特許第5776047号(P5776047)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5776047
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】遊技機
(51)【国際特許分類】
   A63F 7/02 20060101AFI20150820BHJP
【FI】
   A63F7/02 304D
【請求項の数】2
【全頁数】71
(21)【出願番号】特願2011-136863(P2011-136863)
(22)【出願日】2011年6月21日
(65)【公開番号】特開2013-474(P2013-474A)
(43)【公開日】2013年1月7日
【審査請求日】2014年5月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000132747
【氏名又は名称】株式会社ソフイア
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】特許業務法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】濱名 哲哉
【審査官】 辻野 安人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−125166(JP,A)
【文献】 特開2007−135795(JP,A)
【文献】 特開平02−195797(JP,A)
【文献】 特開2010−063078(JP,A)
【文献】 特開2001−300009(JP,A)
【文献】 特開2000−308169(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下部に幕板部を有する機枠と、
該機枠の前面に、該機枠に対し開閉可能に支持される開閉枠と、
該開閉枠の下部に、振動板を前方に向けた状態で配設されるスピーカと、を備えた遊技機において、
前記幕板部は、
左右方向に延びるとともに前面または裏面が開放された箱状部材と、該箱状部材の開放部を覆って音波の通路となる空間を形成する蓋部材と、を有し、
前記スピーカの後方に設けられ、当該スピーカの振動板から後方に伝播する音波を、前記空間の中間部に受け入れる音波受入部と、
前記空間の中間部に設けられ、前記音波受入部に受け入れた音波を左右方向に分岐させる音波分岐部と
前記蓋部材または前記箱状部材の左右両端部に各々設けられ、前記空間内を伝播してきた音波を前方に向けて放出する一対の幕板放音部と、を備え
前記蓋部材は、前記音波分岐部を介して前記箱状部材に固定されていることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記音波分岐部には、前記音波受入部から遠ざかる方向に向かうに従って左右方向に離れるように傾斜する一対の傾斜面が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スピーカから出力された音声による演出を行うことが可能な遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
BGMや効果音等を出力するスピーカを備える遊技機として、従来、スピーカの背後にスピーカボックスを設けてスピーカの背圧を増幅し、スピーカから前方に出力される音声と併せて利用するようにしたものが知られている。スピーカボックスは容量が大きいほど低音をよく響かせ、出力音声の音質を高めることができるが、遊技機内におけるスピーカボックスを収納するためのスペースは限られており、スピーカボックスの容量を大きくすることは困難であった。つまり、従来の遊技機において、音質が高く聞き取り易い低音を出力することは困難であった。
【0003】
この問題を解消するために様々な工夫がなされてきたが、その一例として、背面にスピーカを取り付けた幕板を外枠下部に装着するようにした遊技機がある(例えば、特許文献1参照)。
一般に、遊技機は下部に幕板を有しており、その幕板の裏側に比較的広い空きスペースを有していることから、このようにすることで、設置するスピーカボックスの容量を容易に大きくすることができる。しかし、スピーカを駆動するには内枠から電源の供給を受ける必要があるため、外枠のスピーカと内枠の駆動装置とを接続する配線が設けられることになる。このため、遊技機の設置や撤去、メンテナンス等、内枠の開閉や取り外しを伴う作業を行う際には、この配線が断線しないよう注意を払う必要が生じ、作業が大変困難なものとなっていた。
【0004】
そこで今度は、この問題を解消するため、スピーカを遊技機の内枠に、スピーカボックスを遊技機の外枠にそれぞれ設けることにより、スピーカボックスの容量確保や、設置、撤去等の手間軽減を可能とする遊技機が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−135690号公報
【特許文献2】特開2009−125166号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記のような遊技機では、第2箱状部(スピーカボックス)の内部形状が、受け入れた音波を様々な方向に伝播・反射するようになってしまっている。具体的には、ダクトから第2箱状部に受け入れられた音波は、出力孔のある右側方だけでなく、左側方にも伝播可能となっている。また、第2箱状部内を右側方に伝播する音波は、ダクト部材の平板部によってダクト部材内を伝播する音波とダクト部材の後方を伝播する音波とに分岐される。しかし、第2箱状部の左側部へと伝播する音波、およびダクト部材の後方を右側方へ伝播する音波の先には出口が設けられていないので、伝播してきた方向へそれぞれ反射してしまう(図6,11参照)。このため、ダクトから受け入れられた音波が相互干渉を引き起こし音声出力にロスが生じてしまう虞がある。
【0007】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、スピーカおよびスピーカボックスを備えた遊技機において、スピーカボックスの容量を大きくしつつスピーカボックス内における音波の相互干渉を防ぐことにより、スピーカから出力される低音を効率よく増幅するとともに、豊かな低音を出力可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、
下部に幕板部を有する機枠と、
該機枠の前面に、該機枠に対し開閉可能に支持される開閉枠と、
該開閉枠の下部に、振動板を前方に向けた状態で配設されるスピーカと、を備えた遊技機において、
前記幕板部は、
左右方向に延びるとともに前面または裏面が開放された箱状部材と、該箱状部材の開放部を覆って音波の通路となる空間を形成する蓋部材と、を有し、
前記スピーカの後方に設けられ、当該スピーカの振動板から後方に伝播する音波を、前記空間の中間部に受け入れる音波受入部と、
前記空間の中間部に設けられ、前記音波受入部に受け入れた音波を左右方向に分岐させる音波分岐部と
前記箱状部材または前記蓋部材の左右両端部に各々設けられ、前記空間内を伝播してきた音波を前方に向けて放出する一対の幕板放音部と、を備え
前記蓋部材は、前記音波分岐部を介して前記箱状部材に固定されていることを特徴としている。
【0009】
請求項1に記載の発明によれば、スピーカの振動板から前方へ出力される音波とともに、スピーカの背圧が一対の幕板放音部から前方に放出されるので、遊技機から聞こえる音声を迫力あるものとすることができる。
また、空きスペースが確保し易い機枠下部にスピーカボックスが設けられることになるので、スピーカボックスの容量を容易に大きくすることができる。
また、音波分岐部で分岐した音波は互いに離れる方向に向かい、箱状部材と蓋部材とによって形成された空間の左右両端部、すなわち、当該空間の行き止まりで放出されるので、当該空間を伝播する音波は、当該空間内で分岐したり余計な方向へ反射したりすることが無い。従って、音波が当該空間内で相互干渉を引き起こし、幕板放音部から出力される音波が低減されてしまうのを防ぐことができる。
【0010】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、
前記音波分岐部には、前記音波受入部から遠ざかる方向に向かうに従って左右方向に離れるように傾斜する一対の傾斜面が形成されていることを特徴としている。
【0012】
なお、上記発明において、
所定条件の成立に基づいて遊技球を払い出す払出装置と、
前記開閉枠の下部に設けられ、前記払出装置から払い出された遊技球を貯留するとともに、貯留している遊技球を下方に向けて当該遊技機から排出することが可能な球抜き部を底部に有する球受皿と、を備え、
前記球抜き部は、前記一対の幕板放音部の間かつ前記幕板部前方の空間の上方に位置するよう設けられているものとしてもよい
【0013】
遊技が行われる間、球抜き部の下方には、球受皿から排出される遊技球を貯留する球箱が置かれることになる。よって、このようにすれば、球抜き部は、一対の幕板放音部の間かつ幕板部前方の空間の上方に位置しているので、球箱が両幕板放音部の間隔以下の幅であれば、或いは、両幕板放音部の間隔が球箱の幅以上であれば、球箱を両幕板放音部の前方を遮ることなく置くことができる。このため、実際に遊技者が遊技を行う際に幕板放音部から出力される音声が球箱に遮られて聞こえにくくなってしまうのを防止することができる。
【0014】
また、上記発明において、
前記開閉枠には、前記スピーカの振動板から前方に伝播される音波を受け入れて前方に向けて放出する開閉枠放音部を備え、
前記開閉枠放音部の前端を、前記開閉枠の最も前端に配置したものとしてもよい
【0015】
このようにすれば、開閉枠放音部から放出された音波は、前方の他、上下左右にも広がっていくが、音波は球受皿や操作部等、開閉枠の前面から前方に出っ張る部材に阻害されないので、音響効果を向上させることができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、スピーカおよびスピーカボックスを備えた遊技機において、スピーカボックスの容量を大きくしつつ、スピーカボックス内における音波の相互干渉を防ぐことができる。従って、スピーカから出力される低音を効率よく増幅し、豊かな低音を出力することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】第1発明に係る遊技機の実施形態を示す正面図である。
図2】実施形態の遊技機における、ガラス枠を開放し、遊技盤を取り外した状態を示す斜視図である。
図3】実施形態の遊技盤を示す正面図である。
図4】実施形態の遊技機(ガラス枠を除く)の分解斜視図である。
図5】実施形態の遊技機における機枠下部の分解斜視図である。
図6図2のVI−VI断面図である。
図7】実施形態の下スピーカユニットと幕板部の位置関係について説明する図である。
図8】実施形態の幕板部における音波の伝播について説明する図である。
図9】実施形態の遊技機の裏面に設けられる制御システムおよび遊技制御装置の構成例を示すブロック図である。
図10図9の制御システムにおける演出制御装置の構成例を示すブロック図である。
図11】実施形態の遊技制御装置の遊技用マイコンによって実行される遊技制御のうちメイン処理の具体的な手順の前半部分を示すフローチャートである。
図12】実施形態の遊技制御装置の遊技用マイコンによって実行される遊技制御のうちメイン処理の具体的な手順の後半部分を示すフローチャートである。
図13】実施形態の遊技制御装置の遊技用マイコンによって実行される遊技制御のうちタイマ割込み処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
図14図13のタイマ割込み処理中に実行されるコマンド送信処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
図15図14のコマンド送信処理中に実行される演出制御コマンド送信処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
図16図13のタイマ割込み処理中に実行される特図ゲーム処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
図17図16の特図ゲーム処理中に実行される始動口スイッチ監視処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
図18図17の始動口スイッチ監視処理中に実行される特図始動口スイッチ共通処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
図19図18の特図始動口スイッチ共通処理中に実行される特図保留情報判定処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
図20図16の特図ゲーム処理中に実行される特図普段処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
図21図20の特図普段処理中に実行される特図1変動開始処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
図22図20の特図普段処理中に実行される特図2変動開始処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
図23】実施形態の演出制御装置によって実行される1stメイン処理の具体的な手順を示すフローチャートである。
図24】実施形態の演出制御装置によって実行される2ndメイン処理の具体的な手順を示すフローチャートである。
図25図23の1stメイン処理中に実行されるシーン制御処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
図26図24の2ndメイン処理中に実行される通常ゲーム処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
図27図23の1stメイン処理中に実行される先読み演出処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
図28図27の先読み演出処理中に実行される通常時先読み演出選択処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
図29】先読み予告コマンドを受信したとき、通常時先読み演出選択処理により保留記憶状態に応じて選択される先読み演出の具体例について説明するための図である。
図30図27の先読み演出処理中に実行される特図2優先(通常時)先読み演出選択処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
図31】特図1の保留記憶に基づいて先読み演出を実行しているときに、新たに始動入賞口36又は普通変動入賞装置37への遊技球の入賞が検出された場合の先読み演出の変更態様を説明する図である。
図32図27の先読み演出処理中に実行される電サポ中先読み演出選択処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
図33】先読み予告コマンドを受信したとき、普電中先読み演出選択処理により保留記憶状態に応じて選択される先読み演出の具体例について説明するための図である。
図34図27の先読み演出処理中に実行される第2先読み演出実行処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
図35図27の先読み演出処理中に実行される擬似変動演出実行処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
図36図27の先読み演出処理中に実行される先読み演出終了処理の具体的な手順の一例を示すフローチャートである。
図37】第1先読み演出及び第2先読み演出を実行するときのタイミングチャートである。
図38】第1先読み演出及び第2先読み演出を実行したときの演出表示の一例を示す図である。
図39】第1先読み演出及び第2先読み演出を実行するときのタイミングチャートである。
図40】第1先読み演出及び第2先読み演出を実行したときの演出表示の一例を示す図である。
図41】第1先読み演出及び第2先読み演出を実行するときのタイミングチャートである。
図42】第1先読み演出及び第2先読み演出を実行するときのタイミングチャートである。
図43】第2先読み演出を実行したときのその他の演出表示の例を示す図である。
図44】第2発明に係る島設備の実施形態を示す正面図である。
図45図44の島設備に設けられるアウトタンクを示す斜視図である。
図46】実施形態の遊技装置の下部を示す正面図である。
図47】実施形態の遊技装置における機枠下部の分解斜視図である。
図48】実施形態の遊技装置における機枠下部の分解斜視図である。
図49】実施形態の遊技装置における機枠下部の斜視図である。
図50】実施形態の遊技装置とアウトタンク装置との位置関係について説明する図である。
図51図49の各台計数機における計数球排出樋の変形例を示す図である。
図52図49の計数球排出樋の変形例を示す図である。
図53】実施形態の各台計数機における球貯留部の取り付け方法の変形例について説明する図である。
図54図53のLIV−LIV断面図である。
図55】実施形態の固定部材の位置調節の方法について説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<第1発明の実施形態>
以下、第1発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0019】
図1は、遊技機10の正面図である。
本実施形態の遊技機10は、機枠(外枠:図2参照)11および開閉枠(内枠)12を備え、該開閉枠12は機枠11にヒンジ(ヒンジピン13a,13b、ヒンジ孔13c,13d(図4参照))を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図3参照)は開閉枠12に形成された収納部161a(図2参照)に収納されている。また、開閉枠12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠163が取り付けられている。
【0020】
ガラス枠163の上部には、ランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠163の左右にはランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発する上スピーカ19が設けられている。
【0021】
開閉枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口22(図2参照)、上皿21が一杯になった場合に払い出された遊技球を貯留する下皿(球受皿)23及び打球発射装置の操作部24が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した演出ボタン25が設けられている。さらに、開閉枠12下部右側には、開閉枠12を開放したり施錠したりするための鍵26が設けられている。
下皿23底部の遊技機10中央寄りには、貯留している遊技球を下方に向けて排出することが可能な球抜き部23a(図2参照)が、一対の幕板放音部80a,80aの間かつ幕板部80前方の空間の上方に位置するよう設けられている。この球抜き部23の下方かつ幕板部80の前方は、球抜き部から排出された遊技球を回収する回収手段(例えば、各台計数機の球貯留皿)を配置可能な空間となっている。
なお、本実施形態では、上皿21と下皿23を別々に設けたが、上皿21と下皿23をひとつの球受皿として開閉枠12の下部に設け、その底部に球抜き部を設けるようにしてもよい。
【0022】
さらに、上皿21上方の開閉枠12の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。
【0023】
また、開閉枠12の下部中央には、下スピーカユニット29が取り付けられている。下スピーカユニット29は、上スピーカ19が主に高音を出力する小型のものであるのに対し、低音を出力するための大型のものとなっている。なお、図1では図示を省略したが、下スピーカユニット29の前面には、下スピーカユニット29の振動板から前方に伝播される音波を受け入れて前方に向けて放出する開閉枠放音部29d(図6参照)が設けられている。また、開閉枠放音部29dは、振動板29bを保護する保護部材と、開閉枠12下部前面を装飾するための装飾部材も兼ねている。
【0024】
機枠11の下部(開閉枠12の下方)には、幕板部80が設けられている。幕板部80の前面には多数の孔からなる一対の幕板放音部82a,82aが設けられている。この一対の幕板放音部82a,82aは、球抜き部23a下方の空間の側方に、かつ、遊技場で賞球の貯留に使用される球箱の長手方向の幅と同程度の間隔を空けてそれぞれ設けられている。すなわち、下皿23の球抜き部23aは、一対の幕板放音部82a,82aの間かつ幕板部80前方の空間の上方に位置するよう設けられている。なお、この幕板部80および幕板放音部82aの詳細については後述する。
【0025】
図2は、遊技機10の、ガラス枠163を開放し、遊技盤30を取り外した状態を示す斜視図である。
開閉枠12は、機枠11に組み付けられた枠本体161と、枠本体161前面下部に取り付けられた下皿ユニット162と、枠本体161の前面かつ下皿ユニット162の上方に取り付けられたガラス枠163と、で構成されている。
【0026】
枠本体161は、前述したようにヒンジを介して、機枠11に開閉回動可能に組みつけられている。枠本体161の上部から中央部にかけては、遊技盤30の収納部161aとなっており、枠本体161の下部には、打球発射装置や払出ユニットが設けられている。また、図示は省略するが、枠本体161の背面には、各種制御装置や所定条件の成立に基づいて遊技球を払い出す払出装置が設けられている。
【0027】
下皿ユニット162の前面左側部には下皿23が形成され、前面中央部には下スピーカユニット29、前面右側部には操作部24がそれぞれ取り付けられている。下スピーカユニット29(開閉枠放音部29d)は、その前端を、開閉枠12の最も出っ張った部材である下皿23の前面や操作部24の前端を通り、機枠11の前面と平行な平面上に、すなわち、前記開閉枠の最も前端に配置している。
【0028】
ガラス枠163は、枠本体161にヒンジ(ヒンジ孔161b、ヒンジピン161c等)を介して開閉回動可能に組み付けられている。ガラス枠163の裏面には、カバーガラス(透明部材)14が、ガラス枠163の開口部163aを塞ぐように取り付けられている。
【0029】
遊技盤30は、枠本体161の収納部161aに取り付けられ(図4参照)、枠本体161とガラス枠163とに挟まれるようにして収納される。遊技盤30の遊技領域32(図3参照)は、ガラス枠163の開口部163aからカバーガラス14を通して視認可能となる。
【0030】
図3は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。即ち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。
【0031】
表示装置41は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当たり表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
【0032】
遊技領域32のセンターケース40の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。センターケース40の左下側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の右下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。
これら一般入賞口35、…には、各一般入賞口35に入った遊技球を検出するための入賞口スイッチ35a〜35n(図3参照)が配設されている。
【0033】
また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える動入賞領域としての始動入賞口36が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材(開閉部材)37b、37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口(始動入賞領域)を有する普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。
【0034】
普通変動入賞装置37の一対の可動部材37b,37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置37の上方には、始動入賞口36が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図9参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
【0035】
さらに、普通変動入賞装置37の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
【0036】
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。
即ち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図9参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。
なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ38a(図9参照)が配設されている。
特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口39が設けられている。
【0037】
また、遊技領域32の外側(例えば、遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
【0038】
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(第1特図表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(第2特図表示器)52と、を備える。また、一括表示装置50には、図示は省略するが、普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)、LEDランプ4つで構成された特図1変動表示ゲームの始動記憶数報知用の特図1保留表示器および特図2変動表示ゲームの始動記憶数報知用の特図2保留表示器、LEDランプ2つで構成された普図変動表示ゲームの始動記憶数報知用の普図保留表示器、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示器、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示器、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する高確率報知器、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド数表示器が設けられている。
【0039】
第1特図表示器51と第2特図表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、即ち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「大当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば「3」や「7」の数字等)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
【0040】
本実施形態の遊技機10では、打球発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口39へ流入し遊技領域32から排出される。遊技領域32から排出された遊技球は、遊技機10の背面に設けられた球排出口15(図45参照)から遊技機10の外(例えば、遊技店の島設備に設けられるアウトタンク等)に排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200によって制御される払出ユニットから、開閉枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
【0041】
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図9参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の普図保留表示器(図示省略)に表示される。
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
【0042】
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)(図示省略)で実行されるようになっている。普図表示器は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の一対の可動部材37bが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
【0043】
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当り値であるときには、普図表示器に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普通変動入賞装置37は、内蔵されている普電ソレノイド37c(図9参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、遊技球の入賞が許容される。
【0044】
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図9参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の特図1、特図2保留表示器(図示省略)に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても表示される。
【0045】
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、特図1表示器51又は特図2表示器52で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。
第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41の表示態様も特別結果態様となる。
【0046】
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
【0047】
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。即ち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
【0048】
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
【0049】
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。遊技機10のガラス枠163等に設けられた前枠開放検出スイッチ163bや開閉枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ12aには、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
【0050】
図4は、遊技機10(ガラス枠163を除く)の分解斜視図であり、図5は、幕板部80を拡大した分解斜視図である。
図4に示すように、機枠11は、縦長の矩形となるように配設された短冊状の4片の板材151〜154と、幕板部80とで構成されている。各板材151〜154の内面および幕板部80の背面は、L字金具155,156(図49参照)で連結されている。
幕板部80は、板材152〜154に固定された幕板81と、幕板81の前面に取り付けられた幕板飾り82とで構成されている。
【0051】
図5に示すように、幕板81は、機枠11の下部を構成する板材152の上面に接するとともに、機枠11の左右両側部を構成する板材153,154に挟まれるようにして固定されており、機枠11の補強部材をなしている。
幕板81の前面には、ボックス後部構成部810が設けられている。ボックス後部構成部810は、左右方向に延びる矩形状に形成された音波伝播部811と、音波伝播部811の中央部から上方に飛び出すように形成された音波受入部812とからなり、正面視逆T字の前面が開放された箱状に形成されている。また、音波受入部812は、開閉枠12が閉じた状態では、下スピーカユニット29(後方連通部29c)の後方に位置し、当該下スピーカユニット29の振動板29bから後方に伝播する音波を受け入れるようになっている。
【0052】
なお、ボックス後部構成部810は、幕板81前面に別途取り付けてもよいし、幕板81を樹脂成形して幕板81と一体に形成してもよい。
また、ボックス後部構成部810を、ボックス前部構成部として幕板飾り82の後面に形成するようにしてもよい。
また、幕板部80を幕板81と幕板飾り82に分けずに一部材として形成し、そこにボックス後部構成部810を取り付けるようにしてもよいし、幕板81、幕板飾り82およびボックス後部構成部810を全て一体に形成するようにしてもよい。
【0053】
音波伝播部811の中央部であって、音波受入部812の下方には、音波分岐部813が形成されている。つまり、音波伝播部811は、音波分岐部813から左右方向に向けて延設されていることになる。音波分岐部813は、音波受入部812に受け入れた音波を左右方向に分岐させるもので、前後方向に延びる円筒状に形成され、幕板飾り82を固定するためのネジが挿入されるネジ孔部813aと、ネジ孔部813aから下方に向けて板状に形成され、音波伝播部811を左右に仕切る仕切部813bと、仕切部813bの下端から下方に向かって左右に広がるように傾斜する板状に形成された一対の傾斜部813c,813cとからなる。また、音波分岐部813は、音波伝播部810下部の壁面と一体かつ当該壁面に対し垂直に形成されているため、ボックス後部構成部810の補強部材も兼ねている。
【0054】
音波伝播部811の左右両端部における後部壁面には、パッシブラジエータ814,814が前方を向けて取り付けられている。パッシブラジエータ814は、電気的な駆動系を有しない振動板のみのスピーカと同様の構成をしており、音波伝播部811内を伝播してきた音波により共振して、幕板放音部82a,82aから放出される音波を増強するものである。
【0055】
音波伝播部811の、音波分岐部813と左右のパッシブラジエータ814,814との間には、リブ815,815が形成されている。リブ815は、音波の通り道をできる限り塞がないように、音波伝播部811の内面に沿ってコ字状に形成されている。なお、本来であれば、仕切部813b以外の部材は、音波を分けて相互干渉を生じさせる原因となってしまうため、音波伝播部811を硬質の材料で形成したり、音波伝播部811を外側から補強できる場合には、リブ815を設けないようにしてもよい。
【0056】
幕板飾り82は、枠本体161の下方で露出する幕板部80の装飾部材をなす正面視略矩形状の部材である。前述したように、幕板飾り82には、左右一対の幕板放音部82a、82aが形成されている。
幕板81に幕板飾り82が取り付けられると、音波伝播部811や機枠11下部の板材152は幕板飾り82に遮蔽されるが、音波受入部812が幕板飾り82の上方から飛び出して矩形の開口をなす。そして、パッシブラジエータ814,814は、左右の幕板放音部82a,82aの後方に位置する。すなわち、幕板部80には、音波受入部812から幕板放音部82a,82aへと通じる音波の通路が形成される。
【0057】
図4に示すように、枠本体161の下部中央には、前後に貫通する矩形の孔161dが形成されている。この孔161dは、枠本体161を閉じたときに、音波受入部812と重なり、音波受入部812と連通するようになっている。
また、下皿ユニット162の下部中央にも、矩形の孔162aが形成されている。この孔162aは、下皿ユニット162を枠本体161に取り付けたときに、孔161dと重なり、孔161dと連通するようになっている。
【0058】
下スピーカユニット29は、本体29aと、本体29aの前部に設けられた振動版29bと、本体29aの裏面下部から後方に向けて延設された後方連通部29cと、で構成されている。本体29aの内部構造や振動版29bは、従来用いられてきたものと同様であるため、その説明は省略する。
【0059】
後方連通部29cは、背面が開口した筒状に形成されている。この後方連通部29cにより本体29aの内側と外側とが連通しており、振動版29bが後方に発する音波(背圧)が、下スピーカユニット29の後方へと伝播するようになっている。また、後方連通部29cは、その断面形状が下皿ユニット162の孔162aおよび枠本体161の孔161dの形状とほぼ等しい矩形に形成されており、孔162aおよび121dに差し込むことができるようになっている。
【0060】
図6は、図2のVI−VI断面図である。
後方連通部29cが下皿ユニット162の孔162aおよび枠本体161の孔161dに差し込まれ、すなわち、下スピーカユニット29が下皿ユニット162に取り付けられた状態で、開閉枠12が閉じられると、後方連通部29cの後端と音波受入部812の周縁部とが接し、幕板飾り82およびボックス後部構成部810によって仕切られる空間と下スピーカユニット29内部とが連通する(開閉枠12を除いて見た場合、図7に示すような状態になる)。これにより、振動版29bから後方に向かって発せられた音波が、後方連通部29cを通って音波受入部812に受け入れられ、図8に示すように、音波分岐部813によって左右方向に向かう二手の音波に分けられる。分けられた音波は、音波分岐部813の傾斜部813cによって左右側方へと向けられる。
なお、音波受入部812に音波を下方に伝播させるための傾斜部を設けるようにしてもよい。
【0061】
音波分岐部813で分岐した音波は、音波分岐部813によって左右に仕切られた音波伝播部811内部を左右方向にそれぞれ伝播し、伝播しながら増幅される。音波伝播部811の左右両端部にそれぞれ達した音波は、幕板放音部82aから前方に向かってそれぞれ放出される。このとき、パッシブラジエータ814が伝播してきた音波によって共振し、幕板放音部82aから放出される音波を更に増強する。このため、幕板部80は、下スピーカユニット29の背圧を増幅して前方に放音するスピーカボックスとして機能することになる。
【0062】
このように、下スピーカユニット29を開閉枠12に設けたので、開閉枠12に設けられる演出制御装置300と下スピーカユニット29とを接続する配線は開閉枠12の内部に収まる。このため、機枠11と開閉枠12との間に配線は設けられず、設置や撤去等、内枠の開閉や取り外しを伴う作業を、断線を気にすることなく容易に行うことができる。
【0063】
図9は、本実施形態の遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
【0064】
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
【0065】
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
【0066】
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
【0067】
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
【0068】
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
【0069】
遊技用マイコン111は、遊技を統括的に制御する制御手段を構成している。具体的には、遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
【0070】
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
【0071】
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターンテーブルを記憶している。
変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が15R確変当りや2R確変当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。
【0072】
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
【0073】
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、スペシャル3リーチ等が設定されている。
【0074】
なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。即ち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定すると(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
【0075】
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数(大当り判定用乱数)や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数(変動態様決定用乱数)、普図変動表示ゲームの当たり判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
【0076】
また、CPU111Aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)や特図普段処理(ステップA9)にて、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数、停電復旧直後等の所定のタイミングなどに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。
【0077】
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
【0078】
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
【0079】
近接I/F121の出力はすべて第2入力ポート122へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、主基板100から中継基板700を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
【0080】
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
【0081】
また、入力部120には、遊技機10の開閉枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ12b及び振動センサスイッチ12cからの信号及び上記近接I/F121により変換された始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aからの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第2入力ポート122が設けられている。第2入力ポート122が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート122に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
【0082】
さらに、入力部120には、遊技機10のガラス枠163等に設けられた前枠開放検出スイッチ163b及び開閉枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ12aからの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
【0083】
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
【0084】
一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板700に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板700のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板700を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
【0085】
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132とを備える。遊技制御装置100から払出制御装置200及び演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、即ち、片方向通信を担保するために第1出力ポート131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
【0086】
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板700を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板700を介して試射試験装置へ供給される。
【0087】
一方、磁気センサスイッチ12bや振動センサスイッチ12cのようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板700を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板700には、上記バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板700上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
【0088】
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38bや普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子710へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子710から出力された遊技機10に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
【0089】
さらに、出力部130には、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子710へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
【0090】
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子710へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、即ち、主基板ではなく、中継基板700側に設けるようにしてもよい。
【0091】
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行なえるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行なわれるため、入力ポート122,123のようなポートは設けられていない。
【0092】
次に、図10を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19および下スピーカユニット29から再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
【0093】
上記主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM324が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
【0094】
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行なわれ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行なわれるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)313aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ313b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313cなどが設けられている。
【0095】
VDP313から主制御用マイコン311へは表示装置41の映像と開閉枠12や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
【0096】
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
【0097】
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、始動口入賞演出コマンド、始動口入賞演出図柄コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、変動停止コマンド、大当り終了コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
【0098】
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置42を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、開閉枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物等)44を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、開閉枠12に設けられているモータ(例えば前記ムービングライト16を動作させるモータ等)45を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
【0099】
さらに、演出制御装置300には、開閉枠12に設けられた演出ボタン25に内蔵されているスイッチ25aや上記盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336、開閉枠12に設けられた上スピーカ19を駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、開閉枠12に設けられた下スピーカユニット29を駆動するアンプ回路337bが設けられている。
【0100】
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
【0101】
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335、スピーカを駆動するアンプ回路337a、337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
【0102】
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。そして、普図表示器(図示省略)に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37b、37bを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。
なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
【0103】
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
【0104】
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、上スピーカ19および下スピーカユニット29からの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
【0105】
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
例えば、この特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51もしくは特図2表示器52の表示態様が特別結果態様(たとえば「7」)となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。
【0106】
特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、特図変動表示ゲームの結果が大当りの場合は、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は0.5秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回(第1特別遊技状態)又は2回(第2特別遊技状態))継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
【0107】
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として確変状態を発生可能となっている。
この確変状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態(高確率状態)である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき確変状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が確変状態となる。
【0108】
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態を発生可能となっている。
この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行う。具体的には、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間が第1の変動表示時間よりも短い第2の変動表示時間となるように制御され(例えば、10秒が1秒)、これにより、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放回数が実質的に多くなるように制御される。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間が通常状態の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御される(例えば、0.3秒が1.7秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数が1回の第1開放回数ではなく、2回以上の複数回(例えば、3回)の第2開放回数に設定される。
なお、普図変動表示ゲームの実行時間を第2の変動表示時間(例えば、1秒)とする制御と、普通変動入賞装置37の開放態様を開放時間が第2開放時間(例えば、1.7秒)とし、且つ、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する開放回数が第2開放回数(例えば、3回)とする制御は、何れか一方のみを行っても良いし、両方を行っても良い。また、時短動作状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率が通常動作状態より高くなるように制御してもよい。
これにより、普通変動入賞装置37に遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
【0109】
なお、確変状態と普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37の時短動作状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。
【0110】
次に、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。
遊技用マイコン111による制御処理は、ループ処理として繰り返されるメインルーチンであるメイン処理(主に図11及び図12参照)と、メイン処理に対する割り込みルーチンとして、所定時間周期(例えば4ms)で行われるタイマ割込み処理(図13参照)とからなる。
【0111】
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。
メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図11に示すように、まず、割込み禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
【0112】
次に、払出制御装置(払出基板)200のプログラムが正常に起動するのを待つため例えば4msの時間待ちを行う(ステップS5)。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって払出制御装置200が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置200へ送ってしまい、払出制御装置200がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。その後、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし、全出力ポートに出力が無い状態にするオフデータを出力する(ステップS6,S7)。また、シリアルポート((遊技用マイコン111に予め搭載されているポート)この実施例では、払出制御装置200や演出制御装置300とパラレル通信を行っているため使用しない))を使用しない状態に設定する処理を行う(ステップS8)。
【0113】
続いて、電源装置400内の初期化スイッチがONしているか否か判定する(ステップS9)。ここで、初期化スイッチがOFF(ステップS9;No)と判定すると、ステップS10で、RWM内に複数設けられている停電検査領域のうち、停電検査領域1のデータの値をチェックし(ステップS10)、停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1であるか否かの判定を行う(ステップS11)。このステップS11で停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1であると判定した場合(ステップS11;Yes)には、停電検査領域2のデータの値をチェックし(ステップS12)、停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2であるか否かの判定を行う(ステップS13)。このステップS13で停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2であると判定した場合(ステップS13;Yes)には、チェックサムと呼ばれるデータを算出する処理(ステップS14)を行い、算出したチェックサムと電源遮断時のチェックサムとを比較して(ステップS15)、値が一致するか否かを判定する(ステップS16)。
【0114】
また、ステップS9で初期化スイッチがONと判定した場合(ステップS9;Yes)、ステップS11で停電検査領域1の値が正常でないと判定した場合(ステップS11;No)、ステップS13で停電検査領域2の値が正常でないと判定した場合(ステップS13;No)、或いは、ステップS16でチェックサムが一致しないと判定した場合(ステップS16;No)には、図12のステップS24へジャンプする。
【0115】
また、ステップS16でチェックサムが一致すると判定した場合(ステップS16;Yes)には、図12のステップS17へ移行して、全ての停電検査領域をクリアする処理(ステップS17)、チェックサム領域をクリアする処理(ステップS18)を行ってから、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップS19)。次に、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS20)。ここで、高確率でない(ステップS20;No)と判定した場合は、ステップS21,S22をスキップしてステップS23へ移行する。
【0116】
また、ステップS20で高確率であると判定した場合(ステップS20;Yes)には、高確率の報知フラグ領域にON情報をセーブしてから(ステップS21)、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)をオン(点灯)させるONデータをセグメントに対応する領域(第4出力ポート136)にセーブして(ステップS22)、ステップS23へ移行する。ステップS23では、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを送信してステップS29へ進む。
【0117】
一方、ステップS9,S11,S13,S16からステップS24へジャンプした場合には、先ずCPU111Aが使用するRAM内の、アクセス禁止領域より前の全作業領域をクリアする処理(ステップS24)、アクセス禁止領域より後の全スタック領域をクリアする処理(ステップS25)を行ってから、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS26)。それから、RWMをクリアしたことに関する外部情報を出力する期間の時間値を設定し(ステップS27)、電源投入時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理(ステップS28)を行って、ステップS29へ進む。
【0118】
ステップS29では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)
回路を起動する処理を行う。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ms)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
【0119】
上記ステップS29のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS30)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。それから、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当りを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS31)、割込みを許可する(ステップS32)。本実施例で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値をCPU側で生成する各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
【0120】
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS33)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
【0121】
上記ステップS33の初期値乱数更新処理の後、停電監視信号をチェックする回数を設定する(ステップS34)。そして、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックし、停電監視信号がONであるか否かを判定する(ステップS35)。ステップS35で、停電監視信号がONでないと判定した場合(ステップS35;No)には、ステップS33に戻り、上記初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS33)の前に割り込みを許可する(ステップS32)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
【0122】
なお、上記ステップS33での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施例のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
【0123】
上記ステップS35において、停電監視信号がONであると判定した場合(ステップS35;Yes)には、設定したチェック回数の分だけONが継続されたか否かを判定する(ステップS36)。そして、継続されなかったと判定した場合(ステップS36;No)には、ステップS35に戻り、停電が発生したか否かの判定(ループ処理)を繰り返し行う。また、ステップS36において、継続されたと判定した場合(ステップS36;Yes)、すなわち、停電が発生していると判定した場合には、一旦割込みを禁止する処理(ステップS37)、全出力ポートにOFFデータを出力する処理(ステップS38)を行う。その後さらに、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブする処理(ステップS39)、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする処理(ステップS40)、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS41)を行った後、算出したチェックサムをチェックサム領域にセーブして(ステップS42)、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS43)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、停電等に伴う遊技機10の電源遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを、遊技機10の電源再投入時に判断することができる。
【0124】
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。
図13に示すように、タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、図13のタイマ割込み処理が開始される。
【0125】
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS51)を行う。なお、本実施形態において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ38aなど)からの入力の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS52)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL38b、普電SOL37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS53)を行う。
【0126】
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300や払出制御装置200等に出力するコマンド送信処理(ステップS54)、乱数更新処理1(ステップS55)、乱数更新処理2(ステップS56)を行う。
その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a…35n、カウントスイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(開閉枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS57)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS58)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS59)を行う。
【0127】
次に、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS60)、磁気センサスイッチ12bや振動センサスイッチ12cからの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁気エラー監視処理(ステップS61)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS62)を行う。続いて、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS63)を行い、ステップS41で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS64)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS65)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
【0128】
〔コマンド送信処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理におけるコマンド送信処理(ステップS54)の詳細について説明する。
図14に示すように、コマンド送信処理は、演出制御装置300に対する演出制御コマンド送信処理(ステップS71)と、払出制御装置200に対する払出コマンド送信処理(ステップS72)とからなる。
【0129】
〔演出制御コマンド送信処理〕
次に、前述のコマンド送信処理における演出制御コマンド送信処理(ステップS71)の詳細について説明する。
図15に示すように、演出制御コマンド送信処理においては、まず、送信コマンドをRWMに設定するときに「+1」されるライトカウンタの値と、RWMから送信コマンドを読み出すときに「+1」されるリードカウンタの値とを比較して、コマンドが設定されているかをチェックする(ステップS81)。具体的には、ライトカウンタの値とリードカウンタの値とが同一であればコマンドが設定されていないと判定し、ライトカウンタの値とリードカウンタの値とが一致していない場合には、未送信のコマンドが設定されていると判定する(ステップS82)。
【0130】
ステップS82で、コマンドが設定されていないと判定した場合(ステップS82;No)には、当該演出制御コマンド送信処理から抜け、ステップS82で、コマンドが設定されていると判定した場合(ステップS82;Yes)には、リードカウンタを更新(+1)する(ステップS83)。
次いで、リードカウンタの値に対応するコマンド送信領域(MODE(上位バイト))からコマンドをロードする(ステップS84)。それから、ロードしたコマンドが入っていた領域をリセットする(ステップS85)。
さらに、リードカウンタの値に対応するコマンド送信領域(ACTION(下位バイト))からコマンドをロードする(ステップS86)。それから、ロードしたコマンドが入っていた領域をリセットする(ステップS87)。
そして、演出制御コマンド出力処理(ステップS88)を行い、演出制御コマンド送信処理を終了する。
【0131】
〔特図ゲーム処理〕
次に、前述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS58)の詳細について説明する。
特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
【0132】
図16に示すように、特図ゲーム処理においては、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細については後述する。
【0133】
次に、カウントスイッチ監視処理(ステップA2)を行う。このカウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられたカウントスイッチ38aのカウント数を監視する処理を行う。
【0134】
次に、特図ゲーム処理タイマが、既にタイムアップしたか、又は当該特図ゲーム処理タイマを更新(−1)した後にタイムアップしたかをチェックして(ステップA3)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かを判定する(ステップA4)。
ステップS4で、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたと判定した場合(ステップA4;Yes)には、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップA5)を行って、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップA6)を行う。
そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップA7)を行った後、特図ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。
【0135】
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。なお、特図普段処理(ステップA9)の詳細については後述する。
【0136】
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。
【0137】
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類(2R大当りor15R大当り)に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当り(2R大当りor15R大当り)の大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。
【0138】
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。
【0139】
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
【0140】
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。
【0141】
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。
【0142】
その後、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA16)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA17)を行う。
その後、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA18)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA19)を行い、当該特図ゲーム処理を終了する。
【0143】
一方、ステップA4で、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていないと判定した場合(ステップA4;No)には、処理をステップA16に移行して、それ以降の処理を行う。
【0144】
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理の詳細について説明する。
図17に示すように、始動口スイッチ監視処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、先ず、始動入賞口36(始動口1)による始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備して、始動口1による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA111)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112)を行う。
なお、ステップA112における特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、ステップA117における特図始動口スイッチ共通処理とともに後述する。
【0145】
次に、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、即ち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックして(ステップA113)、普通電動役物が作動中である(ステップA113;Yes)と判定すると、処理をステップA116に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA113にて、普通電動役物が作動中でない(ステップA113;No)と判定すると、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックして(ステップA114)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する処理(ステップA115)を行う。
普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかが判定される。
【0146】
ステップA115にて、不正入賞数が不正判定個数以上でない(ステップA115;No)と判定すると、普通変動入賞装置37(始動口2)による始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備して、始動口2による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA116)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA117)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。
また、ステップA115にて、不正入賞数が不正判定個数以上であると判定された場合も(ステップA115;Yes)、始動口スイッチ監視処理を終了する。即ち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
【0147】
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、前述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112、A117)の詳細について説明する。
当該特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
【0148】
図18に示すように、特図始動口スイッチ共通処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に入力があるか否かをチェックして(ステップA201)、監視対象の始動口スイッチに入力がない(ステップA202;No)と判定すると、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップA202にて、監視対象の始動口スイッチに入力がある(ステップA202;Yes)と判定すると、当該監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグをセーブした後(ステップA203)、監視対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、準備する(ステップA204)。
【0149】
続けて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)への入賞の回数に関する情報が遊技機10の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードして(ステップA205)、当該ロードした値を更新(+1)し、出力回数がオーバーフローするか否かをチェックして(ステップA206)、出力回数がオーバーフローしない(ステップA207;No)と判定すると、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA208)、処理をステップA209に移行する。一方、ステップA207にて、出力回数がオーバーフローしたと判定された場合は(ステップA207;Yes)、処理をステップA209に移行する。
【0150】
そして、ステップA209にて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックして(ステップA209)、特図保留数が上限値未満か否かを判定する処理(ステップA210)を行う。
【0151】
ステップA210にて、特図保留数が上限値未満である(ステップA210;Yes)と判定すると、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数等)を更新(+1)する処理(ステップA211)を行う。
続けて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)の飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備した後(ステップA212)、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備して(ステップA213)、コマンド設定処理(ステップA214)を行う。
【0152】
続けて、特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する処理(ステップA215)を行った後、大当り乱数をRWMの大当り乱数セーブ領域にセーブする(ステップA216)。そして、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、準備して(ステップA217)、当該大当り図柄乱数をRWMの大当り図柄乱数セーブ領域にセーブする(ステップA218)。次に、対応する変動パターン乱数1を抽出し、RWMの変動パターン乱数1セーブ領域にセーブし(ステップA219)、次に、対応する変動パターン乱数2を抽出し、RWMの変動パターン乱数2セーブ領域にセーブし(ステップA220)、さらに、対応する変動パターン乱数3を抽出し、RWMの変動パターン乱数3セーブ領域にセーブした(ステップA221)後、特図保留情報判定処理(ステップA222)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。なお、特図保留情報判定処理の詳細については後述する。
【0153】
一方、ステップA210にて、特図保留数が上限値未満でない(ステップA210;No)と判定すると、ステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力であるか否かをチェックして(ステップA223)、始動口1スイッチ36aの入力である(ステップA224;Yes)と判定すると、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(ステップA225)、コマンド設定処理(ステップA226)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、ステップA223にて、始動口1スイッチ36aの入力でないと判定された場合にも(ステップA224;No)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
【0154】
〔特図保留情報判定処理〕
次に、前述の特図始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA222)の詳細について説明する。
当該特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
【0155】
図19に示すように、特図保留情報判定処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず、先読み演出を実行してよい条件を満たしているかチェックする(ステップA231)。
ここで、「先読み演出を実行してよい条件」とは、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ37aの入力であること、又は当該始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力の場合には、普通変動入賞装置37の開放延長機能が作動中でない、すなわち、普通変動入賞装置37がサポート中(時短動作状態中)でなく、且つ、大当り中でないことを意味する。つまり、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ37aの場合は、普通変動入賞装置37がサポート中、又は大当り中であるかにかかわらず、当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理を行うこととなる。
【0156】
そして、ステップA232にて、先読み演出を実行してよい条件を満たしていない場合(ステップA232;No)は、特図保留情報判定処理を終了する。
一方、先読み演出を実行してよい条件を満たしている場合(ステップA232;Yes)は、大当り判定処理(ステップA233)を行う。
【0157】
そして、ステップA233における大当り判定処理の判定結果が大当りである場合(ステップA234;Yes)には、監視対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA235)、大当り図柄乱数をチェックし、対応する大当り情報テーブルを取得し、設定して(ステップA236)、ステップA238へ移行する。
一方、ステップA233における大当り判定処理の判定結果が大当りでない場合(ステップA234;No)には、はずれ情報テーブルを設定し(ステップA237)、ステップA238へ移行する。
【0158】
続けて、ステップA238では、設定した情報テーブル(大当り情報テーブル、又は、はずれ情報テーブル)から図柄情報を取得し、取得した図柄情報を図柄情報(作業用)領域にセーブする(ステップA238)。次に、設定した情報テーブルから始動口入賞演出図柄コマンドを取得し、取得した始動口入賞演出図柄コマンドを入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(ステップA239)。
【0159】
続けて、監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグを準備し(ステップA240)、監視対象の始動口入賞演出コマンド設定テーブルを準備し(ステップA241)、特図情報設定処理(ステップA242)、後半変動パターン設定処理(ステップA243)、変動パターン設定処理(ステップA244)を行う。
そして、前半変動番号に対応する始動口入賞演出コマンド(MODE)を算出し、準備し(ステップA245)、後半変動番号の値を始動口入賞演出コマンド(ACTION)として、準備して(ステップA246)、コマンド設定処理(ステップA247)を行う。
続けて、始動口入賞演出図柄コマンドをロードし、準備して(ステップA248)、コマンド設定処理(ステップA249)を行い、特図保留情報判定処理を終了する。
【0160】
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA9)の詳細について説明する。
図20に示すように、特図普段処理では、先ず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(ステップA271)。
そして、特図2保留数が0である(ステップA272;Yes)と判定すると、特図1保留数(第1始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(ステップA273)。
そして、特図1保留数が0である(ステップA274;Yes)と判定すると、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックして(ステップA275)、客待ちデモを開始していない、即ち、開始済みでない(ステップA276;No)と判定すると、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセーブする処理(ステップA277)を行う。
【0161】
続けて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA278)、コマンド設定処理(ステップA279)を行う。
一方、ステップA275にて、既に客待ちデモが開始されている(ステップA276;Yes)と判定すると、既に客待ちデモフラグは客待ちデモ中に設定(ステップA277)され、客待ちデモコマンドも準備(ステップA278)され、コマンド設定処理(ステップA279)も実行されているため、これらの処理を行わずにステップA280に移行する。そして、特図普段処理移行設定処理1(ステップA280)を行って、特図普段処理を終了する。
【0162】
一方、ステップA272にて、特図2保留数が0でない(ステップA272;No)と判定すると、特図2変動開始処理(ステップA281)を行う。なお、ステップA281における特図2変動開始処理の詳細については後述する。
その後、特図2の特図変動中処理移行設定処理(ステップA282)を行って、特図普段処理を終了する。
また、ステップA274にて、特図1保留数が0でない(ステップA274;No)と判定すると、特図1変動開始処理(ステップA283)を行う。なお、ステップA283における特図1変動開始処理の詳細については後述する。
その後、特図1の特図変動中処理移行設定処理(ステップA284)を行って、特図普段処理を終了する。
このように、ステップA271とステップA272における特図2保留数のチェックを、ステップA273とステップA274における特図1保留数のチェックよりも先に行うことで、特図2保留数が0でない場合には、特図2変動開始処理(ステップA281)が実行されることとなる。すなわち、第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。
【0163】
〔特図1変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図1変動開始処理(ステップA283)の詳細について説明する。
図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、図21に示すように、先ず、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップA301)を行う。
【0164】
次に、第1特図停止図柄(特図1停止図柄)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップA302)を行った後、第1特図停止図柄番号(特図1停止図柄番号)に対応する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA303)。
続いて、特図1停止図柄設定処理にて設定された停止図柄パターン情報をロードした後、当該停止図柄パターン情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA304)。
【0165】
次に、特図1変動フラグを設定し、準備して(ステップA305)、特図1変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA306)。
その後、変動パターンに関する情報を設定するテーブル(特図1用)を準備して(ステップA307)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA308)を行う。続けて、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA309)を行った後、第1特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA310)を行う。その後、第1特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA311)を行って、特図1変動開始処理を終了する。
【0166】
〔特図2変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図2変動開始処理(ステップA281)の詳細について説明する。
図2変動開始処理は、第2特図変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、図22に示すように、先ず、第2特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップA321)を行う。
【0167】
次に、第2特図停止図柄(特図2停止図柄)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップA322)を行った後、第2特図停止図柄番号(特図2停止図柄番号)に対応する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA323)。
続いて、特図2停止図柄設定処理にて設定された停止図柄パターン情報をロードした後、当該停止図柄パターン情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA324)。
【0168】
次に、特図2変動フラグを設定し、準備して(ステップA325)、特図2変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA326)。
その後、変動パターンに関する情報を設定するテーブル(特図2用)を準備して(ステップA327)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA328)を行う。続けて、第2特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA329)を行った後、第2特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA330)を行う。その後、第2特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA331)を行って、特図2変動開始処理を終了する。
【0169】
〔1stメイン処理〕
演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311では、図23に示す1stメイン処理を行う。この1stメイン処理においては、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理として、まず、割込みを禁止し(ステップB11)、RAMを0クリアして(ステップB12)、CPUを初期化するCPU初期化処理(ステップB13)を行う。次に、RAMの初期値を設定し(ステップB14)、乱数を初期化する乱数初期化処理(ステップB15)を行い、各種割込みのタイマを起動して(ステップB16)、割込みを許可する(ステップB17)。
【0170】
次に、メインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアし(ステップB18)、演出ボタン25の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップB19)を行う。そして、先読み演出の実行制御に関する先読み演出処理(ステップB20)を行う。なお、先読み演出処理の詳細については後述する。
【0171】
次に、遊技制御コマンド解析処理(ステップB21)を行う。この遊技制御コマンド解析処理(ステップB21)では、遊技制御装置100から送信される遊技に関するコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定して、後述するシーン制御処理のためのコマンドの区分けをする処理を行う。
【0172】
次に、表示装置41や装飾装置、演出装置等のテストを行うためのテストモードに関する処理であるテストモード処理(ステップB22)を行う。このテストモード処理(ステップB22)によりテストモードとなった場合は、以降の遊技に関する処理は行わない。ただし、テストモードにおいて表示装置41での表示やスピーカからの音声の出力、装飾装置のLEDの発光、演出装置の動作等を行う場合は、これらを制御するための処理において制御を行う。なお、テストモードは遊技機の電源を遮断することで終了するようになっている。
【0173】
そして、遊技の演出の制御に関するシーン制御処理(ステップB23)を行う。このシーン制御処理(ステップB23)の詳細については後述する。次に、遊技機でエラーが発生した場合に遊技制御装置100から送信されるエラー報知コマンドに基づき、対応する報知を行う遊技機エラー監視処理(ステップB24)を行う。なお、対応する報知を行うための表示装置41での表示やスピーカからの音声の出力、装飾装置のLEDの発光、演出装置の動作等は、これらを制御するための処理(例えば、スピーカからの音声の出力であれば、サウンド制御処理)において制御を行う。
【0174】
その後、映像制御用マイコン(2ndCPU)312に出力するコマンドを編集する演出コマンド編集処理(ステップB25)を行い、スピーカ(上スピーカ19、下スピーカユニット29)からの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップB26)を行う。次に、盤装飾装置42、枠装飾装置18のLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップB27)、盤演出装置44、枠演出装置45のモータやソレノイドの制御を行うモータ/SOL制御処理(ステップB28)を行う。そして、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップB29)を行って、WDTをクリアする処理(ステップB18)に戻る。
【0175】
〔2ndメイン処理〕
映像制御用マイコン(2ndCPU)312では、図24に示す2ndメイン処理を行う。この2ndメイン処理においては、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理として、まず、CPUを初期化するCPU初期化処理(ステップB31)を行い、RAMを0クリアして(ステップB32)、RAMの初期値を設定する(ステップB33)。次に、VDPを初期化するVDP初期化処理(ステップB34)を行い、各種割込みを許可する(ステップB35)。さらに、各種制御処理の初期化処理(ステップB36)を行い、画面描画を許可する(ステップB37)。
【0176】
次に、メインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、まず、システム周期待ちフラグをクリアし(ステップB38)、システム周期待ちフラグが1であるか否かの判定を行う(ステップB39)。システム周期とは、画像データを一時的に格納する二つのバッファを切り替える周期であって、切り替えが可能な状態となるとシステム周期フラグが「1」となる。このシステム周期待ちフラグが1となるまでは、システム周期待ちフラグが1であるか否かの判定(ステップB39)を繰り返し、システム周期待ちフラグが1となると(ステップB39;Yes)、WDT(watchdog timer)をクリアし(ステップB40)、通常ゲーム処理(ステップB41)を行って、システム周期待ちフラグをクリアする処理(ステップB38)に戻る。
【0177】
〔1stシーン制御処理〕
図25には、図23に示した1stメイン処理におけるシーン制御処理(ステップB23)を示した。このシーン制御処理では、まず、テストモード中であるかを判定し(ステップB51)、テストモード中である場合(ステップB51;Yes)は、シーン制御処理を終了する。また、テストモード中でない場合(ステップB51;No)は、シーン変更コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB52)。
【0178】
シーン変更コマンドは、遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される遊技に関する各種のコマンドである。このシーン変更コマンドを受信した場合(ステップB52;Yes)は、更新する遊技状態(現在の遊技状態)を取得し(ステップB53)、有効なコマンドであるかを判定する(ステップB54)。有効なコマンドであるかの判定(ステップB54)では、受信したシーン変更コマンドが取得した現在の遊技状態に対して有効なものであるかを判定する。そして、有効なコマンドである場合(ステップB54;Yes)は、受信コマンドをセーブし(ステップB55)、演出リクエストフラグをセットして(ステップB56)、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB57)を行う。
【0179】
一方、シーン変更コマンドを受信していない場合(ステップB52;No)や、有効なコマンドでなかった場合(ステップB54;No)は、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB57)を行う。この場合、直近の有効であったコマンドの識別子による分岐を行う。
【0180】
コマンド識別子による分岐処理(ステップB57)では、受信したコマンドに基づき実行する処理を選択する。電源投入コマンドを受信した場合は電源投入時に必要な処理を行う電源投入処理(ステップB58)を行う。また、停電復旧コマンドを受信した場合は停電復旧時に必要な処理を行う停電復旧(客待ち以外)処理(ステップB59)を行う。また、客待ちデモコマンドを受信した場合は客待ちデモの表示に関する処理等を行う客待ち処理(ステップB60)を行う。
【0181】
また、変動パターンコマンドを受信した場合は飾り特図変動表示ゲームの実行に関する処理等を行う変動中処理(ステップB61)を行う。この変動中処理(ステップB61)では、飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定を行う。この飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定では、例えば、遊技制御装置100から送信された変動パターンコマンドに含まれる情報(大当りか否か、モード情報、変動パターン情報など)に基づき演出(変動パターンや変動時間など)の設定を行う。
【0182】
また、図柄停止コマンドを受信した場合は飾り特図変動表示ゲームの変動停止に関する処理である図柄停止処理(ステップB62)を行う。また、ファンファーレコマンドを受信した場合は特別遊技状態の開始に関する処理であるファンファーレ処理(ステップB63)を行う。また、大入開放n回目コマンドを受信した場合はラウンド遊技に関する処理であるラウンド中処理(ステップB64)を行う。また、インターバルコマンドを受信した場合はラウンド間のインターバルに関する処理であるインターバル処理(ステップB65)を行う。また、エンディングコマンドを受信した場合は特別遊技状態の終了に関する処理であるエンディング処理(ステップB66)を行う。
【0183】
コマンド識別子による分岐処理(ステップB57)により選択された上述の各処理を行った後、即座に映像に反映されないコマンドに基づく処理を行う。この処理として、まず、特図変動表示ゲームの停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンドに基づく処理を行う図柄コマンド受信処理(ステップB67)を行い、始動記憶の増減に関する情報を含む保留数コマンド(特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド)に基づく処理を行う保留数コマンド受信処理(ステップB68)を行う。
【0184】
さらに、始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果等を当該特図変動表示ゲームの実行前に事前に判定する先読み処理の結果を含む先読み情報コマンド(始動口入賞演出コマンド、始動口入賞演出図柄コマンド)に基づく処理を行う先読みコマンド受信処理(ステップB69)を行う。その後、確率状態に関する情報を含む確率情報コマンド(確率情報コマンド(低確率、高確率))に基づく処理を行う確率情報コマンド受信処理(ステップB70)を行い、シーン制御処理を終了する。
【0185】
〔通常ゲーム処理〕
図26には、図24に示した2ndメイン処理における通常ゲーム処理(ステップB41)を示した。この通常ゲーム処理では、まず、受信コマンドチェック処理(ステップB71)を行う。この受信コマンドチェック処理(ステップB71)では、1stCPUから送信されるコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定して、後述する2ndシーン制御処理のためのコマンドの区分けをする処理を行う。
【0186】
次に、背景の設定を行う背景処理(ステップB72)を行い、飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動に関する表示制御処理であるリール制御/表示処理(ステップB73)を行う。さらに、特図1保留表示器及び特図2保留表示器の表示に連動して表示装置41に表示される飾り特図保留数表示の設定を行う保留表示処理(ステップB74)を行う。
その後、客待ちデモの表示に関する客待ちデモ処理(ステップB75)を行う。そして、受信したコマンドに基づき、表示内容を決定するシーン制御/表示処理(ステップB76)を行い、ROMのデータをRAMに設定されたバッファに転送し、実際に表示をさせる処理を行う表示システム処理(ステップB77)を行って、通常ゲーム処理を終了する。
【0187】
〔先読み演出処理〕
図27には、図23に示した1stメイン処理における先読み演出処理(ステップB20)を示した。この先読み演出処理では、まず、特図2変動表示ゲームの結果が大当りであることを示す特図2大当りコマンドを受信したか否かを判定する(ステップB101)。
ここで、特図2大当りコマンドを受信していないと判定された場合(ステップB101;No)は、表示装置41にて保留記憶の表示を行わない第2先読み演出が実行中であるか否かを判定する(ステップB102)。
【0188】
そして、第2先読み演出が実行中でないと判定された場合(ステップB102;No)は、第2先読み演出を実行するための第2先読み演出フラグがオンの状態、すなわち、保留記憶の表示態様を他の表示態様に変更する第1先読み演出を実行しながら第2先読み演出の実行を待機している状態であるか否かを判定する(ステップB103)。
ここで、第2先読み演出フラグがオンの状態でないと判定された場合(ステップB103;No)は、先読み予告コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB104)。
【0189】
そして、先読み予告コマンドを受信していないと判定された場合(ステップB104;No)は、先読み演出処理を終了し、先読み予告コマンドを受信したと判定された場合(ステップB104;Yes)は、普通変動入賞装置37がサポート中(普電サポート中)であるか否かを判定する(ステップB105)。
ここで、普電サポート中でないと判定された場合(ステップB105;No)は、通常時の先読み演出選択処理(ステップB106)を行い、ステップB108へ移行する。一方、普電サポート中であると判定された場合(ステップB105;Yes)は、普電サポート中(電サポ中)の先読み演出選択処理(ステップB107)を行い、ステップB108へ移行する。なお、通常時先読み演出選択処理及び電サポ中先読み演出選択処理の詳細については後述する。
【0190】
次いで、ステップB108では、第2先読み演出実行処理(ステップB108)を行う。続けて、擬似変動演出実行処理(ステップB109)、先読み演出終了処理(ステップB110)を行い、先読み演出処理を終了する。
なお、第2先読み演出実行処理、擬似変動演出実行処理、及び、先読み演出終了処理の詳細については後述する。
【0191】
また、ステップB102にて、第2先読み演出が実行中であると判定された場合(ステップB102;Yes)、又は、ステップB103にて、第2先読み演出フラグがオンの状態であると判定された場合(ステップB103;Yes)は、普通変動入賞装置37がサポート中でない通常時に特図2変動表示ゲームのコマンドを受信したか否かを判定して(ステップB111)、特図2変動表示ゲームのコマンドを受信したと判定された場合(ステップB111;Yes)は、擬似変動演出の内容を設定し直すための擬似変動演出再設定フラグをオンにした(ステップB112)後、擬似変動演出実行処理(ステップB109)、先読み演出終了処理(ステップB110)を行い、先読み演出処理を終了する。
一方、特図2変動表示ゲームのコマンドを受信していないと判定された場合(ステップB111;No)は、先読み演出終了処理(ステップB110)を行い、先読み演出処理を終了する。
【0192】
また、ステップB101にて、特図2大当りコマンドを受信したと判定された場合(ステップB101;Yes)は、表示装置41における特図1の保留記憶表示の中に表示態様が変更中、すなわち、先読み演出中の保留記憶表示があるか否かを判定する(ステップB113)。
ここで、表示態様が変更中の保留記憶表示がないと判定された場合(ステップB113;No)は、ステップB102へ移行して、それ以降の処理を行う。
また、表示態様が変更中の保留記憶表示があると判定された場合(ステップB113;Yes)は、特図2優先(通常時)先読み演出選択処理(ステップB114)を行った後、第2先読み演出実行処理(ステップB108)、擬似変動演出実行処理(ステップB109)、先読み演出終了処理(ステップB110)を行い、先読み演出処理を終了する。
【0193】
〔通常時先読み演出選択処理〕
図28には、図27に示した先読み演出処理における通常時先読み演出選択処理(ステップB106)を示した。この通常時先読み演出選択処理では、まず、当該処理対象である保留記憶よりも先に消化される保留記憶内に特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる保留記憶において先読み演出(第1先読み演出)がなされた先読み保留記憶があるか否かを判定する(ステップB121)。
ここで、先読み演出がなされた先読み保留記憶があると判定された場合(ステップB121;Yes)は、通常時先読み演出選択処理を終了する。
また、先読み保留記憶がないと判定された場合(ステップB121;No)は、先読み演出の対象となる保留記憶表示の表示態様を選択する処理(ステップB122)を行う。当該表示態様としては、例えば、通常時であれば白色の丸印による保留記憶表示がなされるところを、大当りを導出する信頼度に応じて青色、黄色、又は赤色の丸印による保留記憶表示がなされる。
【0194】
次に、保留記憶の表示態様を選択された表示態様に変更する処理(ステップB123)が行われ、これにより第1先読み演出が実行されることとなる。
そして、当該処理対象である保留記憶よりも先に消化される保留記憶内に特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる保留記憶があるか否かを判定する(ステップB124)。
ここで、大当りとなる保留記憶があると判定された場合(ステップB124;Yes)は、当該処理対象である先読み保留記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果がはずれであるか否かを判定する(ステップB125)。
【0195】
そして、当該処理対象である先読み保留記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果がはずれでない場合(ステップB125;No)は、通常時先読み演出選択処理を終了する。
また、当該処理対象である先読み保留記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果がはずれである場合(ステップB125;Yes)は、第2先読み演出フラグをオンにし(ステップB126)、擬似変動演出フラグをオンにして(ステップB127)、通常時先読み演出選択処理を終了する。
【0196】
また、ステップB124にて、当該処理対象である保留記憶よりも先に消化される保留記憶内に特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる保留記憶がないと判定された場合(ステップB124;No)は、所定割合で第2先読み演出フラグをオンにして(ステップB128)、通常時先読み演出選択処理を終了する。
【0197】
次に、先読み予告コマンドを受信したとき、上記通常時先読み演出選択処理により保留記憶状態に応じて選択される先読み演出の具体例について、図29を用いて説明する。
【0198】
通常時先読み演出選択処理の対象である保留記憶よりも先に消化される保留記憶内に特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる保留記憶があり(ステップB124;Yes)、且つ、当該処理対象である先読み保留記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果がはずれである場合(ステップB125;Yes)は、先読み演出として、当該先読み保留記憶による予告演出(第1先読み演出)を実行した後、第2先読み演出及び擬似変動演出を実行する。
具体的には、図29に示すように、消化順序1番目の特図1の保留記憶が大当りを導出する保留記憶(先読み演出なし)であり、消化順序2番目の特図1の保留記憶が先読み保留記憶であり当該先読み保留記憶がはずれの保留記憶である場合や、消化順序1番目の特図2の保留記憶が大当りを導出する保留記憶(先読み演出なし)であり、消化順序2番目の特図1の保留記憶が先読み保留記憶であり当該先読み保留記憶がはずれの保留記憶である場合、又は、消化順序1番目の特図2の保留記憶が大当りを導出する保留記憶(先読み演出なし)であり、消化順序2番目の特図2の保留記憶が先読み保留記憶であり当該先読み保留記憶がはずれの保留記憶である場合には、当該先読み保留記憶による予告演出(第1先読み演出)を実行した後、第2先読み演出及び擬似変動演出を実行する。
なお、図示した丸印は特図1の保留記憶を、四角印は特図2の保留記憶を表すものである。また、これら保留記憶の表示のうち、黒塗りの保留記憶表示は先読み演出(第1先読み演出)の対象となった保留記憶(先読み保留記憶)を表したものである。
【0199】
次に、通常時先読み演出選択処理の対象である保留記憶よりも先に消化される保留記憶内に特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる保留記憶があり(ステップB124;Yes)、且つ、当該処理対象である先読み保留記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合(ステップB125;No)は、先読み演出として、当該先読み保留記憶による予告演出(第1先読み演出)のみを実行する。
具体的には、図29に示すように、消化順序1番目の特図1の保留記憶が大当りを導出する保留記憶(先読み演出なし)であり、消化順序2番目の特図1の保留記憶が先読み保留記憶であり当該先読み保留記憶が大当りの保留記憶である場合や、消化順序1番目の特図2の保留記憶が大当りを導出する保留記憶(先読み演出なし)であり、消化順序2番目の特図1の保留記憶が先読み保留記憶であり当該先読み保留記憶が大当りの保留記憶である場合、又は、消化順序1番目の特図2の保留記憶が大当りを導出する保留記憶(先読み演出なし)であり、消化順序2番目の特図2の保留記憶が先読み保留記憶であり当該先読み保留記憶が大当りの保留記憶である場合には、当該先読み保留による予告演出(第1先読み演出)のみを実行する。
【0200】
次に、通常時先読み演出選択処理の対象である保留記憶よりも先に消化される保留記憶内に特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる保留記憶がなく(ステップB124;No)、且つ、当該処理対象である先読み保留記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果がはずれである場合は、先読み演出として、当該先読み保留記憶による予告演出(第1先読み演出)を実行した後、所定割合で第2先読み演出を実行する。
具体的には、図29に示すように、先読み保留記憶である消化順序2番目の特図1の保留記憶よりも先に消化される消化順序1番目の特図2の保留記憶及び消化順序1番目の特図1の保留記憶がはずれの保留記憶(先読み演出なし)であるとともに当該先読み保留記憶がはずれの保留記憶である場合、又は、先読み保留記憶である消化順序2番目の特図2の保留記憶よりも先に消化される消化順序1番目の特図2の保留記憶がはずれの保留記憶(先読み演出なし)であるとともに当該先読み保留記憶がはずれの保留記憶である場合には、当該先読み保留記憶による予告演出(第1先読み演出)を実行した後、所定割合で第2先読み演出を実行する。
【0201】
次に、通常時先読み演出選択処理の対象である保留記憶よりも先に消化される保留記憶内に特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる保留記憶がなく(ステップB124;No)、且つ、当該処理対象である先読み保留記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合は、先読み演出として、当該先読み保留記憶による予告演出(第1先読み演出)を実行した後、所定割合で第2先読み演出を実行する。
具体的には、図29に示すように、先読み保留記憶である消化順序2番目の特図1の保留記憶よりも先に消化される消化順序1番目の特図2の保留記憶及び消化順序1番目の特図1の保留記憶がはずれの保留記憶(先読み演出なし)であり、当該先読み保留記憶が大当りの保留記憶である場合、又は、先読み保留記憶である消化順序2番目の特図2の保留記憶よりも先に消化される消化順序1番目の特図2の保留記憶がはずれの保留記憶(先読み演出なし)であり、当該先読み保留記憶が大当りの保留記憶である場合には、当該先読み保留記憶による予告演出(第1先読み演出)を実行した後、所定割合で第2先読み演出を実行する。
【0202】
〔特図2優先(通常時)先読み演出選択処理〕
図30には、図27に示した先読み演出処理における特図2優先(通常時)先読み演出選択処理(ステップB114)を示した。この特図2優先(通常時)先読み演出選択処理では、まず、擬似変動演出フラグがオンの状態であるか否かを判定する(ステップB131)。
ここで、擬似変動演出フラグがオンの状態であると判定された場合(ステップB131;Yes)は、特図2優先(通常時)先読み演出選択処理を終了する。
また、擬似変動演出フラグがオンの状態でないと判定された場合(ステップB131;No)は、特図1で表示態様変更中の保留記憶の先読み演出を変更する(ステップB132)。そして、第2先読み演出フラグをオンにし(ステップB133)、擬似変動演出フラグをオンにして(ステップB134)、特図2優先(通常時)先読み演出選択処理を終了する。
【0203】
次に、特図1の保留記憶に基づいて先読み演出を実行しているときに、新たに始動入賞口36又は普通変動入賞装置37への遊技球の入賞が検出された場合の先読み演出の変更態様について、図31を用いて説明する。
なお、遊技制御装置100は、当該始動入賞口36又は普通変動入賞装置37への新たな遊技球の入賞に基づいて先読み演出を行うための先読み予告コマンドを設定しないものとする。
【0204】
図31に示すように、特図1の保留記憶表示において第1先読み演出を実行しているときに、普通変動入賞装置37への遊技球の入賞が検出され、且つ、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの先読み結果が大当りの場合、演出制御装置300は、特図2の大当りコマンドを受信し(ステップB101;Yes)、特図2優先(通常時)先読み演出選択処理(ステップB114)を実行することとなる。具体的には、このとき擬似変動演出フラグはオフの状態にあるので(ステップB131;No)、特図1における第1先読み演出を変更する処理(ステップB132)を行った後、第2先読み演出フラグをオンに設定し(ステップB133)、擬似変動演出フラグをオンに設定する(ステップB134)ことにより、第2先読み演出の設定を行うとともに、擬似変動演出の設定を行う。
また、特図1の保留記憶表示において第1先読み演出を実行しているときに、始動入賞口36への遊技球の入賞が検出された場合、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの先読み結果が大当り又ははずれであっても、特図2の大当りコマンドを受信しない(ステップB101;No)ので、先読み演出態様が変更されることはない。
また、特図1の保留記憶表示において第1先読み演出を実行しているときに、普通変動入賞装置37への遊技球の入賞が検出され、且つ、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの先読み結果がはずれの場合にも、特図2の大当りコマンドを受信しない(ステップB101;No)ので、先読み演出態様が変更されることはない。
【0205】
また、図31に示すように、表示装置41にて保留記憶の表示を行わない第2先読み演出を実行しているとき、又は、第2先読み演出フラグがオンの状態のときに、普通変動入賞装置37への遊技球の入賞が検出され、且つ、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの先読み結果が大当りの場合、演出制御装置300は、特図2の大当りコマンドを受信する(ステップB101;Yes)が、このとき、特図1に表示態様変更中の保留記憶がなく(ステップB113;No)、第2先読み演出が実行されている(ステップB102;Yes)か、第2先読み演出フラグがオンの状態に設定されている(ステップB103;Yes)ため、ステップB112にて擬似変動演出再設定フラグがオンに設定されることにより、擬似変動演出が実行されることとなる(ステップB109)。具体的には、このとき擬似変動演出フラグはオフの状態にあり(ステップB161;No)、擬似変動演出再設定フラグがオンの状態にあり(ステップB168;Yes)、また、擬似変動演出は実行されていない(ステップB169;No)ので、このとき擬似変動演出フラグがオンに設定される(ステップB176)。これにより、第2先読み演出が継続されるとともに、擬似変動演出の設定が行われることとなる。
また、表示装置41にて保留記憶の表示を行わない第2先読み演出を実行しているとき、又は、第2先読み演出フラグがオンの状態のときに、始動入賞口36への遊技球の入賞が検出された場合、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの先読み結果が大当り又ははずれであっても、特図2のコマンドを受信していない(ステップB111;No)ので、先読み演出態様が変更されることはない。
また、表示装置41にて保留記憶の表示を行わない第2先読み演出を実行しているとき、又は、第2先読み演出フラグがオンの状態のときに、普通変動入賞装置37への遊技球の入賞が検出され、且つ、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの先読み結果がはずれの場合には、擬似変動演出再設定フラグがオンに設定される(ステップB112)が、受信した特図2のコマンドははずれである(ステップB175;No)ので先読み演出態様が変更されることはない。
【0206】
また、図31に示すように、表示装置41にて保留記憶の表示を行わない第2先読み演出を実行し、かつ、擬似変動演出を実行しているときに、普通変動入賞装置37への遊技球の入賞が検出された場合、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの先読み結果が大当り又ははずれであっても、演出制御装置300は、特図2の大当りコマンドを受信する(ステップB101;Yes)が、このとき、第2先読み演出が実行されている(ステップB102;Yes)ため、ステップB112にて擬似変動演出再設定フラグがオンに設定されることにより、擬似変動演出が実行されることとなる(ステップB109)。具体的には、このとき擬似変動演出フラグはオフの状態にあり(ステップB161;No)、擬似変動演出再設定フラグがオンの状態にあり(ステップB168;Yes)、また、擬似変動演出が実行されている(ステップB169;Yes)ので、ここで、擬似変動演出の再設定処理が行われる(ステップB173)。これにより、第2先読み演出が継続されるとともに、擬似変動演出の再設定が行われることとなる。
また、表示装置41にて保留記憶の表示を行わない第2先読み演出を実行し、かつ、擬似変動演出を実行しているときに、始動入賞口36への遊技球の入賞が検出された場合、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの先読み結果が大当り又ははずれであっても、特図2のコマンドを受信していない(ステップB111;No)ので、先読み演出態様が変更されることはない。
【0207】
〔電サポ中先読み演出選択処理〕
図32には、図27に示した先読み演出処理における電サポ中先読み演出選択処理(ステップB107)を示した。この電サポ中先読み演出選択処理では、まず、当該処理対象である保留記憶よりも先に消化される保留記憶内に特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる保留記憶において先読み演出(第1先読み演出)がなされた先読み保留記憶があるか否かを判定する(ステップB141)。
ここで、先読み演出がなされた先読み保留記憶があると判定された場合(ステップB141;Yes)は、電サポ中先読み演出選択処理を終了する。
また、先読み保留記憶がないと判定された場合(ステップB141;No)は、受信した先読み予告コマンドが特図2の先読み予告コマンドであるか否かを判定する(ステップB142)。
【0208】
そして、特図2の先読み予告コマンドでないと判定された場合(ステップB142;No)は、電サポ中先読み演出選択処理を終了する。
また、特図2の先読み予告コマンドであると判定された場合(ステップB142;Yes)は、先読み演出の対象となる保留記憶表示の表示態様を選択する処理(ステップB143)を行う。
【0209】
次に、保留記憶の表示態様を選択された表示態様に変更する処理(ステップB144)が行われ、これにより第1先読み演出が実行されることとなる。
そして、当該処理対象である保留記憶よりも先に消化される特図2の保留記憶内に特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる保留記憶があるか否かを判定する(ステップB145)。
ここで、大当りとなる保留記憶があると判定された場合(ステップB145;Yes)は、当該処理対象である先読み保留記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果がはずれであるか否かを判定する(ステップB146)。
【0210】
そして、当該処理対象である先読み保留記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果がはずれでない場合(ステップB146;No)は、電サポ中先読み演出選択処理を終了する。
また、当該処理対象である先読み保留記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果がはずれである場合(ステップB146;Yes)は、第2先読み演出フラグをオンにし(ステップB147)、擬似変動演出フラグをオンにして(ステップB148)、電サポ中先読み演出選択処理を終了する。
【0211】
また、ステップB145にて、当該処理対象である保留記憶よりも先に消化される特図2の保留記憶内に特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる保留記憶がないと判定された場合(ステップB145;No)は、所定割合で第2先読み演出フラグをオンにして(ステップB149)、電サポ中先読み演出選択処理を終了する。
【0212】
次に、先読み予告コマンドを受信したとき、上記電サポ中先読み演出選択処理により保留記憶状態に応じて選択される先読み演出の具体例について、図33を用いて説明する。
【0213】
電サポ中先読み演出選択処理の対象である保留記憶よりも先に消化される特図2の保留記憶内に特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる保留記憶があり(ステップB145;Yes)、且つ、当該処理対象である先読み保留記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果がはずれである場合(ステップB146;Yes)は、先読み演出として、当該先読み保留記憶による予告演出(第1先読み演出)を実行した後、第2先読み演出及び擬似変動演出を実行する。
具体的には、図33に示すように、消化順序1番目の特図2の保留記憶が大当りを導出する保留記憶(先読み演出なし)であり、消化順序2番目の特図2の保留記憶が先読み保留記憶であり、当該先読み保留記憶がはずれの保留記憶である場合には、当該先読み保留記憶による予告演出(第1先読み演出)を実行した後、第2先読み演出及び擬似変動演出を実行する。
【0214】
次に、電サポ中先読み演出選択処理の対象である保留記憶よりも先に消化される特図2の保留記憶内に特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる保留記憶があり(ステップB145;Yes)、且つ、当該処理対象である先読み保留記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合(ステップB146;No)は、先読み演出として、当該先読み保留記憶による予告演出(第1先読み演出)のみを実行する。
具体的には、図33に示すように、消化順序1番目の特図2の保留記憶が大当りを導出する保留記憶(先読み演出なし)であり、消化順序2番目の特図2の保留記憶が先読み保留記憶であり当該先読み保留記憶が大当りの保留記憶である場合には、当該先読み保留による予告演出(第1先読み演出)のみを実行する。
【0215】
次に、電サポ中先読み演出選択処理の対象である保留記憶よりも先に消化される特図2の保留記憶内に特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる保留記憶がなく(ステップB145;No)、且つ、当該処理対象である先読み保留記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果がはずれである場合は、先読み演出として、当該先読み保留記憶による予告演出(第1先読み演出)を実行した後、所定割合で第2先読み演出を実行する。
具体的には、図33に示すように、先読み保留記憶である消化順序2番目の特図2の保留記憶よりも先に消化される消化順序1番目の特図2の保留記憶がはずれの保留記憶(先読み演出なし)であるとともに当該先読み保留記憶がはずれの保留記憶である場合には、当該先読み保留記憶による予告演出(第1先読み演出)を実行した後、所定割合で第2先読み演出を実行する。
【0216】
次に、電サポ中先読み演出選択処理の対象である保留記憶よりも先に消化される特図2の保留記憶内に特図変動表示ゲームの結果が大当りとなる保留記憶がなく(ステップB145;No)、且つ、当該処理対象である先読み保留記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合は、先読み演出として、当該先読み保留記憶による予告演出(第1先読み演出)を実行した後、所定割合で第2先読み演出を実行する。
具体的には、図33に示すように、先読み保留記憶である消化順序2番目の特図2の保留記憶よりも先に消化される消化順序1番目の特図2の保留記憶がはずれの保留記憶(先読み演出なし)であり、当該先読み保留記憶が大当りの保留記憶である場合には、当該先読み保留記憶による予告演出(第1先読み演出)を実行した後、所定割合で第2先読み演出を実行する。
【0217】
〔第2先読み演出実行処理〕
図34には、図27に示した先読み演出処理における第2先読み演出実行処理(ステップB108)を示した。この第2先読み演出実行処理では、まず、第2先読み演出フラグがオンの状態であるか否かを判定する(ステップB151)。
ここで、第2先読み演出フラグがオンの状態であると判定された場合(ステップB151;Yes)は、第1先読み演出が実行されてから所定時間が経過したか否かを判定する(ステップB152)。
【0218】
そして、所定時間が経過したと判定された場合(ステップB152;Yes)は、表示装置41に表示されている保留記憶表示を非表示に設定し(ステップB153)、当該保留記憶表示を非表示とする第2先読み演出中に遊技者に遊技球の発射を促す特別演出を実行した(ステップB154)後、第2先読み演出フラグをオフに設定して(ステップB155)、第2先読み演出実行処理を終了する。
【0219】
また、ステップB151にて、第2先読み演出フラグがオンの状態でないと判定された場合(ステップB151;No)、又は、ステップB152にて、所定時間が経過していないと判定された場合(ステップB152;No)は、第2先読み演出実行処理を終了する。
【0220】
〔擬似変動演出実行処理〕
図35には、図27に示した先読み演出処理における擬似変動演出実行処理(ステップB109)を示した。この擬似変動演出実行処理では、まず、擬似変動演出フラグがオンの状態であるか否かを判定する(ステップB161)。
ここで、擬似変動演出フラグがオンの状態であると判定された場合(ステップB161;Yes)は、第1先読み演出が実行されてから所定時間が経過したか否かを判定する(ステップB162)。
【0221】
そして、当該所定時間が経過していないと判定された場合(ステップB162;No)は、擬似変動演出実行処理を終了する。
また、当該所定時間が経過したと判定された場合(ステップB162;Yes)は、擬似変動演出テーブルを設定する(ステップB163)。
【0222】
次いで、先読み判定処理の結果、大当りを導出すると判定された保留記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動終了までの総時間を計数する(ステップB164)。そして、第2先読み演出を実行する契機となった先読み保留記憶が消化されるまでの保留記憶数を計数して(ステップB165)、擬似変動演出の内容を設定する擬似変動演出設定処理(ステップB166)を行った後、擬似変動演出フラグをオフに設定して(ステップB167)、擬似変動演出実行処理を終了する。
【0223】
また、ステップB161にて、擬似変動演出フラグがオンの状態でないと判定された場合(ステップB161;No)は、擬似変動演出再設定フラグがオンの状態にあるか否かを判定する(ステップB168)。
ここで、擬似変動演出再設定フラグがオンの状態にあると判定された場合(ステップB168;Yes)は、続けて、擬似変動演出が実行中であるか否かを判定する(ステップB169)。
【0224】
そして、擬似変動演出が実行中であると判定された場合(ステップB169;Yes)は、擬似変動演出テーブルを設定する(ステップB170)。次いで、先読み処理の結果、大当りを導出すると判定された保留記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動終了までの総時間を計数する(ステップB171)。そして、この段階での残りの擬似変動の回数を+1更新する処理(ステップB172)を行い、擬似変動演出の内容を設定し直す擬似変動演出再設定処理(ステップB173)を行った後、擬似変動演出再設定フラグをオフに設定して(ステップB174)、擬似変動演出実行処理を終了する。
【0225】
また、擬似変動演出が実行中でないと判定された場合(ステップB169;No)、すなわち、第2先読み演出のみが実行されている場合は、ステップB111にて受信したと判定された特図2の始動入賞に基づくコマンドが大当りコマンドであるか否かを判定する(ステップB175)。そして、当該コマンドが大当りコマンドであると判定された場合(ステップB175;Yes)は、擬似変動演出フラグをオンに設定して(ステップB176)、擬似変動演出実行処理を終了する。
【0226】
また、ステップB168にて、擬似変動演出再設定フラグがオンの状態にないと判定された場合(ステップB168;No)、又は、ステップB175にて、当該コマンドが大当りコマンドでないと判定された場合(ステップB175;No)は、擬似変動演出実行処理を終了する。
具体的には、事前予告報知手段(演出制御装置300)による予告報知の対象となった始動記憶よりも先に消化される始動記憶に基づく特図変動表示ゲームにおいて特別結果態様が導出される場合、当該特別結果態様が導出される始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが終了するまでの間に、予告報知の対象となった始動記憶まで実行される特図変動表示ゲームの回数に応じた回数の単位変動表示を装飾表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)として実行したこととなる。
【0227】
〔先読み演出終了処理〕
図36には、図27に示した先読み演出処理における先読み演出終了処理(ステップB110)を示した。先読み演出終了処理は、第2先読み演出を終了させるための処理である。
この先読み演出終了処理では、まず、第2先読み演出が実行中であるか否かを判定する(ステップB181)。
ここで、第2先読み演出が実行中であると判定された場合(ステップB181;Yes)は、大当りを導出する保留記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動が停止したか否かを判定する(ステップB182)。
【0228】
そして、大当りを導出する保留記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動が停止したと判定された場合(ステップB182;Yes)は、第2先読み演出中に実行された特別演出を終了し(ステップB183)、ステップB184へ移行する。
また、大当りを導出する保留記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動が停止していないと判定された場合(ステップB182;No)は、ステップB183をスキップして、ステップB184へ移行する。
【0229】
続けて、ステップB184では、第2先読み演出を実行する契機となった先読み保留記憶に基づく特図変動表示ゲームの変動が終了したか否かを判定する(ステップB184)。
ここで、当該先読み保留記憶に基づく特図変動表示ゲームが終了したと判定された場合(ステップB184;Yes)は、それまで非表示状態に設定されていた保留記憶を再表示して(ステップB185)、先読み演出終了処理を終了する。
ここで、演出制御装置300は、事前予告報知手段(演出制御装置300)による予告報知の対象となった始動記憶が消化されるまで第2予告報知を継続させたこととなる。
【0230】
また、ステップB181にて、第2先読み演出が実行中でないと判定された場合(ステップB181;No)、又は、ステップB184にて、当該先読み保留記憶に基づく特図変動表示ゲームが終了していないと判定された場合(ステップB184;No)は、先読み演出終了処理を終了する。
【0231】
次に、本実施例において実行される上述の第1先読み演出及び第2先読み演出の概要について、図37及び図38を用いて説明する。
図37は、第1先読み演出及び第2先読み演出を実行するときのタイミングチャートである。
図38は、第1先読み演出及び第2先読み演出を実行したときの演出表示の一例を示す図である。
【0232】
図37に示すように、タイミングt0で、特図変動表示ゲームが開始され、第1特図表示器51における本特図の変動が開始されると、図38(a)のように、表示装置41の表示部41aにて装飾図柄の変動(装飾変動ゲーム)が開始されることとなる。また、このとき特図1変動表示ゲームの保留記憶が2つあり、表示部41aの左下部には、当該2つの保留記憶があることを示す2つの丸印の表示がなされている。
【0233】
続けて、タイミングt1で、新たに始動入賞口36へ遊技球の入賞(始動入賞)が発生し、先読み演出(第1先読み演出)を実行する保留記憶(先読み保留記憶)が検出されると、タイミングt2で、第1先読み演出が実行されることとなる。具体的には、第1先読み演出が実行されると、図38(b)のように、通常とは異なる色の保留記憶表示がなされる。より具体的には、通常の保留記憶表示の場合には白色の丸印の表示がなされるが、先読み保留記憶表示の場合には、大当りへの期待度に対応させた色(例えば、青色、黄色、緑色、赤色等)の丸印の表示がなされる。
【0234】
そして、タイミングt3で、本特図の変動が停止され、図38(c)のように、表示部41aにて装飾図柄が停止表示された後、タイミングt4で、次の(タイミングt3の段階で消化順序が1番目の保留記憶に基づく)特図変動表示ゲームが開始され、本特図の変動が開始されることとなる。また、タイミングt4は、第1先読み演出が実行されたタイミングt2から所定時間が経過したタイミングであり、当該タイミングで、第2先読み演出が実行されることとなる。具体的には、第2先読み演出が実行されると、図38(d)のように、保留記憶の残数を報知しないようにする演出を行う。なお、同図に示す破線による丸印表示は、便宜上このときの保留記憶の残数を表すものであり、実際には保留記憶表示はなされないようになっている。
【0235】
また、当該第2先読み演出が実行されると、遊技者に遊技球の発射を促す特別演出が実行されるようになっている。具体的には、当該第2先読み演出が実行されると、図38(d)のように、りんごを獲得可能なりんごチャレンジゲームが実行されるようになっている。このりんごチャレンジゲームは、始動入賞がある毎に矢が放たれ、木になっているりんごを射落とすことができるようになっている。そして、射落とされたりんごが表示部41aに表示されるようになっており、当該獲得したりんごの数が増えるに連れて大当りへの期待度も増加するような演出が行われるようになっている。
なお、第2先読み演出は、先読み保留記憶に基づく特図変動表示ゲームが終了し当該先読み保留記憶が消化されるまで実行されるようになっている。
【0236】
続けて、タイミングt5で、本特図の変動が停止され、図38(e)のように、表示部41aの左上部にて装飾図柄が停止表示される。また、このとき、新たに始動入賞口36へ遊技球の入賞が発生したことにより、りんごチャレンジゲームでは矢が放たれてりんごが1つ射落とされる演出表示がなされる。
【0237】
続けて、タイミングt6で、次の(タイミングt3の段階で消化順序が2番目の保留記憶に基づく)特図変動表示ゲームが開始され、第1特図表示器51では本特図の変動が開始され、表示部41aでは、図38(f)のように、装飾図柄の変動が開始される。また、このとき、新たに始動入賞口36へ遊技球の入賞が発生したことにより、りんごチャレンジゲームでは矢が放たれてりんごが1つ射落とされる演出表示がなされる。
そして、タイミングt7で、本特図の変動が停止され、図38(g)のように、表示部41aの左上部にて装飾図柄が停止表示される。また、このとき、新たに始動入賞口36へ遊技球の入賞が発生したことにより、りんごチャレンジゲームでは矢が放たれてりんごが1つ射落とされる演出表示がなされる。
【0238】
続けて、タイミングt8で、次の(タイミングt3の段階で消化順序が3番目の保留記憶(先読み保留記憶)に基づく)特図変動表示ゲームが開始され、第1特図表示器51では本特図の変動が開始され、表示部41aでは、図38(h)のように、装飾図柄の変動が開始される。また、このとき、新たに始動入賞口36へ遊技球の入賞が発生したことにより、りんごチャレンジゲームでは矢が放たれてりんごが1つ射落とされる演出表示がなされる。
そして、タイミングt9で、本特図の変動が停止され、図38(i)のように、表示部41aの中央にて装飾図柄が停止表示される。また、当該特図変動表示ゲームは第1先読み演出を実行する契機となったゲームであり、当該ゲームの終了を以ってりんごチャレンジゲームが終了し、停止図柄の下に獲得した4つのりんごが表示されるようになっている。また、当該りんごチャレンジゲームが実行されている間に計4回の始動入賞があり、この段階で4つの保留記憶を有していることとなる。
【0239】
そして、タイミングt10で、次の特図変動表示ゲームが開始される。このとき、先読み保留記憶が消化されているため、第2先読み演出が終了し、表示部41aには通常どおりに保留記憶の表示がなされるようになる。
【0240】
次に、本実施例において上述の場合と同様に、第1先読み演出及び第2先読み演出を実行する際、当該第1先読み演出を実行する契機となった先読み保留記憶を有する段階で当該先読み保留記憶よりも先に消化される保留記憶内に大当りを発生させる保留記憶がある場合の演出表示の概要について、図39及び図40を用いて説明する。
【0241】
図39に示すように、タイミングt20で、特図変動表示ゲームが開始され、第1特図表示器51における本特図の変動が開始されると、図40(a)のように、表示部41aにて装飾図柄の変動(装飾変動ゲーム)が開始されることとなる。また、上記の場合と同様にこのとき特図1変動表示ゲームの保留記憶が2つあり、表示部41aの左下部には、当該2つの保留記憶があることを示す2つの丸印の表示がなされている。また、当該2つの保留記憶のうち、消化順序が2番目の保留記憶は大当りを発生させる保留記憶であるとする。
【0242】
続けて、タイミングt21で、新たに始動入賞口36へ遊技球の入賞(始動入賞)が発生し、先読み演出(第1先読み演出)を実行する保留記憶(先読み保留記憶)が検出されると、タイミングt22で、第1先読み演出が実行されることとなる。具体的には、第1先読み演出が実行されると、上記の場合と同様、通常とは異なる色の保留記憶表示がなされる(図40(b)参照)。
【0243】
そして、タイミングt23で、本特図の変動が停止され、図40(c)のように、表示部41aにて装飾図柄が停止表示された後、タイミングt24で、次の(タイミング23の段階で消化順序が1番目の保留記憶に基づく)特図変動表示ゲームが開始され、本特図及び装飾図柄の変動が開始されることとなる。また、タイミングt24は、第1先読み演出が実行されたタイミングt22から所定時間が経過したタイミングであり、当該タイミングで、第2先読み演出が実行されることとなる。具体的には、第2先読み演出が実行されると、上記の場合と同様に、保留記憶の残数を報知しないようにする演出が行われる(図40(d)〜(i)参照)。
また、当該第2先読み演出が実行されると、上記の場合と同様に、特別演出としてりんごチャレンジゲームが実行されるようになっている。
【0244】
続けて、タイミングt25で、装飾図柄の変動が停止され、図40(e)のように、表示部41aの左上部に装飾図柄が停止表示される。このとき、新たに始動入賞口36へ遊技球の入賞が発生したことにより、りんごチャレンジゲームでは矢が放たれてりんごが2つ射落とされる演出表示がなされる。また、タイミングt25で装飾図柄の変動が停止されるが、本特図はタイミングt24から変動を続けた状態にある。
【0245】
続けて、タイミングt26で、図40(f)のように、装飾図柄の変動が開始されることとなる。このとき、新たに始動入賞口36へ遊技球の入賞が発生したことにより、りんごチャレンジゲームでは矢が放たれてりんごが2つ射落とされる演出表示がなされる。
【0246】
そして、タイミングt27で、本特図の変動が停止され、タイミングt24で開始された特図変動表示ゲームが終了することとなる。
【0247】
続けて、タイミングt28で、次の(タイミング23の段階で消化順序が2番目の保留記憶に基づく)特図変動表示ゲームが開始され、本特図の変動が開始されることとなる。
【0248】
そして、タイミングt29で、装飾図柄の変動が停止され、図40(g)のように、表示部の左上部に装飾図柄が停止表示される。このとき、新たに始動入賞口36へ遊技球の入賞が発生したことにより、りんごチャレンジゲームでは矢が放たれてりんごが3つ射落とされる演出表示がなされる。また、タイミングt29で装飾図柄の変動が停止されるが、本特図はタイミングt28から変動を続けた状態にある。
【0249】
続けて、タイミングt30で、図40(h)のように、装飾図柄の変動が開始されることとなる。また、このとき、新たに始動入賞口36へ遊技球の入賞が発生したことにより、りんごチャレンジゲームでは矢が放たれてりんごが3つ射落とされる演出表示がなされる。
【0250】
そして、タイミングt31で、本特図の変動が停止され、図40(i)のように、表示部41aの中央にて装飾図柄が停止表示される。また、当該特図変動表示ゲームは、大当りを発生させる保留記憶に基づくゲームであり、「7」「7」「7」の図柄で停止表示される(図40(i)参照)。
ここで、第1特図表示器51において本特図の変動(特図変動表示ゲーム)が2回実行される間、表示部41aでは、装飾図柄の変動(装飾変動ゲーム)が3回行われることとなり、かかる間に特図変動表示ゲームが3回実行されたと遊技者に思わせる擬似変動演出が行われるようになっている。つまり、タイミングt23の段階で消化順序が3番目の先読み保留記憶に基づく特図変動表示ゲームにて大当りが発生したと遊技者に思わせることができるようになる。従って、この段階で消化順序が1番目の保留記憶として先読み保留記憶が記憶された状態となっている。
【0251】
続けて、タイミングt32〜t33で、当該大当りによるラウンド遊技が実行された後、タイミングt34で、次の(タイミングt23の段階で消化順序が3番目の保留記憶(先読み保留記憶)に基づく)特図変動表示ゲームが開始され、第1特図表示器51では本特図の変動が開始され、表示部41aでは、装飾図柄の変動が開始される。
そして、タイミングt35で、本特図の変動が停止されるとともに、表示部41aにて装飾図柄が変動停止される。
【0252】
続けて、タイミングt36で、次の特図変動表示ゲームが開始される。このとき、先読み保留記憶が消化されているため、第2先読み演出が終了し、表示部41aには通常どおりに保留記憶の表示がなされるようになる。
【0253】
次に、本実施例において上述の場合と同様に第1先読み演出及び第2先読み演出を実行する際、当該第1先読み演出を実行する契機となった先読み保留記憶を特図1の保留記憶内に有する段階で当該先読み保留記憶よりも先に消化される特図1の保留記憶内に大当りを発生させる保留記憶があり、更に、当該大当りを発生させる保留記憶が消化される前に大当りを発生させる特図2の保留記憶が発生した場合の演出表示の概要について、図41を用いて説明する。
【0254】
図41に示すように、タイミングt41の段階では、特図1の保留記憶内に3つの保留記憶を有しており、このうち消化順序が2番目の保留記憶は大当りを発生させる保留記憶であり、消化順序が3番目の保留記憶は先読み保留記憶となっている。
従って、タイミングt41の段階では、上記の場合と同様に、第1特図表示器51にて消化順序が1番目及び2番目の本特図の変動が行われる間に、擬似変動演出として装飾図柄を3回変動させる(装飾変動ゲームが3回行われる)設定がなされている。
【0255】
しかし、タイミングt42で、第2先読み演出の実行中に新たに普通変動入賞装置37へ遊技球の入賞(始動入賞)が発生し、特図2の保留記憶が発生した場合、擬似変動演出における擬似変動パターンの再設定処理が行われることとなる。
なお、当該特図2の保留記憶は、大当りを発生させる保留記憶であるものとする。
【0256】
具体的には、図41に示すように、タイミングt43で1回目の擬似変動演出が終了すると、タイミングt44で擬似変動パターンの再設定処理(ステップB173)が行われる。
そして、当該再設定処理によって、タイミングt41の段階で消化順序が1番目であった保留記憶に基づく特図変動表示ゲーム、及び、新たに発生した特図2の保留記憶に基づく特図変動表示ゲームが実行される間(タイミングt41〜t50)、タイミングt44〜t45にて、新たに発生した特図2の保留記憶に対応させた擬似変動演出が行われ、次いで、タイミングt47〜t48にて、タイミングt41の段階で消化順序が2番目であった特図1の保留記憶に対応させた擬似変動演出が行われ、そして、タイミングt49〜t50にて、タイミングt41の段階で消化順序が3番目であった特図1の保留記憶(先読み保留記憶)に対応させた擬似変動演出が行われることとなる。
【0257】
そして、当該特図2の保留記憶に基づく特図変動表示ゲームは、大当りを発生させる保留記憶に基づくゲームであり、タイミングt50〜t51で、当該大当りによるラウンド遊技が実行される。
【0258】
続けて、タイミングt52で、次の(タイミングt41の段階で消化順序が2番目の保留記憶に基づく)特図変動表示ゲームが開始され、第1特図表示器51では本特図の変動が開始され、表示部41aでは、装飾図柄の変動が開始される。
そして、タイミングt53で、本特図の変動が停止されるとともに、表示部41aにて装飾図柄が変動停止される。
そして、当該特図変動表示ゲームも、大当りを発生させる保留記憶に基づくゲームであり、タイミングt54〜t55で、当該大当りによるラウンド遊技が実行される。
【0259】
続けて、タイミングt56で、次の(タイミングt41の段階で消化順序が3番目の保留記憶(先読み保留記憶)に基づく)特図変動表示ゲームが開始され、第1特図表示器51では本特図の変動が開始され、表示部41aでは、装飾図柄の変動が開始される。
そして、タイミングt57で、本特図の変動が停止されるとともに、表示部41aにて装飾図柄が変動停止される。
【0260】
続けて、タイミングt58で、次の特図変動表示ゲームが開始される。このとき、先読み保留記憶が消化されているため、第2先読み演出が終了し、表示部41aには通常どおりに保留記憶の表示がなされるようになる。
【0261】
次に、本実施例において第1先読み演出及び第2先読み演出を実行する際、当該第1先読み演出を実行する契機となった先読み保留記憶を特図1の保留記憶内に有する段階で当該先読み保留記憶よりも先に消化される大当りを発生させる特図2の保留記憶が発生した場合の演出表示の概要について、図42を用いて説明する。
【0262】
図42に示すように、タイミングt61の段階では、特図1の保留記憶内に3つの保留記憶を有しており、このうち消化順序が3番目の保留記憶は先読み保留記憶となっている。また、当該保留記憶内にある3つの保留記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果は全てはずれであるものとする。
そして、タイミングt61の段階では、上記の場合(図37参照)と同様に、第1特図表示器51における本特図の変動と表示部41aにおける装飾図柄の変動とを同期させた状態で特図変動表示ゲームが行われるようになっている。
【0263】
しかし、タイミングt62で、第2先読み演出の実行中に新たに普通変動入賞装置37へ遊技球の入賞(始動入賞)が発生し、特図2の保留記憶(先読み演出なし)が発生した場合、擬似変動演出再設定フラグがONに設定され(ステップB112)、擬似変動演出における擬似変動パターンの設定処理が行われることとなる。
【0264】
具体的には、図42に示すように、タイミングt63で、消化順序が1番目の特図変動表示ゲームが終了すると、タイミングt64で擬似変動パターンの設定処理(ステップB166)が行われる。
そして、当該設定処理によって、タイミングt61の段階で消化順序が1番目であった保留記憶に基づく特図変動表示ゲーム、及び、新たに発生した特図2の保留記憶に基づく特図変動表示ゲームが実行される間(タイミングt61〜t69)、タイミングt64〜t65にて、新たに発生した特図2の保留記憶に対応させた擬似変動演出が行われ、次いで、タイミングt66〜t67にて、タイミングt41の段階で消化順序が2番目であった特図1の保留記憶に対応させた擬似変動演出が行われ、そして、タイミングt68〜t69にて、タイミングt61の段階で消化順序が3番目であった特図1の保留記憶(先読み保留記憶)に対応させた擬似変動演出が行われることとなる。
【0265】
そして、当該特図2の保留記憶に基づく特図変動表示ゲームは、大当りを発生させる保留記憶に基づくゲームであり、タイミングt70〜t71で、当該大当りによるラウンド遊技が実行される。
【0266】
続けて、タイミングt72で、次の(タイミングt61の段階で消化順序が2番目の保留記憶に基づく)特図変動表示ゲームが開始され、第1特図表示器51では本特図の変動が開始され、表示部41aでは、装飾図柄の変動が開始される。
そして、タイミングt73で、本特図の変動が停止されるとともに、表示部41aにて装飾図柄が変動停止される。
【0267】
続けて、タイミングt74で、次の(タイミングt61の段階で消化順序が3番目の保留記憶(先読み保留記憶)に基づく)特図変動表示ゲームが開始され、第1特図表示器51では本特図の変動が開始され、表示部41aでは、装飾図柄の変動が開始される。
そして、タイミングt75で、本特図の変動が停止されるとともに、表示部41aにて装飾図柄が変動停止される。
【0268】
続けて、タイミングt76で、次の特図変動表示ゲームが開始される。このとき、先読み保留記憶が消化されているため、第2先読み演出が終了し、表示部41aには通常どおりに保留記憶の表示がなされるようになる。
【0269】
以上のように、本実施形態の遊技機10の幕板部80は、スピーカ(下スピーカユニット29)の後方に設けられ、当該スピーカ29の振動板29bから後方に伝播する音波を受け入れる音波受入部812と、音波受入部812に受け入れた音波を左右方向に分岐させる音波分岐部813と、該音波分岐部813から左右方向に向けて延設され、該音波分岐部813で分岐した音波を左右方向にそれぞれ伝播させる音波伝播部811と、該音波伝播部811の左右両端部に各々設けられ、当該音波伝播部811内を伝播してきた音波を前方に向けて放出する一対の幕板放音部82a,82aと、を備えるようにしている。
【0270】
このようにすることで、スピーカ29の振動板29bから前方へ出力される音波とともに、スピーカ29bの背圧が一対の幕板放音部82a,82aから前方に放出されるので、遊技機10から聞こえる音声を迫力あるものとすることができる。
また、空きスペースが確保し易い機枠11下部にスピーカボックス(幕板部80)が設けられることになるので、スピーカボックスの容量を容易に大きくすることができる。
また、音波分岐部813で分岐した音波は互いに離れる方向に向かい、音波伝播部813の左右両端部、すなわち、音波伝播部811の行き止まりで放出されるので、音波伝播部811を伝播する音波は、音波伝播部811内で分岐したり余計な方向へ反射したりすることが無い。従って、音波が音波伝播部811内で相互干渉を引き起こし、幕板放音部82a,82aから出力される音波が低減されてしまうのを防ぐことができる。
【0271】
また、本実施形態の遊技機10は、音波伝播部811の、幕板放音部82a,82a後方に、音波伝播部811内を伝播してきた音波により共振して、幕板放音部82a,82aから放出される音波を増強するパッシブラジエータ814,814を備えるようにしている。
【0272】
このようにすることで、音波伝播部811の、幕板放音部82a,82a後方に配置されたパッシブラジエータ814,814が、遊技機10下部に設けられた左右一対の幕板放音部82a,82aから出力される音波を増強するので、スピーカの個数を増やすことなく音声を効果的に出力することができるとともに、さらに聞き取りやすいものとすることができる。
また、パッシブラジエータ814,814は電気的な駆動系を備えないので、機枠11と開閉枠12とを配線で接続する必要がない。このため、遊技機10を断線しにくいものとすることができる。
【0273】
また、本実施形態の遊技機10は、所定条件の成立に基づいて遊技球を払い出す払出装置と、開閉枠12の下部に設けられ、払出装置から払い出された遊技球を貯留するとともに、貯留している遊技球を下方に向けて排出することが可能な球抜き部23aを底部に有する球受皿(下皿23)と、を備え、球抜き部23aは、一対の幕板放音部82a,82aの間かつ幕板部80前方の空間の上方に位置するよう設けられている。
【0274】
遊技が行われる間、球抜き部23aの下方には、球受皿23から排出される遊技球を貯留する球箱が置かれることになる。ここで、上記のようにすれば、球抜き部23aは、一対の幕板放音部82a,82aの間かつ幕板部80前方の空間の上方に位置しているので、球箱が両幕板放音部82a,82aの間隔以下の幅であれば、或いは、両幕板放音部82a,82aの間隔が球箱の幅以上であれば、球箱を両幕板放音部82a,82aの前方を遮ることなく置くことができる。このため、実際に遊技者が遊技を行う際に幕板放音部82a,82aから出力される音声が球箱に遮られて聞こえにくくなってしまうのを防止することができる。
【0275】
また、本実施形態の遊技機10の開閉枠12には、下スピーカユニット29(スピーカ)の振動板29bから前方に伝播される音波を受け入れて前方に向けて放出する開閉枠放音部29dを備え、開閉枠放音部29dの前端を、開閉枠12の最も前端に配置するようにしている。
【0276】
開閉枠放音部29dから放出された音波は、前方の他、上下左右にも広がっていくが、上記のようにすることで、音波は下皿23や操作部24等、開閉枠12の前面から前方に出っ張る部材に阻害されないので、音響効果を向上させることができる。
【0277】
<第2発明の実施形態>
次に、第2発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0278】
図44は、遊技場に設置される遊技島1の、一部構成から壁面を除いた状態を示す側面図である。
遊技島1の側面には、下方支持板2が遊技島1の長手方向に沿って水平に配設されている。また、下方支持板2の上方には、上方支持板3が下方支持板2と並行に配設されている。下方支持板2と上方支持板3との間には、複数の遊技装置4および球貸機(台間サンド)5が交互に横一列に並べられ、下方支持板2および上方支持板3に固定されている。遊技装置4とは、遊技機10と各台計数機90を併せた呼称である。なお、各台計数機90の詳細については後述する。
下方支持板2には、複数のアウトタンク装置6(図45参照)が、各遊技機10の後方(遊技島1の内部側)に位置するように取り付けられている。
【0279】
遊技島1の長手方向端部には遊技球の供給および回収を行う球補給装置7が設置されている。球補給装置7は、下部に設けられた球回収口71、球回収口71に回収された遊技球を上方に揚送する揚送装置72、遊技球を貯留しておく球貯留タンク73、回収した遊技球を研磨する研磨装置74、上部に設けられたバランスタンク75等から構成されている。
【0280】
遊技島1の上部には遊技島1長手方向の一端から他端まで補給樋8が延設されている。補給樋8は、その一端がバランスタンク75に接続され、他端に向かって下がっていくように傾斜している。そして、図示は省略したが、補給樋8と各遊技機10、各球貸機5が供給流路で接続されている。
遊技島1の下部には遊技島1長手方向の一端から他端まで回収樋9が延設されている。回収樋9は、その一端が球補給装置7の球回収口71に接続され、他端に向かって上がっていくように傾斜している。そして、各アウトタンク装置6と回収樋9が回収流路64で接続されている。また、遊技装置4の各台計数機90と回収樋9が計数球排出樋92(図49参照)で接続されている。
【0281】
球貸機5の貸球操作がなされると、球貸機5から遊技機10に遊技球が供給され、遊技機10が遊技可能な状態となる。遊技が行われることにより遊技機10の遊技領域32から遊技機10外部に排出された遊技球は、アウトタンク装置6に回収され、回収流路64を流下して回収樋9に排出される。排出された遊技球は回収樋9を球補給装置7へ向かう方向に流下して、球補給装置7の球回収口71に回収される。回収された遊技球は、揚送装置72で研磨装置74に送られ、研磨装置74により研磨される。そして、バランスタンク75に送られて、球貸機5における遊技球の残量に応じて補給樋8に補給される。補給された遊技球は補給樋8を球補給装置7から遠ざかる方向に流下し、更に供給流路を流下して、遊技機10および球貸機5に供給される。
【0282】
遊技において遊技球が入賞口35〜38に入賞すると、遊技機10内に貯留されている遊技球が賞球として払い出される。この賞球が各台計数機90に流し込まれると、流し込まれた遊技球は、遊技機10の後方へと送られ、計数球排出樋92(図49参照)を流下して回収樋9に排出される。
【0283】
図45は、遊技島1に設置された遊技機10(計数球排出樋92の図示は省略)を背面側から見た斜視図である。
アウトタンク装置6は、遊技機10の球排出口15の下方に設けられたタンク部61と、タンク部61後部から下方へ設けられた計数部62と、タンク部61と遊技島1の下方支持板2の間に設けられ、タンク部61を遊技島1に固定する固定部63と、を有している。
【0284】
タンク部61は、上面が開放した箱状に形成され、遊技機10の球排出口15から落下してきた遊技球を受けて貯留するようになっている。そして、後部に設けられた流路で貯留された遊技球を一列に並べて計数部62へと送るようになっている。
計数部62は、タンク部61から送られてきた遊技球を計数する計数機(図示省略)を備え、計数された遊技球を、下端に接続される回収流路64へと送るようになっている。回収流路64に送られた遊技球は、前述したように、遊技島1の回収樋9へと排出される。
【0285】
図46は、遊技装置4下部の正面図である。なお、遊技装置4は、各台計数機90を備える点以外は、第1発明に係る遊技機10とほぼ同様の構成となっている。このため、各台計数機90および各台計数機90を設けたことによる変更点を除き、遊技機10についてはその説明を省略する。
遊技機10の下部である幕板部80には、各台計数機90が取り付けられている。各台計数機90は、遊技者が獲得した賞球を計数するためのもので、幕板飾り82に設けられた左右の両幕板放音部82a,82aの間、すなわち、幕板飾り82の前面中央部に設けられる球貯留皿91と、幕板部80の幕板流路(開口部)80aに設けられる計数センサ(計数部:図示省略)と、で構成されている。
【0286】
球貯留皿91(回収手段)は、上面が開口した箱型をなしている。球貯留皿91の背面下部には、後部の壁を前後に貫通する円形の開口部91aが形成され、球貯留皿91に貯留された遊技球を球貯留皿91の後方へと排出することが可能になっている。球貯留皿91の内底は、入れられた遊技球が開口部91aに集まるように、球貯留皿91の左右両側方から開口部91aに向かって下がるように傾斜するとともに、球貯留皿91の前方から開口部91aに向かって下がるように傾斜している。球貯留皿91の左右両側面には、球貯留皿91を幕板飾り82にネジ止めするための取付部91bが、左右両側方に向かうように形成されている。また、球貯留皿91は、下皿23底部の球抜き部23aの下方に取り付けられており、球抜き部から排出された遊技球を直接回収することができるようになっている。
【0287】
図47は、遊技装置4の下部(開閉枠12を除く)を正面側から見た分解斜視図であり、図48は、遊技装置4の下部を背面側から見た分解斜視図である。
図47に示すように、幕板81のボックス後部構成部810は、中央の音波分岐部813の形状が第1発明と異なっている。具体的には、音波分岐部813は、ネジ孔部813aの下方に円筒状に形成された流路部813dを備えている。流路部813dは、図48に示すように、幕板81の背面まで貫通している。この流路部813dは、幕板流路80aの一部を構成するものであるため、音波分岐部813が、幕板流路80aの外壁によって形成されていることになる。なお、音波分岐部813の形状を第1発明(図5参照)と同様にし、左右の傾斜部813c,813cの間にできる正面視略台形状の空間を流路として用いるようにしてもよい。
【0288】
また、流路部813dは、遊技球一個分程度の幅に形成されており、遊技球は幕板流路80aを一列に整列して通過するようになっている。また、図示は省略するが、流路部813dの内部には、流路部813(幕板流路80a)を通過する遊技球を計数する計数センサが取り付けられている。この計数センサで計数した遊技球の数は、獲得した賞球数として記憶され、例えば、球貸機5の表示部等に表示される。
【0289】
幕板飾り82の中央部には前後に貫通する円形の開口部82bが形成されている。この開口部82bは、幕板81に幕板飾り82を取り付けたときに、音波分岐部813の流路部813dの開口と重なり、流路部813dと連通するようになっている。
また、球貯留皿91は、その開口部91aが幕板飾り82の開口部82bと重なり、開口部82bと連通するように取り付けられている。
この球貯留皿91の開口部91aと、幕板飾り82の開口部82bと、音波分岐部813の流路部813dとが重なることにより、幕板部80を前後に貫通し、球貯留皿91の球貯留部と幕板部80後方の空間とを、球貯留皿91に貯留された遊技球が幕板部80後方へと流下可能となるように連通する幕板流路80aが形成され、球貯留皿91に貯留された遊技球を、遊技機10を迂回させることなく遊技機10の後方へ排出することが可能となっている。
なお、本実施形態では、球貯留皿91の開口部91a、幕板飾り82の開口部82bおよび幕板81の流路部813dを直接遊技球の幕板流路80aとして用いたが、各開口部91a,82bおよび流路部813dに幕板流路80aを構成する管状の部材を通すようにしてもよい。
また、各台計数機90を設置しない場合には、幕板飾り82の開口部82bが露出してしまうことになるので、開口部82bを塞ぐ閉塞部材を遊技機10の後方(例えば幕板飾り82または幕板81の裏面)からネジ止め等を行って固定し、流路部813dへの球や異物の進入を防止するようにするとよい。
【0290】
図49は、機枠11および各台計数機90を背面側から見た斜視図である。
本実施形態の遊技機10の幕板81の背面には、幕板81の後方へ向けて延びる計数球排出樋(排出流路)92が設けられている。計数球排出樋92は、機枠11の下部を構成する板材152の上面から後方へ向けて延設され、幕板流路80aを流下してきた遊技球を受ける球受部92aと、球受部92aの後端から左右斜め後方かつ下方に向かってそれぞれ延設され、前記球受部で受けた遊技球を流下させる流下部92bと、によって上面視略Y字状に形成されている。なお、図示は省略したが、流下部92bの後端は、遊技島1の回収樋9に接続されている。これにより、幕板81の流路部814から排出された遊技球を、遊技島1の回収樋9まで誘導することが可能となっている。
【0291】
前述したように、遊技島1の下方支持板2には、アウトタンク装置6(図45参照)が設けられており、遊技島1に遊技装置4が設置されると、アウトタンク装置6が遊技装置4の下部中央の後方に位置する。しかし、計数球排出樋92を上記のような形状、すなわち、流下部92bを左右に分岐させ斜め後方へとそれぞれ延設するように、すなわち、図50に示すように、遊技機10下部後方におけるアウトタンク装置6が位置することになる所定範囲の空間を避けるように形成したので、遊技島1に遊技装置4を設置しても、流下部92bがアウトタンク装置6に接触しない。このため、本実施形態の遊技装置4を遊技島1に設置する際、アウトタンク装置6を移動させる等の追加工事の手間を省くことができる。
【0292】
(変形例1)
なお、本実施形態では、図49に示したように、計数球排出樋92の形状を上面視略Y字状としたが、アウトタンク装置6との接触を避けることが可能でありさえすれば、図51aに示すように、流下部92bを上面視略半円状としてもよいし、図51(b)に示すようにコ字状としてもよい。また、幕板81とアウトタンク装置6との間に充分なスペースがない場合は、計数球排出樋92を、球受部92aが突出していない上面視略V字型、U字型等としてもよい。
また、本実施形態では計数球排出樋92を2本としたが、1本のみとしてもよいし3本以上としてもよい。
【0293】
(変形例2)
また、図52に示すように、流下部92bの前端部を球受部92aの後端部に軸止することにより、球受部92aと流下部92bとの間に、流下部92bをその前端部を中心にして水平方向に回動して流下部92bの延設方向を変更可能とする可動部92cを設け、アウトタンク装置6の形状や回収樋9の位置等に応じて位置を調節可能としてもよい。
また、図示は省略するが、流下部92bを伸縮可能に構成し、流下部92bの後端を回収樋9の位置に合わせて調節できるようにしてもよい。
【0294】
(変形例3)
また、図示は省略するが、計数球排出樋92を、球受部92aと流下部92bの繋ぎ目で、或いは流下部92bを中間部で折り曲げ可能に構成し、アウトタンク装置6が通常よりも側方寄りに位置していて、流下部92bのどちらか一方が邪魔になってしまうような場合に、邪魔になった方の流下部92bを折り畳んで他方の流下部92bのみを用いて遊技球を排出するようにしてもよい。
【0295】
(変形例4)
また、本実施形態では、各台計数機90の球貯留皿91に、球貯留皿91を固定するための取付部91bを形成し、球貯留皿91を幕板飾り82にネジ止めしたが、図53〜55に示すような固定方法としてもよい。
【0296】
具体的には、まず、図53に示すように、球貯留皿91の左右両側面に固定孔91c、91cを形成するとともに、幕板飾り82の中央から幕板放音部82a寄りの位置に、水平方向に延びる位置調整溝82c,82cを形成する。
そして、一対の固定部材83,83を用意する。固定部材83は、例えば、幕板飾り82の前面に接する取付部83aと、幕板飾り82の前面から前方に向かって延びる支持部83bとからなる上面視略L字状に形成する。また、取付部83aには、係合部材(図55参照)の係合孔83a1、ネジ孔83a2を形成し、支持部83bには、取付部83aの延設方向と逆向きに突出する係合部83cを形成する。
【0297】
そして、図54に示すように、両端に係合部84a,84aを有する棒状の係合部材84を位置調整溝82cおよび係合孔83a1に通して、固定部材83,83を幕板飾り82前面に係合させる。また、幕板飾り82の背面には、位置調整溝82c,82cを塞ぐカバー部材85を取り付ける。これにより、位置調整溝82cから音波が漏れたり、位置調整溝82cに不正行為を行うための部材が挿入されたりするのを防ぐことができる。
このように幕板飾り82に取り付けた固定部材83は、図55に示すように、幕板飾り82に対し水平方向に摺動可能となる。
【0298】
そして、球貯留皿91を幕板飾り82前面の所定位置に配置したところで、固定部材83の係合部83cを球貯留皿91の固定孔91cに嵌合させる。そして、球貯留皿91および固定部材83,83の位置が確定したところで、図54に示したように、固定部材83,83を幕板飾り82にネジ止めして、球貯留皿91を幕板飾り82前面に固定する。
このような固定方法にすれば、メーカ毎、機種毎にサイズの異なる球貯留皿を容易に幕板飾り82に取り付けることができ、遊技島に手を加える手間を省くこともできる。
【0299】
以上のように、本実施形態の遊技機10は、前面下部に幕板部80を備え、球受皿(下皿23)の底部には、貯留している遊技球を下方に向けて排出可能な球抜き部23aを備え、球抜き部23aの下方かつ幕板部80の前方は、球抜き部23aから排出された遊技球を回収する回収手段を配置可能な空間となっており、幕板部80には、該幕板部80を前後方向に貫通し、回収手段が配置された場合に回収手段により回収された遊技球を幕板部80後方へ誘導可能となる開口部(幕板流路80a)を備えるようにしている。
【0300】
このようにすることにより、幕板部80を前後方向に貫通する開口部80aから遊技球を幕板部80(遊技機10)の後方へ誘導することができるので、例えば、幕板部80前面に遊技球を貯留可能な球貯留皿91を回収手段として取り付けて球貯留皿91と開口部80aとを連通させるとともに、計数センサを開口部80a内に取り付けることで、遊技機10そのものに各台計数機90を設置することが可能となる。すなわち、遊技機10が設置される島設備1には手を加えることなく容易にかつ低コストで各台計数機90を設置することができる。
【0301】
また、本実施形態の遊技機10は、開口部(幕板流路80a)の後方に、開口部80aから排出された遊技球を受ける球受部92aと、球受部92aから後方かつ下方に向かって延設され、球受部92aで受けた遊技球を流下させる流下部92bと、を有する排出流路(計数球排出樋92)を備え、流下部92bは、遊技機10下部後方における所定範囲の空間を避けるように形成されている。
【0302】
遊技島1に設置された遊技機10の下部中央の後方には、遊技に使用された遊技球を回収するアウトタンク装置6が位置していることが一般的である。しかし、このアウトタンク装置6の高さや幅を所定範囲として排出流路92の流下部92bを形成することにより、遊技機10を設置した際に流下部92bがアウトタンク装置6を避けるように配置されることになる。このため、アウトタンク6の位置を変更する等、遊技島1の設備改修を行う手間を省くことができる。
【0303】
また、本実施形態の遊技機10の計数球排出樋92は、球受部92aと流下部92bとの間に、流下部92bの延設方向を変更可能な可動部92cを備えるようにしている。
【0304】
このようにすることで、メーカの違い等により遊技島1のアウトタンク装置6の形状や回収樋9の配置が異なる場合であっても、アウトタンク装置6の形状や回収樋9の位置に合わせて流下部92bの向きを自由に調整することができるので、より容易に遊技島1へ設置することができる。
【0305】
また、本実施形態の遊技機10は、前面下部に振動板29bを前方に向けた状態で配設される下スピーカユニット29を備え、幕板部80は、スピーカ(下スピーカユニット29)の後方に設けられ、当該スピーカ29の振動板29bから後方に伝播する音波を受け入れる音波受入部812と、音波受入部812に受け入れた音波を左右方向に分岐させる音波分岐部813と、該音波分岐部813から左右方向に向けて延設され、該音波分岐部813で分岐した音波を左右方向にそれぞれ伝播させる音波伝播部811と、該音波伝播部811の左右両端部に各々設けられ、当該音波伝播部811内を伝播してきた音波を前方に向けて放出する一対の幕板放音部82a,82aと、を備え、音波分岐部813が、開口部(幕板流路80a)の外壁によって形成されている。
【0306】
こうすることにより、幕板部80を貫通する開口部(幕板流路80a)の外壁と、幕板部80の音波分岐部813を一つの部材にまとめることができるので、それぞれの部材をばらばらに設けるよりも幕板部80をコンパクトにすることができるとともに、製造コストを抑えることができる。
【0307】
また、本実施形態の遊技機10の球抜き部23aは、一対の幕板放音部82a,82aの間かつ幕板部80前方の空間の上方に位置するよう設けられている。
【0308】
こうすることにより、その外壁が音波分岐部813を兼ねる開口部(幕板流路80a)は、一対の幕板放音部82a,82aの間に位置するので、各台計数機90を設置する場合にその球貯留皿91を幕板部80の前面かつ、一対の幕板放音部82a,82aの間に設置すれば、幕板放音部82a,82aから出力される音声が球貯留皿91に遮られてしまうことなく、球抜き部23aから下方へ排出された遊技球を直接球貯留皿91に回収することができる。
【0309】
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0310】
例えば、上記実施形態では、図43(a)に示す第1先読み演出から図43(b)に示す第2先読み演出に発展する場合には、始動記憶(保留記憶)の表示を単に消すことによって、当該始動記憶の数を非表示とするようにしたが、これに限らず、例えば、図43(c)のように始動記憶が表示される領域に別のキャラクタ(例えば、雲のキャラクタ)を表示させることによって、当該始動記憶の数を非表示としても良い。
また、図43(d)のように、始動記憶の表示の代わりに導火線に火が付いた状態の爆弾を表示させ、第2先読み演出が終了するタイミングで当該爆弾が爆発する演出を行うことで、当該始動記憶の数を非表示としても良い。
【0311】
また、本発明の遊技機は、上記実施形態に示されるようなパチンコ遊技機に限定されるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技機を使用する全ての遊技機に適用可能である。
【符号の説明】
【0312】
10 遊技機
11 機枠
12 開閉枠
23 下皿(球受皿)
23a 球抜き部
29 下スピーカユニット(スピーカ)
29b 振動版
29d 開閉枠放音部
80 幕板部(スピーカボックス)
80a 幕板流路(開口部)
82a 幕板放音部
811 音波伝播部
812 音波受入部
813 音波分岐部
814 パッシブラジエータ
90 各台計数機
91 球貯留皿(回収手段)
92 計数球排出樋(排出流路)
92a 球受部
92b 流下部
92c 可動部
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