(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記揺動体の内周部と前記筒状突起部の外周部との間で前記筒状突起部の長手方向と垂直方向に沿って圧縮弾性変形可能に保持されるリング状の第2揺動支持部をさらに有する請求項1または2に記載のガスパージユニット。
前記ノズル部材の基部から前記流通ポートに向けての前記揺動体の移動を制限するが前記基部に向かう方向への移動は制限しないストッパ部材をさらに有する請求項1〜3のいずれかに記載のガスパージユニット。
【背景技術】
【0002】
たとえば半導体の製造工程では、ロードポート装置の載置台にガス給気ノズルを配置し、ウエハ搬送容器の底面に設けられたガス給気ポートに当該給気ノズルを接触させ、パージガスを導入することでウエハ搬送容器の内雰囲気をパージガスによって清浄化する技術がある(ボトムパージ)。
【0003】
このような技術において、ガス給気ポートの位置のばらつきや傾きによって、ガス給気ノズルとガス給気ポートとの間で位置ずれ
が生じる恐れがあった。このような隙間が生じることによって、ガス給気ノズルから給気される不活性ガスが漏れたり、隙間を介してウエハ搬送容器の内部に外気が混入する問題がある。
【0004】
このような課題を解決するため、ノズル本体あるいはノズルの先端部分を搖動させる機構が開示されている(特許文献1および特許文献2)。これらの機構では、ノズル口を有するノズル部材自体またはその一部を揺動させる構造を採用しているため、ノズル構造の小型化に限界があった。
【0005】
また、これらの従来技術では、ノズル口を有するノズル部材自体またはその一部を揺動させ、且つシール性を確保するために、弾性部材が擦れる部分を必要としている。そのため、その擦れる部分の摩擦によって生じる削れカス(パーティクル)が流路を通して、ウエハ搬送容器の内部に流れ込む恐れがあった。
【0006】
また従来技術では、擦れる部分にわずかでも付着物が生じた場合に、揺動部分の動きが悪くなり、追従性の妨げになり、ノズル先端と給気ポートとの間に隙間が生じるおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、流通口とノズル口との間のシール特性に優れ、パーティクルなどを混入させることなく、パージ対象容器の内部を清浄化ガスで満たすことが可能なガスパージユニット、ロードポート装置およびパージ対象容器の設置台を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点に係るガスパージユニットは、
流通口が形成してある流通ポートを持つパージ対象容器の内部に前記流通ポートを通して清浄化ガスを流通させるためのガスパージユニットであって、
前記清浄化ガスを流通させるノズル口を持つ筒状突起部が形成してあるノズル部材と、
前記筒状突起部の周囲を囲むようにリング状に配置され、前記流通ポートに対して着脱自在に接触可能な接触部が先端部に形成してある揺動体と、
前記揺動体の後端と前記ノズル部材の基部との間で前記筒状突起部の長手方向に沿って圧縮弾性変形可能に保持されるリング状の第1揺動支持部と、を有する。
【0010】
本発明の第1の観点に係るガスパージユニットでは、ノズル部材における筒状突起部の周囲に設けられた揺動体の先端部に設けられた接触部がパージ対象容器の流通ポート(給気ポートまたは排気ポート/以下同様)に着脱自在に接触する。接触部が形成してある揺動体は、リング状の第1揺動支持部により支持され、その第1揺動支持部が筒状突起部の長手方向に沿って圧縮弾性変形することで、揺動体が揺動する。
【0011】
そのため、パージ対象容器の位置ズレや傾きなどにより、流通ポートの位置ずれや傾きがある場合であっても、第1揺動支持部が圧縮弾性変形することで、パージ対象容器の位置ズレや傾きなどに合わせて揺動体が揺動する。その結果、揺動体の先端部に形成してある接触部は、流通口(給気口または排気口/以下同様)の周囲で流通ポートに密着して接触する。また、揺動体の後端とノズル部材の基部との間には、リング状の第1揺動支持部が弾性変形可能に配置してあり、シール部材として機能し、その間の密封性が保持される。したがって、揺動体は、ノズル口および流通口を外気から良好に遮断してシールし、これらを気密に連結することができる。
【0012】
したがって、ノズル口から給気(または排気/以下同様)される清浄化ガスは、外部に漏れることなく、しかも外気が混入することなく、流通口からパージ対象容器の内部に流入し(または排気/以下同様)、その内部を良好に清浄化ガスで満たし、内部をクリーンな状態に維持することができる。
【0013】
なお、第1揺動支持部は、揺動体の後端とノズル部材の基部との間で、圧縮弾性変形するのみであり、擦れるおそれが少ない。そのため、擦れてパーティクルなどを発生するおそれが少ない。また、第1揺動支持部が圧縮弾性変形するのみで、揺動体の揺動を可能にしているため、揺動部分の動きがスムーズであり、追従性に優れ、ノズル部材と給気ポートとの間に隙間が生じるおそれが少ない。
【0014】
さらにまた、ノズル部材のノズル口と、可動部(揺動体)と、位置調整部(第1揺動支持部)とが独立した構成となるため、ノズル自体は傾斜せず、ノズルへの付着物による可動性の低下によるシール性の低下などが生じない。また、ノズル自体は傾斜しないことから、ノズルへの清浄化ガスの給気が容易である。さらに弾性変形可能な部分は、局所的な部位に構成すれば良いのでノズル全体の小型化も可能となる。
【0015】
また、揺動体が、筒状突起部の周囲を囲むようにリング状に配置されているため、ノズル口と揺動体とが自己整合的に位置決めされる。また、筒状突起部の先端にノズル口が形成してあるため、第1揺動支持部とノズル口との間の距離が離れ、第1揺動支持部に起因して発生するおそれがあるパーティクルがノズル口から混入するおそれは少ない。
【0016】
前記接触部が前記筒状突起部の先端よりも前記パージ対象容器側に飛び出して配置されていても良い。そのように配置することで、ノズル部材の先端(筒状突起部の先端)が流通ポートに衝突することを有効に防止することができる。ただし、ノズル部材の先端が流通ポートに衝突することなく、流通口に入り込む場合には、前記接触部が前記筒状突起部の先端よりも前記パージ対象容器側に飛び出して配置されていなくても良い。
【0017】
本発明の第1の観点に係るガスパージユニットは、前記揺動体の内周部と前記筒状突起部の外周部との間で前記筒状突起部の長手方向と垂直方向に沿って圧縮弾性変形可能に保持されるリング状の第2揺動支持部をさらに有してもよい。その場合には、第1揺動支持部と第2揺動支持部とが、2つのシール部材として機能し、ノズル部材と揺動体との間のシール性をさらに向上させることができる。また、第2揺動支持部を設けることで、揺動体が揺動しても揺動体の内周面が筒状突起部の外周面に衝突することを有効に防止することができる。
【0018】
本発明の第1の観点に係るガスパージユニットは、前記ノズル部材の基部から前記流通ポートに向けての前記揺動体の移動を制限するが前記基部に向かう方向への移動は制限しないストッパ部材をさらに有してもよい。その場合には、流通ポートからノズル部材を引き離す際に、ノズル部材と共に揺動体が流通ポートから強制的に引き離され、揺動体の接触部が給気ポートに固着することを効果的に防止することができる。
【0019】
本発明の第2の観点に係るガスパージユニットは、
流通口が形成してある流通ポートを持つパージ対象容器の内部に前記流通ポートを通して清浄化ガスを流通させるためのガスパージユニットであって、
前記清浄化ガスを流通させるノズル口が形成されたノズル部材と、
前記ノズル口の周囲を囲むようにリング状に配置され、前記流通ポートに対して着脱自在に接触可能な接触部が形成してある揺動体と、
前記揺動体の後端と前記ノズル部材の基部との間で圧縮弾性変形可能に保持されるリング状の揺動支持部と、
前記ノズル部材の基部から前記流通ポートに向けての前記揺動体の移動を制限するが前記基部に向かう方向への移動は制限しないストッパ部材とを有する。
【0020】
本発明の第2の観点に係るガスパージユニットでは、揺動体の先端部に設けられた接触部がパージ対象容器の流通ポートに着脱自在に接触する。接触部が形成してある揺動体は、リング状の揺動支持部により支持され、その揺動支持部が圧縮弾性変形することで、揺動体が揺動する。
【0021】
そのため、パージ対象容器の位置ズレや傾きなどにより、流通ポートの位置ずれや傾きがある場合であっても、揺動支持部が圧縮弾性変形することで、パージ対象容器の位置ズレや傾きなどに合わせて揺動体が揺動する。その結果、揺動体の先端部に形成してある接触部は、流通口の周囲で流通ポートに密着して接触する。また、揺動体の後端とノズル部材の基部との間には、リング状の揺動支持部が弾性変形可能に配置してあり、シール部材として機能し、その間の密封性が保持される。したがって、揺動体は、ノズル口および流通口を外気から良好に遮断してシールし、これらを気密に連結することができる。
【0022】
したがって、ノズル口から給気される清浄化ガスは、外部に漏れることなく、しかも外気が混入することなく、流通口からパージ対象容器の内部に流入し、その内部を良好に清浄化ガスで満たし、内部をクリーンな状態に維持することができる。
【0023】
なお、揺動支持部は、揺動体の後端とノズル部材の基部との間で、圧縮弾性変形するのみであり、擦れるおそれが少ない。そのため、擦れてパーティクルなどを発生するおそれが少ない。また
、揺動支持部が圧縮弾性変形するのみで、揺動体の揺動を可能にしているため、揺動部分の動きがスムーズであり、追従性に優れ、ノズル先端と給気ポートとの間に隙間が生じるおそれが少ない。
【0024】
さらにまた、ノズル部材のノズル口と、可動部(揺動体)と、位置調整部(揺動支持部)とが独立した構成となるため、ノズル自体は傾斜せず、ノズルへの付着物による可動性の低下によるシール性の低下などが生じない。また、ノズル自体は傾斜しないことから、ノズルへの清浄化ガスの給気が容易である。さらに弾性変形可能な部分は、局所的な部位に構成すれば良いのでノズル全体の小型化も可能となる。
【0025】
また、本発明の第2の観点に係るガスパージユニットは、ノズル部材の基部から流通ポートに向けての揺動体の移動を制限するが基部に向かう方向への移動は制限しないストッパ部材を有する。そのため、流通ポートからノズル部材を引き離す際に、ノズル部材と共に揺動体が流通ポートから強制的に引き離され、揺動体の接触部が給気ポートに固着することを効果的に防止することができる。さらに、ストッパ部材は、ノズル部材のノズル口と揺動体とを位置決めする機能もある。
【0026】
前記接触部の硬度は、当該接触部が接触する給気ポートの接触面の硬度よりも高くしても良い。このように構成することで、接触部が給気ポートに長時間で接触していたとしても、接触部自体は変形せず、給気ポートに対する固着を、より効果的に防止することができる。また、摩耗を防止することができ、パーティクルの発生を抑制することができると共に、チリ・ホコリによる作動不具合が生じることもない。
【0027】
前記接触部は、前記揺動体の先端部に形成してあるリング状凸部であっても良いし、前記揺動体の先端部に形成してあるテーパ状斜面であってもよい。
【0028】
本発明のロードポート装置は、上述したガスパージユニットを有する。本発明のパージ対象容器の設置台は、上述したガスパージユニットを有する。本発明のガスパージユニットは、その他の装置や場所に設置しても良い。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
【0031】
第1実施形態
図1に示すように、本発明の一実施形態に係るロードポート装置10は、半導体処理装置60に連結してある。ロードポート装置10は、設置台12と、その設置台12に対して、X軸方向に移動可能な可動テーブル14とを有する。なお、図面において、X軸が可動テーブル14の移動方向を示し、Z軸が鉛直方向の上下方向を示し、Y軸がこれらのX軸およびZ軸に垂直な方向を示す。
【0032】
可動テーブル14のZ軸方向の上部には、複数のウエハ1を密封して保管して搬送するポットやフープなどで構成される密封搬送容器2が着脱自在に載置可能になっている。密封搬送容器2は、ケーシング2aを有する。ケーシング2aの内部には、被処理物たるウエハ1を内部に収めるための空間が形成されている。ケーシング2aは、水平方向に存在するいずれか一面に開口を有する略箱状の形状を有する。
【0033】
また、密封搬送容器2は、ケーシング2aの開口2bを密閉するための蓋4を備えている。ケーシング2aの内部に水平に保持されたウエハ1を鉛直方向に重ねる為の複数の段を有する棚(不図示)が配置されており、ここに載置されるウエハ1各々はその間隔を一定として容器2の内部に収容される。
【0034】
ロードポート装置10は、密封搬送容器2の内部に密封状態で収容してあるウエハを、クリーン状態を維持しながら、半導体処理装置60の内部に、移し替えるためのインターフェース装置である。このロードポート装置10は、壁部材11の受渡口13を開閉するドア18を有する。壁部材11は、半導体処理装置60の内部をクリーン状態に密封するケーシングの一部、または半導体処理装置60とロードポート装置10とを連結するイーフェム(EFEM)などの装置の内部をクリーン状態に密封するケーシングの一部として機能するようになっている。ドア18の動きについては、
図5A〜
図5Dを用いて簡単に説明する。
【0035】
図5Aに示すように、テーブル14の上に容器2が設置されると、後述するボトムガスパージが行われる。そして、
図5Bに示すように、ボトムガスパージが行われた状態で、テーブル14がX軸方向に移動し、容器2の開口2bを気密に塞いでいる蓋4が取り付けられている開口縁部2cが、壁部材11の受渡口13の内部に入り込む。
【0036】
それと同時に、壁11の内部(テーブル14とは反対側)に位置するドア18が、容器2の蓋4に係合する。その際に、開口縁部2cと受渡口13の開口縁との間はガスケットなどによりシールされ、これらの間は良好に密封される。その後に、
図5Cに示すように、ドア18を蓋4と共に、X軸方向に平行移動させ、あるいは回動移動させて、蓋4を開口縁部2cから取り外し、開口2cを開き、容器2の内部と壁11の内部とを連通させる。その際にも、ボトムガスパージを継続させて動作させても良いし、ボトムパージに加えて、壁11の内部から容器2の内部に向けて、窒素ガスやその他の不活性ガスなどのパージガス(清浄化ガス)を吹き出す(フロントパージ)ようにしても良い。
【0037】
次に、
図5Dに示すように、壁11の内部で、ドア18をZ軸下方に移動させれば、容器2の開口2bは、壁11の内部に対して完全に開き、壁11の内部に配置されたロボットハンドなどにより、開口2bを通して、壁11の内部に、ウエハ1の受渡が行われる。その際にも、容器2の内部および壁11の内部は、外気から遮断され、ボトムパージおよび/またはフロントパージが継続されても良く、容器2の内部はクリーンな環境に維持される。容器2の内部にウエハ1を戻して容器2をテーブル14から取り外すには、上記の逆の動作を行えば良い。
【0038】
図2に示すように、可動テーブル14の上面14aには、1つ以上の位置決めピン16が埋設されており、ケーシング2aの下面に設けられた位置決め部3の凹部に位置決めピン16が嵌合することにより、容器2と可動テーブル14との位置関係が一義的に決定される。
【0039】
ウエハ1の保管や搬送中には、密封搬送容器2の内部は密封され、ウエハ1の周囲は、クリーンな環境に維持される。密封搬送容器2が可動テーブル14の上面14aに位置決めされて設置されると、密封搬送容器2の下面に形成してある給気ポート5と排気ポート6とが、それぞれ給気用ガスパージユニット20の給気用揺動シール装置30と、排気用ガスパージユニット40の排気用揺動シール装置50とに気密に連結される。本実施形態では、給気用ガスパージユニット20および排気用ガスパージユニット40により、容器2の内部のボトムガスパージ処理が行われる。なお、図面においては、理解を容易にするために、密封搬送容器2に比較して、給気ポート5、排気ポート6、給気用ガスパージユニット20、および排気用ガスパージユニット40などを拡大して図示してあるが、実際の寸法比とは異なる。
【0040】
給気ポート5および排気ポート6にはそれぞれ給気口5aおよび排気口6aが形成してあり、これらは、逆止弁5b,6bを介してケーシング2aの内部に連通可能になっている。給気口5aの途中に設けられた逆止弁5bは、給気口5aを通してケーシング2aの内部に所定以上の圧力で入り込もうとする清浄化ガスの流入は許容するが、その逆の排気を許容しない弁である。
【0041】
排気口6aの途中に設けられた逆止弁6bは、排気口
6aを通してケーシング2aの内部から所定以上の圧力で排出されようとする清浄化ガスの排出は許容するが、その逆の給気を許容しない弁である。これらの弁5b,6bを設けることで、給気ポート5または排気ポート6にガスパージユニット20または40が接続されない限りは、容器2の搬送中や保管中に、容器2の内部が給気口5aまたは排気口6aを通して外気と連通することはない。
【0042】
図2に示すように、本実施形態では、給気用ガスパージユニット20と排気用ガスパージユニット40とは、同様な構造を有する。これらのユニット20および40は、可動
テーブル14の内部に収容してあり、これらのユニット20および40における揺動シール装置30および50の頭部のみが、テーブル14の上面14aからZ軸方向の上部に飛び出している。
【0043】
給気用ガスパージユニット20は、たとえば窒素ガスやその他の不活性ガスなどの清浄化ガスを供給するための給気流路22が形成してある給気部材24を有し、給気部材24はテーブル14の内部に配置してある。給気部材24のZ軸方向の上部には、ノズル口26が形成してある給気ノズル28が気密に連結してあり、ノズル口26と給気流路22とが連通している。ノズル口26は、給気用揺動シール装置30の内部に気密に連通している。
【0044】
排気用ガスパージユニット40は、たとえば窒素ガスや不活性ガスなどの清浄化ガスを排気するための排気流路42が形成してある排気部材44を有し、排気部材44はテーブル14の内部に配置してある。排気部材44のZ軸方向の上部には、ノズル口46が形成してある排気ノズル48が気密に連結してあり、ノズル口46と排気流路42とが連通している。ノズル口46は、排気用揺動シール装置50の内部に気密に連通している。
【0045】
本実施形態では、給気用揺動シール装置30と排気用揺動シール装置50とは、同一な構成を有するために、給気用揺動シール装置30についてのみ詳細に説明し、排気用揺動シール装置50の説明は省略する。
【0046】
図3Aに示すように、ノズル部材としての給気ノズル28は、平板状の基部28aと、基部28aの中央部からZ軸方向の上方に突出している筒状突起部28bとを有する。筒状突起部28
bの内側上部にノズル口26が形成してある。給気用揺動シール装置30は、揺動体31を有する。揺動体31は、筒状突起部28bの周囲を所定隙間d1(片側隙間)で囲むようにリング状に配置され、給気ポート5に対して着脱自在に接触可能な接触部34が揺動体31の先端部33
の外周に形成してある。本実施形態では、接触部34は、揺動体31の先端部33にリング状に形成され、断面が半円形の凸部である。
【0047】
揺動体31の後端部32には、Oリング溝が形成してあり、そこに第1揺動支持部としてのOリング35が収容してあり、揺動体31の後端部32とノズル28の基部28aとの間で、圧縮弾性変形可能に保持してある。Oリング溝の大きさは、Oリング35が後端部32から基部28a側にはみ出すように決定される。
【0048】
揺動体31の後端部32と基部28aの上面との間の隙間h0は、ノズル28に対する揺動体31の揺動を許容するように決定され、好ましくは給気ポートが傾く角度を吸収する隙間とする。この隙間h0の範囲で、Oリング35は圧縮弾性変形を行う。揺動体31の内周面と筒状突起部28bの外周面との間の隙間d1は、隙間h0と同程度であるが、必ずしも同じである必要はなく、隙間h0よりも広くても良い。好ましくは、
給気ノズル28と搖動体31が接触しない隙間とする。
【0049】
揺動体31の外周には、リング状のストッパ部材36が配置してあり、ノズル28の基部28aにボルト37などを用いて固定してある。ストッパ部材36の内周上部縁には、内側係合片36aが周方向に連続的または断続的に形成してある。この内側係合片36aは、揺動体31の外周下部に周方向に沿って連続的または断続的に形成してある外側係合片32aと係合している。
【0050】
その結果、ノズル部材28の基部28aから給気ポート5に向けての揺動体31の移動を制限するが基部28aに向かう方向への揺動体31の移動は制限しないようになっている。すなわち、所定隙間h0の範囲内で、Oリング35を弾性変形させて、揺動体31の揺動が可能になっている。なお、ストッパ部材36は、周方向に沿って断続的に配置しても良い。
【0051】
本実施形態では、接触部34が筒状突起部28bの先端28cよりも容器2側に所定高さh1で飛び出して配置されている。そのように配置することで、ノズル28の先端28cが給気ポート5に衝突することを有効に防止することができる。ただし、ノズル28の先端が給気ポート5に衝突することなく、給気口5aに入り込む場合には、接触部34が筒状突起部28bの先端28cよりも容器2側に飛び出して配置されていなくても良い。
【0052】
搖動体31の硬度は、弾性変形可能なOリング35の硬度よりも高く、接触部34が給気口5aに接触する際に変形する程度の硬さであるOリング35に対し、変形を生じない硬さであることが好ましい。たとえばOリング35は、ガスを透過させない材料と厚みで構成される。具体的には、Oリング35は、たとえばゴム、軟質プラスチック、スポンジなどで構成される。
【0053】
また、揺動体31は、弾力性に乏しく硬度が高く、使用圧力においてガスを透過させない材料で構成される。具体的には、揺動体31は、たとえばアルミニウム、鋼、銅、チタニウムなどの金属で構成されるが、硬度が高い材料であれば金属に限らず、プラスチック、ガラス、ゴムなどで構成されても良い。
【0054】
なお、本実施形態では、揺動体31に対して一体的に接触部34を形成したが、接触部34を揺動体31とは別部材で構成することもできるが、接触部34も揺動体31も、Oリング35よりは硬度が高く剛性のある材質で構成することが好ましい。
【0055】
図3Aおよび
図3Bに示すように、上側に断面半円状の凸部となる接触部34の凸部は、給気ポート5の給気口5aを囲む接触下面5cに接触する。接触下面5cには、図示省略してあるシール用ガスケットシートが装着してあっても良い。ガスケットシートは、弾力性を有し、接触部34の硬度は、接触部34が接触する給気ポート5の接触下面5cの硬度よりも高い。
【0056】
図3Bに示すように、Oリング35は、圧縮弾性変形が可能な部材、たとえばゴムなどで構成される。このため、テーブル14に対して容器2が多少傾斜して設置されたとしても、Oリング35が弾性変形し、揺動体31が揺動し、リング状の接触部34の断面半円状の凸部は、接触下面5cに対して全周にわたり密着して、内部の気密性が保たれる。
【0057】
図3Bに示す状態で、給気流路22にパージガスを供給すれば、ノズル口26の内部圧力が高まり、逆止弁5bが開き、ノズル口26から給気口5aを通り、容器2の内部にパージガスが供給される。容器2の内部では、パージガスによる圧力が高まり、
図2に示す排気口6aの逆止弁6bが開き、排気口6a、ノズル口46および排気流路42を通して、パージガスが排気される。そのため、容器2の内部は、清浄なパージガスで満たされ、容器2の内部の清浄度が向上する。
【0058】
本実施形態のガスパージユニット20および40では、給気ノズル28(または排気ノズル48/以下同様)に設けられた揺動体31の先端部に設けられた接触部34が容器2の給気ポート5(または排気ポート6/以下同様)に着脱自在に接触する。接触部34が形成された揺動体31は、リング状のOリング35により支持され、そのOリング35が筒状突起部28bの長手方向に沿って圧縮弾性変形することで、揺動体31が揺動する。
【0059】
そのため、
図3Bに示すように、容器2の位置ズレや傾きなどにより、給気ポート5の位置ずれや傾きがある場合であっても、Oリング35が圧縮弾性変形することで、容器2の位置ズレや傾きなどに合わせて揺動体31が揺動する。その結果、揺動体31の先端部33に形成してある接触部34は、給気口5a(または排気口6a/以下同様)の周囲で給気ポート5に密着して接触する。また、揺動体31の後端32とノズル28の基部28aとの間には、Oリング35が弾性変形可能に配置してあり、シール部材として機能し、その間の密封性が保持される。したがって、揺動体31は、ノズル口26および給気口5aを外気から良好に遮断してシールし、これらを気密に連結することができる。
【0060】
そのため、ノズル口26から給気(または排気/以下同様)されるパージガスは、外部に漏れることなく、しかも外気が混入することなく、給気口5aから容器2の内部に流入し(または排気/以下同様)、その内部を良好にパージガスで満たし、内部をクリーンな状態に維持することができる。
【0061】
なお、Oリング35は、揺動体31の後端32とノズル28の基部28aとの間で、圧縮弾性変形するのみであり、擦れるおそれが少ない。そのため、擦れてパーティクルなどを発生するおそれが少ない。また、Oリング35が圧縮弾性変形するのみで、揺動体31の揺動を可能にしているため、揺動部分の動きがスムーズであり、追従性に優れ、ノズル28と給気ポート5との間に隙間が生じるおそれが少ない。
【0062】
さらにまた、本実施形態では、ノズル口26が形成してあるノズル28と、可動部(揺動体31)と、位置調整部(Oリング35)とが独立した構成となるため、ノズル28自体は傾斜せず、ノズル28への付着物による可動性の低下によるシール性の低下などが生じない。また、ノズル28自体は傾斜しないことから、ノズル28への清浄化ガスの給気が容易である。さらに弾性変形可能な部分は、局所的な部位に構成すれば良いのでノズル28全体の小型化も可能となる。
【0063】
また、本実施形態では、揺動体31が、筒状突起部28bの周囲を囲むようにリング状に配置され、筒状突起部28bの先端にノズル口26が形成してあるため、Oリング35とノズル口26との間の距離が離れ、Oリング35に起因して発生するおそれがあるパーティクルがノズル口26から混入するおそれは少ない。
【0064】
さらに本実施形態では、ストッパ部材36を有することから、給気ポート5からノズル28を引き離す際に、ノズル28と共に揺動体31が給気ポート5から強制的に引き離され、揺動体31の接触部34が給気ポート5に固着することを効果的に防止することができる。さらに、ストッパ部材36は、ノズル28のノズル口26と揺動体31とを位置決めする機能もある。
【0065】
また接触部34の硬度は、当該接触部34が接触する給気ポート5の接触面の硬度よりも高くしてある。このように構成することで、接触部34が給気ポート5に長時間で接触していたとしても、接触部34自体は変形せず、給気ポート5に対する固着を、より効果的に防止することができる。また、摩耗を防止することができ、パーティクルの発生を抑制することができると共に、チリ・ホコリによる作動不具合が生じることもない。
【0066】
第2実施形態
図4Aは、本発明の他の実施形態に係るガスパージユニット20aに用いられる揺動シール装置30aの要部断面図であり、給気または排気の双方または片方に用いられ、下述する以外は、前述した第1実施形態と同様な構成を有し、同様な作用効果を奏する。
【0067】
図4Aに示すように、この実施形態では、ノズル口26が給気ノズル28Aの基部28a1に直接に形成してあり、前述した第1実施形態における筒状突起部28bを有さない。その他の構成は、前述した第1実施形態と同様な構成である。
【0068】
この実施形態の場合には、揺動体31の内周面がノズル口26の一部を兼ねることになる。本実施形態では、筒状突起部28bを有さないことから、第1実施形態に比較して構造がさらにシンプルになる。本実施形態のその他の作用効果は、第1実施形態の筒状突起部28bを有することに起因する作用効果を有さない以外は、第1実施形態と同様である。
【0069】
第3実施形態
図4Bは、本発明のさらに他の実施形態に係るガスパージユニット20bに用いられる揺動シール装置30bの要部断面図であり、給気または排気の双方または片方に用いられ、下述する以外は、前述した第1実施形態と同様な構成を有し、同様な作用効果を奏する。
【0070】
図4Bに示すように、この実施形態では、第1実施形態のストッパ部材36を有さない以外は、前述した第1実施形態と同様な構成である。すなわち、この実施形態では、揺動部材31Bの外周には、第1実施形態のストッパ部材36が設けられていない。
【0071】
この実施形態の場合には、揺動体31が、筒状突起部28bの周囲を囲むようにリング状に配置されているため、ストッパ部材36を有さなくとも、ノズル口26と揺動体31とが自己整合的に位置決めされる。本実施形態では、ストッパ部材36を有さないことから、第1実施形態に比較して構造がさらにシンプルになる。本実施形態のその他の作用効果は、第1実施形態のストッパ部材36を有することに起因する作用効果を有さない以外は、第1実施形態と同様である。
【0072】
第4実施形態
図4Cは、本発明のさらに他の実施形態に係るガスパージユニット20cに用いられる揺動シール装置30cの要部断面図であり、給気または排気の双方または片方に用いられ、下述する以外は、前述した第3実施形態と同様な構成を有し、同様な作用効果を奏する。
【0073】
図4Cに示すように、この実施形態の揺動シール装置30cは、給気ノズル28Cに対して揺動体31Cを揺動可能に保持する揺動支持体として、第1Oリング35aおよび第2Oリング35bを有する。第1Oリング35aは、ノズル28Cの筒状突起部28b2の周囲に位置する基部28a2の表面に形成してあるOリング溝の内部に収容してあり、前述した実施形態におけるOリング35に対応し、これと同様な機能を有する。
【0074】
第2Oリング35bは、揺動体31Cの内周部と筒状突起部28b2の外周部との間で筒状突起部28b2の長手方向と垂直方向(X軸およびY軸平面方向)に沿って圧縮弾性変形可能に保持されるリング状のシール部材である。
【0075】
本実施形態では、第1Oリング35aと第2Oリング35bとが、2つのシール部材として機能し、ノズル28Cと揺動体31Cとの間のシール性をさらに向上させることができる。また、第2Oリング35bを設けることで、揺動体31Cが揺動しても揺動体31Cの内周面が筒状突起部28b2の外周面に衝突することを有効に防止することができる。
【0076】
本実施形態では、第2Oリング35bを、筒状突起部28b2と揺動体31Cとの間に設けるために、揺動体31Cの内周面にOリング溝を形成してある。また、そのOリング溝に対応するZ軸方向位置で、筒状突起部28b2の外周面にも、Oリングの位置決めのための浅い溝を形成してある。
【0077】
また、本実施形態では、揺動体31Cの先端部33には、リング状凸部からなる接触部ではなく、先端側で外径が細くなるテーパ状斜面から成る接触部34が形成してある。接触部34の先端が、給気ポート5の給気口5aに入り込み、接触部34を構成するテーパ状斜面の途中位置部分が、ポート5の給気口5aの内縁に接触してシールすることになる。本実施形態のその他の作用効果は、第2Oリング35bを有することに基づく作用効果が追加される以外は、
図4Bに示す第3実施形態と同様である。
【0078】
第5実施形態
図4Dは、本発明のさらに他の実施形態に係るガスパージユニット20dに用いられる揺動シール装置30dの要部断面図であり、給気または排気の双方または片方に用いられ、下述する以外は、前述した第4実施形態と同様な構成を有し、同様な作用効果を奏する。
【0079】
図4Dに示すように、この実施形態の揺動シール装置30dは、
図4Cに示す実施形態の揺動シール装置30cの変形例であり、第1Oリング35cおよび第2Oリング35dの断面形状が、
図4Cに示す例と異なる。すなわち、これまでの実施形態のOリングの断面形状が円形であるのに対して、この実施形態のOリング35cおよび35dの断面形状は、全体として四角形であり、各辺の位置で凹んでおり、角部が突出する形状になっている。
【0080】
このような断面形状のOリング35cおよび35dは、Oリング溝に対する収まりが良く、位置ズレしにくいなどの効果がある。また、圧縮弾性変形を比較的に大きくとれることから、揺動体31dの揺動の動き範囲を広げることが期待できる。本実施形態のその他の作用効果は、
図4Cに示す第4実施形態と同様である。
【0081】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々に改変することができる。
【0082】
たとえば、ガスパージユニット20および40は、必ずしも同じ構成を有することなく、異なる構成を有していても良い。たとえば一方が、
図3A、
図4A〜
図4Dのいずれかの揺動シール装置を持ち、他方が、それ以外の揺動シール装置を有していても良い。あるいは、ガスパージユニット20および40のいずれか一方のみが、本発明に係るガスパージユニットの構成を有していても良い。
【0083】
また、上述した実施形態では、揺動支持体としてOリングを用いたが、Oリング以外に、圧縮弾性変形可能なその他のシール部材、たとえばパッキン、ガスケットなどを用いても良い。
【0084】
また、上述した実施形態では、本発明のガスパージユニットを、ロードポート装置10に適用したが、それ以外の装置にも適用しても良い。たとえば複数の容器2を並べて保管しておく棚や設置台などに本発明のガスパージユニットを取り付けても良い。あるいは、本発明のガスパージユニットは、その他の装置や場所に設置しても良い。
【課題】流通口とノズル口との間のシール特性に優れ、パーティクルなどを混入させることなく、パージ対象容器の内部を清浄化ガスで満たすことが可能なガスパージユニット、ロードポート装置およびパージ対象容器の設置台を提供すること。
【解決手段】ガスパージユニットは、清浄化ガスを吹き出すノズル口26を持つ給気ノズル28と、ノズル28の筒状突起部28bの周囲を囲むようにリング状に配置され、給気ポート5に対して着脱自在に接触可能な接触部34が先端部に形成してある揺動体31と、揺動体31の後端とノズル28の基部28aとの間で筒状突起部28bの長手方向に沿って圧縮弾性変形可能に保持されるリング状のOリング35と、を有する。