特許第5776533号(P5776533)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5776533
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】運転支援装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 21/00 20060101AFI20150820BHJP
   B60R 1/00 20060101ALI20150820BHJP
【FI】
   B60R21/00 628D
   B60R21/00 626G
   B60R1/00 A
【請求項の数】3
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2011-271840(P2011-271840)
(22)【出願日】2011年12月13日
(65)【公開番号】特開2013-123922(P2013-123922A)
(43)【公開日】2013年6月24日
【審査請求日】2014年5月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089875
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 茂
(72)【発明者】
【氏名】宇恵 崇
(72)【発明者】
【氏名】脇田 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】吉谷 俊哉
(72)【発明者】
【氏名】天野 正規
(72)【発明者】
【氏名】本田 慎一朗
(72)【発明者】
【氏名】小林 彩香
(72)【発明者】
【氏名】河合 順平
【審査官】 柳元 八大
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−290669(JP,A)
【文献】 特開2010−215170(JP,A)
【文献】 特開2010−132029(JP,A)
【文献】 特開2007−320433(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/157556(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 21/00
B60R 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場が有する駐車区画に駐車した自車両が前記駐車区画から出庫するときの出庫経路の支援を行う運転支援装置であって、
前記自車両の周囲の駐車区画と、前記周囲の駐車区画に駐車している他車両とを検出すると共に、前記周囲の駐車区画に対する前記他車両の位置関係を検出する駐車区画内駐車位置検出手段と、
前記検出された自車両の周囲の駐車区画と、前記検出された他車両と、前記検出された位置関係とをもとに、前記自車両が前記駐車区画から出庫するときの出庫軌跡を演算する出庫軌跡演算手段と、
前記演算された出庫軌跡と、前記自車両が走行する方向とを表示装置に表示出力する出庫軌跡表示手段と、を備え、
前記駐車区画内駐車位置検出手段は、前記自車両が駐車している駐車区画に隣接する隣接駐車区画に駐車している他車両の前記隣接駐車区画に対する位置関係を、前記自車両が駐車する駐車区画と前記隣接駐車区画との間を区画分けする駐車区画分割マークに対する前記隣接駐車区画に駐車する他車両の平行度から検出する、
とを特徴とする運転支援装置。
【請求項2】
前記出庫軌跡表示手段により表示装置に表示出力した前記出庫軌跡と前記走行する方向とを変更する出庫軌跡表示変更手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の運転支援装置。
【請求項3】
前記出庫軌跡演算手段は、さらに前記自車両の前記駐車区画への進入経路を加えた条件で前記自車両が前記駐車区画から出庫するときの出庫軌跡を演算することを特徴とする請求項1または2記載の運転支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駐車位置から出庫するときの運転方法、出庫経路を運転者に知らせる運転支援を行う運転支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、駐車場へ車両を駐車する場合に、排気ガスの排出方向が隣接する民家の方向へ向かうのを避けるため、前向き駐車を奨励する駐車場が増えてきている。このように車両を前向き駐車させた場合、駐車位置から車両を出庫させるにはバック走行により自車両を運転操作することになる。
このようなバック走行による運転操作に対し、後退出庫時に接触の可能性があれば運転者に報知し、さらに車両の前進操作およびステアリングホイールの切り返し操作などの運転方法の指示を行う車両用運転支援装置がある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−12987号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、従来技術では、自車両周辺の障害物、空間情報から自車両が障害物と接触する可能性があると警報を発するものの、出庫しにくい状況と出庫しやすい情報とを判定できず、特に車両においては横方向への自由な移動は制約されることから、出庫しにくい出庫方法を運転者に報知してしまうという課題があった。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、駐車区画に駐車した車両が駐車区画から安全かつ容易に出庫できる運転方法、出庫経路を案内できる運転支援装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明は、駐車場が有する駐車区画に駐車した自車両が前記駐車区画から出庫するときの出庫経路の支援を行う運転支援装置であって、前記自車両の周囲の駐車区画と、前記周囲の駐車区画に駐車している他車両とを検出すると共に、前記周囲の駐車区画に対する前記他車両の位置関係を検出する駐車区画内駐車位置検出手段と、前記検出された自車両の周囲の駐車区画と、前記検出された他車両と、前記検出された位置関係とをもとに、前記自車両が前記駐車区画から出庫するときの出庫軌跡を演算する出庫軌跡演算手段と、前記演算された出庫軌跡と、前記自車両が走行する方向とを表示装置に表示出力する出庫軌跡表示手段と、を備え、前記駐車区画内駐車位置検出手段は、前記自車両が駐車している駐車区画に隣接する隣接駐車区画に駐車している他車両の前記隣接駐車区画に対する位置関係を、前記自車両が駐車する駐車区画と前記隣接駐車区画との間を区画分けする駐車区画分割マークに対する前記隣接駐車区画に駐車する他車両の平行度から検出する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、自車両の周囲の駐車区画と、前記周囲の駐車区画に駐車している他車両とを検出すると共に、前記周囲の駐車区画に対する前記他車両の位置関係を駐車区画内駐車位置検出手段により検出し、前記検出された自車両の周囲の駐車区画と、前記検出された他車両と、前記検出された位置関係とをもとに、前記自車両が前記駐車区画から出庫するときの出庫軌跡を出庫軌跡演算手段により演算し、前記演算された出庫軌跡と、前記自車両が走行する方向とを出庫軌跡表示手段により表示装置に表示出力するように構成したので、前進駐車した自車両が駐車区画から出庫するときの安全かつ容易に出庫できる出庫経路を案内する運転支援装置を提供できる効果がある。
【0008】
本発明によれば、出庫軌跡表示手段により表示装置に表示出力した自車両の出庫するときの出庫軌跡、出庫する方向を変更する出庫軌跡表示変更手段を備えるように構成したので、前記自車両が駐車区画から安全かつ容易に出庫できる出庫軌跡、走行する方向を状況に応じて変更できる運転支援装置を提供できる効果がある。
【0009】
本発明によれば、駐車区画内駐車位置検出手段は、自車両が駐車している駐車区画に隣接する隣接駐車区画に駐車している他車両の前記隣接駐車区画に対する位置関係を、前記自車両が駐車する駐車区画と前記隣接駐車区画との間を区画分けする駐車区画分割マークに対する前記隣接駐車区画に駐車する他車両の平行度から検出するように構成したので、検出された駐車区画、前記駐車区画に駐車している他車両、前記隣接駐車区画に駐車している他車両の前記隣接駐車区画に対する位置関係をもとに演算された出庫軌跡、走行する方向が表示装置に表示出力されるため、前記自車両が駐車区画から出庫するときの前記隣接駐車区画に駐車している他車両の前記隣接駐車区画に対する位置関係を考慮した安全かつ容易に出庫できる出庫経路を案内する運転支援装置を提供できる効果がある。
【0010】
本発明によれば、検出された自車両の周囲の駐車区画と、検出された他車両と、検出された位置関係と、さらに前記自車両の駐車区画への進入経路を加えた条件で、出庫軌跡演算手段は前記自車両が前記駐車区画から出庫するときの出庫軌跡を演算するように構成したので、前記自車両の駐車区画への進入経路を加えた条件で演算された、前記自車両が駐車区画から安全かつ容易に出庫できる出庫経路を案内する運転支援装置を提供できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施の形態の運転支援装置の構成を示すブロック図である。
図2】本発明の実施の形態の運転支援装置の動作を示すフローチャートである。
図3】本発明の第1の実施の形態の運転支援装置の動作を示すフローチャートである。
図4】本発明の実施の形態の運転支援装置の動作を示すフローチャートである。
図5】本発明の実施の形態の運転支援装置の動作を示すフローチャートである。
図6】本発明の実施の形態の運転支援装置におけるビューモニタカメラにより撮像されたリアビュー画像の一例を示す説明図である。
図7】本発明の実施の形態の運転支援装置におけるビューモニタカメラにより撮像された自車両右側方の撮像エリアの画像の一例を示す説明図である。
図8】本発明の実施の形態の運転支援装置における駐車している他車両の駐車区画に対する駐車位置関係の一例を示す説明図である。
図9】本発明の実施の形態の運転支援装置におけるリアビュー画像の一例を示す説明図である。
図10】本発明の実施の形態の運転支援装置におけるリアビュー画像の一例を示す説明図である。
図11】本発明の実施の形態の運転支援装置におけるリアビュー画像の一例を示す説明図である。
図12】本発明の実施の形態の運転支援装置における駐車状況の一例を示す説明図である。
図13】本発明の実施の形態の運転支援装置における駐車状況の一例を示す説明図である。
図14】本発明の実施の形態の運転支援装置における駐車状況の一例を示す説明図である。
図15】本発明の実施の形態の運転支援装置における駐車状況の一例を示す説明図である。
図16】本発明の実施の形態の運転支援装置における駐車状況の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、この実施の形態の運転支援装置の構成を示すブロック図である。この運転支援装置は、駐車位置検出センサ1、ハンドル角センサ2、車速センサ3、ECU4、警報音発生装置6および出庫軌跡演算手段7を備え、さらに表示装置としてナビゲーション装置51の表示装置5を利用する。
駐車位置検出センサ1は、自車両の前方、左側方、右側方、後方の四方向を撮像する4台のビューモニタカメラ、自車両の右後方、左後方、真後ろの駐車区画に駐車する他車両を検出するレーダ装置を備えている。
図6は、車両の前方、左側方、右側方、後方の四方向を撮像するビューモニタカメラと、その撮像エリアを示す説明図である。このビューモニタカメラは、図6に示すような車両501周囲の車両前方、車両右側方、車両左側方、車両後方を撮像するビューモニタカメラ502、503,504,505から構成されている。ビューモニタカメラ502は、車両501の前方の撮像エリア512を撮像する。ビューモニタカメラ503は、車両501の右側方の撮像エリア513を撮像する。ビューモニタカメラ504は、車両501の後方の撮像エリア514を撮像する。ビューモニタカメラ505は、車両501の左側方の撮像エリア515を撮像する。
ハンドル角センサ2は、自車両のステアリングホイールの操作角度を検出し出力する。
車速センサ3は、自車両の走行速度を検出し出力する。
ECU4は、画像合成手段80、駐車区画内駐車位置検出手段81、出庫軌跡表示手段82および出庫軌跡表示変更手段83を備えている。
画像合成手段80は、ビューモニタカメラ502により撮像された撮像エリア512の画像、ビューモニタカメラ503により撮像された撮像エリア513の画像、ビューモニタカメラ504により撮像された撮像エリア514の画像、ビューモニタカメラ505により撮像された撮像エリア515の画像を合成し自車両周囲の俯瞰画像を生成する。
駐車区画内駐車位置検出手段81は、ビューモニタカメラ502、503,504,505により撮像された自車両周囲の画像、画像合成手段80により合成された自車両周囲の俯瞰画像に対し画像処理を施すことで、自車両が駐車している駐車場内の駐車区画を規定する駐車場敷地上にマーキングされた駐車区画分割白線あるいは駐車場敷地内に敷設された駐車区画分割ロープを識別して検出し駐車区画を検出する。さらに前記駐車区画に車両が駐車していると、駐車車両を識別し検出し、駐車している駐車区画に対する前記駐車車両の位置関係を所定の寸法公差で検出する。
出庫軌跡表示手段82は、駐車場入り口から自車両が駐車場内を走行し、駐車区画に進入し駐車するまでのメモリに記憶された走行軌跡情報、駐車区画に進入したときの左折で進入したのか、右折で進入したのか、あるいは直進で進入したのかを示す駐車区画進入方向情報をもとに、駐車している駐車区画からバックにより走行し出庫するときの出庫軌跡演算手段7により演算された出庫軌跡と駐車区画から後退走行する方向、運転支援情報を表示装置5に表示させる。
出庫軌跡表示変更手段83は、表示装置5に表示した駐車区画から後退走行する方向をユーザの意思で変更するための変更操作ボタンの操作が行われたか否かを判定し、変更操作ボタンの操作が行われると、表示装置5に表示した駐車区画からの出庫軌跡の後退走行する方向を変更する。
【0013】
図7は、自車両が駐車場の駐車区画に前進駐車したときに図6に示すビューモニタカメラ503により撮像された自車両右側方の撮像エリア513の画像の一例を示す説明図である。図7において、符号301は駐車区画内駐車位置検出手段81により識別され検出された駐車場敷地内にマーキングされ自車両が駐車した駐車区画401と右隣りの隣接する駐車区画402とを区分する駐車区画分割白線、符号102は同様に駐車区画内駐車位置検出手段81により識別され検出された駐車区画402に駐車している他車両である。符号204は駐車区画402の車止めである。駐車区画内駐車位置検出手段81は、図6に示すビューモニタカメラ503により撮像された自車両右側方の撮像エリア513の画像に対し画像処理を行い、隣接する駐車区画402に他車両102が駐車していると、駐車区画402の駐車区画分割白線301と、その駐車区画402に駐車している他車両102との少なくとも三カ所以上の距離である位置関係規定パラメータLRa、LRb、LRcを検出する。この位置関係規定パラメータは、駐車区画402に駐車している他車両102の駐車区画402に対する位置関係を規定する。そして、隣接する駐車区画402に駐車している他車両102の駐車区画402に対する駐車位置関係を例えば図8(a)、(b)、(c)に示すように検出する。この他車両の駐車区画に対する駐車位置関係は、自車両が駐車する駐車区画と、その左隣りの隣接駐車区画との間を区画分けする駐車区画分割白線に対する前記隣接駐車区画に駐車する他車両の平行度から検出する。
図8は、駐車している他車両の駐車区画に対する駐車位置関係の一例を示す説明図である。
図8(a)に示す例では、隣接する駐車区画402に駐車している他車両102は、駐車区画402に対し前部が自車両101の駐車する駐車区画401から離れる状態で、さらに後部が駐車区画401に近づいた形態で駐車している。つまり、隣接する駐車区画402の他車両102は、駐車区画分割白線301に沿って駐車区画分割白線301に対し平行な状態で駐車しておらず、後部が駐車区画401の方向へ向く斜め駐車した状態にある。
図8(b)に示す例では、隣接する駐車区画402に駐車している他車両102は、駐車区画402に対し前部が自車両101の駐車する駐車区画401に接近する状態で、さらに後部が駐車区画401から離れた形態で駐車している。つまり、隣接する駐車区画402の他車両102は、駐車区画分割白線301に対し平行な状態で駐車しておらず、後部が駐車区画401の方向から離れた斜め駐車した状態にある。
図8(c)に示す例では、隣接する駐車区画402に駐車している他車両102は、駐車区画分割白線301に対し平行な状態で駐車した状態にある。
【0014】
また図6に示すビューモニタカメラ505は、自車両の左側方の撮像エリア515を撮像する。そして、駐車区画内駐車位置検出手段81は、自車両が駐車区画に駐車すると、駐車した駐車区画の左側に隣接するビューモニタカメラ505により撮像された駐車区画の画像に対し画像処理を施すことで、自車両が駐車した駐車区画とその駐車区画の左側に隣接する駐車区画とを区分する駐車区画分割白線と、自車両が駐車した駐車区画の左側に隣接する駐車区画に他車両が駐車しているときにはその他車両とを識別し検出する。さらに前記識別した駐車区画分割白線と自車両が駐車した駐車区画の左側に隣接する駐車区画に駐車している他車両との少なくとも三カ所以上の距離である位置関係規定パラメータLLa、LLb、LLcを検出する。そして、自車両が駐車した駐車区画の左側に隣接する駐車区画に駐車している他車両の駐車区画に対する駐車位置関係を例えば図8(a)、(b)、(c)に示すように検出する。この他車両の駐車区画に対する駐車位置関係は、自車両が駐車する駐車区画と隣接駐車区画との間を区画分けする駐車区画分割白線に対する前記隣接駐車区画に駐車する他車両の平行度から検出する。
図8(a)に示す例では、左隣りの隣接する駐車区画403の他車両103は、駐車区画403に対し後部が自車両101の駐車する駐車区画401の方向へ近づいた状態で、さらに前部が駐車区画401から離れた形態で駐車している。つまり、隣接する駐車区画403の他車両103は、駐車区画分割白線302に対し平行な状態で駐車しておらず、後部が自車両101の駐車区画401の方向へ近づいた斜め駐車した状態にある。
図8(b)、(c)に示す例では、左隣りの隣接する駐車区画403の他車両103はバック駐車した状態で、駐車区画403に対し後部が自車両101の駐車する駐車区画401の方向へ近づいた状態、さらに前部が駐車区画401から離れた形態で駐車している。つまり、隣接する駐車区画403の他車両103は、駐車区画分割白線302に対し平行な状態で駐車しておらず、後部が自車両101の駐車区画401の方向へ近づいた斜め駐車した状態にある。
【0015】
また、図6に示すビューモニタカメラ504は、自車両後方の撮像エリア514を撮像する。そして、駐車区画内駐車位置検出手段81は、ビューモニタカメラ503,504,505により撮像エリア514を撮像したときの画像、画像合成手段により合成された自車両周囲の俯瞰画像に対し画像処理を施すことで、自車両後方すなわち自車両の真後ろと自車両の斜め左後方、さらに斜め右後方の駐車区画を区分する駐車区画分割白線を識別し、自車両の真後ろ、斜め左後方、斜め右後方の駐車区画と、各駐車区画に駐車する他車両の有無を識別し検出する。なお、各駐車区画に駐車する他車両の有無は駐車区画鞘位置検出センサ1のレーダ装置によっても検出可能である。
図9は、自車両の後方と斜め左後方、さらに斜め右後方の各駐車区画に他車両が駐車していないリアビュー画像の一例を示す説明図である。図9において符号404,405,406は駐車区画であり、駐車区画404は自車両が前進駐車したときの自車両の真後ろに位置する駐車区画、駐車区画405は自車両の斜め右後方の駐車区画、駐車区画406は自車両の斜め左後方の駐車区画を示す。また、符号303は駐車区画404と駐車区画406とを区分する駐車区画分割白線、符号304は駐車区画404と駐車区画405とを区分する駐車区画分割白線、符号207,208は駐車区画404の車止めを示す。
図10は、自車両が駐車している駐車区画に自車両が前進駐車したときの自車両の真後ろに位置する駐車区画404が空き状態で、その駐車区画404の両側に位置する自車両の斜め左後方の駐車区画406に他車両105が、斜め右後方の駐車区画405に他車両106が駐車しているリアビュー画像の一例を示す説明図である。
図11は、自車両が駐車している駐車区画に自車両が前進駐車したときの自車両の真後ろに位置する駐車区画404に他車両104が駐車した状態で、その駐車区画404の両側に位置する自車両の斜め左後方の駐車区画406と斜め右後方の駐車区画405が空き状態であるリアビュー画像の一例を示す説明図である。
【0016】
図1に戻り、ナビゲーション装置51はGPSを利用した周知の各種機能を備えている。ナビゲーション装置51の表示装置5は、駐車区画内駐車位置検出手段81により識別され検出された駐車場敷地内にマーキングされた駐車区画分割白線あるいは駐車場敷地内に敷設された駐車区画分割ロープ、駐車区画に駐車する車両を表示するとともに、出庫軌跡演算手段7により演算された駐車位置からバック走行で出庫するときの出庫軌跡と各種運転支援情報を表示する。
警報音発生装置6は、駐車位置からバック走行で出庫する自車両の走行経路が、演算された出庫軌跡に従っていないときに警報音を出力する。
出庫軌跡演算手段7は、駐車区画内駐車位置検出手段81により識別され検出された駐車場敷地内にマーキングされた駐車区画分割白線あるいは駐車場敷地内に敷設された駐車区画分割ロープ、これら駐車区画分割白線あるいは駐車区画分割ロープにより規定された駐車区画、駐車区画に駐車する車両、駐車区画に駐車している他車両の駐車区画に対する駐車位置関係、駐車区画へ駐車するまでの進入経路を含む駐車場内の走行経路をもとに、駐車している駐車区画からバック走行で出庫するときの出庫軌跡を演算する。
【0017】
次に動作について説明する。
図2は、この運転支援装置の動作を示すフローチャートである。
なお、以下の運転支援装置の動作の説明では、駐車場の駐車区画の配置形態、各駐車区画における駐車車両の有無については図12から図16に示す例を挙げて説明する。
この運転支援装置を備えた車両101は駐車場内の駐車区画401に前進駐車の形態で駐車している。車両101のECU4のメモリには、車両101が駐車区画401へ前進駐車の形態で駐車したときの、車両101が駐車区画401へ左折で進入したか、右折で進入したか、あるいは直進で進入したかを示す基点Poと駐車位置Ppを含む駐車区画進入方向情報、図12に示す例では実線の矢印で示す方向から駐車区画401へ左折で進入し前進駐車したことを示す“駐車区画進入方向情報”“左折”が格納され記憶される。
この状態で駐車区画401に駐車した車両101が駐車区画401から出庫する場合、車両101の運転席に乗り込んだドライバーにより車両のイグニッションキーが操作される。この結果、アクセサリ電源が投入され、ECU4を含む各部へ電源が投入され、エンジンが始動される。
そして、シフトレバーがリバースに入れられて車両101は駐車区画401からバックで走行し出庫する状態になる。
このバックで走行する状態になると、運転支援装置のECU4は駐車区画から出庫する場合の運転支援を開始し、先ず自車両が後退出庫する状態であるかを判定する(ステップS1)。この後退出庫する状態であるかの判定は、自車両のシフトレバーの位置がリバースの位置にセットされている状態を検出することでなされる。続いて自車両の周囲情報の収集を行う(ステップS2)。この自車両の周囲情報の収集は、自車両が駐車している駐車区画の右隣りと左隣りの隣接する駐車区画、さらに自車両の右後方の駐車区画、左後方の駐車区画、自車両の真後ろの駐車区画の検出と、各駐車区画について車両が駐車しているか否かの判定と、自車両が駐車している駐車区画の右隣りと左隣りの隣接する駐車区画については、車両が駐車している場合、その駐車車両の駐車区画に対する位置関係を示す位置関係規定パラメータの検出を行う。
【0018】
図3図4図2のステップS2の自車両周囲情報の収集・取得処理の詳細を示すフローチャートである。この自車両周囲情報の収集・取得処理では、自車両101が駐車する駐車区画401に隣接する右隣り駐車区画402について駐車区画と駐車車両の有無を検出し(ステップS121)、その検出結果を記憶する(ステップS122)。駐車区画の検出は、識別された駐車区画分割白線あるいは駐車区画分割ロープをもとに駐車区画内駐車位置検出手段81が行う。そして、駐車区画内駐車位置検出手段81は、隣接する右隣り駐車区画402に駐車車両がある場合には、続いて右隣り駐車区画402に駐車する車両の駐車区画に対する位置関係を規定する位置関係規定パラメータを検出し(ステップS124)、記憶する(ステップS125)。さらに、検出した位置関係規定パラメータから右隣り駐車区画402、左隣り駐車区画403における駐車車両の駐車位置の状況を検出し、“出庫容易”あるいは“出庫困難”のいずれかによる出庫難易度を検出し、記憶する(ステップS126)。
“出庫困難”となる出庫難易度の検出は次のように行う。
自車両が駐車する駐車区画の右隣りの隣接駐車区画、さらに左隣りの隣接駐車区画に他車両が駐車している状況であること。また、自車両が駐車する駐車区画と右隣りの隣接駐車区画との間を区画分けする駐車区画分割白線に対する、前記隣接駐車区画に駐車する他車両の平行度が、平行な状態からのずれの大きさが予め設定された一定の範囲内に入らない状態が検出され、かつ前記隣接駐車区画に駐車する他車両が前部より後部を自車両に接近させた形態、つまり後部を自車両に接近させた斜め駐車をしている状況であること。さらに自車両が駐車する駐車区画と左隣りの隣接駐車区画との間を区画分けする駐車区画分割白線に対する前記隣接駐車区画に駐車する他車両の平行度が、平行な状態からのずれの大きさが予め設定された一定の範囲内に入らない状態で、かつ前記隣接駐車区画に駐車する他車両が前部より後部を自車両に接近させた形態、つまり後部を自車両に接近させた斜め駐車をしている状況であること。ここで、他車両の平行度について、平行な状態からのずれの大きさが予め設定された一定の範囲内に入らない状態の検出は、検出した位置関係規定パラメータから検出する。
以上の各状況が同時に成立した状態で、自車両が駐車位置から右隣りあるいは左隣りの隣接駐車区画の側にバック走行転回する状況として “出庫困難”を判定する。
図8(a)は、“出庫困難”と判定される状況を示している。
また、“出庫容易” となる出庫難易度の判定は次のように行う。
自車両が駐車する駐車区画と隣接する隣接駐車区画の一方あるいは両方の駐車区画が空き状況である場合。自車両が駐車する駐車区画の右左の隣接駐車区画に駐車車両があっても両方の駐車車両は後部が自車両から離れた斜め駐車の形態で駐車している状況である場合。一方の駐車車両については後部が自車両から離れた斜め駐車の形態であって他方の駐車車両については平行に駐車している状況である場合。以上の何れかの状況に該当するとき、自車両が駐車位置から隣接する隣接駐車区画の側へバック走行転回する状況を“出庫容易”と判定する。また、自車両が駐車する駐車区画の真後ろの駐車区画が空き状態でありその駐車区画へ転回せずにバック走行可能な状況については、自車両が駐車する駐車区画の右左の隣接駐車区画に駐車車両があって自車両が駐車位置から隣接する隣接駐車区画のいづれか一方の側へバック走行転回する状況が“出庫容易”と判定される場合を除く、自車両が駐車する駐車区画の右左の隣接駐車区画に駐車車両があって自車両が駐車位置から隣接する隣接駐車区画のいづれか一方の側へバック走行転回する状況が“出庫困難”と判定される場合には、自車両が駐車する駐車区画の真後ろの駐車区画が空き状態でありその駐車区画へ転回せずにバック走行する状況を最も高い優先順位で“出庫容易”と判定する。
図8(b)、(c)は、“出庫容易”と判定される状況を示している。
【0019】
図3のフローチャートに戻り、続いて自車両101が駐車する駐車区画401に隣接する左隣り駐車区画403について駐車車両の有無を検出し(ステップS127)、その検出結果を記憶する(ステップS128)。そして、前記駐車車両の有無の検出結果をもとに隣接する左隣り駐車区画403は空きか否か判定し(ステップS129)、左隣り駐車区画403に駐車車両がある場合には、続いて左隣り駐車区画に駐車する車両の駐車区画に対する位置関係を規定する位置関係規定パラメータを検出し(ステップS130)、記憶する(ステップS131)。さらに、検出した位置関係規定パラメータから“出庫容易”あるいは“出庫困難”のいずれかによる出庫難易度を判定し、記憶し、ステップS133へ進む(ステップS132)。
一方、ステップS127において左隣り駐車区画403について駐車車両がなく空きと判定すると、ステップS133へ進む。
ステップS133では、撮像した駐車区画分割白線を識別することで自車両101の斜め右後方の駐車区画を検出する。さらに、検出した自車両101の斜め右後方の駐車区画について駐車車両の有無を判定し(ステップS134)、判定結果を記憶する(ステップS135)。続いて、撮像した駐車区画分割白線を識別することで自車両101の斜め左後方の駐車区画を検出する(ステップS136)。さらに、検出した自車両101の斜め左後方の駐車区画について駐車車両の有無を判定し(ステップS137)、判定結果を記憶する(ステップS138)。続いて、撮像した駐車区画分割白線を識別することで自車両101の真後ろの駐車区画を検出する(ステップS139)。さらに、検出した自車両101の真後ろの駐車区画について駐車車両の有無を判定し(ステップS140)、判定結果を記憶する(ステップS141)。
【0020】
以上のように自車両の周囲情報の収集を行なった後、続いて図2に示す出庫軌跡演算手段7による出庫軌跡の演算を行う(ステップS3)。図5は、図2のステップS3に示す出庫軌跡の演算処理を示すフローチャートである。この出庫軌跡の演算処理では、駐車区画401に前進駐車した自車両101の駐車区画401から出庫するときの出庫経路を演算する。
この出庫軌跡の演算では、先ず、自車両101が駐車している駐車区画401の右隣りに隣接する右隣り駐車区画402、駐車区画401の左隣りに隣接する左隣り駐車区画403と、右隣り駐車区画402および左隣り駐車区画403の駐車車両の有無判定結果と、位置関係規定パラメータと、斜め右後方、斜め左後方、真後ろの駐車区画と、それら各駐車区画の駐車車両有無判定結果、駐車区画進入方向情報から、駐車位置Ppからバック走行する第1の後退走行方向を検出する(ステップS151)。
次に、第1の後退走行方向へバック走行したときの切替ポイントPaを決定する(ステップS152)。
そして、自車両101の駐車位置Ppから切替ポイントPaまでの走行軌跡を設定する(ステップS153)。この走行軌跡の設定では、駐車位置Ppから切替ポイントPaまでバック走行するときの想定されるステアリング操作角、バック走行速度から走行軌跡を設定する。
続いて、切替ポイントPaから駐車区画進入方向情報が示す進入経路の基点Poへ前進走行する前進走行軌跡を設定できるか判定を行う(ステップS154)。
この結果、切替ポイントPaから駐車区画進入方向情報が示す進入経路の基点Poへ前進走行軌跡を設定できると判定された場合には、切替ポイントPaから基点Poへ前進走行する前進走行軌跡を設定する(ステップS155)。一方、切替ポイントPaから駐車区画進入方向情報が示す進入経路の基点Poへ前進走行軌跡を設定できないと判定された場合には、斜め右後方、斜め左後方、真後ろの駐車区画と、それら各駐車区画の駐車車両有無判定結果、駐車区画進入方向情報から、切替ポイントPaからバック走行する第2の後退走行方向を検出する(ステップS156)。
次に、第2の後退走行方向へバック走行したときの切替ポイントPbを決定する(ステップS157)。
そして、切替ポイントPbから駐車区画進入方向情報が示す進入経路の基点Poへ前進走行する前進走行軌跡を設定できるか判定を行う(ステップS158)。
この結果、切替ポイントPbから駐車区画進入方向情報が示す進入経路の基点Poへ前進走行軌跡を設定できると判定された場合には、切替ポイントPbから基点Poへ前進走行する前進走行軌跡を設定する(ステップS159)。一方、切替ポイントPbから駐車区画進入方向情報が示す進入経路の基点Poへ前進走行軌跡を設定できないと判定された場合には、斜め右後方、斜め左後方、真後ろの駐車区画と、それら各駐車区画の駐車車両有無判定結果、駐車区画進入方向情報から、切替ポイントPbから基点Poへバック走行する後退走行軌跡を設定する(ステップS160)。
【0021】
次に、以上説明した出庫軌跡演算手段7による出庫軌跡の演算について具体例を挙げて説明する。
図12に示す例では、自車両101が駐車している駐車区画401の右隣りに隣接する右隣り駐車区画402、駐車区画401の左隣りに隣接する左隣り駐車区画403、自車両101の斜め右後方の駐車区画、斜め左後方の駐車区画は空きの状態で他車両は駐車していない。一方、自車両101の真後ろの駐車区画404には他車両104が駐車している。
出庫軌跡演算手段7は、先ず、自車両101が駐車している駐車区画401の右隣りに隣接する右隣り駐車区画402、駐車区画401の左隣りに隣接する左隣り駐車区画403と、右隣り駐車区画402および左隣り駐車区画403の駐車車両の有無判定結果と、右隣り駐車区画402および左隣り駐車区画403に他車両が駐車している場合の位置関係規定パラメータと、自車両101の斜め右後方、斜め左後方、真後ろの駐車区画と、それら各駐車区画の駐車車両有無判定結果、駐車区画進入方向情報から、駐車位置Ppからバック走行転回する第1の後退走行方向を検出する(ステップS151)。駐車区画進入方向情報が示す駐車区画401への自車両101の進入経路は基点Poから駐車位置Ppへの実線矢印で示されるような左折による前進入庫経路である。駐車位置Ppからバックで出庫するときの第1の後退走行方向は、図8で説明したように図12に示す例では自車両101が駐車位置から右隣りあるいは左隣りの隣接駐車区画の側にバック走行転回する状況が“出庫容易”と判定されるため、第1の後退走行方向として駐車区画進入方向情報が示す駐車区画進入方向とは逆方向の“出庫容易”と判定される一点鎖線で示される矢印の方向となる。次に、第1の後退走行方向へバック走行したときの切替ポイントPaを決定する(ステップS152)。切替ポイントPaの位置は自車両101が基点Poの方向へ前進走行可能な図12に示す位置である。そして、駐車位置Ppから切替ポイントPaまでの自車両101の走行軌跡を設定する(ステップS153)。この走行軌跡は、駐車位置Ppから切替ポイントPaまでバック走行転回するときの想定されるステアリング操作角、バック走行速度から駐車位置Ppから切替ポイントPaまでの出庫軌跡として演算する。続いて、切替ポイントPaから駐車区画進入方向情報が示す進入経路の基点Poへ前進走行する前進走行軌跡を設定できるか判定を行う(ステップS154)。図12に示す例では、切替ポイントPaから駐車区画進入方向情報が示す進入経路の基点Poへ前進走行軌跡を設定できると判定されるため、二点鎖線の矢印で示す切替ポイントPaから基点Poへ前進走行する前進走行軌跡が設定される(ステップS155)。
【0022】
図13に示す例では、自車両101が駐車している駐車区画401の右隣りに隣接する右隣り駐車区画402、駐車区画401の左隣りに隣接する左隣り駐車区画403、自車両101の真後ろの駐車区画404には他車両が駐車している。一方、自車両101の斜め右後方の駐車区画と斜め左後方の駐車区画は空きの状態で他車両は駐車していない。
出庫軌跡演算手段7は、先ず、自車両101が駐車している駐車区画401の右隣りに隣接する右隣り駐車区画402、駐車区画401の左隣りに隣接する左隣り駐車区画403と、右隣り駐車区画402および左隣り駐車区画403の駐車車両の有無判定結果と、右隣り駐車区画402および左隣り駐車区画403に他車両が駐車しているときの位置関係規定パラメータと、自車両101の斜め右後方、斜め左後方、真後ろの駐車区画と、それら各駐車区画の駐車車両有無判定結果、駐車区画進入方向情報から、駐車位置Ppからバック走行転回する第1の後退走行方向を検出する(ステップS151)。駐車区画進入方向情報が示す駐車区画401への自車両101の進入経路は図12の例と同様な基点Poから駐車位置Ppへの実線矢印で示されるような左折による前進入庫経路である。駐車位置Ppからバックで出庫するときの第1の後退走行方向は、図8で説明したように図13に示す例では自車両101が駐車位置から右隣りあるいは左隣りの隣接駐車区画の側にバック走行転回する状況が“出庫容易”と判定されるため、第1の後退走行方向として駐車区画進入方向情報が示す駐車区画進入方向とは逆方向の“出庫容易”と判定される一点鎖線で示される矢印の方向となる。次に、第1の後退走行方向へバック走行したときの切替ポイントPaを決定する(ステップS152)。切替ポイントPaの位置は自車両101が基点Poの方向へ前進走行可能な図13に示す位置である。そして、駐車位置Ppから切替ポイントPaまでの自車両101の走行軌跡を設定する(ステップS153)。この走行軌跡は、駐車位置Ppから切替ポイントPaまでバック走行転回するときの想定されるステアリング操作角、バック走行速度から演算する。続いて、切替ポイントPaから駐車区画進入方向情報が示す進入経路の基点Poへ前進走行する前進走行軌跡を設定できるか判定を行う(ステップS154)。図13に示す例でも、切替ポイントPaから駐車区画進入方向情報が示す進入経路の基点Poへ前進走行軌跡を設定できると判定されるため、二点鎖線の矢印で示す切替ポイントPaから基点Poへ前進走行する前進走行軌跡が設定される(ステップS155)。
【0023】
図14に示す例では、右隣り駐車区画402、左隣り駐車区画403、自車両101の真後ろの駐車区画404には他車両が駐車している。一方、自車両101の斜め右後方の駐車区画と斜め左後方の駐車区画は空きの状態で他車両は駐車していない。
出庫軌跡演算手段7は、先ず、右隣り駐車区画402、左隣り駐車区画403と、右隣り駐車区画402および左隣り駐車区画403の駐車車両の有無判定結果と、右隣り駐車区画402および左隣り駐車区画403に駐車している他車両の位置関係規定パラメータと、自車両101の斜め右後方、斜め左後方、真後ろの駐車区画と、それら各駐車区画の駐車車両有無判定結果と、駐車区画進入方向情報とから、駐車位置Ppからバック走行転回する第1の後退走行方向を判定する(ステップS151)。駐車区画進入方向情報が示す駐車区画401への自車両101の進入経路は図12の例と同様に基点Poから駐車位置Ppへの実線矢印で示されるような左折による前進入庫経路である。駐車位置Ppからバックで出庫するときの第1の後退走行方向は、図8で説明したように図14に示す例では自車両101が駐車位置から右隣りの隣接駐車区画の側にバック走行転回する状況は“出庫困難”と判定され、また左隣りの隣接駐車区画の側にバック走行転回する状況は“出庫容易”と判定される。このため、第1の後退走行方向として駐車区画進入方向情報が示す駐車区画進入方向と同じ“出庫容易”と判定される一点鎖線で示される矢印の方向となる。次に、第1の後退走行方向へバック走行したときの切替ポイントPaを決定する(ステップS152)。図14に示す例では、切替ポイントPaの位置は駐車区画進入経路上となる。そして、駐車位置Ppから切替ポイントPaまでの自車両101の走行軌跡を設定する(ステップS153)。この走行軌跡は、駐車位置Ppから切替ポイントPaまでバック走行転回するときの想定されるステアリング操作角、バック走行速度から駐車位置Ppから切替ポイントPaまでの出庫軌跡が演算される。続いて、切替ポイントPaから駐車区画進入方向情報が示す進入経路の基点Poへ前進走行する前進走行軌跡を設定できるか判定を行う(ステップS154)。図14に示す例では、切替ポイントPaから駐車区画進入方向情報が示す進入経路の基点Poへ前進走行軌跡は設定できないと判定される。このため、駐車区画401に駐車している自車両101の斜め右後方の駐車区画405、斜め左後方の駐車区画406、真後ろの駐車区画404と、それら各駐車区画の駐車車両有無判定結果、駐車区画進入方向情報から、切替ポイントPaからバック走行する第2の後退走行方向を検出する(ステップS156)。図14の例では、駐車区画401に駐車している自車両101の斜め左後方の駐車区画406は空きの状態であることから、駐車区画406の中へ向かう方向を第2の後退走行方向として検出し、切替ポイントPaから第2の後退走行方向へバック走行したときの切替ポイントPbを決定する(ステップS157)。図14に示す例では空きの状態の駐車区画406内の切替ポイントPbとなる。そして、切替ポイントPbから駐車区画進入方向情報が示す進入経路の基点Poへ前進走行する前進走行軌跡を設定できるか判定を行う(ステップS158)。図14の例では、切替ポイントPbから駐車区画進入方向情報が示す進入経路の基点Poへ前進走行軌跡を設定できると判定されるため、切替ポイントPbから基点Poへ前進走行する二点鎖線の矢印で示される前進走行軌跡を設定する(ステップS159)。
なお、自車両101の斜め左後方の駐車区画406に他車両が駐車している場合には、ステップS156で検出される第2の後退走行方向とステップS157で設定される切替ポイントPbは、切替ポイントPaと同様に駐車区画401への自車両101の進入経路上に設定される。そして、ポイントPbから基点Poへ前進走行軌跡を設定できないと判定される結果、切替ポイントPbから基点Poへバック走行する後退走行軌跡が設定されることになる(ステップS160)。
【0024】
図15に示す例では、右隣り駐車区画402、左隣り駐車区画403、自車両101の斜め右後方の駐車区画405、斜め左後方の駐車区画406には他車両が駐車している。一方、自車両101の真後ろの駐車区画404は空きの状態で他車両は駐車していない。
出庫軌跡演算手段7は、先ず、右隣り駐車区画402、左隣り駐車区画403と、右隣り駐車区画402および左隣り駐車区画403の駐車車両の有無判定結果と、右隣り駐車区画402および左隣り駐車区画403に駐車している他車両の位置関係規定パラメータと、自車両101の斜め右後方、斜め左後方、真後ろの駐車区画と、それら各駐車区画の駐車車両有無判定結果、駐車区画進入方向情報から、駐車位置Ppからバック走行転回する第1の後退走行方向を検出する(ステップS151)。駐車区画進入方向情報が示す駐車区画401への自車両101の進入経路は図12の例と同様に基点Poから駐車位置Ppへの実線矢印で示されるような左折による前進入庫経路である。駐車位置Ppからバックで出庫するときの第1の後退走行方向は、図8で説明したように図15に示す例では自車両101が駐車位置から右隣りあるいは左隣りの隣接駐車区画の側にバック走行転回する状況が“出庫容易”と判定されるため、第1の後退走行方向として駐車区画進入方向情報が示す駐車区画進入方向とは逆方向の“出庫容易”と判定される一点鎖線で示される矢印の方向となる。次に、第1の後退走行方向へバック走行したときの切替ポイントPaを決定する(ステップS152)。切替ポイントPaの位置は自車両101が基点Poの方向へ前進走行可能な図15に示す位置である。そして、駐車位置Ppから切替ポイントPaまでの自車両101の走行軌跡を設定する(ステップS153)。この走行軌跡は、駐車位置Ppから切替ポイントPaまでバック走行転回するときの想定されるステアリング操作角、バック走行速度から演算する。続いて、切替ポイントPaから駐車区画進入方向情報が示す進入経路の基点Poへ前進走行する前進走行軌跡を設定できるか判定を行う(ステップS154)。図15に示す例でも、切替ポイントPaから駐車区画進入方向情報が示す進入経路の基点Poへ前進走行軌跡を設定できると判定されるため、二点鎖線の矢印で示す切替ポイントPaから基点Poへ前進走行する前進走行軌跡が設定される(ステップS155)。
【0025】
図16に示す例では、右隣り駐車区画402、左隣り駐車区画403、自車両101の斜め右後方の駐車区画405、斜め左後方の駐車区画406には他車両が駐車している。一方、自車両101の真後ろの駐車区画404は空きの状態で他車両は駐車していない。
出庫軌跡演算手段7は、先ず、右隣り駐車区画402、左隣り駐車区画403と、右隣り駐車区画402および左隣り駐車区画403の駐車車両の有無判定結果と、右隣り駐車区画402および左隣り駐車区画403に駐車している他車両の位置関係規定パラメータと、自車両101の斜め右後方、斜め左後方、真後ろの駐車区画と、それら各駐車区画の駐車車両有無判定結果、駐車区画進入方向情報から、駐車位置Ppからバック走行転回する第1の後退走行方向を検出する(ステップS151)。駐車区画進入方向情報が示す駐車区画401への自車両101の進入経路は図12の例と同様に基点Poから駐車位置Ppへの実線矢印で示されるような左折による前進入庫経路である。駐車位置Ppからバックで出庫するときの第1の後退走行方向は、図8で説明したように図16に示す例では自車両101が駐車位置から右隣りの隣接駐車区画の側にバック走行転回する状況が“出庫困難”と判定される。また、左隣りの隣接駐車区画の側にバック走行転回する状況あるいは真後ろの駐車区画404へ転回せずバック走行する状況がより高い優先順位で“出庫容易”と判定される。このため、第1の後退走行方向は、真後ろの駐車区画404内へ転回せずバック走行する一点鎖線で示される矢印の方向となる。次に、第1の後退走行方向へバック走行したときの切替ポイントPaを決定する(ステップS152)。切替ポイントPaの位置は自車両101が基点Poの方向へ前進走行可能な図16に示す位置である。そして、駐車位置Ppから切替ポイントPaまでの自車両101の走行軌跡を設定する(ステップS153)。この走行軌跡は、駐車位置Ppから切替ポイントPaまでバック走行するときの想定されるステアリング操作角、バック走行速度から演算する。続いて、切替ポイントPaから駐車区画進入方向情報が示す進入経路の基点Poへ前進走行する前進走行軌跡を設定できるか判定を行う(ステップS154)。図16に示す例では、切替ポイントPaから基点Poへ前進走行軌跡を設定できると判定されるため、二点鎖線の矢印で示す切替ポイントPaから基点Poへ前進走行する前進走行軌跡が設定される(ステップS155)。
【0026】
図2のフローチャートに戻り、ステップS3で演算された自車両101の出庫軌跡を表示装置5へ表示出力する(ステップS4)。ECU4は、演算され表示装置5に表示出力された自車両101の出庫軌跡と自車両101の経路とが一致するか否かを判定し(ステップS5)、演算され表示装置5に表示出力された自車両101の出庫軌跡から自車両101の出庫経路が逸脱すると警報音発生装置6により音声、警報音による警告あるいは注意喚起を行い、さらに表示装置5に表示出力された出庫軌跡変更ボタンの操作が行われたか否かを判定し、出庫軌跡変更ボタンの操作が行われたと判定すると表示装置5に表示出力した自車両101の出庫軌跡の方向を変更する(ステップS6)。さらに駐車区画401から出庫した自車両101について駐車区画401から現在位置までの距離が予め設定された一定の距離を超えたか否かを判定し(ステップS7)、駐車区画401から現在位置までの距離が一定の距離を超えると、出庫軌跡表示出力を終了させる(ステップS8)。
【0027】
以上説明したように、この実施の形態によれば、自車両が駐車している駐車区画の右隣りと左隣りの隣接駐車区画、さらに自車両の右後方の駐車区画、左後方の駐車区画、自車両の真後ろの駐車区画についての駐車車両の有無についての検出と、前記右隣りと左隣りの隣接駐車区画については、他車両が駐車している場合、その駐車車両について検出された駐車区画に対する位置関係を示す位置関係規定パラメータにより“出庫容易”あるいは“出庫困難”を示す出庫難易状況を判定し、前記各駐車区画についての駐車車両の有無についての判定結果と、前記検出した位置関係規定パラメータから判定した“出庫容易”あるいは“出庫困難”を示す出庫難易状況と、自車両が駐車区画へ左折で入庫したか右折で入庫したか、あるいは直進で入庫したかを示す駐車区画進入方向情報とをもとに、駐車区画へ前進駐車した自車両がその駐車区画からバック走行で安全かつ容易に出庫できる出庫軌跡と走行方向、バック走行から前進走行への切替ポイントをナビゲーション装置の表示装置に表示出力する。従って、前進駐車した自車両がその駐車区画からバック走行で出庫する場合の安全かつ容易な出庫経路を案内する運転支援を実現できる。
【0028】
なお、以上説明した実施の形態では、自車両101は駐車区画401に前進駐車し、駐車区画401から出庫するときにはバック走行で出庫するとして説明したが、自車両101は駐車区画401にバックで駐車し、駐車区画401から出庫するときには前進走行で出庫する状況に対しても同様に適用でき、安全かつ容易な出庫経路を案内する運転支援を実現できる。
【0029】
また、以上説明した実施の形態では、自車両が駐車している駐車区画の右隣りと左隣りの隣接駐車区画については、他車両が駐車している場合、その駐車車両について検出された駐車区画に対する位置関係を示す位置関係規定パラメータにより“出庫容易”あるいは“出庫困難”を示す出庫難易状況を判定し、自車両の出庫経路を演算するとして説明したが、自車両の右後方の駐車区画、左後方の駐車区画、自車両の真後ろの駐車区画に駐車車両がある場合、自車両が駐車している駐車区画の右隣りと左隣りの隣接駐車区画と同様に、駐車区画に対する駐車車両の位置関係を示す位置関係規定パラメータを検出し、これら自車両の右後方の駐車区画、左後方の駐車区画、自車両の真後ろの駐車区画に駐車する車両による出庫難易状況を加えて、自車両の出庫経路を演算するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0030】
1……駐車位置検出センサ、2……ハンドル角センサ、3……車速センサ、4……ECU、5……表示装置、6……警報音発生装置、7……出庫軌跡演算手段、81……駐車区画内駐車位置検出手段、82……出庫軌跡表示手段、83……出庫軌跡表示変更手段。
図1
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