特許第5776468号(P5776468)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5776468
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 13/42 20060101AFI20150820BHJP
【FI】
   H01R13/42 B
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2011-207169(P2011-207169)
(22)【出願日】2011年9月22日
(65)【公開番号】特開2013-69538(P2013-69538A)
(43)【公開日】2013年4月18日
【審査請求日】2014年3月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001036
【氏名又は名称】特許業務法人暁合同特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】水谷 嘉宏
(72)【発明者】
【氏名】平林 修
(72)【発明者】
【氏名】野呂 豊
(72)【発明者】
【氏名】岡本 道明
【審査官】 石川 貴志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−039498(JP,A)
【文献】 特開2011−124172(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジング内には端子金具が挿入されるキャビティが設けられ、このキャビティの一壁面にはランスが設けられ、このランスは、根元部から先端部に向けて前記端子金具の挿入方向に沿って延出形成されたランス本体と、同ランス本体の前記先端部に設けられた係止突部とからなり、
前記端子金具が前記キャビティに挿入される過程では同端子金具との干渉により前記ランスが弾性撓みし、前記端子金具が正規位置まで挿入されることに伴い前記ランスが弾性復帰して前記係止突部が前記端子金具の被係止部に係止することにより抜け止めするようにしたコネクタにおいて、
前記係止突部は、前記ランスにおける前記ランス本体の前記根元部から前記先端部に向かうほど幅広となるように形成されており、
かつ前記ランス本体の先端面には、前記ランスが弾性復帰した場合において正規挿入された前記端子金具を受けることが可能な受け部が突出形成されていることを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記ランス本体の前記根元部と前記係止突部との間には、先端側に向けて次第に幅広となるテーパ部が介在されていることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
【請求項3】
前記端子金具が前記キャビティ内にほぼ緊密に嵌合される角筒状の端子本体を備え、同端子本体における前記ランスとの対向面の後縁が前記被係止部となっており、前記ランスに設けられた一対の前記受け部が、前記端子本体の前記対向面における左右両側縁を受けるようになっていることを特徴とする請求項1または請求項2記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハウジングのキャビティ内に端子金具に係止して抜け止めするランスを設けたコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のコネクタの一例として、特許文献1に記載されたものが知られている。このものは、ハウジング内に端子金具が挿入されるキャビティが設けられ、このキャビティの一壁面に、先端に係止突部を設けたランスが、端子金具の挿入方向を向いた片持ち状に設けられた構造であって、端子金具はランスを弾性撓みさせつつキャビティ内に挿入され、正規位置まで挿入されたところでランスが弾性復帰して先端の係止突部が端子金具のランス孔に嵌ることにより抜け止めされるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2634528号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種のランスは主に、電線が引っ張られたような場合に端子金具に係止して抜け止めすることに機能するのであるが、引っ張り力が過大になると、係止突部に対して端子金具の引っ張り方向に沿った過大なせん断力が作用して破損に至るおそれがある。大きなせん断力に対応するには、ランスを拡幅してせん断面積を増加することが有効ではあるが、ランスを拡幅した場合は、弾性撓みの支点となるランスの根元部の剛性も高くなるために、ランスを撓ませるために大きな力を要し、すなわち端子挿入力が増大化するために単純には対応できない。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、挿入力を抑えた上で端子金具に対する保持力を向上させるところにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、ハウジング内には端子金具が挿入されるキャビティが設けられ、このキャビティの一壁面にはランスが設けられ、このランスは、根元部から先端部に向けて前記端子金具の挿入方向に沿って延出形成されたランス本体と、同ランス本体の前記先端部に設けられた係止突部とからなり、前記端子金具が前記キャビティに挿入される過程では同端子金具との干渉により前記ランスが弾性撓みし、前記端子金具が正規位置まで挿入されることに伴い前記ランスが弾性復帰して前記係止突部が前記端子金具の被係止部に係止することにより抜け止めするようにしたコネクタにおいて、前記係止突部は、前記ランスにおける前記ランス本体の前記根元部よりも前記先端部に向かうほど幅広となるように形成されており、かつ前記ランス本体の先端面には、前記ランスが弾性復帰した場合において正規挿入された前記端子金具を受けることが可能な受け部が突出形成されているところに特徴を有する。
【0006】
係止突部を幅広にしてせん断面積を増加させたことで、端子金具に対する保持力を向上させることができる。一方ランス本体の根元部は幅狭に留めたから、ランスの撓み性を良好に確保でき、端子金具の挿入力を小さく抑えることができて挿入作業性に優れたものにできる。また、端子金具が正規挿入されてランスが弾性復帰することに伴い、ランス本体の先端面に設けられた受け部によって端子金具が受けられ、ひいては端子金具をキャビティ内において安定姿勢で収容することができる。
【0007】
また、以下のような構成としてもよい。
(1)前記ランス本体の前記根元部と前記係止突部との間には、先端側に向けて次第に幅広となるテーパ部が介在されている。
根元側の幅狭部分と係止突部側の幅広部分とが段差無く滑らかに繋がった形態となり、同繋ぎ部分での応力集中が回避されて損傷防止に有効となる。
【0008】
(2)前記端子金具が前記キャビティ内にほぼ緊密に嵌合される角筒状の端子本体を備え、同端子本体における前記ランスとの対向面の後縁が前記被係止部となっており、前記ランスに設けられた一対の前記受け部が、前記端子本体の前記対向面における左右両側縁を受けるようになっている。
被係止部が、端子本体におけるランスとの対向面の後縁である場合は、例えば被係止部がランス孔である場合と比較すると、ランスの係止突部を幅広としやすく、より高い保持力を得ることができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、端子金具の挿入力は抑えながらも抜けに対する保持力を高めることができ、かつ端子金具をキャビティ内において安定姿勢で収容することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の一実施形態に係る雌端子金具の斜視図
図2】雄ハウジングの斜視図
図3】同正面図
図4】同背面図
図5】同一部切欠斜視図
図6】雌ハウジングの一部切欠平面図並びに雌端子金具の底面図
図7】ランスの背面側から視た斜視図
図8】同正面側から視た斜視図
図9】同底面図
図10】雌端子金具の挿入動作を示す図9のX−X線で切断した縦断面図
図11】雌端子金具の挿入途中を示す縦断面図
図12】雌端子金具が正規位置まで挿入された状態の縦断面図
図13】ランスを強制的に弾性撓みさせた状態の縦断面図
【発明を実施するための形態】
【0011】
<実施形態>
本発明の一実施形態を図1ないし図13によって説明する。
この実施形態では雌側のコネクタを例示しており、電線Wの端末に接続された雌端子金具10が、雌側のハウジング20(以下、雌ハウジング20)に設けられたキャビティ22内に抜け止めされて収容されることで構成されている。
【0012】
雌端子金具10は、導電性に優れた金属板をプレス加工することで形成されており、図1に示すように、やや扁平な角筒形をなす端子接続部11の後方に、ワイヤバレル13とインシュレーションバレル14とが連設された構造であり、端子接続部11内には弾性接触片12が設けられている。
雌端子金具10は、図10に示すように、電線Wにおける芯線の端末にワイヤバレル13が、また絶縁被覆の端末にインシュレーションバレル14がそれぞれかしめ圧着されることで、電線Wの端末に固着接続されている。
【0013】
雌端子金具10の端子接続部11には、図示しない相手の雄端子金具のタブが前方から挿入され、弾性接触片12と対向した端子接続部11の底板11Aとの間で弾性的に挟持されることにより、電気的な接続が取られるようになっている。
また、端子接続部11における天井板11Bの後縁部が、詳しくは後記するように、雌ハウジング20のキャビティ22内に設けられたランス30に係止する被係止部15となっている。
【0014】
次に、雌ハウジング20の構造について説明する。雌ハウジング20は合成樹脂製であって、図2ないし図6に示すように、全体としてはやや扁平なブロック状に形成されている。雌ハウジング20の前面(図2の手前側の面)が、相手の雄ハウジング(図示せず)と嵌合される場合の嵌合面となっており、雌ハウジング20の上面には、雄ハウジングとの間を嵌合状態にロックするロックアーム21が設けられている。
【0015】
雌ハウジング20内には、上記した雌端子金具10が後方から挿入されて収容される10個のキャビティ22が、5個ずつ上下二段亘って整列して形成されている。
キャビティ22は、図10に示すように、前側の半分強の領域23A(以下、前側領域23A)が、雌端子金具10の端子接続部11が略緊密に嵌る横長の長方形断面をなし、一方、残りの後側領域23Bでは、下部側がさらに広がった断面形状で、後端面は全面が開口している。
【0016】
キャビティ22の前端面における上部位置には、挿入された雌端子金具10の端子接続部11を当てて前止まりする前面壁25が形成されており、この前面壁25には、相手の雄端子金具のタブが挿入可能な端子挿入口26が開口されている。なお、前面壁25における端子挿入口26の下縁部の中央幅位置には、開口溝25Aが切り欠き形成されている。
【0017】
キャビティ22の前端部、より詳細には前面壁25の直後位置における左右の側壁22Aには、天井壁22Bから雌端子金具10の端子接続部11の高さに匹敵する寸法だけ下がった高さ位置において、一対の端子受け部27が突出形成されている。両端子受け部27は、上記した開口溝25Aの幅に匹敵する間隔を開けて形成されている。
したがって、雌端子金具10がキャビティ22内に後方から挿入されると、端子接続部11の先端縁が前面壁25に当たることで前止まりされ、併せて端子接続部11の先端側の左右両側縁部が、左右の端子受け部27によって受けられるようになっている。
【0018】
各キャビティ22における前側領域23Aでは、その底面が開口されているが、同底面における後部側の位置には、雌端子金具10に係止して抜け止めするランス30が形成されている。
このランス30は、図7図8及び図10に示すように、キャビティ22の底壁22Cから所定寸法立ち上がったのち前方に向けて延出されたランス本体31を有している。ランス本体31は、根元部31A(全長の半分弱の領域)については、キャビティ22の前側領域23Aの幅の半分強といった狭い幅に形成されている一方、先端部31Bでは、根元部31Aよりも所定寸法広い幅(根元部31Aの1.5倍程度)に形成されている。より詳細には、先端部31Bは、上記した左右一対の端子受け部27の間隔よりも広い幅に形成されている。幅狭の根元部31Aの側面と、幅広の先端部31Bの側面とは、前方に向けて二段階に亘って幅広となったテーパ面32を介して繋がっている。
【0019】
ランス本体31の上面の高さ位置については、根元部31Aの上面が、キャビティ22の前側領域23Aの底面に相当する高さにおける水平面で、少し上り勾配の傾斜面を介して、先端部31Bの上面が一段高くなった水平面となっている。また、根元部31Aの上面の前縁から、先端部31Bの上面の幅方向の中央部に亘り、根元部31Aと同幅の背の低い突条33が形成されている。
これにより、ランス本体31の先端部31Bにおける略上半分、詳細には根元部31Aの上面よりも上方部分によって、雌端子金具10の被係止部15に係止する係止突部35が形成されている。係止突部35は正面視で中央幅部分が高くなった凸形状をなし、少なくとも同係止突部35の下半分領域では、ランス本体31の根元部31Aと比べて、上記のように1.5倍程度の幅広となっている。
【0020】
上記のようにランス本体31の先端部31Bが幅広に形成されたことによって、同ランス本体31の先端面31Cにおける下半分の領域の両端部と、キャビティ22の前端部の左右の側壁22Aに突設された端子受け部27の突出側とが、幅方向においてオーバラップした形態となる。そして、このようにオーバラップした関係にある左右の端子受け部27の突出部分の後面と、ランス本体31の先端面31Cの下部領域の左右両端部の間に、細長い角棒状をなす可撓片40が差し渡されて連結されている。
両可撓片40は所定間隔を開けて互いに平行に配され、自然状態では、可撓片40の上面は、端子受け部27の上面と面一の水平面となる。
【0021】
上記のような形状になるランス30は、ランス本体31の根元部31Aと、両可撓片40の先端とがキャビティ22の内面に固定されたいわゆる両持ち形式となっている。図11に参照して示すように、ランス本体31と両可撓片40とが、前後の固定部分をそれぞれ支点として、全体として下向きに膨らんだ円弧状に弾性撓みし、それに伴い係止突部35が下動するようになっている。
したがって、可撓片40を含むランス30の下方領域が、可撓片40を含むランス30の撓み変形を許容する撓み空間42となっている。
【0022】
ランス30による雌端子金具10への係止を解除するために、解除治具J(図13参照)によりランス30を強制的に弾性撓みさせるようになっている。
そのため、上記したランス本体31の先端面31Cにおける下部領域には、中央幅位置において、解除治具Jの先端を載せることが可能な解除部45が、手前側に向けて突出形成されている。この解除部45の形成位置は、上記した両可撓片40の引き出し位置とは別の位置に独立して設定されている。
左右の可撓片40の間の領域からその下方領域は前面に開口しており、したがって、解除部45の手前側に治具挿入空間47が形成されていることになる。なお、解除部45の上面45Aは、解除治具Jの先端を誘導できるように手前側に向けて下り勾配の傾斜面とされている。
【0023】
続いて、本実施形態の作用を説明する。
既述した要領によって電線Wの端末に接続された雌端子金具10は、上下反転された姿勢を採った上で、図6及び図10に示すように、雌ハウジング20に形成されたキャビティ22内に後方から挿入される。雌端子金具10は端子接続部11がランス30の根元部31Aの上面から係止突部35の上面に乗り上げ、図11に示すように、可撓片40ともどもランス30が撓み空間42に向けて弾性撓みしつつ押し込まれる。
【0024】
雌端子金具10が前面壁25に当たるまで押し込まれると、図12に示すように、雌端子金具10の端子接続部11の後縁の被係止部15が、ランス30の係止突部35を通過するために、可撓片40ともどもランス30が弾性復帰して係止突部35が雌端子金具10の被係止部15に係止して抜け止めされる。それとともに、雌端子金具10の端子接続部11の左右の側縁部が、全長に亘って端子受け部27から可撓片40によって受けられ、雌端子金具10は、前屈み等することなく、キャビティ22内で水平姿勢を採って安定して保持されることになる。
すべてのキャビティ22に対して、雌端子金具10が上記と同じ要領で抜け止めされて収容されたところで雌コネクタの組み付けが完了する。
【0025】
このような雌コネクタが、同様に雄ハウジングに対して雄端子金具を装着してなる雄コネクタと嵌合され、各雄端子金具のタブが端子挿入口26から雌ハウジング20のキャビティ22内に進入し、同キャビティ22に収容された雌端子金具10の端子接続部11に挿入されることで、対応する雌端子金具10と雄端子金具同士が接続される。
この状態において、雌コネクタの後面側に引き出された電線Wが引っ張られた場合、雌端子金具10の被係止部15がランス30の係止突部35に係止して抜け止めされる。ここで係止突部35が幅広に形成され、せん断面積が大きく取られているから、せん断破壊に抗した大きな保持力が得られる。
【0026】
メンテナンス等において、雌端子金具10を雌ハウジング20のキャビティ22から抜く場合は、左右の可撓片40の間に形成された治具挿入空間47に前方から解除治具Jを挿入し、その先端をランス本体31の先端面31Cに突設された解除部45に載せて押し下げると、可撓片40ともどもランス30が撓み空間42に向けて弾性撓みさせられることで、係止突部35による雌端子金具10の被係止部15に対する係止が解除される。
そうしたら、電線Wを後方に引っ張ることで雌端子金具10をキャビティ22の後方に引き抜くことができる。
【0027】
以上のように本実施形態によれば、ランス本体31の先端部31Bに設けた係止突部35を幅広に形成してせん断面積を増加させたことで、雌端子金具10に対する保持力を向上させることができる。一方ランス本体31の根元部31Aは幅狭に留めたから、ランス30の撓み性を良好に確保でき、雌端子金具10の挿入力を小さく抑えることができて挿入作業性に優れたものにできる。また、雌端子金具10が正規挿入されてランス30が弾性復帰することに伴い、ランス本体31の先端面31Cから突設された可撓片40によって雌端子金具10の端子接続部11の左右両側縁部が受けられ、雌端子金具10をキャビティ22内において安定姿勢で収容することができる。
【0028】
ランス本体31における根元部31Aの幅狭部分と係止突部35側の幅広部分とが、テーパ面32を介して段差無く滑らかに繋がった形態となり、同繋ぎ部分での応力集中が回避されて損傷防止に有効となる。
また、本実施形態では、ランス30が係止する雌端子金具10の被係止部15を、端子接続部11の後縁に設定したから、例えば被係止部がランス孔である場合と比較すると、ランス30の係止突部35を幅広としやすく、より高い保持力を得ることができる。
【0029】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)ランスの先端面に設ける端子金具の受け部としては、上記実施形態に例示した可撓片に限らず、例えば先端面の幅方向の両端部から、先端が自由端となった一対の受け片を突出形成したり、あるいは、先端面の全幅から受け板を突出形成する等、他の形状としてもよい。
(2)ランスの係止突部側と根元側とは、段差状に幅が異なっていてもよい。
【0030】
(3)ランスは、係止突部が、雌端子金具の端子接続部の一面に開口されたランス孔に嵌って係止する形式のものであってもよい。
(4)上記実施形態では両持ち形式のランスを例示したが、本発明は片持ち形式のランスにも適用することが可能である。
(5)本発明は、雄ハウジング内に雄端子金具を収容した雄側のコネクタについても、同様に適用することができる。
【符号の説明】
【0031】
10…雌端子金具(端子金具)
11…端子接続部(端子本体)
11B…天井板(ランスとの対向面)
15…被係止部
20…雌ハウジング(ハウジング)
22…キャビティ
22C…底壁(キャビティの一壁面)
30…ランス
31…ランス本体
31A…(ランス本体31の)根元部
31B…(ランス本体31の)先端部
31C…(ランス本体31の)先端面
32…テーパ面(テーパ部)
35…係止突部
40…可撓片(受け部)
42…撓み空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13