(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
1以上の中継装置において受信された複数のプローブ要求又は位置登録要求のそれぞれを送信した複数の無線端末のそれぞれを識別する端末識別情報、前記複数のプローブ要求又は位置登録要求のそれぞれの電波強度に関する情報、前記複数のプローブ要求又は位置登録要求のそれぞれの受信日時又は受信時刻に関する情報、及び、前記1以上の中継装置のそれぞれを識別する中継装置識別情報が、前記複数のプローブ要求又は位置登録要求ごとに対応付けられた複数のログ情報を取得するログ情報取得部と、
前記複数のログ情報に基づいて、前記複数の無線端末のそれぞれのユーザの属性を特定する端末属性情報を生成する端末属性情報生成部と、
特定の期間に受信されたプローブ要求又は位置登録要求に関する前記端末識別情報、前記中継装置識別情報及び前記電波強度に関する情報に基づいて、前記特定の期間に受信されたプローブ要求又は位置登録要求のそれぞれを送信した複数の無線端末のそれぞれが、複数のローカルエリアのいずれか1つの範囲内に存在したか否かを判定する端末位置判定部と、
を備え、
前記複数のローカルエリアのそれぞれは、予め定められた範囲を有し、
前記予め定められた範囲には、前記1以上の中継装置の少なくとも1つが配置され、
前記端末位置判定部は、
前記端末識別情報、前記中継装置識別情報、前記電波強度に関する情報及び前記受信日時又は受信時刻に関する情報に基づいて、前記特定の期間に受信されたプローブ要求又は位置登録要求の電波強度が予め定められた電波強度よりも大きな状態の継続時間が、予め定められた時間より長いか否かを判断し、
前記特定の期間に受信されたプローブ要求又は位置登録要求の電波強度が予め定められた電波強度よりも大きな状態の継続時間が、予め定められた第1の時間より長いと判断した場合に、当該プローブ要求又は位置登録要求を送信した無線端末が、複数のローカルエリアのいずれか1つの範囲内に存在したと判定し、
前記特定の期間に受信されたプローブ要求又は位置登録要求の電波強度が予め定められた電波強度よりも大きな状態の継続時間が、予め定められた第2の時間より長いと判断した場合、当該プローブ要求又は位置登録要求に関するログ情報をノイズであると判定し、
前記第2の時間は、前記第1の時間よりも長く、
前記端末属性情報生成部は、前記端末位置判定部の判定結果に基づいて、端末属性情報を生成する、
情報生成装置。
前記中継装置識別情報のそれぞれと、前記中継装置識別情報のそれぞれにより識別される中継装置の位置情報及び属性情報の少なくとも一方とを対応付けて格納する中継装置情報格納部を更に備え、
前記端末属性情報生成部は、中継装置情報格納部に格納された情報を参照して、前記複数のログ情報に含まれる前記端末識別情報及び前記中継装置識別情報に基づいて、前記複数の無線端末のそれぞれについて、前記複数の無線端末のユーザの位置及び属性の少なくとも一方に関する統計情報を生成する統計処理部を有し、
前記端末属性情報生成部は、前記統計情報に基づいて、前記端末属性情報を生成する、
請求項1に記載の情報生成装置。
前記受信日時又は受信時刻に関する情報及び前記端末位置判定部の判定結果に基づき、前記複数の無線端末のそれぞれについて、前記複数のローカルエリアのそれぞれの範囲内に存在した時間を算出し、前記複数のローカルエリアのそれぞれの範囲内に存在した時間に応じて、前記複数の無線端末を種別する端末種別部を更に備える、
請求項1から請求項3までの何れか一項に記載の情報生成装置。
前記複数の無線端末のうち、2以上の無線端末の前記端末属性情報の相関が予め定められた値よりも大きいか否かを判断し、前記2以上の無線端末の前記端末属性情報の相関が予め定められた値よりも大きいと判断した場合に、前記2以上の無線端末が同一のユーザにより所持されていると判定する、同一ユーザ判定部を更に備える、
請求項1から請求項4までの何れか一項に記載の情報生成装置。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は特許請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。なお、図面において、同一または類似の部分には同一の参照番号を付して、重複する説明を省く場合がある。
【0009】
図1は、情報提供システム100の一例を概略的に示す。本実施形態において、情報提供システム100は、アクセスポイント102と、アクセスポイント104と、基地局106と、位置提供サーバ120と、情報配信サーバ140とを備える。位置提供サーバ120は、制御部122と、端末情報格納部124と、中継装置情報格納部126とを有する。情報配信サーバ140は、配信部142と、配信情報格納部144とを有する。
【0010】
本実施形態では、無線端末22が、店舗12の中に存在する無線LAN機能を有するOA(Ofice Automation)機器であり、無線端末24は、店舗12に来店した顧客の携帯端末である場合を例として、情報提供システム100について説明する。同様に、本実施形態において、無線端末42は、店舗14の店員の携帯端末であり、無線端末44は、店舗14に来店した顧客の携帯端末である。また、無線端末62及び無線端末64は、歩道16を通行しているユーザの携帯端末である。
【0011】
通信回線10は、アクセスポイント102、アクセスポイント104及び基地局106と、位置提供サーバ120及び情報配信サーバ140の少なくとも一方との間で情報を伝達する。通信回線10は、有線通信の伝送路であってもよく、無線通信の伝送路であってもよく、それらの組み合わせであってもよい。通信回線10は、インターネット、専用回線、無線通信網又はそれらの組み合わせであってもよい。無線通信網における通信方式は、3G方式、LTE方式、4G方式などの移動体通信方式であってもよく、WiFi(登録商標)のような無線LAN方式、WiMAX(登録商標)のような無線MAN方式、無線WAN方式などの無線データ通信方式であってもよい。
【0012】
無線端末22、無線端末24、無線端末42、無線端末44、無線端末62及び無線端末64のそれぞれは、アクセスポイント102、アクセスポイント104又は基地局106と、通信回線10とを介して、通信回線10に接続された機器と情報を送受する。無線端末22、無線端末24、無線端末42、無線端末44、無線端末62及び無線端末64のそれぞれは、複数の通信方式に対応してもよい。例えば、3G方式、LTE方式、4G方式などの移動体通信方式と、無線LAN方式、無線MAN方式などの無線通信方式との両方の通信方式に対応する。
【0013】
無線端末22、無線端末24、無線端末42、無線端末44、無線端末62及び無線端末64のそれぞれは、一般的な構成の情報処理装置において、それぞれの各部の動作を規定したソフトウエア又はプログラムを起動することにより実現されてよい。無線端末22、無線端末24、無線端末42、無線端末44、無線端末62及び無線端末64として、Webブラウザソフトが導入されたパーソナルコンピュータ、携帯電話、携帯端末(PDA、タブレット又はノートブック・コンピュータ若しくはラップトップ・コンピュータなどを例示することができる。)などを例示することができる。
【0014】
店舗12及び店舗14は、予め定められた範囲を有するローカルエリアの一例であってよい。アクセスポイント102、アクセスポイント104及び基地局106のそれぞれは、1以上の中継装置の一例であってよい。位置提供サーバ120は、位置提供装置の一例であってよい。制御部122は、位置提供装置、情報生成装置又は情報分類装置の一例であってよい。情報配信サーバ140及び配信部142は、情報配信装置の一例であってよい。
【0015】
本実施形態における、情報提供システム100の動作の概要は以下のとおりである。位置提供サーバ120は、アクセスポイント102、アクセスポイント104及び基地局106を含む1以上の中継装置から、各中継装置の通信圏内に存在している無線端末又は各中継装置の通信圏内に存在した無線端末に関する情報(ログ情報と称する場合がある。)を取得する。位置提供サーバ120は、取得されたログ情報に基づいて、複数の無線端末のそれぞれの位置情報(端末位置情報と称する場合がある。)及び複数の無線端末のそれぞれのユーザの属性を特定する情報(端末属性情報と称する場合がある。)の少なくとも一方を生成する。位置提供サーバ120は、端末識別情報と、端末位置情報及び端末属性情報の少なくとも一方とを対応付けて格納する。位置提供サーバ120は、情報配信サーバ140からの要求に応じて、格納している情報の中から要求された情報を抽出する。位置提供サーバ120は、抽出した情報を情報配信サーバ140に送信する。
【0016】
上記の無線端末に関する情報は、中継装置が、無線端末の認証処理及びアソシエーション処理の少なくとも一方が完了する前に、当該無線端末から受信した信号に含まれる情報であってよい。上記の信号としては、無線LAN通信におけるプローブ要求、移動体通信における位置登録要求などを例示することができる。複数の無線端末のそれぞれを一意に識別する端末識別情報であってよい。端末識別情報としては、プローブ要求に含まれる無線端末のMACアドレス、位置登録要求に含まれる携帯端末に固有のIDなどを例示することができる。
【0017】
情報配信サーバ140は、アクセスポイント102、アクセスポイント104及び基地局106を含む1以上の中継装置並びに通信回線10を介して、1以上の無線端末に対して情報を配信する。一実施形態において、情報配信サーバ140は、位置提供サーバ120から端末位置情報及び端末属性情報の少なくとも一方を取得して、情報を受信する無線端末のそれぞれに応じた情報を配信する。他の実施形態において、情報配信サーバ140は、位置提供サーバ120から、配信される情報の属性(配信条件と称する場合がある。)に合致する無線端末の端末識別情報を取得して、当該情報に応じた無線端末に対して当該情報を配信する。
【0018】
次に、位置提供サーバ120が、プローブ要求に含まれる情報を利用して複数の無線端末のそれぞれの端末位置情報及び端末属性情報の少なくとも一方を生成する場合を例として、情報提供システム100の各部について詳細に説明する。無線端末の無線LAN機能が有効に機能している場合、無線端末はプローブ要求を送信する。無線LANのアクセスポイントは、当該アクセスポイントと無線端末の間で認証及びアソシエーションが実行される前の段階であっても、プローブ要求を受信することができる。したがって、情報提供システム100は、無線端末から位置情報を取得することができない場合であっても、アクセスポイントにおいて受信されたプローブ要求を解析することで、端末位置情報及び端末属性情報の少なくとも一方を生成することができる。
【0019】
また、プローブ要求には無線端末のMACアドレスが含まれている。そのため、情報提供システム100は、無線端末から位置情報を取得することができない場合であっても、当該無線端末に応じた情報を配信することができる。情報提供システム100が無線端末から位置情報を取得することができない場合としては、無線端末とアクセスポイントとの間で認証フェーズが実施されなかった場合、無線端末の設定により無線端末が外部に位置情報を送信しない場合などを例示することができる。
【0020】
無線端末のMACアドレスから、当該無線端末のユーザを特定することには一定の困難を伴う。したがって、情報提供システム100は、プローブ要求に含まれる情報を利用することで、情報提供システム100は、無線端末のユーザを特定することを抑制しつつ、無線端末のユーザの属性を特定することができる。
【0021】
なお、本実施形態においては、情報提供システム100が、無線LAN方式におけるプローブ要求を利用して、端末位置情報及び端末属性情報の少なくとも一方を生成する場合について説明する。しかし、情報提供システム100は本実施形態に限定されない。情報提供システム100は、移動体通信方式における位置登録要求を利用して、端末位置情報及び端末属性情報の少なくとも一方を生成してもよい。情報提供システム100は、位置登録要求に含まれる情報を利用することで、複数の無線端末のそれぞれのユーザの属性をより明確に推計することができる。
【0022】
情報提供システム100の各部は、ハードウエアにより実現されてもよく、ソフトウエアにより実現されてもよく、ハードウエアとソフトウエアとの組み合わせにより実現されてもよい。また、プログラムが実行されることにより、コンピュータが、情報提供システム100の少なくとも一部として機能してもよい。プログラムは、CD−ROM、DVD−ROM、メモリ、ハードディスクなどのコンピュータ読み取り可能な媒体に記憶されていてもよく、ネットワークに接続された記憶装置に記憶されていてもよい。プログラムは、コンピュータ読み取り可能な媒体又はネットワークに接続された記憶装置から、情報提供システム100の少なくとも一部を構成するコンピュータにインストールされてよい。
【0023】
コンピュータを情報提供システム100の少なくとも一部として機能させるプログラムは、情報提供システム100の各部の動作を規定したモジュールを備えてよい。これらのプログラム又はモジュールは、プロセッサ、通信インターフェース、GPS情報取得装置等に働きかけて、コンピュータを情報提供システム100の各部として機能させたり、コンピュータに情報提供システム100における情報処理方法を実行させたりする。
【0024】
これらのプログラムに記述された情報処理は、コンピュータに読込まれることにより、ソフトウエアと、情報提供システム100の各種のハードウエア資源とが協働した具体的手段として機能する。そして、これらの具体的手段によって、本実施形態におけるコンピュータの使用目的に応じた情報の演算又は加工を実現することにより、使用目的に応じた情報提供システム100を構築することができる。
【0025】
アクセスポイント102及びアクセスポイント104は、無線LAN方式により、複数の無線端末のそれぞれと、通信回線10との間の通信を中継する。アクセスポイント102は、店舗12の中に配置される。アクセスポイント102は、無線端末22、無線端末24、無線端末42及び無線端末62により送信されたプローブ要求を受信する。アクセスポイント104は、店舗14の中に配置される。アクセスポイント104は、無線端末42、無線端末44及び無線端末64により送信されたプローブ要求を受信する。
【0026】
アクセスポイント102及びアクセスポイント104は、プローブ要求に対してプローブ応答を送信しない場合又は認証フェーズが実行されない場合であっても、当該プローブ要求に含まれる情報を位置提供サーバ120に送信してよい。アクセスポイント102及びアクセスポイント104は、位置提供サーバ120からの要求に応じて、プローブ要求に含まれる情報を位置提供サーバ120に送信してもよく、予め定められたタイミングで、プローブ要求に含まれる情報を位置提供サーバ120に送信してもよい。
【0027】
基地局106は、移動体通信方式により、複数の無線端末のそれぞれと、通信回線10との間の通信を中継する。基地局106は、通信圏内に存在する無線端末により送信された位置登録要求を受信する。基地局106は、位置提供サーバ120からの要求に応じて、位置登録要求に含まれる情報を位置提供サーバ120に送信してもよく、予め定められたタイミングで、位置登録要求に含まれる情報を位置提供サーバ120に送信してもよい。
【0028】
位置提供サーバ120は、通信回線10を介して、アクセスポイント102及びアクセスポイント104から、アクセスポイント102及びアクセスポイント104において受信された複数のプローブ要求に含まれる情報を取得する。位置提供サーバ120は、複数のプローブ要求に含まれる情報を利用して、1以上の無線端末の端末位置情報及び端末属性情報の少なくとも一方を生成する。位置提供サーバ120は、通信回線10を介して、情報配信サーバ140に対して、1以上の無線端末の端末位置情報及び端末属性情報の少なくとも一方を提供する。
【0029】
制御部122は、位置提供サーバ120を制御する。制御部122は、アクセスポイント102及びアクセスポイント104から取得したログ情報を処理して、端末位置情報及び端末属性情報の少なくとも一方を生成する。制御部122は、情報配信サーバ140からの要求に応じて、端末情報格納部124及び中継装置情報格納部126に格納された情報を処理する。
【0030】
端末情報格納部124は、複数の無線端末のそれぞれの端末識別情報と、複数の無線端末のそれぞれの端末位置情報及び端末属性情報の少なくとも一方とを対応付けて格納してよい。中継装置情報格納部126は、1以上の中継装置のそれぞれを識別する中継装置識別情報と、1以上の中継装置のそれぞれの位置情報及び属性情報の少なくとも一方とを対応付けて格納してよい。
【0031】
端末情報格納部124及び中継装置情報格納部126の少なくとも一方は、1以上の中継装置のそれぞれにおいて受信された複数のプローブ要求のそれぞれを送信した1以上の無線端末の端末識別情報と、当該中継装置の中継装置識別情報とが対応付けられたログ情報を格納してよい。ログ情報は、1以上の中継装置において受信された複数のプローブ要求のそれぞれを送信した無線端末を識別する端末識別情報と、複数のプローブ要求のそれぞれの電波強度に関する情報、複数のプローブ要求のそれぞれの受信日時又は受信時刻に関する情報、及び、1以上の中継装置の中継装置識別情報からなる群から選択される少なくとも1つの情報とが、複数のプローブ要求ごとに対応付けられた情報であってもよい。
【0032】
情報配信サーバ140の配信部142は、通信回線を10介して、1以上の無線端末に情報を配信する。配信部142は、広告枠などの情報配信枠の競争入札処理を実行してもよい。配信部142は、PUSH型の情報配信処理を実行してもよく、PULL型の情報配信処理を実行してもよい。配信部142によって配信された情報は、1以上の無線端末のそれぞれとの間で通信が確立されたアクセスポイントを介して、1以上の無線端末のそれぞれに配信されてもよく、基地局106を介して、1以上の無線端末のそれぞれに配信されてもよい。
【0033】
配信部142は、位置提供サーバ120に対して、特定の条件に合致する無線端末に関する情報の提供を要求する。例えば、配信部142は、特定の条件に合致する無線端末の端末位置情報の提供を要求する。配信部142は、特定の条件に合致する無線端末の端末属性情報の提供を要求してもよく、特定の条件に合致する無線端末の端末識別情報の提供を要求してもよく、特定の条件に合致する無線端末の個数の提供を要求してもよい。配信部142は、位置提供サーバ120から1以上の無線端末に関する情報を取得する。
【0034】
例えば、配信部142は、位置提供サーバ120に対して、現在時刻の1時間前から現在時刻までの期間に、アクセスポイント102において受信されたプローブ要求を送信した無線端末の端末属性情報を提供するように要求する。配信部142は、位置提供サーバ120から取得した端末属性情報に基づいて、無線端末22が店舗12の中に存在するOA機器であると判断する。同様にして、配信部142は、無線端末24は当該期間において店舗12の中に存在していた顧客の携帯端末である可能性が高く、無線端末62及び無線端末64は当該期間において店舗12の外側を通行していたユーザの携帯端末である可能性が高いと判断する。
【0035】
配信部142は、位置提供サーバ120から取得した情報に基づいて、配信情報格納部144に格納された情報の中から、配信すべき情報を決定してよい。例えば、配信部142は、無線端末22には情報を配信せず、無線端末24、無線端末62及び無線端末64に対して情報を配信する。配信部142は、無線端末24と、無線端末62及び無線端末64とで異なる内容の情報を配信してもよい。
【0036】
他の実施形態において、配信部142は、位置提供サーバ120から、現在、店舗12の外側を通行しているユーザの携帯端末の個数に関する情報を受け取る。配信部142は、位置提供サーバ120から、現在時刻の5分前から現在時刻までの期間に特定のアクセスポイントにおいて受信されたプローブ要求を送信した無線端末の端末識別情報を取得する。配信部142は、当該無線端末の現在時刻における端末位置情報を取得してもよい。特定のアクセスポイントは、店舗12との距離が予め定められた値よりも小さなアクセスポイントであってよい。配信部142は、位置提供サーバ120から取得した端末識別情報によって識別される無線端末に対して、店舗12の外側を通行しているユーザの携帯端末の数に応じた情報を配信する。
【0037】
無線端末24は、基地局106を介して、配信部142からの情報を受信してよい。無線端末24及びアクセスポイント102の間で通信が確立されている場合、無線端末24は、アクセスポイント102を介して、配信部142からの情報を受信してよい。なお、無線端末24は、無線端末24及びアクセスポイント102の間で通信が確立されている場合であっても、基地局106を介して、配信部142からの情報を受信してよい。
【0038】
図2は、中継装置に関する情報を格納するデータテーブル200の一例を概略的に示す。データテーブル200は、中継装置の識別記号210と、中継装置の位置情報220と、中継装置の属性情報230とを含んでよい。中継装置の識別記号210は、1以上の中継装置のそれぞれを一意に識別することができる記号であれば特に限定されない。識別記号210は、中継装置識別情報の一例であってよい。
【0039】
中継装置の位置情報220は、中継装置の設置場所の緯度及び経度に関する情報222と、当該設置場所の住所に関する情報224とを含んでよい。データテーブル200が、中継装置の設置場所の住所に関する情報224を含むことで、位置提供サーバ120は、建物の内部、地下街などのGPS情報を取得することができない場所においても、無線端末の位置情報を提供することができる。
【0040】
中継装置の属性情報230は、中継装置の設置場所の属性を示す情報であれば特に限定されない。中継装置の属性情報230は、中継装置の設置場所の業種に関する情報232、当該設置場所の客層に関する情報234、当該設置場所の価格帯に関する情報236、当該設置場所に関連して想起されるイメージに関する情報238などを含んでよい。
【0041】
図3は、ログ情報を格納するデータテーブル300の一例を概略的に示す。データテーブル300は、中継装置の識別記号210と、プローブ要求に含まれる無線端末のMACアドレス320と、プローブ要求が受信された日時を示す受信日時に関する情報330と、プローブ要求の電波強度に関する情報340と、無線端末が、店舗12、店舗14などのローカルエリアの範囲内に存在するか否を示す端末位置判定結果350とを含んでよい。無線端末のMACアドレス320は、端末識別情報の一例であってよい。受信日時に関する情報330の代わりに、受信時刻に関する情報を用いてもよい。
【0042】
図4は、無線端末に関する情報を格納するデータテーブル400の一例を概略的に示す。データテーブル400は、無線端末のMACアドレス320と、現在の端末位置情報420と、直近の日時において、無線端末のプローブ要求を受信した中継装置の識別記号430と、端末属性情報440とを含んでよい。
【0043】
現在の端末位置情報420は、直近の日時において、無線端末のプローブ要求を受信した中継装置の設置場所の緯度及び経度に関する情報422と、当該設置場所の住所に関する情報424とを含んでよい。同時期に特定の無線端末のプローブ要求を受信した中継装置が複数存在する場合には、直近の日時において、無線端末のプローブ要求を受信した中継装置として、受信されたプローブ要求の電波強度が最も強い中継装置を選択してよい。
【0044】
図5は、制御部122の一例を概略的に示す。
図5を用いて、制御部122が、情報配信サーバ140からの要求に応じて、端末情報格納部124及び中継装置情報格納部126に格納される情報を処理する動作について説明する。本実施形態において、制御部122は、ログ情報取得部510と、端末情報生成部520と、端末情報抽出部530と、中継装置情報抽出部540と、要求受信部550と、端末情報提供部560とを備える。制御部122の各部は、相互に情報を送受してよい。
【0045】
ログ情報取得部510は、1以上の中継装置のそれぞれから、1以上の中継装置のそれぞれが保持しているログ情報の少なくとも一部を取得する。ログ情報取得部510は、1以上の中継装置において受信された複数のプローブ要求のそれぞれを送信した複数の無線端末のそれぞれを識別する端末識別情報、複数のプローブ要求のそれぞれの電波強度に関する情報、複数のプローブ要求のそれぞれの受信日時又は受信時刻に関する情報、及び、1以上の中継装置のそれぞれを識別する中継装置識別情報からなる群から選択される少なくとも2つの情報が対応付けられた情報を、1以上の中継装置のそれぞれから取得してもよい。ログ情報取得部510は、特定の期間に受信されたプローブ要求に関するログ情報のみを取得してもよい。
【0046】
ログ情報取得部510は、取得したログ情報の少なくとも一部を端末情報生成部520に送信する。ログ情報取得部510は、1以上の中継装置において受信された複数のプローブ要求のそれぞれを送信した複数の無線端末のそれぞれを識別する端末識別情報、複数のプローブ要求のそれぞれの電波強度に関する情報、複数のプローブ要求のそれぞれの受信日時又は受信時刻に関する情報、及び、1以上の中継装置のそれぞれを識別する中継装置識別情報からなる群から選択される少なくとも2つの情報が対応付けられた情報を、端末情報生成部520に送信してよい。ログ情報取得部510は、特定の期間に受信されたプローブ要求に関するログ情報のみを端末情報生成部520に送信してもよい。
【0047】
端末情報生成部520は、ログ情報取得部510から受け取ったログ情報と、中継装置情報格納部126に格納されている情報とに基づいて、端末位置情報及び端末属性情報の少なくとも一方を生成する。端末情報生成部520は、生成された端末位置情報及び端末属性情報の少なくとも一方を端末情報格納部124に格納する。これにより、端末情報格納部124に格納されている端末位置情報及び端末属性情報を更新することができる。
【0048】
端末情報生成部520は、例えば、次の手順に従って、端末位置情報及び端末属性情報の少なくとも一方を生成する。まず、端末情報生成部520は、中継装置情報格納部126から抽出すべき情報を示す抽出条件を中継装置情報抽出部540に送信する。端末情報生成部520は、抽出条件に合致する情報を中継装置情報抽出部540から受信する。端末情報生成部520は、中継装置情報抽出部540から取得した情報に基づいて、端末位置情報及び端末属性情報の少なくとも一方を生成する。端末情報生成部520の詳細については後述する。
【0049】
端末情報抽出部530は、端末情報格納部124に格納された情報の中から抽出すべき情報を示す抽出条件を受信し、端末情報格納部124を参照して、抽出条件に合致する情報を出力する。例えば、端末情報抽出部530は、要求受信部550から抽出条件を受信し、当該抽出条件に合致する情報を端末情報提供部560に出力する。
【0050】
一実施形態において、端末情報抽出部530は、要求受信部550から、端末位置情報及び端末属性情報の少なくとも一方を抽出すべき無線端末のMACアドレスを受信する。端末情報抽出部530は、例えば、無線端末のMACアドレス320をキーとして、データテーブル400を参照する。端末情報抽出部530は、要求受信部550から受信した無線端末のMACアドレスに合致する無線端末のMACアドレス320と対応付けられた端末位置情報420及び端末属性情報440の少なくとも一方を抽出する。
【0051】
他の実施形態において、端末情報抽出部530は、要求受信部550から、要求受信部550が情報配信サーバ140から受信した配信条件を受信する。配信条件は、端末位置情報及び端末属性情報の少なくとも一方に関する条件を含んでよい。端末情報抽出部530は、例えば、端末位置情報420及び端末属性情報440の少なくとも一方をキーとして、データテーブル400を参照する。端末情報抽出部530は、配信条件に合致する無線端末のMACアドレス320を抽出する。
【0052】
更に他の実施形態において、端末情報抽出部530は、要求受信部550から、店舗12の外側の歩道16を通行しているユーザの無線端末のMACアドレスを抽出すべきことを示す抽出条件を受信する。この場合、端末情報抽出部530は、例えば、アクセスポイント102において受信されたプローブ要求を送信した無線端末(即ち、無線端末22、無線端末24、無線端末42、無線端末62)のうち、店舗12の外側に存在する無線端末を抽出する。
【0053】
具体的には、端末情報抽出部530は、例えば、中継装置の識別記号210及び端末位置判定結果350をキーとして、データテーブル300を参照する。次に、端末情報抽出部530は、中継装置の識別記号210にアクセスポイント102の識別記号が記入されており、端末位置判定結果350に「エリア外」であることが記入されているログ情報を抽出する。端末情報抽出部530は、抽出されたログ情報に対応付けられた無線端末のMACアドレス320を抽出結果として出力する。
【0054】
端末情報抽出部530は、更に、アクセスポイント102との距離が予め定められた値よりも小さなアクセスポイントに関するログ情報を参照して、抽出結果を生成してもよい。例えば、端末情報抽出部530は、アクセスポイント102に関するログ情報だけでなく、アクセスポイント104に関するログ情報も参照する。端末情報抽出部530は、アクセスポイント104に関するログ情報を参照して、無線端末42が店舗14の中に存在する無線端末であると決定する。そこで、端末情報抽出部530は、出力結果から、無線端末42の端末識別番号を削除する。これにより、抽出結果の精度を向上させることができる。
【0055】
中継装置情報抽出部540は、中継装置情報格納部126から抽出すべき情報を示す抽出条件を受信し、中継装置情報格納部126を参照して、抽出条件に合致する情報を出力する。中継装置情報抽出部540は、端末情報生成部520から抽出条件を受信して、抽出条件に合致する情報を端末情報生成部520に出力する。例えば、中継装置情報抽出部540は、端末情報生成部520からログ情報取得部510により取得されたログ情報に含まれる中継装置識別情報を受け取り、受け取った中継装置識別情報により識別される中継装置の位置情報を、端末情報生成部520に出力する。
【0056】
要求受信部550は、情報配信サーバ140からの要求を受信する。一実施形態において、要求受信部550は、情報配信サーバ140から、1以上の無線端末の端末識別情報と、1以上の無線端末の位置情報を要求する第1の要求とを受信する。他の実施形態において、要求受信部550は、情報配信サーバ140から、情報配信サーバ140により配信される情報を受け取る無線端末の条件を示す配信条件と、配信条件に合致する無線端末の端末識別情報を要求する第2の要求とを受信する。
【0057】
要求受信部550は、情報配信サーバ140からの要求を解釈して、端末情報抽出部530の抽出条件を生成する。例えば、要求受信部550は、情報配信サーバ140からの要求を解釈して配信条件を取得する。要求受信部550は、配信条件を解釈して抽出条件を生成する。例えば、配信条件に含まれる配信情報の属性と、端末情報格納部124に格納されている端末属性情報とを比較して、配信情報の属性に合致する端末属性情報に対応付けられた端末識別情報を出力するための抽出条件を生成する。要求受信部550は、生成された抽出条件を端末情報抽出部530に送信する。
【0058】
端末情報提供部560は、端末情報抽出部530から、情報配信サーバ140からの要求に応じて端末情報抽出部530が抽出した情報を受信する。端末情報提供部560は、端末情報抽出部530から受信した情報を情報配信サーバ140に提供する。
【0059】
一実施形態において、端末情報提供部560は、情報配信サーバ140からの要求に応じて、端末位置情報及び端末属性情報の少なくとも一方を提供する。端末情報提供部560は、端末位置情報及び端末属性情報の少なくとも一方と、端末識別情報とを対応付けて、情報配信サーバ140に提供してよい。
【0060】
他の実施形態において、端末情報提供部560は、情報配信サーバ140から受信した配信条件に合致する無線端末の端末識別情報を、情報配信サーバ140に提供してよい。また、更に他の実施形態において、端末情報抽出部530により抽出された無線端末の端末識別情報の個数を算出して、当該個数を、情報配信サーバ140に提供してもよい。
【0061】
図6は、端末情報生成部520の一例を概略的に示す。
図6を用いて、制御部122が、アクセスポイント102及びアクセスポイント104から取得したログ情報を処理して、端末位置情報及び端末属性情報の少なくとも一方を生成する動作について説明する。
【0062】
本実施形態において、端末情報生成部520は、端末位置情報生成部610と、同一ユーザ判定部620と、端末属性情報生成部630とを備える。端末属性情報生成部630は、統計処理モジュール632と、端末位置判定モジュール634とを有する。統計処理モジュール632及び中継装置情報抽出部540は、統計処理部を構成してよい。
【0063】
端末位置情報生成部610は、ログ情報取得部510から、無線端末の端末識別情報と、中継装置識別情報とが対応付けられた1以上のログ情報を受信する。端末位置情報生成部610は、受信したログ情報と、中継装置情報格納部126に格納された情報とに基づいて、複数の無線端末の端末位置情報を生成する。
【0064】
例えば、端末位置情報生成部610は、中継装置情報抽出部540に対して、ログ情報に含まれる中継装置の識別記号210に対応付けられた位置情報220を抽出するための抽出条件を送信する。中継装置情報抽出部540は、中継装置の識別記号210をキーとして中継装置情報格納部126を参照して、ログ情報に含まれる中継装置識別情報により識別される中継装置の位置情報220を抽出する。端末位置情報生成部610は、中継装置情報抽出部540から、抽出された中継装置の位置情報220を取得する。
【0065】
端末位置情報生成部610は、ログ情報取得部510から受け取ったログ情報のそれぞれについて、中継装置の識別記号210をキーとして、ログ情報に含まれる無線端末のMACアドレス320と、中継装置情報抽出部540から取得した中継装置の位置情報220とを対応付けて、端末位置情報を生成する。端末位置情報生成部610は、生成された端末位置情報を端末情報格納部124に格納する。
【0066】
同一ユーザ判定部620は、端末情報格納部124に格納された情報を参照して、複数の無線端末のうち、2以上の無線端末の端末属性情報の相関が予め定められた値よりも大きいか否かを判断する。同一ユーザ判定部620は、2以上の無線端末の端末属性情報の相関が予め定められた値よりも大きいと判断した場合に、2以上の無線端末が同一のユーザにより所持されていると判定する。
【0067】
例えば、同一ユーザ判定部620は、2以上の無線端末の端末位置情報の経時変化(移動履歴と称する場合がある。)の相関を解析して、2以上の無線端末の移動履歴の相関が予め定められた値よりも大きいと判断した場合に、2以上の無線端末が同一のユーザにより所持されていると判定する。同一ユーザ判定部620は、判定結果を端末識別情報と対応付けて、端末情報格納部124に格納してよい。
【0068】
同一ユーザ判定部620は、同一ユーザ判定部620は、定期的に、2以上の無線端末の端末属性情報の相関を解析してよい。これにより、同一ユーザ判定部620は、特定の無線端末の保有者の変更を検出することができる。
【0069】
端末属性情報生成部630は、ログ情報取得部510から、1以上の中継装置において受信された複数のプローブ要求のそれぞれを送信した複数の無線端末のそれぞれを識別する端末識別情報と、複数のプローブ要求のそれぞれの電波強度に関する情報、複数のプローブ要求のそれぞれの受信日時又は受信時刻に関する情報、及び、1以上の中継装置のそれぞれを識別する中継装置識別情報からなる群から選択される少なくとも1つの情報とが、複数のプローブ要求ごとに対応付けられた複数のログ情報を受信する。端末属性情報生成部630は、複数のログ情報に基づいて、複数の無線端末のそれぞれのユーザの属性を特定する端末属性情報を生成する。
【0070】
端末属性情報生成部630は、統計処理モジュール632により生成された無線端末のユーザの位置及び属性の少なくとも一方に関する統計情報に基づいて、端末属性情報を生成してよい。これにより、当該無線端末の移動履歴に基づいて、当該無線端末のユーザの属性を特定することができる。端末属性情報生成部630は、当該無線端末の移動履歴を時間帯ごとに解析することで、当該無線端末のユーザの属性を特定してもよい。時間帯の例としては、平日/休日の区別、朝/昼/夕方/夜/深夜〜早朝の区別などを例示することができる。
【0071】
例えば、端末属性情報生成部630は、ログ情報取得部510から取得したログ情報を用いて、複数の無線端末のそれぞれについて、当該無線端末からのプローブ要求を受信した中継装置の位置情報220及び属性情報230の少なくとも一方に関して、出現頻度又は出現確率を算出する。端末属性情報生成部630は、算出された出現頻度又は出現確率に基づいて、当該無線端末のユーザの属性を決定する。
【0072】
例えば、端末属性情報生成部630は、出現頻度又は出現確率が予め定められた値よりも大きい位置情報220又は属性情報230を、当該無線端末のユーザの属性として決定する。端末属性情報生成部630は、出現頻度又は出現確率が予め定められた値よりも小さい位置情報220又は属性情報230を、当該無線端末のユーザの属性として決定してもよい。
【0073】
端末属性情報生成部630は、端末位置判定モジュール634の判定結果に基づいて、端末属性情報を生成してよい。端末属性情報生成部630は、端末位置判定モジュール634の判定結果を利用して、無線端末のユーザがよく利用するローカルエリア(店舗、学校、職場などを例示することができる。)を把握することができる。
【0074】
例えば、端末属性情報生成部630は、複数の無線端末のそれぞれについて、端末位置判定モジュール634の判定結果が「エリア内」であるログ情報を用いて、当該無線端末からのプローブ要求を受信した中継装置の位置情報220及び属性情報230の少なくとも一方に関して、出現頻度又は出現確率を算出する。端末属性情報生成部630は、算出された出現頻度又は出現確率に基づいて、当該無線端末のユーザの属性を決定する。これにより、端末属性情報生成部630は、無線端末のユーザがよく利用するローカルエリアを決定することができる。端末属性情報生成部630は、無線端末のユーザがよく利用するローカルエリアに配されたアクセスポイントの属性情報230を、当該無線端末のユーザの属性として決定する。
【0075】
端末属性情報生成部630は、複数の無線端末のそれぞれについて、端末位置判定モジュール634の判定結果が「エリア外」であるログ情報を用いて、当該無線端末からのプローブ要求を受信した中継装置の位置情報220及び属性情報230の少なくとも一方に関して、出現頻度又は出現確率を算出してもよい。これにより、端末属性情報生成部630は、無線端末のユーザの通勤経路、通学経路、所属機関、勤務時間、居住地域などを決定することができる。端末属性情報生成部630は、無線端末のユーザの通勤経路、通学経路、所属機関、勤務時間、居住地域などの情報を当該無線端末のユーザの属性として決定する。
【0076】
統計処理モジュール632は、中継装置情報格納部126に格納された情報を参照して、複数のログ情報に含まれる端末識別情報及び中継装置識別情報の少なくとも一方に基づいて、複数の無線端末のそれぞれについて、複数の無線端末のユーザの位置及び属性の少なくとも一方に関する統計情報を生成する。統計処理モジュール632の詳細については後述する。
【0077】
端末位置判定モジュール634は、端末識別情報、中継装置識別情報及び電波強度に関する情報に基づいて、複数のプローブ要求のそれぞれを送信した複数の無線端末のそれぞれが、複数のローカルエリアのいずれか1つの範囲内に存在した否かを判定する。端末位置判定モジュール634の詳細については後述する。
【0078】
図7は、統計処理モジュール632の一例を概略的に示す。本実施形態において、統計処理モジュール632は、統計情報算出部710と、頻出情報抽出部720と、統計情報生成部730とを備える。
【0079】
統計情報算出部710は、ログ情報取得部510から複数のログ情報を受信する。統計情報算出部710は、複数の無線端末のそれぞれについて、端末位置情報及び中継装置識別情報の少なくとも一方の出現頻度又は出現確率を算出する。統計情報算出部710は、算出された出現頻度又は出現確率を、頻出情報抽出部720に送信する。
【0080】
頻出情報抽出部720は、統計情報算出部710により算出された出現頻度又は出現確率が予め定められた値よりも大きいか否かを判断する。頻出情報抽出部720は、出現頻度又は出現確率が予め定められた値よりも大きいと判断された中継装置識別情報又は端末位置情報を抽出する。頻出情報抽出部720は、抽出結果を統計情報生成部730に送信する。
【0081】
統計情報生成部730は、頻出情報抽出部720により抽出された中継装置識別情報を中継装置情報抽出部540に送信して、頻出情報抽出部720により抽出された中継装置識別情報により識別される中継装置の位置情報及び属性情報の少なくとも一方を取得する。統計情報生成部730は、無線端末のそれぞれについて、統計情報算出部710により算出された中継装置識別情報の出現頻度又は出現確率と、中継装置情報抽出部540により抽出された位置情報及び属性情報の少なくとも一方とを対応付けることで、当該無線端末のユーザの位置及び属性の少なくとも一方に関する統計情報を生成する。
【0082】
本実施形態によれば、無線端末のユーザが、特定の期間(例えば、平日の朝、昼、夜、休日など)に通過又は訪問する可能性の大きな場所の情報と、当該場所の属性とを対応付けることで、当該無線端末のユーザの属性を特定することができる。同様にして、頻出情報抽出部720が、出現頻度又は出現確率が予め定められた値よりも小さいと判断した中継装置識別情報を抽出するように改良することで、無線端末のユーザが通過又は訪問する可能性の小さい場所の情報から、当該無線端末のユーザの属性を特定してもよい。
【0083】
本実施形態においては、統計処理モジュール632が、頻出情報抽出部720を用いて、統計情報算出部710により算出された出現頻度又は出現確率が予め定められた値よりも大きいか否かを判断する場合について説明した。しかし、統計処理モジュール632は本実施形態に限定されない。統計処理モジュール632は、統計情報算出部710により算出された出現頻度又は出現確率が予め定められた値よりも小さいか否かを判断してもよい。
【0084】
図8は、端末位置判定モジュール634の一例を概略的に示す。本実施形態において、端末位置判定モジュール634は、連続ログ情報生成部810と、ログ情報分類部820と、分布算出部830と、分類基準調整部840とを備える。ログ情報分類部820は、端末種別部の一例であってよい。
【0085】
連続ログ情報生成部810は、複数のログ情報の中から、時間的に連続するログ情報(連続ログ情報と称する場合がある。)を抽出する。これにより、複数のログ情報を、無線端末のユーザの行動ごとに取り扱うことができる。具体的には、端末識別情報と、中継装置識別情報と、受信日時又は受信時刻に関する情報とに基づいて、複数のログ情報の少なくとも一部の中から、端末識別情報及び中継装置識別情報が同一であり、受信日時又は受信時刻が時間的に連続する1以上のログ情報を抽出する。連続ログ情報生成部810は、抽出された1以上のログ情報からなる1以上の連続ログ情報を生成する。
【0086】
ログ情報分類部820は、端末識別情報、電波強度に関する情報及び受信日時又は受信時刻に関する情報と、予め定められた分類基準とに基づいて、複数のログ情報の少なくとも一部を複数のグループに分類する。複数のグループへの分類方法は、特に限定されるものではないが、例えば、プローブ要求の電波強度の強弱により、ローカルエリア内に存在している無線端末と、ローカルエリア外に存在している無線端末との2つに分類することが考えられる。なお、ログ情報分類部820による分類結果は、ユーザの属性の一例であってよい。
【0087】
他の分類方法としては、プローブ要求の電波強度の強弱と、電波強度が強い状態の継続時間とに基づいて、ローカルエリア内に存在している無線端末と、ローカルエリア外に存在している無線端末との2つのグループに分類することが考えられる。電波強度が強い状態の継続時間をも考慮することで、電波強度の変動による判断の誤りを抑制することができる。
【0088】
例えば、ログ情報分類部820は、1以上の連続ログ情報のそれぞれを解析して、予め定められた電波強度よりも大きな電波強度のプローブ要求が継続して受信された時間が、予め定められた時間より長いと判断した場合、当該連続ログ情報に含まれるログ情報を、1以上の中継装置のそれぞれが配置されたローカルエリアの範囲内に存在した無線端末から送信された可能性のあるプローブ要求に関する第1のグループに分類する。一方、ログ情報分類部820は、1以上の連続ログ情報のそれぞれを解析して、予め定められた電波強度よりも大きな電波強度のプローブ要求が継続して受信された時間が、予め定められた時間より長くないと判断した場合、当該連続ログ情報に含まれるログ情報を、ローカルエリアの範囲外に存在した無線端末から送信された可能性のあるプローブ要求に関する第2のグループに分類する。
【0089】
ログ情報分類部820は、例えば、連続ログ情報に含まれるログ情報の個数に対する、連続ログ情報に含まれるログ情報のうち、電波強度が予め定められた電波強度よりも大きなログ情報の個数の割合が、予め定められた値よりも大きいと判断した場合に、予め定められた電波強度よりも大きな電波強度のプローブ要求が継続して受信されたと判断してよい。これにより、電波強度の変動による誤検出を抑制することができる。
【0090】
ログ情報を2つに分類する方法の一例について、具体的な例を用いて説明する。特定の一日について、アクセスポイント102が、無線端末22からのRSSIが−60dB以下のプローブ要求を、08:00から22:00の期間において受信し、無線端末24からのRSSIが−60dB以下のプローブ要求を、12:15から12:55の期間と、17:35から17:37分の期間とにおいて受信し、無線端末62からのRSSIが−60dB以下のプローブ要求を、12:05から12:07の期間と、12:50から12:52の期間と、18:05から18:07の期間とにおいて受信したと仮定する。
【0091】
ログ情報分類部820は、ローカルエリア内に存在した無線端末から送信された可能性のあるプローブ要求として、例えば、10分以上継続して受信されたプローブ要求に対応するログ情報を抽出する。その結果、08:00から22:00の期間において受信された無線端末22からのプローブ要求と、12:15から12:55の期間において受信された無線端末24からのプローブ要求とを抽出する。ログ情報分類部820は、抽出した2つのプルーブ要求に対応するログ情報を第1のグループに分類する。一方、ログ情報分類部820は、その他のログ情報を第2のグループに分類する。
【0092】
さらに他の分類方法としては、プローブ要求の電波強度の強弱と、電波強度が強い状態の継続時間とに基づいて、3以上のグループに分類してもよい。例えば、ログ情報分類部820は、受信日時又は受信時刻に関する情報及び端末位置判定モジュール634の判定結果に基づいて、複数の無線端末のそれぞれについて、複数のローカルエリアのそれぞれの範囲内に存在した時間を算出し、複数のローカルエリアのそれぞれの範囲内に存在した時間に応じて、複数の無線端末を種別する。
【0093】
アクセスポイント102において受信されたプローブ要求を分類する場合を例とすると、プローブ要求の電波強度が強く、長時間(12時間以上の時間、店舗の営業時間よりも長い時間などを例示することができる。)にわたって受信されている場合、当該プローブ要求を送信した無線端末は、店舗12内に存在するOA機器などである可能性が高い。プローブ要求の電波強度が強く、数時間にわたって受信されている場合、当該プローブ要求を送信した無線端末は、店舗12の従業員などである可能性が高い。これらのデータは、顧客の行動履歴に着目する場合にはノイズとなる。
【0094】
一方、プローブ要求の電波強度が比較的強く、数分〜数時間にわたって受信されている場合、当該プローブ要求を送信した無線端末は、店舗の来店客の無線端末である可能性が高い。無線端末からのプローブ要求の電波強度が比較的弱い場合、又は、無線端末からのプローブ要求の電波強度が比較的強くても、数秒〜数分にわたってしか受信されなかった場合、当該プローブ要求を送信した無線端末は、店舗の外側を通過した通行人の無線端末である可能性が高い。
【0095】
このように、プローブ要求の電波強度の強弱に関する1以上の閾値と、電波強度が強い状態の継続時間に関する1以上の閾値とを用いて、1以上の連続ログ情報を3以上のグループに分類してもよい。これにより、ログ情報をデータ処理する場合にノイズとなるログ情報を予め除去することができる。
【0096】
分布算出部830は、電波強度に関する情報及び中継装置識別情報に基づいて、1以上の中継装置ごとに、複数のグループのそれぞれについて、1以上の中継装置のそれぞれにおいて受信されたプローブ要求の電波強度を変量とする確率分布又は規格化された度数分布を算出する。
【0097】
分類基準調整部840は、複数のグループのうちの少なくとも2つのグループの確率分布又は規格化された度数分布に基づいて、分類基準を調整する。分類基準調整部840は、ログ情報分類部820による分類結果の誤差が予め定められた条件に合致するように、分類基準として予め定められた電波強度の値を調整する。
【0098】
例えば、2つのグループの確率分布又は規格化された度数分布に基づいて、分類基準を調整する場合、本来、第1のグループに含まれるべきデータが、第1のグループに含まれない(即ち、第2のグループに含まれてしまう)という誤差の生じる確率が、第1の閾値より小さなり、かつ、本来、第2のグループに含まれるべきデータが、第2のグループに含まれない(即ち、第1のグループに含まれてしまう)という誤差の生じる確率が、第2の閾値より小さくなるように、2つのグループを分類する電波強度の値を調整する。第1の閾値と第2の閾値とは同一の値であってもよく、異なる値であってもよい。分類基準調整部840は、分類基準の調整を複数回繰り返してよい。これにより、分類基準を精度よく算出することができる。
【0099】
図9は、分類基準の調整方法の一例を概略的に示す。
図9において、縦軸は、プローブ要求の受信信号強度(RSSI:Received Signal Strength Indicator)示す。横軸は、規格化された度数(頻度と称される場合もある。)を示す。実線は、アクセスポイント102において、RSSIが−60dB以下のプローブ要求が約30分以上にわたって観察された場合のデータを用いて生成した規格化された度数分布910を示す。点線は、アクセスポイント102において、RSSIが−60dB以下のプローブ要求が約30分以上にわたって観察された場合のデータ以外のデータを用いて生成した規格化された度数分布920を示す。
【0100】
度数分布910は、店舗12に来店しなかったユーザの無線端末からのプローブ要求のRSSIの分布を示していると考えられる。度数分布920は、店舗12に来店したユーザの無線端末からのプローブ要求のRSSIの分布を示していると考えられる。
【0101】
度数分布910及び度数分布920は、プローブ要求のデータを2つに分類するRSSIの閾値が−60dBという条件のもとで作成されているが、
図9を参照すれば、店舗12に来店しなかったユーザを、店舗12に来店したと判断する可能性が非常に小さく、RSSIの閾値が−60dBという条件は非常に厳格な条件であったことが分かる。
【0102】
例えば、ユーザが、店舗12に入店したことを自動的に検出してクーポンチケットを発行するような場合には、非常に厳格な条件を用いることが好ましい。しかし、店舗12の来客状況を把握する場合には、プローブ要求のデータを2つに分類するRSSIの閾値を−80dB程度に調整することで、より実態に即したデータが得られることが分かる。
【0103】
このように、分類基準調整部840が、複数のグループのうちの少なくとも2つのグループの確率分布又は規格化された度数分布に基づいて分類基準を調整することで、データ処理の目的に応じた適切な結果が得られる。端末位置判定モジュール634が分類基準調整部840を有することで、端末位置判定モジュール634は、無線端末がローカルエリアの範囲内に存在するか否かをより適切に判定することができる。その結果、位置提供サーバ120は、精度のよい端末位置情報及び端末属性情報を提供することができる。
【0104】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。その様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0105】
特許請求の範囲、明細書、および図面中において示した装置、システム、プログラム、および方法における動作、手順、ステップ、および段階等の各処理の実行順序は、特段「より前に」、「先立って」等と明示しておらず、また、前の処理の出力を後の処理で用いるのでない限り、任意の順序で実現しうることに留意すべきである。特許請求の範囲、明細書、および図面中の動作フローに関して、便宜上「まず、」、「次に、」等を用いて説明したとしても、この順で実施することが必須であることを意味するものではない。
【0106】
本明細書には、例えば、下記の発明が記載されている。
(項目1−1)
通信回線を介して、1以上の無線端末に情報を配信する情報配信装置に対して、上記1以上の無線端末の位置情報を提供する位置提供装置であって、
1以上の中継装置のそれぞれから、上記1以上の中継装置のそれぞれにおいて受信された複数のプローブ要求又は位置登録要求のそれぞれを送信した複数の無線端末のそれぞれを識別する端末識別情報と、上記1以上の中継装置のそれぞれを識別する中継装置識別情報とが対応付けられたログ情報を取得するログ情報取得部と、
上記中継装置識別情報のそれぞれと、上記中継装置識別情報のそれぞれにより識別される中継装置の位置情報とを対応付けて格納する中継装置情報格納部と、
上記ログ情報に含まれる中継装置識別情報のそれぞれについて、上記中継装置情報格納部に格納された情報を参照して、上記ログ情報に含まれる中継装置識別情報により識別される中継装置の位置情報を抽出する中継装置情報抽出部と、
上記中継装置情報抽出部により抽出された位置情報と、上記ログ情報において、上記位置情報の抽出に用いられた中継装置識別情報に対応付けられていた端末識別情報とを対応付けて格納する端末情報格納部と、
上記情報配信装置から、1以上の無線端末の端末識別情報と、上記1以上の無線端末の位置情報を要求する第1の要求とを受信する要求受信部と、
上記要求受信部により受信された端末識別情報のそれぞれについて、上記端末情報格納部に格納された情報を参照して、上記要求受信部により受信された端末識別情報により識別される無線端末の位置情報を抽出する端末情報抽出部と、
上記情報配信装置に対して、上記要求受信部により受信された端末識別情報のそれぞれと、上記要求受信部により受信された端末識別情報のそれぞれについて上記端末情報抽出部により抽出された位置情報とが対応付けられた情報を提供する端末情報提供部と、
を備える位置提供装置。
(項目1−2)
上記端末情報格納部は、更に、上記複数の無線端末を識別する端末識別情報のそれぞれと、上記複数の無線端末のユーザの属性を特定する端末属性情報のそれぞれとを対応づけて格納し、
上記端末情報抽出部は、更に、上記要求受信部により受信された端末識別情報のそれぞれについて、上記端末情報格納部に格納された情報を参照して、上記要求受信部により受信された端末識別情報により識別される無線端末の端末属性情報を抽出し、
上記端末情報提供部は、更に、上記情報配信装置に対して、上記要求受信部により受信された端末識別情報のそれぞれと、上記要求受信部により受信された端末識別情報のそれぞれについて、上記端末情報抽出部により抽出された端末属性情報とが対応付けられた情報を提供する、
項目1−1に記載の位置提供装置。
(項目1−3)
上記要求受信部は、上記情報配信装置から、上記情報配信装置により配信される情報を受け取る無線端末の条件を示す配信条件と、上記配信条件に合致する無線端末の端末識別情報を要求する第2の要求とを更に受信し、
上記端末情報抽出部は、更に、上記端末情報格納部に格納された情報を参照して、上記要求受信部により受信された上記配信条件に合致する無線端末の端末識別情報を抽出し、
上記端末情報提供部は、更に、上記情報配信装置に対して、上記端末情報抽出部により抽出された端末識別情報を提供する、
項目1−1又は項目1−2に記載の位置提供装置。
(項目1−4)
コンピュータを、項目1−1から項目1−3までの何れか一項に記載の位置提供装置として機能させるための、プログラム。
(項目1−5)
項目1−1から項目1−3までの何れか一項に記載の位置提供装置と、
上記位置提供装置から、1以上の無線端末に関する情報を受け取り、
上記1以上の無線端末に関する情報を利用して、通信回線を介して上記1以上の無線端末に情報を配信する情報配信装置と、
を備えた情報提供システム。
(項目1−6)
上記複数のプローブ要求又は位置登録要求を受信する1以上の中継装置を更に備える、
項目1−5に記載の情報提供システム。
(項目1−7)
上記ログ情報は、上記複数のプローブ要求又は位置登録要求のそれぞれの電波強度に関する情報を更に含み、
上記位置提供装置は、上記端末識別情報、上記中継装置識別情報及び上記電波強度に関する情報に基づいて、上記複数のプローブ要求又は位置登録要求のそれぞれを送信した複数の無線端末のそれぞれが、複数のローカルエリアのいずれか1つの範囲内に存在した否かを判定する端末位置判定部を更に備え、
上記複数のローカルエリアのそれぞれは、予め定められた範囲を有し、
上記予め定められた範囲には、上記1以上の中継装置の少なくとも1つが配置され、
上記端末情報格納部は、更に、上記複数の無線端末を識別する端末識別情報のそれぞれと、上記端末位置判定部による判定結果のそれぞれとを対応付けて格納し、
上記端末情報抽出部は、更に、上記要求受信部が上記情報配信装置からの要求を受信した場合に、上記端末情報格納部に格納された情報を参照して、直近の日時において、上記要求受信部により受信された端末識別情報により識別される無線端末からのプローブ要求又は位置登録要求を受信した中継装置において受信されたプローブ要求又は位置登録要求を送信した無線端末のうち、上記直近の日時において、上記要求受信部により受信された端末識別情報により識別される無線端末からのプローブ要求又は位置登録要求を受信した中継装置が配置されたローカルエリアの範囲外に存在する無線端末を抽出し、
上記端末情報提供部は、上記情報配信装置に対して、上記端末情報抽出部により抽出された無線端末の数に関する情報を更に提供し、
上記情報配信装置は、上記無線端末の数に関する情報に基づいて、配信する情報を選択する配信情報選択部を備える、
項目1−5又は項目1−6に記載の情報提供システム。
(項目2−1)
1以上の中継装置において受信された複数のプローブ要求又は位置登録要求のそれぞれを送信した複数の無線端末のそれぞれを識別する端末識別情報と、上記複数のプローブ要求又は位置登録要求のそれぞれの電波強度に関する情報、上記複数のプローブ要求又は位置登録要求のそれぞれの受信日時又は受信時刻に関する情報、及び、上記1以上の中継装置のそれぞれを識別する中継装置識別情報からなる群から選択される少なくとも1つの情報とが、上記複数のプローブ要求又は位置登録要求ごとに対応付けられた複数のログ情報を取得するログ情報取得部と、
上記複数のログ情報に基づいて、上記複数の無線端末のそれぞれのユーザの属性を特定する端末属性情報を生成する端末属性情報生成部と、
を備える、情報生成装置。
(項目2−2)
上記複数のログ情報のそれぞれは、特定の期間に受信されたプローブ要求又は位置登録要求に関する上記端末識別情報及び上記中継装置識別情報を含み、
上記情報生成装置は、上記中継装置識別情報のそれぞれと、上記中継装置識別情報のそれぞれにより識別される中継装置の位置情報及び属性情報の少なくとも一方とを対応付けて格納する中継装置情報格納部を更に備え、
上記端末属性情報生成部は、中継装置情報格納部に格納された情報を参照して、上記複数のログ情報に含まれる上記端末識別情報及び上記中継装置識別情報に基づいて、上記複数の無線端末のそれぞれについて、上記複数の無線端末のユーザの位置及び属性の少なくとも一方に関する統計情報を生成する統計処理部を有し、
上記端末属性情報生成部は、上記統計情報に基づいて、上記端末属性情報を生成する、
項目2−1に記載の情報生成装置。
(項目2−3)
上記統計処理部は、
上記複数のログ情報に含まれる上記端末識別情報及び上記中継装置識別情報に基づいて、上記複数の無線端末のそれぞれについて、上記中継装置識別情報の出現頻度又は出現確率を算出する統計情報算出部と、
上記出現頻度又は上記出現確率が予め定められた値よりも大きいか否かを判断し、上記出現頻度又は上記出現確率が予め定められた値よりも大きいと判断した中継装置識別情報を抽出する頻出情報抽出部と、
上記中継装置情報格納部に格納された情報を参照して、上記頻出情報抽出部により抽出された中継装置識別情報により識別される中継装置の位置情報及び属性情報の少なくとも一方を抽出する中継装置情報抽出部と、
上記統計情報算出部により算出された上記中継装置識別情報の出現頻度又は出現確率と、上記中継装置情報抽出部により抽出された位置情報及び属性情報の少なくとも一方とを対応付けることで、上記複数の無線端末のユーザの位置及び属性の少なくとも一方に関する統計情報を生成する統計情報生成部と、
を有する、
項目2−2に記載の情報生成装置。
(項目2−4)
上記複数のログ情報のそれぞれは、上記特定の期間に受信されたプローブ要求又は位置登録要求に関する上記電波強度に関する情報を更に含み、
上記情報生成装置は、上記特定の期間に受信されたプローブ要求又は位置登録要求に関する上記端末識別情報、上記中継装置識別情報及び上記電波強度に関する情報に基づいて、上記特定の期間に受信されたプローブ要求又は位置登録要求のそれぞれを送信した複数の無線端末のそれぞれが、複数のローカルエリアのいずれか1つの範囲内に存在したか否かを判定する端末位置判定部を更に備え、
上記複数のローカルエリアのそれぞれは、予め定められた範囲を有し、
上記予め定められた範囲には、上記1以上の中継装置の少なくとも1つが配置され、
上記端末属性情報生成部は、上記端末位置判定部の判定結果に基づいて、端末属性情報を生成する、
項目2−2または項目2−3に記載の情報生成装置。
(項目2−5)
上記複数のログ情報のそれぞれは、上記特定の期間に受信されたプローブ要求又は位置登録要求に関する上記受信日時又は受信時刻に関する情報を更に含み、
上記端末属性情報生成部は、上記受信日時又は受信時刻に関する情報及び上記端末位置判定部の判定結果に基づき、上記複数の無線端末のそれぞれについて、上記複数のローカルエリアのそれぞれの範囲内に存在した時間を算出し、上記複数のローカルエリアのそれぞれの範囲内に存在した時間に応じて、上記複数の無線端末を種別する端末種別部を更に備え、
上記端末属性情報生成部は、上記端末位置判定部の判定結果に基づいて、端末属性情報を生成する、
項目2−4に記載の情報生成装置。
(項目2−6)
上記複数の無線端末のうち、2以上の無線端末の上記端末属性情報の相関が予め定められた値よりも大きいか否かを判断し、上記2以上の無線端末の上記端末属性情報の相関が予め定められた値よりも大きいと判断した場合に、上記2以上の無線端末が同一のユーザにより所持されていると判定する、同一ユーザ判定部を更に備える、
項目2−1から項目2−5までの何れか一項に記載の情報生成装置。
(項目2−7)
コンピュータを、項目2−1から項目2−6までの何れか一項に記載の情報生成装置として機能させるための、プログラム。
(項目3−1)
1以上の中継装置において受信された複数のプローブ要求又は位置登録要求のそれぞれを送信した複数の無線端末のそれぞれを識別する端末識別情報と、上記複数のプローブ要求又は位置登録要求のそれぞれの電波強度に関する情報と、上記複数のプローブ要求又は位置登録要求のそれぞれの受信日時又は受信時刻に関する情報と、上記1以上の中継装置のそれぞれを識別する中継装置識別情報からなる群から選択される少なくとも1つの情報とが、上記複数のプローブ要求又は位置登録要求ごとに対応付けられた複数のログ情報を取得するログ情報取得部と、
上記端末識別情報、上記電波強度に関する情報及び上記受信日時又は受信時刻に関する情報と、予め定められた分類基準とに基づいて、上記複数のログ情報の少なくとも一部を複数のグループに分類するログ情報分類部と、
上記電波強度に関する情報及び上記中継装置識別情報に基づいて、上記1以上の中継装置ごとに、上記複数のグループのそれぞれについて、上記1以上の中継装置のそれぞれにおいて受信されたプローブ要求又は位置登録要求の電波強度を変量とする確率分布又は規格化された度数分布を算出する分布算出部と、
上記複数のグループのうちの少なくとも2つのグループの上記確率分布又は上記規格化された度数分布に基づいて、上記分類基準を調整する分類基準調整部と、
を備える情報分類装置。
(項目3−2)
上記端末識別情報、上記中継装置識別情報及び上記受信日時又は受信時刻に関する情報に基づいて、上記複数のログ情報の少なくとも一部の中から、上記端末識別情報及び上記中継装置識別情報が同一であり、上記受信日時又は受信時刻が時間的に連続する1以上のログ情報を抽出し、抽出された1以上のログ情報からなる1以上の連続ログ情報を生成する連続ログ情報生成部を更に備え、
上記ログ情報分類部は、
上記1以上の連続ログ情報のそれぞれを解析して、予め定められた電波強度よりも大きな電波強度のプローブ要求又は位置登録要求が継続して受信された時間が、予め定められた時間より長いと判断した場合、当該連続ログ情報に含まれるログ情報を、上記1以上の中継装置のそれぞれが配置されたローカルエリアの範囲内に存在した無線端末から送信された可能性のあるプローブ要求又は位置登録要求に関する第1のグループに分類し、
上記1以上の連続ログ情報のそれぞれを解析して、上記予め定められた電波強度よりも大きな電波強度のプローブ要求又は位置登録要求が継続して受信された時間が、上記予め定められた時間より長くないと判断した場合、当該連続ログ情報に含まれるログ情報を、上記ローカルエリアの範囲外に存在した無線端末から送信された可能性のあるプローブ要求又は位置登録要求に関する第2のグループに分類し、
上記分類基準調整部は、ログ情報分類部による分類結果の誤差が予め定められた条件に合致するように、上記予め定められた電波強度を調整する、
項目3−1に記載の情報分類装置。
(項目3−3)
コンピュータを、項目3−1又は項目3−2に記載の情報分類装置として機能させるための、プログラム。