(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
特定の訴求対象の場所に基づいて特定の非訴求対象を投稿者クライアントに表示すると共に前記投稿者クライアントから当該非訴求対象に関する情報を投稿可能とし、この投稿を前記非訴求対象に紐付けて記憶する投稿手段と、
訴求対象の特性に基づいて非訴求対象をその投稿情報と共に抽出し、コンピュータで閲覧可能な当該訴求対象の専用サイトを生成する専用サイト生成手段と、
を備え、
前記投稿手段は、前記特定の非訴求対象を表示するにあたり、優先的に表示させる非訴求対象を訴求対象の地域特性に基づいて設定可能であり、且つ訴求対象自体への投稿情報を当該訴求対象に紐付けて記憶することを特徴とする関連情報提供システム。
コンピュータを、特定の訴求対象の場所に基づいて特定の非訴求対象を投稿者クライアントに表示すると共に前記投稿者クライアントから当該非訴求対象に関する情報を投稿可能とし、この投稿を前記非訴求対象に紐付けて記憶すると共に、前記特定の非訴求対象を表示するにあたり、優先的に表示させる非訴求対象を訴求対象の地域特性に基づいて設定可能であり、且つ訴求対象自体への投稿情報を当該訴求対象に紐付けて記憶する投稿手段、
訴求対象の特性に基づいて非訴求対象をその投稿情報と共に抽出し、コンピュータで閲覧可能な当該訴求対象の専用サイトを生成する専用サイト生成手段、
として機能させることを特徴とする関連情報提供プログラム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に記載の不動産周辺情報提供システムでは、特定の不動産の周囲に存在している各種の施設の種類と位置に基づく当該不動産の一般的な評価をすることはできるが、その施設の詳細な情報や一般人の評判等を通じた実質的な評価をすることができないという問題点がある。そこで、この発明は、不動産の周囲の情報からより実質的な価値判断を行うことができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の関連情報提供システムは、特定の訴求対象に関連する非訴求対象に対する投稿情報を当該非訴求対象に紐付けて記憶する投稿手段と、訴求対象の特性に基づいて非訴求対象をその投稿情報と共に抽出し、コンピュータで閲覧可能な当該訴求対象の専用サイトを生成する専用サイト生成手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の関連情報提供システムは、上記発明において、前記投稿手段が、訴求対象自体への投稿情報を当該訴求対象に紐付けて記憶することを特徴とする。
【0008】
また、本発明の関連情報提供システムは、上記発明において、専用サイト生成手段は、所定の基準に従って特定の非訴求対象又は非訴求対象の投稿情報を優先的に表示させることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の関連情報提供システムは、上記発明において、更に、特定の訴求対象の取引成立に貢献した投稿の投稿者にポイント等の特典を所定のルールに基づいて付与する特典付与手段を含むことを特徴とする。なお、この所定のルールには、例えば、アンケート分析、ログ解析、統計分析、ソーシャル分析、又はこれらの組み合わせを少なくとも含むものとする。
【0010】
また、本発明の関連情報提供プログラムは、コンピュータを、特定の訴求対象に関連する非訴求対象に対する投稿情報を当該非訴求対象に紐付けて記憶する投稿手段、訴求対象の特性に基づいて非訴求対象をその投稿情報と共に抽出し、コンピュータで閲覧可能な当該訴求対象の専用サイトを生成する専用サイト生成手段として機能させることを特徴とする。
【0011】
(訴求対象が不動産である場合)
本発明の訴求対象周辺情報提供システムは、特定の不動産等の訴求対象の場所に基づいた駅、公園、病院等の非訴求対象に対する投稿を非訴求対象の場所情報に紐付けて記憶すると共に非訴求対象を前記訴求対象に紐付けて記憶する投稿手段と、訴求対象の場所情報に基づいて非訴求対象をその投稿情報と共に抽出し、インターネットを介して閲覧可能な当該訴求対象の専用サイトを生成する専用サイト生成手段とことを特徴とする。
【0012】
また、本発明の訴求対象周辺情報提供システムは、上記発明において、更に、前記投稿手段には、訴求対象自体への投稿を当該訴求対象に紐つけて記憶することを特徴とする。
【0013】
また、本発明の訴求対象周辺情報提供システムは、上記発明において、前記専用サイト生成手段は、他の訴求対象の場所情報に基づいて前記非訴求対象を投稿情報と共に抽出し、他の訴求対象の専用サイトを生成することを特徴とする。
【0014】
また、本発明の訴求対象周辺情報提供システムは、上記発明において、更に、特定の訴求対象の取引成立に貢献した投稿の投稿者にポイント等の特典を所定のルールに基づいて付与する特典付与手段を含むことを特徴とする。
【0015】
また、本発明の訴求対象周辺情報提供システムは、上記発明において、更に、複数の投稿の中から特定の投稿を管理者に選択させる投稿管理手段を有することを特徴とする。
【0016】
また、本発明の訴求対象周辺情報提供プログラムは、コンピュータを、特定の不動産等の訴求対象の場所に基づいた駅、公園、病院等の非訴求対象に対する投稿を非訴求対象の場所情報に紐付けて規則すると共に非訴求対象を前記訴求対象に紐付けて記憶する投稿手段、訴求対象の場所情報に基づいて非訴求対象をその投稿情報と共に抽出し、インターネットを介して閲覧可能な当該訴求対象の専用サイトを生成する専用サイト生成手段、として機能させるためのものである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(実施の形態1)
図1は、この発明の実施の形態1にかかる不動産周辺情報提供システムを示す構成図である。
図2は、この不動産周辺情報提供システムを示す機能ブロック図である。この不動産周辺情報提供システムは、訴求対象である不動産及び当該不動産に場所的に関連性の高い公的又は私的施設等についての投稿情報(以下、「マチコエ」という。)を収集して一般に提供するマチコエサーバ1と、マチコエ等を格納するデータベースサーバ2とから構成され、不動産の販売や賃貸を事業とする不動産取引事業者が有する不動産取引サーバ3、マチコエサーバ1に対して投稿その他の手段により不動産に関する情報を提供する投稿者クライアント4、不動産の販売や賃貸を希望する顧客が利用する顧客クライアント5とネットワークで接続される。なお、前記サーバ及びクライアントは、汎用コンピュータ及びソフトウェアにより構成される。
【0019】
また、この不動産周辺情報提供システム100は、投稿者の氏名などを登録する投稿者登録部11と、投稿募集内容を自動的に生成すると共に投稿のためのサポートを行い且つ投稿者からの投稿を受け付ける投稿部12と、投稿情報の管理を行う投稿管理部13と、非訴求対象及び訴求対象のマチコエを自動抽出して訴求対象の専用サイト(マチコエレポート)を生成するマチコエレポート生成部と、投稿者に対してポイントを付与するポイント付与部15と、訴求対象の成約事実等から管理者の報酬の計算等を行う取引情報管理部16とを有する。
【0020】
図3は、不動産周辺情報提供システムによる投稿募集までの処理手順を示すフローチャートである。なお、マチコエサーバ1の管理者はマチコエサーバ1を直接操作し、投稿者や顧客は各クライアントを通じて操作を行う。
【0021】
(投稿募集内容)
図4は、投稿募集入力画面の一例を示す説明図である。不動産取引事業者が、販売又は賃貸する予定である不動産(以下、「訴求対象」という。)の周辺の駅、バス停、小売店、飲食店、郵便局、官公署、学校、幼稚園、保育園、病院、高速道路、国道、県道、主要地方道、道、鉄道、都道府県庁、市区役所、町村役場、出張所、警察署、交番、駐在所、消防署、ホテル、旅館、銀行、神社等(以下、「非訴求対象」という。)に関する情報を含むマチコエレポートの作成依頼を受けると、マチコエサーバ1の管理者は、投稿募集入力画面51の当該訴求対象の場所、集合住宅の場合は建物名、必要により写真、備考等の基本情報を各記入欄に入力する。
【0022】
一般的に不動産業界ではファクシミリにより不動産情報を共有する傾向が強く、必ずしも電子データとして不動産情報が入手されるとは限らない。このため、訴求対象の基本情報は、原則として管理者により上記投稿募集入力画面51から入力される。なお、不動産取引業者が自ら入力するようにしても良いし、不動産流通に関する外部システム(例えば、REINS: Real Estate Information Network System、財団法人東日本不動産流通機構の商標)から自動的に不動産情報が入力されるようにしても良い。管理者がマチコエサーバ1に訴求対象の基本情報を入力して確定すると、投稿管理部13はこれをデータベースに記憶する(ステップ1)。また、投稿部12は、当該不動産情報から投稿募集内容を生成して
図5に示す投稿募集画面52を生成する(ステップ2)。
【0023】
前記投稿募集内容は、訴求対象の場所等の基本情報に基づいて生成する。例えば、管理者が、投稿募集入力画面51の場所欄に「東京都世田谷区下馬2丁目」と入力すると、投稿部12は、「東京都世田谷区下馬2丁目(最寄駅:三軒茶屋)付近の物件を検討されている方に、オススメの店舗施設・施設情報を投稿してください。特に○○小学校/スーパー/公園/病院を募集しています。閉め切り:○月○日15時まで!!」という投稿募集内容を自動的に生成し、これを投稿募集画面52に表示する。このとき、
図5に示すように、投稿募集画面52には「東京都世田谷区下馬2丁目」を中心とした地
図53が表示され、その場所周辺にある特定の非訴求対象を予め地図上に表示する。特定の非訴求対象とは、駅、バス停、病院等の公共性の強いもの、及び、大型スーパーマーケット、大型小売店、著名な飲食店等の営利性のものである。なお、基本情報から場所情報を自動的に抽出して投稿募集入力画面51を自動生成するようにしても良い。
【0024】
このようにして生成した投稿募集画面52は、投稿者クライアントのブラウザで閲覧可能となる(ステップ3)。投稿者は、各訴求対象の投稿募集画面52を閲覧する。投稿募集画面52には複数の訴求対象の投稿募集内容が表示されており、投稿者が投稿募集内容を自由に選択可能となっている。特定の投稿募集内容を選択するとリンク先の投稿者管理画面54に移動する(ステップ4)。
【0025】
(投稿者登録・認証)
投稿者登録部11は、投稿者クライアント4に
図6に示すような投稿者管理画面54の情報を送信する。投稿者クライアント4は、投稿者管理画面54に表示されたユーザ名入力欄、パスワード入力欄、電子メールアドレス入力欄に入力されたユーザ名、パスワード等の投稿者情報をマチコエサーバ1に送信する。投稿者登録部11は、この投稿者情報を取得してデータベースサーバ2に格納し、当該入力されたメールアドレスに登録確認のメールを送信する。なお、既に投稿者としての登録をしている投稿者は、ユーザ名とパスワードのみで本人の認証を行い、投稿サポート画面55に移動できる(ステップ5)。
【0026】
(投稿)
図7は、投稿サポート画面55の一例を示す説明図である。投稿部12は、投稿サポート画面55に投稿者が投稿しやすくなるようなサポート情報を投稿者クライアント4に送信する(ステップ6)。この投稿サポート画面55には、訴求対象の場所情報等の基本情報に基づいた多数の非訴求対象がカテゴリ別に表示される。このカテゴリのいずれかをクリックすると当該カテゴリに属する非訴求対象のサブカテゴリ一覧が表示される。例えば、「病院」のカテゴリをクリックすると、サブカテゴリが表示されるので「総合病院」を更にクリックすると、付近の総合病院の名前と一般的な情報が表示される。例えば、「○○総合病院」の名前、写真、動画、住所が含まれ、文章として「1981年に創設された渋谷区では最も規模の大きな病院で・・・・」と表示される。
【0027】
更に、投稿部12は、選択された非訴求対象の場所情報等の基本情報に基づいて自動的に地図及び周辺写真(例えば「ストリートビュー」グーグル社商標)を表示する。また、その表示が許諾されているショートブログ(例えば「Twitter」Twitter社商標)を非訴求対象の名称等からキーワード検索等で自動抽出して表示する。更に、その表示が許諾されているQ&Aのサイトから非訴求対象の名称から自動抽出したQ&Aを表示する。また、投稿部12は、投稿サポート画面55の中央に表示する種別のタグを画面上部に表示する。例えば投稿サポート画面55の上部に「Wiki」、「S.Blog」、「Q&A」と表示する。
【0028】
また、投稿サポート画面55には、過去に多くの投稿者や顧客が閲覧した訴求対象、非訴求対象に関する情報を抽出して優先的に表示させても良い。また、地域性を持たせた表示を行うようにしても良い。即ち、投稿部12は、投稿サポート画面55に優先的に表示する内容を地域特性に基づいて選択・設定可能な機能を備える。例えば、港区で不動産を探している顧客は教育に関心が高い傾向にあることから、不動産が「港区」に存在するときは当該教育施設の情報を優先的に投稿サポート画面55に表示する。
【0029】
また、優先的に表示する基準としては、上記の他、購買検討時の時事性や、性別、年齢、職業、年収等のパーソナリティ等に基づいて上記優先的な表示を行うようにしても良い。
【0030】
投稿者は、上記カテゴリから投稿したい非訴求対象を選択するか、或いは、キーワード検索した上で投稿したい非訴求対象を選択する。
図8は、投稿画面56の一例を示す説明図である。投稿部12は、投稿者クライアント4に投稿サポート画面55で選択した非訴求対象の投稿画面56を送信する(ステップ7)。各非訴求対象の投稿画面56には、選択された非訴求対象と、マチコエの投稿欄57とが表示される。この投稿欄57には、投稿者が自由に書き込むことが可能である。例えば、投稿者が投稿サポート画面55で「○○総合病院」を選択した場合には、投稿画面56には「○○総合病院」の名前が表示され、その下に投稿欄が表示される。投稿者は、「この病院の整形外科はとても良いと評判です。」等と投稿する。投稿は、文章以外にも、写真や動画でも投稿可能である。写真や動画は、
図8の参照ボタンをクリックして、写真や動画を格納している場所から呼び出し、添付できる。
【0031】
また、投稿者は訴求対象自体に対しても投稿可能である。投稿画面56には、訴求対象自体の基本情報も表示される。具体的には、当該訴求対象の場所情報(所在地)、必要により外観写真や関連情報(土地面積、床面積、築年数等)が掲載される。例えば、この訴求対象を良く知る近隣住民、集合住宅であれば当該訴求対象の居住者が、訴求対象自体に対して投稿を行うことになる。投稿画面56には、訴求対象の投稿欄57が表示されるので、投稿者はクライアント4からこの投稿欄37にマチコエを投稿する。例えば、「このマンションの住民は若い年代が多く、都心に通勤する会社員が中心です。」等のマチコエがクライアント4から投稿される。投稿部12は、クライアント4から投稿されたマチコエを非訴求対象及び訴求対象と紐付けてデータベースサーバ2に格納する。また、上記投稿募集画面52を経ることなくこの投稿サポート画面55に入ることもできる。
【0032】
(投稿情報の選択)
図9は、マチコエの選択を行う投稿情報管理画面の一例を示す説明図である。投稿管理部13は、投稿された非訴求対象及び訴求対象のマチコエを投稿情報管理画面58に表示する。マチコエサーバ1の管理者は、投稿されたマチコエに対して必要に応じて評価を行い、マチコエとして採用する情報を選択する。これは、価値のない投稿や単なる誹謗中傷等の問題のある投稿を選別するためである。投稿の中には、当該訴求対象の価格下落やその購入希望者を減らすため、当該訴求対象に不利益となる虚偽情報を故意に投稿するおそれもあり、これらを除外するためでもある。
【0033】
投稿情報管理画面58には、マチコエ59毎に「選択」及び「削除」のチェック欄が生成されて表示される。投稿者はその投稿を選択するか又は削除するか決定し、前記チェック欄のいずれかにチェックを入れる。選択された投稿はマチコエとして投稿者情報と共にデータベースサーバ2に記憶される。
【0034】
また、ポイント付与部15は、投稿がマチコエとして採用された投稿者に対して所定のポイントを付与する(ステップ10)。このポイントの使用先については、様々な形態が考えられる。例えば、依頼をした不動産取引業者の提供するサービス(不動産仲介料等)の対価として用いることができる。また、ショートブログの内容やQ&Aをマチコエサーバ1の管理者が選択した場合、前記ショートブログの記載者やQ&Aの記載者にもポイントを付与できる。これの者が必ずしも投稿者として登録されているわけではないので、何らかの方法で記載者にポイントが付与される旨を通知する必要がある。このため、ポイント付与部15は、このような記載者にポイント付与する場合、登録すればポイントが付与される旨の記載を後述のマチコエレポート画面60上に自動表示し、当該記載者が何らかの検索により自己にポイントが付与されることを知ったとき、投稿者登録画面に移動できるように当該投稿者登録画面のURLを合わせて表示しておく。
【0035】
(マチコエレポートの生成)
図10は、マチコエレポート画面の一例を示す説明図である。上記のようにして選択されたマチコエは、その非訴求対象及び訴求対象に紐付けて記憶されているので、特定の訴求対象の場所情報等から自動的に当該非訴求対象を抽出したとき、これに紐付くマチコエが表示されることになる。また、当該訴求対象自体に投稿されたマチコエについても自動的に表示されることになる。マチコエレポート生成部14は、選択された訴求対象と共にその周辺の非訴求対象及び当該非訴求対象のマチコエ並びに訴求対象自体のマチコエを自動抽出して、これらを所定フォーマットに展開し、マチコエレポート(不動産周辺情報)とする。
【0036】
具体的には、マチコエレポート生成部14は、
図10に示すように、訴求対象の基本情報、マチコエの種別のタグ61(「Wiki」、「S.Blog」、「Q&A」)、非訴求対象のカテゴリ62(サブカテゴリを含む)、複数のお勧めのマチコエ63をマチコエレポート(当該訴求対象の専用サイト)として生成する。トップページはWikiの表示であり、カテゴリ62を選択することで、当該カテゴリ62に該当する非訴求対象のマチコエ63を閲覧できる。S.Blogのタグを選択すると、非訴求対象のマチコエがブログ形式で表示される。Q&Aのタグを選択すると、非訴求対象のマチコエがQ&A形式で表示される。また、訴求対象自体のマチコエのタグを選択することで、当該不動産自体に関するマチコエがWiki、S.Blog及びQ&A形式で表示される。
【0037】
投稿部12は上記投稿募集画面52が存在する期間、日々新しい投稿を受け付ける。マチコエサーバ1の管理者は定期的に投稿の選択を行い、上記のように非訴求対象及び訴求対象に紐付けて記憶する。これにより、非訴求対象及び訴求対象に関するマチコエは最新のものに更新されていくので、当該マチコエレポートには非訴求対象及び訴求対象に関する新鮮なマチコエが表示される。
【0038】
なお、上記投稿がない場合、又は、投稿数が不十分である場合には、マチコエサーバ1の管理者が非訴求対象及び訴求対象の情報を自ら収集して、マチコエを作成する。この場合も、投稿募集画面52から必要なマチコエを入力すればよい。
【0039】
更に、マチコエレポート生成部14は、過去に多くの顧客が閲覧した非訴求対象に関する情報を抽出して優先的にマチコエレポートに表示させても良い。また、地域性を持たせた表示を行うようにしても良い。即ち、マチコエレポート生成部14は、マチコエレポートに優先的に表示する内容を地域特性に基づいて選択・設定可能な機能を備える。例えば、港区で不動産を探している顧客は教育に関心が高い傾向にあることから、不動産が「港区」に存在するときは当該教育施設の情報を優先的にマチコエレポートに表示する。
【0040】
また、優先的に表示する基準としては、上記の他、購買検討時の時事性や、性別、年齢、職業、年収等のパーソナリティ等に基づいて上記優先的な表示を行うようにしても良い。
【0041】
次に、マチコエサーバ1の管理者は、不動産取引業者から依頼を受けた訴求対象の専用サイト(マチコエレポート)が自動作成された後、不動産取引業者に内容の確認を依頼する。この場合、不動産取引業者には、専用サイトのURLを与えて不動産取引業者のコンピュータのブラウザから閲覧可能とする。不動産取引業者から修正の依頼があれば修正を行い、公開の指示があれば、マチコエサーバ1の管理者はマチコエサーバ1側で作成した訴求対象の専用サイトを顧客のクライアントで閲覧可能な状態にする(ステップ12)。
【0042】
不動産取引業者は、顧客(購入希望者又は賃借希望者)に対して当該マチコエレポートの案内を行う。この案内は、不動産取引業者に対して連絡先を教えた顧客に対し、電子メール、手紙、電話等により送られる。顧客は、不動産取引業者から送られたURLにアクセスして訴求対象のマチコエを閲覧し、当該訴求対象の購入又は賃借の参考とする。なお、顧客が自らマチコエサイトを検索することで発見されたり、第三者からTwitter等を介して紹介される場合もある。
【0043】
(成約)
図11は、不動産周辺情報提供システムによる成約からポイント付与までの処理手順を示すフローチャートである。訴求対象の不動産の売買又は賃貸の契約が成立した場合、不動産取引業者からマチコエサーバ1の管理者に成約報告(成約日、価格等を含む)がなされる。当該成約報告は電話、電子メール、マチコエサーバ1への直接入力のいずれでも良い。他にも、外部システム(REINS等)に登録済みの成約データを参照したり、物件成約者本人から何らかの手段で成約の連絡を受けるような手段も考えられる。電子メールや電話の場合はマチコエサーバ1の管理者が成約報告の内容を取引情報管理部16に直接入力する(成約情報の取得:ステップ21)。
【0044】
取引情報管理部16は、受領した報告から契約成立日を抽出し、サイト公開からの日数を計算する。日数に基づいてマチコエサーバ1の管理者の報酬が決定される場合、取引情報管理部16は、その日数から所定のルールに従って報酬額の計算を行い、必要により請求書を自動生成する。当該請求書は、マチコエサーバ1の管理者から不動産取引業者にメール送信または郵送される。不動産取引業者は、請求書に従いマチコエサーバ1の管理者に報酬の支払いを行う。この報酬の支払いはマチコエサーバ1の提供する支払画面(図示省略)からクレジットカード等を用いて行うことができる。
【0045】
また、マチコエサーバ1のポイント付与部15は、不動産取引業者に対して電子メールでアンケート依頼を送信する(ステップ22)。不動産取引業者は当該アンケートを成約に係る顧客に転送する。当該アンケート依頼には、どのマチコエが訴求対象の購入または賃借の意思決定に貢献したのかの問いが記載されている。顧客は、アンケート依頼を確認し、アンケートに記載されているURLにアクセスする。ポイント付与部15は、顧客クライアントにアンケート回答画面64を送信する(ステップ23)。
【0046】
図12は、アンケート回答画面64の一例を示す説明図である。ポイント付与部15は、アンケート回答画面64に訴求対象に関するマチコエ65を表示すると共に「物件成約の決め手となったマチコエを教えてください!」、「これらのマチコエの中から物件成約の決め手となったものはどれか教えてください?」等の説明を表示する。アンケート回答画面64には、実際にその顧客が閲覧した形跡のあるマチコエ65を表示する。ポイント付与部15は、顧客により選択されたマチコエ65を、
図13に示すように画面中央に表示する。
【0047】
アンケート回答画面64には、「少し参考になった」、「参考になった」、「大いに参考になった」等の複数段階に分けて回答できるチェック欄が表示される。顧客がチェック欄にチェックを入れてクライアントからアンケート結果を送信すると、ポイント付与部15はアンケート結果を取得すると共に(ステップ24)、このアンケート結果に基づいて、投稿者にポイントを付与する(ステップ25)。
【0048】
ポイント付与部15によるポイントの付与は、例えば以下のようなルールに基づいて行う。「少し参考になった」の回答を得た場合には1000ポイント、「参考になった」の回答を得た場合には3000ポイント、「大いに参考になった」の回答を得た場合には5000ポイントのルールに従ってポイントを自動的に付与する。なお、ポイントの付与ルールは当該方法以外の方法によっても可能である。例えば、上記複数段階の評価ではなく、成約の決め手となったマチコエであると顧客により選択された場合、その選択された全てのマチコエの投稿者に一律にポイントを付与するようにして良い。
【0049】
また、顧客が物件成約してから1ヶ月後、半年後、一年後のように定期的に上記同様のアンケートを行い、時間が経過しても同じように成約の決め手となったと回答されたマチコエについては、重ねてポイントを付与するようにしても良い。
【0050】
以上のように、この不動産周辺情報提供システム100によれば、非訴求対象及び訴求対象に関するマチコエを不動産の購入や賃借の際の参考資料とすることができるので、生活する場合に実際上必要となる生きた情報が得られ、訴求対象である不動産の実質的な価値判断を行うことができるようになる。
【0051】
(別のポイント付与手順)
また、不動産周辺情報提供システム100による成約からポイント付与までの処理手順を以下のようにしても良い。
(ログ分析) ポイント付与部15は、顧客のマチコエレポートの閲覧ログからマチコエ毎に閲覧数の集計を取得し、最も閲覧数が多いマチコエの投稿者から順(たとえば1番から10番まで)にその順に従ったポイントを自動的に付与するようにしても良い。この場合、ポイント付与部15はポイントが付与されたマチコエの投稿者のメールアドレスにポイントが付与された旨のメールを送信するようにしても良い。なお、同図では、不動産取引業者からの報酬支払の後にポイント付与の処理に進むが、報酬支払の有無に関係なくポイント付与することもできる。
【0052】
また、ポイント付与部15は、顧客が実際に訪れた場所(店舗等)を携帯電話のGPS情報や買い物代金の決済データ等から識別し、顧客が当該場所を訪問したことをもって物件成約の参考にしたものとみなし、当該場所に関するマチコエを投稿した投稿者にポイントを付与するようにしても良い。
【0053】
(統計分析) ポイント付与部15は、過去に貢献度が高かったであろうマチコエが今回の物件成約に貢献したものとしてポイントを付与するようにしても良い。例えば、ポイント付与部15は、成約物件から一定の距離の範囲内にあり且つ過去に物件成約の決め手となったマチコエを抽出し、このマチコエが今回の物件の成約の決め手になったであろうとみなして自動的にポイントを付与する。また、過去に貢献度が高いと評価されたマチコエが複数存在する場合、最新のものほど貢献度が高いものとみなし、当該最新のマチコエには所定の係数を掛けたうえでポイントを加算するようにしても良い。また、カテゴリ毎に地域特性に応じてポイントの加算係数を変えても良い。例えば、港区で不動産を探す人は教育施設への投稿を重視するので、教育施設への投稿に高い係数を与えるようにする。
【0054】
(ソーシャル分析) ポイント付与部15は、顧客の不動産成約した友人が「参考にした」、「決め手となった」と回答した場合、この友人は顧客に参考となったマチコエを紹介しているとみなし、この紹介されたマチコエの投稿者にポイントを付与するようにしても良い。また、複数のソーシャルネットワークの友達情報を解析し、友達登録やコミュニケーションの頻度の高い友人とのつながりが強い投稿者と判断できれば、その投稿者へのポイントの付与にあたり重みを付けるようにすることもできる。
【0055】
(別の訴求対象から専用サイトを作成する場合)
図14は、不動産周辺情報提供システムのデータベースサーバのデータ構造の簡略図である。このように、データベースサーバ2には、ある訴求対象に対して複数の非訴求対象が紐付けられ、この非訴求対象に対してマチコエが紐付けられて記憶されている。また、訴求対象自体にもマチコエが紐付けられて記憶されている。
【0056】
このように、非訴求対象に関するマチコエが投稿され、これらが蓄積されていくと、他の訴求対象のマチコエレポートにも活用できるようになる。上記の例では、「世田谷区下馬2丁目」の近くの住所の「世田谷区野沢1丁目」の投稿を募集するにあたり、既存の非訴求対象の投稿を用いることができる。例えば、いずれの住所からでも同じ総合病院が非訴求対象として挙げられるのであれば、当該総合病院のマチコエを他の訴求対象のマチコエとして採り上げることができる。既存の投稿を採り上げる基準は、他の訴求対象に対する非訴求対象の場所情報である。なお、他の訴求対象に特有の非訴求対象については上記同様に投稿できる。また、訴求対象は他の訴求対象との関係で非訴求対象となり得る。上記例では、「世田谷区下馬2丁目」の物件は、「世田谷区野沢1丁目」の物件の非訴求対象となり得る(
図14にて点線で示す)。
【0057】
他の訴求対象のマチコエとして採用され、他の訴求対象においても当該マチコエが不動産の購入又は賃借の意思決定に貢献した場合にはそのマチコエの投稿者に対して更にポイントが付与される。このため、非訴求対象に対する投稿は一つの訴求対象のためではなく、将来的に発生する他の訴求対象の投稿ともなり得ることになるから、投稿者は質の高い投稿をすることで継続してポイントを取得でき、これが投稿者に対するインセンティブとして有効に働く。
【0058】
また、上記では、投稿部12による投稿の他、ショートブログやQ&Aから非訴求対象の情報に基づいて自動抽出し、上記投稿サポート画面55に表示される。このため、他のウェブサイト上に存在する非訴求対象への投稿を訴求対象に紐づけることができるので、より多くのマチコエを収集できる。また、投稿募集画面52による投稿募集を端緒とすることなく、投稿者が行った非訴求対象への投稿をマチコエとして採用しても良いし、他のウェブサイト上で行われた非訴求対象への投稿をマチコエとして採用しても良い。なお、上記実施の形態では不動産を訴求対象として例示したが、その場所の周辺の情報が実質的な価値を決定することになる、「旅行先」、「学校(進学希望の学校)」、「ホテル、旅館」などの価値判断に有効である。
【0059】
(実施の形態2)
上記実施の形態1では不動産を訴求対象の例として挙げたが、訴求対象と非訴求対象との組み合わせは、上記に限定されない。
【0060】
この発明は、所定の基準により訴求対象と関連づけられる非訴求対象に対し、一般から情報を投稿してもらい、非訴求対象に関する投稿を通じて最終的に訴求対象の購買の判断材料とする点にある。そうなると、訴求対象の種類によって、関連する非訴求対象が特定されることになり、この「関連性」は社会通念上関連性が強いことを意味するものとなる。
【0061】
以下に具体例を挙げると、訴求対象が薄型テレビであれば、そのテレビの機能についての投稿は訴求対象への投稿であり、ワールドカップ等が薄型テレビに関連付けられる非訴求対象として考えられる。訴求対象がエアコンであれば、そのエアコンの機能についての投稿は訴求対象への投稿であり、エコポイント、天気予報等が非訴求対象となる。訴求対象が結婚紹介サービスであれば、相手及び相手方家族の口コミ情報が訴求対象への投稿であり、出産適齢期等が非訴求対象となる。訴求対象が人材紹介サービスであれば、当該企業の口コミ情報が訴求対象への投稿であり、当該企業が属する業界の展望等が非訴求対象となる。訴求対象がダイエット食品であれば、そのダイエット食品の安全性等の情報が訴求対象への投稿となり、肥満関連の病気等、消費者契約法等が非訴求対象となる。