(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
【0018】
<第1実施形態>
まず、第1実施形態における遊技機10について説明する。
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は本体枠(外枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(
図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(内枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15が開閉可能に取り付けられている。
【0019】
また、ガラス枠15の上部には、ランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠15の左右にはランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。
【0020】
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23、打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した演出ボタン25が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12を開放したり施錠したりするための鍵26が設けられている。
【0021】
この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32(
図2参照)に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25を操作することによって、表示装置41(
図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行わせることができる。さらに、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。
【0022】
次に、
図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。
図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、当該センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。すなわち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。
【0023】
表示装置41は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等の遊技に関する情報が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
【0024】
遊技領域32のセンターケース40の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。センターケース40の左下側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の右下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。
これら一般入賞口35、…には、各一般入賞口35に入った遊技球を検出するための入賞口スイッチ35a〜35n(
図3参照)が配設されている。
【0025】
また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞口36(第1始動入賞口)が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材37b,37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口を有する普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。
【0026】
普通変動入賞装置37の一対の可動部材37b,37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいて閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置37の上方には、始動入賞口36が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(
図3参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
また、普通変動入賞装置37の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
【0027】
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉を有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。
すなわち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(
図3参照)により駆動される開閉扉によって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。
【0028】
なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ38a(
図3参照)が配設されている。
特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口39が設けられている。
また、遊技領域32の外側(例えば、遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
【0029】
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特
図1表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特
図2表示器)52を備える。また、LEDランプで構成された普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部、遊技状態を報知する遊技状態表示部、エラーを表示するエラー表示部、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部などからなるLED表示部53が設けられている。
【0030】
特
図1表示器51と特
図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、すなわち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば、「3」や「7」の数字)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
【0031】
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口39へ流入し遊技領域32から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200(
図3参照)によって制御される払出ユニットから、前面枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
【0032】
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(
図3参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数(例えば、4個)未満ならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50のLED表示部53の始動記憶数報知用の記憶表示部に表示される。
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(普図特定結果)が導出されることとなる。
【0033】
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられたLED表示部53の変動表示部(普図表示器)で実行されるようになっている。普図表示器は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が普図特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の一対の可動部材37bが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
【0034】
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当り値であるときには、LED表示部53の普図表示器に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普通変動入賞装置37は、内蔵されている普電ソレノイド37c(
図3参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、遊技球の入賞が許容される。
【0035】
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第1始動記憶として所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、第2始動記憶として所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(
図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動記憶数報知用の記憶表示部に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても表示される。
【0036】
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、一括表示装置50に設けられた特
図1表示器(変動表示装置)51又は特
図2表示器(変動表示装置)52で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。
第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
そして、特図変動表示ゲームの結果として、特
図1表示器51若しくは特
図2表示器52の表示態様が特別結果態様(特別結果)となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41の表示態様(停止結果態様)も特別結果態様となる。
【0037】
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば、まず前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)を左変動表示領域(第一特別図柄)、右変動表示領域(第二特別図柄)、中変動表示領域(第三特別図柄)のそれぞれにおいて各図柄を識別困難な速さで変動表示(高速変動)する。そして、所定時間後に変動している図柄を左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の順に順次停止させて、左変動表示領域、右変動表示領域、中変動表示領域の各々で停止表示された識別情報により構成される停止結果態様により特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
【0038】
なお、特
図1表示器51、特
図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特
図1表示器51、特
図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。すなわち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
【0039】
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
【0040】
一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。
以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
【0041】
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。また、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
【0042】
図3は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
【0043】
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
【0044】
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
【0045】
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、すなわち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、本実施形態のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
【0046】
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
すなわち、遊技制御装置100(具体的には、遊技制御装置100のRAM111C等)が、遊技制御手段(遊技制御装置100)での制御に関する情報を停電時も保持可能な記憶手段をなす。
【0047】
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
【0048】
遊技用マイコン111は、遊技を統括的に制御する遊技制御手段を構成している。具体的には、遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
【0049】
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
【0050】
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。
変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、後半変動パターンテーブル、前半変動パターンテーブルが含まれている。
【0051】
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
【0052】
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャルリーチ、プレミアリーチ等が設定されている。
【0053】
なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャルリーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。すなわち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定する場合(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
【0054】
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
【0055】
また、CPU111Aは、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。
【0056】
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
【0057】
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aが接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換する近接スイッチ用インタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
【0058】
近接I/F121の出力はすべて第2入力ポート122へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、すなわち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
【0059】
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
【0060】
また、入力部120には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61及び振動センサスイッチ62からの信号及び上記近接I/F121により変換された始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aからの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第2入力ポート122が設けられている。
第2入力ポート122に保持されているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート122に割り当てられているアドレスをデコードすることでイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することによって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
【0061】
さらに、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63及び前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
【0062】
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
【0063】
一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。
なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
【0064】
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132とを備える。遊技制御装置100から払出制御装置200及び演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。
また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、すなわち、片方向通信を担保するために第1出力ポート131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
【0065】
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
【0066】
一方、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
【0067】
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38bや普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71から出力された遊技機10に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
【0068】
さらに、出力部130には、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
【0069】
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、すなわち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
【0070】
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123のようなポートは設けられていない。
【0071】
次に、
図4を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
【0072】
上記主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM324が接続されている。
主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
【0073】
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)313aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ313b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313cなどが設けられている。
【0074】
VDP313から主制御用マイコン311へは表示装置41の映像と前面枠12や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
【0075】
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
【0076】
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくる制御コマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
【0077】
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置42を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、前面枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば、枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば、表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物等)を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠12に設けられている枠演出装置45(例えば、前記ムービングライト16を動作させるモータ等)を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
【0078】
さらに、演出制御装置300には、前面枠12に設けられた演出ボタン25に内蔵されているスイッチ25aや上記盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336、前面枠12に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するアンプ回路337bが設けられている。
【0079】
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネル等からなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
【0080】
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335、スピーカを駆動するアンプ回路337a、337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、本実施形態においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
【0081】
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。そして、LED表示部53の普図表示器において、識別情報を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、LED表示部53の普図表示器に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37b,37bを所定時間(例えば、0.3秒間)前述のように開放する制御を行う。
なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、LED表示部53の普図表示器に、はずれの結果態様を表示する制御を行う。
すなわち、LED表示部53(具体的には、LED表示部53の普図表示器)が、複数の識別情報を変動表示した後、結果を導出する変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム)を表示する変動表示装置をなす。
また、普通変動入賞装置37が、変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム)の結果が特定結果となった場合に閉状態から開状態に変換する開放動作を行う変動入賞装置をなす。
【0082】
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。
また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当りはずれを判定する処理を行う。
【0083】
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、一括表示装置50の特
図1表示器51や特
図2表示器52に、識別情報を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
【0084】
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特
図1表示器51や特
図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉を開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定の開放可能時間が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回又は2回)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特
図1表示器51や特
図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
【0085】
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として高確率状態を発生可能となっている。
この高確率状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき高確率状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が高確率状態となる。
【0086】
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態を発生可能となっている。
この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行い、普通変動入賞装置37が通常動作状態である場合よりも、単位時間あたりの普通変動入賞装置37の開放時間が実質的に多くなるように制御するようになっている。
【0087】
例えば、時短状態においては、前述の普図変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)を通常状態である場合の第1変動表示時間よりも短い第2変動表示時間となるように制御することが可能である(例えば、10000ミリ秒が600ミリ秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの結果を表示する停止時間(普図停止時間)を通常状態である場合の第1停止時間よりも短い第2停止時間となるように制御することが可能である(例えば、1604ミリ秒が704ミリ秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間(普電開放時間)を通常状態である場合の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御することが可能である(例えば、500ミリ秒が1500ミリ秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する普通変動入賞装置37の開放回数(普電開放回数)を通常状態である場合の第1開放回数よりも多い第2開放回数となるように制御することが可能である(例えば、1回が4回)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率(普図確率)を通常状態である場合の通常確率(普図低確率)よりも高い高確率(普図高確率)とすることが可能である。
【0088】
時短状態においては、普図変動時間、普図停止時間、普電開放回数、普電開放時間、普図確率の何れか一つ又は複数を変化させることで普通変動入賞装置37を開状態に状態変換する時間を通常よりも延長するようにする。これにより、普通変動入賞装置37に遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
なお、本実施形態では、時短状態である場合の普図変動時間が、通常状態である場合の普図変動時間と同一となるよう構成したが、これに限ることはなく、前述したように、時短状態においては普図変動時間を変化させてもよい。
また、本実施形態では、時短状態である場合の普電開放回数が、通常状態である場合の普電開放回数と同一となるよう構成したが、これに限ることはなく、前述したように時短状態においては普電開放回数を変化させてもよい。
また、高確率状態と時短状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。
なお、以下の説明や図中では、時短状態を特定遊技状態や普電サポート状態又は電サポ状態と称することがある。
【0089】
次に、遊技機10の制御について説明する。
まず、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、主に、
図5及び
図6に示すメイン処理と、所定時間周期(例えば、4ミリ秒)で行われる
図7に示すタイマ割込み処理とからなる。
【0090】
〔メイン処理〕
まず、メイン処理について説明する。
メイン処理は、遊技機10の電源が投入されることで開始される。
このメイン処理においては、
図5に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
【0091】
次いで、払出制御装置(払出基板)200のプログラムが正常に起動するのを待つため、例えば4ミリ秒の時間待ちを行う(ステップS5)。これにより、遊技機10の電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって払出制御装置200が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置200へ送ってしまい、払出制御装置200がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。
次いで、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし、全出力ポートに出力が無い状態にするOFFデータを出力する(ステップS6,S7)。
次いで、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、本実施形態では、払出制御装置200や演出制御装置300とパラレル通信を行っているため使用しない)を使用しない状態に設定する処理を行う(ステップS8)。
【0092】
次いで、電源装置400内の初期化スイッチがONしているか否かを判定する(ステップS9)。
ステップS9で、初期化スイッチがOFFと判定した場合(ステップS9;No)には、RWM内の停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1であるかチェックし(ステップS10)、停電検査領域1の値が正常であるか否かを判定する(ステップS11)。
ステップS11で、停電検査領域1の値が正常であると判定した場合(ステップS11;Yes)には、RWM内の停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2であるかチェックし(ステップS12)、停電検査領域2の値が正常であるか否かを判定する(ステップS13)。
ステップS13で、停電検査領域2の値が正常であると判定した場合(ステップS13;Yes)には、RWM内の所定領域のチェックサムを算出し(ステップS14)、算出したチェックサムと電源切断時のチェックサムとを比較して(ステップS15)、チェックサムが一致するか否かを判定する(ステップS16)。
ステップS16で、チェックサムが一致すると判定した場合(ステップS16;Yes)には、
図6のステップS17へ移行し、停電から正常に復旧した場合の処理を行う。
【0093】
また、ステップS9で初期化スイッチがONと判定した場合(ステップS9;Yes)や、ステップS11又はステップS13で停電検査領域の値が正常でないと判定した場合(ステップS11;No又はステップS13;No)、ステップS16でチェックサムが一致しないと判定した場合(ステップS16;No)には、
図6のステップS24へ移行して、初期化の処理を行う。
【0094】
図6のステップS17では全ての停電検査領域をクリアし、チェックサム領域をクリアして(ステップS18)、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップS19)。
次いで、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS20)。
ステップS20で、高確率状態でないと判定した場合(ステップS20;No)には、ステップS21,S22をスキップしてステップS23へ移行する。
【0095】
一方、ステップS20で、高確率状態であると判定した場合(ステップS20;Yes)には、高確率報知フラグ領域にON情報をセーブし(ステップS21)、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示部)をオン(点灯)させるONデータをセグメント領域にセーブする(ステップS22)。
次いで、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理(ステップS23)を行ってステップS29へ進む。
【0096】
一方、ステップS9,S11,S13,S16からステップS24へジャンプした場合には、アクセス禁止領域より前の全作業領域をクリアし(ステップS24)、アクセス禁止領域より後の全スタック領域をクリアして(ステップS25)、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS26)。
次いで、RWMクリアに関する外部情報を出力する期間の時間値を設定し(ステップS27)、電源投入時のコマンドを演出制御装置300へ送信して(ステップS28)、ステップS29へ進む。
【0097】
ステップS29では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
【0098】
上記ステップS29のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS30)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。
次いで、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を抽出し、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当りを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS31)、割込みを許可する(ステップS32)。本実施形態で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値を各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
【0099】
次いで、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS33)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
【0100】
上記ステップS33の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックする回数を設定し(ステップS34)、停電監視信号がONであるか否かの判定を行う(ステップS35)。
ステップS35で、停電監視信号がONでないと判定した場合(ステップS35;No)には、初期値乱数更新処理(ステップS33)に戻る。すなわち、停電が発生していない場合には、初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS33)の前に割り込みを許可する(ステップS32)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
【0101】
なお、上記ステップS33での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施形態のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
【0102】
また、ステップS35で、停電監視信号がONであると判定した場合(ステップS35;Yes)には、ステップS34で設定したチェック回数の分だけ停電監視信号のON状態が継続しているか否かを判定する(ステップS36)。
ステップS36で、継続していないと判定した場合(ステップS36;No)には、停電監視信号がONであるかの判定(ステップS35)に戻る。
一方、ステップS36で、継続していると判定した場合(ステップS36;Yes)、すなわち、停電が発生していると判定した場合には、一旦割込みを禁止する処理(ステップS37)、全出力ポートにOFFデータを出力する処理(ステップS38)を行う。
【0103】
次いで、停電検査領域1に停電検査領域チェックデータ1をセーブし(ステップS39)、停電検査領域2に停電検査領域チェックデータ2をセーブする(ステップS40)。
次いで、RWMの電源切断時のチェックサムを算出する処理(ステップS41)、算出したチェックサムをチェックサム領域にセーブする処理(ステップS42)、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS43)を行ってから、遊技機10の電源が切断(遮断)されるのを待つ。このように、停電検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源切断時のチェックサムを算出することで、停電等に伴う遊技機10の電源切断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを、遊技機10の電源再投入時に判断することができる。
【0104】
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。
タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。CPU111Aにおいてタイマ割込みが発生すると、
図7のタイマ割込み処理が開始される。
【0105】
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS51)を行う。なお、本実施形態において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。
次いで、各種センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aなど)からの入力の取込み、すなわち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS52)を行う。
次いで、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL38b、普電SOL37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS53)を行う。
【0106】
次いで、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300や払出制御装置200等に出力するコマンド送信処理(ステップS54)、乱数更新処理1(ステップS55)、乱数更新処理2(ステップS56)を行う。
次いで、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS57)を行う。
次いで、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS58)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS59)を行う。すなわち、遊技制御装置100が、第1の変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)及び第2の変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム)の実行を制御する遊技制御手段をなす。
【0107】
次いで、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS60)、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁気エラー監視処理(ステップS61)、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS62)を行う。
次いで、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS63)を行い、ステップS51で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS64)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS65)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
【0108】
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS58)の詳細について説明する。
特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
【0109】
図8に示すように、特図ゲーム処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。
この始動口スイッチ監視処理では、第1始動入賞口をなす始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。
【0110】
次いで、カウントスイッチ監視処理(ステップA2)を行う。
このカウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられたカウントスイッチ38aのカウント数を監視する処理を行う。
【0111】
次いで、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)し、当該特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたかチェックして(ステップA3)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かを判定する(ステップA4)。
ステップA4で、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたと判定した場合(ステップA4;Yes)には、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップA5)を行って、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップA6)を行う。
次いで、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップA7)を行った後、特図ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。
【0112】
ステップA8で、特図ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。
また、ステップA8で、特図ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。
また、ステップA8で、特図ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。
【0113】
また、ステップA8で、特図ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。
また、ステップA8で、特図ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであればエンディングコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
また、ステップA8で、特図ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。
また、ステップA8で、特図ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。
【0114】
次いで、ゲーム分岐処理で準備したテーブルの各データをRWMの作業領域にセーブする(ステップA16)。
次いで、特
図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA17)、特
図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA18)を行う。
次いで、特
図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA19)、特
図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA20)を行い、特図ゲーム処理を終了する。
一方、ステップA4で、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていないと判定した場合(ステップA4;No)には、処理をステップA17に移行して、それ以降の処理を行う。
【0115】
〔普図ゲーム処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における普図ゲーム処理(ステップS59)の詳細について説明する。
普図ゲーム処理では、ゲートスイッチ34aの入力の監視と、普図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、普図の表示の設定等を行う。
【0116】
図9に示すように、普図ゲーム処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず、ゲートスイッチ34aからの入力を監視するゲートスイッチ監視処理(ステップB1)を行う。
次いで、始動口2スイッチ37aからの入力を監視する普電入賞スイッチ監視処理(ステップB2)を行う。
【0117】
次いで、普図ゲーム処理タイマが、既にタイムアップしているか、又は、当該普図ゲーム処理タイマの更新(−1)によりタイムアップしたかチェックして(ステップB3)、普図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かを判定する(ステップB4)。
ステップB4で、普図ゲーム処理タイマがタイムアップしたと判定した場合(ステップB4;Yes)には、普図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する普図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップB5)を行って、当該テーブルを用いて普図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップB6)を行う。
次いで、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップB7)を行った後、普図ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップB8)を行う。
【0118】
ステップB8で、普図ゲーム処理番号が「0」の場合は、普図変動表示ゲームの変動開始を監視し、普図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、普図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図普段処理(ステップB9)を行う。
また、ステップB8で、普図ゲーム処理番号が「1」の場合は、普図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図変動中処理(ステップB10)を行う。
また、ステップB8で、普図ゲーム処理番号が「2」の場合は、普図変動表示ゲームの結果が当りであれば、普通変動入賞装置37がサポート中であるか否かに応じた普電開放時間の設定や、普図当り中処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図表示中処理(ステップB11)を行う。
【0119】
また、ステップB8で、普図ゲーム処理番号が「3」の場合は、普図当り中処理の継続、或いは普電残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り中処理(ステップB12)を行う。
また、ステップB8で、普図ゲーム処理番号が「4」の場合は、普図当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う普電残存球処理(ステップB13)を行う。
また、ステップB8で、普図ゲーム処理番号が「5」の場合は、普図普段処理を行うために必要な情報の設定等を行う普図当り終了処理(ステップB14)を行う。
【0120】
次いで、LED表示部53の普図表示器による普通図柄の変動を制御するための各種テーブルを準備した後(ステップB15)、LED表示部53の普図表示器による普通図柄の変動の制御に係る図柄変動制御処理(ステップB16)を行って、普図ゲーム処理を終了する。
【0121】
一方、ステップB4で、普図ゲーム処理タイマがタイムアップしていないと判定した場合(ステップB4;No)には、処理をステップB15に移行して、それ以降の処理を行う。
【0122】
〔ゲートスイッチ監視処理〕
次に、前述の普図ゲーム処理におけるゲートスイッチ監視処理(ステップB1)の詳細について説明する。
図10に示すように、ゲートスイッチ監視処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず、ゲートスイッチ34aに入力があるかチェックして(ステップB21)、ゲートスイッチ34aに入力があるか否かを判定する(ステップB22)。
ステップB22で、ゲートスイッチ34aに入力がないと判定した場合(ステップB22;No)には、ゲートスイッチ監視処理を終了する。
【0123】
一方、ステップB22で、ゲートスイッチ34aに入力があると判定した場合(ステップB22;Yes)には、RAM111C等から普図保留数(普図始動記憶数)を取得して当該普図保留数が上限値未満であるかチェックし(ステップB23)、普図保留数が上限値未満であるか否かを判定する(ステップB24)。
すなわち、遊技制御装置100(具体的には、遊技制御装置100のRAM111C等)が、所定領域(普通変動入賞装置37内部の第2始動入賞口)への遊技球の通過に基づき変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム)の実行権利を始動記憶(普図始動記憶)として所定の上限数まで記憶可能な始動記憶手段をなす。
ステップB24で、普図保留数が上限値未満でないと判定した場合(ステップB24;No)には、ゲートスイッチ監視処理を終了する。
【0124】
一方、ステップB24で、普図保留数が上限値未満であると判定した場合(ステップB24;Yes)には、普図保留数を更新(+1)する処理(ステップB25)、更新後の普図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する処理(ステップB26)、当り乱数を抽出してRWMの乱数セーブ領域にセーブする処理(ステップB27)を行って、ゲートスイッチ監視処理を終了する。
【0125】
〔普電入賞スイッチ監視処理〕
次に、前述の普図ゲーム処理における普電入賞スイッチ監視処理(ステップB2)の詳細について説明する。
図11に示すように、普電入賞スイッチ監視処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず、普図変動表示ゲームが当り状態となって普通変動入賞装置37が所定回数(例えば、3回)の開放動作を実行中であるか(普図当り中か)をチェックして(ステップB31)、普図当り中であるか否かを判定する(ステップB32)。
ステップB32で、普図当り中でないと判定した場合(ステップB32;No)には、普電入賞スイッチ監視処理を終了する。
【0126】
一方、ステップB32で、普図当り中であると判定した場合(ステップB32;Yes)には、始動口2スイッチ37aに入力があるかチェックして(ステップB33)、始動口2スイッチ37aに入力があるか否かを判定する(ステップB34)。
ステップB34で、始動口2スイッチ37aに入力がないと判定した場合(ステップB34;No)には、普電入賞スイッチ監視処理を終了する。
【0127】
一方、ステップB34で、始動口2スイッチ37aに入力があると判定した場合(ステップB34;Yes)には、普電カウンタのカウント数を更新(+1)し(ステップB35)、更新後の普電カウンタのカウント数が上限値(例えば、9)に達したかチェックして(ステップB36)、普電カウンタのカウント数が上限値に達したか否かを判定する(ステップB37)。
ステップB37で、普電カウンタのカウント数が上限値に達していないと判定した場合(ステップB37;No)には、普電入賞スイッチ監視処理を終了する。
【0128】
一方、ステップB37で、普電カウンタのカウント数が上限値に達したと判定した場合(ステップB37;Yes)には、普図当り中処理制御ポインタ領域に当り終了ポインタ(例えば、「4」)をセーブし(ステップB38)、普図ゲーム処理タイマを0クリアして(ステップB39)、普電入賞スイッチ監視処理を終了する。
すなわち、普図の当り状態中に上限値以上の普電入賞があった場合は、その時点で普図当り中処理制御ポインタ領域に当り終了の値をセーブし、以下に説明する普図当り中処理で普図の当り状態が途中で終了するようにする。
【0129】
〔普図普段処理〕
次に、前述の普図ゲーム処理における普図普段処理(ステップB9)の詳細について説明する。
図12に示すように、普図普段処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず、普図保留数が0であるかチェックして(ステップB41)、普図保留数が0であるか否かを判定する(ステップB42)。
ステップB42で、普図保留数が0であると判定した場合(ステップB42;Yes)には、普図普段処理移行設定処理1(ステップB69)を実行して、普図普段処理を終了する。
【0130】
一方、ステップB42で、普図保留数が0でないと判定した場合(ステップB42;No)には、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が通常よりも高くされた普図高確率時となっているか否かを判定する(ステップB43)。
ステップB43で、普図高確率時でないと判定した場合(ステップB43;No)には、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が高確率状態となっていないことから、RWMの乱数セーブ領域から当り乱数をロードして(ステップB44)、普図低確率時の判定値を設定する(ステップB45)。
次いで、当り乱数の値が判定値と一致しているかチェックして(ステップB46)、当り乱数の値が判定値と一致しているか否かを判定する(ステップB47)。
ステップB47で、当り乱数の値が判定値と一致していないと判定した場合(ステップB47;No)には、当りフラグ領域にはずれ情報をセーブして(ステップB48)、普図停止図柄にはずれ時の停止図柄番号を設定する(ステップB49)。
次いで、はずれ時の変動パターンコマンドをコマンド送信領域に設定して(ステップB50)、当り乱数セーブ領域を0クリアする処理(ステップB61)を行う。
【0131】
一方、ステップB47で、当り乱数の値が判定値と一致していると判定した場合(ステップB47;Yes)には、当りフラグ領域に当り情報をセーブして(ステップB58)、普図停止図柄に当り時の停止図柄番号を設定する(ステップB59)。
次いで、当り時の変動パターンコマンドをコマンド送信領域に設定して(ステップB60)、当り乱数セーブ領域を0クリアする処理(ステップB61)を行う。
【0132】
また、ステップB43で、普図高確率時であると判定した場合(ステップB43;Yes)には、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が高確率状態となっていることから、RWMの乱数セーブ領域から当り乱数をロードして(ステップB51)、普図高確率時の下限判定値を設定する(ステップB52)。
【0133】
次いで、当り乱数の値が下限判定値未満であるかチェックして(ステップB53)、当り乱数の値が下限判定値未満であるか否かを判定する(ステップB54)。
ステップB54で、当り乱数の値が下限判定値未満でないと判定した場合(ステップB54;No)には、普図高確率時の上限判定値を設定する(ステップB55)。
次いで、当り乱数の値が上限判定値より大きいかチェックして(ステップB56)、当り乱数の値が上限判定値より大きいか否かを判定する(ステップB57)。
ステップB57で、当り乱数の値が上限判定値より大きくないと判定した場合(ステップB57;No)には、処理をステップB58に移行して、それ以降の処理を行う。
【0134】
また、ステップB54で当り乱数の値が下限判定値未満であると判定した場合(ステップB54;Yes)、或いは、ステップB57で当り乱数の値が上限判定値より大きいと判定した場合(ステップB57;Yes)には、処理をステップB48に移行して、それ以降の処理を行う。
【0135】
そして、当り乱数セーブ領域を0クリアする処理(ステップB61)を行った後、普図停止図柄領域に停止図柄番号をセーブして(ステップB62)、普図停止図柄番号に対応する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップB63)。
次いで、当り乱数セーブ領域をシフトする処理(ステップB64)、シフト後の空き領域を0クリアする処理(ステップB65)を行った後、普図保留数を更新(−1)する処理(ステップB66)を行う。すなわち、最も古い普図保留1に関する普図変動表示ゲームが実行されることに伴い、普図保留1以降に保留となっている普図保留2〜4の順位を1つずつ繰り上げる処理を行う。この処理により、当り乱数セーブ領域の普図保留2用から普図保留4用の値(例えば、当り乱数)が、当り乱数セーブ領域の普図保留1用から普図保留3用に移動することとなる。そして、当り乱数セーブ領域の普図保留4用の値がクリアされて、普図保留数が1デクリメントされる。
【0136】
次いで、ステップS50又はステップB60でコマンド送信領域に設定した変動パターンコマンド(普図変動パターンコマンド)に対応する普図変動時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップB67)。
次いで、普図変動中処理に移行するための普図変動中処理移行設定処理(ステップB68)を行って、普図普段処理を終了する。
【0137】
このように、遊技制御装置100は、LED表示部53の普図表示器において開始する普図変動表示ゲームの結果を当り乱数に基づき判別し、その結果がはずれである場合にははずれ時の変動パターンコマンドをコマンド送信領域に設定し(ステップB50)、その結果が当りである場合には当り時の変動パターンコマンドをコマンド送信領域に設定する(ステップB60)。そして、コマンド送信領域に設定されたはずれ時の変動パターンコマンドや当り時の変動パターンコマンドは、タイマ割込み処理のコマンド送信処理(
図7のステップS54)で演出制御装置300に送信される。
すなわち、遊技制御装置100が、変動表示装置(LED表示部53の普図表示器)及び変動入賞装置(普通変動入賞装置37)の制御を行うとともに、演出表示装置(表示装置41)に表示する演出表示及び演出装置(盤装飾装置42、枠装飾装置18、盤演出装置44、枠演出装置45、上スピーカ19a、下スピーカ19b)の演出態様を指示するための制御指令を送信するための制御を行う遊技制御手段をなす。
なお、普図変動表示ゲームにおいても、特図変動表示ゲームのように、普図変動表示ゲームの実行時間や演出内容等を規定する変動パターンを複数設け、変動パターン乱数に基づいて変動パターンを決定するよう構成してもよい。
【0138】
〔普図普段処理移行設定処理1〕
次に、前述の普図普段処理における普図普段処理移行設定処理1(ステップB69)の詳細について説明する。
図13に示すように、普図普段処理移行設定処理1において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず、普図普段処理に移行するための普図ゲーム処理番号として「0」を設定し(ステップB81)、その普図ゲーム処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB82)。
次いで、普電不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブして(ステップB83)、普図普段処理移行設定処理1を終了する。
【0139】
〔普図変動中処理移行設定処理〕
次に、前述の普図普段処理における普図変動中処理移行設定処理(ステップB70)の詳細について説明する。
図14に示すように、普図変動中処理移行設定処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず、普図変動中処理に移行するための普図ゲーム処理番号として「1」を設定し(ステップB91)、その普図ゲーム処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB92)。
次いで、LED表示器53の普図表示器における普図変動表示ゲームの開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする処理(ステップB93)、LED表示器53の普図表示器における普図変動表示ゲームが変動中であることを示す変動中フラグを普図変動制御フラグ領域にセーブする処理(ステップB94)、LED表示器53の普図表示器の点滅の周期のタイマの初期値(例えば、200ミリ秒)を普図変動制御タイマ領域にセーブする処理(ステップB95)を行って、普図変動中処理移行設定処理を終了する。
【0140】
〔普図変動中処理〕
次に、前述の普図ゲーム処理における普図変動中処理(ステップB10)の詳細について説明する。
図15(a)に示すように、普図変動中処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、普図表示中処理移行設定処理(ステップB101)を行って、普図変動中処理を終了する。
【0141】
〔普図表示中処理移行設定処理〕
次に、前述の普図変動中処理における普図表示中処理移行設定処理(ステップB101)の詳細について説明する。
図15(b)に示すように、普図表示中処理移行設定処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず、普図表示中処理に移行するための普図ゲーム処理番号として「2」を設定し(ステップB111)、その普図ゲーム処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB112)。
次いで、LED表示器53の普図表示器における普図表示時間(例えば、600ミリ秒)を設定して(ステップB113)、その普図表示時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップB114)。
次いで、普図の変動終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする処理(ステップB115)、LED表示器53の普図表示器における普図変動表示ゲームが停止したことを示す停止フラグを普図変動制御フラグ領域にセーブする処理(ステップB116)を行って、普図表示中処理移行設定処理を終了する。
【0142】
〔普図表示中処理〕
次に、前述の普図ゲーム処理における普図表示中処理(ステップB11)の詳細について説明する。
図16に示すように、普図表示中処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず、普図普段処理にて設定された当りフラグをロードして(ステップB121)、RWMの当りフラグ領域をクリアする(ステップB122)。
次いで、ロードされた当りフラグが当りであるかチェックして(ステップB123)、当りフラグが当りであるか否かを判定する(ステップB124)。
ステップB124で、当りフラグが当りでないと判定した場合(ステップB124;No)には、普図普段処理に移行するための普図普段処理移行設定処理1(ステップB132)を行って、普図表示中処理を終了する。この普図普段処理移行設定処理1(ステップB132)は、前述の普図普段処理における普図普段処理移行設定処理1(
図12のステップB69。詳細は
図13に示す)と同じである。
【0143】
一方、ステップB124で、当りフラグが当りであると判定した場合(ステップB124;Yes)には、普通変動入賞装置37がサポート中であるか否かを判定する(ステップB125)。
ステップB125で、普通変動入賞装置37がサポート中であると判定した場合(ステップB125;Yes)には、普通変動入賞装置37がサポート中である場合の普電開放時間(例えば、1500ミリ秒)を設定して(ステップB126)、普通変動入賞装置37がサポート中である場合の当り開始ポインタとして「0」を設定する(ステップB127)。
一方、ステップB125で、普通変動入賞装置37がサポート中でないと判定した場合(ステップB125;No)には、普通変動入賞装置37がサポート中でない場合の普電開放時間(例えば、500ミリ秒)を設定して(ステップB131)、普通変動入賞装置37がサポート中である場合の当り開始ポインタとして「0」を設定する(ステップB127)。
すなわち、本実施形態では、普通変動入賞装置37がサポート中である場合もサポート中でない場合も、普通変動入賞装置37の開放回数が2回以上の複数回(本実施形態の場合、3回)となるように当り開始ポインタとして「0」を設定する。
【0144】
次いで、ステップB127で設定された当り開始ポインタを普図当り中処理制御ポインタ領域にセーブする処理(ステップB128)、ステップB126又はステップB131で設定された普電開放時間(例えば、1500ミリ秒や500ミリ秒)を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする処理(ステップB129)を行った後、普図当り中処理に移行するための普図当り中処理移行設定処理(ステップB130)を行って、普図表示中処理を終了する。
【0145】
〔普図当り中処理移行設定処理〕
次に、前述の普図表示中処理における普図当り中処理移行設定処理(ステップB130)の詳細について説明する。
図17に示すように、普図当り中処理移行設定処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず、普図当り中処理に移行するための普図ゲーム処理番号として「3」を設定し(ステップB141)、その普図ゲーム処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB142)。
次いで、LED表示器53の普図表示器における普図変動表示ゲームの当り開始に関する信号と普通変動入賞装置37の作動(開放動作)開始に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする処理(ステップB143)、普電ソレノイド37cを駆動(オン)させるONデータを普電ソレノイド出力データ領域にセーブする処理(ステップB144)を行う。
次いで、普通変動入賞装置37への入賞数を記憶する普電カウント数領域をリセットする処理(ステップB145)、普電不正監視期間における普通変動入賞装置37への入賞数を記憶する普電不正入賞数領域をリセットする処理(ステップB146)を行った後、普通変動入賞装置37の不正監視期間外を規定する不正監視期間外フラグを普電不正監視期間フラグ領域にセーブして(ステップB147)、普図当り中処理移行設定処理を終了する。
【0146】
〔普図当り中処理〕
次に、前述の普図ゲーム処理における普図当り中処理(ステップB12)の詳細について説明する。
図18に示すように、普図当り中処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず、普図当り中処理制御ポインタ領域の値(普図当り中処理制御ポインタ)をロードして準備する(ステップB151)。
次いで、準備した普図当り中処理制御ポインタが当り終了ポインタ(例えば、「4」)であるかチェックして(ステップB152)、普図当り中処理制御ポインタが当り終了ポインタであるか否かを判定する(ステップB153)。
【0147】
ステップB153で、普図当り中処理制御ポインタが当り終了ポインタでないと判定した場合(ステップB153;No)には、普図当り中処理制御ポインタ領域の値を更新(+1)する処理(ステップB154)を行った後、普電作動移行設定処理(ステップB155)を行って、普図当り中処理を終了する。
一方、ステップB153で、普図当り中処理制御ポインタが当り終了ポインタであると判定した場合(ステップB153;Yes)には、普図当り中処理制御ポインタ領域の値を更新(+1)する処理(ステップB154)を行わずに、普電作動移行設定処理(ステップB155)を行って、普図当り中処理を終了する。
【0148】
〔普電作動移行設定処理〕
次に、前述の普図当り中処理における普電作動移行設定処理(ステップB155)の詳細について説明する。
この普電作動移行設定処理は、普通変動入賞装置37を開閉するための普電ソレノイド37cの駆動制御を行う処理であり、普図当り中処理制御ポインタ領域の値に応じて処理を分岐するようにしている。
図19に示すように、普電作動移行設定処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず、普図当り中処理制御ポインタ領域の値(普図当り中処理制御ポインタ)に応じて分岐処理(ステップB161)を行う。
【0149】
ステップB161で、普図当り中処理制御ポインタが、例えば「0」又は「2」である場合は、普通変動入賞装置37の閉塞を制御するため、普通変動入賞装置37の閉塞後のウェイト時間(例えば、800ミリ秒)を設定する処理(ステップB162)、当該設定したウェイト時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする処理(ステップB163)、普電ソレノイド37cをオフさせるOFFデータを普電ソレノイド出力データ領域にセーブする処理(ステップB164)を行って、普電作動移行設定処理を終了する。
【0150】
また、ステップB161で、普図当り中処理制御ポインタが、例えば「1」又は「3」である場合は、普通変動入賞装置37の所定回数(例えば、3回)の開放を制御するため、普通変動入賞装置37の普電開放時間(普通変動入賞装置37がサポート中である場合の普電開放時間(例えば、1500ミリ秒)又は普通変動入賞装置37がサポート中でない場合の普電開放時間(例えば、500ミリ秒))を設定する処理(ステップB165)、当該設定した普電開放時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする処理(ステップB166)、普電ソレノイド37cをオンさせるONデータを普電ソレノイド出力データ領域にセーブする処理(ステップB167)を行って、普電作動移行設定処理を終了する。
【0151】
また、ステップB161で、普図当り中処理制御ポインタが、例えば「4」である場合は、普通変動入賞装置37の開放制御を終了して普電残存球処理に移行するための普図ゲーム処理番号として「4」を設定し(ステップB168)、その普図ゲーム処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB169)。
次いで、普電残存球処理時間(例えば、600ミリ秒)を設定して(ステップB170)、その普電残存球処理時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップB171)、
次いで、普電ソレノイド37cをオフさせるOFFデータを普電ソレノイド出力データ領域にセーブして(ステップB172)、普電作動移行設定処理を終了する。
【0152】
すなわち、本実施形態では、普通変動入賞装置37がサポート中である場合もサポート中でない場合も、普通変動入賞装置37の開放回数が3回となるように、普図表示中処理(
図16)のステップB127で当り開始ポインタとして「0」が設定され、普図表示中処理(
図16)のステップB128でその当り開始ポインタが普図当り中処理制御ポインタ領域にセーブされるため、この普電作動移行設定処理が実行されると、ステップB161で普図当り中処理制御ポインタが「0」であると判定され、ステップB162で普通変動入賞装置37の3回の開放のうち1回目の開放から閉塞するための制御が実行される。そして、普通変動入賞装置37の開閉動作が進んで普図当り中処理制御ポインタが「4」に更新されて閉塞状態となるまで上記制御を実行することとなる。
【0153】
〔普電残存球処理〕
次に、前述の普図ゲーム処理における普電残存球処理(ステップB13)の詳細について説明する。
図20(a)に示すように、普電残存球処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、普図当り終了処理移行設定処理(ステップB181)を行って、普電残存球処理を終了する。
【0154】
〔普図当り終了処理移行設定処理〕
次に、前述の普電残存球処理における普図当り終了処理移行設定処理(ステップB181)の詳細について説明する。
図20(b)に示すように、普図当り終了処理移行設定処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず、普図当り終了処理に移行するための普図ゲーム処理番号として「5」を設定し(ステップB191)、その普図ゲーム処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB192)。
次いで、LED表示器53の普図表示器における普図変動表示ゲームのエンディング時間(例えば、100ミリ秒)を設定して(ステップB193)、その普図エンディング時間を普図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップB194)。
次いで、普通変動入賞装置37の作動(開放動作)終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする処理(ステップB195)、普通変動入賞装置37への入賞数を記憶する普電カウント数領域をリセットする処理(ステップB196)、普図当り中処理制御ポインタ領域をリセットする処理(ステップB197)を行って、普電残存球処理を終了する。
【0155】
〔普図当り終了処理〕
次に、前述の普図ゲーム処理における普図当り終了処理(ステップB14)の詳細について説明する。
図21(a)に示すように、普図当り終了処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、普図普段処理移行設定処理2(ステップB201)を行って、普図当り終了処理を終了する。
【0156】
〔普図普段処理移行設定処理2〕
次に、前述の普図当り終了処理における普図普段処理移行設定処理2(ステップB201)の詳細について説明する。
図21(b)に示すように、普図普段処理移行設定処理2において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず、普図普段処理に移行するための普図ゲーム処理番号として「0」を設定し(ステップB211)、その普図ゲーム処理番号を普図ゲーム処理番号領域にセーブする(ステップB212)。
次いで、普図変動表示ゲームの当り終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする処理(ステップB213)、普通変動入賞装置37の不正監視期間を規定する不正監視期間中フラグを普電不正監視期間フラグ領域にセーブする処理(ステップB214)を行って、普図当り終了処理を終了する。
【0157】
次に、演出制御装置300によって実行される制御について説明する。
演出制御装置300は、主制御用マイコン(1stCPU)311によって、
図22に示す1stメイン処理を実行し、映像制御用マイコン(2ndCPU)312によって、
図26に示す2ndメイン処理を実行する。
【0158】
〔1stメイン処理〕
まず、主制御用マイコン(1stCPU)311によって実行される1stメイン処理について説明する。
この1stメイン処理においては、
図22に示すように、はじめにプログラム開始時の処理を行う。
このプログラム開始時の処理として、まず、割込みを禁止し(ステップC1)、RAMを0クリアして(ステップC2)、CPUを初期化するCPU初期化処理(ステップC3)を行う。
次いで、RAMの初期値を設定し(ステップC4)、乱数を初期化する乱数初期化処理(ステップC5)を行い、各種割込みのタイマを起動して(ステップC6)、割込みを許可する(ステップC7)。
【0159】
次に、メインループ処理としてループの処理を行う。
このループの処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアし(ステップC8)、演出ボタン25の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップC9)を行う。
次いで、遊技制御コマンド解析処理(ステップC10)を行う。この遊技制御コマンド解析処理では、遊技制御装置100から送信される遊技に関するコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定して、後述するシーン制御処理のためのコマンドの区分けをする処理を行う。
【0160】
次いで、表示装置41や装飾装置、演出装置等のテストを行うためのテストモードに関する処理であるテストモード処理(ステップC11)を行う。このテストモード処理によりテストモードとなった場合は、以降の遊技に関する処理は行わない。ただし、テストモードにおいて表示装置41での表示やスピーカからの音声の出力、装飾装置のLEDの発光、演出装置の動作等を行う場合は、これらを制御するための処理において制御を行う。なお、テストモードは遊技機の電源を遮断することで終了するようになっている。
【0161】
次いで、遊技の演出の制御に関するシーン制御処理(ステップC12)を行う。
次いで、遊技機でエラーが発生した場合に遊技制御装置100から送信されるエラー報知コマンドに基づき、対応する報知を行う遊技機エラー監視処理(ステップC13)を行う。なお、対応する報知を行うための表示装置41での表示やスピーカからの音声の出力、装飾装置のLEDの発光、演出装置の動作等は、これらを制御するための処理(例えば、スピーカからの音声の出力であれば、サウンド制御処理)において制御を行う。
【0162】
次いで、映像制御用マイコン(2ndCPU)312に出力するコマンドを編集する演出コマンド編集処理(ステップC14)、スピーカ(上スピーカ19、下スピーカユニット29)からの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップC15)を行う。
次いで、盤装飾装置46、枠装飾装置18のLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップC16)、盤演出装置44、枠演出装置45のモータやソレノイドの制御を行うモータ/SOL制御処理(ステップC17)を行う。
そして、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップC18)を行って、WDTをクリアする処理(ステップC8)に戻る。
なお、図示は省略するが、遊技制御装置100からのコマンドは、コマンド受信割込みで取得される。
【0163】
〔シーン制御処理〕
次に、前述の1stメイン処理におけるシーン制御処理(ステップC12)の詳細について説明する。
図23に示すように、シーン制御処理において、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311は、受信コマンドチェック処理(ステップC21)、特図演出表示制御処理(ステップC22)、普図演出表示制御処理(ステップC23)を行って、シーン制御処理を終了する。
【0164】
ここで、ステップC21の受信コマンドチェック処理では、例えば、まず、シーン変更コマンド(遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される遊技に関する各種のコマンド)を受信したか否かを判定し、シーン変更コマンドを受信していないと判定した場合には、受信コマンドチェック処理を終了する。一方、シーン変更コマンドを受信したと判定した場合には、更新する遊技状態(現在の遊技状態)を取得して、有効なコマンドであるか否かを判定(受信したシーン変更コマンドが取得した現在の遊技状態に対して有効なものであるかを判定)し、有効なコマンドでないと判定した場合には、受信コマンドチェック処理を終了する。一方、有効なコマンドであると判定した場合には、受信コマンドをセーブする処理、演出リクエストフラグをセットする処理を行って、受信コマンドチェック処理を終了する。
【0165】
〔特図演出表示制御処理〕
次に、前述のシーン制御処理における特図演出表示制御処理(ステップC22)の詳細について説明する。
図24に示すように、特図演出表示制御処理において、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311は、まず、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップC31)を行う。
【0166】
コマンド識別子による分岐処理(ステップC31)では、受信したコマンドに基づき実行する処理を選択する。
電源投入コマンドを受信した場合は、電源投入時に必要な処理を行う電源投入処理(ステップC32)を行う。
また、停電復旧コマンドを受信した場合は、停電復旧時に必要な処理を行う停電復旧処理(ステップC33)を行う。
また、客待ちデモコマンドを受信した場合は、客待ちデモの表示に関する処理等を行う客待ち処理(ステップC34)を行う。
【0167】
また、変動パターンコマンド(図柄コマンド)を受信した場合は、飾り特図変動表示ゲームの実行に関する処理等を行う変動中処理(ステップC35)を行う。この変動中処理では、飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定を行う。この飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定では、例えば、遊技制御装置100から送信された変動パターンコマンドに含まれる情報(大当りか否か、モード情報、変動パターン情報など)に基づき演出(変動パターンや変動時間など)の設定を行う。
また、図柄停止コマンドを受信した場合は、飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動表示を停止して結果態様を表示する処理である図柄停止処理(ステップC36)を行う。この図柄停止処理では、飾り特図変動表示ゲームにおける結果の停止表示時間などの設定を行う。
【0168】
また、ファンファーレコマンドを受信した場合は、特別遊技状態の開始に関する処理であるファンファーレ処理(ステップC37)を行う。
また、大入賞口開放コマンドを受信した場合は、ラウンド遊技に関する処理であるラウンド中処理(ステップC38)を行う。
また、インターバルコマンドを受信した場合は、ラウンド間のインターバルに関する処理であるインターバル処理(ステップC39)を行う。
また、エンディングコマンドを受信した場合は、特別遊技状態の終了に関する処理であるエンディング処理(ステップC40)を行う。
【0169】
コマンド識別子による分岐処理(ステップC31)により選択された前述の各処理を行った後、即座に映像に反映されないコマンドに基づく処理を行う。
この処理として、まず、特図変動表示ゲームの停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンドに基づく処理を行う図柄コマンド反映処理(ステップC41)を行い、始動記憶の増減に関する情報を含む保留数コマンド(特
図1保留数コマンド、特
図2保留数コマンド)に基づく処理を行う保留数コマンド反映処理(ステップC42)を行う。
次いで、確率状態に関する情報を含む確率情報コマンド(転落情報コマンド、確率情報コマンド(低確率、高確率))に基づく処理を行う確率情報反映処理(ステップC43)を行って、特図演出表示制御処理を終了する。
【0170】
〔普図演出表示制御処理〕
次に、前述のシーン制御処理における普図演出表示制御処理(ステップC23)の詳細について説明する。
図25に示すように、普図演出表示制御処理において、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311は、まず、普図変動パターンコマンド(はずれ時の変動パターンコマンド(
図12のステップB50)又は当り時の変動パターンコマンド(
図12のステップB60))を受信したか否かを判定する(ステップC51)。
【0171】
ステップC51で、普図変動パターンコマンドを受信したと判定した場合(ステップC51;Yes)には、受信した普図変動パターンコマンドに対応する演出時間値を演出時間タイマに設定する(ステップC52)。
ここで、演出制御装置300には、各普図変動パターンコマンドに対応する普図変動パターンテーブルが格納されている。
演出制御装置300に格納されている普図変動パターンコマンドのうちはずれ時の変動パターンコマンドに対応するはずれ時用普図変動パターンテーブルには、普図変動表示ゲームの結果がはずれである場合における各演出(普図変動表示演出、停止表示演出)の演出時間値や演出内容、飾り普通図柄の変動態様、普図停止図柄等が記憶されている。
また、演出制御装置300に格納されている普図変動パターンコマンドのうち当り時の変動パターンコマンドに対応する当り時用普図変動パターンテーブルには、普図変動表示ゲームの結果が当りである場合における各演出(普図変動表示演出、停止表示演出、当り開始演出、当り中演出)の演出時間値や演出内容、飾り普通図柄の変動態様、普図停止図柄等が記憶されている。
【0172】
そして、主制御用マイコン(1stCPU)311は、受信した普図変動パターンコマンドがはずれ時の変動パターンコマンドであれば、はずれ時用普図変動パターンテーブルを参照して、普図変動表示ゲームの結果がはずれである場合における各演出(普図変動表示演出、停止表示演出)の演出時間値の和、すなわち、普図変動表示演出の開始から停止表示演出の終了までの時間値を、受信した普図変動パターンコマンドに対応する演出時間値として演出時間タイマに設定する。
また、主制御用マイコン(1stCPU)311は、受信した普図変動パターンコマンドが当り時の変動パターンコマンドであれば、当り時用普図変動パターンテーブルを参照して、普図変動表示ゲームの結果が当りである場合における各演出(普図変動表示演出、停止表示演出、当り開始演出、当り中演出)の演出時間値の和、普図変動表示演出の開始から当り中演出の終了までの時間値を、受信した普図変動パターンコマンドに対応する演出時間値として演出時間タイマに設定する。
なお、ステップC52で設定された演出時間タイマは、割込み処理で更新(−1)される。
【0173】
次いで、映像制御用マイコン(2ndCPU)312や、制御回路332〜335、アンプ回路337a、337b等に実行中の演出を終了して普図変動表示演出を開始するよう指示する(ステップC53)。これにより、表示装置41において普図変動表示演出用の演出表示が開始されるとともに、盤装飾装置42、枠装飾装置18、盤演出装置44、枠演出装置45、上スピーカ19a及び下スピーカ19bのうちの少なくとも1つにおいて普図変動表示演出用の演出(装飾演出、役物演出、音声演出)が開始される。
ここで、本実施形態において、表示装置41の表示領域は、
図2に示すように、第1表示領域R1と、第1表示領域R1よりも小さい第2表示領域R2とに分かれている。そして、第1表示領域R1には、特図変動表示ゲームに関する情報(飾り特別図柄、演出表示、特図始動記憶表示等)が表示され、第2表示領域R2には、普図変動表示ゲームに関する情報(飾り普通図柄、演出表示、普図始動記憶表示等)が表示されるよう構成されている。したがって、普図変動表示演出用の演出表示は、第2表示領域R2に表示される。
【0174】
次いで、受信した普図変動パターンコマンドに対応する普図変動パターンテーブルに記憶されている演出時間値と、演出時間タイマの残り時間値とを比較して、停止表示演出を開始するタイミングであるか否かを判定する(ステップC54)。
また、ステップC51で、普図変動パターンコマンドを受信していないと判定した場合(ステップC51;No)には、ステップC52、ステップC53の処理を行わずに、直近に受信した普図変動パターンコマンドに対応する普図変動パターンテーブルに記憶されている演出時間値と、演出時間タイマの残り時間値とを比較して、停止表示演出を開始するタイミングであるか否かを判定する(ステップC54)。
【0175】
ステップC54で、停止表示演出を開始するタイミングであると判定した場合(ステップC54;Yes)には、映像制御用マイコン(2ndCPU)312や、制御回路332〜335、アンプ回路337a、337b等に実行中の普図変動表示演出を終了して停止表示演出を開始するよう指示する(ステップC55)。これにより、表示装置41の第2表示領域R2において停止表示演出用の演出表示が開始されるとともに、盤装飾装置42、枠装飾装置18、盤演出装置44、枠演出装置45、上スピーカ19a及び下スピーカ19bのうちの少なくとも1つにおいて停止表示演出用の演出(装飾演出、役物演出、音声演出)が開始される。
次いで、受信した普図変動パターンコマンドに対応する普図変動パターンテーブルに記憶されている演出時間値と、演出時間タイマの残り時間値とを比較して、当り開始演出を開始するタイミングであるか否かを判定する(ステップC56)。
また、ステップC54で、停止表示演出を開始するタイミングでないと判定した場合(ステップC54;No)には、ステップC55の処理を行わずに、直近に受信した普図変動パターンコマンドに対応する普図変動パターンテーブルに記憶されている演出時間値と、演出時間タイマの残り時間値とを比較して、当り開始演出を開始するタイミングであるか否かを判定する(ステップC56)。
【0176】
ステップC56で、当り開始演出を開始するタイミングであると判定した場合(ステップC56;Yes)には、映像制御用マイコン(2ndCPU)312や、制御回路332〜335、アンプ回路337a、337b等に実行中の停止表示演出を終了して当り開始演出を開始するよう指示する(ステップC57)。これにより、表示装置41の第2表示領域R2において当り開始演出用の演出表示が開始されるとともに、盤装飾装置42、枠装飾装置18、盤演出装置44、枠演出装置45、上スピーカ19a及び下スピーカ19bのうちの少なくとも1つにおいて当り開始演出用の演出(装飾演出、役物演出、音声演出)が開始される。
次いで、受信した普図変動パターンコマンドに対応する普図変動パターンテーブルに記憶されている演出時間値と、演出時間タイマの残り時間値とを比較して、当り中演出を開始するタイミングであるか否かを判定する(ステップC58)。
また、ステップC56で、当り開始演出を開始するタイミングでないと判定した場合(ステップC56;No)には、ステップC57の処理を行わずに、直近に受信した普図変動パターンコマンドに対応する普図変動パターンテーブルに記憶されている演出時間値と、演出時間タイマの残り時間値とを比較して、当り中演出を開始するタイミングであるか否かを判定する(ステップC58)。
【0177】
ステップC58で、当り中演出を開始するタイミングであると判定した場合(ステップC58;Yes)には、映像制御用マイコン(2ndCPU)312や、制御回路332〜335、アンプ回路337a、337b等に実行中の当り開始演出を終了して当り中演出を開始するよう指示する(ステップC59)。これにより、表示装置41の第2表示領域R2において当り中演出用の演出表示が開始されるとともに、盤装飾装置42、枠装飾装置18、盤演出装置44、枠演出装置45、上スピーカ19a及び下スピーカ19bのうちの少なくとも1つにおいて当り中演出用の演出(装飾演出、役物演出、音声演出)が開始される。その後、演出時間タイマの残り時間があるか否かを判定する(ステップC60)。
一方、ステップC58で、当り中演出を開始するタイミングでないと判定した場合(ステップC58;No)には、ステップC59の処理を行わずに、演出時間タイマの残り時間があるか否かを判定する(ステップC60)。
【0178】
ステップC60で、演出時間タイマの残り時間がないと判定した場合(ステップC60;No)、すなわち、演出時間タイマがタイムアップした場合には、映像制御用マイコン(2ndCPU)312や、各種制御回路332〜335、アンプ回路337a、337b等に実行中の当り中演出を終了するよう指示して(ステップC61)、普図演出表示制御処理を終了する。これにより、表示装置41の第2表示領域R2において実行されている当り中演出用の演出表示が終了されるとともに、盤装飾装置42、枠装飾装置18、盤演出装置44、枠演出装置45、上スピーカ19a及び下スピーカ19bのうちの少なくとも1つにおいて実行されている当り中演出用の演出(装飾演出、役物演出、音声演出)が終了される。
なお、受信した普図変動パターンコマンドがはずれ時の変動パターンコマンドである場合は、普図変動表示演出及び停止表示演出は実行されるが、当り開始演出及び当り中演出は実行されないため、ステップC61では実行中の停止表示演出を終了するよう指示される。これにより、表示装置41の第2表示領域R2において実行中の停止表示演出用の演出表示が終了されるとともに、盤装飾装置42、枠装飾装置18、盤演出装置44及び枠演出装置45のうちの少なくとも1つにおいて実行中の停止表示演出用の演出が終了される。
一方、ステップC60で、演出時間タイマの残り時間があると判定した場合(ステップC60;Yes)、すなわち、演出時間タイマがタイムアップしていない場合には、ステップC61の処理を行わずに、普図演出表示制御処理を終了する。
【0179】
このように、本実施形態においては、
図24に示すように、変動パターンコマンド(図柄コマンド)や、図柄停止コマンド、ファンファーレコマンド、大入賞口開放コマンド、インターバルコマンド、エンディングコマンド等の複数のコマンドが、特図変動表示ゲームに関するコマンドとして遊技制御装置100から演出制御装置300へと送信される一方、遊技制御装置100から演出制御装置300へと送信される普図変動表示ゲームに関するコマンドとしては、
図25に示すように、普図変動パターンコマンド(普図変動表示ゲームの変動開始時に送信されるコマンド)のみである。
しかしながら、演出制御装置300には普図変動表示ゲームに対応する各演出の演出時間値等を記憶する普図変動パターンテーブルが格納されているので、演出制御装置300は、遊技制御装置100から普図変動表示ゲームに関するコマンドとして普図変動パターンコマンドしか送信されなくても、普図変動表示ゲームの変動表示や普通変動入賞装置37の開放動作に同期して、演出表示装置(表示装置41)及び演出装置(盤装飾装置42、枠装飾装置18、盤演出装置44、枠演出装置45)において普図変動表示ゲームに対応する各演出を実行することができる。
【0180】
すなわち、表示装置41が、変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム)に対応する演出表示を表示可能な演出表示装置、第1の変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)に対応する演出表示を表示可能な第1表示領域R1と、第2の変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム)に対応する演出表示を表示可能な第2表示領域R2とを有する演出表示装置をなす。
また、盤装飾装置42、枠装飾装置18、盤演出装置44、枠演出装置45、上スピーカ19a及び下スピーカ19bのうちの少なくとも1つが、遊技の進行に伴い演出態様を変化させる演出装置をなす。
また、演出制御装置300が、演出表示装置(表示装置41)に遊技制御手段(遊技制御装置100)から送信される制御指令に対応する演出表示を行わせるための制御を行うとともに、演出装置(盤装飾装置42、枠装飾装置18、盤演出装置44、枠演出装置45、上スピーカ19a、下スピーカ19b)の演出態様を遊技制御手段(遊技制御装置100)から送信される制御指令に対応する演出態様に変化させるための制御を行う演出制御手段、遊技制御手段(遊技制御装置100)からの第1の変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)及び第2の変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム)に対応する演出表示を指示する制御指令に基づいて、第1の変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)及び第2の変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム)に対応する演出表示を演出表示装置(表示装置41)に表示するための制御を行う演出制御手段をなす。
【0181】
ここで、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム)の変動開始時に当該変動表示ゲームの変動表示時間(普図変動時間)と結果とを特定可能な変動パターン情報(普図変動パターンコマンド(当り時の変動パターンコマンド、はずれ時の変動パターンコマンド))を制御指令として演出制御手段(演出制御装置300)に送信するよう構成されている。
そして、演出制御手段(演出制御装置300)は、遊技制御手段(遊技制御装置100)から変動パターン情報(普図変動パターンコマンド)を受信したことに基づいて所定のタイマ(演出時間タイマ)による計時を開始するとともに、演出表示装置(表示装置41)に所定の擬似識別情報(飾り普通図柄)を変動表示させる演出表示(普図変動表示演出用の演出表示)を開始させるよう構成されている。
さらに、演出制御手段(演出制御装置300)は、受信した変動パターン情報(普図変動パターンコマンド)に基づいて変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム)の結果が特定結果であると判断した場合には、当該変動パターン情報に基づき特定可能な当該変動表示ゲームの変動表示時間(普図変動時間)とタイマ(演出時間タイマ)による計時情報とに基づいて変動入賞装置(普通変動入賞装置37)の開放動作の開始タイミングを特定し、当該特定した開始タイミングに同期して演出装置(盤装飾装置42、枠装飾装置18、盤演出装置44、枠演出装置45、上スピーカ19a、下スピーカ19b)に変動入賞装置(普通変動入賞装置37)が開放動作中であることを示す開放中演出(当り中演出用の演出)を開始させ、タイマ(演出時間タイマ)による計時が所定時間を経過したことに基づいて、演出装置(盤装飾装置42、枠装飾装置18、盤演出装置44、枠演出装置45、上スピーカ19a、下スピーカ19b)による開放中演出(当り中演出用の演出)を終了するよう構成されている。
また、演出制御手段(演出制御装置300)は、受信した変動パターン情報(普図変動パターンコマンド)に基づいて変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム)の結果が特定結果であると判断した場合には、特定した開始タイミング(普通変動入賞装置37の開放動作の開始タイミング)に同期して演出表示装置(表示装置41)に変動入賞装置(普通変動入賞装置37)が開放動作中であることを示す開放中演出表示(当り中演出用の演出表示)を開始させ、タイマ(演出時間タイマ)による計時が所定時間を経過したことに基づいて、演出表示装置(表示装置41)による開放中演出表示(当り中演出用の演出表示)を終了するよう構成されている。
【0182】
〔2ndメイン処理〕
次に、映像制御用マイコン(2ndCPU)312によって実行される2ndメイン処理について説明する。
この2ndメイン処理においては、
図26に示すように、はじめにプログラム開始時の処理を行う。
このプログラム開始時の処理として、まず、CPUを初期化するCPU初期化処理(ステップC71)を行い、RAMを0クリアして(ステップC72)、RAMの初期値を設定する(ステップC73)。
次いで、VDPを初期化するVDP初期化処理(ステップC74)を行い、各種割込みを許可する(ステップC75)。
次いで、各種制御処理の初期化処理(ステップC76)を行い、画面描画を許可する(ステップC77)。
【0183】
次に、メインループ処理としてループの処理を行う。
このループの処理では、まず、システム周期待ちフラグをクリアし(ステップC78)、システム周期待ちフラグが1であるか否かの判定を行う(ステップC79)。システム周期とは、画像データを一時的に格納する二つのバッファを切り替える周期であって、切り替えが可能な状態となるとシステム周期フラグが「1」となる。このシステム周期待ちフラグが1となるまでは、システム周期待ちフラグが1であるか否かの判定(ステップC79)を繰り返し、システム周期待ちフラグが1となると(ステップC79;Yes)、WDT(watchdog timer)をクリアし(ステップC80)、通常ゲーム処理(ステップC81)を行って、システム周期待ちフラグをクリアする処理(ステップC78)に戻る。
【0184】
〔通常ゲーム処理〕
次に、前述の2ndメイン処理における通常ゲーム処理(ステップC81)の詳細について説明する。
図27に示すように、通常ゲーム処理において、演出制御装置300の映像制御用マイコン(2ndCPU)312は、まず、受信コマンドチェック処理(ステップC91)を行う。この受信コマンドチェック処理では、1stCPUから送信されるコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定して、2ndシーン制御処理のためのコマンドの区分けをする処理を行う。
【0185】
次いで、背景の設定を行う背景処理(ステップC92)を行い、飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報や飾り普図変動表示ゲームにおける識別情報の変動に関する表示制御処理であるリール制御/表示処理(ステップC93)を行う。
次いで、特
図1保留表示器及び特
図2保留表示器の表示に連動して表示装置41に表示される飾り特図保留数表示(保留図柄)の設定を行う保留表示処理(ステップC94)を行う。
次いで、客待ちデモの表示に関する客待ちデモ処理(ステップC95)、受信したコマンドに基づいて表示内容を決定するシーン制御/表示処理(ステップC96)、ROMのデータをRAMに設定されたバッファに転送し、実際に表示をさせる処理を行う表示システム処理(ステップC97)を行って、通常ゲーム処理を終了する。
【0186】
図28〜
図31に、演出表示装置(表示装置41)及び演出装置(盤装飾装置42、枠装飾装置18、盤演出装置44、枠演出装置45、上スピーカ19a、下スピーカ19b)において実行される普図変動表示ゲームに対応する各演出の開始タイミングや終了タイミングを説明するためのタイミングチャートを示す。
【0187】
図28は、普通変動入賞装置37が通常動作状態である場合において、普電カウンタのカウント数が上限値に達する前に、普通変動入賞装置37の開放時間(開放開始からの時間)が最大開放時間を経過した場合について示す。この場合、時短状態ではないので、普通変動入賞装置37がサポート中でない場合の普電開放時間(例えば、500ミリ秒)が最大開放時間になる。
【0188】
まず、遊技制御装置100は、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づいて、普図表示装置(一括表示装置50に設けられたLED表示部53の普図表示器)における普図変動表示ゲームを開始するとともに、普図変動パターンコマンド(この例の場合、はずれ時の変動パターンコマンドである普図変動コマンド1)をコマンド送信領域に設定する(t1)。これにより、当該普図変動パターンコマンドが演出制御装置300に送信されて、普図表示装置における普図変動表示ゲームの変動開始タイミングと略同一のタイミングで(すなわち、普図表示装置における普図変動表示ゲームの変動開始タイミングに同期して)、演出表示装置(表示装置41)及び演出装置(盤装飾装置42、枠装飾装置18、盤演出装置44、枠演出装置45、上スピーカ19a、下スピーカ19b)において普図変動表示演出(演出「A」)が開始される。具体的には、表示装置41の第2表示領域R2において普図変動表示演出用の演出表示(例えば、普図表示装置における普図変動表示ゲームに対応した飾り普図変動表示ゲームの変動表示(すなわち、飾り普通図柄の変動表示))が開始されるとともに、盤装飾装置42、枠装飾装置18、盤演出装置44、枠演出装置45、上スピーカ19a及び下スピーカ19bのうちの少なくとも1つにおいて普図変動表示演出用の演出が開始される。
【0189】
次いで、遊技制御装置100は、普図表示装置における普図変動表示ゲームの実行時間(変動開始からの時間)が予め定められた普図変動時間を経過すると、普図表示装置における普図変動表示ゲームを停止する(t2)。
ここで、演出制御装置300に格納されている普図変動パターンテーブル(はずれ時用普図変動パターンテーブル、当り時用普図変動パターンテーブル)には、普図変動表示演出の演出時間値として、普図変動表示演出の演出時間が、予め定められた普図変動時間と略一致するように設定された時間値が記憶されている。そのため、遊技制御装置100から普図図柄停止コマンド(普図表示装置における普図変動表示ゲームの変動停止時に送信されるコマンド)等が送信されなくても、演出制御装置300は、普図表示装置における普図変動表示ゲームの変動停止タイミングと略同一のタイミングで(すなわち、普図表示装置における普図変動表示ゲームの変動停止タイミングに同期して)、演出表示装置及び演出装置における普図変動表示演出(演出「A」)を終了して、次の停止表示演出(演出「B」)を開始できるようになっている。
【0190】
次いで、遊技制御装置100は、普図表示装置において普図変動表示ゲームの結果を表示する停止時間(結果表示開始からの時間)が予め定められた普図停止時間を経過すると、普図始動記憶に基づいて、普図表示装置における普図変動表示ゲームを開始するとともに、普図変動パターンコマンド(この例の場合、当り時の変動パターンコマンドである普図変動コマンド2)をコマンド送信領域に設定する(t3)。これにより、当該普図変動パターンコマンドが演出制御装置300に送信されて、普図表示装置における普図変動表示ゲームの変動開始タイミングと略同一のタイミングで、演出表示装置及び演出装置において普図変動表示演出(演出「A」)が開始される。
【0191】
次いで、遊技制御装置100は、普図表示装置における普図変動表示ゲームの実行時間(変動開始からの時間)が予め定められた普図変動時間を経過すると、普図表示装置における普図変動表示ゲームを停止する(t4)。そして、演出制御装置300は、普図表示装置における普図変動表示ゲームの変動停止タイミングと略同一のタイミングで、演出表示装置及び演出装置における普図変動表示演出(演出「A」)を終了して、次の停止表示演出(演出「B」)を開始する。
【0192】
次いで、遊技制御装置100は、所定のタイミングで普通変動入賞装置37の作動(開放動作)を開始する(t5)。
一方、演出制御装置300は、普図表示装置における普図変動表示ゲームの変動停止(すなわち、演出表示装置及び演出装置における普図変動表示演出の終了)から普通変動入賞装置37の作動開始までの間(t4からt5までの間)に、演出表示装置及び演出装置において停止表示演出(演出「B」)及び当り開始演出(演出「C」)を実行する。その後、演出制御装置300は、普通変動入賞装置37の作動開始タイミングと略同一のタイミングで、演出表示装置及び演出装置における当り中演出(演出「D」)を開始する。
【0193】
ここで、演出制御装置300に格納されている普図変動パターンテーブル(当り時用普図変動パターンテーブル)には、停止表示演出の演出時間値及び当り開始演出の演出時間値として、停止表示演出の演出時間と当り開始演出の演出時間との和が、予め定められた普図表示装置における普図変動表示ゲームの変動停止から普通変動入賞装置37の作動開始までの時間と略一致するように設定された時間値が記憶されている。そのため、遊技制御装置100から普図当り開始コマンド(普通変動入賞装置37の作動開始時に送信されるコマンド)等が送信されなくても、演出制御装置300は、普通変動入賞装置37の作動開始タイミングと略同一のタイミングで、演出表示装置及び演出装置における当り中演出(演出「D」)を開始できるようになっている。
【0194】
次いで、遊技制御装置100は、普電カウンタのカウント数が上限値に達する前に、普通変動入賞装置37の開放時間(開放開始からの時間)が予め定められた普電開放時間(最大開放時間)を経過すると、普通変動入賞装置37の作動(開放動作)を停止する(t6)。
次いで、遊技制御装置100は、普電残存球処理(
図9のステップB13)及び普図当り終了処理(
図9のステップB14)を行った後、普図始動記憶がある場合には、当該普図始動記憶に基づいて、普図表示装置における普図変動表示ゲームを開始するとともに、普図変動パターンコマンドをコマンド送信領域に設定する(t7)。これにより、当該普図変動パターンコマンドが演出制御装置300に送信されて、普図表示装置における普図変動表示ゲームの変動開始タイミングと略同一のタイミングで、演出表示装置及び演出装置において普図変動表示演出(演出「A」)が開始される。
【0195】
ここで、演出制御装置300に格納されている普図変動パターンテーブル(当り時用普図変動パターンテーブル)には、普通変動入賞装置37がサポート中でない場合の当り中演出の演出時間値として、当り中演出の演出時間が、予め定められた普通変動入賞装置37の作動開始から遊技制御装置100による普図当り終了処理の終了までの時間(普通変動入賞装置37がサポート中でない場合の普電開放時間(Tomax_short)+普電残存球処理時間(Tzan)+普図エンディング時間(Tend))と略一致するように設定された時間値が記憶されている。そのため、遊技制御装置100から普図当り終了コマンド(遊技制御装置100による普図当り終了処理の終了時に送信されるコマンド)等が送信されなくても、演出制御装置300は、遊技制御装置100による普図当り終了処理の終了タイミングと略同一のタイミングで、演出表示装置及び演出装置における当り中演出(演出「D」)を終了できるようになっている。
【0196】
なお、本実施形態では、普図変動表示ゲームの結果がはずれである場合における普図変動時間と当りである場合における普図変動時間とが同一になるよう構成したが、これに限ることはなく、普図変動表示ゲームの結果がはずれである場合と当りである場合とで普図変動時間が異なるよう構成することも可能である。
また、前述したように、普図変動表示ゲームにおいても、特図変動表示ゲームのように、変動表示ゲームの実行時間(普図変動時間)や演出内容等を規定する変動パターンを複数設け、変動パターン乱数(或いは、「所定条件の成立の有無」等であってもよい。)に基づいて変動パターンを決定するよう構成してもよい。これにより、変動パターン乱数等に基づいて普図変動時間を異ならせることが可能となる。すなわち、遊技制御装置100は、当り乱数に基づき決定された普図変動表示ゲームの結果を特定可能であるとともに変動パターン乱数等に基づき決定された変動パターンを特定可能な普図変動パターンコマンドを演出制御装置300へと送信するよう構成されていてもよい。そして、演出制御装置300には、普図変動パターンテーブルとして、記憶されている普図変動表示演出の演出時間値や演出内容等が異なる複数のテーブルが格納されており、演出制御装置300は、その複数の普図変動パターンテーブルの中から、遊技制御装置100からの普図変動パターンコマンドに対応する一のテーブルを選択できるよう構成されていてもよい。
【0197】
図29は、普通変動入賞装置37が通常動作状態である場合において、普通変動入賞装置37の開放時間(開放開始からの時間)が最大開放時間を経過する前に、普電カウンタのカウント数が上限値に達するとともに、当該上限値に達する前に普図始動記憶が発生した場合について示す。この場合、時短状態ではないので、普通変動入賞装置37がサポート中でない場合の普電開放時間(例えば、500ミリ秒)が最大開放時間になる。
なお、t1からt5までは、
図28の場合と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0198】
遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37の開放時間(開放開始からの時間)が予め定められた普電開放時間(最大開放時間)を経過する前に、普電カウンタのカウント数が上限値に達すると、普通変動入賞装置37の作動(開放動作)を停止する(t11)。
次いで、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37の作動(開放動作)を停止した時点で普図始動記憶がある場合には、普通変動入賞装置37の開放開始からの時間が予め定められた普電開放時間(最大開放時間)を経過していなくても、直ちに普電残存球処理(
図9のステップB13)及び普図当り終了処理(
図9のステップB14)を行い、その後、当該普図始動記憶に基づいて、普図表示装置における普図変動表示ゲームを開始するとともに、普図変動パターンコマンドをコマンド送信領域に設定する(t12)。これにより、当該普図変動パターンコマンドが演出制御装置300に送信されて、普図表示装置における普図変動表示ゲームの変動開始タイミングと略同一のタイミングで、演出表示装置(表示装置41)及び演出装置(盤装飾装置42、枠装飾装置18、盤演出装置44、枠演出装置45、上スピーカ19a、下スピーカ19b)において普図変動表示演出(演出「A」)が開始される。
【0199】
すなわち、遊技制御手段(遊技制御装置300)は、変動入賞装置(普通変動入賞装置37)が開放動作中である場合には、当該変動入賞装置に所定数の遊技球が入賞したことに基づいて当該開放動作を終了するように制御するとともに、当該開放動作を終了した時点で始動記憶手段(遊技制御装置100のRAM111C等)に始動記憶(普図始動記憶)が記憶されている場合には、当該始動記憶に対応する変動パターン情報(普図変動パターンコマンド)を送信するための制御を行うよう構成されている。
そして、演出制御手段(演出制御装置300)は、演出表示装置(表示装置41)による開放中演出表示(当り中演出用の演出表示)及び演出装置(盤装飾装置42、枠装飾装置18、盤演出装置44、枠演出装置45、上スピーカ19a、下スピーカ19b)による開放中演出(当り中演出用の演出)の実行中に変動パターン情報(普図変動パターンコマンド)を受信した場合には、当該開放中演出表示及び当該開放中演出を終了するよう構成されている。
【0200】
このように、本実施形態において、演出制御装置300は、予め定められた当り中演出の期間(
図29において二点鎖線で示す演出「D」の期間)が終了する前に、普図変動パターンコマンドを受信した場合には、当該当り中演出の期間が終了していなくても、当り中演出を中止して普図変動表示演出を開始するよう構成されている。
これにより、遊技制御装置100から演出制御装置300へと普図当り終了コマンド(遊技制御装置100による普図当り終了処理の終了時に送信されるコマンド)等を送信しなくても、演出制御装置300は、演出表示装置及び演出装置における当り中演出を終了して、普図表示装置における普図変動表示ゲームの変動開始タイミングと略同一のタイミングで、演出表示装置及び演出装置における普図変動表示演出を開始することができる。
【0201】
図30は、普通変動入賞装置37が通常動作状態である場合において、普通変動入賞装置37の開放時間(開放開始からの時間)が最大開放時間を経過する前に、普電カウンタのカウント数が上限値に達するとともに、当該上限値に達する前に普図始動記憶が発生しなかった場合について示す。この場合、時短状態ではないので、普通変動入賞装置37がサポート中でない場合の普電開放時間(例えば、500ミリ秒)が最大開放時間になる。
なお、t1からt5までは、
図28の場合と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0202】
遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37の開放時間(開放開始からの時間)が予め定められた普電開放時間(最大開放時間)を経過する前に、普電カウンタのカウント数が上限値に達すると、普通変動入賞装置37の作動(開放動作)を停止する(t21)。
次いで、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37の作動(開放動作)を停止した時点で普図始動記憶がない場合には、普通変動入賞装置37の開放開始からの時間が予め定められた普電開放時間(最大開放時間)を経過すると(t22)、普電残存球処理(
図9のステップB13)及び普図当り終了処理(
図9のステップB14)を行う。
この場合、演出制御装置300は、予め定められた当り中演出の期間が終了する前に普図変動パターンコマンドを受信することがないため、当該当り中演出の期間が終了するまで当り中演出を行い(t23)、その後、その他の演出(
図30の場合は、停止表示演出(演出「B」))を行う。
【0203】
なお、本実施形態では、普通変動入賞装置37の作動(開放動作)を停止した時点で普図始動記憶がない場合には、普通変動入賞装置37の開放開始からの時間が予め定められた普電開放時間(最大開放時間)を経過した後に、普電残存球処理(
図9のステップB13)及び普図当り終了処理(
図9のステップB14)を行うよう構成したが、これに限ることはない。例えば、普通変動入賞装置37の作動(開放動作)を停止した時点で普図始動記憶がない場合でも、普通変動入賞装置37の開放開始からの時間が予め定められた普電開放時間(最大開放時間)を経過する前に普図始動記憶が発生した場合には、直ちに普電残存球処理(
図9のステップB13)及び普図当り終了処理(
図9のステップB14)を行い、その後、当該普図始動記憶に基づいて、普図表示装置における普図変動表示ゲームを開始するとともに、普図変動パターンコマンドをコマンド送信領域に設定するよう構成することも可能である。この場合、演出制御装置300は、予め定められた当り中演出の期間が終了する前に普図変動パターンコマンドを受信することになるため、当該当り中演出の期間が終了していなくても、当り中演出を中止して普図変動表示演出を開始する。
【0204】
図31は、普通変動入賞装置37が時短動作状態である場合について示す。この場合、時短状態であるので、普通変動入賞装置37がサポート中である場合の普電開放時間(例えば、1500ミリ秒)が最大開放時間になる。しかし、本実施形態において、遊技制御装置100は、当該設定される普電開放時間(普通変動入賞装置37がサポート中である場合の普電開放時間(Tomax_long=T1))が経過したり普電カウンタのカウント数が上限値に達したりしたことに基づいて、普電残存球処理及び普図当り終了処理を行うのではなく、当該設定される普電開放時間よりも短い特定開放時間(T2)が経過したことに基づいて、普電残存球処理及び普図当り終了処理を行うよう構成されている。
【0205】
具体的には、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37の開放時間(開放開始からの時間)が予め定められた特定開放時間(T2)を経過する前に、普電カウンタのカウント数が上限値に達すると、普通変動入賞装置37の作動(開放動作)を停止する(t31)。
次いで、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37の作動(開放動作)を停止した時点で普図始動記憶がない場合には、普通変動入賞装置37の開放開始からの時間が予め定められた特定開放時間を経過すると(t32)、普電残存球処理(
図9のステップB13)及び普図当り終了処理(
図9のステップB14)を行う。
【0206】
ここで、演出制御装置300に格納されている普図変動パターンテーブル(当り時用普図変動パターンテーブル)には、普通変動入賞装置37がサポート中である場合の当り中演出の演出時間値として、当り中演出の演出時間が、予め定められた普通変動入賞装置37の作動開始から遊技制御装置100による普図当り終了処理の終了までの時間(特定開放時間(T2)+普電残存球処理時間(Tzan)+普図エンディング時間(Tend))と略一致するように設定された時間値が記憶されている。そのため、遊技制御装置100から普図当り終了コマンド(遊技制御装置100による普図当り終了処理の終了時に送信されるコマンド)等が送信されなくても、演出制御装置300は、遊技制御装置100による普図当り終了処理の終了タイミングと略同一のタイミングで、演出表示装置及び演出装置における当り中演出(演出「D」)を終了できるようになっている。
この場合、演出制御装置300は、予め定められた当り中演出の期間が終了する前に普図変動パターンコマンドを受信することがないため、当該当り中演出の期間が終了するまで当り中演出を行い(t33)、その後、その他の演出(
図31の場合は、停止表示演出(演出「B」))を行う。
【0207】
これにより、遊技制御装置100から演出制御装置300へと普図当り終了コマンド(遊技制御装置100による普図当り終了処理の終了時に送信されるコマンド)等を送信しなくても、普通変動入賞装置37が時短動作状態である場合における当り中演出の演出時間が短くなるので、遊技者が当り中演出を冗長に感じてしまうことを抑制することができる。
すなわち、普通変動入賞装置37が時短動作状態である場合は、普通変動入賞装置37が通常動作状態である場合よりも単位時間あたりの普通変動入賞装置37の開放時間が実質的に多くなるので、普通変動入賞装置37の開放開始からの時間が普電開放時間(最大開放時間)を経過する前に、普電カウンタのカウント数が上限値に達することが多い。そのため、この場合、当り中演出の期間を、最大開放時間に応じて定めた期間(
図31において二点鎖線で示す演出「D」の期間)に設定すると、普電カウンタのカウント数が上限値に達したにもかかわらず当り中演出が延々と実行されて、遊技者が冗長に感じてしまうことが多くなる。これに対し、普通変動入賞装置37が時短動作状態である場合は、最大開放時間よりも短い特定開放時間が経過すると普電残存球処理及び普図当り終了処理を行い、当り中演出の期間を最大開放時間よりも短い特定開放時間に応じて定めた期間に設定することで、普電カウンタのカウント数が上限値に達したにもかかわらず当り中演出が延々と実行されることがなくなり、遊技者が冗長に感じてしまうことを抑制することができる。
【0208】
なお、本実施形態では、設定される普電開放時間(T1)の半分の時間(T1/2)を特定開放時間(T2)としたが、これに限ることはなく、特定開放時間(T2)の長さは、設定される普電開放時間(T1)よりも短ければ適宜任意に変更可能である。
また、本実施形態では、普通変動入賞装置37が時短動作状態である場合、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37の開放時間(開放開始からの時間)が予め定められた特定開放時間を経過した時点で、普電残存球処理及び普図当り終了処理を行うよう構成したが、これに限ることはなく、例えば、特定開放時間が経過する前の普電カウンタのカウント数が上限値に達した時点で普電残存球処理及び普図当り終了処理を行うよう構成することも可能である。
【0209】
また、普通変動入賞装置37が時短動作状態である場合、遊技制御装置100は、普電カウンタのカウント数が上限値に達する前に、普通変動入賞装置37の開放時間(開放開始からの時間)が予め定められた特定開放時間を経過した場合には、普電カウンタのカウント数が上限値に達する前の特定開放時間を経過した時点で、普通変動入賞装置37の作動(開放動作)を停止して、普電残存球処理及び普図当り終了処理を行ってもよいし、特定開放時間の経過後の普電カウンタのカウント数が上限値に達した時点で、普通変動入賞装置37の作動(開放動作)を停止して、普電残存球処理及び普図当り終了処理を行ってもよい。ただし、特定開放時間の経過後の普電カウンタのカウント数が上限値に達した時点で普通変動入賞装置37の作動(開放動作)を停止する場合、遊技制御装置100による普図当り終了処理の終了タイミングと、演出表示装置及び演出装置における当り中演出の終了タイミングとが同期しないので、普図当り終了処理の終了タイミングと、当り中演出の終了タイミングとを同期させることを重視するのであれば、普電カウンタのカウント数が上限値に達する前の特定開放時間を経過した時点で普通変動入賞装置37の作動(開放動作)を停止することが好ましい。
【0210】
ところで、従来、特図変動表示ゲームに対応させて演出表示装置に変動表示ゲームを表示し、その特図変動表示ゲームの停止表示態様に関連して、特典遊技を発生する等の特定の遊技価値を付与するようにした遊技機(パチンコ遊技機)がある。この種の遊技機では、遊技制御装置から演出制御装置に指令信号(コマンド)を送信し、演出制御装置はその指令信号に基づいて演出表示装置における表示演出や発光装置等における装飾演出を制御するようになっている。
具体的には、特図変動表示ゲームの変動開始時に送信される変動パターンコマンドに基づいて演出表示装置において変動表示を開始し、特図変動表示ゲームの変動停止時に送信される停止コマンドに基づいて当該変動表示を停止させるようにしている。そして、大当り開始時に送信されるファンファーレコマンドに基づいて表示装置や発光装置において大当り演出を開始し、大当り終了時に送信されるエンディングコマンドに基づいて当該大当り演出を終了するようにしている(例えば、特開2010−172360号公報参照)。すなわち、遊技制御装置は、変動表示ゲームに対応する各演出を変動開始から当り終了までに亘って適切なタイミングで行わせるために、変動表示ゲームに関する複数のコマンドを演出制御装置に送信するようになっている。
【0211】
しかしながら、特図変動表示ゲームだけでなく、普図変動表示ゲームについても対応する各演出を変動開始から当り終了までに亘って適切なタイミングで行わせる必要があるが、そのために普図変動表示ゲームに関する複数のコマンドを演出制御装置に送信するよう構成すると、特図変動表示ゲームに関する複数のコマンドも、普図変動表示ゲームに関する複数のコマンドも演出制御装置に送信しなければならなくなり、遊技制御装置に大きな処理負担がかかってしまう。
そこで、第1実施形態は、遊技制御装置の処理負担を軽減しつつ、変動開始から当り終了までの各演出を適切なタイミングで行うことを目的とした。
【0212】
以上説明した第1実施形態の遊技機10によれば、複数の識別情報を変動表示した後、結果を導出する変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム)を表示する変動表示装置(LED表示部53の普図表示器)と、当該変動表示ゲームの結果が特定結果となった場合に閉状態から開状態に変換する開放動作を行う変動入賞装置(普通変動入賞装置37)と、変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム)に対応する演出表示を表示可能な演出表示装置(表示装置41)と、遊技の進行に伴い演出態様を変化させる演出装置(盤装飾装置42、枠装飾装置18、盤演出装置44、枠演出装置45、上スピーカ19a、下スピーカ19b)と、を備えた遊技機10において、変動表示装置(LED表示部53の普図表示器)及び変動入賞装置(普通変動入賞装置37)の制御を行うとともに、演出表示装置(表示装置41)に表示する演出表示及び演出装置(盤装飾装置42、枠装飾装置18、盤演出装置44、枠演出装置45、上スピーカ19a、下スピーカ19b)の演出態様を指示するための制御指令を送信するための制御を行う遊技制御手段(遊技制御装置100)と、演出表示装置(表示装置41)に遊技制御手段(遊技制御装置100)から送信される制御指令に対応する演出表示を行わせるための制御を行うとともに、演出装置(盤装飾装置42、枠装飾装置18、盤演出装置44、枠演出装置45、上スピーカ19a、下スピーカ19b)の演出態様を遊技制御手段(遊技制御装置100)から送信される制御指令に対応する演出態様に変化させるための制御を行う演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム)の変動開始時に当該変動表示ゲームの変動表示時間(普図変動時間)と結果とを特定可能な変動パターン情報(普図変動パターンコマンド(当り時の変動パターンコマンド、はずれ時の変動パターンコマンド))を制御指令として演出制御手段(演出制御装置300)に送信し、演出制御手段(演出制御装置300)は、遊技制御手段(遊技制御装置100)から変動パターン情報(普図変動パターンコマンド)を受信したことに基づいて所定のタイマ(演出時間タイマ)による計時を開始するとともに、演出表示装置(表示装置41)に所定の擬似識別情報(飾り普通図柄)を変動表示させる演出表示(普図変動表示演出用の演出表示)を開始させ、さらに、受信した変動パターン情報(普図変動パターンコマンド)に基づいて変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム)の結果が特定結果であると判断した場合には、当該変動パターン情報に基づき特定可能な当該変動表示ゲームの変動表示時間(普図変動時間)とタイマ(演出時間タイマ)による計時情報とに基づいて変動入賞装置(普通変動入賞装置37)の開放動作の開始タイミングを特定し、当該特定した開始タイミングに同期して演出装置(盤装飾装置42、枠装飾装置18、盤演出装置44、枠演出装置45、上スピーカ19a、下スピーカ19b)に変動入賞装置(普通変動入賞装置37)が開放動作中であることを示す開放中演出(当り中演出用の演出)を開始させ、タイマ(演出時間タイマ)による計時が所定時間を経過したことに基づいて、演出装置(盤装飾装置42、枠装飾装置18、盤演出装置44、枠演出装置45、上スピーカ19a、下スピーカ19b)による開放中演出(当り中演出用の演出)を終了するよう構成されている。
【0213】
すなわち、演出制御装置300は、遊技制御装置100からの制御指令が変動開始時にしか送信されなくても、当該制御指令を受信したことに基づいて所定のタイマ(演出時間タイマ)による計時を開始するとともに、演出表示装置による所定の擬似識別情報(飾り普通図柄)を変動表示させる演出表示(普図変動表示演出用の演出表示)を開始することができ、さらに、当該所定のタイマによる計時情報に基づいて、普通変動入賞装置37の開放動作に合わせて演出装置による開放中演出(当り中演出用の演出)を開始して終了することができる。したがって、従来の遊技機のように、変動表示ゲームに関する複数のコマンドを演出制御装置に送信するよう構成すると、遊技制御装置に大きな処理負担がかかってしまうが、第1実施形態の遊技機10のように構成することで、遊技制御装置100の処理負担を軽減しつつ、演出装置おける変動開始から当り終了までの演出を適切なタイミングで行うことが可能となる。
【0214】
なお、本実施形態では、特図変動表示ゲームに関するコマンドとして複数のコマンドを遊技制御装置100から演出制御装置300に送信し、普図変動表示ゲームに関するコマンドとして変動開始時に送信されるコマンド(普図変動パターンコマンド)のみを遊技制御装置100から演出制御装置300に送信するよう構成したが、これに限ることはなく、例えば、普図変動表示ゲームに関するコマンドとして複数のコマンドを遊技制御装置100から演出制御装置300に送信し、特図変動表示ゲームに関するコマンドとして変動開始時に送信されるコマンド(変動パターンコマンド(図柄コマンド))のみを遊技制御装置100から演出制御装置300に送信するよう構成することも可能である。この場合、特
図1表示器51及び特
図2表示器52が、複数の識別情報を変動表示した後、結果を導出する変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)を表示する変動表示装置をなし、特別変動入賞装置38が、当該変動表示ゲームの結果が特定結果となった場合に閉状態から開状態に変換する開放動作を行う変動入賞装置をなす。
また、普図変動表示ゲームに関するコマンドも、特図変動表示ゲームに関するコマンドも、変動開始時にしか送信しないよう構成することも可能である。
【0215】
また、以上説明した第1実施形態の遊技機10によれば、演出制御手段(演出制御装置300)は、受信した変動パターン情報(普図変動パターンコマンド)に基づいて変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム)の結果が特定結果であると判断した場合には、特定した開始タイミング(普通変動入賞装置37の開放動作の開始タイミング)に同期して演出表示装置(表示装置41)に変動入賞装置(普通変動入賞装置37)が開放動作中であることを示す開放中演出表示(当り中演出用の演出表示)を開始させ、タイマ(演出時間タイマ)による計時が所定時間を経過したことに基づいて、演出表示装置(表示装置41)による開放中演出表示(当り中演出用の演出表示)を終了するよう構成されている。
【0216】
すなわち、演出制御装置300は、遊技制御装置100からの制御指令が変動開始時にしか送信されなくても、普通変動入賞装置37の開放動作に合わせて演出表示装置による開放中演出表示(当り中演出用の演出表示)を開始して終了することができる。したがって、従来の遊技機のように、変動表示ゲームに関する複数のコマンドを演出制御装置に送信するよう構成すると、遊技制御装置に大きな処理負担がかかってしまうが、第1実施形態の遊技機10のように構成することで、遊技制御装置100の処理負担を軽減しつつ、演出表示装置おける変動開始から当り終了までの演出表示を適切なタイミングで行うことが可能となる。
【0217】
また、以上説明した第1実施形態の遊技機10によれば、所定領域(普通変動入賞装置37内部の第2始動入賞口)への遊技球の通過に基づき変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム)の実行権利を始動記憶(普図始動記憶)として所定の上限数まで記憶可能な始動記憶手段(遊技制御装置100のRAM111C等)を備え、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、変動入賞装置(普通変動入賞装置37)が開放動作中である場合には、当該変動入賞装置に所定数の遊技球が入賞したことに基づいて当該開放動作を終了するように制御するとともに、当該開放動作を終了した時点で始動記憶手段(遊技制御装置100のRAM111C等)に始動記憶(普図始動記憶)が記憶されている場合には、当該始動記憶に対応する変動パターン情報(普図変動パターンコマンド)を送信するための制御を行い、演出制御手段(演出制御装置300)は、演出表示装置(表示装置41)による開放中演出表示(当り中演出用の演出表示)及び演出装置(盤装飾装置42、枠装飾装置18、盤演出装置44、枠演出装置45、上スピーカ19a、下スピーカ19b)による開放中演出(当り中演出用の演出)の実行中に変動パターン情報(普図変動パターンコマンド)を受信した場合には、当該開放中演出表示及び当該開放中演出を終了するよう構成されている。
【0218】
すなわち、演出表示装置による開放中演出表示(当り中演出用の演出表示)及び演出装置による開放中演出(当り中演出用の演出)の実行中に制御指令を受信した場合には、当該開放中演出表示及び当該開放中演出を終了するようにしたので、遊技制御装置100からの制御指令が変動開始時にしか送信されなくても、次の変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム)の変動表示中にまで当該開放中演出表示や当該開放中演出が継続してしまうことがなく、適切なタイミングで当り演出(当該開放中演出表示や当該開放中演出)を終了することができる。
【0219】
<変形例1>
次に、第1実施形態の変形例1について説明する。
変形例1においては、
図25に示す普図演出表示制御処理に替えて、
図32に示す普図演出表示制御処理を行う。
【0220】
〔普図演出表示制御処理〕
図32に示すように、この普図演出表示制御処理において、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311は、ステップC51で、普図変動パターンコマンドを受信したと判定した場合(ステップC51;Yes)には、演出時間タイマの残り時間があるか否かを判定する(ステップC101)。
ステップC101で、演出時間タイマの残り時間がないと判定した場合(ステップC101;No)、すなわち、演出時間タイマがタイムアップした場合には、処理をステップC52に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップC101で、演出時間タイマの残り時間があると判定した場合(ステップC101;Yes)、すなわち、演出時間タイマがタイムアップしていない場合には、受信した普図変動パターンコマンドが、当り時の変動パターンコマンド(
図12のステップB60)であるか否かを判定する(ステップC102)。
【0221】
ステップC102で、受信した普図変動パターンコマンドが、当り時の変動パターンコマンドであると判定した場合(ステップC102;Yes)には、処理をステップC52に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップC102で、受信した普図変動パターンコマンドが、当り時の変動パターンコマンドでないと判定した場合(ステップC102;No)、すなわち、受信した普図変動パターンコマンドが、はずれ時の変動パターンコマンド(
図12のステップB50)である場合には、普図演出表示制御処理を終了する。
すなわち、本変形例において、演出制御装置300は、普図変動パターンコマンドを受信しても、当該普図変動パターンコマンドがはずれ時の変動パターンコマンドである場合には、普図変動表示演出を開始せずに当り中演出を継続するよう構成されている。
【0222】
図33及び
図34に、変形例1の演出表示装置(表示装置41)及び演出装置(盤装飾装置42、枠装飾装置18、盤演出装置44、枠演出装置45、上スピーカ19a、下スピーカ19b)において実行される普図変動表示ゲームに対応する各演出の開始タイミングや終了タイミングを説明するためのタイミングチャートであって、普通変動入賞装置37が通常動作状態である場合において、普通変動入賞装置37の開放時間(開放開始からの時間)が最大開放時間を経過する前に、普電カウンタのカウント数が上限値に達するとともに、当該上限値に達する前に普図始動記憶が発生した場合についてのタイミングチャートを示す。
図33は、当該上限値に達する前に発生した普図始動記憶に基づく普図変動表示ゲームの結果が当りである場合について示す。また、
図34は、当該上限値に達する前に発生した普図始動記憶に基づく普図変動表示ゲームの結果がはずれである場合について示す。
なお、t1からt5までは、
図28の場合と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0223】
遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37の開放時間(開放開始からの時間)が予め定められた普電開放時間(最大開放時間)を経過する前に、普電カウンタのカウント数が上限値に達すると、普通変動入賞装置37の作動(開放動作)を停止する(t41)。
次いで、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37の作動(開放動作)を停止した時点で普図始動記憶がある場合には、普通変動入賞装置37の開放開始からの時間が予め定められた普電開放時間(最大開放時間)を経過していなくても、直ちに普電残存球処理(
図9のステップB13)及び普図当り終了処理(
図9のステップB14)を行い、その後、当該普図始動記憶に基づいて、普図表示装置における普図変動表示ゲームを開始するとともに、普図変動パターンコマンドをコマンド送信領域に設定する(t42)。これにより、当該普図変動パターンコマンドが演出制御装置300に送信される。
【0224】
演出制御装置300は、遊技制御装置100からの普図変動パターンコマンドを受信すると、当該普図変動パターンコマンドが当り時の変動パターンコマンドであるか否かを判定する。
そして、当該普図変動パターンコマンドが当り時の変動パターンコマンドであると判定した場合には、演出制御装置300は、
図33に示すように、演出表示装置(表示装置41)及び演出装置(盤装飾装置42、枠装飾装置18、盤演出装置44、枠演出装置45、上スピーカ19a、下スピーカ19b)における当り中演出(演出「D」)を中止して普図変動表示演出(演出「A」)を開始する。これにより、普図表示装置における普図変動表示ゲームの変動開始タイミングと略同一のタイミングで、演出表示装置及び演出装置において普図変動表示演出(演出「A」)が開始される。
【0225】
一方、当該普図変動パターンコマンドが当り時の変動パターンコマンドでないと判定した場合、すなわち、当該普図変動パターンコマンドがはずれ時の変動パターンコマンドである場合には、演出制御装置300は、
図34に示すように、演出表示装置(表示装置41)及び演出装置(盤装飾装置42、枠装飾装置18、盤演出装置44、枠演出装置45、上スピーカ19a、下スピーカ19b)における当り中演出(演出「D」)を中止せずに、予め定められた当り中演出の期間が終了するまで(t43)、当該当り中演出を継続して行い、その後、その他の演出(
図34の場合は、停止表示演出(演出「B」))を行う。
このように、本変形例において、演出制御装置300は、普図変動パターンコマンドを受信しても、当該普図変動パターンコマンドがはずれ時の変動パターンコマンドである場合には、普図表示装置における普図変動表示ゲームの変動表示に同期して普図変動表示演出を行う期間(
図34において二点鎖線で示す演出「A」の期間)であっても普図変動表示演出を開始せずに、予め定められた当り中演出の期間が終了するまで当り中演出を継続するよう構成されている。
これにより、遊技者に落胆感を抱かせることがなくなり、興趣を向上させることが可能となる。すなわち、普図変動表示ゲームの結果がはずれである場合、当り中演出を中止してまで当該普図変動表示ゲームに対応する演出を実行すると、遊技者が落胆してしまう虞がある。これに対し、本変形例では、普図変動表示ゲームの結果がはずれである場合には、当り中演出を中止してまで当該普図変動表示ゲームに対応する演出を実行することがないので、遊技者に落胆感を抱かせることなく、興趣を向上させることが可能となる。
【0226】
以上説明した変形例1の遊技機10によれば、演出制御手段(演出制御装置300)は、演出表示装置(表示装置41)による開放中演出表示(当り中演出用の演出表示)及び演出装置(盤装飾装置42、枠装飾装置18、盤演出装置44、枠演出装置45、上スピーカ19a、下スピーカ19b)による開放中演出(当り中演出用の演出)の実行中に変動パターン情報(普図変動パターンコマンド)を受信した場合には、当該変動パターン情報の種類に基づいて、当該開放中演出表示及び当該開放中演出を継続させるか否か決定するよう構成されている。
具体的には、本変形例では、普図変動パターンコマンドがはずれ時の変動パターンコマンドである場合に、開放中演出表示(当り中演出用の演出表示)及び開放中演出(当り中演出用の演出)を継続させるように決定するよう構成されている。
したがって、普図変動パターンコマンドの種類に基づいて、演出表示装置による開放中演出表示及び演出装置による開放中演出を継続させるか否かを決定するようにしたので、遊技者に落胆感を抱かせることなく、興趣を向上させることが可能となる。
【0227】
なお、普図変動パターンコマンドが当り時の変動パターンコマンドである場合に、開放中演出表示(当り中演出用の演出表示)及び開放中演出(当り中演出用の演出)を継続させるように決定することも可能である。
また、変形例1では、普図変動パターンコマンドの種類をゲームの結果とし、ゲームの結果に基づいて演出を継続させるか否か決定するよう構成したが、これに限ることはなく、普図変動パターンコマンドの種類は適宜任意に変更可能である。具体的には、例えば、前述したように、普図変動表示ゲームにおいても変動パターンが複数設けられ、遊技制御装置100が決定した変動パターンを普図変動パターンコマンドに基づき特定可能であれば、特定した変動パターンに基づいて、開放中演出表示(当り中演出用の演出表示)及び開放中演出(当り中演出用の演出)を継続させるか否か決定するよう構成することも可能である。
【0228】
<変形例2>
次に、第1実施形態の変形例2について説明する。
ここで、本変形例において、遊技制御装置100は、変動パターン乱数等に基づいて普図変動時間(普図変動表示ゲームの実行時間)を異ならせるよう構成されていることとする。
変形例2においては、
図25に示す普図演出表示制御処理に替えて、
図35に示す普図演出表示制御処理を行う。
【0229】
〔普図演出表示制御処理〕
図35に示すように、この普図演出表示制御処理において、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311は、ステップC51で、普図変動パターンコマンドを受信したと判定した場合(ステップC51;Yes)には、演出時間タイマの残り時間があるか否かを判定する(ステップC111)。
ステップC111で、演出時間タイマの残り時間がないと判定した場合(ステップC111;No)、すなわち、演出時間タイマがタイムアップした場合には、処理をステップC52に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップC111で、演出時間タイマの残り時間があると判定した場合(ステップC111;Yes)、すなわち、演出時間タイマがタイムアップしていない場合には、受信した普図変動パターンコマンドが、普図変動時間の短い短時間変動用の変動パターンコマンドであるか否かを判定する(ステップC112)。なお、短時間変動用の変動パターンコマンドであるか否かの判定は、例えば、受信した普図変動パターンコマンドに対応する普図変動パターンテーブルに記憶されている普図変動表示演出の演出時間値が所定の閾値未満であるかによって判定することも可能であるし、受信した普図変動パターンコマンドに含まれる識別子等に基づいて判定することも可能である。
【0230】
ステップC112で、受信した普図変動パターンコマンドが、短時間変動用の変動パターンコマンドでないと判定した場合(ステップC112;No)には、受信した普図変動パターンコマンドが、当り時の変動パターンコマンド(
図12のステップB60)であるか否かを判定する(ステップC113)。
ステップC113で、受信した普図変動パターンコマンドが、当り時の変動パターンコマンドでないと判定した場合(ステップC113;No)、すなわち、受信した普図変動パターンコマンドが、はずれ時の変動パターンコマンド(
図12のステップB50)である場合には、処理をステップC52に移行して、それ以降の処理を行う。
【0231】
一方、ステップC112で、受信した普図変動パターンコマンドが、短時間変動用の変動パターンコマンドであると判定した場合(ステップC112;Yes)、又は、ステップC113で、受信した普図変動パターンコマンドが、当り時の変動パターンコマンド(
図12のステップB60)であると判定した場合(ステップC113;Yes)には、受信した普図変動パターンコマンドに対応する演出時間値を演出時間タイマに設定して(ステップC114)、普図演出表示制御処理を終了する。これにより、予め設定された当り中演出の期間が延長されて、ステップC114で設定した演出時間タイマがタイムアップするまで当り中演出が継続される。
すなわち、本変形例において、演出制御装置300は、普図変動パターンコマンドを受信しても、当該普図変動パターンコマンドが短時間変動用の変動パターンコマンド又は当り時の変動パターンコマンドである場合には、普図変動表示演出を開始せずに、予め設定された当り中演出の期間を当該普図変動パターンコマンドに対応する演出期間が終了するまで延長して当り中演出を継続するよう構成されている。
【0232】
図36に、変形例2の演出表示装置(表示装置41)及び演出装置(盤装飾装置42、枠装飾装置18、盤演出装置44、枠演出装置45、上スピーカ19a、下スピーカ19b)において実行される普図変動表示ゲームに対応する各演出の開始タイミングや終了タイミングを説明するためのタイミングチャートであって、普通変動入賞装置37が通常動作状態である場合において、普通変動入賞装置37の開放時間(開放開始からの時間)が最大開放時間を経過する前に、普電カウンタのカウント数が上限値に達するとともに、当該上限値に達する前に普図始動記憶が発生した場合についてのタイミングチャートを示す。
なお、t1からt5までは、
図28の場合と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0233】
遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37の開放時間(開放開始からの時間)が予め定められた普電開放時間(最大開放時間)を経過する前に、普電カウンタのカウント数が上限値に達すると、普通変動入賞装置37の作動(開放動作)を停止する(t51)。
次いで、遊技制御装置100は、普通変動入賞装置37の作動(開放動作)を停止した時点で普図始動記憶がある場合には、普通変動入賞装置37の開放開始からの時間が予め定められた普電開放時間(最大開放時間)を経過していなくても、直ちに普電残存球処理(
図9のステップB13)及び普図当り終了処理(
図9のステップB14)を行い、その後、当該普図始動記憶に基づいて、普図表示装置における普図変動表示ゲームを開始するとともに、普図変動パターンコマンドをコマンド送信領域に設定する(t52)。これにより、当該普図変動パターンコマンドが演出制御装置300に送信される。
【0234】
演出制御装置300は、遊技制御装置100からの普図変動パターンコマンドを受信すると、当該普図変動パターンコマンドが短時間変動用の変動パターンコマンド又は当り時の変動パターンコマンドであるか否かを判定する。
そして、当該普図変動パターンコマンドが短時間変動用の変動パターンコマンド又は当り時の変動パターンコマンドであると判定した場合、演出制御装置300は、演出表示装置(表示装置41)及び演出装置(盤装飾装置42、枠装飾装置18、盤演出装置44、枠演出装置45、上スピーカ19a、下スピーカ19b)における当り中演出(演出「D」)を中止せずに、当該普図変動パターンコマンドを受信してからの時間が当該普図変動パターンコマンドに対応する演出時間を経過するまで(t53)、当該当り中演出を継続して行い、その後、その他の演出(この例の場合、停止表示演出(演出「B」))を行う。これにより、遊技制御装置100からの普図変動パターンコマンドが当り時の変動パターンコマンドである場合には遊技制御装置100による普図当り終了処理の終了タイミングと略同一のタイミングで、演出表示装置及び演出装置における当り中演出(演出「D」)が終了し、遊技制御装置100からの普図変動パターンコマンドが短時間変動用の変動パターンコマンドのうちはずれ時の変動パターンコマンドである場合には普図表示装置において普図変動表示ゲームの結果を表示する停止時間の終了タイミングと略同一のタイミングで、演出表示装置及び演出装置における当り中演出(演出「D」)が終了する。
【0235】
このように、本変形例において、演出制御装置300は、普図変動パターンコマンドを受信しても、当該普図変動パターンコマンドが短時間変動用の変動パターンコマンド又は当り時の変動パターンコマンドである場合には、普図表示装置における普図変動表示ゲームの変動表示に同期して普図変動表示演出を行う期間であっても、普図変動表示演出を開始せずに、予め定められた当り中演出の期間を当該普図変動パターンコマンドに対応する演出期間が終了するまで延長して当り中演出を継続するよう構成されている。
これにより、遊技者や遊技店員を混乱させることなく適切なタイミングで当り中演出を終了することができる。すなわち、普図変動パターンコマンドとして当り時の変動パターンコマンドを受信した場合には、当該受信に基づき当り中演出を終了して普図変動表示演出を開始しても、再び当り中演出を実行することになるので、遊技者や遊技店員が混乱してしまう虞がある。また、普図変動パターンコマンドとして短時間変動用の変動パターンコマンドを受信した場合には、当該受信に基づき当り中演出を終了して普図変動表示演出を開始しても、すぐに普図変動表示演出が終了するので、遊技者や遊技店員が混乱してしまう虞がある。これに対し、本変形例では、普図変動パターンコマンドとして短時間変動用の変動パターンコマンド又は当り時の変動パターンコマンドを受信した場合には、当り中演出を終了して普図変動表示演出を開始せずに、当該普図変動パターンコマンドに対応する演出期間が終了するまで当該当り中演出を継続するので、遊技者や遊技店員を混乱させることなく適切なタイミングで当り中演出を終了することができる。
【0236】
以上説明した変形例2の遊技機10によれば、演出制御手段(演出制御装置300)は、演出表示装置(表示装置41)による開放中演出表示(当り中演出用の演出表示)及び演出装置(盤装飾装置42、枠装飾装置18、盤演出装置44、枠演出装置45、上スピーカ19a、下スピーカ19b)による開放中演出(当り中演出用の演出)の実行中に変動パターン情報(普図変動パターンコマンド)を受信した場合には、当該変動パターン情報に基づき特定可能な変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム)の変動表示時間(普図変動時間)及び結果の少なくとも一方に基づいて、当該開放中演出表示及び当該開放中演出を継続させるか否か決定するよう構成されている。
具体的には、本変形例では、普図変動表示ゲームの変動表示時間(普図変動時間)が所定の閾値未満である場合(すなわち、普図変動表示ゲームが短時間変動である場合)又は普図変動表示ゲームの結果が特定結果(当り)である場合に、開放中演出表示(当り中演出用の演出表示)及び開放中演出(当り中演出用の演出)を継続させるように決定するよう構成されている。
したがって、普図変動パターンコマンドに基づき特定可能な普図変動表示ゲームの変動表示時間(普図変動時間)及び結果の少なくとも一方に基づいて、演出表示装置による開放中演出表示及び演出装置による開放中演出を継続させるか否かを決定するようにしたので、遊技者や遊技店員を混乱させることなく適切なタイミングで当り演出(当該開放中演出表示や当該開放中演出)を終了することができる。
【0237】
なお、普図変動パターンコマンドに基づき特定可能な普図変動表示ゲームの変動表示時間(普図変動時間)及び結果の少なくとも一方に基づいて、演出を継続させるか否かを決定できるのであれば、本変形例のように、当り変動又は短時間変動である場合に、演出を継続させるように決定することも可能であるし、或いは、当り変動及び短時間変動である場合に、演出を継続させるように決定することも可能であるし、当り変動及び/又は長時間変動(変動表示時間(普図変動時間)が所定の閾値以上である普図変動表示ゲーム)である場合に、演出を継続させるように決定することも可能であるし、はずれ変動及び/又は短時間変動である場合に、演出を継続させるように決定することも可能であるし、はずれ変動及び/又は長時間変動である場合に、演出を継続させるように決定することも可能である。
また、変形例2では、変動パターン乱数等に基づいて普図変動時間を異ならせるよう構成したが、普電サポートあり時の普図変動時間(普図変動表示ゲームの実行時間)を、普電サポートなし時の普図変動時間よりも短くするなど普電サポートの有無によって普図変動時間を設定するような場合にも適用してもよい。
【0238】
<第2実施形態>
次に、第2実施形態について説明する。
なお、第2実施形態の遊技機10は、停電復旧時に表示装置41に表示される演出表示(特図変動表示ゲームに対応する演出表示や普図変動表示ゲームに対応する演出表示)の復帰タイミングが、第1実施形態の遊技機10と異なる。したがって、第1実施形態と異なる箇所のみについて説明し、その他の共通する部分の詳細な説明は省略する。
【0239】
従来、一つの演出表示装置に、普図変動表示ゲームに対応する演出表示を表示可能な普図変動表示領域と、普図変動表示領域よりも大きく、特図変動表示ゲームに対応する演出表示を表示可能な特図変動表示領域とを設けた遊技機が提案されている(例えば、特開2009−125521号公報参照)。
この種の遊技機では、遊技制御装置から演出制御装置に指令信号を送信し、演出制御装置はその指令信号に基づいて演出装置(LED等の装飾装置、スピーカ等)や演出表示装置を制御するようになっている。
【0240】
しかしながら、このような遊技機では、遊技制御装置にはバックアップ機能を設けているが、演出制御装置にはバックアップ機能を設けていないため、停電が発生すると遊技制御装置から次の指令信号を受信するまで演出表示装置に表示される演出表示を復帰することができない。
【0241】
また、このような遊技機において、演出制御装置は、停電復旧時、遊技制御装置からの特図変動表示ゲームに関するコマンドを受信したことに基づいて演出表示装置の特図変動表示領域(第1表示領域R1)を停電復旧画面から通常画面(特図変動表示ゲームに対応する演出表示が導出される画面)に復帰させ、遊技制御装置からの普図変動表示ゲームに関するコマンドを受信したことに基づいて演出表示装置の普図変動表示領域(第2表示領域R2)を停電復旧画面から通常画面(普図変動表示ゲームに対応する演出表示が導出される画面)に復帰させるよう構成されている。
【0242】
このような構成の場合、本発明のように遊技制御装置から送信される普図変動表示ゲームに関するコマンドが普図変動表示ゲームの変動開始時に送信される普図変動パターンコマンドだけだと、普図変動表示領域が特図変動表示領域に比べて通常画面に復帰し難い。そのため、遊技者や遊技店員が、演出表示装置に不具合が生じたのでは?と勘違いして、混乱してしまう。
また、特図変動表示ゲームに対応する演出表示と、普図変動表示ゲームに対応する演出表示とが、別々のコマンドに基づいて復帰するので、特図変動表示ゲームに対応する演出表示が復帰したにもかかわらず、普図変動表示ゲームに対応する演出表示が復帰しなかったり、普図変動表示ゲームに対応する演出表示が復帰したにもかかわらず、特図変動表示ゲームに対応する演出表示が復帰しなかったりする場合がある。特図変動表示ゲームに対応する演出表示が復帰したにもかかわらず、普図変動表示ゲームに対応する演出表示が復帰しない場合には、特図変動表示領域は停電復旧画面から通常画面に復帰しているが、普図変動表示領域では停電復旧画面が表示されたままとなってしまう。また、普図変動表示ゲームに対応する演出表示が復帰したにもかかわらず、特図変動表示ゲームに対応する演出表示が復帰しない場合には、普図変動表示領域は停電復旧画面から通常画面に復帰しているが、特図変動表示領域では停電復旧画面が表示されたままとなってしまう。特に、本発明のように特図変動表示領域が普図変動表示領域よりも大きい場合には特図変動表示領域が普図変動表示領域よりも目立つため、普図変動表示領域では通常画面に復帰したにもかかわらず、普図変動表示領域よりも占有面積の大きい特図変動表示領域では停電復旧画面が表示されたままだと、遊技者や遊技店員が、演出表示装置に不具合が生じたのでは?と勘違いして、混乱してしまう。
【0243】
そのため、停電復旧時には、遊技者や遊技店員を混乱させないためにも演出表示装置に表示される特図変動表示ゲームに対応する演出表示と、普図変動表示ゲームに対応する演出表示とを適切なタイミングで復帰させる必要がある。
そこで、第2実施形態は、停電復旧時に演出表示装置に表示される演出表示を適切なタイミングで復帰させることで、停電復旧時に遊技者や遊技店員が混乱することを防止することを目的とする。
【0244】
具体的には、例えば、
図37(a)に示すように、特図変動表示ゲーム及び普図変動表示ゲームの実行中(変動中)に停電が発生し(t101)、当該停電から復帰すると(t102)、遊技制御装置100にはバックアップ機能があるため、特図表示装置(一括表示装置50に設けられた特
図1表示器51又は特
図2表示器52)における特図変動表示ゲームの変動が復帰するとともに、普図表示装置(一括表示装置50に設けられたLED表示部53の普図表示器)における普図変動表示ゲームの変動が復帰する。
すなわち、遊技制御装置100が、停電が発生して当該停電から復帰した場合に、記憶手段(遊技制御装置100のRAM111C等)に記憶されている制御に関する情報に基づいて第1の変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)及び第2の変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム)の実行に関する制御を復帰する制御復帰手段をなす。
これに対し、演出制御装置300にはバックアップ機能がないため、当該停電から復帰しても(t102)、表示装置41の第1表示領域R1における演出表示(特図変動表示ゲームに対応する演出表示)も、表示装置41の第2表示領域R2における演出表示(普図変動表示ゲームに対応する演出表示)も復帰せずに、停電復旧画面が表示される。
【0245】
その後、特図変動表示ゲームの変動が停止すると、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームに関するコマンドとして図柄停止コマンドを演出制御装置300に送信する(t103)。そして、演出制御装置300は、当該図柄停止コマンドを受信すると、第1表示領域R1に予め指定されている停止結果態様(デフォルトの停止結果態様)を表示、すなわち、予め指定されている飾り特別図柄を停止表示するとともに、第2表示領域R2にはずれ時の停止結果態様を表示、すなわち、はずれ時の飾り普通図柄を停止表示する。
このように、第1表示領域R1だけでなく第2表示領域R2も、演出制御装置300が特図変動表示ゲームに関するコマンドを受信したことに基づいて復帰するので、遊技制御装置100から普図変動表示ゲームに関するコマンドとして普図変動パターンコマンドしか送信されなくても、第2表示領域R2が第1表示領域R1に比べて通常画面に復帰し難いという問題を解消することができる。
【0246】
また、例えば、
図37(b)に示すように、停電からの復帰後、特図変動表示ゲームの変動停止よりも前に、普図変動表示ゲームの変動が停止して次の普図変動表示ゲームの変動が開始した場合、遊技制御装置100は、当該次の普図変動表示ゲームの変動が開始すると普図変動表示ゲームに関するコマンドとして普図変動パターンコマンドを演出制御装置300に送信する(t111)。そして、演出制御装置300は、当該普図変動パターンコマンドを受信すると、表示装置41の第1表示領域R1及び第2表示領域R2に停電復旧画面を表示した状態のまま、復帰準備を開始、すなわち、演出表示装置(表示装置41)及び演出装置(盤装飾装置42、枠装飾装置18、盤演出装置44、枠演出装置45、上スピーカ19a、下スピーカ19b)において普図変動表示ゲームに対応する一連の演出を実行するための処理を開始する。これにより、表示装置41の第1表示領域R1及び第2表示領域R2に停電復旧画面が表示された状態のまま、普図表示装置における普図変動表示ゲームの変動表示や普通変動入賞装置37の開放動作に同期した演出を実行するための処理が内部的に行われる。そのため、例えば、第2表示領域R2が通常画面に復帰すると、当該第2表示領域R2に、普図変動表示ゲームに対応する演出表示として、普図表示装置における普図変動表示ゲームの変動表示や普通変動入賞装置37の開放動作に同期した演出表示を表示することが可能となる。
すなわち、演出制御装置300が、第2の変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム)に対応する演出表示を表示するための復帰準備を行う復帰準備手段をなす。
【0247】
その後、特図変動表示ゲームの変動が停止すると、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームに関するコマンドとして図柄停止コマンドを演出制御装置300に送信する(t112)。そして、演出制御装置300は、当該図柄停止コマンドを受信すると、第1表示領域R1に予め指定されている停止結果態様(デフォルトの停止結果態様)を表示するとともに、第2表示領域R2に普図変動表示ゲームに対応する演出表示(普図表示装置における普図変動表示ゲームの変動表示や普通変動入賞装置37の開放動作に同期した演出表示)を表示する。
図37(b)の場合、第1表示領域R1及び第2表示領域R2が停電復旧画面から通常画面に復帰する時点(t112)で、普図変動表示ゲームの変動は停止しているので、第2表示領域R2には停止表示演出用の演出表示が表示される。これにより、第2表示領域R2には当該普図変動表示ゲームの変動開始時(t111)に送信された普図変動パターンコマンドにより指定された図柄(すなわち、例えば、当該普図変動パターンコマンドに対応する普図変動パターンテーブルに記憶されている普図停止図柄)が停止表示される。なお、当該普図変動表示ゲームの結果が当りである場合には、第2表示領域R2が停電復旧画面から通常画面に復帰する時点(t112)で普図変動表示ゲームの変動が停止していても、普通変動入賞装置37の開放動作の実行直前又は実行中の場合もあるので、その場合は、第2表示領域R2に、停止表示演出用の演出表示ではなく、当り開始演出用の演出表示や当り中演出用の演出表示が表示される。
このように、演出制御装置300が特図変動表示ゲームに関するコマンドを受信する前に普図変動表示ゲームに関するコマンドを受信した場合には、第2表示領域R2は、演出制御装置300が普図変動表示ゲームに関するコマンドを受信したことに基づいて復帰するのではなく、第1表示領域R1と一緒に、演出制御装置300が特図変動表示ゲームに関するコマンドを受信したことに基づいて復帰するので、第2表示領域R2が復帰したにもかかわらず、第2表示領域R2よりも占有面積の大きい第1表示領域R1は復帰しないという問題を解消することができる。
【0248】
また、例えば、
図38(a)に示すように、第1表示領域R1及び第2表示領域R2が停電復旧画面から通常画面に復帰する時点(t122)で、停電からの復帰後に開始された普図変動表示ゲームが変動中である場合には、第2表示領域R2に普図変動表示演出用の演出表示が表示される。これにより、第2表示領域R2には、例えば、当該普図変動表示ゲームの変動開始時(t121)に送信された普図変動パターンコマンドにより指定された変動態様(すなわち、例えば、当該普図変動パターンコマンドに対応する普図変動パターンテーブルに記憶されている飾り普通図柄の変動態様)で飾り普通図柄が変動表示される。
その後、普図表示装置における普図変動表示ゲームが停止すると(t123)、演出制御装置300は、普図表示装置における普図変動表示ゲームの変動停止タイミングと略同一のタイミングで、普図変動表示演出を終了して、次の停止表示演出を開始する。これにより、第2表示領域R2には当該普図変動表示ゲームの変動開始時(t121)に送信された普図変動パターンコマンドにより指定された図柄(すなわち、例えば、当該普図変動パターンコマンドに対応する普図変動パターンテーブルに記憶されている普図停止図柄)が停止表示される。
【0249】
また、例えば、
図38(b)に示すように、停電からの復帰後、特図変動表示ゲームの変動停止よりも前に、普図変動表示ゲームの変動が開始して停止した場合、第1表示領域R1及び第2表示領域R2が停電復旧画面から通常画面に復帰し(t132)、そして、演出制御装置300が、第1表示領域R1に予め指定されている停止結果態様(デフォルトの停止結果態様)を表示するとともに、第2表示領域R2に当該普図変動表示ゲームの変動開始時(t131)に送信された普図変動パターンコマンドにより指定された図柄を停止表示した状態で、遊技制御装置100からの普図変動パターンコマンドを受信すると(t133)、第1表示領域R1及び第2表示領域R2は既に通常画面に復帰しているので、第2表示領域R2には普図変動表示ゲームに対応する演出表示が表示される。具体的には、第2表示領域R2には、まず、普図変動表示演出用の演出表示が表示され、当該普図変動表示ゲームの変動開始時(t133)に送信された普図変動パターンコマンドにより指定された変動態様(すなわち、例えば、当該普図変動パターンコマンドに対応する普図変動パターンテーブルに記憶されている飾り普通図柄の変動態様)で飾り普通図柄が変動表示される。
【0250】
なお、
図37(b)、
図38(a)、
図38(b)のように、演出制御装置300が特図変動表示ゲームに関するコマンドを受信する前に普図変動表示ゲームに関するコマンドを受信した場合、演出表示装置(表示装置41)の第1表示領域R1及び第2表示領域R2は、特図変動表示ゲームに関するコマンドを受信した後に停電復旧画面から通常画面に復帰するが、普図変動表示ゲームに対応する一連の演出を実行するための処理は、当該復帰前に(すなわち、普図変動表示ゲームに関するコマンドを受信した時点で)開始されるので、演出装置(盤装飾装置42、枠装飾装置18、盤演出装置44、枠演出装置45、上スピーカ19a、下スピーカ19b)による演出は、普図変動表示ゲームに関するコマンドを受信した時点で復帰することも可能であるし、普図変動表示ゲームに関するコマンドを受信した時点から演出表示装置(表示装置41)が通常画面に復帰する時点までの間の任意のタイミングで復帰することも可能であるし、演出表示装置(表示装置41)の復帰と同時に復帰することも可能である。
【0251】
〔普図演出表示制御処理〕
第2実施形態においては、
図25に示す普図演出表示制御処理に替えて、
図39に示す普図演出表示制御処理を行う。
図39に示すように、この普図演出表示制御処理において、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311は、ステップC51で、普図変動パターンコマンドを受信したと判定した場合(ステップC51;Yes)には、第2表示領域R2に停電復旧画面を表示中であるか否かを判定する(ステップC121)。
【0252】
ステップC121で、第2表示領域R2に停電復旧画面を表示中であると判定した場合には(ステップC121;Yes)には、映像制御用マイコン(2ndCPU)312を介してVDP313に、普図変動表示ゲームに対応する演出表示を非表示にするよう指示し(ステップC122)、処理をステップC52に移行して、それ以降の処理を行う。ステップC52以降では、演出表示装置(表示装置41)及び演出装置(盤装飾装置42、枠装飾装置18、盤演出装置44、枠演出装置45、上スピーカ19a、下スピーカ19b)において普図変動表示ゲームに対応する一連の演出を実行するための処理が行われるが、普図変動表示ゲームに対応する演出表示は非表示にされているため、当該非表示が解除されるまで表示装置41には停電復旧画面が表示され続ける。
【0253】
すなわち、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、第2の変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム)の開始時には、当該第2の変動表示ゲームに対応する演出表示の演出パターンを規定するための変動パターン情報(普図変動パターンコマンド)を演出制御手段(演出制御装置300)に送信するよう構成されている。
そして、演出制御手段(演出制御装置300)は、停電が発生して当該停電から復帰した場合には、停電からの復旧中であることを示す所定の停電復旧画面を演出表示装置(表示装置41)の第1表示領域R1及び第2表示領域R2に表示し、停電復旧画面の表示中に、第2の変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム)に対応する変動パターン情報(普図変動パターンコマンド)を受信した場合には、第1表示領域R1及び第2表示領域R2に停電復旧画面を継続して表示するよう構成されている。
また、演出制御手段(演出制御装置300)は、停電復旧画面の表示中に、第2の変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム)に対応する変動パターン情報(普図変動パターンコマンド)を受信した場合には、当該変動パターン情報を受信したことに基づいて、復帰準備手段(演出制御装置300)により当該第2の変動表示ゲームに対応する演出表示を表示するための復帰準備を開始するよう構成されている。
【0254】
一方、ステップC121で、第2表示領域R2に停電復旧画面を表示中でないと判定した場合(ステップC121;No)、すなわち、第2表示領域R2に通常画面を表示中である場合には、ステップC122の処理を行わずに、処理をステップC52に移行して、それ以降の処理を行う。これにより、ステップC52以降の処理、すなわち、演出表示装置(表示装置41)及び演出装置(盤装飾装置42、枠装飾装置18、盤演出装置44、枠演出装置45、上スピーカ19a、下スピーカ19b)において普図変動表示ゲームに対応する一連の演出を実行するための処理に応じて、第2表示領域R2に普図変動表示ゲームに対応する演出表示が表示される。
【0255】
〔特図演出表示制御処理〕
第2実施形態においては、
図24に示す特図演出表示制御処理に替えて、
図40に示す特図演出表示制御処理を行う。
図40に示すように、この特図演出表示制御処理において、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311は、コマンド識別子による分岐処理(ステップC31)により選択された前述の各処理を行った後、受信したコマンドが特別図柄に関するコマンド、具体的には、変動パターンコマンド(図柄コマンド)又は図柄停止コマンドであるか否かを判定する(ステップC131)。
【0256】
ステップC131で、受信したコマンドが特別図柄に関するコマンド、具体的には、変動パターンコマンド(図柄コマンド)又は図柄停止コマンドでないと判定した場合(ステップC131;No)には、処理をステップC41に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップC131で、受信したコマンドが特別図柄に関するコマンド、具体的には、変動パターンコマンド(図柄コマンド)又は図柄停止コマンドであると判定した場合(ステップC131;Yes)には、普図変動表示ゲームに対応する演出表示が非表示中であるか否かを判定する(ステップC132)。
なお、本実施形態では、受信したコマンドが変動パターンコマンド(図柄コマンド)又は図柄停止コマンドである場合に、普図変動表示ゲームに対応する演出表示が非表示中であるか否か判定するよう構成したが、これに限ることはなく、例えば、受信したコマンドが、特図変動表示ゲームに関する複数のコマンド(変動パターンコマンド(図柄コマンド)、図柄停止コマンド、ファンファーレコマンド、大入賞口開放コマンド、インターバルコマンド、エンディングコマンド等)のうちの何れかである場合に、普図変動表示ゲームに対応する演出表示が非表示中であるか否か判定するよう構成することも可能である。
【0257】
ステップC132で、普図変動表示ゲームに対応する演出表示が非表示中でないと判定した場合(ステップC132;No)、すなわち、第2表示領域R2に通常画面が表示されている場合には、処理をステップC41に移行して、ステップC41以降の処理を行う。
一方、ステップC132で、普図変動表示ゲームに対応する演出表示が非表示中であると判定した場合(ステップC132;Yes)、すなわち、第2表示領域R2に停電復旧画面が表示されている場合には、映像制御用マイコン(2ndCPU)312を介してVDP313に、普図変動表示ゲームに対応する演出表示を表示するよう指示し(ステップC133)、処理をステップC41に移行して、ステップC41以降の処理を行う。これにより、第2表示領域R2が、停電復旧画面から通常画面に復帰する。なお、演出制御装置300は、第2表示領域R2の通常画面への復帰と同時に、第1表示領域R1も、停電復旧画面から通常画面へと復帰させるよう構成されている。
【0258】
ここで、演出制御装置300が特図変動表示ゲームに関するコマンドを受信する前に普図変動パターンコマンドを受信した場合、普図変動パターンコマンドを受信した時点から特図変動表示ゲームに関するコマンドを受信した時点までの時間が、当該普図変動パターンコマンドに対応する演出時間(結果が当りである場合は普図変動表示演出の開始から当り中演出の終了までの時間、結果がはずれである場合は普図変動表示演出の開始から停止表示演出の終了までの時間)よりも長い場合(すなわち、後述する復帰有効期間後に特図変動表示ゲームに関するコマンドを受信した場合)には、普図変動表示ゲームの変動表示や普通変動入賞装置37の開放動作が既に終了している。そのため、この場合、第2表示領域R2が停電復旧画面から通常画面に復帰した際、当該第2表示領域R2には、当該普図変動パターンコマンドを受信したことに基づき復帰準備された演出表示(普図表示装置における普図変動表示ゲームの変動表示や普通変動入賞装置37の開放動作に同期した演出表示)ではなく、その他の演出表示を表示した通常画面(例えば、デフォルトの停止結果態様を表示する画面)が表示される。
【0259】
すなわち、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、第1の変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の開始時には、当該第1の変動表示ゲームに対応する演出表示の演出パターンを規定するための変動パターン情報(変動パターンコマンド)を演出制御手段(演出制御装置300)に送信するとともに、第1の変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の終了時には、当該第1の変動表示ゲームの終了を通知するための変動終了情報(図柄停止コマンド)を演出制御手段(演出制御装置300)に送信するよう構成されている。
そして、演出制御手段(演出制御装置300)は、停電復旧画面の表示中に、第1の変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)に対応する変動パターン情報(変動パターンコマンド)又は変動終了情報(図柄停止コマンド)を受信した場合には、第1表示領域R1に表示中の停電復旧画面を第1の変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)に対応する演出表示を表示する通常画面に切り替えるとともに、第2表示領域R2に表示中の停電復旧画面を第2の変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム)に対応する演出表示を表示する通常画面に切り替えるよう構成されている。
また、演出制御手段(演出制御装置300)は、停電復旧画面の表示中に、第2の変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム)に対応する変動パターン情報(普図変動パターンコマンド)を受信した場合には、当該変動パターン情報を受信したことに基づいて、当該変動パターン情報を受信した時点から当該変動パターン情報に基づき特定可能な演出時間(結果が当りである場合は普図変動表示演出の開始から当り中演出の終了までの時間、結果がはずれである場合は普図変動表示演出の開始から停止表示演出の終了までの時間)が経過するまでの間を復帰有効期間として監視し、復帰有効期間中に第1の変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)に対応する変動パターン情報(変動パターンコマンド)又は変動終了情報(停止図柄コマンド)を受信した場合には、当該変動パターン情報又は当該変動終了情報を受信したことに基づいて、第2表示領域R2に表示中の停電復旧画面を復帰準備手段(演出制御装置300)により復帰準備した第2の変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム)に対応する演出表示を表示する通常画面に切り替える一方、復帰有効期間後に第1の変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)に対応する変動パターン情報(変動パターンコマンド)又は変動終了情報(図柄停止コマンド)を受信した場合には、当該変動パターン情報又は当該変動終了情報を受信したことに基づいて、第2表示領域R2に表示中の停電復旧画面を当該停電復旧画面以外の画面(例えば、デフォルトの停止結果態様を表示する通常画面)に切り替えるよう構成されている。
【0260】
以上説明した第2実施形態の遊技機10によれば、第1の変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)に対応する演出表示を表示可能な第1表示領域R1と、第2の変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム)に対応する演出表示を表示可能な第2表示領域R2とを有する演出表示装置(表示装置41)と、第1の変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)及び第2の変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム)の実行を制御する遊技制御手段(遊技制御装置100)と、遊技制御手段(遊技制御装置100)での制御に関する情報を停電時も保持可能な記憶手段(遊技制御装置100のRAM111C等)と、遊技制御手段(遊技制御装置100)からの第1の変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)及び第2の変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム)に対応する演出表示を指示する制御指令に基づいて、第1の変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)及び第2の変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム)に対応する演出表示を演出表示装置(表示装置41)に表示するための制御を行う演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、第1の変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)及び第2の変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム)が特定の結果態様を導出した場合に特定の遊技価値を付与可能な遊技機10において、第1表示領域R1には、第2表示領域R2よりも大きな領域が割り当てられ、遊技制御手段(遊技制御装置100)は、停電が発生して当該停電から復帰した場合に、記憶手段(遊技制御装置100のRAM111C等)に記憶されている制御に関する情報に基づいて第1の変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)及び第2の変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム)の実行に関する制御を復帰する制御復帰手段(遊技制御装置100)を備え、第1の変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の開始時には、当該第1の変動表示ゲームに対応する演出表示の演出パターンを規定するための変動パターン情報(変動パターンコマンド)を演出制御手段(演出制御装置300)に送信するとともに、第1の変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の終了時には、当該第1の変動表示ゲームの終了を通知するための変動終了情報(図柄停止コマンド)を演出制御手段(演出制御装置300)に送信し、一方、第2の変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム)の開始時には、当該第2の変動表示ゲームに対応する演出表示の演出パターンを規定するための変動パターン情報(普図変動パターンコマンド)を演出制御手段(演出制御装置300)に送信し、演出制御手段(演出制御装置300)は、停電が発生して当該停電から復帰した場合には、停電からの復旧中であることを示す所定の停電復旧画面を演出表示装置(表示装置41)に表示し、停電復旧画面の表示中に、第2の変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム)に対応する変動パターン情報(普図変動パターンコマンド)を受信した場合には、第1表示領域R1及び第2表示領域R2に停電復旧画面を継続して表示し、一方、停電復旧画面の表示中に、第1の変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)に対応する変動パターン情報(変動パターンコマンド)又は変動終了情報(図柄停止コマンド)を受信した場合には、第1表示領域R1に表示中の停電復旧画面を第1の変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)に対応する演出表示を表示する通常画面に切り替えるとともに、第2表示領域R2に表示中の停電復旧画面を第2の変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム)に対応する演出表示を表示する通常画面に切り替えるよう構成されている。
【0261】
すなわち、停電復旧画面の表示中に、普図変動表示ゲームに対応する変動パターン情報(普図変動パターンコマンド)を受信した場合には、第1表示領域R1及び第2表示領域R2に停電復旧画面を継続して表示する一方、停電復旧画面の表示中に、特図変動表示ゲームに対応する変動パターン情報(変動パターンコマンド)又は変動終了情報(図柄コマンド)を受信した場合には、第1表示領域R1及び第2表示領域R2を変動表示ゲームに対応する演出表示を表示する通常画面に切り替えるようにしたので、第2表示領域R2に表示される演出表示は復帰しているのに第2表示領域R2よりも大きな第1表示領域R1に表示される演出表示は復帰していないといった事態を回避することができる。したがって、停電復旧時に遊技者や遊技店員を混乱させることなく、第1表示領域R1及び第2表示領域R2の演出表示を復帰させることができる。
【0262】
なお、本実施形態では、第1の変動表示ゲームを特図変動表示ゲームとし、第2の変動表示ゲームを普図変動表示ゲームとしたが、これに限ることはなく、例えば、第1の変動表示ゲームを普図変動表示ゲームとし、第2の変動表示ゲームを特図変動表示ゲームとすることも可能である。
【0263】
また、以上説明した第2実施形態の遊技機10によれば、変動パターン情報(変動パターンコマンド、普図変動パターンコマンド)は、演出パターンの演出時間(結果が当りである場合は変動表示演出の開始から当り中演出の終了までの時間、結果がはずれである場合は変動表示演出の開始から停止表示演出の終了までの時間)を特定可能な情報であり、演出制御手段(演出制御装置300)は、第2の変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム)に対応する演出表示を表示するための復帰準備を行う復帰準備手段(演出制御装置300)を備え、停電復旧画面の表示中に、第2の変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム)に対応する変動パターン情報(普図変動パターンコマンド)を受信した場合には、当該変動パターン情報を受信したことに基づいて、復帰準備手段(演出制御装置300)により当該第2の変動表示ゲームに対応する演出表示を表示するための復帰準備を開始するとともに、当該変動パターン情報を受信した時点から当該変動パターン情報に基づき特定可能な演出時間(結果が当りである場合は普図変動表示演出の開始から当り中演出の終了までの時間、結果がはずれである場合は普図変動表示演出の開始から停止表示演出の終了までの時間)が経過するまでの間を復帰有効期間として監視し、復帰有効期間中に第1の変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)に対応する変動パターン情報(変動パターンコマンド)又は変動終了情報(図柄停止コマンド)を受信した場合には、当該変動パターン情報又は当該変動終了情報を受信したことに基づいて、第2表示領域R2に表示中の停電復旧画面を復帰準備手段(演出制御装置300)により復帰準備した第2の変動表示ゲーム(普図変動表示ゲーム)に対応する演出表示を表示する通常画面に切り替えるよう構成されている。
【0264】
すなわち、普図変動表示ゲームに対応する変動パターン情報(普図変動パターンコマンド)を受信したことに基づいて、当該普図変動表示ゲームに対応する演出表示を表示するための復帰準備を開始するようにしたので、第1表示領域R1の演出表示の復帰とともに第2表示領域R2の演出表示が復帰した時点で、第2表示領域R2の演出表示が実際の演出表示とは異なるといった事態を回避することができる。したがって、停電復旧時に遊技者や遊技店員を混乱させることなく、第1表示領域R1及び第2表示領域R2の演出表示を復帰させることができる。
【0265】
以上、本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。また、前述の実施形態及び変形例の構成を組み合わせて適用しても良い。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0266】
例えば、本発明の遊技機は、上記した実施形態及び変形例に示されるようなパチンコ遊技機に限定されるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機等の遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。