特許第5776746号(P5776746)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5776746
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】空気調和装置
(51)【国際特許分類】
   F25B 1/00 20060101AFI20150820BHJP
   F25B 43/00 20060101ALI20150820BHJP
【FI】
   F25B1/00 311B
   F25B1/00 304A
   F25B1/00 304D
   F25B1/00 304H
   F25B43/00 L
【請求項の数】2
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2013-226155(P2013-226155)
(22)【出願日】2013年10月31日
(65)【公開番号】特開2014-167381(P2014-167381A)
(43)【公開日】2014年9月11日
【審査請求日】2013年12月11日
(31)【優先権主張番号】特願2013-14803(P2013-14803)
(32)【優先日】2013年1月29日
(33)【優先権主張国】JP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002853
【氏名又は名称】ダイキン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000202
【氏名又は名称】新樹グローバル・アイピー特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】湯本 孔明
(72)【発明者】
【氏名】金澤 友佳子
(72)【発明者】
【氏名】星加 啓太郎
(72)【発明者】
【氏名】下田 順一
【審査官】 仲村 靖
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−210491(JP,A)
【文献】 特開2001−065953(JP,A)
【文献】 特開2001−194015(JP,A)
【文献】 特開2012−193897(JP,A)
【文献】 特開2001−227822(JP,A)
【文献】 特開2001−295762(JP,A)
【文献】 特開2002−089988(JP,A)
【文献】 特開2001−221526(JP,A)
【文献】 特開昭54−049661(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F25B 1/00
F25B 43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮機(21)、放熱器(23、41)、上流側膨張弁(24、26)、レシーバ(25)、下流側膨張弁(26、24)、蒸発器(41、23)が接続されることによって構成された冷媒回路(10)を有しており、前記圧縮機、前記放熱器、前記上流側膨張弁、前記レシーバ、前記下流側膨張弁、前記蒸発器の順に冷媒を循環させることが可能な空気調和装置において、
前記冷媒回路には、冷媒としてR32が封入されており、
前記冷媒回路には、開閉制御可能なレシーバガス抜き弁(30a)を有しており、前記レシーバ内に溜まったガス冷媒を前記圧縮機の吸入側に導くためのレシーバガス抜き管(30)が設けられており、
前記レシーバガス抜き弁を開けることによって前記レシーバガス抜き管を通じて前記レシーバから前記圧縮機の吸入側にガス冷媒を導くガス抜き制御を行い、
前記放熱器の出口における冷媒の過冷却度が目標過冷却度になるように前記上流側膨張弁の開度を変更する上流側膨張弁過冷却度制御を行い、
前記蒸発器の出口における冷媒が湿り状態でかつ冷媒の乾き度が目標乾き度になるように前記下流側膨張弁の開度を変更する下流側膨張弁吸入湿り制御を行い、
前記下流側膨張弁吸入湿り制御は、前記圧縮機(21)から吐出される冷媒の温度が、前記蒸発器(41、23)の出口における冷媒の乾き度が前記目標乾き度になる場合に相当する目標吐出温度になるように前記下流側膨張弁の開度を変更する制御であり、
前記圧縮機(21)から吐出される冷媒の温度が前記目標吐出温度よりも高い保護吐出温度まで上昇したもの、又は、前記圧縮機から吐出される冷媒の温度と相関する状態量が前記保護吐出温度に対応する保護状態量まで達したものと判定される吐出温度保護条件を満たす場合には、前記上流側膨張弁(24、26)については、前記上流側膨張弁過冷却度制御を行い、かつ、前記下流側膨張弁(26、24)については、前記下流側膨張弁の制御下限である下限開度に所定の補正開度を加える吐出温度保護制御を行いつつ、前記下流側膨張弁吸入湿り制御を行う、
気調和装置(1)。
【請求項2】
前記吐出温度保護制御において、前記補正開度を、前記圧縮機(21)から吐出される冷媒の温度、又は、前記圧縮機から吐出される冷媒の過熱度に応じて変更する、
請求項に記載の空気調和装置(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和装置、特に、圧縮機、放熱器、上流側膨張弁、レシーバ、下流側膨張弁、蒸発器が接続されることによって構成された冷媒回路を有しており、圧縮機、放熱器、上流側膨張弁、レシーバ、下流側膨張弁、蒸発器の順に冷媒を循環させることが可能な空気調和装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、特許文献1(特開平10−132393号公報)に示すように、レシーバの上流側及び下流側に膨張弁を設けるとともにレシーバからガス冷媒を圧縮機にインジェクションする冷媒回路を有する空気調和装置がある。具体的には、空気調和装置は、圧縮機、放熱器、上流側膨張弁、レシーバ、下流側膨張弁、蒸発器が接続されることによって構成された冷媒回路を有している。冷媒回路には、レシーバから中間圧のガス冷媒を圧縮機にインジェクションするインジェクション回路が設けられている。そして、空気調和装置では、圧縮機、放熱器、上流側膨張弁、レシーバ、下流側膨張弁、蒸発器の順に冷媒を循環させる運転を行いつつ、レシーバから中間圧のガス冷媒を圧縮機にインジェクションするようになっている。
【0003】
また、特許文献2(特開2001−194015号公報)に示すように、冷媒としてR32を使用した空気調和装置がある。具体的には、空気調和装置は、圧縮機、放熱器、膨張弁、蒸発器が接続されることによって構成された冷媒回路を有している。そして、空気調和装置では、圧縮機、放熱器、膨張弁、蒸発器の順に冷媒を循環させる運転を行いつつ、蒸発器の出口における冷媒が所定の湿り状態になるように圧縮機の回転数及び/又は膨張弁の開度を変更する吸入湿り制御をするようになっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の空気調和装置によれば、例えば、特許文献1のような、レシーバの上流側及び下流側に膨張弁を設けるとともにレシーバからガス冷媒を圧縮機にインジェクションする冷媒回路を有する空気調和装置において、特許文献2のように、冷媒としてR32を使用することが考えられる。ここで、冷媒としてR32を使用する場合には、特許文献2のように、圧縮機から吐出される冷媒の温度が上昇しやすくなることを考慮して、吸入湿り制御を行う必要がある。
【0005】
しかし、特許文献2には、レシーバを有しておらず、かつ、膨張弁を1つだけを有する冷媒回路が記載されているものの、レシーバの上流側及び下流側に膨張弁を設けてレシーバからガス冷媒を圧縮機にインジェクションする冷媒回路は記載されていない。このため、特許文献1のようなレシーバの上流側及び下流側に膨張弁を設けてレシーバからガス冷媒を圧縮機にインジェクションする冷媒回路において、吸入湿り制御を含めた制御をどのように行うかが課題となる。また、圧縮機は、所定の湿り状態よりも乾き度の大きい冷媒を吸入すると、上記のように、圧縮機から吐出される冷媒の温度の上昇が発生し、また、所定の湿り状態よりも乾き度の小さい冷媒を吸入すると、液圧縮が発生するおそれがある。このため、圧縮機の信頼性の確保という観点から、吸入湿り制御に対しては、高い制御性が要求される。また、特許文献1、2では、圧縮機の吸入側にアキュムレータを設けているが、この場合には、アキュムレータの気液分離機能によって、湿り状態で冷媒を圧縮機に吸入させることが困難になるため、吸入湿り制御を行う場合には、圧縮機の吸入側にアキュムレータを設けること自体が好ましいものとは言えない。但し、圧縮機の吸入側にアキュムレータを設けないことは、液圧縮が発生するおそれが高まることを意味するため、圧縮機が所定の湿り状態よりも乾き度の小さい冷媒を吸入しないように、吸入湿り制御の制御性を一層向上させる必要がある。
【0006】
このように、レシーバの上流側及び下流側に膨張弁を設けるとともにレシーバからガス冷媒を圧縮機にインジェクションする冷媒回路を有する空気調和装置において、冷媒としてR32を使用する場合には、吸入湿り制御を行う必要があるところ、この吸入湿り制御には、圧縮機の信頼性の確保という観点から、高い制御性が要求される。
【0007】
本発明の課題は、レシーバの上流側及び下流側に膨張弁を設けるとともにレシーバからガス冷媒を圧縮機にインジェクションする冷媒回路を有する空気調和装置において、冷媒としてR32を使用するに当たり、制御性の高い吸入湿り制御を行うことができるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の観点にかかる空気調和装置は、圧縮機、放熱器、上流側膨張弁、レシーバ、下流側膨張弁、蒸発器が接続されることによって構成された冷媒回路を有しており、圧縮機、放熱器、上流側膨張弁、レシーバ、下流側膨張弁、蒸発器の順に冷媒を循環させることが可能な空気調和装置である。冷媒回路には、冷媒としてR32が封入されている。また、冷媒回路には、開閉制御可能なレシーバガス抜き弁を有しており、レシーバ内に溜まったガス冷媒を圧縮機の吸入側に導くためのレシーバガス抜き管が設けられている。そして、ここでは、レシーバガス抜き弁を開けることによってレシーバガス抜き管を通じてレシーバから圧縮機の吸入側にガス冷媒を導くガス抜き制御を行い、放熱器の出口における冷媒の過冷却度が目標過冷却度になるように上流側膨張弁の開度を変更する上流側膨張弁過冷却度制御を行い、蒸発器の出口における冷媒が湿り状態でかつ冷媒の乾き度が目標乾き度になるように下流側膨張弁の開度を変更する下流側膨張弁吸入湿り制御を行う。
【0009】
ここでは、レシーバの上流側及び下流側に膨張弁を設けてレシーバからガス冷媒を圧縮機にインジェクションする冷媒回路を有していることから、吸入湿り制御については、蒸発器に流入する冷媒の流量を直接的に制御することが可能な機器を制御することが好ましい。
【0010】
そこで、ここでは、上記のように、レシーバの下流側に設けられる下流側膨張弁の開度を変更する下流側膨張弁吸入湿り制御を行って、蒸発器の出口における冷媒が湿り状態でかつ冷媒の乾き度が目標乾き度になるようにしている。
【0011】
しかし、このとき、下流側膨張弁の制御性を良好なものとするためには、レシーバから下流側膨張弁に送られる冷媒を常に液冷媒の状態に維持することが好ましい。そして、レシーバから下流側膨張弁に送られる冷媒を常に液冷媒の状態に維持するためには、レシーバに流入する液冷媒及びガス冷媒の流量を安定させるとともに、レシーバから下流側膨張弁にガス冷媒が流入しないように、かつ、レシーバガス抜き管から圧縮機の吸入側に液冷媒が戻ることがないようにすることが必要となる。
【0012】
そこで、ここでは、下流側膨張弁吸入湿り制御を行うに当たり、上記のように、レシーバガス抜き弁を開けるガス抜き制御を行って、レシーバに設けられるレシーバガス抜き管を通じてレシーバから圧縮機の吸入側にガス冷媒を導くとともに、レシーバの上流側に設けられる上流側膨張弁の開度を変更する上流側膨張弁過冷却度制御を行って、放熱器の出口における冷媒の過冷却度が目標過冷却度になるようにしている。そうすると、放熱器の出口における冷媒の過冷却度が目標過冷却度になることで、上流側膨張弁を通過してレシーバに流入する液冷媒及びガス冷媒の流量が安定し、しかも、レシーバガス抜き管を通じてレシーバからガス冷媒が安定的に抜き出されるようになる。このため、レシーバに液冷媒が常に存在する状態が維持されて、レシーバから下流側膨張弁に送られる冷媒が常に液冷媒の状態に維持されることになる。
【0013】
これにより、ここでは、冷媒としてR32を使用するに当たり、制御性の高い吸入湿り制御を行うことができる。
【0014】
第2の観点にかかる空気調和装置は、第1の観点にかかる空気調和装置において、下流側膨張弁吸入湿り制御は、圧縮機から吐出される冷媒の温度が、蒸発器の出口における冷媒の乾き度が目標乾き度になる場合に相当する目標吐出温度になるように下流側膨張弁の開度を変更する制御である。
【0015】
ここでは、圧縮機から吐出される冷媒の温度に基づいて下流側膨張弁吸入湿り制御を行うようにしているため、吸入湿り制御を精度良く行うことができる。
【0016】
第3の観点にかかる空気調和装置は、第2の観点にかかる空気調和装置において、圧縮機から吐出される冷媒の温度が目標吐出温度よりも高い保護吐出温度まで上昇したもの、又は、圧縮機から吐出される冷媒の温度と相関する状態量が保護吐出温度に対応する保護状態量まで達したものと判定される吐出温度保護条件を満たす場合には、上流側膨張弁については、上流側膨張弁過冷却度制御を行い、かつ、下流側膨張弁については、下流側膨張弁の制御下限である下限開度に所定の補正開度を加える吐出温度保護制御を行いつつ、下流側膨張弁吸入湿り制御を行う。
【0017】
下流側膨張弁吸入湿り制御を行っていても、何らかの不測の事態によって、圧縮機から吐出される冷媒の温度が過度に上昇するおそれを否定することはできない。
【0018】
そこで、ここでは、上記のように、圧縮機から吐出される冷媒の温度が目標吐出温度よりも高い保護吐出温度まで上昇したもの、又は、圧縮機から吐出される冷媒の温度と相関する状態量が保護吐出温度に対応する保護状態量まで達したものと判定される吐出温度保護条件を満たす場合に、上流側膨張弁については、上流側膨張弁過冷却度制御を行い、かつ、下流側膨張弁については、下流側膨張弁の制御下限である下限開度に所定の補正開度を加える吐出温度保護制御を行いつつ、下流側膨張弁吸入湿り制御を行うようにしている。このため、上流側膨張弁過冷却度制御、及び、下流側膨張弁吸入湿り制御を継続しつつ、下流側膨張弁の下限開度に補正開度を加える吐出温度保護制御を行うことによって、実質的に下流側膨張弁の開度を大きくすることができる。
【0019】
これにより、ここでは、吸入湿り制御を精度良く行うための上流側膨張弁過冷却度制御及び下流側膨張弁吸入湿り制御という制御状態を維持しながら、下流側膨張弁については、開度を大きくする方向の制御性を高めて、吐出温度保護を効果的に図ることができる。
【0020】
第4の観点にかかる空気調和装置は、第3の観点にかかる空気調和装置において、吐出温度保護制御において、補正開度を、圧縮機から吐出される冷媒の温度、又は、圧縮機から吐出される冷媒の過熱度に応じて変更する。
【0021】
ここでは、上記のように、吐出温度保護制御において、補正開度を、圧縮機から吐出される冷媒の温度、又は、圧縮機から吐出される冷媒の過熱度に応じて変更するようにしている。例えば、圧縮機から吐出される冷媒の温度、又は、圧縮機から吐出される冷媒の過熱度が非常に高い場合には、下流側膨張弁の開度が速やかに大きくなるようにするために、補正開度を大きくし、圧縮機から吐出される冷媒の温度、又は、圧縮機から吐出される冷媒の過熱度が少し高い場合には、下流側膨張弁の開度が緩やかに大きくなるようにするために、補正開度を小さくするのである。
【0022】
これにより、ここでは、吐出温度保護制御における下流側膨張弁の開度変更の程度を状況に応じて適切に変更して、吐出温度保護の制御性をさらに向上させることができる。
【発明の効果】
【0023】
以上の説明に述べたように、本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0024】
第1の観点にかかる空気調和装置では、冷媒としてR32を使用するに当たり、制御性の高い吸入湿り制御を行うことができる。
【0025】
第2の観点にかかる空気調和装置では、吸入湿り制御を精度良く行うことができる。
【0026】
第3の観点にかかる空気調和装置では、吸入湿り制御を精度良く行うための上流側膨張弁過冷却度制御及び下流側膨張弁吸入湿り制御という制御状態を維持しながら、下流側膨張弁については、開度を大きくする方向の制御性を高めて、吐出温度保護を効果的に図ることができる。
【0027】
第4の観点にかかる空気調和装置では、吐出温度保護制御における下流側膨張弁の開度変更の程度を状況に応じて適切に変更して、吐出温度保護の制御性をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の一実施形態にかかる空気調和装置の概略構成図である。
図2】空気調和装置の制御ブロック図である。
図3】冷房運転時における吸入湿り制御を含む制御構成の詳細を示す図である。
図4】暖房運転時における吸入湿り制御を含む制御構成の詳細を示す図である。
図5】吐出温度保護制御のフローチャートである。
図6】補正開度の変更条件と補正開度値を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明にかかる空気調和装置の実施形態及びその変形例について、図面に基づいて説明する。尚、本発明にかかる空気調和装置の具体的な構成は、下記の実施形態及びその変形例に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0030】
(1)空気調和装置の構成
図1は、本発明の一実施形態にかかる空気調和装置1の概略構成図である。
【0031】
空気調和装置1は、蒸気圧縮式の冷凍サイクルを行うことによって、建物等の室内の冷房及び暖房を行うことが可能な装置である。空気調和装置1は、主として、室外ユニット2と、室内ユニット4とが接続されることによって構成されている。ここで、室外ユニット2と室内ユニット4とは、液冷媒連絡管5及びガス冷媒連絡管6を介して接続されている。すなわち、空気調和装置1の蒸気圧縮式の冷媒回路10は、室外ユニット2と、室内ユニット4とが冷媒連絡管5、6を介して接続されることによって構成されている。また、この冷媒回路10には、冷媒として、HFC系冷媒の一種であるR32が封入されている。
【0032】
<室内ユニット>
室内ユニット4は、室内に設置されており、冷媒回路10の一部を構成している。室内ユニット4は、主として、室内熱交換器41を有している。
【0033】
室内熱交換器41は、冷房運転時には冷媒の蒸発器として機能して室内空気を冷却し、暖房運転時には冷媒の放熱器として機能して室内空気を加熱する熱交換器である。室内熱交換器41の液側は液冷媒連絡管5に接続されており、室内熱交換器41のガス側はガス冷媒連絡管6に接続されている。
【0034】
室内ユニット4は、室内ユニット4内に室内空気を吸入して、室内熱交換器41において冷媒と熱交換させた後に、供給空気として室内に供給するための室内ファン42を有している。すなわち、室内ユニット4は、室内熱交換器41を流れる冷媒の加熱源又は冷却源としての室内空気を室内熱交換器41に供給するファンとして、室内ファン42を有している。ここでは、室内ファン42として、室内ファン用モータ43によって駆動される遠心ファンや多翼ファン等が使用されている。また、室内ファン用モータ43は、インバータ等によって回転数を変更することができるようになっている。
【0035】
室内ユニット4には、各種のセンサが設けられている。具体的には、室内熱交換器41には、室内熱交換器41の液側における冷媒の温度Trrlを検出する室内熱交液側温度センサ57と、室内熱交換器41の中間部分における冷媒の温度Trrmを検出する室内熱交中間温度センサ58とが設けられている。室内ユニット4には、室内ユニット4内に吸入される室内空気の温度Traを検出する室内温度センサ59が設けられている。
【0036】
室内ユニット4は、室内ユニット4を構成する各部の動作を制御する室内側制御部44を有している。そして、室内側制御部44は、室内ユニット4の制御を行うために設けられたマイクロコンピュータやメモリ等を有しており、室内ユニット4を個別に操作するためのリモコン(図示せず)との間で制御信号等のやりとりを行ったり、室外ユニット2との間で伝送線8aを介して制御信号等のやりとりを行うことができるようになっている。
【0037】
<室外ユニット>
室外ユニット2は、室外に設置されており、冷媒回路10の一部を構成している。室外ユニット2は、主として、圧縮機21と、四路切換弁22と、室外熱交換器23と、室外熱交側膨張弁24と、レシーバ25と、室内熱交側膨張弁26と、液側閉鎖弁27と、ガス側閉鎖弁28と、レシーバガス抜き管30とを有している。
【0038】
圧縮機21は、冷凍サイクルにおける低圧の冷媒を高圧になるまで圧縮する機器である。圧縮機21は、ロータリ式やスクロール式等の容積式の圧縮要素(図示せず)をインバータにより制御される圧縮機用モータ21aによって回転駆動する密閉式構造となっている。圧縮機21は、吸入側に吸入管31が接続されており、吐出側に吐出管32が接続されている。吸入管31は、圧縮機21の吸入側と四路切換弁22の第1ポート22aとを接続する冷媒管である。吸入管31には、圧縮機21に付属する小容積のアキュムレータ29が設けられている。吐出管32は、圧縮機21の吐出側と四路切換弁22の第2ポート22bとを接続する冷媒管である。吐出管32には、圧縮機21の吐出側から四路切換弁22の第2ポート22b側への冷媒の流れのみを許容する逆止弁32aが設けられている。
【0039】
四路切換弁22は、冷媒回路10における冷媒の流れの方向を切り換えるための切換弁である。四路切換弁22は、冷房運転時には、室外熱交換器23を圧縮機21において圧縮された冷媒の放熱器として機能させ、かつ、室内熱交換器41を室外熱交換器23において放熱した冷媒の蒸発器として機能させる冷房サイクル状態への切り換えを行う。すなわち、四路切換弁22は、冷房運転時には、第2ポート22bと第3ポート22cとを連通させ、かつ、第1ポート22aと第4ポート22dとを連通させる切り換えを行う。これにより、圧縮機21の吐出側(ここでは、吐出管32)と室外熱交換器23のガス側(ここでは、第1ガス冷媒管33)とが接続される(図1の四路切換弁22の実線を参照)。しかも、圧縮機21の吸入側(ここでは、吸入管31)とガス冷媒連絡管6側(ここでは、第2ガス冷媒管34)とが接続される(図1の四路切換弁22の実線を参照)。また、四路切換弁22は、暖房運転時には、室外熱交換器23を室内熱交換器41において放熱した冷媒の蒸発器として機能させ、かつ、室内熱交換器41を圧縮機21において圧縮された冷媒の放熱器として機能させる暖房サイクル状態への切り換えを行う。すなわち、四路切換弁22は、暖房運転時には、第2ポート22bと第4ポート22dとを連通させ、かつ、第1ポート22aと第3ポート22cとを連通させる切り換えを行う。これにより、圧縮機21の吐出側(ここでは、吐出管32)とガス冷媒連絡管6側(ここでは、第2ガス冷媒管34)とが接続される(図1の四路切換弁22の破線を参照)。しかも、圧縮機21の吸入側(ここでは、吸入管31)と室外熱交換器23のガス側(ここでは、第1ガス冷媒管33)とが接続される(図1の四路切換弁22の破線を参照)。第1ガス冷媒管33は、四路切換弁22の第3ポート22cと室外熱交換器23のガス側とを接続する冷媒管である。第2ガス冷媒管34は、四路切換弁22の第4ポート22dとガス冷媒連絡管6側とを接続する冷媒管である。
【0040】
室外熱交換器23は、冷房運転時には室外空気を冷却源とする冷媒の放熱器として機能し、暖房運転時には室外空気を加熱源とする冷媒の蒸発器として機能する熱交換器である。室外熱交換器23は、液側が液冷媒管35に接続されており、ガス側が第1ガス冷媒管33に接続されている。液冷媒管35は、室外熱交換器23の液側と液冷媒連絡管5側とを接続する冷媒管である。室外熱交換器23は、伝熱管として扁平多穴管を使用する熱交換器である。
【0041】
室外熱交側膨張弁24は、冷房運転時には、室外熱交換器23において放熱した冷凍サイクルにおける高圧の冷媒を冷凍サイクルにおける中間圧まで減圧する上流側膨張弁として機能する弁である。また、室外熱交側膨張弁24は、暖房運転時には、レシーバ25に溜められた冷凍サイクルにおける中間圧の冷媒を冷凍サイクルにおける低圧まで減圧する下流側膨張弁として機能する弁である。室外熱交側膨張弁24は、液冷媒管35の室外熱交換器23寄りの部分に設けられている。ここでは、室外熱交側膨張弁24として、電動膨張弁が使用されている。
【0042】
レシーバ25は、室外熱交側膨張弁24と室内熱交側膨張弁26との間に設けられている。レシーバ25は、冷房運転時及び暖房運転時には、冷凍サイクルにおける中間圧の冷媒を溜めることが可能な容器である。
【0043】
室内熱交側膨張弁26は、冷房運転時には、レシーバ25に溜められた冷凍サイクルにおける中間圧の冷媒を冷凍サイクルにおける低圧まで減圧する下流側膨張弁として機能する弁である。また、室内熱交側膨張弁26は、暖房運転時には、室内熱交換器41において放熱した冷凍サイクルにおける高圧の冷媒を冷凍サイクルにおける中間圧まで減圧する上流側膨張弁として機能する弁である。室内熱交側膨張弁26は、液冷媒管35の液側閉鎖弁27寄りの部分に設けられている。ここでは、室内熱交側膨張弁26として、電動膨張弁が使用されている。
【0044】
液側閉鎖弁27及びガス側閉鎖弁28は、外部の機器・配管(具体的には、液冷媒連絡管5及びガス冷媒連絡管6)との接続口に設けられた弁である。液側閉鎖弁27は、液冷媒管35の端部に設けられている。ガス側閉鎖弁28は、第2ガス冷媒管34の端部に設けられている。
【0045】
レシーバガス抜き管30は、レシーバ25内に溜まった冷凍サイクルにおける中華夏のガス冷媒を圧縮機21の吸入管31に導く冷媒管である。レシーバガス抜き管30は、レシーバ25の上部と吸入管31の途中部分との間を接続するように設けられている。レシーバガス抜き管30には、レシーバガス抜き弁30a、キャピラリーチューブ30b、及び、逆止弁30cが設けられている。レシーバガス抜き弁30aは、レシーバガス抜き管30の冷媒の流れをON/OFFする開閉制御可能な弁であり、ここでは、電磁弁が使用されている。キャピラリーチューブ30bは、レシーバ25内に溜まったガス冷媒を冷凍サイクルにおける低圧まで減圧する機構であり、ここでは、レシーバガス抜き管よりも細径のキャピラリーチューブが使用されている。逆止弁30cは、レシーバ25側から吸入管31側への冷媒の流れのみを許容する弁機構であり、ここでは、逆止弁が使用されている。
【0046】
室外ユニット2は、室外ユニット2内に室外空気を吸入して、室外熱交換器23において冷媒と熱交換させた後に、外部に排出するための室外ファン36を有している。すなわち、室外ユニット2は、室外熱交換器23を流れる冷媒の冷却源又は加熱源としての室外空気を室外熱交換器23に供給するファンとして、室外ファン36を有している。ここでは、室外ファン36として、室外ファン用モータ37によって駆動されるプロペラファン等が使用されている。また、室外ファン用モータ37は、インバータ等によって回転数を変更することができるようになっている。
【0047】
室外ユニット2には、各種のセンサが設けられている。具体的には、吸入管31には、圧縮機21に吸入される冷凍サイクルにおける低圧の冷媒の温度Tsを検出する吸入温度センサ51が設けられている。ここでは、吸入温度センサ51は、吸入管31のレシーバガス抜き管30との合流部分よりも下流側の位置に設けられている。吐出管32には、圧縮機21から吐出される冷凍サイクルにおける高圧の冷媒の温度Tdを検出する吐出温度センサ52が設けられている。室外熱交換器23には、室外熱交換器23の中間部分における冷媒の温度Tormを検出する室外熱交中間温度センサ53と、室外熱交換器23の液側における冷媒の温度Torlを検出する室外熱交液側温度センサ54とが設けられている。室外ユニット2には、室外ユニット2内に吸入される室外空気の温度Toaを検出する室外温度センサ55が設けられている。液冷媒管35には、室内熱交側膨張弁26の室内寄りの部分における冷媒の液管温度Tlpを検出する液管温度センサ56が設けられている。
【0048】
室外ユニット2は、室外ユニット2を構成する各部の動作を制御する室外側制御部38を有している。そして、室外側制御部38は、室外ユニット2の制御を行うために設けられたマイクロコンピュータやメモリ等を有しており、室内ユニット4(すなわち、室内側制御部44)との間で伝送線8aを介して制御信号等のやりとりを行うことができるようになっている。
【0049】
<冷媒連絡管>
冷媒連絡管5、6は、空気調和装置1を建物等の設置場所に設置する際に、現地にて施工される冷媒管であり、設置場所や室外ユニットと室内ユニットとの組み合わせ等の設置条件に応じて種々の長さや管径を有するものが使用される。
【0050】
以上のように、室外ユニット2と、室内ユニット4と、冷媒連絡管5、6とが接続されることによって、空気調和装置1の冷媒回路10が構成されている。空気調和装置1は、圧縮機21、放熱器としての室外熱交換器23、上流側膨張弁としての室外熱交側膨張弁24、レシーバ25、下流側膨張弁としての室内熱交側膨張弁26、蒸発器としての室内熱交換器41の順に冷媒を循環させて冷房運転を行うようになっている。また、空気調和装置1は、四路切換弁22を暖房サイクル状態に切り換えることによって、圧縮機21、放熱器としての室内熱交換器41、上流側膨張弁としての室内熱交側膨張弁26、レシーバ25、下流側膨張弁としての室外熱交側膨張弁24、蒸発器としての室外熱交換器23の順に冷媒を循環させて暖房運転を行うようになっている。冷媒回路10には、冷媒としてR32が封入されている。また、冷媒回路10には、開閉制御可能なレシーバガス抜き弁30aを有しており、レシーバ25内に溜まったガス冷媒を圧縮機21の吸入側に導くためのレシーバガス抜き管30が設けられている。
【0051】
<制御部>
空気調和装置1は、室内側制御部44と室外側制御部38とから構成される制御部8によって、室外ユニット2及び室内ユニット4の各機器の制御を行うことができるようになっている。すなわち、室内側制御部44と室外側制御部38との間を接続する伝送線8aとによって、上記の冷房運転や暖房運転等を含む空気調和装置1全体の運転制御を行う制御部8が構成されている。
【0052】
制御部8は、図2に示すように、各種センサ51〜59等の検出信号を受けることができるように接続されるとともに、これらの検出信号等に基づいて各種機器及び弁21a、22、24、26、30a、37、43等を制御することができるように接続されている。
【0053】
(2)空気調和装置の基本動作
次に、空気調和装置1の基本動作について、図1を用いて説明する。空気調和装置1は、基本動作として、冷房運転及び暖房運転を行うことが可能である。
【0054】
<冷房運転>
冷房運転時には、四路切換弁22が冷房サイクル状態(図1の実線で示される状態)に切り換えられる。
【0055】
冷媒回路10において、冷凍サイクルにおける低圧の冷媒は、圧縮機21に吸入され、冷凍サイクルにおける高圧になるまで圧縮された後に吐出される。
【0056】
圧縮機21から吐出された高圧のガス冷媒は、四路切換弁22を通じて、室外熱交換器23に送られる。
【0057】
室外熱交換器23に送られた高圧のガス冷媒は、室外熱交換器23において、室外ファン36によって冷却源として供給される室外空気と熱交換を行って放熱して、高圧の液冷媒になる。
【0058】
室外熱交換器23において放熱した高圧の液冷媒は、室外熱交側膨張弁24に送られる。室外熱交側膨張弁24に送られた高圧の液冷媒は、室外熱交側膨張弁24によって冷凍サイクルにおける中間圧まで減圧される。室外熱交側膨張弁24で減圧された中間圧の冷媒は、レシーバ25に送られて気液分離される。そして、レシーバ25内において気液分離されたガス冷媒は、レシーバガス抜き弁30aを開けることによってレシーバガス抜き管30を通じて吸入管31に送られる。また、レシーバ25内において気液分離された液冷媒は、室内熱交側膨張弁26に送られる。
【0059】
室内熱交側膨張弁26に送られた中間圧の液冷媒は、室内熱交側膨張弁26によって冷凍サイクルにおける低圧まで減圧される。室内熱交側膨張弁26で減圧された冷媒は、液側閉鎖弁27及び液冷媒連絡管5を通じて、室内熱交換器41に送られる。
【0060】
室内熱交換器41に送られた低圧の冷媒は、室内熱交換器41において、室内ファン42によって加熱源として供給される室内空気と熱交換を行って蒸発する。これにより、室内空気は冷却され、その後に、室内に供給されることで室内の冷房が行われる。
【0061】
室内熱交換器41において蒸発した低圧の冷媒は、ガス冷媒連絡管6、ガス側閉鎖弁28及び四路切換弁22を通じて、吸入管31に送られて、レシーバガス抜き管30から流入するガス冷媒と合流して、再び、圧縮機21に吸入される。
【0062】
−暖房運転−
暖房運転時には、四路切換弁22が暖房サイクル状態(図1の破線で示される状態)に切り換えられる。
【0063】
冷媒回路10において、冷凍サイクルにおける低圧の冷媒は、圧縮機21に吸入され、冷凍サイクルにおける高圧になるまで圧縮された後に吐出される。
【0064】
圧縮機21から吐出された高圧のガス冷媒は、四路切換弁22、ガス側閉鎖弁28及びガス冷媒連絡管6を通じて、室内熱交換器41に送られる。
【0065】
室内熱交換器41に送られた高圧のガス冷媒は、室内熱交換器41において、室内ファン42によって冷却源として供給される室内空気と熱交換を行って放熱して、高圧の液冷媒になる。これにより、室内空気は加熱され、その後に、室内に供給されることで室内の暖房が行われる。
【0066】
室内熱交換器41で放熱した高圧の液冷媒は、液冷媒連絡管5及び液側閉鎖弁27を通じて、室内熱交側膨張弁26に送られる。
【0067】
室内熱交側膨張弁26に送られた高圧の液冷媒は、室内熱交側膨張弁26によって冷凍サイクルにおける中間圧まで減圧される。室内熱交側膨張弁26で減圧された中間圧の冷媒は、レシーバ25に送られて気液分離される。そして、レシーバ25内において気液分離されたガス冷媒は、レシーバガス抜き弁30aを開けることによってレシーバガス抜き管30を通じて吸入管31に送られる。また、レシーバ25内において気液分離された液冷媒は、室外熱交側膨張弁24に送られる。室外熱交側膨張弁24に送られた中間圧の液冷媒は、室外熱交側膨張弁24によって冷凍サイクルにおける低圧まで減圧される。室外熱交側膨張弁24で減圧された低圧の冷媒は、室外熱交換器23に送られる。
【0068】
室外熱交換器23に送られた低圧の液冷媒は、室外熱交換器23において、室外ファン36によって加熱源として供給される室外空気と熱交換を行って蒸発する。
【0069】
室外熱交換器23で蒸発した低圧の冷媒は、四路切換弁22を通じて、吸入管31に送られて、レシーバガス抜き管30から流入するガス冷媒と合流して、再び、圧縮機21に吸入される。
【0070】
(3)吸入湿り制御を含む運転制御
ここでは、冷媒としてR32を使用しているため、圧縮機21から吐出される冷媒の温度Tdが上昇しやすくなることを考慮して、上記の冷房運転時及び暖房運転時においては、蒸発器(冷房運転時には室内熱交換器41、暖房運転時には室外熱交換器23)の出口における冷媒が所定の湿り状態になるように吸入湿り制御を行う必要がある。ここで、圧縮機21は、所定の湿り状態よりも乾き度の大きい冷媒を吸入すると、圧縮機21から吐出される冷媒の温度Tdの上昇が発生し、また、所定の湿り状態よりも乾き度の小さい冷媒を吸入すると、液圧縮が発生するおそれがある。このため、圧縮機21の信頼性の確保という観点から、吸入湿り制御に対しては、高い制御性が要求される。また、ここでは、湿り状態で冷媒を圧縮機21に吸入させることができるように、気液分離機能を有する大容量のアキュムレータを設けない構成を採用しているため、液圧縮が発生するおそれが高い。このため、圧縮機21が所定の湿り状態よりも乾き度の小さい冷媒を吸入しないように、吸入湿り制御の制御性を一層向上させる必要がある。
【0071】
このように、レシーバ25の上流側及び下流側に膨張弁24、26を設けるとともにレシーバ25からガス冷媒を圧縮機21にインジェクションする冷媒回路10を有する空気調和装置1において、冷媒としてR32を使用する場合には、吸入湿り制御を行う必要があるところ、この吸入湿り制御には、圧縮機21の信頼性の確保という観点から、高い制御性が要求される。
【0072】
そこで、ここでは、冷房運転時及び暖房運転時において、以下のような吸入湿り制御を含む運転制御を行うようにしている。
【0073】
次に、冷房運転時及び暖房運転時における吸入湿り制御を含む運転制御について、図1図4を用いて説明する。ここで、図3は、冷房運転時における吸入湿り制御を含む制御構成の詳細を示す図である。図4は、暖房運転時における吸入湿り制御を含む制御構成の詳細を示す図である。
【0074】
<冷房運転時における吸入湿り制御を含む運転制御>
まず、冷房運転時における吸入湿り制御を含む運転制御について説明する。
【0075】
ここでは、レシーバ25の上流側及び下流側に膨張弁24、26を設けてレシーバ25からガス冷媒を圧縮機21にインジェクションする冷媒回路10を有していることから、吸入湿り制御については、蒸発器としての室内熱交換器41に流入する冷媒の流量を直接的に制御することが可能な機器を制御することが好ましい。
【0076】
そこで、ここでは、制御部8の下流側膨張弁吸入湿り制御部81によって、レシーバ25の下流側に設けられる下流側膨張弁としての室内熱交側膨張弁26の開度を変更する下流側膨張弁吸入湿り制御を行って、室内熱交換器41の出口における冷媒が湿り状態でかつ冷媒の乾き度Xsが目標乾き度Xstになるようにしている。
【0077】
ここで、下流側膨張弁吸入湿り制御としては、圧縮機21から吐出される冷媒の温度Tdが、室内熱交換器41の出口における冷媒の乾き度Xsが目標乾き度Xstになる場合に相当する目標吐出温度Tdtになるように室内熱交側膨張弁26の開度を変更する制御が採用されている。ここで、圧縮機21から吐出される冷媒の温度Tdの過度な上昇及び液圧縮の発生を抑えるという観点から、目標乾き度Xstを0.65〜0.85の範囲に制御することが好ましい。しかし、室内熱交換器41の出口における冷媒の乾き度Xsを直接検出することはできない。そこで、ここでは、乾き度Xsに代えて圧縮機21から吐出される冷媒の温度Tdを使用して、乾き度Xsが目標乾き度Xst(0.65〜0.85の範囲になる場合に相当する目標吐出温度Tdtを設定しておき、圧縮機21から吐出される冷媒の温度Tdが目標吐出温度Tdtになるように室内熱交側膨張弁26の開度を変更するようにしている。すなわち、温度Tdが目標吐出温度Tdtよりも高い場合には、乾き度Xsが目標乾き度Xstよりも大きいと判断して、室内熱交側膨張弁26の開度を小さくする変更を行う。また、温度Tdが目標吐出温度Tdtよりも低い場合には、乾き度Xsが目標乾き度Xstよりも小さいと判断して、室内熱交側膨張弁26の開度を大きくする変更を行う。
【0078】
しかし、このとき、室内熱交側膨張弁26の制御性を良好なものとするためには、レシーバ25から室内熱交側膨張弁26に送られる冷媒を常に液冷媒の状態に維持することが好ましい。そして、レシーバ25から室内熱交側膨張弁26に送られる冷媒を常に液冷媒の状態に維持するためには、レシーバ25に流入する液冷媒及びガス冷媒の流量を安定させるとともに、レシーバ25から室内熱交側膨張弁26にガス冷媒が流入しないように、かつ、レシーバガス抜き管30から圧縮機21の吸入側に液冷媒が戻ることがないようにすることが必要となる。
【0079】
そこで、ここでは、下流側膨張弁吸入湿り制御を行うに当たり、制御部8のガス抜き制御部83によって、レシーバガス抜き弁30aを開けるガス抜き制御を行って、レシーバ25に設けられるレシーバガス抜き管30を通じてレシーバ25から圧縮機21の吸入側にガス冷媒を導くとともに、制御部8の上流側膨張弁過冷却度制御部82によって、レシーバ25の上流側に設けられる上流側膨張弁としての室外熱交側膨張弁24の開度を変更する上流側膨張弁過冷却度制御を行って、放熱器としての室外熱交換器23の出口における冷媒の過冷却度SCが目標過冷却度SCtになるようにしている。
【0080】
ここで、室外熱交換器23の出口における冷媒の過冷却度SCは、室外熱交中間温度センサ53によって検出される冷媒の温度Tormから室外熱交液側温度センサ54によって検出される冷媒の温度Torlを差し引くことによって得られる。目標過冷却度SCtは、室外熱交側膨張弁24によって冷凍サイクルにおける中間圧まで冷媒が減圧された後の液冷媒の量が確保できる程度の値に設定される。そして、過冷却度SCが目標過冷却度SCtよりも大きい場合には、室外熱交側膨張弁24の開度を大きくする変更を行う。また、過冷却度SCが目標過冷却度SCtよりも小さい場合には、室外熱交側膨張弁24の開度を小さくする変更を行う。
【0081】
そうすると、室外熱交換器23の出口における冷媒の過冷却度SCが目標過冷却度SCtになることで、室外熱交側膨張弁24を通過してレシーバ25に流入する液冷媒及びガス冷媒の流量が安定し、しかも、レシーバガス抜き管30を通じてレシーバ25からガス冷媒が安定的に抜き出されるようになる。このため、レシーバ25に液冷媒が常に存在する状態が維持されて、レシーバ25から室内熱交側膨張弁26に送られる冷媒が常に液冷媒の状態に維持されることになる。
【0082】
これにより、ここでは、冷媒としてR32を使用するに当たり、制御性の高い吸入湿り制御を行うことができる。
【0083】
また、ここでは、圧縮機21から吐出される冷媒の温度Tdに基づいて下流側膨張弁吸入湿り制御を行うようにしているため、吸入湿り制御を精度良く行うことができる。
【0084】
しかも、ここでは、制御部8の圧縮機容量制御部84によって、冷媒回路10の冷凍サイクルにおける低圧Peが目標低圧Pesになるように圧縮機21の回転数を変更する圧縮機容量制御を行うようにしている。
【0085】
ここで、冷凍サイクルにおける低圧Peは、室内熱交中間温度センサ58によって検出される室内熱交換器41における冷媒の蒸発温度に相当する冷媒の温度Trrmを飽和圧力に換算した値である。目標低圧Pesは、冷房運転時に要求される冷房能力を得ることができる程度の値に設定される。そして、低圧Peが目標低圧Peよりも高い場合には、圧縮機21の回転数を大きくする変更を行う。また、低圧Peが目標低圧Peよりも低い場合には、圧縮機21の回転数を小さくする変更を行う。
【0086】
これにより、冷媒回路10の冷凍サイクルにおける低圧、ひいては、冷凍サイクルにおける低圧及び高圧を安定させることができるため、過冷却度SCや乾き度Xsが安定して、上記の下流側膨張弁吸入湿り制御、ガス抜き制御及び上流側膨張弁過冷却度制御を安定的に行うことができる。
【0087】
<暖房運転時における吸入湿り制御を含む運転制御>
次に、暖房運転時における吸入湿り制御を含む運転制御について説明する。
【0088】
暖房運転時においても、冷房運転時と同様に、制御部8の下流側膨張弁吸入湿り制御部81によって、下流側膨張弁吸入湿り制御を行うようにしている。具体的には、レシーバ25の下流側に設けられる下流側膨張弁としての室外熱交側膨張弁24の開度を変更する下流側膨張弁吸入湿り制御を行って、蒸発器としての室外熱交換器23の出口における冷媒が湿り状態でかつ冷媒の乾き度Xsが目標乾き度Xstになるようにしている。
【0089】
また、暖房運転時においても、冷房運転時と同様に、下流側膨張弁吸入湿り制御を行うに当たり、制御部8のガス抜き制御部83によって、レシーバガス抜き弁30aを開けるガス抜き制御を行って、レシーバ25に設けられるレシーバガス抜き管30を通じてレシーバ25から圧縮機21の吸入側にガス冷媒を導くとともに、制御部8の上流側膨張弁過冷却度制御部82によって、レシーバ25の上流側に設けられる上流側膨張弁としての室内熱交側膨張弁26の開度を変更する上流側膨張弁過冷却度制御を行って、放熱器としての室内熱交換器41の出口における冷媒の過冷却度SCが目標過冷却度SCtになるようにしている。ここで、室内熱交換器41の出口における冷媒の過冷却度SCは、室内熱交中間温度センサ58によって検出される冷媒の温度Trrmから室内熱交液側温度センサ57によって検出される冷媒の温度Trrlを差し引くことによって得られる。
【0090】
そうすると、冷房運転時と同様に、室内熱交換器41の出口における冷媒の過冷却度SCが目標過冷却度SCtになることで、室内熱交側膨張弁26を通過してレシーバ25に流入する液冷媒及びガス冷媒の流量が安定し、しかも、レシーバガス抜き管30を通じてレシーバ25からガス冷媒が安定的に抜き出されるようになる。このため、レシーバ25に液冷媒が常に存在する状態が維持されて、レシーバ25から室外熱交側膨張弁24に送られる冷媒が常に液冷媒の状態に維持されることになる。
【0091】
これにより、暖房運転時においても、冷媒としてR32を使用するに当たり、制御性の高い吸入湿り制御を行うことができる。
【0092】
しかも、暖房運転時には、制御部8の圧縮機容量制御部84によって、冷媒回路10の冷凍サイクルにおける高圧Pcが目標高圧Pcsになるように圧縮機21の回転数を変更する圧縮機容量制御を行うようにしている。
【0093】
ここで、冷凍サイクルにおける高圧Pcは、室内熱交中間温度センサ58によって検出される室内熱交換器41における冷媒の凝縮温度に相当する冷媒の温度Trrmを飽和圧力に換算した値である。目標高圧Pcsは、暖房運転時に要求される暖房能力を得ることができる程度の値に設定される。そして、高圧Pcが目標高圧Pcよりも高い場合には、圧縮機21の回転数を小さくする変更を行う。また、高圧Pcが目標高圧Pcよりも低い場合には、圧縮機21の回転数を大きくする変更を行う。
【0094】
これにより、冷媒回路10の冷凍サイクルにおける高圧、ひいては、冷凍サイクルにおける低圧及び高圧を安定させることができるため、過冷却度SCや乾き度Xsが安定して、上記の下流側膨張弁吸入湿り制御、ガス抜き制御及び上流側膨張弁過冷却度制御を安定的に行うことができる。
【0095】
(4)変形例1
上記の下流側膨張弁吸入湿り制御を含む運転制御を行っていても、何らかの不測の事態によって、圧縮機21から吐出される冷媒の温度Tdが過度に上昇するおそれを否定することはできない。
【0096】
そこで、ここでは、圧縮機21から吐出される冷媒の温度Tdが目標吐出温度Tdtよりも高い保護吐出温度Tdiまで上昇したもの、又は、圧縮機21から吐出される冷媒の温度Tdと相関する状態量が保護吐出温度Tdiに対応する保護状態量まで達したものと判定される吐出温度保護条件を満たす場合に、上流側膨張弁24、26については、上記と同様の上流側膨張弁過冷却度制御を行い、かつ、下流側膨張弁26、24については、下流側膨張弁26、24の制御下限である下限開度MVmに所定の補正開度ΔMVmを加える吐出温度保護制御を行いつつ、下流側膨張弁吸入湿り制御を行うようにしている。
【0097】
次に、吐出温度保護制御について、図1図5を用いて説明する。ここで、図5は、吐出温度保護制御のフローチャートである。尚、以下に説明する吐出温度保護制御は、制御部8の下流側膨張弁吸入湿り制御部81が行う。
【0098】
上記の上流側膨張弁過冷却度制御及び下流側膨張弁吸入湿り制御を含む運転制御時において、下流側膨張弁吸入湿り制御部81は、まず、ステップST1において、吐出温度保護条件を満たすかどうかを判定する。ここで、吐出温度保護条件を満たすかどうかの指標として最も直接的な指標は、圧縮機21から吐出される冷媒の温度Tdが目標吐出温度Tdtよりも高い保護吐出温度Tdiまで上昇したかどうかである。しかし、吐出温度保護条件を満たすかどうかの指標は、これに限定されるものではなく、圧縮機21から吐出される冷媒の温度Tdと相関する状態量である吐出過熱度TdSH、低圧Pe、吸入過熱度TsSHが、保護吐出温度Tdiに対応する保護状態量である保護吐出過熱度TdSHi、保護低圧Pei、保護吸入過熱度TsSHiに達したかどうかによって、吐出温度保護条件を満たすかどうか判定してもよい。このため、ここでは、吐出温度保護条件を満たすかどうかの判定を、上記4つの状態量Td、TdSH、Pe、TsSHのいずれかが、それぞれの保護状態量に達したかどうかによって判定するようにしている。尚、圧縮機21から吐出される冷媒の過熱度TdSHは、冷房運転時には、圧縮機21から吐出される冷媒の温度Tdから室外熱交中間温度センサ53によって検出される冷媒の温度Tormを差し引くことによって、暖房運転時には、圧縮機21から吐出される冷媒の温度Tdから室内熱交中間温度センサ58によって検出される冷媒の温度Trrmを差し引くことによって得られる。圧縮機21に吸入される冷媒の過熱度TsSHは、冷房運転時には、圧縮機21に吸入される冷媒の温度Tsから室内熱交中間温度センサ58によって検出される冷媒の温度Trrmを差し引くことによって、暖房運転時には、圧縮機21に吸入される冷媒の温度Tsから室外熱交中間温度センサ53によって検出される冷媒の温度Tormを差し引くことによって得られる。
【0099】
次に、ステップST1において、吐出温度保護条件を満たすものと判定されると、制御部8の下流側膨張弁吸入湿り制御部81は、ステップST2において、下流側膨張弁26、24の制御下限である下限開度MVmに所定の補正開度ΔMVmを加える吐出温度保護制御を行う。これにより、上流側膨張弁過冷却度制御及び下流側膨張弁吸入湿り制御を含む運転制御を継続しつつ、実質的に下流側膨張弁26、24の開度を大きくすることができる。このステップST2の吐出温度保護制御は、ステップST3において、吐出温度解除条件を満たすまで行われる。ここで、吐出温度解除条件を満たすかどうかについては、ステップST1の吐出温度保護条件と同様の上記4つの状態量Td、TdSH、Pe、TsSHのいずれもが、それぞれの解除状態量に達したかどうかによって判定するようにしている。具体的には、圧縮機21から吐出される冷媒の温度Tdが保護吐出温度Tdiよりも低い解除吐出温度Tdoまで低下したかどうか、及び、吐出過熱度TdSH、低圧Pe、吸入過熱度TsSHが、解除吐出温度Tdoに対応する解除状態量である解除吐出過熱度TdSHo、解除低圧Peo、解除吸入過熱度TsSHoに達したかどうかによって、吐出温度解除条件を満たすかどうか判定している。すなわち、制御部8の下流側膨張弁吸入湿り制御部81は、ステップST1の吐出温度保護条件を満たした後、ステップST3の吐出温度解除条件を満たすまでは、上流側膨張弁過冷却度制御及び下流側膨張弁吸入湿り制御を含む運転制御を継続しつつ、下流側膨張弁26、24の制御下限である下限開度MVmに所定の補正開度ΔMVmを加える吐出温度保護制御を繰り返すのである。ここで、下流側膨張弁26、24は、上記のように、下流側膨張弁吸入湿り制御を行っているため、下流側膨張弁26、24の制御下限とは、下流側膨張弁吸入湿り制御における制御下限を意味する。このため、ステップST1の処理において、最初に吐出温度保護条件を満たすと判定された場合は、下流側膨張弁吸入湿り制御における制御下限の初期値である下限開度MVm0に所定の補正開度ΔMVmを加え、その後は、補正開度ΔMVmが加えられた下限開度MVmに補正開度ΔMVmを加えていくことになる。
【0100】
これにより、ここでは、吸入湿り制御を精度良く行うための上流側膨張弁過冷却度制御及び下流側膨張弁吸入湿り制御を含む運転制御という制御状態を維持しながら、下流側膨張弁26、24については、開度を大きくする方向の制御性を高めて、吐出温度保護を効果的に図ることができる。
【0101】
そして、ステップST3において、吐出温度解除条件を満たすものと判定された場合には、制御部8の下流側膨張弁吸入湿り制御部81は、下流側膨張弁26、24の制御下限である下限開度MVmを、下流側膨張弁吸入湿り制御における制御下限の初期値である下限開度MVm0に戻した後に、再び、ステップST1の吐出温度保護条件を満たすかどうかの判定処理に戻る。これにより、吐出温度保護制御が解除される。
【0102】
(5)変形例2
上記の変形例1では、ステップST1において吐出温度保護条件を満たすものと判定されると、制御部8の下流側膨張弁吸入湿り制御部81は、ステップST2の吐出温度保護制御に移行して、下流側膨張弁26、24の下限開度MVmに補正開度ΔMVmを加える制御を行うようにしている。このとき、補正開度ΔMVmは、ある一定の開度にしてもよいが、圧縮機21から吐出される冷媒の温度Td、又は、圧縮機21から吐出される冷媒の過熱度TdSHに応じて変更するようにしてもよい。
【0103】
例えば、図6に示すように、圧縮機21から吐出される冷媒の温度Td、又は、圧縮機21から吐出される冷媒の過熱度TdSHが非常に高い場合(第1保護吐出温度TdHや第1保護吐出過熱度TdSHHを超える場合)には、下流側膨張弁26、24の開度が速やかに大きくなるようにするために、補正開度ΔMVmを第1補正開度ΔMVmHにする。また、圧縮機21から吐出される冷媒の温度Td、又は、圧縮機21から吐出される冷媒の過熱度TdSHが少し高い場合(第1保護吐出温度TdHや第1保護吐出過熱度TdSHHよりも低い第3保護吐出温度TdLや第2保護吐出過熱度TdSHMを超える場合)には、下流側膨張弁26、24の開度が緩やかに大きくなるようにするために、補正開度を第1補正開度ΔMVmHよりも小さい第2補正開度ΔMVmMにする。さらに、圧縮機21から吐出される冷媒の温度Td、又は、圧縮機21から吐出される冷媒の過熱度TdSHが低い場合(第2保護吐出温度TdMや第2保護吐出過熱度TdSHMよりも低い第3保護吐出温度TdLや第3保護吐出過熱度TdSHLを超えない場合)には、補正開度を第2補正開度ΔMVmMよりも小さい第3補正開度ΔMVmLにする。但し、第3保護吐出温度TdLや第3保護吐出過熱度TdSHLは、解除吐出温度Tdoや解除吐出過熱度TdSHoよりも高いものとする。
【0104】
これにより、ここでは、吐出温度保護制御における下流側膨張弁26、24の開度変更の程度を状況に応じて適切に変更して、吐出温度保護の制御性をさらに向上させることができる。
【0105】
尚、ここでは、補正開度ΔMVmを、圧縮機21から吐出される冷媒の温度Td、又は、圧縮機21から吐出される冷媒の過熱度TdSHに応じて変更しているが、これに限定されず、低圧Pe、吸入過熱度TsSHに応じて変更するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0106】
本発明は、圧縮機、放熱器、上流側膨張弁、レシーバ、下流側膨張弁、蒸発器が接続されることによって構成された冷媒回路を有しており、圧縮機、放熱器、上流側膨張弁、レシーバ、下流側膨張弁、蒸発器の順に冷媒を循環させることが可能な空気調和装置に対して、広く適用可能である。
【符号の説明】
【0107】
1 空気調和装置
10 冷媒回路
21 圧縮機
23 室外熱交換器(放熱器、蒸発器)
24 室外熱交側膨張弁(上流側膨張弁、下流側膨張弁)
26 室内熱交側膨張弁(下流側膨張弁、上流側膨張弁)
25 レシーバ
30 レシーバガス抜き管
30a レシーバガス抜き弁
41 室内熱交換器(蒸発器、放熱器)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0108】
【特許文献1】特開平10−132393号公報
【特許文献2】特開2001−194015号公報
図1
図2
図3
図4
図5
図6