(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5776581
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】分析装置
(51)【国際特許分類】
G06F 1/26 20060101AFI20150820BHJP
G06F 1/30 20060101ALI20150820BHJP
【FI】
G06F1/26 334R
G06F1/30 L
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-35101(P2012-35101)
(22)【出願日】2012年2月21日
(65)【公開番号】特開2013-171444(P2013-171444A)
(43)【公開日】2013年9月2日
【審査請求日】2014年5月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100114030
【弁理士】
【氏名又は名称】鹿島 義雄
(72)【発明者】
【氏名】豊後 一
【審査官】
片岡 利延
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭63−086637(JP,A)
【文献】
特開2001−265174(JP,A)
【文献】
特開平03−285167(JP,A)
【文献】
特開2011−022775(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/26
G06F 1/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置本体部を動作させる主回路と、
電力を供給する主電源と、
前記主回路に電力を供給するON状態か、前記主回路に電力を供給しないOFF状態かのいずれかの状態とするために入力操作される主電源スイッチと、
前記主回路から測定データを取得するとともに、他の装置とデータを送受信する制御ユニットとを備える分析装置であって、
前記制御ユニットに電力を供給するON状態か、前記制御ユニットに電力を供給しないOFF状態かのいずれかの状態とするハードスイッチと、
前記主回路に電力を供給するON状態か、前記主回路に電力を供給しないOFF状態かのいずれかの状態とするリレースイッチとを備え、
前記主電源スイッチは、前記主回路に電力を供給するON状態か、前記主回路に電力を供給しないOFF状態かのいずれかの状態とするための第一入力信号を前記制御ユニットに出力するものであり、
前記制御ユニットは、前記主電源スイッチをOFF状態にする第一入力信号が入力されると、前記主回路が装置本体部を動作させているときには、前記装置本体部が動作中であることを報知し、さらに前記主電源スイッチをOFF状態にする第二入力信号が入力されることにより、前記リレースイッチをOFF状態にすることを特徴とする分析装置。
【請求項2】
前記制御ユニットは、他の装置とデータが送受信可能な通信状態か、他の装置とデータが送受信不可能な切断状態かのいずれかの状態となることが可能となっており、
前記リレースイッチをOFF状態にする前に、他の装置とデータを送受信しているときには、他の装置とのデータ送受信を終了処理することを特徴とする請求項1に記載の分析装置。
【請求項3】
前記制御ユニットは、前記リレースイッチをOFF状態にする前に、前記主回路によって前記装置本体部を初期設定状態にさせることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の分析装置。
【請求項4】
前記制御ユニットは、前記リレースイッチをOFF状態にする前に、前記主回路から取得した装置本体部関連データを記憶することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の分析装置。
【請求項5】
前記制御ユニットは、他の装置から主電源スイッチをOFF状態にする第三入力信号が入力されることにより、前記リレースイッチをOFF状態にすることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の分析装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電力を供給する電源をON/OFF制御する分析装置に関し、特にデータ通信中や動作機能中に電源OFFされる可能性のある分析装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、OA化が進み、様々な場所にコンピュータが設置され、何らかの通信線(EtherNet(登録商標)、USB、1394、RS232C、各無線通信等)で分析装置(液体クロマトグラフ、ガスクロマトグラフ装置、質量分析計、分光光度計、バイオ関連装置、X線表面装置、環境装置、試験機等)と接続されている(例えば、特許文献1参照)。
このような構成によれば、ユーザが分析を開始するときには、コンピュータでアプリケーションソフトを立ち上げて、コンピュータと分析装置とを通信状態とした後、アプリケーションソフトを用いて分析装置で分析を実行していた。そして、分析を実行しているときには、コンピュータが分析装置から測定データを所定のタイミングで取得していた。これにより、コンピュータで測定データについて様々な処理をしていた。その後、ユーザはコンピュータでアプリケーションソフトを終了して、コンピュータと分析装置とを切断状態としていた。
【0003】
ここで、
図4は、従来の分析装置とコンピュータとが接続された制御システムを示す概略構成図である。制御システム101は、分析装置120とコンピュータ10とを備え、コンピュータ10と分析装置120とは、通信ケーブルや電話回線やLAN等の通信線5で接続されている。
【0004】
コンピュータ10は、分析装置120とデータを送受信するCPUユニット11と、入力操作が行われるキーボード(入力装置)12と、画像が表示される表示装置13と、CPUユニット11等に電力を供給する電源14と、筐体の側面等に設けられたON状態かOFF状態かのいずれかの状態とするために入力操作される電源スイッチ15とを備える。
CPUユニット11は、キーボード12から入力された入力信号に基づいて、アプリケーションソフトを立ち上げたり、分析装置120と通信状態としたりすることができるようになっている。
【0005】
分析装置120は、装置本体部30と、装置本体部30を動作させる主回路21と、主回路21から測定データを取得するとともにコンピュータ10とデータを送受信するCPUユニット(制御ユニット)122と、主回路21及びCPUユニット122に電力を供給する主電源23と、筐体の側面等に設けられたON状態かOFF状態かのいずれかの状態とするために入力操作される主電源スイッチ124とを備える。
【0006】
主回路21は、LCD表示回路、ランプ電源回路、モータ回路、温調回路等である。
CPUユニット122は、CPUユニット11から種々のデータを受信することで主回路21を制御するとともに、CPUユニット11に種々のデータを送信することにより、各種機能を果たすようになっている。
このようなCPUユニット122と主回路21とは、主電源スイッチ124がON状態になることにより、主電源23から電力が供給されて動作するようになっている。
【0007】
よって、このような制御システム101によれば、ユーザが分析を開始するときには、コンピュータ10の電源スイッチ15と、分析装置120の主電源スイッチ124とを押すことにより、両者を動作させる。次に、コンピュータ10でアプリケーションソフトを立ち上げて、コンピュータ10と分析装置120とを通信状態とした後、アプリケーションソフトを用いて分析装置120で分析を実行していた。そして、分析を実行しているときには、コンピュータ10が分析装置120から測定データを所定のタイミングで取得していた。これにより、コンピュータ10で測定データについて様々な処理をしていた。その後、ユーザはコンピュータ10でアプリケーションソフトを終了して、コンピュータ10と分析装置120とを切断状態としていた。最後に、コンピュータ10の電源スイッチ15と、分析装置120の主電源スイッチ124とを再び押すことにより、両者の機能を停止させていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平4−1570号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上述したような制御システム101では、コンピュータ10と分析装置120とがデータ通信を行っている最中に、例えば、分析装置120のCPUユニット122が分析を実行して測定データを送信する処理を実行しているときに、分析装置120の主電源スイッチ124が故意や誤操作で押されると、瞬時に分析装置120の機能が停止し、送信中の測定データが破棄されていた。また、コンピュータ10は通信エラーを検知し、データ再送等の復旧動作を試みるが、分析装置120の応答がないためデータ再送機能が停止されエラーログ情報がコンピュータ内に残る等の問題があった。
【0010】
また、コンピュータ10と分析装置120とがデータ通信を行っている最中でなくても、分析装置120のCPUユニット122がデータ処理を行っている最中に、主電源スイッチ124が故意や誤操作で押された場合も、瞬時に分析装置120の機能が停止し、処理中の測定データが破棄されるという問題があった。
そこで、本発明は、データ通信中や動作機能中に電源OFFされない分析装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するためになされた本発明の分析装置は、装置本体部を動作させる主回路と、電力を供給する主電源と、前記主回路に電力を供給するON状態か、前記主回路に電力を供給しないOFF状態かのいずれかの状態とするために入力操作される主電源スイッチと、前記主回路から測定データを取得するとともに、他の装置とデータを送受信する制御ユニットとを備える分析装置であって、前記制御ユニットに電力を供給するON状態か、前記制御ユニットに電力を供給しないOFF状態かのいずれかの状態とするハードスイッチと、前記主回路に電力を供給するON状態か、前記主回路に電力を供給しないOFF状態かのいずれかの状態とするリレースイッチとを備え、前記主電源スイッチは、前記主回路に電力を供給するON状態か、前記主回路に電力を供給しないOFF状態かのいずれかの状態とするための第一入力信号を前記制御ユニットに出力するものであり、前記制御ユニットは、前記主電源スイッチをOFF状態にする第一入力信号が入力されると、前記主回路が装置本体部を動作させているときには、前記装置本体部が動作中であることを報知し、さらに前記主電源スイッチをOFF状態にする第二入力信号が入力されることにより、前記リレースイッチをOFF状態にするようにしている。
【0012】
ここで、「装置本体部」とは、分析を行うための部品のことをいう。
また、「他の装置」とは、何らかの通信線(EtherNet、USB、1394、RS232C、各無線通信等)で分析装置と接続された装置のことをいい、例えば、アプリケーションソフトを立ち上げることができるコンピュータ等である。
【0013】
本発明の分析装置によれば、主電源スイッチとハードスイッチとリレースイッチとを備えている。主電源スイッチは、直接的に主電源と主回路との接続をON/OFFするのではなく、制御ユニットに入力信号のみを入力するようになっている。つまり、主電源スイッチは、従来の電源スイッチとは異なり、主電源と主回路との接続とは物理的に無関係である。主回路への電力供給の物理的解除は、本発明では、リレースイッチにより行う構成になっている。このリレースイッチは、制御ユニットからの指令により動作する。これにより、制御ユニットは、主電源スイッチをOFF状態にするための入力信号が入力されたことを検知したときは、所要の処理をした後に、主電源と主回路との接続を遮断する。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明の分析装置によれば、所要の処理をした後に、主電源と主回路との接続を遮断することができるため、動作機能中に電源OFFされることがない。
【0015】
(他の課題を解決するための手段及び効果)
また、上記の発明において、前記制御ユニットは、他の装置とデータが送受信可能な通信状態か、他の装置とデータが送受信不可能な切断状態かのいずれかの状態となることが可能となっており、前記リレースイッチをOFF状態にする前に、他の装置とデータを送受信しているときには、他の装置とのデータ送受信を終了処理するようにしてもよい。
本発明の分析装置によれば、所要の処理をした後に、主電源と主回路との接続を遮断することができるため、データ通信中に電源OFFされることがない。
【0016】
また、上記の発明において、前記制御ユニットは、前記リレースイッチをOFF状態にする前に、前記主回路によって前記装置本体部を初期設定状態にさせるようにしてもよい。
本発明の分析装置によれば、例えば、サンプル注入用ニードルを所定の場所に戻す、次回電源投入時に装置の立ち上がり時間(ホームポジション検出)が短くなるような位置に各可動部品を移動させる等の分析装置にとって都合のよい状態(初期設定状態)にしてから電源OFFすることができる。
【0017】
そして、上記の発明において、前記制御ユニットは、前記リレースイッチをOFF状態にする前に、前記主回路から取得した装置本体部関連データを記憶するようにしてもよい。
本発明の分析装置によれば、例えば、不揮発メモリへ(大容量の)パラメータ(装置本体部関連データ)を退避させる、またサムコード(装置本体部関連データ)の計算/書込みが可能となる。
【0018】
さらに、上記の発明において、前記制御ユニットは、他の装置から主電源スイッチをOFF状態にする第三入力信号が入力されることにより、前記リレースイッチをOFF状態にするようにしてもよい。
本発明の分析装置によれば、他の装置であるコンピュータから(例えば隣の分析室等の離れた場所にある)分析装置をON/OFF制御でき、例えば、複数台の分析装置を一回の操作で一度にON/OFF制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明に係る分析装置とコンピュータとが接続された制御システムの一例を示す概略構成図。
【
図3】電源をON/OFF制御する制御方法を説明するためのフローチャート。
【
図4】従来の分析装置とコンピュータとが接続された制御システムを示す概略構成図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。なお、本発明は、以下に説明するような実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の態様が含まれることはいうまでもない。
【0021】
図1は、本発明に係る分析装置とコンピュータとが接続された制御システムの一例を示す概略構成図である。また、
図2は、
図1に示す分析装置の回路図である。なお、上述した制御システム101と同様のものについては、同じ符号を付している。
制御システム1は、分析装置20とコンピュータ10とを備え、コンピュータ10と分析装置20とは、通信ケーブルや電話回線やLAN等の通信線5で接続されている。
【0022】
分析装置20は、装置本体部30と、装置本体部30を動作させる主回路21(Z1)と、主回路21(Z1)から測定データを取得するとともにコンピュータ10とデータを送受信するCPUユニット(制御ユニット)22と、主回路21(Z1)に電力を供給する主電源23(Switching Reg 2)と、CPUユニット22に電力を供給する副電源25(Switching Reg 1)と、筐体の前面等に設けられたON状態かOFF状態かのいずれかの状態とするために入力操作される主電源スイッチ24(SW2)と、筐体の側面等に設けられたON状態かOFF状態かのいずれかの状態とするために入力操作されるハードスイッチ26(SW1)と、ON状態かOFF状態かのいずれかの状態とするリレースイッチ27(K1)とを備える。
【0023】
CPUユニット22は、CPU基板22aと、CPU基板22aに搭載されたCPU22bやFPGA(Field-Programmable Gate Array)22cやメモリ(図示せず)や通信回路(図示せず)とを有するものであり、CPUユニット11から種々のデータを受信することで主回路21(Z1)を制御するとともに、CPUユニット11に種々のデータを送信することにより、各種機能を果たすようになっている。
このようなCPUユニット22は、ハードスイッチ26(SW1)がON状態になることにより、副電源25(Switching Reg 1)から電力が供給されて動作するようになっている。
【0024】
主回路21(Z1)は、リレースイッチ27(K1)がON状態になることにより、主電源23(Switching Reg 2)から電力が供給されて動作するようになっている。つまり、CPUユニット22と主回路21(Z1)とは、異なるスイッチによって電力が供給されたり供給されなくなったりするようになっている。よって、CPUユニット22は、主電源23(Switching Reg 2)とは無関係である。そして、リレースイッチ27(K1)は、ユーザによって押されることがなく、CPUユニット22からの指令により動作するようになっている。つまり、CPUユニット22は、リレースイッチ27(K1)をONにすべきかOFFにすべきかを判定することができる。なお、リレースイッチ27(K1)として、ソリッドステートリレー等の半導体リレーやスイッチング電源に内蔵されているリモートオンオフ機能を使用することができる。
【0025】
ユーザが主回路21(Z1)への電力供給を行うか否かを決定する入力操作をするには、主電源スイッチ24(SW2)を押すことになる。主電源スイッチ24(SW2)は、直接的に主電源23(Switching Reg 2)と主回路21(Z1)との接続をON/OFFするのではなく、CPUユニット22に入力信号のみを入力するようになっている。つまり、主電源スイッチ24(SW2)は、主電源23(Switching Reg 2)と主回路21(Z1)との接続とは物理的に無関係である。
【0026】
ここで、制御システム1における電源をON/OFF制御する制御方法の一例について説明する。
図3は、電源をON/OFF制御する制御方法について説明するためのフローチャートである。
まず、ステップS101の処理において、ユーザは、コンピュータ10の電源スイッチ15と、分析装置20のハードスイッチ26(SW1)とをONにする。このとき、副電源25(Switching Reg 1)からの電力が、コネクタ間接続ケーブルを通してCPU基板22a(の一部回路のみ)に通電されてCPU22bが動作する。なお、FPGA22cはLow出力となっており、リレースイッチ27(K1)がOFFであるので、主電源23(Switching Reg 2)からの電力は主回路21(Z1)に供給されていない。この状態は、CPU22bは動作しており、主電源スイッチ24(SW2)が押されたか否かを検出できるが、ユーザから装置本体部30はOFF(待機状態)に見える。
【0027】
次に、ステップS102の処理において、CPUユニット22は、主電源スイッチ24(SW2)が押されたか否か(主電源スイッチ24をOFF状態にする第一入力信号が入力されたか否か)を判定する。主電源スイッチ24(SW2)が押されていないと判定したときには、ステップS102の処理を繰り返す。
一方、主電源スイッチ24(SW2)が押されたと判定したときには、ステップS103の処理において、CPUユニット22は、リレースイッチ27(K1)がON状態かOFF状態かを判定する。リレースイッチ27(K1)がOFF状態であると判定したときには、ステップS104の処理において、リレースイッチ27(K1)をON状態にした後、ステップS102の処理に戻る。この状態により、ユーザは分析を実行することができるようになる。
【0028】
一方、ステップS103の処理において、リレースイッチ27(K1)がON状態であると判定したときには、ステップS105の処理において、CPUユニット22は、分析実行可能状態であるため、分析中であるか否かを判定する。分析中であると判定したときには、ステップS106の処理において、CPUユニット22は、分析装置20本体に「分析中ですが、分析を中断して電源を切りますか?」と警告を表示する。なお、警告はコンピュータ10に送信して表示装置13で表示してもよい。
次に、ステップS107の処理において、分析を中断し主回路21をOFF状態(YES)にするか、分析を継続し主回路21をON状態に維持する(NO)かのいずれの状態がユーザのキーボード12の入力操作によって選択されたかを判定する。ON状態(NO)が選択されたと判定したときには、ステップS102の処理に戻る。よって、ユーザは誤操作や分析中であることを確認することができる。
【0029】
一方、OFF状態(YES)が選択された(主電源スイッチ24をOFF状態にする第二入力信号が入力された)と判定したときには、ステップS108の処理において、CPUユニット22は、主回路21(Z1)が装置本体部30の動作を中断させる。
また、ステップS105の処理において、分析中でないと判定したとき、若しくは、ステップS108の処理が終了したときには、ステップS109の処理において、CPUユニット22は、通信中であるか否かを判定する。通信中であると判定したときには、ステップS110の処理において、コンピュータ10とのデータ送受信を切断処理する。
【0030】
また、ステップS109の処理において、通信中でないと判定したとき、若しくは、ステップS110の処理が終了したときには、ステップS111の処理において、CPUユニット22は、主回路21(Z1)によって装置本体部30を初期設定状態にさせるとともに、主回路21(Z1)から装置本体部関連データを取得してメモリに記憶する。なお、初期設定状態としては、例えば、サンプル注入用ニードルを所定の場所に戻す、次回電源投入時に装置の立ち上がり時間(ホームポジション検出)が短くなるような位置に各可動部品を移動させる等、分析装置20にとって都合のよい状態等がメモリに予め設定されている。また、装置本体部関連データとしては、分析装置20の設定パラメータの他、サムコード等が挙げられる。
次に、ステップS112の処理において、CPUユニット22は、リレースイッチ27(K1)をOFF状態にする。
【0031】
最後に、ステップS113の処理において、ユーザは、コンピュータ10の電源スイッチ15と、分析装置20のハードスイッチ26(SW1)とをOFFするか否かを判断する。OFFしないと判定したときには、ステップS102の処理に戻る。
一方、OFFすると判定したときには、本フローチャートを終了させることも可能であるが、通常ユーザは分析装置20のハードスイッチ26はOFFしないで使用すると便利である。
【0032】
以上のように、本発明の制御システム1によれば、所要の処理をした後に、主電源23と主回路21との接続を遮断することができるため、動作機能中やデータ通信中に電源OFFされることがない。また、分析装置20にとって都合のよい状態(初期設定状態)にしてから電源OFFすることができる。さらに、不揮発メモリへ(大容量の)パラメータ(装置本体部関連データ)を退避させる、またサムコード(装置本体部関連データ)の計算/書込みが可能となる。
【0033】
<他の実施形態>
(1)上述した制御システム1では、分析装置20は1個の主電源23と1個のCPUユニット22とを備える構成を示したが、分析装置は複数個の主電源や複数個のCPUユニットを備えるような構成としてもよい。分析装置が複数個のCPUユニットを備える場合、メインCPUユニットに常時電力を供給することにより主電源をON/OFF制御させて、主電源のOFF動作の場合はメインCPUユニットがコンピュータのCPUユニットとの通信を切断してから、サブCPUユニットと周辺回路とへの電力の供給を停止させるようにするとよい。
【0034】
(2)CPUユニット22は、コンピュータ10から主電源スイッチ24をOFF状態にする第三入力信号が入力されることにより、リレースイッチ27をOFF状態にするようにしてもよい。このとき、コンピュータ10に複数の分析装置が接続されているときには、複数台の分析装置を一回の操作(第三入力信号の入力)で一度にON/OFF制御してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明は、電力を供給する電源をON/OFF制御する分析装置に利用することができる。
【符号の説明】
【0036】
10 コンピュータ(他の装置)
21 主回路
22 CPUユニット(制御ユニット)
23 主電源
24 主電源スイッチ
26 ハードスイッチ
27 リレースイッチ
30 装置本体部