鼓動し始めれば、コンピューター50は、潜在的に危険な状態を指し示し異常な心拍数に外科医の注意をひくための触覚的効果を引き起こすように、アクチュエータ信号を生成することができる。
【0021】
加えて、コンピューター50は、ディスプレイ56が、感知された電圧の視覚的表示、カテーテル中に挿入されたカメラからの画像、心拍数等のような、関連する情報を外科医に表示することを引き起こすように、ディスプレイ信号を出力することができる。よって、システム10は、外科医がMIS手順に焦点を絞ることを許容する没頭させる統合的な体験を提供する一方で、手順をより良く行い、そうでなければ外科医の注意を逸らしたかもしれない状態を監視することを外科医に許容するように外科医に直ちに触覚応答を提供する様々な入力を受け取ることができる。
【0022】
ここで
図2aを参照すると、
図2aは、本発明の一実施形態に従った最小侵襲性外科手術ツールのためのシステム100を示す。システム100は、挿入鞘110と、第1の外科手術ツール120と、第2の外科手術ツール130からなる。挿入鞘110は、複数のローラー112a、bと、各々が複数のローラー112a、bの1つに結合された複数のアクチュエータ140a、bからなる。挿入鞘110は、患者の身体102中に部分的に挿入され、外科手術ツール120のような外科手術ツールを受け入れるように構成されている。示された実施形態では、挿入鞘110はトロカールからなる。
【0023】
示された実施形態では、ローラー120a、bは外科手術ツール120と接触するように構成され、アクチュエータ140a、bの作動によってそれぞれ作り出された触覚的力を出力するように構成されている。一実施形態では、アクチュエータ140a、bの各々は能動的アクチュエータであり、そのそれぞれのローラー112a、bが回転することを引き起こすように構成されている。それぞれのローラーを回転させることにより、アクチュエータ140a、bは、挿入鞘110内の外科手術ツール120の並進運動を支援するかまたはそれに抵抗するように構成された運動感覚性力を出力することができる。例えば、示された実施形態では、アクチュエータ140a、bはDCモーターからなるが、受動的アクチュエータ(即ち、磁気ブレーキ)、カムまたはその他の摩擦を生成するかまたは調節する手段も含むことができる。いくつかの実施形態では、ただし、アクチュエータ140a、bは、挿入鞘110内の外科手術ツール120の並進運動に抵抗するようにそれらのそれぞれのローラー112a、bにブレーキをかけるように構成された受動的アクチュエータからなる。いくつかの実施形態では、ローラー112a、bの一方または両方は、ローラー112a、bの回転を検出するように構成された回転エンコーダーのような、センサーに結合されている。そのような実施形態の1つでは、センサーは、外科手術ツール120の対応する動きに基づいてローラーの動きまたは位置を指し示すために、プロセッサにセンサー信号を伝送するように構成されている。
【0024】
いくつかの実施形態では、トロカール110は、MIS手順の間で殺菌されるように構成されているが、いくつかの実施形態では、トロカール110は廃棄されるように構成されている。ローラー112a、bは外科手術ツール120と接触するように構成されているので、それらはMIS手順の間で廃棄されるかまたは殺菌されるかのどちらかであるように構成されている。いくつかの実施形態では、ローラー112a、bとアクチュエータ140a、bは、挿入鞘110とローラー/アクチュエータのサブアッセンブリーがMIS手順に引き続いて切り離されることができ、各々が個別に殺菌されるかまたは廃棄されることができるように、挿入鞘110に解放可能に結合されるように構成されたサブアッセンブリー内に配置されても良い。
【0025】
アクチュエータ140a、bに加えて、挿入鞘110はまた、外科手術ツール120または挿入鞘110に振動触覚効果を印加するように構成された、振動触覚アクチュエータ140cからなる。示された実施形態では、アクチュエータ140cは圧電アクチュエータからなるが、その他の実施形態では、偏心回転質量、線形共鳴アクチュエータ、ボイスコイル、またはその他の好適なアクチュエータのような、その他のタイプのアクチュエータが採用されても良い。加えて、複数の振動触覚アクチュエータが、鞘中に組み込まれても良く、またはいくつかの実施形態では、振動触覚アクチュエータは全く採用されなくても良い。
【0026】
示された実施形態では、外科手術ツーツ120はカテーテルからなり、よって外科手術ツールと挿入鞘の両方であっても良い。外科手術ツール120は、挿入鞘110中に挿入され、患者の身体102中に挿入されるように構成されている。示された実施形態では、外科手術ツール120は、外科手術ツールの遠位端に結合された少なくとも1つのセンサー152からなる。センサー152は力センサーからなり、外科手術ツール120の遠位端と狭窄または内臓のような障害物間の接触力を感知するように構成されている。センサー152は、感知された力の大きさを指し示すセンサー信号を生成し、センサー信号をプロセッサ(図示せず)に伝送するように構成されており、それは挿入鞘に結合された1つ以上のアクチュエータ140a、bを作動させるためにセンサー信号を使っても良い。例えば、アクチュエータは、外科手術ツール120の遠位先端上の感知された力を増幅することのように、外科手術ツールの更なる挿入に抵抗するような力を生成しても良い。いくつかの実施形態では、プロセッサは、アクチュエータ140a、bが、外科手術ツール120の更なる挿入に完全に抵抗するかまたはそれを阻止すること、または外科手術ツール120を引き出すように外科手術ツールの運動を逆転することを引き起こすような信号を生成しても良い。そのような実施形態の1つは、外科医が不注意で患者内の内臓または血管に穴を開けることを防止し得るので、有利であり得る。
【0027】
いくつかの実施形態では、電圧センサー、温度センサー、流体フローセンサーまたは粘度センサーのような、その他のタイプのセンサー152が、外科手術ツール120の遠位先端に固定されても良い。いくつかの実施形態では、1つ以上のセンサーが、外科手術ツール120のその他の部分に固定されるかまたは外科手術ツール120中に挿入されても良い。例えば、センサー信号をプロセッサに提供するためのファイバー光学センサー、蛍光透視鏡またはビデオカメラのような、センサー(または複数のセンサー)が外科手術ツール120中に挿入されても良い。いくつかの実施形態では、外科手術ツール120内に挿入された更なる外科手術ツール130の位置、または外科手術ツール内の曲げの量を感知するためのように、1つ以上のセンサーが、外科手術ツール120内に配列されても良い。例えば、いくつかのMIS手順では、外科医は、患者の脳の中のような、脈管系の蛇行した部分を通して通り抜けても良く、手順の遂行中にどれほど外科手術ツールが曲がっているかの表示を必要とし得る。もし多過ぎる曲がりが感知されれば、プロセッサは、感知された曲げの量に基づいて触覚的効果を生成して、外科手術ツールかまたはハンドルに触覚的効果を出力しても良い。いくつかの実施形態では、システム100は、センサー信号を生成するために、センサー間の距離、センサー間の抵抗または電圧の変化、または2つのセンサー間のステータスのその他の差を検出するように構成された、非同一位置のセンサーからなっていても良い。そのような実施形態の1つでは、外科手術ツール120、130の遠位端は第1のセンサーからなっていても良く、挿入鞘110、120は第2のセンサーからなっていても良い。プロセッサは、2つのセンサーの間のセンサー読み出し値の差を検出して、差に基づいてアクチュエータ信号を生成しても良い。一実施形態では。センサーは、センサーの間の距離を検出し、1つ以上のセンサー信号を生成し、センサー信号をプロセッサに伝送するように構成されていても良い。
【0028】
外科手術ツール120はまた、外科手術ツール120に結合されたアクチュエータ142からなっていても良い。示された実施形態では、アクチュエータ142は、外科手術ツール120に解放可能に結合されているが、いくつかの実施形態では、アクチュエータ142は外科手術ツールに恒久的に結合されているかまたは外科手術ツール内に一体的に配置されていても良い。この実施形態では、アクチュエータ142は誘導性アクチュエータからなり、外科手術ツール120内に挿入されている外科手術ツール130のような外科手術ツールに触覚的効果を提供するように構成されている。上述した通り、外科手術ツール120はカテーテルからなり、よって1つ以上の外科手術ツールが外科手術ツール120内に挿入されることを許容するように構成されている。例えば、
図2aに示された実施形態では、外科手術ツール130はガイドワイヤからなり、カテーテル120内に挿入されるように構成されている。そのような実施形態では、アクチュエータ142は、カテーテル内のガイドワイヤ130の並進運動に抵抗するかまたはそれを支援するような電磁気力を生成するように構成されている。他の実施形態では、外科手術ツール130は、偏向可能なカテーテルまたは電気生理学的プローブのようなその他の好適な外科手術ツールからなっていても良い。上述した通り、誘導性アクチュエータは、外科手術ツール120内でガイドワイヤ130を動かすためにローラーまたはその他の物理的結合の摩擦または慣性を克服することを外科医に要求しないので、そのようなMIS手順において利点を提供し得る。ただし、いくつかの実施形態では、1つ以上のローラーのような、その他のタイプのアクチュエータが使われても良い。
【0029】
例えば、
図2bは、外科手術ツール120が、アクチュエータ143内に少なくとも部分的に配置された複数のローラー145a、bからなるアクチュエータ143に結合されている、触覚的フィードバックをもった最小侵襲性外科手術ツールのためのシステムを示す。各ローラー145a、bは、ローラー145a、bを回転させることまたはローラー145a、bの回転に抵抗することによって外科手術ツール130上に力を加えるように構成されているアクチュエータ146a、bと通信しており、それにより外科手術ツール120内の外科手術ツール130の並進運動を支援するかまたはそれに抵抗する。挿入鞘110に対して上述した通り、アクチュエータ146a、bは能動的または受動的アクチュエータからなっていても良く、あるいはいくつかの実施形態では、各々の1つかまたは複数の異なるタイプのアクチュエータからなっていても良い。誘導性アクチュエータ142の使用によって外科手術ツール130が悪影響を受け得るかまたは外科手術ツール130が誘導性アクチュエータ142によって生成された力に敏感ではない実施形態では、アクチュエータ143が望ましくても良い。更には、上述した通り、アクチュエータ142、143は、外科手術ツール120内での外科手術ツール130の挿入を支援するかまたは、もし外科手術ツール130が患者の臓器または血管に穴を開けるかもしれなければ動きに抵抗するかまたは動きを阻止するのに使われても良い。
【0030】
ここで
図2cを参照すると、
図2cは、本発明の一実施形態に従った、触覚的フィードバックをもった最小侵襲性外科手術ツールのためのシステムを示す。
図2cに示された実施形態は、
図2aおよび2bに示されたものと同様ではあるけれども、挿入鞘110が、アクチュエータ140a−cからなるがローラー112a、bを含んでいない。代りに、アクチュエータ140a−cは、挿入鞘110または外科手術ツール120に触覚的効果を出力するように構成されている。例えば、一実施形態では、アクチュエータ140a−cの1つ以上が、偏心回転質量のような振動触覚アクチュエータからなる。一実施形態では、アクチュエータ140a−cの1つ以上が、外科手術ツール120の動きに抵抗するように構成された抵抗性アクチュエータからなる。例えば、一実施形態では、アクチュエータ140a、bの各々が、外科手術ツール上に抵抗力を印加するように外科手術ツール120との接触に動かされるように構成されたブレーキ表面からなる。一実施形態では、アクチュエータ140a−cの1つ以上が、外科手術ツール上に力をかけるように構成された誘導性アクチュエータからなっていても良い。更なる実施形態では、アクチュエータ140a−cの1つ以上が、その挿入鞘または配送カテーテル内での外科手術ツールの動きに対する抵抗を作り出すために外科手術ツールの表面摩擦を変えるように構成されていても良い。よって、ここに示され説明されたいくつかの実施形態が外科手術ツール120に力を印加するために1つ以上のローラーを採用する一方で、その他の実施形態は、挿入鞘110上に振動触覚力を印加するかまたはその他のメカニズムを使って外科手術ツール120に力を印加するように構成されていても良い。
【0031】
図2aを再度参照すると、示された実施形態では、外科手術ツール130は、外科手術ツール120内に挿入されるように構成され、外科手術ツール130の遠位先端に結合された少なくとも1つのセンサー150からなる。外科手術ツール130の近位端は、外科医かまたはその他のユーザが外科手術ツール120内で外科手術ツール130を挿入するかまたは引込めることを許容するように構成されたハンドル132に結合されている。加えて、ハンドル132は、外科手術ツール130の遠位先端を操作するための1つ以上の操作子134からなる。例えば、操作子134は、外科手術ツール130の縦軸から離れるように外科手術ツール130の遠位先端を曲げるのに使われてもよく、それにより外科手術ツールを特定の方向に「操縦」する。加えて、ハンドル132は、ハンドル132のユーザに触覚的効果を出力するように構成された複数のアクチュエータからなる。
【0032】
示された実施形態では、ハンドル132は、外科手術ツール130に解放可能に結合されている。前述した通り、MIS外科手術ツールは典型的には、MIS手順で使われた後に殺菌されるかまたは廃棄されなければならない。よって、一実施形態では、ハンドル132は、MIS手順での使用の後に外科手術ツール130から切り離されて廃棄されるように構成されている。別の実施形態では、ハンドル132は、MIS手順に引き続いて殺菌されるように構成されている。更に、いくつかの実施形態では、ハンドル132は、外科手術ツール130に恒久的に結合されており、よって外科手術ツール130と共に廃棄されるかまたは外科手術ツール130と共に殺菌されても良い。
【0033】
アクチュエータ146は、振動的または振動触覚効果をハンドル132に出力するように構成された振動触覚アクチュエータからなる。例えば、示された実施形態では、アクチュエータ146は、回転モーターに結合された偏心回転質量(ERM)からなる。いくつかの実施形態では、圧電アクチュエータ、ボイスコイル、または線形共鳴アクチュエータ(LRAs)のような、その他のタイプのアクチュエータが採用されても良い。いくつかの実施形態では、複数の振動触覚アクチュエータがハンドル132内に配置されても良い一方で、その他の実施形態では、振動触覚アクチュエータが全く使われなくても良い。
【0034】
振動触覚アクチュエータ146が、MIS手順と関連付けられた情報を外科医またはハンドル132のユーザに提供するために採用されても良い。例えば、前述した描写的実施形態では、外科手術ツール130の遠位先端が、患者の心臓上の感知された電圧を指し示すセンサー信号をプロセッサに提供する電圧センサー150に結合されても良い。プロセッサはそれから、振動触覚アクチュエータ146が、感知された電圧に少なくとも一部は基づいてハンドル132に振動を出力することを引き起こすように、アクチュエータ信号を生成しても良い。一実施形態では、外科手術ツール130の遠位先端はまた、あるいは代りに、力情報からなるセンサー信号をプロセッサに提供する力センサー150がフィットされていても良く、それはセンサー150によって感知された力と大きさが比例する振動触覚的効果を生成するようにアクチュエータ信号を生成する。そのような実施形態は、アクチュエータ142または143のようなシステム100中のその他のアクチュエータによって提供された情報を超える追加の情報を外科医に提供しても良い。
【0035】
アクチュエータ142、143が外科手術ツールの動きに抵抗しても良い一方、アクチュエータ146によって提供された振動的効果は、その他のアクチュエータ142、143によって生成された抵抗との組み合わせで有用であり得る、障害物上にツールによって印加された力の大きさの表示を提供しても良い。もっと更なる情報がアクチュエータ146によって出力されても良い。例えば、外部センサーがセンサー信号をプロセッサに伝送しても良く、それは外科手術ツールからの力またはセンサー読み出し値と関連しない別の状態を外科医に知らせるために、それがハンドル132に振動的効果を出力することを引き起こすようにアクチュエータ146へのアクチュエータ信号を生成しても良い。例えば、外部センサーは、心臓モニター、血圧モニター、血液酸素モニター、または患者のステータスを監視しているその他のセンサーを含んでいても良い。
【0036】
振動触覚アクチュエータ146に加えて、またはその代りに、ハンドル132は、操作子134に運動感覚性力を出力するように構成されたアクチュエータ144からなっていても良い。示された実施形態では、アクチュエータは、操作子134の動きに抵抗するかまたはそれを支援するための力を出力するように構成されている。例えば、外科手術ツール130と通信しているプロセッサは、外科手術ツール130の遠位先端の更なる動きが、患者の血管または内臓に多過ぎる圧力を印加していることを検出し、アクチュエータ144が操作子134の動きに抵抗することを引き起こすようにアクチュエータ信号を生成しても良い。一実施形態では、外科手術ツール130は、患者内の障害物に近づくかまたは接触するにつれて外科手術ツールの遠位先端の迎え角を検出するセンサー150からなっていても良い。例えば、もし遠位先端の迎え角が浅すぎれば、外科手術ツール130の先端に結合された第2のセンサーは、患者内の状態を正確に感知することができないかも知れず、あるいは穿刺が作られなければならない(例えば、経中隔穿刺)手順では、もし迎え角が浅すぎれば、ツールは臓器に穴を開けて間違った方向に臓器から出るかもしれない。そのような実施形態では、アクチュエータ144は、操作子134の更なる動きを阻止するための力を出力しても良い。加えて、アクチュエータ142、143は、外科手術ツール130の更なる挿入を阻止するための力を出力しても良い。いくつかの実施形態では、アクチュエータ144は、抵抗性力ではなく、迎え角が浅すぎることまたは外科手術ツール130の遠位先端によって危険な量の圧力がかけられていることを指し示すためのような、振動的効果を出力するように構成されていても良い。
【0037】
ここで
図3を参照すると、
図3は、本発明の一実施形態に従った、触覚的フィードバックをもった最小侵襲性外科手術ツールのためのシステム200を示す。
図3に示されたシステム200は、パワーサプライ210と治療的外科手術ツール130aのためのトリガー212に結合された、
図2aに示された実施形態からなる。
図3に示された実施形態では、外科手術ツール130aは、センサー150に加えて外科手術ツール130aの遠位先端に結合された切除ツール150aからなる。切除ツール150aは、パワーサプライ210からパワー信号を受け取り、切除ツール150aによって接触された組織を切除するように構成されている。
【0038】
パワーサプライ210は、トリガー212とアクチュエータ240からなり、電流または電圧のようなパワー信号を外科手術ツール130aと切除ツール150aに供給するように構成されている。トリガー212は、切除ツール150aにパワーを印加するために、外科医のような操作者によって使用され、感圧スイッチ、スライダーコントロール、ノブ、オン/オフスイッチ、またはその他のトリガーメカニズムからなっていても良い。一実施形態では、より多くの圧力がトリガー212に印加されるにつれて、より多くのパワーが切除ツール150aに伝送されても良い。アクチュエータ240は、多過ぎるパワーが印加されているかどうか、または多過ぎる組織が切除されているかも知れないかどうかを指し示すように、操作者にフィードバックを提供するためにトリガー212に力を出力するように構成されている。例えば、一実施形態では、アクチュエータ240は、トリガー212の押下げに抵抗するための力を出力するように構成された電磁気アクチュエータからなる。組織が切除されるにつれて、プロセッサ(図示せず)は、センサーまたは患者の予め規定された特性を使ってなされた計算に基づいて、切除された組織の量を決定しても良い。プロセッサはそれから、アクチュエータ信号を生成して、電磁気アクチュエータがトリガー212の押下げに抵抗することを引き起こすためにアクチュエータ信号を伝送しても良く、また切除ツール150aへのパワーのフローを削減するかまたは停止するようにトリガーが開かれることを引き起こしても良い。更には、第2のアクチュエータ(図示せず)が、第1のアクチュエータ240によって生成された抵抗に加えて、操作者への警告を指し示すためにトリガー212に振動接触効果を出力するように、トリガー212と通信していても良い。そのような表示は、単なるべとついたパワートリガーではなく、エラー状態の外科医への確認を提供し得るので有利であり得る。更なる実施形態では、アクチュエータ146は、組織が切除されるにつれて振動的効果を出力するように作動されても良い。もっと更なる実施形態では、アクチュエータ144は、患者内の追加の組織に向けた外科手術ツール130aの遠位先端の更なる動きに抵抗するためのアクチュエータであっても良く、それにより操作者への触覚的入力の複数のチャネル、トリガー212への抵抗、トリガー212上の振動的効果、ハンドル132上の振動的効果、および外科手術ツール130aの遠位先端の動きに対する抵抗、を提供する。そのような変化に富んだ触覚効果は、外科医へのより意味のあるフィードバックを提供し、患者への不注意な傷害を防止するのを助けても良い。
【0039】
ここで
図4aを参照すると、
図4aは、本発明の実施形態に従った、触覚的フィードバックをもった最小侵襲性外科手術ツールのためのシステム300を示す。
図4aに示された実施形態では、システム300は、プロセッサ352とメモリ354からなるコンピューター350と通信している
図3に示されたシステム200からなる。システム300は更に、コンピューター350と通信している外部センサー360からなる。コンピューター350は、システム200内に位置する様々なセンサー150、152からセンサー信号を受け取り、システム200中のアクチュエータ(例えば、140a−c、142、144、146、240)の1つ以上に伝送されるべきアクチュエータ信号を生成するように構成されている。加えて、コンピューター350は、外科医またはシステム300のその他の操作者に情報を提供するためにディスプレイ信号を生成してディスプレイ356に伝送するように構成されている。
【0040】
図4aに示された実施形態が
図3に示されたシステム200からなる一方で、本発明のいくつかの実施形態に従ったその他のシステムは、
図1−3のいずれかに示されたもののようなコンピューター350に結合されていても良いことに注意されたい。
図4bは、そのような代替的実施形態の1つを示し、そこではシステム400は、
図1に示されたように配置されたコンポーネンツを有するシステムと共に、
図3に示されたようにトリガー212とアクチュエータ240をもったパワーサプライ210からなる。
【0041】
プロセッサ352は、センサー情報を受け取り、行われているMIS手順と関連付けられている触覚的効果を生成するためにコンピューター読み取り可能な媒体に格納されたプログラムコードを実行するように構成されている。プロセッサとコンピューター読み取り可能な媒体の様々なタイプの実施形態が以下に開示される。ここで
図5に示された方法500を参照すると、それは一実施形態では、
図4a−bに示されたメモリ354に格納されてプロセッサ352によって実行されたプログラミングコードによって実装される。
【0042】
図5に示された実施形態では、方法500はブロック510から始まり、そこではプロセッサ352がセンサー150のようなセンサーからセンサー信号を受け取る。示された実施形態では、センサー150は、それが障害物と接触する時の外科手術ツール130aの遠位先端の迎え角を検出するように構成されたセンサーからなる。センサー信号は、感知された迎え角と関連付けられた情報からなる。一実施形態では、プロセッサ352は、1つ以上のセンサーから複数のセンサー信号を受け取っても良い。例えば、外科手術ツール130aは、プロセッサ352がセンサーの各々からセンサー信号を受け取るかまたはセンサーの1つ以上から複数のセンサー信号を受け取るように、迎え角センサーと力センサーのような複数のセンサーからなっていても良い。
【0043】
システム200内のその他のセンサーもまた、プロセッサにセンサー信号を伝送しても良い。例えば、カテーテルの遠位端上のセンサー152が、プロセッサによって受け取られるセンサー信号を伝送しても良い。加えて、前述した通り、ローラー112a、bが、ローラー112a、bの回転または位置を感知する回転エンコーダーに結合されていても良く、あるいはそれらからなっていても良く、ローラー112a、bの位置または動きを指し示すセンサー信号をプロセッサに伝送しても良い。プロセッサ352はそれから、そのようなセンサー信号を受け取る。追加的に、
図4aに示されるように、コンピューター350は、示された実施形態では心拍数モニターからなる、外部センサー360から信号を受け取るように構成されている。センサー信号を受け取った後、方法500はブロック520に進む。
【0044】
ブロック520では、プロセッサ352は、受け取ったセンサー信号と関連付けられたステータス状態を決定する。例えば、もしプロセッサ352が力センサーからのセンサー信号を受け取れば、プロセッサ352は、センサー信号と関連付けられた力を決定し、力を閾値と比較しても良い。例えば、プロセッサ352は、力が第1の予め決められた閾値を超えており、よって患者内の組織に穴を開けることのマイナーな危険が存在することを決定しても良い。もしくはプロセッサ352は、力がより高い閾値を超えており、よって患者内の組織に穴を開けることの深刻なまたは致命的な危険が存在することを決定しても良い。切除手順を行うための一実施形態では、切除ツール150aと患者の組織の間に比較的安定した圧力を維持することが望ましくても良い。そのような実施形態では、プロセッサ352は、もし感知された圧力がより低い閾値よりも下に落ちれば切除ツール150aと組織の間の力を増加するための支援的力を印加し、もし圧力が感知された力のより高い閾値を超えれば抵抗性力を印加するかまたは外科手術ツール130aを引き出しても良い。
【0045】
別の実施形態では、プロセッサ352は、内臓の表面上の電圧を指し示すセンサー信号を受け取っても良い。プロセッサはそれから、電圧を1つ以上の電圧閾値と比較しても良い。代替的に、プロセッサ352は、後の使用のために単に電圧を格納しても良い。患者内に存在する状態と関連付けられた流体フロー、粘度、圧力または温度のような、もっと他のタイプのセンサーが、プロセッサ352によって受け取られるべきセンサー信号の異なるタイプに結果としてなっても良い。位置センサーあるいは挿入鞘または外科手術ツール(例えば、カテーテル)内に位置するその他のセンサーのような、その他のセンサーもまたプロセッサ352によって受け取られるセンサー信号を伝送しても良い。
【0046】
例えば、一実施形態では、カテーテル120は、いつ外科手術ツール130aがカテーテル120の遠位端に達したかを検出するように構成されたセンサー152からなっていても良い。そのような実施形態では、プロセッサ352は、外科手術ツール130aがセンサー152に達した時にセンサー152からセンサー信号を受け取っても良く、プロセッサ352は、外科手術ツール130aがカテーテル中に完全に挿入されたことを決定する。代替的に、プロセッサ352は、外科手術ツール130aがカテーテルの遠位端に達していないことを指し示すセンサー150からのセンサー信号を受け取っても良い。そのような実施形態では、プロセッサ352は、外科手術ツール130aをカテーテル120中に自動的に挿入するために、アクチュエータ143のようなアクチュエータを制御していても良い。よって、プロセッサ352は、外科手術ツールがカテーテルの遠位端にまだ達していないことを決定する。センサー信号と関連付けられたステータス状態を決定した後、方法はブロック530に進む。
【0047】
ブロック530では、プロセッサ352は、センサー信号またはステータス状態に少なくとも一部は基づいて、アクチュエータ信号を生成する。例えば、上述した通り、プロセッサ352は、外科手術ツール130aと障害物の間の感知された力と関連付けられたステータス状態を決定する。そのような実施形態では、プロセッサ352は、増加された正確さを許容するように外科手術ツール130によって印加されている実際の力の増幅を提供するためにローラー112a、bのロール抵抗が変動され得るように、外科手術ツールの動きに対する抵抗を増加するように構成されたアクチュエータ信号を生成する。例えば、プロセッサ352は、外科手術ツール130aの外科手術ツール120中への更なる動きに対抗する力を生成するように、アクチュエータ142または143に伝送されるべきアクチュエータ信号を生成しても良い。関連する実施形態では、もしプロセッサ352が、圧力の危険な量が印加されていることを決定したならば、プロセッサ352は、外科手術ツール130aの外科手術ツール120中への更なる動きを阻止するか、または外科手術ツール130aの動きを反転して、感知された力が閾値より下に落ちるまで外科手術ツール130aを引き出す、ように構成されたアクチュエータ信号を生成しても良い。そのような実施形態は、患者への不注意な傷害を防止し得るので有利であり得る。
【0048】
関連する実施形態では、プロセッサ352は、操作子134またはパワーサプライ210と関連付けられたステータスを指し示すセンサー信号を受け取っても良い。例えば、一実施形態では、外科手術ツールは、外科手術ツールを制御するように構成された操作子からなっていても良い。そのような実施形態では、外科手術ツール130またはシステム200のその他の部分は、力センサー、迎え角センサー等のような、外科手術ツールの操作と関連付けられたセンサー信号を提供するセンサーからなっていても良い。プロセッサ352は、そのようなセンサー信号を受け取り、操作子の動きを支援するかまたはそれに抵抗するため、または操作子134に振動触覚効果を提供するためのように、アクチュエータ144のようなアクチュエータが操作子に触覚的効果を印加することを引き起こすように構成されたアクチュエータ信号を生成しても良い。
【0049】
例えば、上述した通り、切除プロセス中に、一旦外科手術ツール130aの遠位先端がしかるべき場所になると、作動されたローラー112a、bが組織上の要求された力が維持されることを確かなものとするようにアクチュエータ信号を生成するのに使われることができる。アクチュエータ信号は、外科医によって印加された圧力に加えて圧力を印加することによってか、あるいは更なる圧力に抵抗するかまたは外科手術ツール130aを引込めることによってのように、予め決められた範囲内の組織との接触に外科手術ツール130aの遠位先端を強制するように構成されることができる。同様の制御方法はまた、経中隔穿刺において利用されることもできる。一旦外科手術ツール130aが穿刺を行うためにしかるべき場所になると、作動されたローラー112a、bが穿刺を引き起こすために制御されたレベルの圧力を使って非常に制御された穿刺を行うのに使われることができる。
【0050】
一実施形態では、プロセッサ352は、非触覚的に感知された状態に基づいてアクチュエータ信号を生成しても良い。例えば、センサーは、電圧等のような力ではない状態を感知するように構成されていても良い。そのような実施形態では、プロセッサ352は、そのような感知された状態に基づいて触覚的効果を生成しても良い。一実施形態では、外科医が、患者の心臓上で起こっている電圧を測定するためにMIS手順を行う。そのような実施形態では、プロセッサ352は、感知された電圧の大きさ、感知された電圧の変動、または電圧が閾値よりも上であるか下であるかに少なくとも一部は基づいて、アクチュエータ信号を生成しても良い。そのような実施形態の1つでは、プロセッサは、アクチュエータが振動触覚効果を出力することを引き起こすようなアクチュエータ信号を生成しても良い。例えば、プロセッサ352は、振動的効果の周波数または大きさが電圧の大きさに比例するように、感知された電圧に少なくとも一部は基づいて、アクチュエータ146が振動触覚効果を出力することを引き起こすようなアクチュエータ信号を生成しても良い。よって、比較的高い電圧については、プロセッサ352は、比較的高い周波数を有するアクチュエータ信号を生成しても良い。逆に、比較的低い電圧については、プロセッサ352は、比較的低い周波数を有するアクチュエータ信号を生成しても良い。
【0051】
更なる実施形態では、プロセッサ352は、外部センサー360から決定されたセンサー情報またはステータス状態に基づいて、アクチュエータ信号を生成しても良い。例えば、プロセッサ352は、外部センサー360から測定された心拍数または血圧を受け取り、心拍数が閾値より下に落ちたことを決定しても良い。一実施形態では、プロセッサ352は、アクチュエータ146が外科手術ツール130のハンドル132に振動触覚効果を出力することを引き起こすように構成されたアクチュエータ信号を生成し、そこでは振動触覚効果は、外部センサーと関連付けられた警告状態を指し示すように構成されている。例えば、アクチュエータ信号は、アクチュエータ、例えばアクチュエータ146が、患者の心拍数または血圧と関連付けられた警告状態を指し示すために鼓動をシミュレートするように一連のパルス状振動を出力することを引き起こすように構成されていても良い。そのような実施形態では、振動の大きさは、感知された状態が閾値を超える量に比例していても良い。アクチュエータ信号を生成した後、方法500はブロック540に進む。
【0052】
ブロック540では、プロセッサ352は、生成されたアクチュエータ信号をアクチュエータに伝送する。例えば、もしプロセッサ352が外科手術ツールのハンドル132への振動触覚効果を引き起こすようなアクチュエータ信号を生成していれば、プロセッサ352は、アクチュエータ信号をアクチュエータ146に伝送する。いくつかの実施形態では、プロセッサ352は、アクチュエータ信号を複数のアクチュエータに伝送しても良く、またはアクチュエータ信号を伝送する前にアクチュエータ信号を調節しても良い。例えば、一実施形態では、プロセッサ352は、外科手術ツール120の挿入鞘110中への更なる挿入に抵抗するためにアクチュエータ140a、bがローラー112a、bを回転させることを引き起こすように構成されたアクチュエータ信号を生成する。しかしながら、ローラーは外科手術ツール120の反対側上に位置しているので、それらは抵抗性力を生成するために反対方向に回転しなければならない。よって、プロセッサ352は、外科手術ツール120の動きに抵抗するのに好適な1つのアクチュエータ信号を生成し、アクチュエータ信号をアクチュエータ140aに伝送するが、それをアクチュエータ140bに伝送する前にアクチュエータ信号を反転しても良い。
【0053】
更なる実施形態では、外科医が切除手順を行っていても良い。手順中に、プロセッサ352は、多過ぎる組織が切除されていることを決定しても良く、パワーサプライ210上のトリガー212の動きに抵抗すると共に切除を行っている外科手術ツール130aの動きを制御する操作子134の動きに抵抗する両方のためのアクチュエータ信号を生成しても良い。そのような効果は、更なるパワーが印加されるべきではないこととツールの遠位先端が切除されている組織に向けて更に動かされるべきではないことの表示を提供しても良い。プロセッサ352は、両方のアクチュエータのために好適な1つのアクチュエータ信号を生成し、アクチュエータ144、240の各々にアクチュエータ信号を伝送する前に、大きさを変更することのような後処理を行っても良い。アクチュエータ信号をアクチュエータに伝送した後、方法500は、別のセンサー信号を受け取るためにステップ510に戻るか、またはMIS手順と関連付けられた別のステータス状態を決定するためにステップ520に戻る。
【0054】
図5に示された方法500は、本発明のいくつかの開示された実施形態に従った1つの方法を描写するものであり、開示の範囲を制限することは意図されていない。更には、方法500のステップは特定の順序で説明されたが、ステップがそのような順序で行われることまたは
図5に示されたステップの全てが行われることの要求はない。例えば、ブロック530は、時間の経過またはその他の独立したイベントを指し示すアクチュエータ信号のためのように、センサー信号が受け取られたかどうかとは独立に行われても良い。更には、ステータス状態は、アクチュエータ信号を生成することの前に決定される必要はないか、または全く決定される必要がなくても良い。
【0055】
ここでの方法とシステムは、様々なマシーン上で実行されているソフトウェアとして記載されているが、方法とシステムはまた、様々な方法を実行することに特定のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)のような、特定に構成されたハードウェアとして実装されても良い。例えば、
図1および2を再度参照すると、実施形態は、デジタル電子回路で、またはコンピューターハードウェア、ファームウェア、ソフトウェアで、またはそれらの組み合わせで、実装されることができる。一実施形態では、コンピューターは、1つのプロセッサまたは複数のプロセッサからなっていても良い。プロセッサは、プロセッサに結合されたランダムアクセスメモリ(RAM)のような、コンピューター読み取り可能な媒体からなる。プロセッサは、画像を編集するための1つ以上のコンピュータープログラムを実行することのように、メモリ中に格納されたコンピューター実行可能なプログラム命令を実行する。そのようなプロセッサは、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP),アプリケーション特定集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGAs)およびステートマシーンからなっていても良い。そのようなプロセッサは、PLCsのようなプログラム可能な電子デバイス、プログラム可能な割り込みコントローラ(PICs)、プログラム可能な論理デバイス(PLDs)、プログラム可能なリードオンリーメモリ(PROMs)、電子的にプログラム可能なリードオンリーメモリ(EPROMsまたはEEPROMs)、またはその他の同様なデバイスから更になっていても良い。
【0056】
そのようなプロセッサは、プロセッサによって実行された時に、ここにプロセッサによって行われるかまたは支援されるように記載されたステップをプロセッサが行うことを引き起こすことができる命令を格納し得る媒体、例えばコンピューター読み取り可能な媒体、からなっていても良く、またはそれと通信していても良い。コンピューター読み取り可能な媒体の実施形態は、ウェブサーバー中のプロセッサのようなプロセッサにコンピューター読み出し可能な命令を提供することが可能な電子的、光学的、磁気的またはその他の格納デバイスからなっていても良いが、それらに限定はされない。媒体のその他の例は、フロッピー(登録商標)ディスク、CD−ROM、磁気ディスク、メモリチップ、ROM、RAM、ASIC、構成されたプロセッサ、全光学的媒体、全磁気的テープまたはその他の磁気的媒体、またはそれからコンピュータープロセッサが読み出すことができるあらゆるその他の媒体からなるが、それらに限定はされない。記載されたプロセッサと処理は、1つ以上の構造にあっても良く、1つ以上の構造を通して分散されていても良い。プロセッサは、ここに記載された方法(または方法の部分)の1つ以上を行うためのコードからなっていても良い。
【0057】
発明のいくつかの実施形態の前述した記載は、描写と記載の目的のためだけに提示されており、網羅的であることまたは開示されたそのままの形に発明を限定することは意図されていない。発明の精神と範囲から逸脱することなく、その数々の変形および適応が当業者には明らかであろう。
【0058】
ここでの「一実施形態」または「実施形態」の言及は、実施形態との関係で記載された特定の特徴、構造、動作、またはその他の特性が、発明の少なくとも1つの実装に含まれていても良いことを意味する。発明は、記載された特定の実施形態そのものに制約はされない。明細書中の様々な場所における「一実施形態では」または「実施形態では」という言回しの出現は、同じ実施形態を必ずしも参照しない。「一実施形態」との関係でこの明細書に記載されたあらゆる特定の特徴、構造、動作またはその他の特性は、あらゆるその他の実施形態に対して記載されたその他の特徴、構造、動作、またはその他の特性と組み合わされても良い。