【実施例】
【0089】
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例によって限定されるものではない。なお、実施例中、部は重量部を、%は重量%をそれぞれ示す。表1、表2に(メタ)アクリル系共重合体の物性を示す。
【0090】
<(メタ)アクリル系共重合体A1溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、メチルメタクリレート18部、n−ブチルメタクリレート78部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート2部、グリシジルメタクリレート2部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら100℃まで昇温した。次いで、アゾビスイソブチロニトリルを0.15部加えて2時間重合反応を行い、次に、アゾビスイソブチロニトリルを0.07部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.07部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行った。
その後、ハイドロキノンを0.03部、ジメチルベンジルアミンを0.8部、アクリル酸を1部(前記、グリシジルメタクリレート:2部の変性に要する量)添加し、100℃で15時間加熱撹拌した。酸価が2以下であることを確認し、数平均分子量が39,000、水酸基価が17.2(mgKOH/g)、Tgが30℃、ヨウ素価が3.6(g/100g)、固形分50%の(メタ)アクリル系共重合体A1溶液を得た。
【0091】
なお、数平均分子量、ガラス転移温度、酸価、水酸基価、ヨウ素価は、下記に記述するようにして測定した。
【0092】
<数平均分子量(Mn)の測定>
Mnの測定は、前述したGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)によって求めた。
【0093】
<ガラス転移温度(Tg)の測定>
ガラス転移温度の測定は、前述した示差走査熱量測定(DSC)法により求めた。
なお、Tg測定用の試料は、上記のアクリル樹脂溶液を150℃で約15分、加熱し、乾固させたものを用いた。
【0094】
<酸価(AV)の測定>
共栓三角フラスコ中に試料(樹脂の溶液:約50%)約1gを精密に量り採り、トルエン/エタノール(容量比:トルエン/エタノール=2/1)混合液100mlを加えて溶解する。これに、フェノールフタレイン試液を指示薬として加え、30秒間保持する。その後、溶液が淡紅色を呈するまで0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液で滴定する。酸価は次式により求めた。酸価は樹脂の乾燥状態の数値とした(単位:mgKOH/g)。
酸価(mgKOH/g)={(5.611×a×F)/S}/(不揮発分濃度/100)
ただし、S:試料の採取量(g)
a:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
F:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の力価
【0095】
<水酸基価(OHV)の測定>
共栓三角フラスコ中に試料(樹脂の溶液:約50%)約1gを精密に量り採り、トルエン/エタノール(容量比:トルエン/エタノール=2/1)混合液100mlを加えて溶解する。更にアセチル化剤(無水酢酸25gをピリジンで溶解し、容量100mlとした溶液)を正確に5ml加え、約1時間攪拌した。これに、フェノールフタレイン試液を指示薬として加え、30秒間持続する。その後、溶液が淡紅色を呈するまで0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液で滴定する。
水酸基価は次式により求めた。水酸基価は樹脂の乾燥状態の数値とした(単位:mgKOH/g)。
水酸基価(mgKOH/g)
=[{(b−a)×F×28.25}/S]/(不揮発分濃度/100)+D
ただし、S:試料の採取量(g)
a:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
b:空実験の0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
F:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の力価
D:酸価(mgKOH/g)
【0096】
<ヨウ素価の測定>
ヨウ素価の測定は、前述した滴定法により求めた。
【0097】
<(メタ)アクリル系共重合体A2溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、メチルメタクリレート18部、n−ブチルメタクリレート78部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート2部、グリシジルメタクリレート2部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら100℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.40部加えて2時間重合反応を行い、次に、アゾビスイソブチロニトリルを0.05部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.05部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行った。
その後、ハイドロキノンを0.03部、ジメチルベンジルアミンを0.8部、アクリル酸を1部(前記、グリシジルメタクリレート:2部の変性に要する量)添加し、100℃で15時間加熱撹拌した。酸価が2以下であることを確認し、数平均分子量が16,000、水酸基価が16.5(mgKOH/g)、Tgが30℃、ヨウ素価が3.6(g/100g)、固形分50%の(メタ)アクリル系共重合体A2溶液を得た。
【0098】
<(メタ)アクリル系共重合体A3溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、メチルメタクリレート18部、n−ブチルメタクリレート78部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート2部、グリシジルメタクリレート2部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら80℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.075部加えて2時間重合反応を行い、次に、アゾビスイソブチロニトリルを0.07部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.07部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行った。
その後、ハイドロキノンを0.03部、ジメチルベンジルアミンを0.8部、アクリル酸を1部(前記、グリシジルメタクリレート:2部の変性に要する量)添加し、100℃で15時間加熱撹拌した。酸価が2以下であることを確認し、数平均分子量が75,000、水酸基価が18.0(mgKOH/g)、Tgが30℃、ヨウ素価が3.6(g/100g)、固形分50%の(メタ)アクリル系共重合体A3溶液を得た。
【0099】
<(メタ)アクリル系共重合体A4溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、メチルメタクリレート40部、n−ブチルメタクリレート56部、2−ヒドロキシルエチルメタクリレート4部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら100℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.15部加えて2時間重合反応を行い、次に、アゾビスイソブチロニトリルを0.07部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.07部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行った。
その後、ハイドロキノンを0.03部、ジブチルスズジラウレートを0.03部添加し、2−イソシアナトエチルメタクリレート:1.7部(前記、2−ヒドロキシルエチルメタクリレート:4部のうち、約2部の変性に要する量)をメチルエチルケトン1.7部に溶解したものを、40℃で撹拌しながら2時間かけて滴下した。IRでイソシアネートピーク(2260cm
−1)が消失したことを確認し、数平均分子量が38,000、水酸基価が8.6(mgKOH/g)、Tgが50℃、ヨウ素価が3.9(g/100g)、固形分50%の(メタ)アクリル系共重合体A4溶液を得た。
【0100】
<(メタ)アクリル系共重合体A5溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、メチルメタクリレート18部、n−ブチルメタクリレート78部、2−ヒドロキシルエチルメタクリレート4部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら100℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.15部加えて2時間重合反応を行い、次に、アゾビスイソブチロニトリルを0.07部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.07部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行った。
その後、ハイドロキノンを0.03部、ジブチルスズジラウレートを0.03部添加し、2−イソシアナトエチルメタクリレート:2.9部(前記、2−ヒドロキシルエチルメタクリレート:4部のうち、約3.5部の変性に要する量)をメチルエチルケトン2.9部に溶解したものを、40℃で撹拌しながら2時間かけて滴下した。IRでイソシアネートピーク(2260cm
−1)が消失したことを確認し、数平均分子量が33,000、水酸基価が2.1(mgKOH/g)、Tgが27℃、ヨウ素価が6.9(g/100g)、固形分50%の(メタ)アクリル系共重合体A5溶液を得た。
【0101】
<(メタ)アクリル系共重合体A6溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、メチルメタクリレート18部、n−ブチルメタクリレート78部、2−ヒドロキシルエチルメタクリレート2部、無水フタル酸2部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら100℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.15部加えて2時間重合反応を行い、次に、アゾビスイソブチロニトリルを0.07部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.07部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行った。 その後、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(前記、無水フタル酸:2部の変性に要する量)を0.85部、トリエチルアミンを0.5部添加し、110℃で7時間加熱撹拌することで、数平均分子量が36,000、水酸基価が8.5(mgKOH/g)、Tgが30℃、ヨウ素価が5.1(g/100g)、固形分50%の(メタ)アクリル系共重合体A6溶液を得た。
【0102】
<(メタ)アクリル系共重合体A7溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、n−ブチルメタクリレート96部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート2部、グリシジルメタクリレート2部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら100℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.15部加えて2時間重合反応を行い、次に、アゾビスイソブチロニトリルを0.07部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.07部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行った。
その後、ハイドロキノンを0.03部、ジメチルベンジルアミンを0.8部、アクリル酸を1部(前記、グリシジルメタクリレート:2部の変性に要する量)添加し、100℃で15時間加熱撹拌した。酸価が2以下であることを確認し、数平均分子量が38,000、水酸基価が17.0(mgKOH/g)、Tgが20℃、ヨウ素価が3.5(g/100g)、固形分50%の(メタ)アクリル系共重合体A7溶液を得た。
【0103】
<(メタ)アクリル系共重合体A8溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、メチルメタクリレート90部、n−ブチルメタクリレート6部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート2部、グリシジルメタクリレート2部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら100℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.15部加えて2時間重合反応を行い、次に、アゾビスイソブチロニトリルを0.07部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.07部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行った。
その後、ハイドロキノンを0.03部、ジメチルベンジルアミンを0.8部、アクリル酸を1部(前記、グリシジルメタクリレート:2部の変性に要する量)添加し、100℃で15時間加熱撹拌した。酸価が2以下であることを確認し、数平均分子量が41,000、水酸基価が17.0(mgKOH/g)、Tgが96℃、ヨウ素価が3.6(g/100g)、固形分50%の(メタ)アクリル系共重合体A8溶液を得た。
【0104】
<(メタ)アクリル系共重合体A9溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、メチルメタクリレート20部、n−ブチルメタクリレート63部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート15部、グリシジルメタクリレート2部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら100℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.15部加えて2時間重合反応を行い、次に、アゾビスイソブチロニトリルを0.07部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.07部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行った。
その後、ハイドロキノンを0.03部、ジメチルベンジルアミンを0.8部、アクリル酸を1部(前記、グリシジルメタクリレート:2部の変性に要する量)添加し、100℃で15時間加熱撹拌した。酸価が2以下であることを確認し、数平均分子量が45,000、水酸基価が73.0(mgKOH/g)、Tgが40℃、ヨウ素価が3.6(g/100g)、固形分50%の(メタ)アクリル系共重合体A9溶液を得た。
【0105】
<(メタ)アクリル系共重合体A10溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、メチルメタクリレート45部、n−ブチルメタクリレート38部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート2部、グリシジルメタクリレート15部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら100℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.15部加えて2時間重合反応を行い、次に、アゾビスイソブチロニトリルを0.07部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.07部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行った。
その後、ハイドロキノンを0.03部、ジメチルベンジルアミンを0.8部、アクリル酸を7.5部(前記、グリシジルメタクリレート:15部の変性に要する量)添加し、100℃で15時間加熱撹拌した。酸価が2以下であることを確認し、数平均分子量が37,000、水酸基価が8.3(mgKOH/g)、Tgが57℃、ヨウ素価が27.4(g/100g)、固形分52%の(メタ)アクリル系共重合体A10溶液を得た。
【0106】
<(メタ)アクリル系共重合体A11溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、メチルメタクリレート19.5部、n−ブチルメタクリレート78部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート2部、グリシジルメタクリレート0.5部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら100℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.06部加えて2時間重合反応を行い、次に、アゾビスイソブチロニトリルを0.05部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.05部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行った。
その後、ハイドロキノンを0.03部、ジメチルベンジルアミンを0.8部、アクリル酸を0.25部(前記、グリシジルメタクリレート:0.5部の変性に要する量)添加し、100℃で15時間加熱撹拌した。酸価が2以下であることを確認し、数平均分子量が120,000、水酸基価が10.8(mgKOH/g)、Tgが34℃、ヨウ素価が0.8(g/100g)、固形分50%の(メタ)アクリル系共重合体A11溶液を得た。
【0107】
<(メタ)アクリル系共重合体A12溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、メチルメタクリレート18部、n−ブチルメタクリレート78部、2−ヒドロキシルエチルメタクリレート4部、酢酸エチル100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら77℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.05部加えて2時間重合反応を行った。次に、酢酸エチル22部、および0.05部のアゾビスイソブチロニトリルを加えて2時間重合反応を行い、更に、酢酸エチル22部、および0.05部のアゾビスイソブチロニトリルを加えて2時間重合反応を行った。その後、酢酸エチル36部および0.05部のアゾビスイソブチロニトリルを加えて2時間重合反応を行い、さらに0.05部のアゾビスイソブチロニトリルを加えて2時間重合反応を行った。
その後、ハイドロキノンを0.03部、ジブチルスズジラウレートを0.03部添加し、2−イソシアナトエチルメタクリレート:1.7部(前記、2−ヒドロキシルエチルメタクリレート:4部のうち、約2部の変性に要する量)をメチルエチルケトン1.7部に溶解したものを、40℃で撹拌しながら2時間かけて滴下した。IRでイソシアネートピーク(2260cm
−1)が消失したことを確認し、数平均分子量が242,000、水酸基価が8.0(mgKOH/g)、Tgが30℃、ヨウ素価が3.9(g/100g)、固形分35%の(メタ)アクリル系共重合体A12溶液を得た。
【0108】
<アクリル系共重合体A13溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、メチルメタクリレート55部、n−ブチルメタクリレート20部、2−ヒドロキシルエチルメタクリレート25部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら100℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.13部加えて2時間重合反応を行い、次に、アゾビスイソブチロニトリルを0.07部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.07部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行った。
その後、ハイドロキノンを0.03部、ジブチルスズジラウレートを0.03部添加し、2−イソシアナトエチルメタクリレート:2.9部(前記、2−ヒドロキシルエチルメタクリレート:25部のうち、約2部の変性に要する量)をメチルエチルケトン2.9部に溶解したものを、40℃で撹拌しながら2時間かけて滴下した。IRでイソシアネートピーク(2260cm
−1)が消失したことを確認し、数平均分子量が45,000、水酸基価が96.4(mgKOH/g)、Tgが72℃、ヨウ素価が4.0(g/100g)、固形分50%の(メタ)アクリル系共重合体A13溶液を得た。
【0109】
<(メタ)アクリル系共重合体A14溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、メチルメタクリレート18部、n−ブチルメタクリレート80部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート2部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら100℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.15部加えて2時間重合反応を行い、次に、アゾビスイソブチロニトリルを0.07部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.07部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行い、数平均分子量が38,000、水酸基価が8.6(mgKOH/g)、Tgが33℃、ヨウ素価が0(g/100g)、固形分50%の(メタ)アクリル系共重合体A14溶液を得た。
【0110】
<(メタ)アクリル系共重合体A15溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、メチルメタクリレート18部、n−ブチルメタクリレート78部、2−ヒドロキシルエチルメタクリレート4部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら100℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.15部加えて2時間重合反応を行い、次に、アゾビスイソブチロニトリルを0.07部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.07部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行った。
その後、ハイドロキノンを0.03部、ジブチルスズジラウレートを0.03部添加し、2−イソシアナトエチルメタクリレート:3.3部(前記、2−ヒドロキシルエチルメタクリレート:4部の変性に要する量)をメチルエチルケトン3.3部に溶解したものを、40℃で撹拌しながら2時間かけて滴下した。IRでイソシアネートピーク(2260cm
−1)が消失したことを確認し、数平均分子量が37,000、水酸基価が0(mgKOH/g)、Tgが34℃、ヨウ素価が0(g/100g)、形分50%の(メタ)アクリル系共重合体A15溶液を得た。
【0111】
<(メタ)アクリル系共重合体A16溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、メチルメタクリレート18部、n−ブチルメタクリレート78部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート2部、グリシジルメタクリレート2部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら100℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.6部加えて2時間重合反応を行い、次に、アゾビスイソブチロニトリルを0.05部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.05部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行った。
その後、ハイドロキノンを0.03部、ジメチルベンジルアミンを0.8部、アクリル酸を1部(前記、2−ヒドロキシルエチルメタクリレート:2部の変性に要する量)添加し、100℃で15時間加熱撹拌した。酸価が2以下であることを確認し、数平均分子量が14,000、水酸基価が17.0(mgKOH/g)、Tgが31℃、ヨウ素価が3.6(g/100g)、固形分50%の(メタ)アクリル系共重合体A16溶液を得た。
【0112】
<(メタ)アクリル系共重合体A17溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、n−ブチルメタクリレート30部、2−エチルヘキシルメタクリレート66部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート2部、グリシジルメタクリレート2部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら100℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.15部加えて2時間重合反応を行い、次に、アゾビスイソブチロニトリルを0.07部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.07部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行った。
その後、ハイドロキノンを0.03部、ジメチルベンジルアミンを0.8部、アクリル酸を1部(前記、2−ヒドロキシルエチルメタクリレート:2部の変性に要する量)添加し、100℃で15時間加熱撹拌した。酸価が2以下であることを確認し、数平均分子量が35,000、水酸基価が18.3(mgKOH/g)、Tgが0℃、ヨウ素価が3.6(g/100g)、固形分50%の(メタ)アクリル系共重合体A17溶液を得た。
【0113】
<(メタ)アクリル系共重合体A18溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、メチルメタクリレート96部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート2部、グリシジルメタクリレート2部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら100℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.15部加えて2時間重合反応を行い、次に、アゾビスイソブチロニトリルを0.07部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.07部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行った。
その後、ハイドロキノンを0.03部、ジメチルベンジルアミンを0.8部、アクリル酸を1部(前記、グリシジルメタクリレート:2部の変性に要する量)添加し、100℃で15時間加熱撹拌した。酸価が2以下であることを確認し、数平均分子量が30,000、水酸基価が16.7(mgKOH/g)、Tgが102℃、ヨウ素価が3.6(g/100g)、固形分50%の(メタ)アクリル系共重合体A18溶液を得た。
【0114】
<(メタ)アクリル系共重合体A19溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、メチルメタクリレート55部、n−ブチルメタクリレート20部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート15部、グリシジルメタクリレート10部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら100℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.12部加えて2時間重合反応を行い、次に、アゾビスイソブチロニトリルを0.07部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.07部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行った。
その後、ハイドロキノンを0.03部、ジメチルベンジルアミンを0.8部、アクリル酸を5部(前記、グリシジルメタクリレート:10部の変性に要する量)添加し、100℃で15時間加熱撹拌した。酸価が2以下であることを確認し、数平均分子量が60,000、水酸基価が108.5(mgKOH/g)、Tgが70℃、ヨウ素価が17.3(g/100g)、固形分51%の(メタ)アクリル系共重合体A19溶液を得た。
【0115】
<(メタ)アクリル系共重合体A20溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、メチルメタクリレート20部、n−ブチルメタクリレート48部、2−ヒドロキシルエチルメタクリレート32部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら100℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.15部加えて2時間重合反応を行い、次に、アゾビスイソブチロニトリルを0.07部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.07部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行った。
その後、ハイドロキノンを0.03部、ジブチルスズジラウレートを0.03部添加し、2−イソシアナトエチルメタクリレート25部(前記、2−ヒドロキシルエチルメタクリレート:32部のうと、約30部の変性に要する量)をメチルエチルケトン25部に溶解したものを、40℃で撹拌しながら2時間かけて滴下した。IRでイソシアネートピーク(2260cm
−1)が消失したことを確認し、数平均分子量が42,000、水酸基価が9.1(mgKOH/g)、Tgが45℃、ヨウ素価が57.6(g/100g)、固形分50%の(メタ)アクリル系共重合体A20溶液を得た。
【0116】
<(メタ)アクリル系共重合体A21溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、メチルメタクリレート18部、n−ブチルメタクリレート80部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート2部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら100℃まで昇温した。次いで、アゾビスイソブチロニトリルを0.15部加えて2時間重合反応を行った。続いて、アゾビスイソブチロニトリルを0.07部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.07部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行うことにより、数平均分子量が36,000、水酸基価が9.0(mgKOH/g)、Tgが31℃、ヨウ素価が0(g/100g)、固形分50%の(メタ)アクリル系共重合体A21溶液を得た。
【0117】
<(メタ)アクリル系共重合体A22溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、メチルメタクリレート18部、n−ブチルメタクリレート80部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート2部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら100℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.40部加えて2時間重合反応を行った。続いて、アゾビスイソブチロニトリルを0.05部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.05部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行うことにより、数平均分子量が16,000、水酸基価が8.3(mgKOH/g)、Tgが33℃、ヨウ素価が0(g/100g)、固形分50%の(メタ)アクリル系共重合体A22溶液を得た。
【0118】
<(メタ)アクリル系共重合体A23溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、メチルメタクリレート18部、n−ブチルメタクリレート80部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート2部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら80℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.075部加えて2時間重合反応を行った。続いて、アゾビスイソブチロニトリルを0.07部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.07部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行うことにより、数平均分子量が76,000、水酸基価が8.0(mgKOH/g)、Tgが34℃、ヨウ素価が0(g/100g)、固形分50%の(メタ)アクリル系共重合体A23溶液を得た。
【0119】
<(メタ)アクリル系共重合体A24溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、n−ブチルメタクリレート98部、2−ヒドロキシルエチルメタクリレート2部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら100℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.15部加えて2時間重合反応を行った。続いて、アゾビスイソブチロニトリルを0.07部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.07部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行うことにより、数平均分子量が35,000、水酸基価が8.8(mgKOH/g)、Tgが19℃、ヨウ素価が0(g/100g)、固形分50%の(メタ)アクリル系共重合体A24溶液を得た。
【0120】
<(メタ)アクリル系共重合体A25溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、メチルメタクリレート90部、n−ブチルメタクリレート8部、2−ヒドロキシルエチルメタクリレート2部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら100℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.15部加えて2時間重合反応を行った。続いて、アゾビスイソブチロニトリルを0.07部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.07部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行うことにより、数平均分子量が40,000、水酸基価が8.0(mgKOH/g)、Tgが95℃、ヨウ素価が0(g/100g)、固形分50%の(メタ)アクリル系共重合体A25溶液を得た。
【0121】
<(メタ)アクリル系共重合体A26溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、メチルメタクリレート35部、n−ブチルメタクリレート50部、2−ヒドロキシルエチルメタクリレート15部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら100℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.15部加えて2時間重合反応を行った。続いて、アゾビスイソブチロニトリルを0.07部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.07部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行うことにより、数平均分子量が28,000、水酸基価が62.6(mgKOH/g)、Tgが51℃、ヨウ素価が0(g/100g)、固形分50%の(メタ)アクリル系共重合体A26溶液を得た。
【0122】
<(メタ)アクリル系共重合体A27溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、メチルメタクリレート18部、n−ブチルメタクリレート78部、2−ヒドロキシルエチルメタクリレート4部、酢酸エチル100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら77℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.05部加えて2時間重合反応を行った。次に、酢酸エチル22部、および0.05部のアゾビスイソブチロニトリルを加えて2時間重合反応を行い、更に、酢酸エチル22部、および0.05部のアゾビスイソブチロニトリルを加えて2時間重合反応を行った。その後、酢酸エチル36部および0.05部のアゾビスイソブチロニトリルを加えて2時間重合反応を行い、さらに0.05部のアゾビスイソブチロニトリルを加えて2時間重合反応を行い、数平均分子量が244,000、水酸基価が16.0(mgKOH/g)、Tgが35℃、ヨウ素価が0(g/100g)、固形分35%の(メタ)アクリル系共重合体溶液A27を得た。
【0123】
<(メタ)アクリル系共重合体A28溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、メチルメタクリレート57部、n−ブチルメタクリレート20部、2−ヒドロキシルエチルメタクリレート23部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら100℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.13部加えて2時間重合反応を行い、次に、アゾビスイソブチロニトリルを0.07部加えてさらに2時間重合反応を行った。更に0.07部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行い、数平均分子量が42,000、水酸基価が97.9(mgKOH/g)、Tgが73℃、ヨウ素価が0(g/100g)、固形分50%のアクリル樹脂溶液A28を得た。
【0124】
<(メタ)アクリル系共重合体A29溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、メチルメタクリレート18部、n−ブチルメタクリレート82部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら100℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.15部加えて2時間重合反応を行った。続いて、アゾビスイソブチロニトリルを0.07部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.07部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行うことにより、数平均分子量が42,000、水酸基価が0(mgKOH/g)、Tgが36℃、ヨウ素価が0(g/100g)、固形分50%の(メタ)アクリル系共重合体A29溶液を得た。
【0125】
<(メタ)アクリル系共重合体A30溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、メチルメタクリレート18部、n−ブチルメタクリレート80部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート2部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら100℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.6部加えて2時間重合反応を行った。続いて、アゾビスイソブチロニトリルを0.05部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.05部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行うことにより、数平均分子量が12,000、水酸基価が8.6(mgKOH/g)、Tgが33℃、ヨウ素価が0(g/100g)、固形分50%の(メタ)アクリル系共重合体A30溶液を得た。
【0126】
<(メタ)アクリル系共重合体A31溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、n−ブチルメタクリレート32部、2−エチルヘキシルメタクリレート66部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート2部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら100℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.15部加えて2時間重合反応を行った。続いて、アゾビスイソブチロニトリルを0.07部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.307部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行うことにより、数平均分子量が36,000、水酸基価が9.2(mgKOH/g)、Tgが2℃、ヨウ素価が0(g/100g)、固形分50%の(メタ)アクリル系共重合体A31溶液を得た。
【0127】
<(メタ)アクリル系共重合体A32溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、メチルメタクリレート98部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート2部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら100℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.15部加えて2時間重合反応を行った。続いて、アゾビスイソブチロニトリルを0.07部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.07部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行うことにより、数平均分子量が38,000、水酸基価が8.1(mgKOH/g)、Tgが104℃、ヨウ素価が0(g/100g)、固形分50%の(メタ)アクリル系共重合体A32溶液を得た。
【0128】
<(メタ)アクリル系共重合体A33溶液>
冷却管、撹拌装置、温度計、窒素導入管を備えた4つ口フラスコに、メチルメタクリレート20部、n−ブチルメタクリレート55部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート25部、トルエン100部を仕込み、窒素雰囲気下で撹拌しながら100℃まで昇温し、アゾビスイソブチロニトリルを0.15部加えて2時間重合反応を行った。続いて、アゾビスイソブチロニトリルを0.07部加えてさらに2時間重合反応を行い、更に0.07部のアゾビスイソブチロニトリルを加えてさらに2時間重合反応を行うことにより、数平均分子量が37,000、水酸基価が109(mgKOH/g)、Tgが44℃、ヨウ素価が0(g/100g)、固形分50%の(メタ)アクリル系共重合体A33溶液を得た。
【0129】
<ポリイソシアネート化合物溶液B>
3,5−ジメチルピラゾールでブロックされた、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体を、酢酸エチルで75%に希釈し、ポリイソシアネート化合物溶液(B)を得た。
【0130】
<(メタ)アクリロイル基を有する化合物C1〜C6>
(メタ)アクリロイル基を有する化合物C1〜C6には、表4、表5に記載した化合物をそのまま用いた。
【0131】
<アリル基含有化合物H1〜H4>
アリル基含有化合物H1〜H4には、表4、表5に記載した化合物をそのまま用いた。
【0132】
<易接着剤溶液1〜25の調整>
(メタ)アクリル系共重合体(A)溶液、ポリイソシアネート化合物(B)溶液を表3に示す組成にて混合し、さらに(メタ)アクリル系共重合体(A)溶液の固形分100重量部に対して、いずれも触媒としてジオクチル錫ラウレートを0.01重量部配合し、易接着剤溶液1〜25を得た。
【0133】
<易接着剤溶液26〜56の調整>
(メタ)アクリル系共重合体(A)溶液、ポリイソシアネート化合物(B)溶液、(メタ)アクリロイル基を有する化合物(C)、アリル基含有化合物(H)、を表4、表5に示す組成にて混合し、さらに(メタ)アクリル系共重合体(A)溶液の固形分100重量部に対して、いずれも触媒としてジオクチル錫ラウレートを0.01重量部配合し、易接着剤溶液26〜56を得た。
【0134】
<易接着剤溶液のヨウ素価の測定>
易接着剤溶液1〜56を120℃で60分間加熱し、乾固させ、前述の方法でヨウ素価を測定した。
【0135】
<ポリエステルフィルム1の作成>
固有粘度が0.67(dl/g)で、かつ、環状三量体含有量が0.5重量%のポリエステル樹脂をT−ダイ押出機により設定温度250℃の条件で、厚さ125μmのポリエステルフィルム1を作成した。
【0136】
<太陽電池用保護シートの作製>
ポリエステルフィルム1の片面にコロナ処理し、その処理面に易接着剤溶液1をグラビアコーターによって塗布し、溶剤を乾燥させ、塗布量:1g/平方メートルの易接着剤層を設け、太陽電池用保護シート1を作製した。
【0137】
太陽電池用保護シート1と同様にして、易接着剤溶液2〜56を用いて、太陽電池用保護シート2〜56を作製した。
【0138】
ポリエステルフィルム1の片面にコロナ処理したものを太陽電池用保護シート57とした。
【0139】
<接着力評価用サンプルの作製>
白板ガラス、酢酸ビニル−エチレン共重合体フィルム(サンビック(株)製、スタンダードキュアタイプ、以下EVAフィルム)、太陽電池用保護シート1を、太陽電池用保護シート1の易接着剤層がEVAフィルムに接するように順に重ねた。その後、この積層体を真空ラミネーターに入れ、1Torr程度に真空排気して、プレス圧力0.1MPaで、150℃30分間加熱後、さらに150℃で30分間加熱し、10cm×10cm角の接着力評価用サンプル1を作製した。
【0140】
接着力評価用サンプル1と同様にして、太陽電池用保護シート2〜56を用いて、接着力評価用サンプル2〜56を作製した。
【0141】
白板ガラス、EVAフィルム、太陽電池用保護シート57を、太陽電池用保護シート57のコロナ処理面がEVAフィルムに接するように順に重ね、接着力評価用サンプル1と同様にして、接着力評価用サンプル57を作製した。
【0142】
[実施例1]
接着力評価用サンプル1を用い、後述する方法で、易接着剤層のEVAフィルムへの接着性、耐湿熱試験(1000時間後、2000時間後)接着性の評価を行った。
【0143】
<接着性測定>
接着力評価用サンプル1の太陽電池用保護シート1面をカッターで15mm幅に切り、太陽電池用保護シート1に形成された易接着剤層と封止材であるEVAフィルムとの接着力を測定した。測定には、引っ張り試験機を用い、荷重速度100mm/minで180度剥離試験を行った。得られた測定値に対して、以下のように評価した。
◎:50N/15mm以上
○:30N/15mm以上〜50N/15mm未満
△:10N/15mm以上〜30N/15mm未満
×:10N/15mm未満
【0144】
<耐湿熱試験後接着性>
接着力評価用サンプル1を、温度85℃、相対湿度85%RHの環境条件で、1000時間、2000時間静置した後、接着性測定と同様にして、耐湿熱試験後接着性の評価を行った。
【0145】
[実施例2〜35]、[比較例1〜21]
実施例1と同様にして、接着力評価用サンプル2〜56を用い、易接着剤層のEVAフィルムへの接着性、耐湿熱試験後接着性の評価を行った。
【0146】
[比較例22]
易接着剤溶液を用いずに作製した接着力評価用サンプル57を用い、ポリエステルフィルム表面とEVAフィルムとの接着性、耐湿熱試験後接着性の評価を行った。
以上の結果を表5に示す。
【0147】
【表1】
【0148】
【表2】
【0149】
【表3】
【0150】
【表4】
【0151】
【表5】
【0152】
表3、4に示されるように、実施例1〜16、17〜35は、本発明の易接着剤を使用した太陽電池用太陽電池用保護シートがEVAフィルムに対して十分な接着性、耐湿熱試験後接着性を有する。
【0153】
これに対して、表3、5に示されるように、比較例1と比較例15は、ヨウ素価が0なので接着性に劣る。
比較例2と比較例10は、OH価が2より小さいために架橋が十分でなく耐湿熱試験後接着性に劣る。
比較例3と比較例11は、アクリル系共重合体の数平均分子量が低すぎて耐湿熱試験後接着性に劣る。
比較例4と比較例12は、(メタ)アクリル系共重合体(A)のTgが低すぎて凝集力が小さいために接着性に劣り、比較例5と比較例13は(メタ)アクリル系共重合体(A)のTgが高すぎて易接着剤層(D’)が硬くなるために接着性に劣る。
【0154】
比較例6と比較例14は、アクリル系共重合体のOH価が100より大きく、比較例7は、ヨウ素価が50より大きすぎるために架橋が過剰になって接着性に劣る。
比較例8と比較例20は、アクリル系共重合体と硬化剤のNCO/OH比が0であるため耐湿熱試験後接着性に劣り、比較例9と比較例21はNCO/OH比が10で架橋が過剰になって接着性、耐湿熱試験後接着性に劣る。
【0155】
比較例16〜19は、(メタ)アクロイル基を有する化合物(B)の代わりにアリル基含有化合物(H)を添加しているが、アリル基は(メタ)アクリロイル基に比べて反応性が低いため、充分な接着力向上効果が得られない。
【0156】
[実施例36]
<太陽電池モジュールの作製>
白板ガラス・・・太陽電池表面保護材(I)
EVAフィルム・・・受光面側の封止材(II)
多結晶シリコン太陽電池素子・・・太陽電池セル(III)
EVAフィルム・・・非受光面側の封止材(IV)
上記(I)−(IV)及び太陽電池裏面保護材(V)として、太陽電池用保護シート1を、太陽電池用保護シート1の易接着剤層が非受光面側の封止材(IV)に接するように順に重ねた後、真空ラミネーターに入れ、1Torr程度に真空排気して、プレス圧力として大気圧の圧力をかけた状態で、150℃、30分間加熱後、さらに150℃で30分間加熱し、10cm×10cm角の光電変換効率評価用太陽電池モジュール1を作製した。
【0157】
<光電変換効率の測定>
得られた太陽電池モジュール1の太陽電池出力を測定し、JIS C8912に従って、ソーラーシュミレーター(英弘精機製、SS−100XIL)を用いて光電変換効率を測定した。
さらに、温度85℃、相対湿度85%RHの環境条件で500時間、1000時間、1500時間、2000時間静置した後の耐湿熱試験後の光電変換効率を、同様にして測定した。初期の光電変換効率に対する、耐湿熱試験後の光電変換効率の低下の割合を計算し、以下のように評価した。
○:出力の低下が10%未満
△:出力の低下が10%以上〜15%未満
×:出力の低下が20%以上
【0158】
[実施例37〜45]、[比較例23〜28]
実施例36と同様にして、太陽電池用保護シート2〜5、17〜19、26〜30、45〜47を用いて太陽電池モジュール2−16を作製し、光電変換効率(初期、耐湿熱試験後)を測定した。
【0159】
[比較例29]
太陽電池用保護シート1の代わりに太陽電池用保護シート57を用い、コロナ処理面が非受光面側の封止材(IV)に接するように積層した以外は、実施例36と同様にして、光電変換効率(初期、耐湿熱試験後)を測定した。以上の結果を表6に示す。
【0160】
【表6】
【0161】
表6に示されるように、実施例37〜46は出力の低下は見られないが、比較例23〜28はEVAフィルムと、太陽電池用保護シートの接着性が十分でないため、水分の侵入により太陽電池素子の劣化を招き、光電変換効率が低下する。
【0162】
[実施例46]
<太陽電池モジュールの作製>
EVAフィルム・・・受光面側の封止材(II)
多結晶シリコン太陽電池素子・・・太陽電池セル(III)
EVAフィルム・・・非受光面側の封止材(IV)
上記(II)−(IV)及び太陽電池表面保護部材(I)及び太陽電池裏面保護材(V)として、太陽電池用保護シート1を、太陽電池用保護シート1の易接着剤層が、受光面側の封止材(II)及び非受光面側の封止材(IV)に接するように順に重ねた後、真空ラミネーターに入れ、1Torr程度に真空排気して、プレス圧力として大気圧の圧力をかけた状態で、150℃、30分間加熱後、さらに150℃で30分間加熱し、10cm×10cm角の光電変換効率評価用太陽電池モジュール18を作製した。
【0163】
<光電変換効率の測定>
得られた太陽電池モジュール18の太陽電池出力を測定し、JIS C8912に従って、ソーラーシュミレーター(英弘精機製、SS−100XIL)を用いて光電変換効率を測定した。
さらに、温度85℃、相対湿度85%RHの環境条件で500時間、1000時間、1500時間、2000時間静置した後の耐湿熱試験後の光電変換効率を、同様にして測定した。初期の光電変換効率に対する、耐湿熱試験後の光電変換効率の低下の割合を計算し、以下のように評価した。
○:出力の低下が10%未満
△:出力の低下が10%以上〜15%未満
×:出力の低下が20%以上
【0164】
[実施例47〜55]、[比較例30〜35]
実施例46と同様にして、太陽電池用保護シート2〜5、17〜19、26〜30、45〜47を用いて太陽電池モジュール18−33を作製し、光電変換効率(初期、耐湿熱試験後)を測定した。
【0165】
[比較例36]
太陽電池用保護シート1の代わりに太陽電池用保護シート57を用い、太陽電池用保護シート57のコロナ処理面が受光面側の封止材(II)及び非受光面側の封止材(IV)に接するように積層した以外は、実施例46と同様にして、光電変換効率(初期、耐湿熱試験後)を測定した。以上の結果を表7に示す。
【0166】
【表7】
【0167】
表7に示されるように、実施例47〜56は出力の低下は見られないが、比較例30〜36はEVAフィルムと、太陽電池用保護シートの接着性が十分でないため、水分の侵入により太陽電池素子の劣化を招き、光電変換効率が低下する。