(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記無線インターフェースを、前記無線デバイスが提供する無線ネットワークと関連付けることで、特定された前記サービスへのアクセスを開始する段階をさらに備える、請求項1または2に記載の方法。
前記無線インターフェースは、前記受信する段階、前記特定する段階、または前記関連付ける段階を行っている間には、前記無線デバイスが提供する無線ネットワークと関連付けられない、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
前記無線インターフェースは、IEEE802.11規格に準拠した無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)インターフェースである、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
前記サービスを特定するために利用可能な前記情報は、前記SSIDフィールド内で、前記SSIDフィールドの一部が、前記既知のアドレス識別情報に基づいて前記サービスを特定するために利用可能となるようなパターンとされている、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
前記SSIDフィールド内の他の情報は、前記SSIDの一部が、前記無線ネットワークを介してアクセス可能な前記サービスを特定するために利用可能であるように、前記サービスを特定する前記情報でエンコードされている、請求項8から11のいずれか一項に記載の方法。
アクセス可能な前記サービスを特定する前記ビーコンのサービスセットIDフィールド(SSIDフィールド)は、前記サービスを特定するために利用可能な情報でエンコードされる、請求項15に記載のプログラム。
前記無線サービスマネージャに、さらに、ユーザインターフェースを介して対応するサービスのリストをプレゼンテーションして、前記ユーザインターフェースから入力を受け取り、前記対応するサービスからアクセスするサービスを選択する手順を実行させるための請求項15または16に記載のプログラム。
【発明を実施するための形態】
【0015】
無線接続で周辺機器を見つけたり設定したりする従来の技術は、通常複雑であり、時間がかかり、コンピューティングデバイスおよび/または周辺機器の手動の設定に依るものが多かった。この開示は、しばしば無線ネットワークを介してアクセス可能なサービスを、より迅速に、またはあまり手動設定が必要のないように発見したりアクセスしたりすることができる関連付け前の発見技術および装置を記載する。これらサービスは、受信フレームに基づいて発見されるので、サービスを提供するデバイスの無線ネットワークとの接続を予め設定する必要がなくなる。
【0016】
以下の記載は、オペレーティング環境、オペレーティング環境で利用することができる技術、および、オペレーティング環境のコンポーネントを具現化することができるシステムオンチップ(SoC)について説明する。以下のでは、あくまで例としてオペレーティング環境について説明する。
【0017】
<オペレーティング環境>
図1は、ホストコンピューティングデバイス102(ホストデバイス102)およびクライアントコンピューティングデバイス104(クライアントデバイス104)を含むオペレーティング環境100の一例を示し、ホストコンピューティングデバイス102(ホストデバイス102)およびクライアントコンピューティングデバイス104(クライアントデバイス104)はそれぞれ、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)等の無線接続106を介してデータ、パケット、および/またはフレームを通信する機能を有する。ホストコンピューティングデバイス102は、スマートフォン108、タブレットコンピュータ110、およびラップトップコンピュータ112を含む。図示はしていないが、ホストコンピューティングデバイス102を他の構成としてもよい(たとえばデスクトップコンピュータ、サーバ、モバイルインターネットデバイス(MID)、モバイルゲームコンソール等)。
【0018】
各ホストデバイス102は、たとえば802.11プロトコルファミリー等の様々な通信プロトコルを扱うために無線インターフェースを提供する無線トランスミッタ114および無線レシーバ116を含む。トランスミッタ114およびレシーバ116は別個であってもよいし(図示されている)組み合わせられていてもよく(不図示)、ファームウェアまたはソフトウェアと組み合わせられていても、これらからは独立していてもよいハードウェアであってよい。ホストデバイス102はさらに、プロセッサ118、コンピュータ可読記憶媒体120(CRM120)、および、無線サービスマネージャ122(マネージャ122)を含み、一実装例では、CRM120に具体化されている。CRM120は、または、ホストデバイス102のアプリケーションおよび/またはオペレーティングシステムのデータを格納するために利用可能なランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、またはフラッシュメモリ等の任意の適切なメモリまたは記憶媒体を含んでよい。マネージャ122の実装方法および、利用方法は、様々であり、これは以下で記載する。
【0019】
クライアントデバイス104は、プリンタ124、スキャナ126、ネットワークアタッチストレージ(
NAS)128、および、多機能プリンタ130を含む。他に考えられるクライアントデバイスには、カメラ、デジタル画像フレーム、ディスプレイ、テレビ、スピーカ等の様々な周辺および/または補助デバイスが含まれる。各クライアントデバイス104は、通信可能に連結されたホストデバイス102にアクセス可能な1以上のサービス(たとえば機能またはファンクション)を提供する。たとえばタブレットコンピュータ110は、有線または無線で接続されると、プリンタ124の印刷機能にアクセスすることができる。これらデバイスのいずれかは、無線ネットワークのアクセスポイントまたはクライアントステーションとして機能することができ、動的にそう設定されていてよい。
【0020】
各クライアントデバイス104は、上述したような、または本明細書のどこかに言及しているもののような様々な通信プロトコルを処理するために、無線インターフェースを提供する無線トランシーバ132を含む。1つのトランシーバとして示しているが、無線トランシーバ132は、別個のトランシーバおよびレシーバとして実装されてもよく、ファームウェアまたはソフトウェアと組み合わせられたハードウェアまたはこれらと別のハードウェアであってもよい。クライアントデバイス104はさらに、クライアントプロセッサ134、クライアントコンピュータ可読記憶媒体136(クライアントCRM136)、およびサービス発見モジュール138(発見モジュール138)を含み、一実装例では、クライアントCRM136に具現化されてよい。クライアントCRM136は、クライアントデバイス104のアプリケーションおよび/またはオペレーティングシステムのデータを格納するために利用可能な静的RAM(SRAM)、ROM,またはフラッシュメモリ等の任意の適切なメモリまたは記憶媒体を含んでよい。発見モジュール138を実装して利用する方法は様々であり、以下で説明する。
【0021】
図2は、アクセスポイント204が管理するWLANネットワーク202(ネットワーク202)を含むデバイス環境200の一例を示す。アクセスポイント204は、バックホールリンク208(有線であっても無線(たとえば無線ワイドエリアネットワーク)であってよい)を介して、インターネット206その他のネットワークに接続を提供する。ネットワーク202と関連付けられている間、スマートフォン108およびラップトップコンピュータ112は、アクセスポイント204がゲートウェイとしての役割を果たす他のネットワークに対するインターネットアクセスおよび/またはインターネット接続を有してよい。
【0022】
クライアントデバイス104は、アクセスポイント204の範囲内にあるとき、ネットワーク202内に示されているNAS128等のネットワーク202にも関連付けられている。NAS128は、ネットワーク202に関連付けられると、インターネット206経由で、音楽をストリーミングしたり、動画をダウンロードしたり、データをオンライン格納アカウント(不図示)と同期してよい。これに代えて、またはこれに加えて、ネットワーク202と関連付けられると、クライアントデバイス104のサービスは、これもネットワーク202と関連付けられるホストデバイス102によりアクセス可能であってもよい。
【0023】
上述したように、クライアントデバイス104は、クライアントステーションまたはアクセスポイントとして機能することができる。場合によっては、プリンタ124、NAS128、および多機能プリンタ130が、それぞれアクセスポイントとして機能してよい。この場合には、関連付け前の発見技術によって、ホストデバイス102は、直接クライアントデバイス104と通信することができる。たとえば、スマートフォン108は、無線ネットワーク210を介してプリンタ124と、または、無線ネットワーク212を介してNAS128と直接通信することができる。加えて、ラップトップコンピュータ112は、無線ネットワーク214を介して多機能プリンタ130と直接通信することができる。これらは、後述する関連付け前の発見技術を実装するほんの数例にすぎない。
【0024】
<関連付け前の発見技術>
以下の記載は、関連付け前の発見技術を記載する。これら技術は、ホストデバイス102に具現化されている
図1のマネージャ122および/またはクライアントデバイス104に具現化されている
図1の発見モジュール138等の、前に記載した環境を利用して実装することができる。これら技術には、
図3、
図4、
図5に示す方法が含まれており、それぞれが1以上の要素が実行する動作群として示されている。これら方法は、必ずしも示されている動作の順序に限定はされない。さらにこれら方法は、同じ要素、別の要素、またはこれらの組み合わせのいずれに実行されようとも、互いとともに、全体または一部が組み合わせることができる。以下の説明には部分的に、
図1のオペレーティング環境および
図2の要素に対する言及がなされるが、これはあくまで例である。これらの言及は、オペレーティング環境100に対する限定として受け取られるべきではなく、様々な例の1つとして受け取られるべきである。
【0025】
図3は、
図1のマネージャ122が実行する動作を含む、無線デバイスが提供するサービスを特定する方法300を示す。
【0026】
302で、無線インターフェースを、無線デバイスがブロードキャストするフレームを受信するよう設定する。場合によっては、前に関連付けられた無線ネットワークが、設定前に関連付けを解除されることもある。無線インターフェースは、他の無線デバイスのフレームまたはビーコン(たとえばWLANビーコンまたは管理フレーム)を求めて、スキャンしたり、リスニングしたりしてよい。
【0027】
一例としては、無線ネットワーク202にスマートフォン108が示されている
図2の文脈でスマートフォン108を考える。ここで、ユーザがウェブページを印刷しようとしているときに、スマートフォン108が無線ネットワーク202と関連付けられており、インターネット206の内容をブラウジングしている場合を想定する。ここでマネージャ122は、スマートフォン108の無線インターフェース(たとえば無線トランスミッタ114/無線レシーバ116)を、無線ネットワーク202との関連付けを解除する。マネージャ122は、次に、無線インターフェースを、プリンタ124、NAS128、および多機能プリンタ130等の他の無線デバイスからフレームまたはビーコンを受信するよう設定する。
【0028】
304で、無線デバイスから、無線デバイスが提供するサービスを特定するために利用可能な情報を持つフレームが受信される。フレームは、識別情報を格納する専用フィールドを含んでよく、または、フレームの他の情報が、識別情報でエンコードされていてもよい。場合によっては、フレームは、無線デバイスが提供するWLANネットワークのビーコンまたは管理フレームであり、サービスを特定するために利用可能な情報は、サービスセットIDフィールド(SSIDフィールドにあってもよい。場合によっては、SSIDフィールドのデータは、SSIDデータの一部が、サービスを特定するために利用可能であるようなパターンとされていたり、エンコードされていたりしてよい。
【0029】
たとえば32バイトのSSIDフィールドを、ネットワークの名称が始めの24バイトに格納されて、識別情報が残りの8バイトに格納されるように、プロビジョンまたは分割する。これら残りの8バイトは、次にエンコードされて、無線デバイスが提供するサービスのクラス、種類、または機能を特定するようエンコードされてよい。SSIDフィールドは、本開示に精神または意図を逸脱せずに、様々な数のバイトを有する任意の適切な数のサブフィールドに分割することができる点に留意されたい。
【0030】
本例の文脈においては、スマートフォン108は、ビーコンをプリンタ124から受信する。ここでビーコンは、上述したように分割されたSSIDフィールドを含み、SSIDの最後の8バイトが、プリンタ124が提供する印刷サービスを記述することとする。スマートフォン108はさらに、NAS128から同様のパケットを受信してよく、NAS128は、印刷およびスキャンを提供するデータストレージおよび/または多機能プリンタ130を提供する。
【0031】
306で、無線デバイスが提供するサービスを、フレームの情報および既知のサービス識別情報(既知の情報)に基づいて特定する。場合によっては、サービスを、既知の情報とフレームの情報とを比較またはマッチングさせることで、特定する。この場合には、通常の表現パターンマッチングアルゴリズムを利用することができる。既知の情報は、上述したSSIDパターン等の任意のバイトパターンまたはエンコードのためのサービスを定義するフレームの情報に対して相補的又は代償的であってよい。サービスが特定されない場合には、さらなる情報を、ユーザからダウンロードまたは受信して、既知の情報を補うことができる。
【0032】
前の例の説明を続けると、マネージャ122は、SSIDフィールドの最後の8バイトを、既知の情報と比較することで、プリンタ124の印刷サービスを特定する。ここで、マネージャ122がさらに、銘々のSSIDのバイトを既知の情報と比較することで、NAS128および多機能プリンタ130が提供するサービスを特定することができると想定する。
【0033】
308で、無線インターフェース経由で特定されたサービスを利用できる無線デバイスに、特定されたサービスを関連付ける。場合によっては、特定したサービスを、無線デバイスが提供した無線ネットワークに関連付ける。たとえば、特定したサービスは、SSIDフィールドで記述されている無線デバイスが提供するネットワークの名称と関連付けることができる。ひとたび関連付けられると、無線インターフェースは、サービスを提供する無線デバイスの無線ネットワークと接続されたときに、特定されたサービスにアクセスすることができるようになる。随意で、さらなるサービスをブロック304に戻って発見して、ブロック304、306、および308の反復を繰り返してもよい。
【0034】
この例の文脈では、マネージャ122は、プリンタ124の特定された印刷サービスを、プリンタ124が提供した無線ネットワークのSSIDに関連付ける。ここでマネージャ122は、ブロック304、306、および308の動作を繰り返して、NAS128のSSIDに、特定されたデータ格納サービスを関連づけて、多機能プリンタ130のSSIDに、他の特定された印刷およびスキャンサービスを関連づける。
【0035】
310で、無線デバイスが提供する無線ネットワークに無線インターフェースを関連づけることで、特定されたサービスのアクセスを開始する。ひとたび無線デバイスの無線ネットワークと関連付けられると、特定されたサービスにアクセスすることができる。
【0036】
この例をまとめると、マネージャ122は、スマートフォン108の無線インターフェースを、プリンタ124の無線ネットワーク210に関連付ける。無線ネットワーク210と関連付けられると、スマートフォン108のアプリケーションは、プリンタ124の印刷サービスにアクセスして、ウェブページを印刷することができる。これに加えて、マネージャ122は、スマートフォン108の無線インターフェースを、無線ネットワーク212または無線ネットワーク214に関連づけて、データまたはスキャンサービスにアクセスさせることができる。
【0037】
図4は、
図1の発見モジュール138によって実行される動作を含む、無線デバイスに、無線ネットワークを介してサービスにアクセスさせる方法400を示す。
【0038】
402で、無線インターフェースが無線ネットワークを提供するよう設定される。無線ネットワークは、IEEE802.11仕様に準拠したプロトコルを実装するWLANネットワーク等の適切な種類のネットワークであってよい。場合によっては、無線インターフェースは、無線ネットワークを提供するためにアクセスポイントモードに入る。
【0039】
一例として、無線ネットワーク202内のNAS128を示している、
図2の文脈のNAS128を考えることとする。NAS128の無線インターフェース(たとえばトランシーバ132)は、クライアントモードで動作して、無線ネットワーク202に関連付けられていると仮定する。発見モジュール138は、NAS128の無線インターフェースを、アクセスポイントモードで動作して無線ネットワーク212を提供するように設定する。
【0040】
404で、無線ネットワークを介してアクセス可能なサービスと特定する情報を含むフレームをブロードキャストする。フレームは、無線ネットワークを特定したり管理したりする目的で送信されるビーコンまたは管理フレームであってよい。フレームをブロードキャストすることで、無線ネットワークを介してアクセス可能なサービスを、範囲内の無線デバイスにより発見することができる。場合によっては、サービスを特定する情報が、フレームまたはビーコンのフィールド(たとえばSSIDフィールド)内に発見される。この場合には、SSIDフィールドのバイトをエンコードして、SSIDの一部分が、サービス特定に利用できるようにする。
【0041】
たとえば無線ネットワーク内の複数のデバイスが、あるネットワーク名称を特定する、共通の、または不変の部分を共有する複数のSSIDを含むとする。これらデバイスそれぞれが、各デバイスが提供する様々なサービスを特定するためのSSIDの固有の、または不変の部分を有してよい。この例の文脈においては、発見モジュール138は、NAS128の無線インターフェースに、無線ネットワーク212を介してアクセス可能なデータ格納サービスを特定するためのSSIDとともにビーコンをブロードキャストする。
【0042】
406で、無線ネットワークと関連付けるための要求が、サービスにアクセス可能な無線デバイスから受信される。要求は、無線インターフェースの範囲内のいずれの無線デバイスから受信されたものであってかまわない。場合によっては、無線デバイスは、無線ネットワークを介してアクセス可能なサービスを特定する情報に対して相補的または代償的な情報を有している。
【0043】
この例の説明を続けると、無線ネットワーク212との関連付けを行えという要求がスマートフォン108から受信される。ここでスマートフォン108は、CRM120内に格納されているユーザデータをバックアップしようと試みており、かつ、無線ネットワーク212の範囲内にあると想定する。
【0044】
408で、無線デバイスの無線ネットワークへの関連付け要求が許可され、無線ネットワークを介してサービスにアクセスすることが可能となる。無線ネットワークへの関連付け要求が許可されると、無線デバイスは、無線ネットワークを介してアクセス可能なサービスと通信する、または相互作用することができる。場合によっては、関連付け要求は、(暗号化ネットワークの場合)無線デバイスが暗号化鍵を提供することができない場合、または、認証に合格できなかった場合に、拒否される場合もある。この例においては、発見モジュール138は、スマートフォン108からの、無線ネットワークへの関連付け要求を許可する。
【0045】
410で、サービスへのアクセスが可能になると、サービスに関するデータが無線デバイスから受信される。受信されたデータは、印刷データ、格納用データ、マルチメディアデータ、サービスのスキャン要求等の任意の種類のデータであってよい。この例をまとめると、NAS128は、スマートフォン108から、格納するために、ユーザデータを受信する。この動作が完了すると、NAS128またはスマートフォン108のいずれか、または両方を、無線ネットワーク212との関連付けから切り離して、インターネット206にアクセスさせるために無線ネットワーク202と関連付ける。
【0046】
図5は、
図1のマネージャ122が実行する動作を含む、サービスアクセスに利用される無線ネットワークに無線インターフェースを関連付ける方法500を示す。
【0047】
502で、サービス要求を受信する。サービス要求は、アプリケーションまたはオペレーティングシステムのコンポーネントから受信されてよい。
サービス要求は、印刷要求、スキャン要求、データ格納要求、またはメディアプレゼンテーション要求を含む。場合によっては、サービス要求が、コンテンツの印刷またはスキャンを要求するユーザ入力等のユーザの相互作用に呼応して受信される場合がある。一例としては、無線ネットワーク202内のラップトップコンピュータ112を示す
図2の文脈で、ラップトップコンピュータ112を考える。ここで、ラップトップコンピュータ112のユーザが、表示のスライドの印刷を選択したことを想定する。マネージャ122は、ユーザが印刷を選択したことに呼応して、ラップトップコンピュータ112のプレゼンテーションエディタ・アプリケーションから印刷サービス要求を受信する。
【0048】
504で、無線インターフェースが、それぞれの無線ネットワークを介してアクセス可能なサービスを特定するビーコンを探すためのスキャンをするよう設定される。場合によっては、前に関連付けられた無線ネットワークが、設定前に関連付けを切り離される。無線インターフェースは、WLANビーコンまたは管理フレーム等の他の無線デバイスのフレームまたはビーコンを探して、スキャンまたはリスニングを行うよう設定されていてよい。
【0049】
この例の文脈では、マネージャ122は、ラップトップコンピュータ112の無線インターフェース(たとえば無線トランスミッタ114/無線レシーバ116)の、無線ネットワーク202との関連付けを切り離す。マネージャ122は次に、無線インターフェースを、プリンタ124、NAS128、および多機能プリンタ130等の他の無線デバイスからフレームまたはビーコンを受信するように設定する。
【0050】
506で、それぞれの無線ネットワークを介してアクセス可能なサービスを特定するビーコンを受信する。ビーコンには、サービスを特定する情報を格納するフィールドが含まれてよく、または、フレームの他の情報が、サービスを特定する情報でエンコードされていてもよい。場合によっては、ビーコンは、それぞれの無線デバイスが提供するWLANネットワークのフレームであり、サービスを特定する情報が、サービスセットIDフィールド(SSIDフィールド内にあってよい。そのような場合、SSIDフィールドのデータは、SSIDデータの一部が、サービスを特定するために利用可能となるように、パターン化されていたり、エンコードされていたりしてよい。
【0051】
この例の説明を続けると、ラップトップコンピュータ112は、プリンタ124、NAS128、および多機能プリンタ130からビーコンを受け取り、プリンタ124、NAS128、および多機能プリンタ130それぞれは、SSIDフィールドを利用して各デバイスが提供するサービスを特定している。ここで、各ビーコンのSSIDフィールドが、24バイトの不変のネットワーク名称サブフィールド、6バイトの可変の媒体アクセスコントローラ(MAC)アドレスサブフィールド、および、2バイトの可変のサービス識別子サブフィールド、という3つの部分に分かれている。
【0052】
これにより、「ServicesNet-04A91B-04」というSSIDを有するプリンタ124によりビーコンがブロードキャストされる。この「ServicesNet」は、プリンタ124、NAS128、および多機能プリンタ130が共有するネットワーク名称である。「04A91B」は、プリンタ124を他のプリンタから区別するために利用可能なプリンタ124のMACアドレスの16進法の値であり、「04」は、プリンタ124からアクセス可能な印刷サービスのエンコードされた値である。NAS128および多機能プリンタ130は両方とも同様のSSIDを有し、MACアドレスおよびサービス識別子サブフィールドが異なっている。上述した説明からわかるように、これは、SSIDフィールドの1つの設定にすぎず、任意の適切な数および/またはサイズのサブフィールドが利用可能である。
【0053】
508で、サービス要求に対応したそれぞれの無線ネットワークを介してアクセス可能なサービスが決定される。通常の表現マッチングアルゴリズムを利用して、どのアクセス可能なサービスがサービス要求に対応しているかを判断することができる。場合によっては、アクセス可能なサービスを特定しているビーコン内の情報を、サービス要求と比較して、判断を行ってもよい。たとえばサービス要求が、スキャン要求である場合には、スキャンサービスの既に分かっている索引情報を、SSIDのサービス識別子サブフィールドと比較することができる。
【0054】
対応するサービスが判断されると、対応するサービスのリストを、ユーザインターフェース経由でプレゼンテーションして、選択を促す。加えて、サービスをアクセス可能とする無線ネットワークの信号強度を利用して、サービスを提供するデバイスまでの距離を判断してよい。この情報を利用することで、ユーザにプレゼンテーションされるリストにおける対応するサービスを、サービスを提供するデバイスまでの距離に基づいて配置することができるようになる。
【0055】
現在の例の文脈においては、マネージャ122が、無線ネットワーク210および214を介してアクセス可能な印刷サービスが、印刷サービス要求に対応していると判断する。ここで、マネージャ122は、無線ネットワーク210および214の相対的な信号強度に基づいて、多機能プリンタ130が相対的に近いことを判断することもできる。次に、マネージャ122が、印刷サービスを提供する無線ネットワーク210および214をリストにしているユーザインターフェースをプレゼンテーションするが、このリストの最上部には、近接度に応じて無線ネットワーク214がリストされている。
【0056】
510で、無線インターフェースが、対応するサービスがアクセス可能な無線ネットワークと関連付けられる。無線デバイスの無線ネットワークと関連付けられると、対応するサービスにアクセスして、サービス要求を達成する。加えて、対応するサービスにアクセスした後で、無線インターフェースが、前に関連付けたネットワークと再度関連付けられて、そのネットワークを介して動作を再開する。
【0057】
この例をまとめると、マネージャ122は、ラップトップコンピュータ112の無線インターフェースを、ユーザインターフェースを介して選択に呼応して無線ネットワーク214に関連付ける。無線ネットワーク214に関連付けられると、スライドの印刷データを多機能プリンタ130に通信することで、印刷サービス要求が達成される。次に、マネージャ122は、ラップトップコンピュータ112の無線インターフェースを、無線ネットワーク214との関連付けから切り離して、インターネット206にアクセスするために、無線ネットワーク202と再度関連付ける。
【0058】
<システムオンチップ>
図6は、ここに記載する様々な実施形態を実装することができるシステムオンチップ(SoC)600を示す。SoCは、ビデオゲームコンソール、IP利用可能なテレビ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、サーバ、ネットワーク利用可能なプリンタ、セットトップボックス、プリンタ、スキャナ、カメラ、画像フレーム等の任意の適切なデバイス、および/または、無線接続技術を実装可能な任意の他の種類のデバイスに実装されてよい。
【0059】
SoC600は、電子回路、マイクロプロセッサ、メモリ、入出力(I/O)論理制御、通信インターフェースおよびコンポーネント、他のハードウェア、ファームウェア、および/または、任意の上述したデバイス等のデバイスとの通信可能な連結用に提供される必要があるソフトウェアと統合されてよい。SoC600はさらに、データ通信用のSoCの様々なコンポーネントを連結する、統合されたデータバス(不図示)を、当該コンポーネント間に含んでもよい。SoC600を含む無線通信デバイスはさらに、異なるコンポーネントの数多くの組み合わせで実装されてもよい。場合によっては、これらの異なるコンポーネントは、ここで記載される構想を無線接続またはインターフェースを介して実装するよう設定されてもよい。
【0060】
この例では、SoC600が、入出力(I/O)論理制御602(たとえば電子回路を含むために)およびマイクロプロセッサ604(たとえばマイクロコントローラまたはデジタル信号プロセッサのいずれかを含むために)等の様々なコンポーネントを含む。SoC600はさらに、任意の種類のRAM、低レイテンシーの不揮発性メモリ(フラッシュメモリ)、ROM,および/または、他の適切な電子データストレージであってよいメモリ606を含む。SoC600はさらに、メモリ606により維持され、マイクロプロセッサ604により実行されるコンピュータ実行可能な命令であってよいオペレーティングシステム608等の様々なファームウェアおよび/またはソフトウェアを含んでよい。SoC600はさらに、他の通信インターフェースおよびコンポーネント、通信コンポーネント、他のハードウェア、ファームウェア、および/または、ソフトウェアを含んでよい。
【0061】
SoC600は、無線トランスミッタ114、無線レシーバ116、およびマネージャ122(上述した別個の、または組み合わせられたコンポーネントとして具現化されている)を含む。これら様々なコンポーネント、機能、および/または、要素、並びに、これらに対応する機能の例は、
図1および
図2に示す環境100内のそれぞれのコンポーネントそれぞれを参照して説明されている。
【0062】
マネージャ122は、独立して、または他の要素とともに組み合わせられて、メモリ606が維持するコンピュータ実行可能命令として実装されたり、マイクロプロセッサ604により実行されたりすることで、ここに記載する様々な実施形態および/または特徴を実装してもよい。マネージャ122はさらに、SoCの他の要素と統合されて提供されてもよい(たとえば、SoC600内のパケットベースの任意のインターフェースまたはI/O論理コントローラ602のいずれかまたは両方とともに統合される等)。これに代えて、またはこれに加えて、マネージャ122およびその他のコンポーネントが、ハードウェア、ファームウェア、固定論理回路、または、I/O論理制御602および/またはSoC600のその他の信号処理および制御回路と接続されて実装されるこれらの任意の組み合わせで実装されてもよい。
【0063】
主題を、構造における特徴および/または方法における処理に特化した言語で記載してきたが、添付請求項で定義されている主題は、必ずしも上述した特定の特徴または処理に限定はされず、記載されている実行順序にも限定はされない。
[項目1]
無線インターフェースを介して、フレームの送信元である無線デバイスが提供するサービスを特定するために利用可能な情報を有する前記フレームを受信する段階と、
i)前記フレームの前記情報およびii)既知のサービス識別情報に基づいて、前記無線デバイスが提供する前記サービスを特定する段階と、
特定された前記サービスを前記無線インターフェース経由で利用可能な前記無線デバイスに、特定された前記サービスを関連付ける段階と、
を備える方法。
[項目2]
前記無線インターフェースを、複数の無線デバイスがブロードキャストするフレームを探すようスキャンを行うよう設定する段階をさらに備える、項目1に記載の方法。
[項目3]
前記無線インターフェースを、前記無線デバイスが提供する無線ネットワークと関連付けることで、特定された前記サービスへのアクセスを開始する段階をさらに備える、項目1または2に記載の方法。
[項目4]
前記無線インターフェースは、前記受信する段階、前記特定する段階、または前記関連付ける段階を行っている間には、前記無線デバイスが提供する無線ネットワークと関連付けられない、項目1から3のいずれか一項に記載の方法。
[項目5]
前記無線インターフェースは、IEEE802.11規格に準拠した無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)インターフェースである、項目1から4のいずれか一項に記載の方法。
[項目6]
前記フレームは、前記無線デバイスが提供する前記サービスを特定するために利用可能な前記情報を含むサービスセットIDフィールド(SSIDフィールド)を有するビーコンである、項目5に記載の方法。
[項目7]
前記サービスを特定するために利用可能な前記情報は、前記SSIDフィールド内で、前記SSIDフィールドの一部が、前記既知のアドレス識別情報に基づいて前記サービスを特定するために利用可能となるようなパターンとされている、項目6に記載の方法。
[項目8]
前記無線デバイスが提供する、特定された前記サービスは、印刷、スキャン、データ格納、メディアストリーミング、またはメディアプレゼンテーションを含む、項目1から7のいずれか一項に記載の方法。
[項目9]
無線ネットワークを提供する無線インターフェースから、前記無線ネットワークを介してアクセス可能なサービスを特定する情報を含むフレームをブロードキャストする段階と、
前記サービスにアクセス可能な無線デバイスから、前記無線ネットワークへの関連付け要求を受信する段階と、
前記無線デバイスを前記無線ネットワーク経由で前記サービスにアクセス可能とする前記無線ネットワークへの関連付け要求を許可する段階と、
を備える方法。
[項目10]
前記無線ネットワークを提供するように前記無線インターフェースを設定する段階をさらに備える、項目9に記載の方法。
[項目11]
前記サービスにアクセス可能になると、前記無線デバイスから前記サービスに関するデータを受信する段階をさらに備える、項目9または10に記載の方法。
[項目12]
前記無線インターフェースは、IEEE802.11仕様に準拠しており、前記無線ネットワークを提供するときにアクセスポイントとして設定される、項目9から11のいずれか一項に記載の方法。
[項目13]
前記フレームは、前記無線ネットワークを介してアクセス可能な前記サービスを特定する前記情報を含むサービスセットIDフィールド(SSIDフィールド)を有するビーコンである、項目12に記載の方法。
[項目14]
前記SSIDフィールド内の他の情報は、前記SSIDの一部が、前記無線ネットワークを介してアクセス可能な前記サービスを特定するために利用可能であるように、前記サービスを特定する前記情報でエンコードされている、項目13に記載の方法。
[項目15]
前記無線デバイスは、前記フレームの前記情報を補足する前記サービスを特定する情報を有する、項目9から14のいずれか一項に記載の方法。
[項目16]
プロセッサに実行されると無線サービスマネージャに、
アプリケーションからサービス要求を受信する手順と、
前記サービス要求に応じて、複数の無線ネットワークのそれぞれを介してアクセス可能なサービスを特定するビーコンを受信するように無線インターフェースを設定する手順と、
前記複数の無線ネットワークのそれぞれを介してアクセス可能なサービスを特定する1以上の前記ビーコンを受信する手順と、
前記受信された1以上のビーコンに基づいて、前記複数の無線ネットワークを介してアクセス可能なサービスのうちいずれが、前記サービス要求に対応しているかを判断する手順と、
前記無線ネットワークのうち前記サービス要求を満たすために対応する前記サービスにアクセス可能な前記複数の無線ネットワークのうちの1つ
に、前記無線インターフェースとを関連付ける手順と、
を実行させるためのプログラム。
[項目17]
アクセス可能な前記サービスを特定する前記ビーコンのサービスセットIDフィールド(SSIDフィールド)は、前記サービスを特定するために利用可能な情報でエンコードされる、項目16に記載のプログラム。
[項目18]
前記無線サービスマネージャに、さらに、ユーザインターフェースを介して対応するサービスのリストをプレゼンテーションして、前記ユーザインターフェースから入力を受け取り、前記対応するサービスからアクセスするサービスを選択する手順を実行させるための項目16または17に記載のプログラム。
[項目19]
前記判断する手順は、通常の表現パターンマッチングアルゴリズムを利用して実行される、項目16から18のいずれか一項に記載のプログラム。
[項目20]
前記サービス要求は、印刷要求、スキャン要求、データ格納要求、またはメディアプレゼンテーション要求を含む、項目16から19のいずれか一項に記載のプログラム。