(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1通気導管と前記第2通気導管は、離隔距離によって相互に離れて配置され、前記離隔距離は、前記第1通気導管と前記第2通気導管の円筒軸に対して、軸上の離隔と左右の離隔とを有することを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に詳細に説明されるように、本発明に係る細管動作による通気システムは、液体が漏出するのを抑制する一方で、容器内を通気することによって提供される。特に、細管動作による通気システムの実施形態は、バッファー室と1又は複数の細管を含む。例えば、通気システムは、バッファー室と互いに離隔する2本の細管を含む。2本の細管の離隔は、空気の中間通気経路を提供し、一方で片方の細管から漏出される液体容量を包含する容積を提供する。各々の細管は、容器外に液体が流出するのを防ぎ、容器内に液体が十分に保持されるように構成される。例えば、各々の細管の開口端部は、メニスカス形状即ち表面張力によって液体の流出を防ぐ。いくつかの実施形態においては、開口端部は、表面張力によって更に液体流出を防ぐように、表面に近接して配置されても良い。更に、例えば、各々の細管の内壁は、表面張力によって液体の流出を防ぐ様にしても良い。各々の細管は、円筒形あるいは円錐形のような、中空環状構造を有しても良い。円錐形の細管は、先端の開口端部の縮径に起因して、更なる抵抗を備える。
【0010】
図面の説明に戻る。
図1は、本発明に係るスプレー塗装システム10の一例を示すブロック図である。スプレー塗装システム10は、標的物14に所望の塗装液体を塗装するための、重力式容器構体を有するスプレー塗装ガン12を備える。スプレー塗装ガン12は、本発明に係る重力式容器構体を有する液体供給部16と、空気供給部18と、制御装置20と言った、様々な供給及び制御システムに接続されている。制御装置20は、液体供給部16及び空気供給部18を制御し、標的物14に対してスプレー塗装可能な塗装液体をスプレー塗装ガン12に用意する。制御装置20は、例えば、自動調整装置22と、位置調整装置24と、液体供給制御部26と、空気供給制御部28と、コンピュータ30と、ユーザインターフェイス32とによって構成される。制御装置20は、位置調整装置34に接続されても良い。位置調整装置34は、スプレー塗装ガン12に対する標的物14の位置を移動させる。また、スプレー塗装システム10は、塗装液体の混合、液体及び空気の流速、スプレーパターンを、コンピュータ制御によって実行しても良い。
【0011】
図1に示すスプレー塗装システム10は、多様な用途、液体、標的物、スプレー塗装ガン12のタイプ/形態に適用可能である。例えば、ユーザは、塗装タイプ、色、性能及び、木や金属などの種々の材料特性が異なる、複数の異なる塗装液体42から所望の液体40を選択しても良い。また、ユーザは、材料及び製品形式が異なる様な、種々の異なる対象物38から所望の対象物36を選択しても良い。スプレー塗装ガン12は、ユーザによって選択された標的物14と液体供給部16とに適用する種々の異なる構成部品と、スプレー形成機構によって構成されても良い。例えば、スプレー塗装ガン12は、空気噴射装置、旋回式噴射装置、静電式噴射装置、他にも適用可能な様々なスプレー形成機構から構成されても良い。
【0012】
図2は、標的物14に所望のスプレー塗装液体を塗装するためのスプレー塗装工程50の好適な例を示すフローチャートである。図に示されるように、工程50は、所望の液体を塗装する標的物14の特定に進む(ブロック52)。次に工程50は、標的物14のスプレー表面に適応する所望の液体40の選択に進む(ブロック54)。次にユーザは、特定された標的物14と選択され液体40に対して、スプレー塗装ガン12を構成する(ブロック56)。ユーザがスプレー塗装ガン12を用いると、工程50は次に選択された液体40の噴霧状のスプレーの生成に進む(ブロック58)。ユーザは、標的物14の所望の表面上に噴霧状のスプレーを塗装する(ブロック60)。工程50は次に所望の表面上に塗装された塗装部の硬化/乾燥に進む(ブロック62)。選択された液体40の追加塗装がユーザによって要求されると(ブロック64のYES)、工程50は、選択された液体40において他の塗装を実行するために、ブロック58、60、62に戻る。ユーザが選択された液体40の追加塗装を要求しない場合には(ブロック64のNO)、工程50は新規の液体の塗装がユーザによって要求されるかどうかを決定するブロック66に進む。ユーザが新規の液体の塗装を要求する場合(ブロック66のYES)、工程50はスプレー塗装に用いる新たに選択された液体を使用してブロック54、56、58、60、62、64に戻る。ユーザが新規の液体による塗装を要求しない場合(ブロック66のNO)、工程50はブロック68にて終了する。
【0013】
図3は、液体供給部16に接合される本実施形態に係るスプレー塗装ガン12を示す断面図である。図示されるように、スプレー塗装ガン12は本体82に接合されるスプレー端部構体80を含む。スプレー端部構体80は液体放出端部構体84を含み、液体放出端部構体84は本体82の受け口86に取り外し可能に差し込まれていても良い。例えば、スプレー塗装装置の種々の異なる形態は、液体放出端部構体84を装着して使用するように構成されても良い。スプレー端部構体80は、液体放出端部構体84に接合されるスプレー形成構体88を含む。スプレー形成構体88は、空気式、旋回式、静電式噴射機構などの種々のスプレー形成機構を含む。但し、図示されるスプレー形成構体88は空気噴霧カップ90を構成する。空気噴霧カップ90は保持ナット92を介して本体82に取り外し可能に固定される。空気噴霧カップ90は、液体放出端部構体84から液体端部出口96に対して配置される中央噴霧オリフィス94のように、種々の空気噴霧オリフィスを含む。空気噴霧カップ90は、スプレー成形オリフィス98のように1又は複数のスプレー成形空気オリフィスを含んでも良く、スプレー成形オリフィス98はスプレーを所望のスプレーパターン(例えば、均一パターン)に形成させるための空気ジェットを用いる。スプレー形成構体88は、所望のスプレーパターンと液滴散布を提供するための種々の他の噴霧機構を含んでも良い。
【0014】
スプレー塗装ガン12を有する本体82は、スプレー端部構体80に対して種々の制御及び供給機構を含む。図示されるように、本体82は、液体注入口104から液体放出端部構体84まで伸びる液体導管102を有する液体放出構体100を含む。液体放出構体100は、液体導管102を通過する液体の流れ及び液体放出端部構体84に到達する液体の流れを制御するための液体弁構体106もまた含む。図示される液体弁構体106は、液体放出端部構体84と液体弁調整部110の間で本体82を通って可動式に伸びるニードル弁108を含む。液体弁調整部110は、ニードル弁108の後部114と液体弁調整部110の内部116との間に配置されるバネ112に対して、回転可能に調整できる。引き金118が車軸関節120に対して反時計回りに回転される時に、ニードル弁108が液体放出端部構体84から離れて内部へ移動されるように、ニードル弁108は引き金118に接合される。但し、適合可能で、内部あるいは外部に開放可能な弁であれば、現在の技術の範囲内で使用されても良い。液体弁構体106は、ニードル弁108と本体82の間に配置されるパッキン構体122のように、種々のパッキン及びシール構体を含んでも良い。
【0015】
空気供給構体124はスプレー形成構体88において噴霧を成形するために本体82に配置される。図示される空気供給構体124は、空気流入接合部126から空気導管128及び138を介して空気噴霧カップ90まで伸びる。空気供給構体124は、種々のシール構体、空気弁構体、空気圧及びスプレー塗装ガン12を通る空気の流れを維持及び調整する空気弁調整部を含む。例えば、図示される空気供給構体124は、引き金118に接合される空気弁構体132を含み、車軸関節120に対する引き金118の回転によって、空気導管128から空気導管130まで空気が流れるのを許すように空気弁構体132を開放する。空気供給構体124は空気噴霧カップ90への空気の流れを調整する空気弁調整部134を含む。図示されるように、引き金118は液体弁構体106と空気弁構体132の両方に接合され、引き金118が本体82の持ち手136方向に引かれると、スプレー端部構体80に対して液体と空気が同時に流れる。一旦稼働されると、スプレー塗装ガン12は、所望のスプレーパターンと液滴散布を有する噴霧状のスプレーを生成する。
【0016】
図3に図示される実施形態において、空気供給部18は、空気導管138を介して空気流入接合部126に接合される。空気供給部18の実施形態は、エアコンプレッサ、圧縮空気タンク、圧縮ガスタンク、またはそれらの組合せを含んでも良い。図示される実施形態において、液体供給部16はスプレー塗装ガン12に直接的に装着される。図示される液体供給部16は容器構体140を含み、容器構体140は容器142及びカバー構体144を含む。いくつかの実施形態において、容器142は、ポリプロピレンのような、適合性のある素材で作られた柔軟性のあるカップでも良い。更に、容器142はユーザが使用後に容器142を廃棄できるような使い捨てであっても良い。
【0017】
カバー構体144は、液体流路146と通気システム148を含む。通気システム148は、外側カバー152と内側カバー154の間に配置されるバッファー室150を含む。液体流路146は内側カバー154と外側カバー152とに接合され、液体流路146はバッファー室150と連携して液体を開放すること無くバッファー室150の中を伸びる。通気システム148は、外側カバー152に接合されバッファー室150内で終結する第1通気導管156と、内側カバー154に接合され、バッファー室150の外側で且つ容器142内で終結する第2通気導管158も含む。即ち、第1及び第2通気導管158は、バッファー室150を介して互いに連携して開放する。
【0018】
ある実施形態において、全てあるいはいくつかの容器構体140の構成部品は、透明又は半透明プラスチック、繊維状又はセルロース系材料、非金属材料、あるいはそれらの組合せのように、使い捨て且つ/又は再利用部材でできている。例えば、容器構体140は、完全に又は実質的に(例えば、75、80、85、90、95、99パーセント以上)使い捨て且つ/又は再利用部材からできていても良い。プラスチック容器構体140の実施形態においては、ポリマー(例えば、ポリエチレン)から本質的又は完全に成る材料組成を含む。繊維状容器構体140の実施形態においては、天然繊維(例えば、野菜繊維、木繊維、動物繊維、鉱物繊維)又は、合成/人工繊維(例えば、セルロース、鉱物、あるいはポリマー)から本質的又は完全に成る材料組成を含む。セルロース繊維の例としては、モダールまたは竹を含む。ポリマー繊維の例としては、ナイロン、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、アラミド、ポリエチレン、エラストマー、ポリウレタンを含む。ある実施形態においては、カバー構体144は1回使い切り仕様で設計され、一方で容器142は、用途間で異なるカバー構体144を用いて液体(例えば、塗料混合物)を保持するように使用されても良い。別の実施形態においては、容器142とカバー構体144は両方とも使い捨て、又は廃棄される前に1回あるいは複数回使用するように設計されてもよい。
【0019】
更に
図3に示されるように、容器構体140は、重力式構成においてスプレー塗装ガン12の上に接合される。セットアップでは、容器構体140には、スプレー塗装ガン12から外してカバーを上向きにして塗装液体(例えば、ペンキ)が満たされても良い。続いて、容器構体140は、スプレー塗装ガン12に接続するためにカバーを下向きにひっくり返される。容器142はひっくり返される時、塗装液体の一部は漏出、又は通気導管158を通ってバッファー室150に流れ込み、結果として、容器142の中にある第1液体容量160と、バッファー室150の中にある第2液体容量162とになる。但し、少なくとも液体の一部は、容器142内の引圧、通気導管158内の表面張力、通気導管158の末端の開口部の表面張力によって通気導管158に留まる。容器142は上向き位置と下向き位置の間で回されるので、バッファー室150は、容器142から漏出された液体容量162を保持するように構成される。スプレー塗装ガン12が使用される間、塗装液体は容器142からスプレー塗装ガン12まで流体の流向164に沿って流れる。同時に、空気が通気システム148を通って、空気の流向166に沿って容器142に入る。即ち、空気は、第1通気導管156の中に入って、バッファー室150を通って、第2通気導管158を通って、容器142の中に入る。後述するように、バッファー室150と通気導管156と158の配列は、容器構体140とスプレー塗装ガン12における全ての配列において空気の流向166(例えば、通気経路)を維持し、通気導管156と158の開口部から離れて漏れ出た塗装液体(例えば、第2液体容量162)を保持している。例えば、通気システム148は、容器構体140が水平面、垂直面、或いは他のどの面において凡そ0度から360度に回転させても、空気の流向166を維持し、バッファー室150内の液体容量162を保持する。
【0020】
図4は、
図3の本実施形態に係る重力式容器構体140の断面図の一部分を示し、カバー構体144に接続されるスプレーガン接続構体170を示す。図示される実施形態において、スプレーガン接続構体170は、先細りした接触面181と、通気アライメントガイド182、及び正のロック機能183を介してカバー構体144に接合されたスプレーガン接続部180を含む。例えば、先細りした接触面181は、液体流路146の先細りした外側表面172(例えば、円錐形の外面)と、接続部180の先細りした内側表面174(例えば、円錐形の内面)によって定義される。更に例えば、通気アライメントガイド182は、接続部180上に配置される第1アライメント機構176と、外側カバー152上に配置される第2アライメント機構178とによって定義される。更に例えば、正のロック機能183は、液体流路146の先細りした外側表面172上に配置される正のロック機能(例えば、尖鋭な突起)と、接続部180の先細りした内側表面174に配置される接合ロック機構(例えば、尖鋭な凹み)を含んでも良い。
【0021】
図示される実施形態においては、液体流路146は、液体導管184と液体流路146から外側に尖鋭に伸びる1又は複数の口188を含む末端部186とを含む。即ち、口188は先細りした外側表面172から外側に尖鋭に突出する。接続部180は、
図4に示されるように、液体流路146を受けるように構成される内側導管190を含む。図示されるように、導管190は、先細りした内側表面174を有し、先細りした内側表面174は楔上の摺合せ又は/且つ液体流路146の先細りした外側表面172に取り付けられる機構を構成する。接続部180は、内側導管190に沿って行程194上に配置される溝192も含む。いくつかの実施形態においては、口188は接続部180に対する液体流路146の軸上の動きを制止する溝192内に配置されてもよい。
【0022】
通気アライメントガイド182は、スプレー塗装ガン12に対して、第1通気導管156、第2通気導管158、又はそれの組み合わせの位置を調整するように構成される。そのため、ある実施形態においては、通気アライメントガイド182は、接続部180と外側カバー152の間で互いに位置調整するように構成される第1アライメントガイド176と、第2アライメントガイド178とを含んでも良い。図示される実施形態においては、第1アライメントガイド176は、内側の保持フィンガ197とアライメントタブ198とを有するリング196を含む。例えば、リング196は接続部180の外に挿入されるように僅かに曲げることによって、内側の保持フィンガ197は、接続部180に対して圧縮されてリング196に接合し、それによって、アダプタに180に放射状の内部への保持力(例えば、バネ力)が供給される。更に図示されるように、第2アライメントガイド178は外側カバー152に配置されるアライメント凹部200を含む。いくつかの実施形態においては、アライメントタブ198は、
図4に示されるように接続部180が液体流路146に接合されると、アライメント凹部200内に適合するように構成される。即ち、本実施形態において、通気アライメントガイド182とは、アライメントタブ198を有するリング196、アライメント凹部200、またはそれらの組合せであっても良い。通気アライメントガイド182は本実施形態における特有の効果を提供する。例えば、通気アライメントガイド182は、容器142がスプレー塗装ガン12に接合される時(
図3に示す)、第2通気導管158を容器142の中で最も高い位置になるようにする。この特徴は使用時にバッファー室150内に配置される液体容量162を最小にするような効果を有する。
【0023】
使用時に、接続部180は液体流路146をスプレー塗装ガン12に接合させ、通気アライメントガイド182は重力式スプレー塗装ガン12を有する重力式容器142の位置を調整する。つまり、通気アライメントガイド182は、容器142にスプレー塗装ガン12が接合されると(
図3に示す)、第2通気導管158を容器142内の上方の位置になるように向きを合わせる。前述の特徴は、スプレーガン使用中に空気の流向166が正しく確立されることを確認させ、通気システム148の稼働性を維持する効果を有する。更に、使用時に、容器142がスプレー塗装ガン12から外され始める時、接続部180内の溝192は、液体流路146の口188に接触するように構成されても良い。即ち、液体流路146が使用中にスプレー塗装ガン12から離れて矢印202の方向に動き始めると、液体流路146は口188が溝192の端部に至って接続部180から外れることを防ぐ。このような特徴は、使用時に、重力式容器142と重力式スプレー塗装ガン12の間の安全接続装置の効果を有する。
【0024】
図5は、本実施形態に係る
図3の重力式容器構体140の一部分を示す分解斜視図であり、カバー構体144から分解されたスプレーガン接続構体170を示す。図示される実施形態において、接続構体170は接続部180(例えば、第1部品)と第1アライメントガイド176(例えば、第2部品)を含む。接続部180は、第1ねじ部214(例えば、メール型環状ネジ部)、溝192、六角突起216(例えば、ツールヘッド)、固定部218(例えば、メール型環状ネジ部)、接続部180を通って縦方向に伸びる中央導管220を含む。第1ねじ部214は、容器142が使用中の位置にあるとき、スプレー塗装ガン12にぴったりはめ合わせて接合される。更に、固定部218は第1アライメントガイド176にかみ合うように構成される。第1アライメントガイド176は内側の保持フィンガ197を有するアライメントリング196とアライメントタブ198を含む。内側の保持フィンガ197は、接続部180の上の位置に第1アライメントガイド176を保持するように、固定部218に押し当てて適合させるように構成される。
【0025】
使用時に、接続構体170は、スプレー塗装ガン12と容器構体140の両方に接合される。前述のように、液体流路146、第1通気導管156、第2通気導管158、またはそれらの組合せがスプレー塗装ガン12に対して位置合わせされるように、アライメントタブ198はアライメント凹部200内に配置される。即ち、アライメントタブ198は、スプレーガン接続部180が液体流路146に接合されると、アライメント凹部200内に適合される。図示されるように、アライメント凹部200は液体流路146と第2通気導管158の間に配置され、液体流路146は第1及び第2通気導管158の間に配置される。例えば、本実施形態においては、液体流路146、第1及び第2通気導管156と158、通気アライメントガイド182(例えば、第1と第2アライメントガイド176と178)は、同一面上等、互いに一列に配置される。
【0026】
通気システム148の実施形態は、容器構体140がどの位置であっても操作可能であるが、通気システム148の稼働を説明するために、
図6と
図7は容器構体140の反対方向の位置を図示する。
図6は、
図1の液体供給部16が接合されるスプレー塗装ガン12の断面図であり、カバーが上向きに配置されたカバー構体144と容器142を有する本発明に係る重力式容器構体140を図示する。特に、カバー構体144は、容器142に流体容量160が満たされた後に、容器142上に配置される。カバー構体144は、液体流路146と、内側及び外側カバー152と154に接続され且つそれらを通って伸びている通気システム148と、を含む。通気システム148は、外側カバー152と内側カバー154との間に配置されるバッファー室150を含む。通気システム148は、外側カバー152に結合されたテーパード外側通気導管232と、内側カバー154に結合されたテーパード内側通気導管234とを含む。通気システム148は更に、内側カバー154に配置される突起部236(例えば、液体遮蔽物)を含み、突起部236はテーパード外側通気導管232のすぐそばに面する。空気の流向238は、容器142が
図6に示されるような向きに配置される時に、通気システム148を通って確立される。同様に、液体経路240は、液体供給部16が図示される向きで、容器142の中に確立される。
【0027】
図示される実施形態において、テーパード外側通気導管232は、外側カバー152と内側カバー154の間で、開口端部242に向かって、バッファー室150の中に延伸する。外側通気導管232の開口端部242は内側カバー154の突起部236(例えば、液体遮蔽物)に近接する。即ち、外側通気導管232の開口端部242は、外側通気導管232の第1矢印246に沿って外側カバー152から第1距離244(即ち、管232の長さ)に配置される。更に、内側カバー154は、外側通気導管232の第1矢印246に沿って、外側カバー152から離隔距離248(即ち、全体のカバー間隔)に配置される。即ち、離隔距離248は内側カバー154と外側カバー152の全体の間隔であり、第1距離は外側カバー152から内側カバー154に向かって突出する外側通気導管232の全体の長さを表す。いくつかの実施形態においては、第1距離244(即ち、管232の長さ)は離隔距離248(即ち、全体のカバー間隔)の少なくとも約50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%又は95%以上である。例えば、ある実施形態では、第1距離244は離隔距離248の少なくとも約50%以上である。更に例えば、他の実施形態では、第1距離244は離隔距離248の少なくとも75%以上である。また更に、その他の実施形態では、第1距離244は離隔距離248の少なくとも約95%以上である。外側通気導管232の開口端部242は、通気システム148を介して通気させる間、内側カバー154に近接することで、バッファー室150が保持する液体容量を増加させる。更に、外側通気導管232の開口端部242の突起部(例えば、液体遮蔽物)への近接は、例えば重力式容器構体140が移動(例えば、振動)する間に、バッファー室150から外側通気導管232の中に液体が入るのを十分に抑制する。例えば、突起部に対する開口端部242の近接は、更に液体を十分に保持する表面張力を備える。
【0028】
ある実施形態では、
図6に図示されるように、外側通気導管232、内側通気導管234、液体流路146、又はそれらの組合せは、先細りである。例えば、外側通気導管232は、外側カバー152から開口端部242に向かって管232の直径が減少するように先細る。更に例えば、いくつかの実施形態では、液体流路146は、内側カバー154から図示される口188を有する末端部186に向かって流路146の直径が減少するように先細る。いくつかの実施形態では、テーパード液体流路146は、重力式スプレー塗装ガン12のテーパード内側導管(例えば、接続部180を通る導管190のテーパード内側表面174)の中に、ぴったりとはめ込んで(例えば、締り嵌め又は摩擦嵌め)構成され、口188はテーパード内側導管の溝(例えば、導管190の溝192)の中に適合されて構成される。いくつかの実施形態では、内側通気導管234は、内側カバー154から離隔距離250にある開口端部249に向かって管234の直径が減少するように先細る。いくつかの実施形態では、外側通気導管232の先細り、内側通気導管234の先細り、液体流路146の先細り、またはそれらの組合せは、0度以上10度以下のテーパー角を有する。更に例えば、テーパー角は少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10度以上又は、等しい。通気導管232と通気導管234とが先細りする実施形態において、管のより細い部分は液体の侵入を抑制あるいは軽減して、更に効果的な通気経路を維持する。即ち、通気導管232の開口端部242と通気導管234の開口端部249の縮小された直径は、液体が流れる部分を減少させて、表面張力を増加させ、従って通気導管232と通気導管234に侵入できる液体の量を減少させることとなる。
【0029】
重力式容器構体140が
図6に示されるようにカバー上向きで配置される時、液体容量160は容器142の中に全て残っている。更に、第2液体容量252は、テーパード内側通気導管234の中に配置される。容量160と容量252とが再配置されるように、容器142は
図6に示されるカバー上向きの位置と、カバー下向きの位置との間で回転される。
図7は、
図1の液体供給部16が結合されるスプレー塗装ガン12の断面図であり、カバー構体144とカバーが下向きに配置される容器142とを有する本発明に係る重力式容器構体140を示す。
図7に図示されるように、容器142は内側通気導管234から液体容量252を減じた液体容量160で満たされ、一方バッファー室150は内側通気導管234からの液体容量252で満たされる。即ち、容器142がカバー上向きからカバー下向きに回転される時、液体容量252の少なくとも一部は内側通気導管234に入り、バッファー室150に入って、稼働中も維持される。ある実施形態では、容器142の引圧、内側通気導管234内の表面張力、管234の開口端部249の表面張力のために、少なくとも液体容量252の一部は内側通気導管234の中に留まる。ある実施形態では、液体容量252はバッファー室150の全体の体積に対して僅かだけである。例えば、内側通気導管234の体積は、バッファー室150の体積の一部であって、同様に一部の液体によってバッファー室150が満たされる。ある実施形態では、内側通気導管234の体積は、バッファー室150の体積の約5、10、15、20、25、30、40、50、60又は70%以下である。即ち、バッファー室150の体積は少なくとも内側通気導管234の約2、3、4又は5倍以上である。結果として、バッファー室150の実質的な部分は外側通気導管232と内側通気導管234の間では空になり、従って、カバー構体144を介して大気と容器142の間の開放通気経路を維持する。
【0030】
即ち、液体容量252がバッファー室150に配置される一方で、通気システム148は容器142の中に空気を通気するように作動する。つまり、空気の流向166(即ち、通気経路)は最初にバッファー室150の外側の通気導管232の第1外側開口部260に入って、通気導管232の第1内側開口部262を介してバッファー室150に入る。一旦バッファー室150に入ると、空気の流向166はバッファー室150の内側の通気導管234の第2内側開口部269の中に続く。空気の流向166は通気導管234を通って、バッファー室150の外側で容器142の内側の第2外側開口部266に出る。この様に、第1内側開口部262と第2内側開口部264とは、バッファー室150を通って互い空気的に連動し、一方で液体容量252はバッファー室150に配置される。図示されるように、バッファー室150の液体容量252の位置は、外側通気導管232の第1内側開口部262と内側通気導管234の第2内側開口部264の下に維持される。ある実施形態では、空気の流向166が常に開放されるように、液体容量252の位置は重力式容器構体140がどの位置であっても開口部262と264の下側に維持される。
【0031】
図6と
図7は重力式容器構体140の2方向のみを図示するが、通気システム148は、どの位置であっても、外側通気導管232、バッファー室150、内側通気導管234を通って空気の流向166を維持するように構成される。例えば、重力式容器構体140は垂直面で凡そ0を360度に、水平面で凡そ0を360度に、他の面で0を360度に動かされる一方で、空気の流向166を連続的に維持し、バッファー室150の中に液体容量252を保持する。
【0032】
使用時は、容器構体140の前述の特徴によって使用者が容器142を振ることが許容され、流体容量160と252の構成要素を液体が損失されること無く撹拌されることが望ましい。例えば、この実施形態の1つの優位な特徴は、突起部236(例えば、液体遮蔽物)に対してテーパード外側通気導管232の開口端部242(例えば、口262)の近接を含む。即ち、ある実施形態において、開口端部242(例えば、口262)と突起部236との間の距離は、外側通気導管232の中に液体が流れ込むには十分に制限または抑制できる程に十分に小さい。例えば、表面張力は液体が外側通気導管232に流れ込まないように、突起部236に沿って液体を保持する。更に、いくつかの実施形態においては、開口端部242と突起部236の間のギャップ間隔は、約1、2、3、4又は5ミリメートル以下又は等しい。例えば、ある実施形態においては、開口端部242と突起部236の間のギャップ間隔は、約3ミリメートル以下である。
【0033】
同様に、開口端部242における外側通気導管232の先細りの形状(加えて、口262の縮径)は、外側通気導管232の中に液体が流れ込むのを十分に抑制する。例えば、いくつかの実施形態において、第1内側開口部262の直径は、約1、2、3、4又は5ミリメートル以下又は等しい。更に例えば、ある実施形態において、第1内側開口部262の直径は、約3ミリメートル以下である。従って、ユーザが容器構体140を振ったり、別な方法で液体が位置242の近傍に流れたり飛び散ったりするように動かしても、管232の直径は小さく、突起部236に関連したギャップ間隔は狭いので、外側通気導管232を通って液体が流れ出るのを十分に抑制する。この手法で、容器構体140は外側通気導管232を通ってバッファー室150の外に液体が漏出するのを十分に抑制する。また、前述の特徴は、使用中にバッファー室150の中の液体容量252を保持するのに、振動が発生する時でさえ効果的である。
【0034】
開口端部249における内側通気導管234の先細りの形状(加えて、口266の縮径)は、内側通気導管234に液体が流れ込むのを十分に抑制する。例えば、いくつかの実施形態において、第2外側開口部266の直径は、約1、2、3、4又は5ミリメートル以下又は等しい。更に例えば、ある実施形態において、第2外側開口部266の直径は、約3ミリメートル以下である。例えば、ユーザが容器構体140を振ったり、別な方法で液体が位置249の近傍に流れたり飛び散ったりするように動かしても、管234の直径は小さいので、内側通気導管234を通ってバッファー室150の中に液体が流れ込むのを十分に抑制する。この手法で、容器構体140は内側通気導管234を通ってバッファー室150の中に液体が漏出するのを十分に抑制する。前述の特徴は、回転(例えば、ひっくり返す)時に液体容量252がバッファー室150の中に漏出する例外はあるが、容器142の中に液体容量160を維持するのに効果的である。
【0035】
図8は、
図6及び
図7のカバー構体144の断面図であり、内側カバー154の突起部236(例えば、液体遮蔽物)に近接したテーパード外側通気導管232を有するバッファー室150を図示する。図示されるように、突起部236は、テーパード外側通気導管232の開口端部242(例えば、口262)に近接して配置される。また、突起部236に対して通気導管232の開口端部242(例えば、口262)の近接は、稼働中に通気導管232を通って液体が漏出するのを防ぎ、一方でまた通気導管232の液体侵入の可能性を低減させる。更に、
図8は液体流路146と内側通気導管234とに関係する外側通気導管232の位置を図示する。特に、図示される実施形態において、外側通気導管232と内側通気導管234とは液体流路146に対して、反対側に配置される。ある実施形態において、外側通気導管232、内側通気導管234、液体流路146は、同一面上に配置され、且つ又は、平行の円筒軸を有する。
【0036】
発明の確固たる特徴のみがこの中に図示且つ説明されているが、修正及び変更は当分野の技術範囲で起こりうる。従って、付加される特許請求の範囲は、発明の真意の範囲内での修正と変形の全てを網羅するものと想定される。