(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】5776919
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】フィンガー制御式ポインティングデバイス
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0354 20130101AFI20150820BHJP
【FI】
G06F3/033 441
G06F3/033 450
【請求項の数】2
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2015-77177(P2015-77177)
(22)【出願日】2015年3月19日
【審査請求日】2015年4月23日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】504325195
【氏名又は名称】松園 明久
(72)【発明者】
【氏名】松園 明久
【審査官】
加内 慎也
(56)【参考文献】
【文献】
特開2001-84094(JP,A)
【文献】
特開2008-40628(JP,A)
【文献】
特開2003-15810(JP,A)
【文献】
特表2012-508408(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2008/0136778(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/033−3/0354
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムにおけるポインティングデバイスの変革を図るため、無線式マウスポインティング装置をベースに機能を分離して使いやすく再構成する構造として、
手のひら側の中指の基節骨部上(
図5−501参照)にマウスの裏面機能に相当する移動量検出センサーを置き、同じ手の親指の先でセンサー表面を上下左右になぞる操作により、本体側情報処理装置の画面上への二次元座標入力を行える仕組みと、
中指と人差し指の間にマウスの左ボタン機能に相当するマイクロスィッチ1を挟み込み中指と人差し指の間を閉じればマイクロスィッチ1が入る仕組みと、
中指と薬指の間にマウスの右ボタン機能に相当するマイクロスィッチ2を挟み込み中指と薬指の間を閉じればマイクロスィッチ2が入る仕組みと、
手のひら側の中指の中節骨部(
図5−502参照)にマウスの回転ホイールと中ボタン機能に相当する、回転ホイール内蔵型スィッチ3を配し、同じ側の手の親指の先で回転ホイールを押せばマイクロスィッチ3が入り、また親指の先で回転ホイールを廻せば廻る仕組みを有し、
これらの各々の信号を集めて処理して本体側情報処理装置に送信する機能部も含め、各々の位置関係も保持されるよう台座となるプリント基板と電気的に接続し搭載して一体化し、これを手のひら側の中指に着脱容易な仕組みにして固定することにより、手が中空にあっても指を動かすだけで各々の機能の入力操作が容易に行える機能を有したことを特徴とする、フィンガー制御式ポインティングデバイス。
【請求項2】
請求項1の装置において、更に薬指と小指の間にマイクロスイッチ4を挟み込み、薬指と小指の間を閉じればマイクロスイッチ4が入り、その信号を請求項1と同様に搭載し送信する仕組みを有したことを特徴とする、フィンガー制御式ポインティングデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は従来のパソコンやサーバ装置に加え、分離型情報表示装置やウェアラブル端末等とのマンマシン・インターフェース向上に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パソコンやサーバの操作装置としてマウス型のポインティグデバイスが普及しているが、近年、パッド型や大型表示装置、眼鏡型ウェアラブル端末等、表示装置から分離された状態で片手や中空状態でも効率的な操作等ができる手軽なマンマシン・インターフェース装置が要望されてきた。
【0003】
関連する特許文献について述べると、特許文献1(
図6)請求項1記述「作業表面にわたる摺動のために適切な下面を有する基部と・・」と平らな下面を必要としているが、本発明(フィンガー制御式ポインティングデバイス)の装置は、中空で操作するので下面が不要で構造が異なる。
【0004】
また、操作状態に応じた複雑な形状図が沢山あり請求項21の「親指係合表面及び人差し指先端係合表面は、親指と人差し指の間、及び親指と中指の間のうちの少なくとも一方のピンチングアクションによってのみ、デバイスの移動及び持ち上げを容易にするような寸法に形成されている・・」と、どれも親指と人差指と中指で握るペンに類似した装置(特許文献1−
図18b、
図19a他)が図示されているが、本発明は中空で操作するのでペンも下面が不要で構造が異なる。
【0005】
また特許文献1(
図7)と、段落0153の「
図10a〜13bは、接触センサ7,8間の・・・、ユーザの右手13で使用されると、接触センサ7は、(
図10cに示すように)やはり人差し指14で使用される。」と、接触センサを親指に張りつけ、人差し指で操作する構造となっているが、本発明(フィンガー制御式ポインティングデバイス)では、親指には何も装着しておらず自由なので、構造も操作方法も異なる。更に言えば、特許文献1での
図4、
図5a、
図12aの操作図では親指が使えなくなり、キー入力効率は低下するので狙いも異なる。
【0006】
次に特許文献2(
図8)記述の「コンピュータ用マウス」の請求項1で、「・・移動距離検出部等を内蔵する本体部と、本体部の前方と右左両側に張出した、薄い板状の指置き部とによって構成されたことを特徴とし、・・」と、他、
図12〜
図16で沢山示されているが、どれも基本的に従来型のマウスと類似し机上の平らな場所で使うことが前提であり、中空で操作できないので本発明(フィンガー制御式ポインティングデバイス)と操作方法、構造とも異なる。
【0007】
次に、特許文献3(
図9、
図10)の請求項1では、「・・内視鏡処置具用操作入力装置であって、操作者の片手の掌と、少なくとも小指および薬指とによって把持可能な形態の把持部と、該把持部を把持した状態で、把持している手の親指によって操作可能な位置に配置され、・・・把持している手の人差し指によって前記胴部の長手方向の途中位置を押しつけて・・・備える内視鏡処置具用操作入力装置。」と情報処理装置で無く、本願発明装置と保持方法、操作方式とも異なる。
【0008】
次に特許文献4(
図11)記述の「ポインティング装置」では、産業上の利用分野の項で、「この発明は、・・・、マウスにかわってディスプレイ上のポインタの位置を指示する・・・装置に関するもの」とあり、請求項1で「操作者の手の動作を検出するための、角速度検出器・・・用いた距離検出器等より成る・・・検出された動作信号をポインタの動きに反映させるかどうかを切り替えるイネーブルスイッチを備えた、」と、手の動きを座標情報源とし、その座標情報の取り込み切替えをスィッチで行うため、情報取得方法、スィッチ用途共、本願発明装置と異なる。
【0009】
また、「・・・手のひらに装着される操作体とを備えた事を特徴とする、・・・ポインタの位置を指示するためのポインティング装置。」とあるが、本願発明装置は、手の中指に装着するので、ここの構造も異なる。
【0010】
次に特許文献5(
図12)記述の「マウスグローブ」の請求項1で、「画面上に表示されるマウスカーソルを移動させるセンサを内蔵するとともに、・・・手を覆う構造を持ったマウスグローブ。」と、段落番号0009で「図において、11はマウスグローブ全体であり、手に装着時に手指が出るように各指の先端部分が開放状態になっている。」が、本願発明装置は、手の中指に装着するので構造が異なる。また「人さし指11a部分はマウスボタン13を備えている」が、本願発明装置では、人さし指の親指側にはなにも装着しないので異なる。
【0011】
更に「このマウスグローブ11の掌部にはマウスカーソル操作部12が形成されており、このマウスカーソル操作部12を机あるいは操作板(光学マウスなどの場合)について手を動かすと・・・」あるが、本願発明装置では手の掌部位置にはなにも無いので異なる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【特許文献1】 特許公開2012−69148 コンピュータマウス周辺機器
【特許文献2】 特許公開2009−20875 コンピュータ用マウス
【特許文献3】 特許公開2015−24038 内視鏡処置具用操作入力装置
【特許文献4】 特許公開2000−132330ポインティング装置
【特許文献5】 実用新案公開平5−33238 マウスグローブ
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
以上述べたように従来のポインティングデバイスや改良案でも、フラットな面上に置いて位置情報等を入力することが基本となっているため、片手を浮かした指だけの動きで、効率的な操作ができるマンマシンインターフェース装置が実現されていない。
【課題を解決するための手段】
【0013】
そこで本発明では、上記目的を達成するために手のひらの側の中指の基節骨部(
図5−501)に移動量検出センサーを配し、同じ手の親指の先でセンサー表面を上下左右になぞる操作により情報処理画面上への二次元座標入力を行える仕組みを中心に据える。なお、本説明は右手を基準に記述するが、左手に装着する事も出来る。
【0014】
次に、中指と人差し指の間を閉じればマイクロスィッチ1が入る仕組みと、中指と薬指の間を閉じればマイクロスィッチ2が入る仕組みと、手のひら側の中指の中節骨部(
図5−502)に回転ホイール内蔵型スィッチ3を配し、同じ手の親指の先で回転ホイールを押せばマイクロスィッチ3が入り、また親指の先で回転ホイールを回せば画面を上下にスクロールする仕組みを構築する。
【0015】
更に薬指と小指の間にマイクロスイッチ4を挟み込み、薬指と小指の間を閉じればマイクロスイッチ4が入ることで、信号受信側の処理装置本体のキーボードの「Ctrl」キーを押下した動作に相当するよう機能を割り付ければ、同時に前記の回転ホイール内蔵型スィッチ3を親指の先で回転ホイール部を回せば、表示画面の拡大縮小動作も可能な仕組みが構成される。
【0016】
そして、これらセンサーと各スィッチ類を上記の各位置関係が保持されるよう台座となる電子回路基板上に配置して一体化し、これを着脱容易なマジクテープ等で指に固定することにより装着時には手を激しく動かす中空状態にあっても落ちず、指だけで各操作が可能な構造となる。
【0017】
更に、検出センサーで生成された移動量記号、及び各スィッチの操作信号を処理装置本体側に無線で送信することにより、操作性と取り扱い性が良くなる。なお本装置を構成する各部品は、既存の市販部品をベースに、多少部品を追加するだけで、離れた処理装置本体と密にインターフェース出来る機能を有するフィンガー制御式ポインティングデバイスが実現できる。
【0018】
また拡張機能として、親指と人指し指との間にマイクロスイッチ5を挟み込んで、複数の本体側処理装置を切り替えたり、3軸ジャイロセンサーを付加して手の動く方向や傾きデータを取得し、三次元アプリや仮想現実感表示アプリ等、多様なアプリケーションにも対応可能となる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の装置によりキーボード入力時に指を広げた状態でも落ちないため本装置を装着したままでのキー入力操作も容易なことに加え、キーボードと従来型マウスの入力切り替えと戻し操作時の腕の動きが無くなるので瞬時に切り替え出来、入力効率が向上する。更に、反対側の手にも装着でき、また本装置を両手に装着し利用することにより、より多機能な操作も可能となる。
【0020】
また、従来型パソコンやパッド型大型端末、眼鏡型等のウェアラブル端末の操作等も離れた場所や移動しながらの片手中空状態でも指だけで拡大縮小操作等できるため、操作姿勢が自由で細かな操作や迫力あるデモンストレーションも可能となり、利用シーンが広がる。
【0021】
更には、マウス等に比べて設置面積要らず、腕を頻繁に動かすことによる過度な負担も少ないので「腱鞘炎などになりにくい」などの利点や、寝転がっての操作や、腕を動かせない身障者等にも離れたところからパソコン等、情報端末を指で操作できることに加え、寒冷場所などでは本装置を手に装着したままポケットに入れて操作できる等、人に優しい装置となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】 右手のひら中指の基節骨部への本発明装置の装着図である。
【
図2】 装置を親指の先でセンサー表面を上下左右になぞる時の親指操作図である。
【
図3】 右手甲面側から見た本発明装置の装着図である。
【
図4】 本発明装置「フィンガー制御式ポインティングデバイス」の構成図である。
【
図5】 本出願文面で記述する手と指の部位詳細呼称定義図である。
【
図6】 特許文献1「コンピュータマウス周辺機器」Fig3図である。
【
図7】 特許文献1「コンピュータマウス周辺機器」のFig10c図である。
【
図8】 特許文献2「コンピュータ用マウス」の形態を示す参考斜視図である。
【
図9】 特許文献3「内視鏡処置具用操作入力装置」の
図16である。
【
図10】 特許文献3「内視鏡処置具用操作入力装置」の
図19である。
【
図11】 特許文献4「ポインティング装置の一部透視図」である。
【
図12】 特許文献5「マウスグローブ」右手用のグローブ図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施の形態を
図1〜
図5に基づいて説明する。
図1は右手のひらへのフィンガー制御式ポインティングデバイス装着図で、
図2は同ポインティングデバイスを親指の先でセンサー面を上下左右になぞる時の操作図で、
図3は右手甲側から見たフィンガー制御式ポインティングデバイス装着図で、
図4はフィンガー制御式ポインティングデバイスの構成図で、
図5は本出願文面で呼称する手と指の部位詳細呼称定義図である。なお、本願発明の説明は右手を基準に説明されているが、左手に装着する事も出来る。
【0024】
本発明装置では光学式の移動量検出センサー(
図1−108)と各スィッチ類(
図1−109〜112)の位置関係を異なる手の大きさや指の太さに応じて保持できるよう、検出センサー(
図1−108)を台座となる電子回路基板(
図1−114)上に配置し、同じ手の親指の先でこの検出センサー表面を上下左右になぞれる操作位置に置き、且つ着脱容易となるようマジクテープ等(
図1−106)で手のひら側の中指(
図1−103)の基節骨部(
図5−501)に固定することにより画面上への二次元座標入力が親指の先(
図2−201)で行える仕組みが構築できる。なお、移動量検出センサー部が小さい場合は、センサーの特性に応じた感度調整が必要である。
【0025】
次に、台座の電子回路基板(
図1−114)の人差し指側の横隣りの中指と人差し指の間に挟むマイクロスィッチ1(
図1−109)を柔軟且つ電気的に接続して挟み、中指と人差し指の間を閉じた時にマイクロスィッチ1が入り信号が電子回路基板に伝わる仕組みを構築する。
【0026】
同じように、台座の電子回路基板(
図1−114)反対側の薬指側の横隣りの中指と薬指の間に挟むマイクロスィッチ2(
図1−110)を柔軟且つ電気的に接続して挟み、中指と薬指の間を閉じた時にマイクロスィッチ2が入り信号が電子回路基板に伝わる仕組みを構築する。
【0027】
更に、手のひら側の中指の中節骨部(
図5−502参照)まで伸ばした台座の電子回路基板(
図1−114)上に回転ホイール内蔵型スィッチ3(
図1−111)を設置し、親指の先(
図2−201)を少し伸ばして回転ホイール内蔵型スィッチ3を押した時にスィッチ3が入ったり、また回転ホイール部を廻した時に信号が電子回路基板部に伝わる仕組みを構築する。
【0028】
更にまた、薬指と小指の間に、台座の電子回路基板(
図1−114)から伸びたフレキシブルケーブル(
図1−303)を介して接続したマイクロスィッチ4(
図1−112)を挟み込むことにより、薬指と小指の間を閉じた時にマイクロスィッチ4(
図1−112)が入り信号が電子回路基板に伝わる仕組みを構築する。
【0029】
尚このマイクロスイッチ4が入ることで、受信側の処理装置本体のキーボードの「Ctrl」キーを押下した動作に相当するよう機能を割り付ければ、マイクロスイッチ4が入ると同時に前記回転ホイール内蔵型スィッチ3を親指で回せば、表示画面の拡大縮小操作等も可能となる。
【0030】
以上の移動量検出センサー(
図1−108)で生成された信号及び各マイクロスィッチ1〜4(
図1−109〜112)の操作信号をヘッドアンプ(
図1−107)で処理し本体側の情報処理装置に無線送信部(
図3−304)から送信する。
【0031】
このような構造により、装着時に手を激しく動かす中空状態になっても落ちず、指だけで各操作が可能となり、情報処理装置と密にインターフェース出来る機能を有するフィンガー制御式ポインティングデバイスが構築される。
【産業上の利用可能性】
【0032】
情報処理装置の性能は、ムーアの法則に倣い発展しているが、マンマシンインターフェース装置分野では、長くマウスポイングデバイスの時代が続いてきた。本発明装置のように小型で手の中に収まり、片手を浮かしてもマウス以上の操作が自由に出来るので、従来型情報処理装置やウェアラブ機器等の操作性向上が図られるので、情報産業が更に発展することが期待できる。
【符号の説明】
【0033】
101 親指
102 人差指
103 中指
104 薬指
105 小指
106 着脱容易な指固定用マジクテープ
107 信号処理用ヘッドアンプLSIと電子回路
108 移動量検出用センサー
109 マイクロスィッチ1(マウスポインターの左ボタン機能に相当)
110 マイクロスィッチ2(マウスポインターの右ボタン機能に相当)
111 回転ホイール内蔵型マイクロスィッチ3(マウス中ボタン+回転ホイール機能相当)
112 マイクロスィッチ4(キーボードの「Ctrl」キー機能に相当)
113 3軸ジャイロセンサー
114 フレキシブルプリント回路基板
201 親指の先でセンサー表面をなぞる時の親指位置
301 ボタン型小型電池
302 電源スィッチ
303 接続用フレキシブルケーブル
304 無線送信部とアンテナ
501 各指関節名として基節骨部
502 各指関節名として中節骨部
503 各指関節名として末節骨部
【要約】
【課題】 近年、大型表示装置や、眼鏡型ウェアラブル端末等、本体から離れた状態で片手や中空での操作が増え、手軽で操作性の優れたマンマシン・インターフェースが望まれていた。
【解決手段】 手のひら側の中指にマウスの裏面機能に相当する移動量検出センサーを配置して親指の先で上下左右になぞる操作により二次元座標入力を行い、中指と人差し指の間を閉じればマウスの右ボタンに相当するスィッチ1が入り、中指と薬指の間を閉じればマウスの左ボタンに相当するスィッチ2が入り、親指で中指の回転ホイール内蔵型スィッチ3が操作出来る仕組みに加え新たに、薬指と小指の間を閉じればスィッチ4が入り、回転ホイールと連動させることにより片手中空でも画面の拡大縮小操作等も可能な、フィンガー制御式ポインティングデバイスを発明し、手軽で優しいマンマシン・インターフェースを実現した。
【選択図】
図2