特許第5776710号(P5776710)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5776710
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】カードコネクタ
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/72 20110101AFI20150820BHJP
   H01R 13/629 20060101ALI20150820BHJP
【FI】
   H01R12/72
   H01R13/629
【請求項の数】1
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-42554(P2013-42554)
(22)【出願日】2013年3月5日
(65)【公開番号】特開2014-170691(P2014-170691A)
(43)【公開日】2014年9月18日
【審査請求日】2014年3月13日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000102500
【氏名又は名称】SMK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082762
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 正知
(74)【代理人】
【識別番号】100123973
【弁理士】
【氏名又は名称】杉浦 拓真
(72)【発明者】
【氏名】江尻 孝一郎
【審査官】 楠永 吉孝
(56)【参考文献】
【文献】 特表2006−520073(JP,A)
【文献】 特開2008−166020(JP,A)
【文献】 特開2013−089552(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/00〜12/91
H01R 13/629
G06K 13/08
G06K 17/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁プレートおよびカバーからなり、カード状体またはカード状体が載置されたトレイが挿入され、前記カード状体または前記トレイが収納可能な扁平な収納空間を有するハウジングと、
前記絶縁プレートと一体に成型され、前後方向に延長する左右の側壁を有する金属製のばね収納部材と、
前記左右の側壁に挟まれた収納溝に収納されるコイルばねと、
前記ばね収納部材の近傍において、前記左右の側壁の一方と平行し、前後方向に沿って延長して前記絶縁プレート上に内方に突出して形成されるリブと、
前記コイルばねによって押し出し方向に付勢され、前記左右の側壁の一方と前記リブとを跨がって摺動する金属製のスライダーと、
を有し、
前記カード状体または前記トレイの押し込み状態をロックするために、往路ガイド溝部と復路ガイド溝部と、前記往路ガイド溝部と復路ガイド溝部との合流部に設けられる往復共通溝部とからなるピンガイド溝を有するロック機構が使用され、前記往路ガイド溝部および前記復路ガイド溝部が前記ハウジングの後方側に形成され、前記リブと平行に前記共通溝部が前方に向かって延伸され、
前記左右の側壁の一方と、前記左右の側壁の一方と対向する前記リブの内面によって、前記往復共通溝部が形成され、
前記スライダーにその一端が支持されたロックピンの摺動端が前記ピンガイド溝に挿入され、前記カード状体または前記トレイの挿抜と連動して前記摺動端が前記ピンガイド溝を摺動するカードコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistants)、携帯型デジタルオ
ーディオプレーヤー、ゲーム装置、デジタルカメラ、情報端末機器等の各種の電子機器において使用されるICカードが装着され、ICカードと機器との間の電気的接続を行うカードコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
ICカードは、カードにIC(Integrated Circuit)が埋め込まれたものである。ICカードの種類として、不揮発性メモリを使用するメモリカードが広く使用されている。メモリカード例えばSDメモリカードは、リムーバブルな記録媒体として、携帯型デジタルオーディオプレーヤー、デジタルカメラ等で使用されている。さらに、携帯電話機においては、利用者の固有のID番号が記録されたSIMカード(Subscriber Identity Module Card)が使用されている。
【0003】
カードコネクタに対しては、ICカードが挿抜自在とされている。例えばハートカムによるロック機構を使用し、プッシュイン・プッシュアウト方式によりICカードまたはアダプタに装着したICカードをハウジングに対して挿抜するもの等が知られている。
【0004】
例えば特許文献1には、ICカードを押し込む場合に、ICカードの側面と係合して一体に摺動する樹脂製のスライダーを設けるカードコネクタが記載されている。スライダーには、常に排出方向の力がばねによって与えられている。カード収納空間を有する樹脂成型品のハウジングの奥側に一端が回転自在に固定されたラッチピンが設けられ、ラッチピンの他端がスライダーに形成されているカム溝内に挿入されてカム溝内を摺動するようになされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第4866451号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1のカードコネクタにおいては、スライダーの摺動する領域のハウジングの底部が薄肉となり、ハウジングの強度が低下するおそれが生じる。さらに、スライダー自身にカム溝を形成しているので、スライダーをある程度大きくする必要が生じる。その結果、スライダーの幅と対応する幅の薄肉の領域の面積が比較的広いものとなる。その結果、カードコネクタをプリント配線基板に半田付けするリフロー処理後において、ハウジングのソリが大きくなるおそれがあった。
【0007】
したがって、この発明の目的は、従来のカードコネクタが有するこれらの問題を解決することができるカードコネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決するために、この発明は、絶縁プレートおよびカバーからなり、カード状体またはカード状体が載置されたトレイが挿入され、カード状体またはトレイが収納可能な扁平な収納空間を有するハウジングと、
絶縁プレートと一体に成型され、前後方向に延長する左右の側壁を有する金属製のばね収納部材と、
左右の側壁に挟まれた収納溝に収納されるコイルばねと、
ばね収納部材の近傍において、左右の側壁の一方と平行し、前後方向に沿って延長して絶縁プレート上に内方に突出して形成されるリブと、
コイルばねによって押し出し方向に付勢され、左右の側壁の一方とリブとを跨がって摺動する金属製のスライダーと、
を有し、
カード状体またはトレイの押し込み状態をロックするために、往路ガイド溝部と復路ガイド溝部と、往路ガイド溝部と復路ガイド溝部との合流部に設けられる往復共通溝部とからなるピンガイド溝を有するロック機構が使用され、往路ガイド溝部および復路ガイド溝部がハウジングの後方側に形成され、リブと平行に共通溝部が前方に向かって延伸され、
左右の側壁の一方と、左右の側壁の一方と対向するリブの内面によって、往復共通溝部が形成され、
スライダーにその一端が支持されたロックピンの摺動端がピンガイド溝に挿入され、カード状体またはトレイの挿抜と連動して摺動端がピンガイド溝を摺動するカードコネクタである。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、カード収納空間内で底板が薄肉となる領域の面積を狭くすることができ、リフロー後のソリを抑えることができる。さらに、この領域の強度を増加させることができるので、金属板によって底板を形成することが不要となる。さらに、レールの表面形成される溝部がカム溝の往復共通溝部と通じているので、ロックピンの可動範囲を長くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】この発明の一実施の形態によるカードコネクタの六面図である。
図2】この発明の一実施の形態によるカードコネクタの断面図である。
図3】この発明の一実施の形態によるカードコネクタの斜視図である。
図4】この発明の一実施の形態によるカードコネクタのシールドカバーを取り除いた状態の平面図である。
図5】この発明の一実施の形態によるカードコネクタのシールドカバーを取り除いた状態の斜視図である。
図6図4の一部拡大平面図である。
図7】ハートカムの説明のための平面図である。
図8】この発明の一実施の形態によるカードコネクタのシールドカバーを取り除いた状態で、且つガイドピンを取り除いた状態の斜視図である。
図9図8の一部拡大斜視図である。
図10】この発明の一実施の形態によるカードコネクタのシールドカバーを取り除いた状態で、且つスライダーを取り除いた状態の斜視図である。
図11】この発明の一実施の形態によるカードコネクタのシールドカバーを取り除いた状態で、且つスライダーを取り除いた状態の斜視図である。
図12図11の一部拡大斜視図である。
図13図12の一部拡大斜視図である。
図14】この発明の一実施の形態の効果の説明に用いる一部拡大平面図である。
図15】この発明の一実施の形態によるカードコネクタのシールドカバーを取り除いた状態で、且つスライダーおよびガイドピンを取り除いた状態の平面図である。
図16図15の一部拡大斜視図である。
図17】この発明の一実施の形態によるカードコネクタの一部拡大断面図である。
図18】この発明の一実施の形態におけるスライダーの六面図である。
図19】この発明の一実施の形態におけるスライダーの斜視図である。
図20】この発明の一実施の形態におけるスライダーの斜視図である。
図21】この発明の一実施の形態におけるスライダーの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、この発明の好適な具体例であり、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、この発明の範囲は、以下の説明において、特にこの発明を限定する旨の記載がない限り、これらの実施の形態に限定されないものとする。
【0012】
以下の説明は、下記の順序にしたがってなされる。
<1.一実施の形態>
<2.変形例>
【0013】
<1.一実施の形態>
この発明の一実施の形態によるカードコネクタについて図1乃至図3を参照して概略的に説明する。図1は、カードコネクタ1の六面図である。カードコネクタ1は、絶縁プレート2と、絶縁プレート2と対向して設けられるシールドカバー3とを有する。絶縁プレート2およびシールドカバー3によって、ハウジングが構成される。絶縁プレート2は、例えば液晶ポリマーの成型品である。シールドカバー3は、金属例えばステンレスを折り曲げ加工したものである。
【0014】
ハウジングの一方の端面のカード挿入口4からICカード5(二点鎖線で示す)例えばSIMカードがハウジング内部に形成されたカード収納凹部に挿入される。ICカード5に関して排出位置と挿入位置との両方の位置が示されている。シールドカバー3には、ICカード5のピンと接触するコンタクトから導出される外部接続用端子が臨む窓部6が形成されている。なお、この明細書においては、カード挿入口4の側を前または前面と称し、カード挿入口と反対側を後または背面と称し、カード挿入口から見て右側の面を右または右側面と称し、左側の面を左または左側面と適宜称する。
【0015】
SIMカードとしては、標準のSIMカードより小さい形状のマイクロSIMカード、或いはマイクロSIMカードより小さいナノSIMカードがある。これらのSIMカードは、サイズが異なるが、ピン配置等の物理的特性は、互いに同様とされている。この発明は、何れのSIMカードに対しても適用できる。さらに、SDメモリカード等の他のICカードに対しても適用できる。さらに、サイズが異なるICカードをアダプタに装着して標準のICカードと同様に使用する場合に対してもこの発明を適用することができる。さらに、カードコネクタがトレイを備え、トレイ上にICカードを載置して使用する場合に対してもこの発明を適用することができる。カード状体は、ICカードまたはアダプタを意味している。
【0016】
図4以下を参照して、この発明の一実施の形態についてより詳細に説明する。これらの図では、シールドカバー3を取り除いた状態の絶縁プレート2が示されている。絶縁プレート2は、底板7a、右側壁7b、および左側壁7c、後壁7d並びにカード挿入口4に隣接する前壁7eが一体に形成され、ICカード5が収納可能な収納空間が形成される。絶縁プレート2の上にシールドカバー3が取り付けられて溶接等で固定される。
【0017】
コイルばね8によってカード排出方向に付勢されるスライダー9が設けられる。コイルばね8は、断面U字状の溝を有する金属製のばね収納部材に収納される。ばね収納部材は、金属製のもので、インサート成型によって、絶縁プレート2と一体に形成される。右側壁7bは、ばね収納部材の右側の壁によって形成されている。左側壁7cは、インサート成型によって絶縁プレート2と一体に形成されている金属片である。
【0018】
SIMカードには、8個のピン(電極、端子、パッドとも称される)が金メッキによって形成されており、各ピンがデータ入力/出力端子、グラウンド端子、電源入力端子等に割り当てられている。例えば携帯電話機用のSIMカードの場合では、実際には、8個のピンの内で6個のピンが使用される。SIMカードのピン配置と対応して絶縁プレート2には、それぞれ6個のコンタクト10a、10b、10c、10d、10e、10fが設けられている。なお、コンタクトを個々に区別する必要がない場合には、単に、コンタクト10と称する。
【0019】
コンタクト10は、例えばりん青銅からなるばね接点であり、ハウジングの底面から切り起こされ、先端がSIMカードのピンとの接触面とされている。コンタクト10の他端が絶縁プレート2の下側に導出され、絶縁プレート2に形成されている窓部6に臨むようになされる。コンタクト10の他端がハウジングが設置されているプリント配線基板上の配線パターンと半田付けされ、カードコネクタ1に挿入されたICカード5とプリント配線基板との間が電気的に接続される。コンタクト10は、例えばインサート成型によって絶縁プレート2に設けられている。なお、コンタクト10以外の他の金属部品も同様にインサート成型によって絶縁プレート2に対して組み込まれている。但し、コイルばね8、スライダー9、ガイドピン等の部品は、絶縁プレート2とは、別部品とされている。
【0020】
この発明の一実施の形態は、プッシュイン・プッシュアウト方式によってICカードを挿抜するものである。すなわち、プッシュイン・プッシュアウト方式では、同一方向の操作力の繰り返しによって押し込み動作と引き出し動作がなされる。具体的には、ハートカム式のプッシュイン・プッシュアウト機構が使用される。
【0021】
スライダー9は、ICカード5と当接して、ICカード5の挿抜と連動して往復移動する金属製のものである。スライダー9は、コイルばね8によって、常時押し出し方向に付勢されている。コイルばね8は、金属製のばね収納部材内に配置されている。シールドカバー3を除いた状態を示す図10図11図12図13図15および図16に示すように、右側壁7bがばね収納部材の一方の壁であり、側壁7fがばね収納部材の右側壁7bと平行する他方の壁である。右側壁7bと側壁7fとの間の溝内にコイルばね8が収納されている。
【0022】
スライダー9は、後壁7dを下側とするほぼL字状の形状を有する。金属例えばステンレスを絞りおよび曲げ加工することによって、スライダー9が構成される。L字状の縦の線に対応する摺動部21と、L字状の横の線に対応するアーム部22とを有する。ICカード5の先端の当接部とスライダー9のアーム部22の先端とが当接するようになされている。ICカード5がカード収納空間に挿入されると、コイルばね8の付勢方向に抗してスライダー9がICカード5と一体に後方に摺動する。
【0023】
スライダー9に形成された支持孔に対してガイドピン11の一端が回転自在に挿入される。すなわち、ガイドピン11の一端が折り曲げ形成され、一端がスライダー9の支持孔に挿入され、ガイドピン11の回動中心軸が構成される。ガイドピン11の回転自在の他端が折り曲げられ、折り曲げられたガイドピン11の端部がピンガイド溝12の往復共通溝部内16に挿入されている。ピンガイド溝12が絶縁プレート2上で、後壁7dの側に形成されている。
【0024】
図7は、ハートカムによるロック機構のみを示している。ピンガイド溝12は、ハート形をしたハートカム13の両側に、往路ガイド溝部14と復路ガイド溝部15とが設けられ、この往路ガイド溝部14と復路ガイド溝部15との合流部に往復共通溝部16が設けられている。往復共通溝部16は、ガイドピン11を取り除いた状態を示す図8および図9、並びに、スライダー9およびガイドピン11を取り除いた状態を示す図15および図16に明瞭に示されている。
【0025】
ピンガイド溝12に、ガイドピン11の端部が挿入されて、往路ガイド溝部14と復路ガイド溝部15に沿って端部が循環するようになっている。ピンガイド溝12およびガイドピン11の端部によってプッシュイン・プッシュアウト機構が構成される。ガイドピン11の端部が、これら往路ガイド溝部14と復路ガイド溝部15と往復共通溝部16に沿って循環中に逆戻りしないように、往路ガイド溝部14と復路ガイド溝部15と往復共通溝部16の底面には、移動方向規制用の段部17a、17b、17c、17dが設けられている。
【0026】
段部17aは、往路ガイド溝部14の末端側に達したガイドピン11の端部が往路ガイド溝部14側に戻らずにハートカム13の窪み部である戻り止め停止位置cに向かうように設けられている。段部17bは、戻り止め停止位置cから端部が段部17a側に戻らないように設けられている。段部17cは、戻り止め停止位置cから復路ガイド溝部15に進むガイドピンの端部が戻り止め停止位置cに戻らないように設けられている。段部17dは、復路ガイド溝部15の末端から往路ガイド溝部14と往復共通溝部16とに入ったガイドピンの端部が復路ガイド溝部15に戻らないように設けられている。
【0027】
ICカード5が押し出し状態、すなわち、ICカード5が引き出し方向に移動されている状態では、ガイドピン11の端部が押し出し停止位置aに位置する。次に、カード押し込み動作、すなわち、プッシュイン動作がなされると、端部が往路ガイド溝部14を通ってプッシュイン押し込み動作末端停止位置bに達し、その位置で押し込み操作力を解除すると、コイルばね8のばね力によって、端部が戻り止め停止位置cに達する。
【0028】
そして、係止解除のための再度のICカード5の押し込み動作、すなわち、プッシュアウト動作によって、ガイドピン11の端部がプッシュアウト押し込み動作末端停止位置dに達する。次に、押し込み操作力を解除することにより、コイルばね8のばね力によって、端部が復路ガイド溝部15を通って押し出し停止位置aに戻る。
【0029】
さらに、図13図16図17Aおよび図17Bに示すように、絶縁プレート2上にカード挿入口4から後壁7dに向かう挿入方向に延びるリブ30が一体に形成されている。リブ30とばね収納部材31の側壁7fとの間に、ピンガイド溝12の往復共通溝部16が形成されている。往復共通溝部16内にガイドピン11の摺動端部とスライダー9の突起27とが挿入される。スライダー9の摺動部21の側壁23aおよび23bがリブ30および側壁7fに跨がって摺動する。これらのリブ30および側壁7fがレールを構成する。なお、図17においては、ばね収納部材31の溝内に配されるコイルばね8の図示を省略している。
【0030】
さらに、コイルばね8のばね力によって、スライダー9を回転させる力が発生する。一実施の形態では、リブ30および側壁7fの間の往復共通溝部16内にガイドピン11の摺動端部が挿入されているので、コイルばね8のばね力によってスライダー9に対して偏った力が加わっても、スライダー9が不安定となることを阻止することができる。さらに、スライダー9の突起27も共通溝部16内に挿入されているので、より一層スライダー9を安定に摺動させることができる。
【0031】
リブ30がピンガイド溝12の一部を構成する溝部を形成すると共に、スライダー9の摺動する領域に形成されているので、底板7aのこの領域を薄肉とした場合でも、リフロー処理時に絶縁プレート2に反りが発生することを抑制することが可能となる。
【0032】
この発明の一実施の形態では、絶縁プレート2の奥側にピンガイド溝12を形成し、スライダー9を小型とすることによって、カードの押し込みに必要とする押し込み量(図7における位置aおよび位置b間)、並びにカードの排出量(図7における位置dおよび位置a間)を大きくすることができる。したがって、正規のICカードに比してより小さい形状のICカードを誤って挿入した場合に、そのICカードを確実に排出することができる。
【0033】
この発明の一実施の形態においては、ICカード5がカードコネクタに対してプッシュイン状態か否かを検知するためのスイッチ18がカード収納空間内に設けられている。すなわち、ICカード5の挿抜方向の移動に連動して切り替えられるスイッチ18によって、ICカード5の挿抜状態が検知され、検知結果が信号伝達用のコンタクト10の活線/非活線状態の切り替え制御等に使用される。
【0034】
スイッチ18は、第1のコンタクト19および第2のコンタクト20からなる。第1のコンタクト19および第2のコンタクト20は、共にりん青銅からなるばね接点であり、インサート成型によって絶縁プレート2のカード収納凹部の後方に設けられている。第1のコンタクト19と電気的に接続される端子および第2のコンタクト20と電気的に接続される端子が絶縁プレート2の側面または底面に導出され、外部のプリント配線基板と接続される。
【0035】
第1のコンタクト19は、ICカード5の挿抜方向とほぼ直交する板面を有する板バネであり、その基部がカード収納凹部の後壁7dの近傍において絶縁プレート2にインサート成型によって固定されている。第1のコンタクト19の板状のばね部の先端に半円状の突出部が設けられる。さらに、先端がカード挿抜方向と平行となるように折り曲げられる。半円状の突出部がICカード5の前端面と当接する作動部である。
【0036】
第1のコンタクト19は、一端が開放され、第1のコンタクト19の他端側から一端側に延びる細帯状のスリットを有する。スリットは、第1のコンタクト19の幅の中間位置に形成され、第1のコンタクト19の他端側から一端側に向かって開口幅が徐々に小となる形状とされている。第1のコンタクト19の他端の下側端面が第2のコンタクト20と接触する接触部とされている。接触部は、第2のコンタクト20の傾斜接触面に沿った傾きを有する。
【0037】
絶縁プレート2の後壁7dに接して窓部が形成され、カードの挿抜方向と平行する板面を有し、後壁7dに向かって突出する板状ばねが設けられる。板状ばねの中央部が切り起こされて第2のコンタクト20とされている。第2のコンタクト20は、カード挿入口側の基部から後壁7d側の自由端に向かって上昇する傾斜面を有する切り起こし片である。傾斜面に対して第1のコンタクト19の接触部が接触可能とされている。さらに、第2のコンタクト20の自由端の近傍がより上側に向くように、傾斜が異ならされている。これは、第1のコンタクト19の接触部が第2のコンタクト20の傾斜面に沿って摺動する場合に、第2のコンタクト20の傾斜面の先端付近では、より大きな接触圧を生じさせ、第1および第2のコンタクトの接触を安定とするためである。
【0038】
図5には、ICカード5の装着の状態に応じて変化する第1のコンタクト19の位置が示されている。第1のコンタクト19aは、ICカード5の挿入が完了していない状態、すなわち、カード押し出し状態の位置を示す。カード押し出し状態では、第1のコンタクト19と第2のコンタクト20とは、非接触状態であり、スイッチOFFの状態(ノーマルOFF)である。ICカード5が押し込まれた位置を第1のコンタクト19bが示す。そして、ICカード5がプッシュインされ、装着完了状態の位置を第1のコンタクト19cが示す。この状態では、第1のコンタクト19と第2のコンタクト20とが接触し、スイッチONの状態となる。
【0039】
図18乃至図21を参照してスライダー9の一例について説明する。摺動部21の絶縁プレート2の底板7aと対向する内面側に突出して平行する側壁23aおよび23bが一体に形成される。一方の側壁23aの前側の先端が折り曲げられてばね受け部24が形成される。側壁23aからばね受け部24に至るコーナー部25が直角の曲げ角度に対して多少の曲率を持つようになされる。
【0040】
摺動部21のアーム部22の側にガイドピン11の固定端の支持孔26が形成される。ガイドピン11の摺動端がロック機構としてのハートカムのピンガイド溝12を摺動する。支持孔26の近傍に内側に斜めに突出する突起27が形成されている。
【0041】
側壁23bは、アーム部22にまで延長して形成される。側壁23bからアーム部22に至るコーナー部28が直角の曲げ角度に対して多少の曲率を持つようになされる。アーム部22に延長された側壁23bの先端面がカード受け部29となされる。カード受け部29に対してICカード5の当接部が当接し、ICカード5を押し込むにしたがってスライダー9が奥に移動する。摺動部21とアーム部22とを接続する箇所のコーナー部28に連続的に側壁23bが形成されることによって、断面L字状となる。このことによって、スライダー9のカード挿入時の曲げ剛性を向上させることができると共に、摺動時にスライダー9のエッジが露出しないので、摺動時にエッジが溝壁を削るおそれがなくなり、スムーズにスライダー9が摺動することができる。
【0042】
<2.変形例>
以上、この発明の実施の形態について具体的に説明したが、上述の各実施の形態に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。例えば、上述の一実施の形態では、リブ30とばね収納部材31の側壁7fによって、溝部を有するレールを構成している。一実施の形態のように、金属製のばね収納部材31を利用することによって、レールの強度を保つことができる。しかしながら、絶縁プレート2に対して、レールとしてのリブと、リブ中央の溝部との両方を形成するようにしても良い。
【0043】
上述の実施の形態において挙げた構成、方法、工程、形状、材料および数値などはあくまでも例に過ぎず、必要に応じてこれと異なる構成、方法、工程、形状、材料および数値などを用いても良い。
【符号の説明】
【0044】
1・・・カードコネクタ
2・・・絶縁プレート
3・・・シールドカバー
4・・・カード挿入口
5・・・ICカード
7a・・・底板
7b・・・右側壁
7f側壁
8・・・コイルばね
9・・・スライダー
10a〜10f、10・・・コンタクト
11・・・ガイドピン
12・・・ピンガイド溝
13・・・ハートカム
16・・・往復共通溝部
18・・・スイッチ
21・・・摺動部
22・・・アーム部
30・・・リブ
31・・・ばね収納部材
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