【実施例】
【0139】
以下、さらに具体的な実施例を示すが、本発明の開示はこれに限定されない。実施例1〜6に、スキーム1の方法を示す。実施例7〜10に、スキーム2の方法を示す。
【0140】
(参考例1)
フルオロ[(1R,5R)−5−ヒドロキシシクロペンタ−2−エン−1−イル]プロパン二酸ジメチル(8a)及びフルオロ[(1S,5S)−5−ヒドロキシシクロペンタ−2−エン−1−イル]プロパン二酸ジメチル(8b)の混合物
【0141】
【化14】
【0142】
フルオロプロパン二酸ジメチル(7)18.19g(121.2mmol)のメタノール(90.4mL)溶液に、ナトリウムメトキシド(NaOMe)の25w/w%メタノール溶液23.81g(110.2mmol)を3分間にわたって添加した。その間、内部の温度を25℃から38℃の間に保った。得られた溶液を15分間攪拌した後、6−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサ−2−エン(6)4.52g(55.1mmol)を2分間にわたって添加した。その間、内部の温度を25℃から38℃の間に保った。室温下で1時間攪拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液45mLを10分間にわたって添加した。その間、内部の温度を26℃から35℃の間に保った。反応混合物を減圧下濃縮し、メタノールを概ね留去し、固形物を含む褐色溶液108gを得た。酢酸エチル136mLで2回抽出した後、水45mLで洗浄した。有機層を減圧下濃縮した後、トルエン100mLを加え再び減圧下濃縮した。濃縮残渣をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:トルエン/酢酸エチル)により精製することにより、黄色の油状物として式8aの化合物及び式8bの化合物の混合物7.21gを得た。
【0143】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6): δ(ppm) 2.13-2.17 (m, 1H), 2.56 (dddd, J= 2.2, 4.3, 7.1, 17.2 Hz, 1H), 3.32-3.40 (m, 1H), 3.77 (s, 3H), 3.79 (s, 3H), 4.20 (m, 1H), 5.04 (d, J= 6.1 Hz, 1H), 5.47 (ddd, J= 2.1, 4.3, 6.1 Hz, 1H), 5.85 (ddd, J= 2.2, 4.4, 6.1 Hz, 1H).
13C NMR (125 MHz, DMSO-d
6):δ(ppm) 41.93, 53.39 (d, J= 19.5 Hz), 58.70 (d, J= 20.8 Hz), 70.43 (d, J= 2.6 Hz), 93.55, 95.14, 125.59, 133.32, 165.42 (d, J= 15.6 Hz), 165.62 (d, J= 14.3 Hz).
19F NMR (470 MHz, DMSO-d
6): δ(ppm) -172.43, -172.36. HRMS(ES)m/z: [M+Na]
+calcd for C
10H
13O
5FNa; 255.0645, found 255.0635. IR (neat) 3528, 3408, 2960, 1755, 1438, 1284, 1253, 1173, 1111, 1068, 1031, 936, 838, 787, 722, 668, 415 cm
-1.
【0144】
(参考例2)
フルオロ[(1R,5R)−5−ヒドロキシシクロペンタ−2−エン−1−イル]酢酸メチル(9a)及びフルオロ[(1S,5S)−5−ヒドロキシシクロペンタ−2−エン−1−イル]酢酸メチル(9b)の混合物
【0145】
【化15】
【0146】
式8aの化合物及び式8bの化合物の混合物17.27g(74.50mmol)にジメチルスルホキシド(DMSO)172.51gと水25.92gを加えた。この溶液に塩化リチウム9.65g(227.65mmol)を加えて130℃で2時間加熱攪拌した。放冷後、酢酸エチル500mLで3回反応液を抽出した後、有機層を減圧濃縮し、濃縮残渣を得た。この濃縮残渣をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチル=1:1)により精製することにより、黄色の油状物として式9aの化合物及び式9bの化合物の混合物3.674gを得た。
【0147】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6): δ(ppm) 2.11-2.17 (m, 1.6H), 2.53-2.60 (m, 1.6H), 2.87-2.96 (m, 1.6H), 3.71 (s, 1.8H), 3.73 (s, 3H), 4.23-4.28 (m, 1.6H), 4.93 (d, J= 5.0 Hz, 0.6H), 5.07 (d, J= 5.4 Hz, 1H), 5.11 (dd, J= 4.2, 48.3 Hz, 0.6H), 5.17 (dd, J= 3.8, 48.5 Hz, 1H), 5.42-5.45 (m, 1H), 5.55-5.58 (m, 0.6H), 5.78-5.80 (m, 1.6H).
13C NMR (125 MHz, DMSO-d
6): δ(ppm) 41.29, 41.83, 51.95, 52.13, 56.80 (d, J= 20.8 Hz), 57.06 (d, J= 19.5 Hz), 70.49 (d, J= 5.2 Hz), 71.90 (d, J= 2.6 Hz), 88.36 (d, J= 184.3 Hz), 88.48 (d, J= 184.3 Hz), 125.93 (d, J= 5.2 Hz), 127.28 (d, J= 3.9 Hz), 131.76, 132.13, 169.05 (d, J= 24.7 Hz), 169.21 (d, J= 24.7 Hz).
19F NMR (470 MHz, DMSO-d
6):δ(ppm) -197.87 (dd, J= 29.2, 47.5 Hz), -194.53 (dd, J= 25.7, 47.8 Hz). HRMS(ES)m/z: [M+Na]
+calcd for C
8H
11O
3FNa; 197.0590, found 197.0578. IR (neat) 3410, 3060, 2956, 2851, 1747, 1440, 1357, 1288, 1228, 1127, 1097, 1067, 1048, 1025, 952, 856, 724, 584, 450 cm
-1.
【0148】
(参考例3)
フルオロ[(1R,5R)−5−ヒドロキシシクロペンタ−2−エン−1−イル]酢酸メチル(9a)及びフルオロ[(1S,5S)−5−ヒドロキシシクロペンタ−2−エン−1−イル]酢酸メチル(9b)の混合物
式8aの化合物及び式8bの化合物の混合物70.02g(0.3015mmol)にジメチルスルホキシド70.06gとトリエチルアミン塩酸塩45.64g(33.16mol)を加えて110〜120℃で5時間加熱攪拌した。放冷後、水350.9gを加え、メチルイソブチルケトン350gで2回反応液を抽出した。有機層を減圧濃縮することにより、式9aの化合物及び式9bの化合物の混合物46.78g(ガスクロマトグラフによる定量値)を含む褐黄色の油状物65.40gを得た。
【0149】
(参考例4)
フルオロ[(1R,5R)−5−ヒドロキシシクロペンタ−2−エン−1−イル]酢酸メチル(9a)及びフルオロ[(1S,5S)−5−ヒドロキシシクロペンタ−2−エン−1−イル]酢酸メチル(9b)の混合物
式8aの化合物及び式8bの化合物の混合物0.232g(1.00mmol)にジメチルスルホキシド1mLと塩化ナトリウム0.073g(1.25mmol)及び酢酸0.061g(1.00mmol)を加えて110〜120℃で5時間加熱攪拌した。放冷後、高速液体クロマトグラフで分析したところ、式9aの化合物及び式9bの化合物の混合物0.146g(高速液体クロマトグラフによる定量値)を得た。
【0150】
(参考例5)
フルオロ[(1R,2S,3R,5S)−3−ヒドロキシ−6−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサ−2−イル]酢酸メチル(10a)及びフルオロ[(1S,2R,3S,5R)−3−ヒドロキシ−6−オキサビシクロ[3.1.0]ヘキサ−2−イル]酢酸メチル(10b)の混合物
【0151】
【化16】
【0152】
式9aの化合物及び式9bの化合物の混合物3.644g(20.92mmol)のクロロベンゼン(18.37g)溶液に、バナジルアセチルアセトナート(VO(acac)
2)0.1176g(0.444mmol)を室温下加えた。60℃に加熱し、tert-ブチルヒドロペルオキシド(tBuOOH)の70%トルエン溶液5.445g(42.29mmol)を10分間にわたって添加した。その間、内部の温度を55℃から60℃の間に保った。55℃で4時間攪拌した後、室温まで放冷した。20%チオ硫酸ナトリウム水溶液22gを加えて30分間攪拌した後、酢酸エチル50mLで4回抽出した。有機層を合わせ、減圧濃縮することにより濃縮残渣を得た。この濃縮残渣をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチル=2:1〜1:1)により精製することにより、黄色の油状物として式10aの化合物及び式10bの化合物の混合物2.402gを得た。
【0153】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6):δ(ppm) .1.76 (s, 0.6H), 1.79 (s, 1H), 1.99 (dt, J= 7.6, 1.5 Hz, 1H), 2.02 (dt, J= 7.6, 1.5 Hz, 0.6H), 2.42-2.44 (m, 0.6H), 2.48-2.51 (m, 1H), 3.38 (d, J= 2.5 Hz, 1H), 3.55-3.56 (m, 1.6H), 3.59 (m, 0.6H), 3.75 (s, 1.8H), 3.77 (s, 3H), 4.08 (t, J= 6.9 Hz, 0.6H), 4.18 (t, J= 6.9 Hz, 1H), 4.41 (d, J= 6.5 Hz, 0.6H), 4.49 (d, J= 6.1 Hz, 1H), 5.32 (dd, J= 4.0, 47.0 Hz, 1H), 5.35 (dd, J= 3.0, 48.0 Hz, 0.6H).
13C NMR (125 MHz, DMSO-d
6):δ(ppm) 37.37, 37.88, 51.87 (d, J= 19.5 Hz), 51.93 (d, J= 18.2 Hz), 52.34, 52.42, 56.83 (d, J= 7.8 Hz), 57.73, 57.84, 58.20 (d, J= 2.6 Hz), 70.85 (d, J= 5.2 Hz), 72.65 (d, J= 2.6 Hz), 125.93 (d, J= 181.7 Hz), 127.28 (d, J= 183.0 Hz), 168.63 (d, J= 23.4 Hz), 168.71 (d, J= 24.7 Hz).
19F NMR (470 MHz, DMSO‐d
6):δ(ppm) -198.56 (dd, J= 32.9, 47.5 Hz), -198.20 (dd, J= 32.9, 48.0 Hz). HRMS (ES)m/z: [M+Na]
+ calcd for C
8H
11O
4FNa; 213.0539, found 213.0530. IR (neat) 3506, 3032, 2959, 1758, 1639, 1440, 1408, 1364, 1288, 1226, 1098, 1077, 1012, 965, 917, 838, 802, 732, 668, 564, 444 cm
-1.
【0154】
(参考例6)
(1R,2R,4S,5S,6R)−6−フルオロ−2,4−ジヒドロキシビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸メチル(2)
【0155】
【化17】
【0156】
式10aの化合物及び式10bの化合物の混合物2.334g(12.27mmol)のTHF(脱水、20mL)溶液を、−50℃に冷却し、0.94mol/Lトリエチルアルミニウム(Et
3Al)ヘキサン溶液29.0mL(27.26mmol)を30分間にわたって添加した。その間、内部の温度を−60℃から−50℃の間に保った。−50℃で30分間攪拌した後、1mol/Lリチウムヘキサメチルジシラジド(LiHMDS)ヘキサン溶液23.6mL(23.60mmol)を45分間にわたって添加した。その間、内部の温度を−50℃から−40℃の間に保った。−50℃で2時間攪拌した後、5℃に冷却した25%クエン酸水溶液44.3gの中へ反応液を30分間にわたって添加した。この反応液を酢酸エチル50mLで4回抽出し、減圧濃縮した。濃縮残渣をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル)により精製することにより、黄色の油状物を得た。この油状物を酢酸エチル3.0gと水0.5gの混合液から晶析させることにより、無色結晶として式2の化合物を1.027g得た。
【0157】
mp 73.9−76.5℃、
1H NMR (500 MHz, DMSO-d
6): δ(ppm) 1.64 (dd, J= 4.4, 15.3 Hz, 1H), 1.96 (m, 1H), 2.17 (s, 2H), 3.72 (br s, 3H), 4.18 (d, J= 5.0 Hz, 2H), 4.93 (br s, 2H).
13C NMR (125 MHz, DMSO-d
6): δ(ppm) 38.03 (d, J= 11.7 Hz), 45.76 (d, J= 7.8 Hz), 52.64, 71.53, 77.52, 79.42, 168.78 (d, J= 26.0 Hz).
19F NMR (470 MHz, DMSO-d
6):δ(ppm) -216.827. HRMS (ES)m/z: [M+Na]
+ calcd for C
8H
11O
4FNa; 213.0539, found 213.0537. IR (KBr) 3549, 3413, 3295, 3246, 2964, 2922, 1732, 1616, 1467, 1442, 1381, 1336, 1285, 1265, 1235, 1198, 1181, 1130, 1078, 1041, 994, 947, 890, 805, 777, 733, 646, 566, 537, 480 cm
-1.
【0158】
(実施例1)
(1S,2S,4R,5R,6S)−2−(アセチルオキシ)−6−フルオロ−4−ヒドロキシビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸メチル(3)
【0159】
【化18】
【0160】
式2の化合物の一水和物4.0gを32mLのTHF(テトラヒドロフラン)に溶解後、酢酸ビニル64mLとトルエン64mLを混合した溶液に、実施例11(後述)と同様の方法で調製した固定化酵素Lipase OF/Toyonite 200Pを1.6g加え、室温下スターラーで撹拌(600rpm)して18時間反応した。反応液を桐山濾紙No.4で減圧濾過し、濾液を減圧濃縮後、得られた油状物を前出の方法でHPLC分析したところ、4.0gの式3の化合物(光学純度93.2%e.e.)の生成を検出した。この油状物の一部を−20℃で保管したところ晶析物が得られたためこれを濾紙上でトルエン−n−ヘプタン混合溶媒を用いて洗浄後HPLC分析したところ、光学純度は98.1%e.e.であった。残りの油状物(式3の化合物3.9gを含む)をシリカゲル60N(関東化学(株)より購入)のフラッシュシリカゲルクロマトグラフィーで精製したところ、3の化合物2.84g(光学純度93.14%e.e.)を単離した。
【0161】
1H NMR (500.16MHz, CDCl
3):δ(ppm)1.96(m, 1H, J=5.0, 16.4Hz), 2.11(s, 3H), 2.28(ddd, J=6.1,7.3,13.4Hz, 1H), 2.42(dd, J=6.5, 14.5Hz, 1H), 2.44(dd, J=6.5, 14.5Hz, 1H), 3.82(s, 3H), 4.44(m, 1H), 5.29(m, J=6.1Hz, 1H).
13C NMR (125.77MHz, , CDCl
3):δ(ppm)21.22, 35.00(d, J=10.4Hz), 37.98(d, J=11.7Hz), 42.50(d, J=9.2Hz), 52.96, 73.09, 75.56, 168.45, 168.66, 170.23. MS (ESI/APCI Dual positive) m/z 255.0[M+Na]
-.
【0162】
(実施例2)
(1S,2S,5R,6R)−2−(アセチルオキシ)−6−フルオロ−4−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸メチル(4)
【0163】
【化19】
【0164】
式3の化合物 946mg(4.07mmol)のジクロロメタン(脱水、5mL)溶液を、−5℃に冷却し、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル(TEMPO)14.0mg(0.090mmol)、炭酸水素ナトリウム102.0mg(1.21mmol)、水2.0mLを順次添加した後、10%次亜塩素酸ナトリウム水溶液3.86g(5.19mmol)を添加した。この間、内部の温度を−5から0℃の間に保った。−5℃から0℃で1時間攪拌した後、分液した。有機層を水1mLで洗浄後、無水硫酸ナトリウムで水分を乾燥させた後、減圧濃縮し黄色油状物として式4の化合物899mgを得た。
【0165】
1H NMR (500.16 MHz, CDCl
3):δ(ppm) 2.12 (s, 3H), 2.37 (dd, J= 3.4, 19.5 Hz, 1H), 2.65 (dd, J= 19.5, 6.1 Hz, 1H), 2.73 (d, J= 6.1 Hz, 1H), 2.93 (dd, J= 1.9, 6.1 Hz, 1H), 3.83 (s, 3H), 5.50 (d, J= 6.1 Hz, 1H).
13C NMR (125.77 MHz, CDCl
3): δ(ppm) 20.88, 38.19 (d, J= 11.6 Hz), 39.01 (d, J= 13.0 Hz), 43.49 (d, J= 3.9 Hz), 53.43, 69.13, 165.78, 165.93, 170.03, 204.35.
【0166】
(実施例3)
(1R,5R,6R)−6−フルオロ−4−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキサ−2−エン−6−カルボン酸メチル(5)
【0167】
【化20】
【0168】
式4の化合物719mg(3.12mM)のジクロロメタン(18mL)溶液に、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン(DBU)0.63mL(4.07mmol)を添加し、室温で1時間攪拌した後、1N塩酸4.2mLを添加し、攪拌、分液した。水層をジクロロメタン5mLで再抽出した後、有機層を飽和食塩水5mLで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させた後、減圧濃縮し、濃縮残渣をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:n−ヘキサン/酢酸エチル)により精製することにより、式5の化合物を無色油状物として413.7mg得た。
【0169】
1H NMR (500.16 MHz, CDCl
3):δ(ppm) 2.79 (d, J=5.0Hz, 1H), 3.23 (dd, J= 3.0, 6.0 Hz, 1H), 3.86 (s, 3H), 6.06 (d, J= 5.5 Hz, 1H), 7.42 (dd, J= 3.0, 5.5 Hz, 1H).
13C NMR (125.77 MHz, CDCl
3):δ(ppm) 34.05 (d, J= 14.2 Hz), 34.47 (d, J= 13.0 Hz), 53.21, 133.34, 152.30 (d, J= 2.6 Hz), 165.99, 166.21, 198.56. MS (ESI/APCI Dual positive) m/z 170.9[M+H]
-, (ESI/APCI Dual negative) m/z 168.9[M-H]
-【0170】
(実施例4)
(1R,5R,6R)−6−フルオロ−2−オキソビシクロ[3.1.0]ヘキサン−6−カルボン酸メチル(1)
【0171】
【化21】
【0172】
式5の化合物360.7mg(2.12mmol)を酢酸エチル18mLに溶解後、リンドラー触媒143mgを添加し、水素雰囲気下室温で16時間撹拌した。得られた溶液をセルロースパウダーでろ過し、減圧下濃縮した後、濃縮残渣をフラッシュシリカゲルカラムクロマトグラフィー(溶離液:クロロホルム)により精製することにより、無色の油状物として式1の化合物337mgを得た。
【0173】
1H NMR (500.16 MHz, CDCl
3):δ(ppm) 2.22 (m, 1H), 2.28-2.34 (m, 2H), 2.43(m, 1H), 2.59(m, 1H), 2.73(d,J=2.0Hz), 3.86 (s,3H).
13C NMR (125.77 MHz, CDCl
3):δ(ppm) 19.47 (d, J= 5.2 Hz), 34.11 (d, J= 13.0 Hz), 35.47 (d, J= 5.2 Hz), 40.19 (d, J= 13.1 Hz), 53.11, 167.46, 167.67, 208.73. MS (ESI/APCI Dual positive) m/z 172.9[M+H]
-, TOFMS EI m/z 172.1 [M]
+.
【0174】
以下、実施例5〜12においては、種々の微生物由来の酵素を用いて、式2の化合物を不斉アセチル化し、式3の化合物を得るためのそれぞれの反応条件検討結果を示す。
【0175】
【化22】
【0176】
原料である式2の化合物、目的物である式3の化合物及びそのエナンチオマーである式3'の化合物の生成状況は、以下に示すTLC法、及びHPLC法により確認した。
(TLC法:TLC プレート;シリカゲルSi60(メルク社製、Art 1.5715))
展開溶媒;n−ヘキサン/酢酸エチル=10/1
発色 ;アニスアルデヒド/濃硫酸/酢酸=1/2/100
Rf値 ;式1の化合物=0.20、 式3及び式3'の化合物=0.40
(HPLC法:カラム CHIRALCEL OJ−RH
4.6mm ID×150mm L(ダイセル社製))
移動相 ;メタノール/0.1%リン酸水溶液=38/62
流速 ;0.8mL/min
温度 ;35℃
検出 ;UV 195nm
保持時間;
式2の化合物: 3.8分
式3の化合物: 9.0分
式3'の化合物:10.3分
【0177】
(実施例5)
<酵素の探索>
試験に供する酵素50mgをそれぞれ共栓付き10mL容試験管に入れ、酢酸ビニル2.7mL、アセトン0.3mL、式2の化合物20mgを添加し、18〜48時間、25℃、スターラーで撹拌した(600rpm)。反応終了後、エキクロディスク25CR(日本ポール(株)製、径25mm)を用いた濾過で酵素残渣を除き、溶液を減圧乾固してメタノール1mLに溶解後、その一部をとり、TLC分析及びHPLC分析を行った。表1、表2及び表3に記される41種類の酵素をスクリーニングした。
【0178】
TLC分析の結果、表1及び表2に挙げた酵素を使用した反応では、TLC上のRf値がラセミ標準品(式3の化合物及び式3'の化合物)のRf値(0.40)と一致し、かつ同じ呈色(褐色)を示したスポットを検出した。TLC分析でアセチル化体の検出が顕著であった酵素のうち、HPLC分析によって目的生成物である式3の化合物が確認されたものについて、目的生成物の生成量と光学純度を表1に示す。また、TLC分析でアセチル化体の検出が顕著であった酵素のうち、HPLC分析によって目的生成物とは異なる光学異性体の式3'の化合物が確認されたものについて、その生成量と光学純度を以下の表2に挙げる。
【0179】
なお、本実施において式3の化合物及び式3'の化合物いずれの生成も検出できなかった酵素を表3に挙げる。
【0180】
【表1】
【0181】
【表2】
【0182】
【表3】
【0183】
(実施例6)
<固定化酵素の調製>
11種類の酵素(Sumizyme NSL3000、Sumizyme CT-L(新日本化学工業(株)より入手)、Nuclease "Amano"G、Pectinase G "Amano"、Lipase A "Amano" 6、Lipase AY"Amano"30G、Lipase PS "Amano" SD、Lipase AK "Amano"20、Lipase AYS "Amano"、Lipase R(天野エンザイム(株)より入手)、Lipase Candida cyllindracea(シグマアルドリッチジャパン(株)より入手)、それぞれ0.5g(液体酵素Sumizyme CT-Lのみ2.0mL)を10mLの100mMリン酸カリウム緩衝液(pH7)に室温で溶解(不溶物は桐山濾紙No.5Bで濾過した)後、15mL容のスミロンチューブ(住友ベークライト(株)製)中でそれぞれ固定化担体のToyonite 200M(東洋電化工業(株)より購入)0.5gと混ぜて、20℃、18時間、160rpmで振盪した。振盪後、それぞれ桐山濾紙No.704(日本理化学工業製)で濾過後さらに室温下で一晩減圧乾燥して、各固定化酵素を得た。
同様にして同じ11種類の酵素を固定化担体のToyonite 200P(東洋電化工業(株)より購入)0.5gと混ぜて、各固定化酵素を調製した。
【0184】
(実施例7)
<固定化酵素による化合物変換能検出試験>
実施例6で得られた22種類の固定化酵素各50mgと式2の化合物25mgを各1mLの10%アセトン(容量)入り酢酸ビニル溶液に混ぜてから室温で反転スターラー(600rpm・2.5分間隔で反転)を用いて18時間撹拌して酵素反応を行った。酵素反応終了後、各酵素反応液をエキクロディスク25CR(日本ポール製)で濾過した後、溶液を減圧乾燥してからメタノール1mLに溶解したものをHPLC分析した。HPLC分析結果を以下の表4に記す。
【0185】
【表4】
【0186】
(実施例8)
<固定化酵素の調製と化合物変換能検出試験>
15種類の酵素(表5参照)について固形酵素は各0.5g、液体酵素の場合は2.0mLを10mLの100mMリン酸カリウム緩衝液(pH7)に室温で溶解(不溶物は桐山濾紙No.5Bで濾過した)後、15mL容のスミロンチューブ(住友ベークライト(株)製)中でそれぞれ固定化担体のToyonite 200M(東洋電化工業(株)より購入)0.5gと混ぜて、25℃、17時間、150rpmで振盪した。振盪後、それぞれ桐山濾紙No.704(日本理化学工業製)で濾過後さらに室温下で一晩減圧乾燥して各固定化酵素を得た。
得られた15種類の固定化酵素各50mgと式2の化合物25mgを各1mLの10%アセトン(容量)入り酢酸ビニル溶液に混ぜてから室温で反転スターラー(600rpm・2.5分間隔で反転)を用いて18時間撹拌して酵素反応を行った。酵素反応終了後、各酵素反応液をエキクロディスク25CR(日本ポール製)で濾過した後、溶液を減圧乾燥してからメタノール1mLに溶解したものをHPLC分析した。HPLC分析結果を以下の表5に記す。
【0187】
【表5】
【0188】
(実施例9)
<固定化酵素の調製と化合物変換能検出試験>
糸状菌111菌株をそれぞれ脱脂米糠3%、コーンスティープリカー(Corn steap liquor)3%、大豆油1%、硫酸アンモニウム0.2%(pH6)からなる培地40mLを含む200mL三角フラスコで3日間、18℃〜28℃で通気撹拌培養した。培養終了後、各微生物培養液を個別に遠心管に移し、遠心器により培養液を菌体と菌体上清液に遠心分離(8000rpm、12〜15分間)した。得られたそれぞれの微生物菌体上清液(スミロンチューブなど遠心管中)に各0.1容の1Mリン酸カリウム緩衝液pH7および担体Toyonite 200M(東洋電化工業(株)より購入)を0.5g加えて25℃で一晩(最大20時間)振盪した。振盪終了後、5分間静置の後、担体を含む不溶物が遠心管の底に沈んだ後、上層の溶液をデカンテーションで除いてからこれに0.1Mリン酸カリウム緩衝液pH7〜pH7.5を15mL加えて撹拌再懸濁した。これを合計2回繰り返した後、桐山濾紙No.5B(商品名)を付した桐山漏斗(商品名)を用いて減圧濾過して濾紙上に各微生物培養液上清由来の固定化酵素を得た。各固定化酵素は濾紙上で数分間減圧濾過乾燥の後、減圧乾燥デシケータ(乾燥シリカゲル入り)に入れ、一晩(最大20時間)乾燥した。乾燥を終了した各固定化酵素を以下の酵素反応に用いた。
【0189】
上記の操作により得られた111種類の固定化酵素各20−40mgを、それぞれネジ蓋付き3.5mL容のサンプルチューブに入れ、酢酸ビニル1.8mL、アセトン0.2mLに式2の化合物の結晶を40mg添加した溶液を加え、18−21時間、室温下、スターラーで撹拌(600rpm)して反応を行った。反応終了後、エキクロディスク25CRを用いた濾過で固定化酵素を除き、溶液を減圧乾固してメタノール1mLに溶解後、前述のHPLC法で分析した。
【0190】
目的生成物である式3の化合物が著量確認されたものについて、目的生成物の生成量と光学純度を表6に示す。
【0191】
【表6】
【0192】
(実施例10)
<固定化酵素の調製と化合物変換能検出試験>
Lipase TL、Lipase PL、Lipase OFおよびLipase QLM(いずれも名糖産業(株)より入手)それぞれ4gを150mLの100mMリン酸カリウム緩衝液(pH7)に室温下溶解し、これに各1gの担体Toyonite 200M(東洋電化工業(株)より購入)を加えて振盪機により室温下150rpmで19時間振盪した。振盪終了後、5分間静置の後、担体を含む不溶物が遠心管の底に沈んだ後、上層の溶液をデカンテーションで除いてからこれに0.1Mリン酸カリウム緩衝液pH7〜pH7.5を15mL加えて撹拌再懸濁した。これを合計2回繰り返した後、桐山濾紙No.5B(商品名)を付した桐山漏斗(商品名)を用いて減圧濾過して濾紙上に各固定化酵素を得た。得られた4種類の固定化酵素各50mgを、それぞれネジ蓋付き3.5mL容のサンプルチューブに入れ、これに酢酸ビニル1.8mL、アセトン0.2mLに式2の化合物の結晶40mgを添加した溶液をそれぞれ加え、16時間、室温下、スターラーで撹拌(600rpm)して反応を行った。反応終了後、エキクロディスク25CRを用いた濾過で固定化酵素を除き、溶液を減圧乾固してメタノール1mLに溶解後、前述のHPLC法で分析した。HPLC分析結果を以下の表7に記す。
【0193】
【表7】
【0194】
(実施例11)
<固定化酵素の調製と化合物変換能検出試験>
Lipase OFおよびLipase QLMを各2gずつ各2本のプラスチックボトルに入れ、これをそれぞれ100mMリン酸カリウム緩衝液(pH7)に溶かしたもの(計4本の溶液を作成)にそれぞれToyonite 200MまたはToyonite 200P各4gと混ぜて4通りの酵素−担体の組み合わせを作りそれぞれ室温下、振盪機(120rpm)で18時間振盪した。振盪終了後それぞれの担体、酵素を含んだ混合溶液を各桐山濾紙No.4で減圧濾過後100mMリン酸カリウム緩衝液(pH7)40mLに懸濁洗浄後、減圧濾過乾燥して各固定化酵素を得た。得られた固定化酵素とLipase TL、Lipase PL、Lipase OFおよびLipase QLMの各40mgをそれぞれネジ蓋付き3.5mL容のサンプルチューブに入れ、これに酢酸ビニル1.8mL、アセトン0.2mLに式2の化合物の結晶80mgを添加した溶液をそれぞれ加え、18時間、25℃、スターラーで撹拌(600rpm)して反応を行った。固定化酵素(4種類)については別途同様の条件で反応温度を16℃として反応を行った。各反応終了後、エキクロディスク25CRを用いた濾過で固定化酵素を除き、溶液を減圧乾固してメタノール1mLに溶解後、前述のHPLC法で分析した。HPLC分析結果を以下の表8に記す。
【0195】
【表8】
【0196】
(実施例12)
<酵素量と反応液組成の改善試験>
式2の化合物の一水和物1.0gを8mLのTHFに溶解後、酢酸ビニル16mLとトルエン16mLを混合した溶液に実施例7と同様の方法で調製した固定化酵素Lipase OF/Toyonite 200Pを103mg加え、室温下スターラーで撹拌(600rpm)して24時間反応した。反応液を桐山濾紙No.5Bで減圧濾過し、濾液を減圧濃縮後、得られた油状物を前出の方法でHPLC分析したところ、1.0gの式3の化合物(光学純度91.7%e.e.)の生成を検出した。