(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記ガイド装置は、前記第1くさび部材及び前記第2くさび部材の一方のくさび部材に配置されるレールと、他方のくさび部材に配置され前記レールと相対移動可能なスライダと、を有する直動型の転がり軸受を含む請求項4に記載のテーブル装置。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。以下で説明する各実施形態の構成要素は、適宜組み合わせることができる。また、一部の構成要素を用いない場合もある。
【0019】
以下の説明においては、XYZ直交座標系を設定し、このXYZ直交座標系を参照しつつ各部の位置関係について説明する。所定面と直交する第1軸と平行な方向をZ軸方向とし、所定面内の第2軸と平行な方向をX軸方向とし、所定面内において第2軸と直交する第3軸と平行な方向をY軸方向とする。また、Z軸、X軸、及びY軸まわりの回転(傾斜)方向をそれぞれ、θZ、θX、及びθY方向とする。Z軸(第1軸)は、X軸(第2軸)及びY軸(第3軸)のそれぞれと直交する。X軸は、YZ平面と直交する。Y軸は、XZ平面と直交する。Z軸は、XY平面と直交する。XY平面は、所定面と平行である。本実施形態において、XY平面は、水平面と平行であることとする。Z軸方向は、鉛直方向である。なお、XY平面(所定面)が水平面に対して傾斜してもよい。
【0020】
<第1実施形態>
第1実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るテーブル装置TSを−Y側から見た側面図である。
図2は、本実施形態に係るテーブル装置TSを+X側から見た側面図である。
図3は、本実施形態に係るテーブル装置TSを+Z側から見た平面図である。なお、
図1及び
図2においては、テーブル装置TSの一部を断面で示す。
【0021】
図1、
図2、及び
図3に示すように、テーブル装置TSは、ベース部材1と、ベース部材1の上に配置されるテーブル2と、テーブル2を移動可能な駆動システム3と、テーブル2に接続されるピストン部材4と、ピストン部材4の周囲に配置されるシリンダ部材5と、ピストン部材4とシリンダ部材5との間に気体軸受6Gを形成する軸受部材6と、ベース部材1とシリンダ部材5との間に気体軸受7Gを形成する軸受部材7と、重力補償装置8とを備えている。
【0022】
ベース部材1は、XY平面と平行な上面(ガイド面)1Aを有する。ガイド面1Aは、平坦である。ベース部材1は、インディアンブラックのような石定盤でもよいし、鋳鉄定盤でもよい。ベース部材1は、例えばテーブル装置TSが設置される施設(例えば工場)の床面に配置される。
【0023】
テーブル2は、ベース部材1の上方(+Z方向)に配置される。テーブル2は、物体Sを支持して移動可能である。テーブル2は、+Z方向を向く上面2Aと、上面2Aの反対方向(−Z方向)を向く下面2Bとを有する。上面2Aは、物体Sを支持可能である。テーブル2は、上面2Aに物体Sを載せた状態で、X軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向の3つの方向に移動可能である。本実施形態において、テーブル2は、3つの方向に移動可能な3自由度のテーブル(3軸テーブル、3次元テーブル)である。
【0024】
駆動システム3は、動力を発生するアクチュエータを含み、テーブル2を移動可能である。駆動システム3は、少なくともZ軸方向に関してテーブル2を移動させるための動力を発生するアクチュエータを含む。本実施形態において、駆動システム3は、Z軸方向に関してベース部材1とテーブル2との間に配置される。
【0025】
本実施形態において、駆動システム3は、X軸方向に関してテーブル2を移動させるための動力を発生するX軸アクチュエータ(第2軸アクチュエータ)22と、Y軸方向に関してテーブル2を移動させるための動力を発生するY軸アクチュエータ(第3軸アクチュエータ)32と、Z軸方向に関してテーブル2を移動させるための動力を発生するZ軸アクチュエータ(第1軸アクチュエータ)13とを含む。駆動システム3は、X軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向の3つの方向にテーブル2を移動可能である。
【0026】
駆動システム3は、テーブル2をZ軸方向に移動するZ軸駆動装置(第1軸駆動装置)10と、テーブル2をX軸方向に移動するX軸駆動装置(第2軸駆動装置)20と、テーブル2をY軸方向に移動するY軸駆動装置(第3軸駆動装置)30とを有する。
【0027】
X軸駆動装置20は、X軸方向にテーブル2を移動する。X軸駆動装置20は、ベース部材1上に配置される。X軸駆動装置20は、ベース部材1にX軸方向に移動可能に支持されるX軸ステージ(第2軸ステージ)21と、X軸ステージ21をX軸方向に移動するための動力を発生するX軸アクチュエータ(第2軸アクチュエータ)22と、X軸ステージ21をX軸方向にガイドするX軸ガイド装置23とを有する。
【0028】
本実施形態において、X軸アクチュエータ22は、リニアモータを含む。X軸アクチュエータ22は、ベース部材1のガイド面1Aに固定された固定子22Bと、X軸ステージ21の下面に配置された可動子22Aとを有する。固定子22Bは、X軸方向に長い。可動子22Aは、固定子22Bに対してX軸方向に移動可能である。X軸アクチュエータ22は、固定子22Bが磁石を含み、可動子22Aがコイルを含むムービングコイル型でもよい。X軸アクチュエータ22は、固定子22Bがコイルを含み、可動子22Aが磁石を含むムービングマグネット型でもよい。
【0029】
X軸ガイド装置23は、ベース部材1のガイド面1Aに固定されたレール23Bと、X軸ステージ21の下面に配置され、レール23Bを移動可能なスライダ23Aとを有する。レール23Bは、X軸方向に長い。本実施形態において、X軸ガイド装置23は、直動型の転がり軸受を含む。
【0030】
リニアモータを含むX軸アクチュエータ22の作動により、X軸ステージ21は、X軸ガイド装置23にガイドされながら、ベース部材1に対してX軸方向に移動可能である。
【0031】
Y軸駆動装置30は、Y軸方向にテーブル2を移動する。Y軸駆動装置30は、X軸ステージ21上に配置される。Y軸駆動装置30は、X軸ステージ21にY軸方向に移動可能に支持されるY軸ステージ(第3軸ステージ)31と、Y軸ステージ31をY軸方向に移動するための動力を発生するY軸アクチュエータ(第3軸アクチュエータ)32と、Y軸ステージ31をY軸方向にガイドするY軸ガイド装置33とを有する。
【0032】
本実施形態において、Y軸アクチュエータ32は、リニアモータを含む。Y軸アクチュエータ32は、X軸ステージ21の上面に固定された固定子32Bと、Y軸ステージ31の下面に配置された可動子32Aとを有する。固定子32Bは、Y軸方向に長い。可動子32Aは、固定子32Bに対してY軸方向に移動可能である。Y軸アクチュエータ32は、固定子32Bが磁石を含み、可動子32Aがコイルを含むムービングコイル型でもよい。Y軸アクチュエータ32は、固定子32Bがコイルを含み、可動子32Aが磁石を含むムービングマグネット型でもよい。
【0033】
Y軸ガイド装置33は、X軸ステージ21の上面に固定されたレール33Bと、Y軸ステージ31の下面に配置され、レール33Bを移動可能なスライダ33Aとを有する。レール33Bは、Y軸方向に長い。本実施形態において、Y軸ガイド装置33は、直動型の転がり軸受を含む。
【0034】
リニアモータを含むY軸アクチュエータ32の作動により、Y軸ステージ31は、Y軸ガイド装置33にガイドされながら、X軸ステージ21に対してY軸方向に移動可能である。
【0035】
X軸ステージ21がX軸方向に移動すると、Y軸ステージ31は、X軸ステージ21と一緒にX軸方向に移動する。本実施形態においては、X軸アクチュエータ22の作動及びY軸アクチュエータ32の作動により、Y軸ステージ31がX軸方向及びY軸方向のそれぞれに移動可能である。
【0036】
Z軸駆動装置10は、Z軸方向にテーブル2を移動する。Z軸駆動装置10は、Y軸ステージ31上に配置される。Z軸駆動装置10は、Y軸ステージ31にY軸方向に移動可能に支持される第1くさび部材11と、第1くさび部材11の上に配置され、第1くさび部材11に対して相対移動可能な第2くさび部材12と、第1くさび部材11をY軸方向に移動して第2くさび部材12をZ軸方向に移動するための動力を発生するZ軸アクチュエータ13と、少なくとも一部が第1くさび部材11に配置され、Y軸方向に関する第1くさび部材11の移動によりZ軸方向に第2くさび部材12が移動するように第2くさび部材12をガイドするZ軸ガイド装置14とを有する。
【0037】
Z軸アクチュエータ13は、第1くさび部材11をY軸方向に移動可能である。本実施形態においては、Z軸アクチュエータ13の作動により、第1くさび部材11がY軸方向に移動すると、その第1くさび部材11と同期して、第2くさび部材12がZ軸方向に移動する。
【0038】
本実施形態において、Z軸アクチュエータ13は、回転モータを含む。Z軸アクチュエータ13と第1くさび部材11とは、動力伝達機構15を介して接続される。Z軸アクチュエータ13の動力は、動力伝達機構15を介して、第1くさび部材11に伝達される。
【0039】
動力伝達機構15は、Z軸アクチュエータ13の回転運動を直線運動に変換する。本実施形態において、Z軸アクチュエータ13のシャフト(出力軸)は、θY方向に回転する。動力伝達機構15は、θY方向の回転運動を、Y軸方向の直線運動に変換して、第1くさび部材11に伝達する。第1くさび部材11は、動力伝達機構15を介して伝達されるZ軸アクチュエータ13の動力により、Y軸方向に移動する。
【0040】
本実施形態において、動力伝達機構15は、ボールねじを含む。ボールねじは、Z軸アクチュエータ13の作動により回転するねじ軸と、第1くさび部材11に接続され、ねじ軸の周囲に配置されるナットと、ねじ軸とナットとの間に配置されるボールとを含む。ボールねじのねじ軸は、支持軸受により回転可能に支持される。本実施形態において、ボールねじは、θY方向に回転する。ボールねじがθY方向に回転することにより、ナット及びそのナットが接続されている第1くさび部材11がY軸方向に移動(直線移動)する。
【0041】
Z軸アクチュエータ13がボールねじのねじ軸を一方向に回転すると、そのねじ軸の回転により、第1くさび部材11が+Y方向に移動する。Z軸アクチュエータ13がボールねじのねじ軸を逆方向に回転すると、そのねじ軸の回転により、第1くさび部材11が−Y方向に移動する。すなわち、Z軸アクチュエータ13の回転方向(ボールねじのねじ軸の回転方向)に基づいて、Y軸方向に関する第1くさび部材11の移動方向(+Y方向及び−Y方向のいずれか一方の方向)が決定される。第1くさび部材11の移動方向に基づいて、Z軸方向に関する第2くさび部材12(テーブル2)の移動方向(−Z方向及び+Z方向のいずれか一方の方向)が決定される。
【0042】
Z軸ガイド装置14は、第1くさび部材11の斜面に固定されたレール14Bと、第2くさび部材12の斜面に配置され、レール14Bを移動可能なスライダ14Aとを有する。本実施形態において、Z軸ガイド装置14は、直動型の転がり軸受を含む。
【0043】
また、本実施形態において、Z軸駆動装置10は、第1くさび部材11をY軸方向にガイドするY軸ガイド装置16を有する。Y軸ガイド装置16は、Y軸ステージ31の上面に固定されたレール16Bと、第1くさび部材11の下面に配置され、レール16Bを移動可能なスライダ16Aとを有する。本実施形態において、Y軸ガイド装置16は、直動型の転がり軸受を含む。
【0044】
回転モータを含むZ軸アクチュエータ13の作動により、第1くさび部材11は、Y軸ガイド装置16にガイドされながら、Y軸ステージ31に対してY軸方向に移動可能である。Y軸方向に関する第1くさび部材11の移動により、第2くさび部材12は、Z軸ガイド装置14にガイドされながら、第1くさび部材11に対してZ軸方向に移動可能である。
【0045】
Y軸ステージ31がX軸方向及びY軸方向に移動すると、第1くさび部材11及び第2くさび部材12は、Y軸ステージ31と一緒にX軸方向及びY軸方向に移動する。本実施形態においては、X軸アクチュエータ22の作動及びY軸アクチュエータ32の作動により、第1くさび部材11及び第2くさび部材12がX軸方向及びY軸方向のそれぞれに移動可能である。
【0046】
テーブル2は、第2くさび部材12に支持される。本実施形態において、テーブル装置TSは、第2くさび部材12とテーブル2との間に配置され、テーブル2を柔軟に支持する支持装置9を有する。第2くさび部材12は、支持装置9を介して、テーブル2を支持する。本実施形態において、支持装置9は、Z軸方向に関する荷重を受ける球面軸受を含む。支持装置9は、外面が球面である内輪部材9Aと、内輪部材9Aの外面と球面接触する支持面を有する外輪部材9Bとを含む。本実施形態において、外輪部材9Bは、第2くさび部材12の上面に配置される。内輪部材9Aは、テーブル2の下面2Bの中央部に接続される。テーブル2が支持装置9を介して第2くさび部材12に支持されることにより、テーブル2と第2くさび部材12とは相対移動可能である。本実施形態においては、支持装置9により、Z軸方向に関するテーブル2と第2くさび部材12との相対移動が抑制(制限)され、Z軸方向以外の方向(X軸、Y軸、θX、θY、及びθZ方向)に関するテーブル2と第2くさび部材12との相対移動が許容される。
【0047】
X軸アクチュエータ22の作動及びY軸アクチュエータ32の作動により、第2くさび部材12がX軸方向及びY軸方向に移動すると、テーブル2は、第2くさび部材12と一緒にX軸方向及びY軸方向に移動する。また、第1くさび部材11と第2くさび部材12との相対移動により、第2くさび部材12がZ軸方向に移動すると、テーブル2は、第2くさび部材12と一緒にZ軸方向に移動する。これにより、テーブル2は、X軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向の3つの方向に移動可能である。
【0048】
ピストン部材4は、テーブル2の下面2Bに接続される。ピストン部材4は、Z軸方向に長い棒状の部材である。ピストン部材4は、+Z方向を向く上面4Aと、−Z方向を向く下面4Bと、上面4Aと下面4Bとを結ぶ側面(外面)4Cとを有する。ピストン部材4の上面4A側の少なくとも一部がテーブル2に接続される。本実施形態において、ピストン部材4の上面4Aとテーブル2の下面2Bとが接続部材40を介して固定される。
【0049】
図3に示すように、本実施形態において、XY平面におけるテーブル2の外形は、四角形である。本実施形態において、XY平面と平行なピストン部材4の断面の外形は、円形である。すなわち、ピストン部材4は、Z軸方向に長い円柱状の部材である。ピストン部材4の軸は、Z軸と平行である。なお、ピストン部材4の内部が空洞でもよい。例えば、ピストン部材4がZ軸方向に長い円筒状の部材でもよい。
【0050】
支持装置9は、テーブル2の下面2Bの中央部に接続される。複数のピストン部材4は、支持装置9を囲むように配置される。ピストン部材4は、テーブル2の下面2Bの周縁部の複数の位置のそれぞれに接続される。本実施形態において、ピストン部材4は、テーブル2の4つのコーナーのそれぞれに接続される。複数のピストン部材4は、駆動システム3を囲むように配置される。
【0051】
シリンダ部材5は、筒状の部材であり、ピストン部材4の周囲に配置される。シリンダ部材5は、+Z方向を向く上面5Aと、−Z方向を向く下面5Bと、シリンダ部材5の内部空間5Hに面する内面5Sとを有する。シリンダ部材5の上面5Aは、接続部材40の下面と対向する。シリンダ部材5の下面5Bは、ベース部材1のガイド面1Aと対向する。シリンダ部材5の内面5Sは、ピストン部材4の外面4Cと対向する。シリンダ部材5は、駆動システム3を囲むように複数(4つ)配置される。シリンダ部材5は、Z軸方向にピストン部材4を移動可能に支持する。また、シリンダ部材5は、X軸方向及びY軸方向のそれぞれにベース部材1に移動可能に支持される。
【0052】
複数のシリンダ部材5は、Y軸ステージ31を囲むように配置される。本実施形態において、シリンダ部材5は、Y軸ステージ31に接続される。複数のシリンダ部材5は、Y軸ステージ31と一緒にX軸方向及びY軸方向のそれぞれに移動する。
【0053】
軸受部材6は、ピストン部材4とシリンダ部材5との間に気体軸受(静圧軸受)6Gを形成する。本実施形態において、軸受部材6は、シリンダ部材5に配置される。軸受部材6は、シリンダ部材5の内部空間5Hに面するようにシリンダ部材5に配置される。軸受部材6は、シリンダ部材5の内面5Sに配置される。軸受部材6は、内部空間5Hに面する内面6Sを有する。シリンダ部材5の内面5Sは、軸受部材6の内面6Sを含む。すなわち、本実施形態において、内面6Sを内面5Sとみなしてもよい。軸受部材6は、ピストン部材4の側面4Cとの間に気体を供給可能な供給口61を有する。供給口61は、軸受部材6の内面6Sに配置される。軸受部材6は、供給口61から供給される気体によって、ピストン部材4の側面4Cとの間に気体軸受6Gを形成する。気体軸受6Gが形成されることによって、ピストン部材4は、シリンダ部材5の内面5Sに非接触で支持される。シリンダ部材5は、軸受部材6によって形成される気体軸受6Gによって、Z軸方向にピストン部材4を非接触で移動可能に支持する。
【0054】
軸受部材7は、ベース部材1とシリンダ部材5との間に気体軸受(静圧軸受)7Gを形成する。本実施形態において、軸受部材7は、シリンダ部材5に配置される。軸受部材7は、ベース部材1のガイド面1Aと対向するようにシリンダ部材5に配置される。軸受部材7は、シリンダ部材5の下面5Bに配置される。軸受部材7は、ベース部材1のガイド面1Aと対向する下面7Bを有する。シリンダ部材5の下面5Bは、軸受部材7の下面7Bを含む。すなわち、本実施形態において、下面7Bを下面5Bとみなしてもよい。軸受部材7は、ベース部材1のガイド面1Aとの間に気体を供給可能な供給口71を有する。供給口71は、軸受部材7の下面7Bに配置される。軸受部材7は、供給口71から供給される気体によって、ベース部材1のガイド面1Aとの間に気体軸受7Gを形成する。気体軸受7Gが形成されることによって、シリンダ部材5は、ベース部材1のガイド面1Aに非接触で支持される。ベース部材1は、軸受部材7によって形成される気体軸受7Gによって、X軸方向及びY軸方向にシリンダ部材5を非接触で移動可能に支持する。
【0055】
軸受部材6によって形成される気体軸受6Gにより、シリンダ部材5の内面5Sとピストン部材4の外面4Cとは間隙を介して対向する。軸受部材7によって形成される気体軸受7Gにより、シリンダ部材5の下面5Bとベース部材1のガイド面1Aとは間隙を介して対向する。また、本実施形態においては、シリンダ部材5の上面5Aと接続部材40の下面とは間隙を介して対向する。すなわち、本実施形態において、シリンダ部材5は、Y軸ステージ31と接続されるものの、Y軸ステージ31以外の部材とは接触しないように配置される。
【0056】
重力補償装置8は、Z軸アクチュエータ13に対するテーブル2の重量の作用を低減する。重力補償装置8は、ピストン部材4の下面4Bが面するシリンダ部材5の内部空間5Hの下部空間5Huに気体を供給可能な供給口81を有する。下部空間5Huは、内部空間5Hのうち、ピストン部材4の下面4Bよりも下側(−Z側)の空間である。重力補償装置8は、供給口81から気体を供給して、Z軸アクチュエータ13に対するテーブル2の重量の作用を低減する。
【0057】
重力補償装置8の供給口81は、シリンダ部材5の内部空間5Hの下部空間5Huに面するように配置される。本実施形態において、供給口81は、シリンダ部材5に配置される。供給口81から下部空間5Huに供給された気体によってその下部空間5Huの圧力が高められることによって、Z軸アクチュエータ13に対するテーブル2の重量の作用が低減される。本実施形態において、重力補償装置8は、ピストン部材4の下面4Bが面する下部空間5Huの圧力が、シリンダ部材5の外側の空間の圧力よりも高くなるように、供給口81から気体を供給する。
【0058】
上述のように、本実施形態においては、ピストン部材4及びシリンダ部材5は、複数配置される。重力補償装置8の供給口81は、複数の下部空間5Huのそれぞれに面するように複数配置される。
【0059】
図4は、本実施形態に係るテーブル装置TSの一部を拡大した側断面図である。
図5は、
図4のA―A線矢視図である。ピストン部材4は、Z軸方向に長い棒状の部材である。ピストン部材4は、+Z方向を向く上面4Aと、−Z方向を向く下面4Bと、上面4Aと下面4Bとを結ぶ側面(外面)4Cとを有する。
図5に示すように、XY平面と平行なピストン部材4の断面の外形は、円形である。ピストン部材4は、Z軸方向に長い円柱状の部材である。ピストン部材4の軸は、Z軸と平行である。ピストン部材4の内部の少なくとも一部が空洞でもよい。ピストン部材4は、Z軸方向に長い円筒状の部材でもよい。
【0060】
軸受部材6は、ピストン部材4の側面4Cの周囲に配置される。軸受部材6は、筒状(円筒状)の部材である。軸受部材6の軸は、Z軸と平行である。本実施形態において、ピストン部材4の軸と軸受部材6の軸とは一致する。換言すれば、ピストン部材4の軸と軸受部材6の軸とは同じ軸である。軸受部材6は、ピストン部材4の側面4Cと対向可能な内面6Sを有する。内面6Sを、軸受面6Sと称してもよい。本実施形態において、軸受部材6は、軸受部材6の軸と平行なZ軸方向に関して、2つ配置される。
【0061】
シリンダ部材5は、軸受部材6を支持する。軸受部材6は、シリンダ部材5に固定される。シリンダ部材5は、軸受部材6を介して、ピストン部材4を移動可能に支持する。本実施形態において、シリンダ部材5は、少なくとも一部がピストン部材4及び軸受部材6の周囲に配置される筒状の部材である。シリンダ部材5の軸は、Z軸と平行である。本実施形態において、ピストン部材4の軸と軸受部材6の軸とシリンダ部材5の軸とは一致する。換言すれば、ピストン部材4の軸と軸受部材6の軸とシリンダ部材5の軸とは同じ軸である。
【0062】
図4及び
図5に示すように、軸受部材6の内面6Sは、シリンダ部材5の内面5Sに配置される。軸受部材6の内面6Sと、ピストン部材4の側面(外面)4Cとが対向する。軸受部材6の内面6Sは、間隙を介して、ピストン部材4の側面4Cと対向する。
【0063】
軸受部材6は、ピストン部材4を非接触で支持する。軸受部材6は、ピストン部材4の側面4Cとの間に気体を供給可能な供給口61を有する。本実施形態において、供給口61は、ピストン部材4の側面4Cと対向するように配置される。供給口61は、軸受部材6の内面6Sに配置される。供給口61から供給される気体により、ピストン部材4の側面4Cと軸受部材6の内面6Sとの間に気体軸受6Gが形成される。気体軸受6Gにより、ピストン部材4の側面4Cと軸受部材6の内面6Sとの間に間隙が形成される。本実施形態において、供給口61は、空気(圧縮空気)を供給する。
【0064】
ピストン部材4の側面4Cの周囲に形成される気体軸受6Gによって、X軸方向及びY軸方向に関するピストン部材4の移動が制限される。気体軸受6Gによって、X軸方向及びY軸方向に関するピストン部材4の移動が抑制され、Z軸方向に関するピストン部材4の移動が許容される。
【0065】
本実施形態において、軸受部材6は、多孔体(多孔質部材)を含む。多孔体は、例えば特許第5093056号、特開2007−120527号などに開示されているようなグラファイト(カーボングラファイト)製でもよい。なお、多孔体がセラミックス製でもよい。供給口61は、多孔体の孔を含む。本実施形態において、多孔体の孔(供給口)61から気体が供給される。
図4に示すように、本実施形態においては、軸受部材6とシリンダ部材5との間にキャビティ62が形成される。気体供給装置63からキャビティ62に気体が供給される。キャビティ62に供給された気体は、軸受部材6の内部(多孔体の孔)を通過して、軸受部材6の内面6Sに到達し、その内面6Sに配置された供給口61から、内面6Sと外面4Cとの間の空間に供給される。これにより、内面6Sと外面4Cとの間に気体軸受6Gが形成される。内面6Sと外面4Cとが非接触状態となる。
【0066】
本実施形態において、軸受部材6とピストン部材4との間に供給された気体の少なくとも一部が排出される排気口64が設けられる。排気口64は、ピストン部材4を囲むようにシリンダ部材5に配置される。排気口64は、Z軸方向に配置された2つの軸受部材6の間と、Z軸方向に配置された2つの軸受部材6のうち下側(−Z側)の軸受部材6の下方とのそれぞれに配置される。
【0067】
ピストン部材4は、テーブル2に接続される。本実施形態において、ピストン部材4の上面4Aが、接続部材40を介して、テーブル2の下面2Bと接続される。ピストン部材4は、テーブル2に固定される。ボルトのような固定部材により、テーブル2に対してピストン部材4が固定されてもよい。
【0068】
Z軸駆動装置10の作動により、テーブル2がZ軸方向に移動する。本実施形態においては、Z軸方向に関するテーブル2の移動により、そのテーブル2に接続されているピストン部材4がテーブル2と一緒にZ軸方向に移動する。ピストン部材4は、軸受部材6(気体軸受6G)にガイドされてZ軸方向に移動する。本実施形態において、軸受部材6は、Z軸方向にピストン部材4が移動するようにそのピストン部材4をガイドするガイド装置として機能する。ピストン部材4の側面4Cと対向する軸受部材6の内面6Sを、ガイド面6Sと称してもよい。本実施形態において、側面4C及び内面6Sのそれぞれは、Z軸と平行である。
【0069】
Z軸方向に関して、ピストン部材4の寸法は、軸受部材6の寸法よりも大きい(長い)。本実施形態においては、Z軸方向に関して、ピストン部材4の上面4Aと下面4Bとの距離は、Z軸方向に配置された2つの軸受部材6のうち上側(+Z側)の軸受部材6の+Z側の端部(上端部)と下側(−Z側)の軸受部材6の−Z側の端部(下端部)との距離よりも大きい。
【0070】
軸受部材7は、シリンダ部材5の下面5Bに配置される円筒状(環状)の部材である。軸受部材7の軸は、Z軸と平行である。本実施形態において、ピストン部材4の軸とシリンダ部材5の軸とは一致する。換言すれば、軸受部材7の軸とシリンダ部材5の軸とは同じ軸である。
【0071】
軸受部材7の下面7Bは、シリンダ部材5の下面5Bに配置される。軸受部材7の下面7Bと、ベース部材1のガイド面1Aとが対向する。軸受部材7の下面7Bは、間隙を介して、ベース部材1のガイド面1Aと対向する。
【0072】
軸受部材7は、ベース部材1のガイド面1Aとの間に気体を供給可能な供給口71を有する。本実施形態において、供給口71は、ベース部材1のガイド面1Aと対向するように配置される。供給口71は、軸受部材7の下面7Bに配置される。供給口71から供給される気体により、ベース部材1のガイド面1Aと軸受部材7の下面7Bとの間に気体軸受7Gが形成される。気体軸受7Gにより、ベース部材1のガイド面1Aと軸受部材7の下面7Bとの間に間隙が形成される。本実施形態において、供給口71は、空気(圧縮空気)を供給する。
【0073】
シリンダ部材5の下面5B側に形成される気体軸受7Gによって、Z軸方向に関するシリンダ部材5の位置が維持(固定)される。換言すれば、気体軸受7Gによって、Z軸方向に関するシリンダ部材5の移動が制限される。気体軸受7Gによって、シリンダ部材5がベース部材1に非接触で支持された状態で、Z軸方向に関するベース部材1とシリンダ部材5との相対位置が固定される。気体軸受7Gによって、Z軸方向に関するシリンダ部材5の位置が固定され、X軸方向及びY軸方向に関するシリンダ部材5の移動が許容される。
【0074】
本実施形態において、軸受部材7は、多孔体(多孔質部材)を含む。多孔体は、例えば特許第5093056号、特開2007−120527号などに開示されているようなグラファイト(カーボングラファイト)製でもよい。なお、多孔体がセラミックス製でもよい。供給口71は、多孔体の孔を含む。本実施形態において、多孔体の孔(供給口)71から気体が供給される。
図4に示すように、本実施形態においては、軸受部材7とシリンダ部材5との間にキャビティ72が形成される。気体供給装置73からキャビティ72に気体が供給される。キャビティ72に供給された気体は、軸受部材7の内部(多孔体の孔)を通過して、軸受部材7の下面7Bに到達し、その下面7Bに配置された供給口71から、下面7Bとガイド面1Aとの間の空間に供給される。これにより、下面7Bとガイド面1Aとの間に気体軸受7Gが形成される。下面7Bとガイド面1Aとが非接触状態となる。
【0075】
本実施形態において、軸受部材7とベース部材1との間に供給された気体の少なくとも一部が排出される排気口74が設けられる。XY平面内において、排気口74は、環状である。排気口74は、シリンダ部材5に配置される。
【0076】
X軸駆動装置20及びY軸駆動装置30の作動により、テーブル2がX軸方向及びY軸方向に移動する。本実施形態においては、X軸方向及びY軸方向に関するテーブル2の移動により、そのテーブル2に接続されているピストン部材4がテーブル2と一緒にX軸方向及びY軸方向に移動する。また、ピストン部材4がX軸方向及びY軸方向に移動することにより、シリンダ部材5がピストン部材4と一緒にX軸方向及びY軸方向に移動する。シリンダ部材5は、軸受部材7(気体軸受7G)にガイドされてX軸方向及びY軸方向に移動する。本実施形態において、ガイド面1A及び下面7Bのそれぞれは、XY平面と平行である。本実施形態において、ベース部材1は、テーブル2がX軸方向及びY軸方向に移動するように、ピストン部材4を介してテーブル2を支持するシリンダ部材5をガイドするガイド装置として機能する。
【0077】
シリンダ部材5は、ベース部材1と接触しないように配置される。シリンダ部材5は、ピストン部材4と接触しないように配置される。シリンダ部材5は、テーブル2(接続部材40)と接触しないように配置される。軸受部材6によって形成される気体軸受6Gにより、シリンダ部材5の内面5S(軸受部材6の内面6S)とピストン部材4の外面4Cとは間隙を介して対向する。軸受部材7によって形成される気体軸受7Gにより、シリンダ部材5の下面5B(軸受部材7の下面7B)とベース部材1のガイド面1Aとは間隙を介して対向する。
【0078】
図1、
図2、及び
図4などに示すように、ピストン部材4の下面4Bは、ベース部材1から離れている。ピストン部材4は、テーブル2と接続され、テーブル2以外の部材とは接続されない。本実施形態においては、ピストン部材4の上面4Aにテーブル2が接続され、側面4Cの周囲に軸受部材6及びシリンダ部材5が非接触状態で配置され、ピストン部材4の下面4Bに部材は接続されない。
【0079】
ピストン部材4の下面4Bとシリンダ部材5の内面5Sとによって下部空間5Huが規定される。ピストン部材4の下面4Bは、下部空間5Huに面する。本実施形態において、下部空間5Huは、ピストン部材4の下面4Bとシリンダ部材5の内面5Sとベース部材1のガイド面1Aとで囲まれた空間を含む。
【0080】
重力補償装置8は、ピストン部材4の下面4Bが面する下部空間5Huに気体を供給可能な供給口81を有する。重力補償装置8は、Z軸アクチュエータ13に対するテーブル2の重量の作用が低減されるように、供給口81から気体を供給する。重力補償装置8を、自重補償装置8と称してもよいし、自重キャンセル装置8と称してもよい。重力補償装置8は、ピストン部材4の下面4Bとシリンダ部材5の内面5Sとによって規定される下部空間5Huに気体(空気)を供給することによってテーブル2の重量をキャンセルするエアシリンダ装置を含む。
【0081】
重力補償装置8は、気体を供給可能な気体供給装置82と、気体供給装置82からの気体の圧力を調整する圧力調整装置83とを有する。気体供給装置82は、例えば、圧縮空気を供給する。圧力調整装置83は、例えば、レギュレータを含み、供給口81を介して下部空間5Huに供給される気体の圧力を調整する。
【0082】
本実施形態において、気体供給装置82と供給口81とを結ぶ流路の少なくとも一部は、シリンダ部材5の内部に形成される。その流路の一端部に供給口81が配置される。本実施形態において、供給口81は、流路の一端部の開口を含む。流路の他端部が気体供給装置82と接続される。気体供給装置82から供給された気体は、流路を介して、供給口81に送られる。供給口81は、気体供給装置82から供給され、圧力調整装置83によって圧力が調整された気体を下部空間5Huに供給する。
【0083】
供給口81は、下部空間5Huに面するように配置される。本実施形態において、供給口81は、シリンダ部材5の内面5Sに配置される。
【0084】
圧力調整装置83は、単位時間当たりの気体供給量を調整可能な流量調整装置として機能する。圧力調整装置83は、供給口81から下部空間5Huに供給される単位時間当たりの気体供給量を調整可能である。供給口81からの気体供給量が調整されることによって、下部空間5Huの圧力が調整される。供給口81からの気体供給量が多いと、下部空間5Huの圧力が高くなる。供給口81からの気体供給量が少ないと、下部空間5Huの圧力が低くなる。圧力調整装置83は、供給口81から下部空間5Huに供給される気体供給量を調整することによって、下部空間5Huの圧力を調整可能である。本実施形態において、供給口81から空気(圧縮空気)が供給される。
【0085】
重力補償装置8は、Z軸アクチュエータ13に対するテーブル2の重量の作用が低減されるように、供給口81から気体を供給する。重力の作用により、テーブル2は−Z方向の力を発生する。そのテーブル2の力は、第2くさび部材12、第1くさび部材11、及び動力伝達装置15を介して、Z軸アクチュエータ13に伝達される。重力補償装置8は、テーブル2からZ軸アクチュエータ13に伝達される力が低減されるように、供給口81から気体を供給する。重力補償装置8は、重力の作用によりテーブル2及びピストン部材4が発生した力が、Z軸アクチュエータ13に伝達されることを抑制するように、供給口81から気体を供給する。
【0086】
本実施形態において、重力補償装置8は、Z軸アクチュエータ13に対するテーブル2及びピストン部材4の重量の作用が低減されるように、供給口81から気体を供給する。重力補償装置8は、重力の作用によりテーブル2及びピストン部材4からZ軸アクチュエータ13に伝達される力が低減されるように、供給口81から気体を供給する。重力補償装置8は、テーブル2及びピストン部材4の自重による−Z方向への力を打ち消すように、ピストン部材4及びテーブル2に対して+Z方向に力を加える。換言すれば、重力補償装置8は、重力の作用による−Z方向への力がキャンセルされるように、ピストン部材4及びテーブル2に+Z方向の力を加える。すなわち、重力補償装置8は、テーブル2及びピストン部材4を押し上げるように、テーブル2及びピストン部材4の下方の下部空間5Huに気体を供給する。本実施形態において、重力補償装置8は、下部空間5Huの圧力がシリンダ部材5の外側の空間の圧力よりも高くなるように、供給口81から気体を供給する。シリンダ部材5の外側の空間は、テーブル2の周囲の空間を含む。シリンダ部材5の外側の空間は、ピストン部材4の上面4Aの周囲の空間を含む。シリンダ部材5の外側の空間は、下部空間5Huに対する外部空間である。本実施形態において、シリンダ部材5の外側の空間の圧力は、大気圧である。重力補償装置8は、下部空間5Huの圧力が大気圧よりも高くなるように、供給口81から下部空間5Huに気体を供給する。
【0087】
重力補償装置8は、テーブル2に載せられる物体Sの重量を考慮して、下部空間5Huに気体を供給してもよい。すなわち、重力補償装置8は、Z軸アクチュエータ13に対するテーブル2、ピストン部材4、及び物体Sの重量の作用が低減されるように、供給口81から気体を供給してもよい。換言すれば、重力補償装置8は、重力の作用によりテーブル2、ピストン部材4、及び物体SからZ軸アクチュエータ13に伝達される力が低減されるように、供給口81から気体を供給してもよい。
【0088】
図6は、本実施形態に係るZ軸駆動装置10の一例を示す図である。本実施形態において、Z軸駆動装置10は、所謂、くさび型昇降装置を含む。第1くさび部材11、第2くさび部材12、Z軸ガイド装置14、及びY軸ガイド装置16は、テーブル2の下面2B側(−Z側)に配置される。第2くさび部材12は、テーブル2の下面2B側において、テーブル2を支持する。
【0089】
第1くさび部材11及び第2くさび部材12は、可動部材である。第1くさび部材11及び第2くさび部材12のそれぞれは、テーブル2の下方の空間(−Z側の空間)において移動する。第1くさび部材11及び第2くさび部材12のそれぞれは、Y軸ステージ31の上方の空間(+Z側の空間)において移動する。
【0090】
第1くさび部材11は、XY平面内において移動可能である。本実施形態において、第1くさび部材11は、Y軸方向に移動可能である。YZ平面内における第1くさび部材11の外形は、ほぼ三角形(くさび形)である。
図2及び
図6に示すように、第1くさび部材11は、XY平面と平行な下面11Bと、XY平面に対して傾斜する斜面11Gと、Z軸と平行な側面11Sとを有する。斜面11G及び側面11Sは、下面11Bよりも上側(+Z側)に配置される。斜面11Gは、+Y方向に向かって上方(+Z方向)に傾斜する。斜面11Gの下端部と下面11Bの−Y側の端部とが結ばれる。斜面11Gの上端部と側面11Sの上端部とが結ばれる。側面11Sの下端部と下面11Bの+Y側の端部とが結ばれる。
【0091】
第2くさび部材12は、第1くさび部材11に移動可能に支持される。第1くさび部材11と第2くさび部材12とは相対移動可能である。第2くさび部材12は、第1くさび部材11の上方(+Z側)において、第1くさび部材11に対して相対移動する。
【0092】
第2くさび部材12は、少なくともZ軸方向に移動可能である。本実施形態においては、Y軸方向に関する第1くさび部材11の移動により、第2くさび部材12がZ軸方向に移動する。YZ平面内における第2くさび部材12の外形は、ほぼ三角形(くさび形)である。
図2及び
図6に示すように、第2くさび部材12は、XY平面と平行な上面12Aと、XY平面に対して傾斜する斜面12Gと、Z軸と平行な側面12Sとを有する。上面12Aは、側面12S及び斜面12Gよりも上側(+Z側)に配置される。斜面12Gは、+Y方向に向かって上方(+Z方向)に傾斜する。本実施形態において、斜面11Gと斜面12Gとは平行である。斜面12Gの上端部と上面12Aの+Y側の端部とが結ばれる。斜面12Gの下端部と側面12Sの下端部とが結ばれる。側面12Sの上端部と上面12Aの−Y側の端部とが結ばれる。
【0093】
Z軸ガイド装置14は、Y軸方向に関する第1くさび部材11の移動により、Z軸方向に第2くさび部材12が移動するように第2くさび部材12をガイドする。Z軸ガイド装置14の少なくとも一部は、第1くさび部材11に配置される。本実施形態において、Z軸ガイド装置14は、直動ガイド機構を含む。Z軸ガイド装置14は、第1くさび部材11に配置されたレール14Bと、第2くさび部材12に配置され、レール14Bを移動可能なスライダ(ブロック)14Aとを含む。レール14Bは、第1くさび部材11の斜面11Gに配置される。スライダ14Aは、第2くさび部材12の斜面12Gに配置される。
【0094】
Z軸ガイド装置14は、直動型軸受を含む。本実施形態において、Z軸ガイド装置14は、直動型の転がり軸受を含む。転がり軸受は、転動体を有する。転動体は、玉及びころの一方又は両方を含む。すなわち、転がり軸受は、玉軸受及びころ軸受の一方又は両方を含む。本実施形態において、Z軸ガイド装置14は、直動型玉軸受(linear ball bearing)を含む。
【0095】
図7は、本実施形態に係るZ軸ガイド装置14の一例を示す図である。Z軸ガイド装置14は、レール14Bと、レール14Bと相対移動可能なスライダ(ブロック、直動型軸受)14Aと、を含む。レール14Bは、上方を向く表面41Aと、表面41Aの両側に配置される側面41Bと、側面41Bのそれぞれに形成された溝41Cとを有する。スライダ14Aは、レール14Bの表面41Aと対向可能な第1対向面42Aと、レール14Bの側面41Bと対向可能な第2対向面42Bと、少なくとも一部がレール14Bの溝41Cに配置される転動体(玉)42Tとを有する。玉42Tは溝41Cの内面に接触しつつ転がる。溝41Cに沿って玉42Tが転がることによって、スライダ14Aはレール14Bを円滑に移動可能である。
【0096】
本実施形態において、レール14Bは、XY平面に対して傾斜するように、第1くさび部材11(斜面11G)に配置される。レール14Bは、レール14Bの表面41AがXY平面に対して傾斜するように配置される。
図6に示すように、本実施形態において、XY平面に対するレール14B(表面41A)の傾斜角度はθである。角度θは、0度よりも大きく、90度よりも小さい。スライダ14Aは、第1対向面42Aとレール14Bの表面41Aとが平行となるように、第2くさび部材12(斜面12G)に配置される。本実施形態において、スライダ14Aは、第2くさび部材12の斜面12Gに2つ配置される。なお、スライダ14Aは、第2くさび部材12に1つ配置されてもよい。3つ以上の複数のスライダ14Aが第2くさび部材12に配置されてもよい。
【0097】
第2くさび部材12は、Y軸方向に関する第1くさび部材11の移動により、Z軸方向に移動するようにZ軸ガイド装置14にガイドされる。第1くさび部材11が−Y方向に移動すると、第2くさび部材12は+Z方向に移動(上昇)する。第1くさび部材11が+Y方向に移動すると、第2くさび部材12は−Z方向に移動(下降)する。テーブル2は、第2くさび部材12に支持されている。そのため、Z軸方向に関する第2くさび部材12の移動(昇降)により、テーブル2も、第2くさび部材12と一緒に移動する。すなわち、第2くさび部材12が+Z方向に移動(上昇)すると、テーブル2は第2くさび部材12と一緒に+Z方向に移動する。第2くさび部材12が−Z方向に移動(下降)すると、テーブル2は第2くさび部材12と一緒に−Z方向に移動する。
【0098】
なお、Z軸ガイド装置14において、第1くさび部材11の斜面11Gにスライダ14Aが配置され、第2くさび部材12の斜面12Gにレール14Bが配置されてもよい。
【0099】
図6に示すように、Y軸方向に第1くさび部材11をガイドするY軸ガイド装置16が設けられる。上述のように、Z軸駆動装置10は、第1くさび部材11をY軸方向に移動して、第2くさび部材12及びテーブル2をZ軸方向に移動させるZ軸アクチュエータ13を有する。
【0100】
Y軸ガイド装置16は、Z軸アクチュエータ13の作動により、Y軸方向に第1くさび部材11が移動するように第1くさび部材11をガイドする。Y軸ガイド装置16の少なくとも一部は、Y軸ステージ31に配置される。本実施形態において、Y軸ガイド装置16は、直動ガイド機構を含む。Y軸ガイド装置16は、Y軸ステージ31に配置されたレール16Bと、第1くさび部材11に配置され、レール16Bと相対移動可能なスライダ(ブロック)16Aとを含む。レール16Bは、Y軸ステージ31の上面に固定される。スライダ16Aは、第1くさび部材11の下面11Bに固定される。スライダ16Aは、第1くさび部材11と一緒に移動する。Y軸ステージ31に対して、レール16Bは、移動しない。Y軸ステージ31に対するレール16Bの相対位置は、固定されている。
【0101】
Y軸ガイド装置16は、直動型の転がり軸受を含む。本実施形態において、Y軸ガイド装置16は、直動型玉軸受(linear ball bearing)を含む。第1くさび部材11は、Z軸アクチュエータ13の作動により、Y軸方向に移動するようにY軸ガイド装置16にガイドされる。Y軸ガイド装置16は、
図7を参照して説明したZ軸ガイド装置14と同等の構造である。Y軸ガイド装置16の構造についての詳細な説明は省略する。
【0102】
なお、Y軸ガイド装置16において、Y軸ステージ31の上面にスライダ16Aが配置され、第1くさび部材11の下面11Bにレール16Bが配置されてもよい。
【0103】
X軸ガイド装置23は、直動ガイド機構を含む。X軸ガイド装置23は、レール23Bと、レール23Bと相対移動可能なスライダ(ブロック)23Aとを有する。X軸ガイド装置23は、直動型の転がり軸受を含む。本実施形態において、X軸ガイド装置23は、直動型玉軸受(linear ball bearing)を含む。X軸ステージ21は、X軸方向に移動するようにX軸ガイド装置23にガイドされる。X軸ガイド装置23は、
図7を参照して説明したZ軸ガイド装置14と同等の構造である。X軸ガイド装置23の構造についての詳細な説明は省略する。
【0104】
Y軸ガイド装置33は、直動ガイド機構を含む。Y軸ガイド装置33は、レール33Bと、レール33Bと相対移動可能なスライダ(ブロック)33Aとを有する。Y軸ガイド装置33は、直動型の転がり軸受を含む。本実施形態において、Y軸ガイド装置33は、直動型玉軸受(linear ball bearing)を含む。Y軸ステージ31は、Y軸方向に移動するようにY軸ガイド装置33にガイドされる。Y軸ガイド装置33は、
図7を参照して説明したZ軸ガイド装置14と同等の構造である。Y軸ガイド装置33の構造についての詳細な説明は省略する。
【0105】
次に、上述のテーブル装置TSの動作の一例について説明する。
【0106】
テーブル2をX軸方向に移動する場合、X軸アクチュエータ22が作動される。X軸アクチュエータ22の作動により、X軸ステージ21がX軸方向に移動する。X軸ステージ21は、X軸ガイド装置23にガイドされてX軸方向に円滑に移動する。X軸ステージ21がX軸方向に移動することにより、そのX軸ステージ21に支持されているY軸ステージ31と、第1くさび部材11及び第2くさび部材12を介してY軸ステージ31に支持されているテーブル2とは、X軸ステージ21と一緒にX軸方向に移動する。
【0107】
テーブル2をY軸方向に移動する場合、Y軸アクチュエータ32が作動される。Y軸アクチュエータ32の作動により、Y軸ステージ31がY軸方向に移動する。Y軸ステージ31は、Y軸ガイド装置33にガイドされてY軸方向に円滑に移動する。Y軸ステージ31がY軸方向に移動することにより、第1くさび部材11及び第2くさび部材12を介してY軸ステージ31に支持されているテーブル2は、Y軸ステージ31と一緒にY軸方向に移動する。
【0108】
本実施形態においては、Y軸ステージ31は、シリンダ部材5と接続される。そのシリンダ部材5は、気体軸受7Gによりベース部材1に非接触で支持されている。すなわち、本実施形態において、Y軸ステージ31は、シリンダ部材5を介して、ベース部材1に非接触で支持される。気体軸受7Gによって、Z軸方向に関するシリンダ部材5(Y軸ステージ31)の位置の変動が抑制されつつ、X軸方向及びY軸方向に移動することが許容される。これにより、テーブル2は、X軸方向及びY軸方向に目標軌道(望みの軌道)で移動される。X軸アクチュエータ22の作動により、テーブル2は、X軸ガイド装置23によって、X軸方向に真っ直ぐに移動可能である。Y軸アクチュエータ32の作動により、テーブル2は、Y軸ガイド装置33によって、Y軸方向に真っ直ぐに移動可能である。
【0109】
テーブル2をZ軸方向に移動する場合、Z軸アクチュエータ13が作動される。Z軸アクチュエータ13の作動により、動力伝達機構15を介して、第1くさび部材11にZ軸アクチュエータ13の動力が伝達される。Z軸アクチュエータ13の作動により、第1くさび部材11がY軸方向に移動する。第1くさび部材11は、Y軸ガイド装置16にガイドされてY軸方向に円滑に移動する。Y軸ガイド装置16により、第1くさび部材11は、Y軸方向に目標軌道(望みの軌道)で移動される。本実施形態においては、Y軸ガイド装置16により、第1くさび部材11は、Y軸方向に真っ直ぐに移動可能である。
【0110】
Y軸方向に関する第1くさび部材11の移動により、第2くさび部材12がZ軸方向に移動する。第2くさび部材12は、Z軸ガイド装置14にガイドされてZ軸方向に円滑に移動する。第2くさび部材12がZ軸方向に移動することにより、その第2くさび部材12に支持されているテーブル2も、第2くさび部材12と一緒にZ軸方向に移動する。
【0111】
本実施形態においては、テーブル2に、Z軸方向に関してシリンダ部材5に移動可能に支持されるピストン部材4が接続されている。シリンダ部材5の軸受部材6によって形成される気体軸受6Gによって、シリンダ部材5に対してピストン部材4(テーブル2)がX軸方向及びY軸方向に移動することが抑制されつつ、Z軸方向に移動することが許容される。これにより、テーブル2は、Z軸方向に目標軌道(望みの軌道)で移動される。本実施形態においては、気体軸受6Gによってシリンダ部材5に非接触で支持されるピストン部材4により、テーブル2は、Z軸方向に真っ直ぐに移動可能である。
【0112】
本実施形態においては、Z軸駆動装置10は、くさび形昇降装置を含み、第2くさび部材12は、テーブル2に接続される。シリンダ部材5及びピストン部材4により、XY平面内における第2くさび部材12とY軸ステージ31との相対位置は、実質的に変化しない。一方、テーブル2は、ピストン部材4を介してシリンダ部材5にZ軸方向に移動可能に支持される。したがって、Z軸方向に関して第2くさび部材12とY軸ステージ31との間で第2くさび部材12とY軸ステージ31との距離(Z軸方向の距離)が変化するように第1くさび部材11が第2くさび部材12及びY軸ステージ31に対してY軸方向に相対移動することによって、第2くさび部材12は、第1くさび部材11及びY軸ステージ31に対してZ軸方向に移動することができる。
【0113】
また、気体軸受6Gによりシリンダ部材5の内面5Sとピストン部材4の外面4Cとの間隙(非接触状態)が維持され、気体軸受7Gによりシリンダ部材5の下面5Bとベース部材1のガイド面1Aとの間隙(非接触状態)が維持される。そのため、テーブル2及びピストン部材4がX軸方向及びY軸方向に移動したとき、X軸方向及びY軸方向に関するテーブル2及びピストン部材4の移動と同期して、シリンダ部材5はX軸方向及びY軸方向に移動可能である。したがって、テーブル2がX軸方向及びY軸方向に移動しても、シリンダ部材5は、ピストン部材4を非接触状態でZ軸方向にガイドし続けることができる。
【0114】
また、本実施形態においては、Y軸ステージ31は、シリンダ部材5と接続され、X軸方向及びY軸方向に関して、テーブル2と一緒に移動する。すなわち、テーブル2がX軸方向及びY軸方向に移動するとき、Y軸ステージ31及びシリンダ部材5がテーブル2と一緒に移動する。これにより、テーブル2がX軸方向及びY軸方向に移動しても、シリンダ部材5は、ピストン部材4を非接触状態でZ軸方向にガイドし続けることができる。
【0115】
Z軸アクチュエータ13の作動によって、テーブル2に支持された物体SがZ軸方向に関して目標位置に配置される。例えば、Z軸アクチュエータ13の動力を使ってテーブル2を+Z方向に移動する場合、あるいはZ軸アクチュエータ13の動力を使ってZ軸方向に関するテーブル2の位置を維持する場合、そのZ軸アクチュエータ13に負荷がかかる可能性がある。すなわち、テーブル2を上昇させるため、あるいはZ軸方向に関するテーブル2の位置を維持するために、Z軸アクチュエータ13は所定の動力(トルク)を発生し続けなければならない。この場合、Z軸アクチュエータ13に対して所定の電力(電流)を供給し続けなければならず、その結果、Z軸アクチュエータ13が発熱する可能性がある。Z軸アクチュエータ13が発熱すると、周囲の部材が熱変形する可能性がある。その結果、テーブル2の位置決め精度が低下したり、テーブル2が目標軌道から外れて移動したりするなど、テーブル装置TSの性能が低下する可能性がある。また、Z軸アクチュエータ13の発熱によりテーブル2に支持されている物体Sが熱変形する可能性がある。
【0116】
本実施形態においては、重力補償装置8が設けられている。そのため、テーブル2を+Z方向に移動する場合、あるいはZ軸方向に関するテーブル2の位置を維持する場合において、Z軸アクチュエータ13が発生する動力(トルク)は小さくて済む。すなわち、Z軸アクチュエータ13に供給する電力(電流)は小さくて済む。そのため、Z軸アクチュエータ13の発熱が抑制される。その結果、周囲の部材の熱変形、及び物体Sの熱変形が抑制される。
【0117】
また、重力補償装置8が設けられているため、テーブル2に搭載される物体Sの質量(重量)が大きくても、Z軸アクチュエータ13にかかる負荷が低減される。また、重力補償装置8が設けられているため、Z軸アクチュエータ13が発生する動力が小さくて済む。そのため、Z軸アクチュエータ13の小型化が図れる。
【0118】
また、重力補償装置8によって下部空間5Huの圧力が高められているので、停電などの異常(非常停止)が生じ、Z軸アクチュエータ13が動力を発生しなくなっても、テーブル2が急激に下降(落下)することが抑制される。例えば、テーブル2の落下防止のための電磁ブレーキを省略できるため、その電磁ブレーキに起因する発熱(熱変形)も無くなる。
【0119】
以上説明したように、本実施形態によれば、駆動システム3によって、テーブル2は、Z軸方向、X軸方向、及びY軸方向の3つの方向に移動することができる。本実施形態によれば、テーブル2に接続されたピストン部材4は、軸受部材6によって形成される気体軸受6Gによりシリンダ部材5に非接触で支持される。軸受部材6は、ピストン部材4との間に気体軸受6Gを形成して、Z軸方向にピストン部材4を移動可能に支持(ガイド)する。これにより、そのピストン部材4が接続されたテーブル2は、Z軸方向に目標軌道(望みの軌道)で精度良く移動可能である。
【0120】
本実施形態において、軸受部材6は、ピストン部材4がZ軸方向に真っ直ぐに移動するように、ピストン部材4を移動可能に支持(ガイド)する。これにより、そのピストン部材4が接続されたテーブル2は、Z軸方向に真っ直ぐに移動可能である。すなわち、気体軸受6Gを形成可能な軸受部材6により、ピストン部材4及びテーブル2の移動における真直性の低下が抑制される。これにより、テーブル2に支持されている物体Sは目標位置に配置される。
【0121】
本実施形態において、ピストン部材4と軸受部材6との間に気体軸受6Gが形成され、軸受部材6は、非接触でピストン部材4を支持する。これにより、ピストン部材4は、円滑にZ軸方向に移動可能である。軸受部材6がピストン部材4と接触すると、ピストン部材4の移動に対して抵抗力が発生する可能性がある。その結果、テーブル2及びピストン部材4を真っ直ぐに移動しようとしたにもかかわらず、テーブル2及びピストン部材4が真っ直ぐに移動しない可能性がある。また、軸受部材6がピストン部材4と接触すると、ピストン部材4の移動により振動が発生する可能性がある。ピストン部材4に振動が発生すると、テーブル2も振動し、その結果、テーブル2の位置決め精度が低下する可能性がある。本実施形態においては、軸受部材6がピストン部材4を非接触で移動可能に支持するため、テーブル2及びピストン部材4は真っ直ぐに移動可能である。また、振動の発生が抑制される。その結果、テーブル2の位置決め精度の低下が抑制され、テーブル2及びそのテーブル2に支持される物体Sを目標位置に配置することができる。
【0122】
また、本実施形態においては、シリンダ部材5は、軸受部材7によって形成される気体軸受7Gによりベース部材1に非接触で支持される。これにより、シリンダ部材5にピストン部材4を介して支持されるテーブル2は、XY平面内において円滑に移動可能であり、X軸方向及びY軸方向のそれぞれに目標軌道で精度良く移動することができる。
【0123】
また、本実施形態によれば、気体軸受6Gによりシリンダ部材5の内面5Sとピストン部材4の外面4Cとの間隙(非接触状態)が維持され、気体軸受7Gによりシリンダ部材5の下面5Bとベース部材1のガイド面1Aとの間隙(非接触状態)が維持される。そのため、テーブル2及びピストン部材4がX軸方向及びY軸方向に移動したとき、シリンダ部材5とピストン部材4との間隙、及びシリンダ部材5とベース部材1との間隙が維持された状態で、X軸方向及びY軸方向に関するテーブル2及びピストン部材4の移動と同期して、シリンダ部材5はX軸方向及びY軸方向に移動可能である。したがって、テーブル2及びピストン部材4がX軸方向及びY軸方向に移動しても、シリンダ部材5は、ピストン部材4を非接触でZ軸方向に移動可能に支持し続けることができる。
【0124】
このように、本実施形態によれば、軸受部材6により形成される気体軸受6G及び軸受部材7により形成される気体軸受7Gによって、テーブル2は、Z軸方向、X軸方向、及びY軸方向のそれぞれに目標軌道で精度良く移動することができる。そのため、テーブル2の位置決め精度の低下が抑制される。
【0125】
また、本実施形態においては、駆動システム3は、ベース部材1に移動可能に支持されるX軸ステージ21、及びX軸ステージ21を移動するX軸アクチュエータ22を含むX軸駆動装置20と、X軸ステージ21に移動可能に支持されるY軸ステージ31、及びY軸ステージ31を移動するY軸アクチュエータ32を含むY軸駆動装置30と、Y軸ステージ31上に配置され、Z軸方向にテーブル2を移動するZ軸駆動装置10とを有する。シリンダ部材5は、Y軸ステージ31に接続される。これにより、XY平面内において、テーブル2とY軸ステージ31とシリンダ部材5とが一緒に移動することができる。そのため、ピストン部材4の外面4Cとシリンダ部材5の内面5Sとの間隙が安定して維持され、XY平面内におけるシリンダ部材5、テーブル2、及びピストン部材4の移動が安定する。移動が安定することにより、テーブル2は目標軌道で移動することができる。
【0126】
また、本実施形態においては、テーブル装置TSは、第1くさび部材11及び第2くさび部材12の相対移動によりテーブル2を移動するくさび形昇降装置を含む。そのため、角度θを調整することによって、Y軸方向に関する第1くさび部材11の移動量とZ軸方向に関する第2くさび部材12の移動量との比(減速比、分解能)を調整することができる。
【0127】
また、本実施形態においては、重力補償装置8が設けられるため、Z軸アクチュエータ13にかかる負荷が低減される。そのため、Z軸アクチュエータ13の発熱が抑制され、テーブル装置TSにおいて、Z軸アクチュエータ13の周囲の部材の熱変形が抑制される。Z軸アクチュエータ13の周囲の部材は、Z軸ガイド装置14の部材、Y軸ガイド装置16の部材、Y軸ステージ31、第1くさび部材11、第2くさび部材12、ピストン部材4、シリンダ部材5、及びテーブル2の少なくとも一つを含む。そのため、テーブル2の位置決め精度が低下したり、テーブル2が目標軌道から外れて移動したりすることが抑制される。その結果、テーブル装置TSの性能の低下が抑制される。
【0128】
また、本実施形態においては、ピストン部材4の断面の外形は、円形であり、軸受部材6は、ピストン部材4の側面4Cの周囲に配置される円筒状の部材である。断面の外形が円形であるピストン部材4の加工は、例えば角形であるピストン部材の加工に比べて、高い加工精度を容易に得ることができる可能性が高い。換言すれば、外形が円形であるピストン部材4を製造する場合のほうが、外形が角形であるピストン部材を製造する場合よりも、目標形状を容易に得ることができる可能性が高い。また、断面が円形である内面6Sを有する軸受部材6を製造するほうが、断面が角形である内面を有する軸受部材を製造するよりも、高い加工精度(目標形状)を容易に得ることができる可能性が高い。例えば、角形のピストン部材及び軸受部材を製造する場合、そのピストン部材の角部と軸受部材との間に形成される間隙の寸法と、そのピストン部材の平面部と軸受部材との間に形成される間隙の寸法とが等しくなるようにピストン部材及び軸受部材を製造することは困難である可能性がある。本実施形態によれば、円形のピストン部材4及び軸受部材6を用いることにより、そのピストン部材4の側面4Cと軸受部材6の内面6Sとの間に形成される間隙の寸法が不均一になることが抑制される。したがって、そのピストン部材4の側面4Cと軸受部材6の内面6Sとの間に形成される間隙において、圧力が不均一になることが抑制される。そのため、気体軸受6Gの性能の低下が抑制され、ピストン部材4が目標軌道から外れて移動されることが抑制される。
【0129】
また、本実施形態においては、ピストン部材4は少なくとも2つ配置され、テーブル2の異なる部位のそれぞれに接続される。したがって、テーブル2に接続された複数のピストン部材4により、例えばテーブル2の回転が抑制される。これにより、テーブル2の位置決め精度が向上する。すなわち、本実施形態において、ピストン部材4の断面の外形は、円形であり、軸受部材6は、ピストン部材4の側面4Cの周囲に配置される円筒状の部材である。そのため、軸受部材6の内側で、ピストン部材4がθZ方向に移動(回転)してしまう可能性がある。テーブル2に接続されるピストン部材4が1つである場合、軸受部材6に対するピストン部材4の回転により、テーブル2も回転してしまう可能性がある。本実施形態においては、ピストン部材4は複数配置される。したがって、それら複数のピストン部材4が軸受部材6及びシリンダ部材5に支持されることによって、θZ方向に関するテーブル2の移動(回転)が抑制される。
【0130】
また、本実施形態においては、Z軸ガイド装置14、Y軸ガイド装置16、Y軸ガイド装置33、及びX軸ガイド装置23のそれぞれが、転がり軸受を有する直動ガイド機構によって構成されている。Z軸ガイド装置14、Y軸ガイド装置16、Y軸ガイド装置33、及びX軸ガイド装置23のそれぞれは、実質的に同一な構造の転がり軸受を有する。したがって、テーブル2は、それらZ軸ガイド装置14、Y軸ガイド装置16、Y軸ガイド装置33、及びX軸ガイド装置23にガイドされて、Z軸方向、X軸方向、及びY軸方向のそれぞれに目標軌道で精度良く移動することができる。
【0131】
また、本実施形態においては、テーブル2が支持装置9を介して第2くさび部材12に支持されている。そのため、第2くさび部材12が望まれない移動(振動)をしても、支持装置9により、その望まれない移動(振動)がテーブル2に伝達されることが抑制される。
【0132】
なお、本実施形態においては、第1くさび部材11がY軸方向に移動されることとした。第1くさび部材11はX軸方向に移動されてもよい。
【0133】
なお、本実施形態において、シリンダ部材5とY軸ステージ31とは接続されなくてもよい。
【0134】
なお、本実施形態において、支持装置9は省略されてもよい。第2くさび部材12がテーブル2に固定されてもよい。第2くさび部材12が接続部材を介してテーブル2に固定されてもよい。
【0135】
なお、本実施形態においては、軸受部材6が多孔体を含み、その多孔体の孔から供給される気体によって気体軸受6Gが形成される、所謂、多孔質絞り方式を例にして説明した。気体軸受6Gを形成するための軸受部材6の絞り方式は、多孔質絞りに限定されない。例えば、多孔体を用いない自成絞り方式でもよいし、オリフィス絞り方式でもよいし、軸受面(ガイド面)に設けられた溝を介して気体を供給する表面絞り方式でもよい。例えばオリフィス絞り方式の軸受部材6の場合、気体を供給する供給口61は、オリフィスの開口を含む。軸受部材7についても同様である。軸受部材7は、多孔質絞り方式でもよいし、多孔体を用いない自成絞り方式でもよいし、オリフィス絞り方式でもよいし、軸受面(ガイド面)に設けられた溝を介して気体を供給する表面絞り方式でもよい。
【0136】
なお、本実施形態においては、XY平面と平行な断面のピストン部材4の外形が円形であることとした。XY平面と平行な断面のピストン部材4の外形が、多角形でもよい。ピストン部材4の断面の外形は、四角形でもよい。ピストン部材4の断面の外形は、四角形に限らず、その他の多角形でもよい。
【0137】
なお、本実施形態においては、ピストン部材4及びシリンダ部材5が駆動システム3の周囲に4つ配置されることとした。ピストン部材4及びシリンダ部材5は、駆動システム3の周囲において少なくとも2つ配置されればよい。ピストン部材4は、テーブル2に2つ又は3つ接続されてもよいし、5つ以上の任意の複数のピストン部材4がテーブル2に接続されてもよい。シリンダ部材5は、複数のピストン部材4のそれぞれに対応して配置されればよい。
【0138】
複数のピストン部材4は、XY平面内においてテーブル2の異なる複数の部位のそれぞれに接続されればよい。テーブル2に複数のピストン部材4が接続され、それら複数のピストン部材4がシリンダ部材5に支持されることによって、XY平面内におけるシリンダ部材5に対するテーブル2の移動が抑制される。すなわち、複数のピストン部材4がXY平面内においてテーブル2の異なる複数の部位のそれぞれに接続され、それら複数のピストン部材4が軸受部材6及びシリンダ部材5に支持されることによって、θZ方向に関するシリンダ部材5に対するテーブル2の移動(回転)が抑制される。
【0139】
例えば、2つ(2本)のピストン部材4がテーブル2に接続される場合、それらピストン部材4は、テーブル2の第1の部位と、その第1の部位とは異なるテーブル2の第2の部位とのそれぞれに接続されればよい。3つ(3本)のピストン部材4がテーブル2に接続される場合、それらピストン部材4は、テーブル2の第1の部位と、その第1の部位とは異なるテーブル2の第2の部位と、それら第1の部位及び第2の部位とは異なるテーブル2の第3の部位とのそれぞれに接続されればよい。
【0140】
4つ(4本)のピストン部材4がテーブル2に接続される場合、それらピストン部材4は、テーブル2の下面2Bの第1の部位と、第1の部位とは異なるテーブル2の下面2Bの第2の部位と、第1の部位及び第2の部位とは異なるテーブル2の下面2Bの第3の部位と、第1の部位、第2の部位、及び第3の部位とは異なるテーブル2の下面2Bの第4の部位とのそれぞれに接続されればよい。第1の部位、第2の部位、第3の部位、及び第4の部位は、下面2Bの中心の周囲に配置されてもよい。
【0141】
なお、本実施形態においては、テーブル2が矩形状であることとした。XY平面内においてテーブル2は円形でもよいし、6角形又は8角形のような多角形でもよい。
【0142】
なお、本実施形態において、Z軸ガイド装置14は、転動体を有する転がり軸受を含むこととした。Z軸ガイド装置14が、転動体を有しない直動型のすべり軸受を含んでもよいし、直動型の気体軸受を含んでもよい。なお、Z軸ガイド装置14が、スライダを有しなくてもよい。例えば、第2くさび部材12がZ軸方向に移動するように、第1くさび部材11に設けられたレールに沿って第2くさび部材12の斜面12Gが移動されてもよい。この場合、第1くさび部材11に設けられたレールが、第2くさび部材12をガイドするガイド装置として機能する。
【0143】
同様に、Y軸ガイド装置16が、直動型のすべり軸受を含んでもよいし、直動型の気体軸受を含んでもよい。なお、Y軸ガイド装置16が、スライダを有しなくてもよい。
【0144】
同様に、Y軸ガイド装置33及びX軸ガイド装置23の少なくとも一方が、直動型のすべり軸受を含んでもよいし、直動型の気体軸受を含んでもよい。なお、Y軸ガイド装置33及びX軸ガイド装置23の少なくとも一方が、スライダを有しなくてもよい。
【0145】
<第2実施形態>
第2実施形態について説明する。以下の説明において、上述の実施形態と同一又は同等の構成部分については同一の符号を付し、その説明を簡略又は省略する。
【0146】
図8は、本実施形態に係るテーブル装置TSを備える半導体製造装置200の一例を示す図である。半導体製造装置200は、半導体デバイスを製造可能な半導体デバイス製造装置を含む。半導体製造装置200は、半導体デバイスを製造するための物体Sを搬送可能な搬送装置300を含む。搬送装置300は、本実施形態に係るテーブル装置TSを含む。なお、
図8においては、テーブル装置TSを簡略して図示する。
【0147】
本実施形態において、物体Sは、半導体デバイスを製造するための基板である。物体Sから半導体デバイスが製造される。物体Sは、半導体ウエハを含んでもよいし、ガラス板を含んでもよい。物体Sにデバイスパターン(配線パターン)が形成されることによって、半導体デバイスが製造される。
【0148】
半導体製造装置200は、処理位置PJ1に配置された物体Sに対して、デバイスパターンを形成するための処理を行う。テーブル装置TSは、テーブル2に支持された物体Sを処理位置PJ1に配置する。搬送装置300は、テーブル装置TSのテーブル2に物体Sを搬送(搬入)可能な搬入装置301と、テーブル2から物体Sを搬送(搬出)可能な搬出装置302とを含む。搬入装置301によって、処理前の物体Sがテーブル2に搬送(搬入)される。テーブル装置TSによって、テーブル2に支持された物体Sが処理位置PJ1まで搬送される。搬出装置302によって、処理後の物体Sがテーブル2から搬送(搬出)される。
【0149】
テーブル装置TSは、テーブル2を移動して、テーブル2に支持された物体Sを処理位置PJ1に移動する。上述の実施形態で説明したように、テーブル2は、X軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向の3つの方向に、テーブル2を目標軌道で移動可能であり、高い位置決め精度で移動可能である。したがって、テーブル装置TSは、テーブル2に支持された物体Sを処理位置(目標位置)PJ1に配置可能である。
【0150】
例えば、半導体製造装置200が、光学系201を介して物体Sのデバイスパターンを計測する計測装置を含む場合、処理位置PJ1は、光学系201の焦点の位置(計測位置)を含む。処理位置PJ1に物体Sが配置されることにより、半導体製造装置200は、光学系201を介して、物体Sに形成されたデバイスパターンの画像を取得可能である。半導体製造装置200が、物体Sに膜を形成する成膜装置を含む場合、処理位置PJ1は、膜を形成するための材料が供給可能な位置である。処理位置PJ1に物体Sが配置されることにより、デバイスパターンを形成するための膜が物体Sに形成される。
【0151】
処理位置PJ1において物体Sが処理された後、その処理後の物体Sが搬出装置302によってテーブル2から搬送される。搬出装置302によって搬送(搬出)された物体Sは、後工程を行う処理装置に搬送される。
【0152】
本実施形態においては、テーブル装置TSは、物体Sを処理位置(目標位置)PJ1に配置可能である。そのため、不良な製品が製造されてしまうことが抑制される。すなわち、テーブル装置TSによって、半導体製造装置200における物体Sの位置決め精度の低下が抑制されるため、不良な製品の発生が抑制される。
【0153】
図9は、本実施形態に係るテーブル装置TSを備える検査装置400の一例を示す図である。検査装置400は、半導体製造装置200によって製造された物体(半導体デバイス)S2を検査する。検査装置400は、物体S2を搬送可能な搬送装置300Bを含む。搬送装置300Bは、本実施形態に係るテーブル装置TSを含む。なお、
図9においては、テーブル装置TSを簡略して図示する。
【0154】
検査装置400は、検査位置PJ2に配置された物体S2の検査を行う。テーブル装置TSは、テーブル2に支持された物体S2を検査位置PJ2に配置する。搬送装置300Bは、テーブル装置TSのテーブル2に物体S2を搬送(搬入)可能な搬入装置301Bと、テーブル2から物体S2を搬送(搬出)可能な搬出装置302Bとを含む。搬入装置301Bによって、検査前の物体S2がテーブル2に搬送(搬入)される。テーブル装置TSによって、テーブル2に支持された物体S2が検査位置PJ2まで搬送される。搬出装置302Bによって、検査後の物体S2がテーブル2から搬送(搬出)される。
【0155】
テーブル装置TSは、テーブル2を移動して、テーブル2に支持された物体S2を検査位置PJ2に移動する。上述の実施形態で説明したように、テーブル2は、X軸方向、Y軸方向、及びZ軸方向の3つの方向に、テーブル2を目標軌道で移動可能であり、高い位置決め精度で移動可能である。したがって、テーブル装置TSは、テーブル2に支持された物体S2を検査位置(目標位置)PJ2に配置可能である。
【0156】
本実施形態において、検査装置400は、検出光を用いて物体S2の検査を光学的に行う。検査装置400は、検出光を射出可能な照射装置401と、照射装置401から射出され、物体S2で反射した検出光の少なくとも一部を受光可能な受光装置402とを含む。本実施形態において、検査位置PJ2は、検出光の照射位置を含む。検査位置PJ2に物体S2が配置されることにより、物体S2の状態が光学的に検査される。
【0157】
検査位置PJ2において物体S2の検査が行われた後、その検査後の物体S2が搬出装置302Bによってテーブル2から搬送される。
【0158】
本実施形態においては、テーブル装置TSは、物体S2を検査位置(目標位置)PJ2に配置可能であるため、検査不良の発生を抑制できる。すなわち、検査装置400は、物体S2が不良であるか否かを良好に判断することができる。これにより、例えば不良な物体S2が後工程に搬送されたり、出荷されたりすることが抑制される。
【解決手段】テーブル装置は、ベース部材と、ベース部材の上に配置されるテーブルと、第1軸、第2軸、及び第3軸と平行な方向にテーブルを移動可能な駆動システムと、テーブルに接続されるピストン部材と、ピストン部材の周囲に配置され、第1軸と平行な方向にピストン部材を移動可能に支持し、第2軸及び第3軸と平行な方向にベース部材に移動可能に支持されるシリンダ部材と、シリンダ部材に配置され、ピストン部材の側面との間に気体軸受を形成する第1軸受部材と、シリンダ部材に配置され、ベース部材のガイド面との間に気体軸受を形成する第2軸受部材と、ピストン部材の下面が面するシリンダ部材の内部空間の下部空間に気体を供給する供給口を有する重力補償装置と、を備える。