(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5776911
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】ストーマ用装具交換補助装置
(51)【国際特許分類】
A61F 5/445 20060101AFI20150820BHJP
【FI】
A61F5/445
【請求項の数】1
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2013-209615(P2013-209615)
(22)【出願日】2013年9月18日
(65)【公開番号】特開2015-58329(P2015-58329A)
(43)【公開日】2015年3月30日
【審査請求日】2015年3月16日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】510077565
【氏名又は名称】株式会社ジュウイチ
(72)【発明者】
【氏名】松村 公嗣
【審査官】
金丸 治之
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−167495(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3157338(JP,U)
【文献】
特開2004−215913(JP,A)
【文献】
特表2005−500892(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 5/445
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地肌などに着装するための半円型などストーマ用装具の接着バリア材(面板)外端部の形状に合うように型抜きをした粘着剤・糊と剥離紙1と上部開口部分10を大きく開口するためのガゼット加工(マチ加工)4及び液体漏れをしない特殊熱溶着加工2を有し、ストーマ用装具の着装者が着装しているストーマ用装具の接着バリア材(面板)の外端部の下部に、剥離紙8を剥がして半円型などストーマ用装具の接着バリア材(面板)外端部の形状に合うように型抜した粘着剤・糊9を、ストーマ用装具の接着バリア材(面板)外端部の下部の地肌などに貼り付け、上部開口部分10を開口し、上部開口部分10の内側の底方向に使用済みストーマ用装具の尿もしくは便を貯留する袋部分を挿入し、ストーマ用装具を取り外し、取り外したストーマ用装具を上部開口部分10の内側の底方向に入れ、ストーマ用装具の交換及びストーマ部分の空気浴とメンテナンスと接着バリア材(面板)を取り外した部分の皮膚の空気浴とメンテナンスを実現するとともに、ストーマ用装具にたまっている、尿または便をトイレなどで処理することができ、かつ交換後に、上部開口部分10の内側の底方向に使用済みストーマ用装具や交換時に発生した不要物などを入れた後に、地肌などからストーマ用装具交換補助装置をゆっくり剥がして、半円型などストーマ用装具の接着バリア材(面板)外端部の形状に合うように型抜きをした粘着剤・糊9の部分を折り返し、封をして捨てることができる事を特徴とするストーマ用装具交換補助装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人工膀胱や人工肛門から排泄される尿もしくは便を貯留するストーマ用装具をスムーズに交換できるように補助するとともに、ストーマ部分の空気浴とメンテナンス及び接着バリア材(面板)を取り外した部分の皮膚の空気浴とメンテナンスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ストーマ用装具とは、人工膀胱や人工肛門を造設した際、腹部などに作られたストーマ部分から排泄される尿もしくは便を貯留するための装具であり、用途別に人工膀胱用と人工肛門用に分けられる。形状はワンピース型とツーピース型があり、両方のストーマ用装具において、接着バリア材(面板)を着装者の腹部などに着装する。ワンピース型装具の場合においては、ストーマ装具の尿または便が貯留する袋部分が接着バリア材(面板)に付属する。ツーピース型装具の場合においては、接着バリア材(面板)部分からストーマ装具の尿または便が貯留する袋部分が取り外し可能である。ワンピース型・ツーピース型ともに、ストーマ用装具の交換時には、貯留された尿または便がストーマ用装具から溢れ出たりするとともに、意図せずストーマ部分から尿または便が排泄される状態でストーマ用装具の交換を行うため、スムーズにストーマ用装具の交換ができないとともに、ストーマ部分の空気浴とメンテナンス及び接着バリア材(面板)を取り外した部分の皮膚の空気浴とメンテナンスをすることも困難である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ストーマ用装具の交換時に、ストーマ用装具から尿または便が溢れ出たりするとともに、意図せずストーマ部分から尿または便が排泄されてしまい、尿または便を受け止めながら交換ができない問題。
【0004】
ストーマ用装具の交換時に、ストーマ部分の空気浴とメンテナンス及び接着バリア材(面板)を取り外した部分の皮膚の空気浴とメンテナンスをすることが困難である問題。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の上部開口部分10に半円型などストーマ用装具の接着バリア材(面板)外端部の形状に合うように型抜きをした粘着剤・糊と剥離紙1を設け、左右側部にガゼット加工(マチ加工)4を有するとともに、本体部分3の下部に液体漏れをしない特殊熱溶着加工2を設ける。本発明は、以上の構成よりなるストーマ用装具交換補助装置である。
【発明の効果】
【0006】
着装者が着装しているストーマ用装具を交換する場合に、ストーマ用装具から尿または便が溢れ出たり、ストーマ部分から意図せず尿または便が排泄されてしまう状態でもストーマ用装具の交換をスムーズにできるとともに、ストーマ部分の空気浴とメンテナンス及び接着バリア材(面板)を取り外した部分の皮膚の空気浴とメンテナンスを実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図2】本発明のガゼット加工(マチ加工)部分を広げた図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本発明のストーマ用装具交換補助装置を使用するときには、ストーマ用装具の着装者が着装しているストーマ用装具の接着バリア材(面板)の外端部の下部に、剥離紙8を剥がした半円型などストーマ用装具の接着バリア材(面板)外端部の形状に合うように型抜した粘着剤・糊9を、ストーマ用装具の接着バリア材(面板)外端部の下部の地肌などに貼り付け、上部開口部分10を開口し、上部開口部分10の内側の底方向に使用済みストーマ用装具の尿もしくは便を貯留する袋部分を挿入し、ストーマ用装具を取り外し、取り外したストーマ用装具を上部開口部分10の内側の底方向に入れ、ストーマ用装具の交換及びストーマ部分の空気浴とメンテナンス及び接着バリア材(面板)を取り外した部分の皮膚の空気浴とメンテナンスを実現するとともに、ストーマ用装具に貯留されている尿または便をトイレなどで処理することができ、かつ交換後に、使用済みストーマ用装具や交換時及び空気浴とメンテナンス時に発生した不要物などを上部開口部分10の内側の底方向に入れた後に、地肌などからストーマ用装具交換補助装置をゆっくり剥がして、半円型などストーマ用装具の接着バリア材(面板)外端部の形状に合うように型抜した粘着剤・糊9部分を折り返して封をして捨てることができる。
【0009】
本発明の本体部分の基材は、ポリオレフィン系樹脂で特に限定するものではなく、低密度ポリエチレン(LDPE)、リニア低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、インフレーションポリプロピレン(IPP)、キャストポリプロピレン(CPP)、オリエンテッドポリプロピレン(OPP)、ナイロンフィルム(ON、PA)、PETフィルム(PET)などからなる単層フィルムまたは多層フィルムでチューブ形状またはフィルム形状より構成され、液体漏れのしない、焼却可能な基材を用いる。
【0010】
本発明の粘着剤・糊の形状は、接着バリア材(面板)の形状にそった半円型などストーマ用装具の接着バリア剤(面板)外端部の形状に合うように型抜きをすることが理想的であるが、多角形に型抜きした場合や型抜きをせず直線的な形状でも同様の効果がえられる。
【符号の説明】
【0011】
1 半円型などストーマ用装具の接着バリア材(面板)外端部の形状に合うように型抜きをした粘着剤・糊と剥離紙
2 液体漏れをしない特殊溶着加工
3 本体部分
4 ガゼット加工(マチ加工)部分
5 ストーマ部分
6 着装者の下半身部分
7 ストーマ用装具(ワンピース型またはツーピース型)
8 剥離紙
9 半円型などストーマ用装具の接着バリア材(面板)外端部の形状に合うように型抜きをした粘着剤・糊
10 上部開口部分