(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記注入制御部は、前記停止無効状態において、前記点検扉の開状態が検出された場合は、更に、外部からの遠隔操作による、前記直前供給パターンを定めるパラメータの変更を禁止する請求項1に記載の保管棚用の不活性ガス注入装置。
前記注入制御部は、前記停止無効状態において前記直前供給パターンに基づく不活性ガスの供給を継続させている場合は、不活性ガスの供給を継続することを作業者に通知する通知部を作動させる請求項1から3のいずれか一項に記載の保管棚用の不活性ガス注入装置。
前記注入制御部は、前記停止無効指令部から前記停止無効指令が指令された場合に前記停止無効状態に設定し、前記停止無効状態に設定した後、予め定めた設定時間が経過しても、前記点検扉開閉検出部により前記点検扉の開状態が検出されない場合は、前記停止無効状態を解除して前記通常停止状態に切換える請求項1から4のいずれか一項に記載の保管棚用の不活性ガス注入装置。
前記停止無効指令部は、操作体を操作解除位置又は無効指令位置に操作可能に構成されており、前記操作体が前記無効指令位置に操作されている場合に前記停止無効指令を指令し、前記操作体は、前記操作解除位置に復帰付勢されている請求項1から5のいずれか一項に記載の保管棚用の不活性ガス注入装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
保管棚用の不活性ガス注入装置においては、種々の点検作業を行うために、一般に、保管空間内に作業者が出入するための点検扉が設けられることになる。
そして、このように点検扉を設ける場合においては、作業者が保管空間内に位置するときには、収納部に収納されている容器の排気口より保管空間内に不活性ガスが排出することを抑制すべく、点検扉が開かれると、不活性ガスの供給を停止することが考えられる。
【0007】
しかしながら、点検扉が開かれると、単に、不活性ガスの供給を停止すると、収納部に収納されている容器の給気口に対する不活性ガスの供給状態や、容器の排気口からの不活性ガスの排出状態等、不活性ガスが供給されている状態での点検を行えないものとなるため、点検扉が開かれると、不活性ガスの供給を停止することに加えて、点検扉が開かれても、不活性ガスの供給が継続される状態を現出できることも望まれる。
【0008】
また、作業者が点検扉を開いて保管空間内に入り、不活性ガスの供給状態などを点検しているときに、例えば、作業者が認識していない状態で、不活性ガスの供給状態が変更されると、供給状態の点検が妨げられたり、保管空間内への不活性ガスの排出量が増加したりする恐れがある。
【0009】
そこで、不活性ガスの供給を停止した状態での点検作業に加えて、不活性ガスの供給が点検作業中に変更されることがない状態での点検作業を行うことができる保管棚用の不活性ガス注入装置が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る、基板を収納する容器を収納する収納部を備え、外部と区画形成された保管空間内に設置された保管棚と、
前記収納部に収納された状態で排気口から容器内の気体を前記保管空間内に排出可能な前記容器を対象とし、当該容器の給気口から不活性ガスを前記容器の内部に注入する注入部と、を備えた保管棚用の不活性ガス注入装置の特徴構成は、
予め設定されたパラメータにより定まる供給パターンに基づいて、前記注入部の作動を制御して前記容器に対する不活性ガスの供給を制御する注入制御部と、前記保管空間内に作業者が出入するための点検扉の開閉状態を検出する点検扉開閉検出部と、停止無効指令を指令する人為操作式の停止無効指令部と、を備え、
前記注入制御部は、
前記停止無効指令部から停止無効指令が指令されていない状態である通常停止状態において、前記点検扉開閉検出部により前記点検扉の開状態が検出された場合は、当該点検扉の開状態が検出される前に実行していた前記供給パターンである直前供給パターンに基づく不活性ガスの供給制御を中止して、前記容器に対する不活性ガスの供給を停止させ、
前記停止無効指令部から前記停止無効指令が指令された状態である停止無効状態において、前記点検扉開閉検出部により前記点検扉の開状態が検出された場合は、前記直前供給パターンに基づく不活性ガスの供給を継続させると共に、前記直前供給パターンを定めるパラメータの人為操作による変更を禁止する点を特徴とする。
【0011】
この特徴構成によれば、停止無効指令部にて停止無効指令が指令されていない通常停止状態においては、点検扉開閉検出部にて点検扉の開状態が検出されると、点検扉が開状態となる前に実行していた供給パターンに基づく不活性ガスの供給制御が中止されて、容器に対する不活性ガスの供給が停止されることになる。一方、停止無効指令部にて停止無効指令が指令された停止無効状態においては、点検扉開閉検出部にて点検扉の開状態が検出されても、点検扉が開状態となる前に実行していた供給パターンに基づく不活性ガスの供給が継続されると共に、供給パターンを定めるパラメータの人為操作による変更が禁止されることになる。
【0012】
従って、点検作業として、収納部に収納されている容器の給気口に対する不活性ガスの供給状態や、容器の排気口からの不活性ガスの排出状態等、不活性ガスが供給されている状態での点検を行う際には、作業者が停止無効指令部を操作して停止無効指令を指令させることにより、点検扉が開かれても、点検扉が開状態となる前に実行していた供給パターンに基づく容器に対する不活性ガスの供給が継続される状態を実現して、容器に対する不活性ガスの供給が継続される供給パターンに基づく供給状態で点検作業を行うことができる。
【0013】
この際、例えば、保管空間外にいる別の作業者が、不活性ガスの供給パターンを定めるパラメータを変更しようとしても、当該パラメータの変更が禁止されているので、不活性ガスの供給状態は変更されない。よって、保管空間内にいる作業者が認識していない状態で、不活性ガスの供給状態が変更されて、供給状態の点検が妨げられたり、保管空間内への不活性ガスの排出量が増加したりすることを防止できる。
【0014】
一方、点検作業として、容器に対する不活性ガスの供給を必要としない場合には、作業者が、停止無効指令部に停止無効指令を指令させていない状態で点検扉を開くことにより、容器に対する不活性ガスの供給が停止され、容器に対する不活性ガスの供給を停止した状態で点検作業を行うことができる。
【0015】
従って、不活性ガスの供給を停止した状態での点検作業に加えて、点検扉が開状態となる前に実行していた供給パターンに基づく不活性ガスの供給が点検作業中に変更されることなく継続した状態での点検作業を行うことができる保管棚用の不活性ガス注入装置を提供できる。
【0016】
ここで、前記注入制御部は、前記停止無効状態において、前記点検扉の開状態が検出された場合は、更に、外部からの遠隔操作による、前記直前供給パターンを定めるパラメータの変更を禁止すると好適である。
【0017】
外部からの遠隔操作では、作業者の作業状態を認識し難いので、作業者の作業状態とは関係なく、供給パターンを定めるパラメータが変更される可能性がある。このため、例えば、作業者が保管空間内にいるときに、外部からの遠隔操作により、保管空間内への不活性ガスの排出量が急増する事態が生じる恐れがある。上記の構成によれば、直前供給パターンに基づく容器に対する不活性ガスの供給が継続されている状態で、作業者が保管空間内で点検を行っている際に、外部からの遠隔操作により、直前供給パターンを定めるパラメータを変更しようとしても、当該パラメータの変更が禁止されているので、パラメータが変更されないようにできる。よって、作業者が全く認識していない状態で、外部からの遠隔操作により不活性ガスの供給状態が変更されて、供給状態の点検が妨げられたり、保管空間内への不活性ガスの排出量が増加したりすることを防止できる。
【0018】
また、前記保管空間内の酸素濃度を検出する酸素濃度検出センサを更に備え、
前記注入制御部は、前記停止無効状態において前記直前供給パターンに基づく不活性ガスの供給を継続させている場合に、前記酸素濃度検出センサにより検出される酸素濃度が予め定めた設定値未満になると、前記直前供給パターンに基づく不活性ガスの供給制御を中止して、前記容器に対する不活性ガスの供給を停止させると好適である。
【0019】
この構成によれば、停止無効状態において点検扉が開状態となる前に実行していた供給パターンに基づく不活性ガスの供給を継続している際に、酸度濃度検出センサにて検出される酸素濃度が設定値未満になると、点検扉が開状態となる前に実行していた供給パターンに基づく不活性ガスの供給制御が中止されて、容器に対する不活性ガスの供給が停止されることになる。
【0020】
従って、停止無効状態において、容器の排気口などから不活性ガスが保管空間内に排出されることに起因して、保管空間内の酸素濃度が設定値未満になった場合には、容器に対する不活性ガスの供給を停止して、作業者の安全性を確保できる。
【0021】
つまり、保管空間は、容器から排出される気体を外部に放出する都合上、完全に密閉されるものではなく、外部空間と通気できる状態に適宜開放されるものである。また、点検作業を行うときには、点検扉が開状態に維持される場合が多く、容器の排気口などから不活性ガスが保管空間内に排出されても、保管空間内の酸素濃度が極端に低下して、設定値未満になることはない。しかし、万が一、保管空間内の酸素濃度が設定値未満になった場合には、容器に対する不活性ガスの供給が停止させて、作業者の安全性を適切に確保することができる。
【0022】
また、前記注入制御部は、前記停止無効状態において前記直前供給パターンに基づく不活性ガスの供給を継続させている場合は、不活性ガスの供給を継続することを作業者に通知する通知部を作動させると好適である。
【0023】
この構成によれば、停止無効状態において、点検扉開閉検出部にて点検扉の開状態が検出されても、点検扉が開状態となる前に実行していた供給パターンに基づく不活性ガスの供給を継続する際には、通知部によって、不活性ガスの供給を継続することが、作業者に通知されることになる。
【0024】
従って、作業者は、保管用空間内にて点検作業を行う際に、容器に対する不活性ガスの供給が継続されていることを的確に認識できるため、容器に対する不活性ガスの供給が継続されていることを認識した状態で点検作業を良好に行うことができる。
【0025】
なお、通知部としては、作業者が携帯する携帯電話等の携帯端末に対して、不活性ガスの供給を継続することを通知する構成や、点検扉の近くに、スピーカを設けて、不活性ガスの供給を継続することを通知する構成等を用いることができる。
【0026】
また、前記注入制御部は、前記停止無効指令部から前記停止無効指令が指令された場合に前記停止無効状態に設定し、前記停止無効状態に設定した後、予め定めた設定時間が経過しても、前記点検扉開閉検出部により前記点検扉の開状態が検出されない場合は、前記停止無効状態を解除して前記通常停止状態に切換えると好適である。
【0027】
この構成によれば、停止無効指令部にて停止無効指令が指令されて、停止無効状態に設定されても、その後、設定時間が経過しても、点検扉開閉検出部にて点検扉の開状態が検出されないときには、停止無効状態が解除されて、通常停止状態に切換えられることになる。
【0028】
従って、作業者が、容器に対する不活性ガスの供給を継続した状態での点検作業を行うために、停止無効指令部にて停止無効指令を指令しても、その後、都合により点検作業を中止した場合等において、自動的に、停止無効状態が解除されて通常停止状態に切換えられるため、不必要に停止無効状態が継続されることを回避できる。
【0029】
停止無効状態が無制限に継続される構成であると、停止無効状態になっていることに気付いていない作業者が、通常停止状態であるから点検扉を開状態にすれば不活性ガスの供給が中止されるはずであると思い込んだまま、停止無効状態に気付かずに保管用空間内に進入する恐れある。このような場合、作業者が点検扉を開けても活性ガスの供給が中止されず容器に対する不活性ガスの供給が継続されている状態が意図せず発生する。この点、上記の構成によれば、停止無効状態に設定した後、そのまま点検扉が開状態となれることなく予め定めた設定時間が経過すると、停止無効状態を解除して通常停止状態に切換えるので、実際は停止無効状態であるにも関わらず作業者が停止無効状態であることに気付かずに保管用空間内に進入するという事態が発生することを抑制できる。
【0030】
また、前記停止無効指令部は、操作体を操作解除位置又は無効指令位置に操作可能に構成されており、前記操作体が前記無効指令位置に操作されている場合に前記停止無効指令を指令し、前記操作体は、前記操作解除位置に復帰付勢されていると好適である。
【0031】
この構成によれば、操作体を操作解除位置から無効指令位置に操作することによって、停止無効指令を指令することができる。また、無効指令位置に操作された操作体は、手指を離せば、操作解除位置に復帰付勢力にて戻ることになり、無効指令位置に操作された状態で放置されることを防止できる。よって、不必要に停止無効状態が継続されることを回避できる。
【0032】
また、上記のように、停止無効状態の設定後、点検扉が開かれないまま設定時間が経過して、停止無効状態が解除されて通常停止状態に自動的に切換えられても、操作体が無効指令位置に保持されている場合には、作業者は、停止無効状態であると勘違いする恐れがある。しかし、上記の構成によれば、操作体は復帰付勢力により操作解除位置に戻るため、作業者が停止無効状態であると勘違いすることを回避できる。
【発明を実施するための形態】
【0034】
本発明に係る保管棚用の不活性ガス注入装置1(以下、不活性ガス注入装置1と称す)の実施形態について説明する。
不活性ガス注入装置1は、基板を収容する搬送容器50(以下、容器と略称する)を保管する保管棚10と、保管棚10に保管された容器50の内部に不活性ガスを注入する注入部Nと、を備えている。本実施形態では、保管棚10は、物品保管設備の一部を構成している。以下で詳細を説明する。
【0035】
1.物品保管設備
物品保管設備は、
図1及び
図2に示すように、基板を密閉状態で収容する容器50を保管する保管棚10、搬送部としてのスタッカークレーン20、及び、容器50の入出庫部としての入出庫コンベヤCVを備えている。
保管棚10及びスタッカークレーン20が、壁体Kにて外部と区画形成された保管空間内に配設され、入出庫コンベヤCVが、壁体Kを貫通する状態で配設されている。
【0036】
保管棚10は、容器50を支持する支持部としての収納部10Sを、上下方向及び左右方向に並べる状態で複数備えて、複数の収納部10Sの夫々に、容器50を収納するように構成されており、その詳細は後述する。
【0037】
そして、本実施形態においては、
図1に示すように、物品保管設備が設置されたクリーンルームの天井部に敷設のガイドレールGに沿って走行するホイスト式の搬送車Dが装備されて、このホイスト式の搬送車Dによって、入出庫コンベヤCVに対して容器50が搬入及び搬出されるように構成されている。
【0038】
1−1.容器50
容器50は、SEMI(Semiconductor Equipment and Materials Institute)規格に準拠した合成樹脂製の気密容器であり、基板としての半導体ウェハーW(
図4参照)を収納するために用いられ、FOUP(Front Opening Unified Pod)と呼称されている。そして、詳細な説明は省略するが、容器50の前面には、着脱自在な蓋体にて開閉される基板出入用の開口が形成され、容器50の上面には、
図1に示すように、ホイスト式の搬送車Dにより把持されるトップフランジ52(
図4参照)が形成され、そして、容器50の底面には、位置決めピン10b(
図3参照)が係合する3つの係合溝(図示せず)が形成されている。
【0039】
すなわち、容器50は、
図4に示すように、内部に上下方向に複数の半導体ウェハーWを載置自在な基板支持体53を備えたケーシング51と、図示しない蓋体とから構成されて、ケーシング51に蓋体を装着した状態においては、内部空間が気密状態に密閉されるように構成され、そして、収納部10Sに収納された状態においては、位置決めピン10bによって位置決めされるように構成されている。
【0040】
容器50には、不活性ガスとしての窒素ガスを注入するために、給気口50i、及び、排気口50oが設けられている。そして、容器50は、収納部10Sに収納された状態において、給気口50iから窒素ガスが注入された場合に、排気口50oから容器内の気体を保管空間内に排出するように構成されている。
本実施形態では、給気口50i及び排気口50oは、容器50の底部に設けられ、そして、図示は省略するが、給気口50iには、注入側開閉弁が設けられ、また、排気口50oには、排出側開閉弁が設けられている。
【0041】
注入側開閉弁は、スプリング等の付勢機構によって閉方向に付勢されて、給気口50iに供給される窒素ガスの吐出圧力が大気圧よりも設定値高い設定開弁圧力以上となると、その圧力によって開き操作されるように構成されている。
また、排出側開閉弁は、スプリング等の付勢機構によって閉方向に付勢されて、容器50内部の圧力が大気圧よりも設定値高い設定開弁圧力以上となったときに開き操作されるように構成されている。
【0042】
1−2.スタッカークレーン20
スタッカークレーン20は、
図1に示すように、保管棚10の前面側の床部に設置された走行レールEに沿って走行移動自在な走行台車21と、その走行台車21に立設されたマスト22と、そのマスト22に案内される状態で昇降移動自在な昇降台24とを備えている。
なお、図示はしないが、マスト22の上端に設けられた上部枠23が、壁体Kにて外周部が覆われた保管空間の天井側に設けた上部ガイドレールに係合して移動するように構成されている。
【0043】
昇降台24には、収納部10Sに対して容器50を移載する移載装置25が装備されている。
移載装置25は、容器50を載置支持する板状の載置支持体25Aを、収納部10Sの内部に突出する突出位置と昇降台24側に引退した引退位置とに出退自在に備えて、載置支持体25Aの出退作動及び昇降台24の昇降作動により、載置支持体25Aに載置した容器50を収納部10Sに降ろす降し処理、及び、収納部10Sに収納されている容器50を取出す掬い処理を行うように構成されている。
なお、移載装置25は、入出庫コンベヤCVに対しても、降ろし処理及び掬い処理を行って、入出庫コンベヤCVに対する移載作業を行うことになる。
【0044】
スタッカークレーン20には、図示はしないが、走行経路上の走行位置を検出する走行位置検出部、及び、昇降台24の昇降位置を検出する昇降位置検出部が装備されており、スタッカークレーン20の運転を制御するクレーンコントローラ(図示せず)が、走行位置検出部及び昇降位置検出部の検出情報に基づいて、スタッカークレーン20の運転を制御するように構成されている。
【0045】
すなわち、クレーンコントローラが、入出庫コンベヤCVに搬入された容器50を収納部10Sに収納する入庫作業、及び、収納部10Sに収納されている容器50を入出庫コンベヤCVに取出す出庫作業を行うように、走行台車21の走行作動及び昇降台24の昇降作動、並びに、移載装置25における載置支持体25Aの出退作動を制御するように構成されている。
【0046】
1−3.収納部10S
図3及び
図4に示すように、複数の収納部10Sの夫々は、容器50を載置支持する板状の載置支持部10aを備えている(
図1参照)。
この載置支持部10aは、移載装置25の載置支持体25Aが上下に通過する空間を形成すべく、平面視形状がU字状となるように形成され、そして、その上面には、上述の位置決めピン10bが起立状態で装備されている。
また、載置支持部10aには、容器50が載置されているか否か(つまり、容器50が収納部10Sに収納されているか否か)を検出する一対の在荷センサ10zが設けられ、それらの検出情報は、後述するマスフローコントローラ40の運転を管理する注入制御部H(
図4参照)に入力されるように構成されている。
【0047】
2.注入部N
注入部Nは、収納部10Sに収納された状態で排気口50oから容器内の気体を保管空間内に排出可能な容器50を対象とし、容器50の給気口50iから不活性ガスとしての窒素ガスを容器50の内部に注入する。
本実施形態では、注入部Nは、窒素ガス供給源、マスフローコントローラ40及び吐出ノズル10iを主要部として構成されている。
【0048】
載置支持部10aには、不活性気体としての窒素ガスを容器50の内部に供給する吐出ノズル10iと、容器50の内部から排出される気体を通流する排出用通気体10oが設けられ、また、各収納部10Sには、窒素ガスの供給を制御するマスフローコントローラ40が装備されている(
図2参照)。
そして、吐出ノズル10iには、マスフローコントローラ40からの窒素ガスを流動させる供給配管Liが接続され、排出用通気体10oには、端部が開口された排出管Loが接続されている。
【0049】
つまり、容器50が載置支持部10aに載置支持されると、吐出ノズル10iが容器50の給気口50iに嵌合状態に接続され、かつ、排出用通気体10oが容器50の排気口50oに嵌合状態に接続されるように構成されている。
そして、容器50が載置支持部10aに載置支持された状態において、吐出ノズル10iから大気圧よりも設定値以上高い圧力の窒素ガスを吐出させることにより、容器50の排気口50oより容器内の気体を外部に排出させる状態で、容器50の給気口50iより窒素ガスを容器50の内部に注入できるように構成されている。
【0050】
なお、
図3に示すように、供給配管Liには、手動操作式の開閉弁Viが装備されており、マスフローコントローラ40が故障した緊急時等においては、窒素ガスの供給を停止する状態に切り替えることができるように構成されている。
【0051】
<マスフローコントローラ40>
図3及び
図4に示すように、マスフローコントローラ40は、流入側ポート40iと吐出側ポート40oとを備えており、吐出側ポート40oには、上述した供給配管Liが接続され、流入側ポート40iには、窒素ボンベ等の窒素ガス供給源(図示せず)からの窒素ガスを導く流入配管Lsが接続されている。
なお、窒素ガス供給源には、窒素ガスの供給圧力を大気圧よりも設定値以上高い設定圧力に調整するガバナや、窒素ガスの供給を断続する手動操作式の開閉弁等が装備される。
【0052】
マスフローコントローラ40には、流入側ポート40iから吐出側ポート40oに向かう内部流路を流動する窒素ガスの流量(容器50への供給流量)を変更調節する流量調節弁、内部流路を流動する窒素ガスの流量(容器50への供給流量)を計測する流量センサ、及び、流量調節弁の作動を制御する内部制御部が装備されている。
【0053】
そして、内部制御部が、流量センサの検出情報に基づいて、容器50への供給流量を上述した注入制御部Hから指令される目標流量に調整すべく、流量調節弁を制御するように構成されている。
本実施形態においては、マスフローコントローラ40は、内部流路を流動する窒素ガスの流量(容器50への供給流量)を、ゼロから50リットル/分の間で調節することになり、そして、本実施形態において用いるマスフローコントローラ40は、全流量調節範囲において、注入制御部Hから指令される目標流量に高速(例えば、1秒以内)で調節するように構成されている。
【0054】
3.注入制御部H
3−1.点検扉55の閉状態における通常の供給制御
注入制御部Hは、予め設定されたパラメータにより定まる供給パターンに基づいて、注入部Nの作動を制御して容器50に対する窒素ガスの供給を制御する注入制御を行う制御装置である。
注入制御部Hは、単数又は複数のCPU等の演算処理装置を中核部材として備えるとともに、当該演算処理装置からデータを読み出し及び書き込みが可能に構成されたRAM(ランダム・アクセス・メモリ)や、演算処理装置からデータを読み出し可能に構成されたROM(リード・オンリ・メモリ)等の記憶装置等を有して構成されている。そして、注入制御部HのROM等に記憶されたソフトウェア(プログラム)又は別途設けられた演算回路等のハードウェア、或いはそれらの両方により、注入制御部Hの各機能部が構成されている。
【0055】
本実施形態では、注入制御部Hは、
図4に示すように、コンピュータCとプログラマブルロジックコントローラPとを備えている。プログラマブルロジックコントローラPは、マスフローコントローラ40に接続されており、複数の収納部10Sの夫々に対応して設置されたマスフローコントローラ40に対して目標流量を指令する。
コンピュータCは、注入制御を統合して実行する、注入制御部Hの主な演算処理機能部が備えられている。コンピュータCは、プログラマブルロジックコントローラPを介して、複数の収納部10Sの夫々に対応して設置されたマスフローコントローラ40に対して目標流量を指令する。
コンピュータCには、ユーザインターフェイス装置として、各種の情報を入出力するための操作卓HS及び表示装置DSが接続されている。操作卓HS及び表示装置DSは、保管棚10の外壁面に取り付けるのが好ましい。その場合、床面から作業者の背丈に基づいた高さだけ上方位置する高さに設置するのが好ましい。
【0056】
本実施形態では、注入制御部Hは、収納部10Sに収納された各容器50に対応する注入部N(マスフローコントローラ40)それぞれに対して、個別に供給パターンを設定するように構成されている。
また、本実施形態では、注入部Nは、収納部10Sに容器50が収容されていない状態でも、容器50に窒素ガスを注入する吐出ノズル10iに対して、窒素ガスを供給できるように構成されている。そして、注入制御部Hは、収納部10Sに容器50が収納されていない状態の注入部Nそれぞれに対しても、個別に供給パターンを設定するように構成されている。
注入制御部Hは、容器50の収容の有無に関わらず、各注入部N(マスフローコントローラ40)に対して設定された供給パターンに基づいて、各注入部N(マスフローコントローラ40)の作動を制御して、吐出ノズル10iに対する窒素ガスの供給を制御するように構成されている。
【0057】
供給パターンは、窒素ガスの供給流量のパターンとされている。
図5に示すように、供給パターンは、時間経過に対する目標流量の変化のパターンが含まれる。パラメータにより、供給開始時からの経過時間と目標流量との関係が定められている。例えば、パラメータは、経過時間と目標流量との関係を設定したテーブルデータとされる。なお、供給パターンには、時間が経過しても目標流量を変化させない、すなわち、目標流量を一定値に設定するパターンも含まれる。
また、供給パターンは、予め定められた条件(イベント)の成立に連動した、目標流量の変化のパターン(イベント起動型の供給パターンと称す)とされる場合もある。
【0058】
このような、経過時間と目標流量との関係を設定したデータや、イベント(条件)は、供給パターンを定めるパラメータであり、作業者が操作卓HSを操作することにより変更可能に構成され、また、後述する管理システムによる遠隔操作によっても変更可能に構成されている。
【0059】
本実施形態では、注入制御部Hは、自動運転モードとマニュアル運転モードとを切り替え可能に備えている。運転モードの設定は、作業者による操作や外部からの遠隔操作により変更される。
<自動運転モード>
【0060】
注入制御部Hは、自動運転モードが設定されている場合は、イベント起動型の供給パターンを設定するように構成されている。本実施形態では、複数のイベントと、各イベントに対応した目標流量の変化のパターンが設定されるように構成されている。各目標流量の変化のパターンは、経過時間と目標流量との関係を設定したデータにより定められる。
【0061】
本実施形態では、自動運転モードにおけるイベント起動型の供給パターンとして、初期パージパターン、保管用パージパターン、ノズルパージパターンなどが設定される。
初期パージパターンは、在荷センサ10zの検出信号により容器50が収納部10Sに収容されたと判定した場合に、イベントが成立したとして、例えば、
図5(a)(b)に示すように、容器50内を窒素ガスで急速に満たすために大流量に設定された初期目標流量(L1)を初期期間(T1)だけ設定するパターンである。
保管用パージパターンは、イニシャルパージパターンが終了した場合に、イベントが成立したとして、例えば、容器50内を窒素ガスで満たした状態を維持するために比較的低流量に設定された保管目標流量(L2)を連続的に設定する(
図5(a)参照)、又は保管目標流量(L3)をオン期間(T2)だけ設定した後、ゼロの目標流量をオフ期間(T3)だけ設定するサイクルを繰り返し設定する(
図5(b)参照)パターンである。
ノズルパージパターンは、容器50が入出庫コンベヤCVに搬入され、収納される収納部10Sが決定された場合に、イベントが成立したとして、例えば、
図5(c)に示すように、容器50が収納部10Sに収納される直前に吐出ノズル10iを清浄化するために設定されたノズル浄化目標流量(L4)を浄化期間(T4)だけ設定するパターンである。
これらの初期目標流量(L1)、保管目標流量(L2、L3)、ノズル浄化目標流量(L4)、初期期間(T1)、オン期間(T2)、オフ期間(T3)、及び浄化期間(T4)や、各イベント(条件)が、供給パターンを定めるパラメータに該当する。
【0062】
<マニュアル運転モード>
注入制御部Hは、マニュアル運転モードが設定されている場合は、イベント起動型でない通常の供給パターンを設定するように構成されている。
本実施形態では、マニュアル運転モードにおいて設定される供給パターンとして、直接入力パターンや、停止パターンや、クリーニングパターンなどの複数の規定の供給パターンが用意されており、複数の規定の供給パターンの何れか一つが、作業者による操作や外部からの遠隔操作により選択されて、供給パターンとして設定されるように構成されている。各規定の供給パターンは、経過時間と目標流量の関係を設定したパラメータにより定められる。
直接入力パターンは、作業者による操作卓HSの操作、又は管理システムにより遠隔操作により設定されたマニュアル目標流量を連続的に設定するパターンである。
停止パターンは、目標流量をゼロに連続的に設定するパターンである。
クリーニングパターンは、
図5(d)に示すように、保管棚10の設置時や注入部Nの交換時等において、クリーニング用に設定されたクリーニング目標流量(L5)をクリーニング期間(T5)だけ設定するパターンである。
これらのマニュアル目標流量、クリーニング目標流量(L5)、及びクリーニング期間(T5)が、供給パターンを定めるパラメータに該当する。
【0063】
また、自動運転モードとマニュアル運転モードとの切り替え設定や、マニュアル運転モードにおける直接入力パターン、停止パターン、クリーニングパターンとの間の切り替え設定なども、供給パターンを定めるパラメータである。
なお、上記した初期パージパターン、保管用パージパターン、ノズルパージパターン、クリーニングパターンなどは一例であり、任意の目標流量の変化のパターンやイベント(条件)が設定されてもよい。
【0064】
3−2.点検扉55の開状態における供給制御
不活性ガス注入装置1は、
図2及び
図4に示すように、点検扉55の開閉状態を検出する点検扉開閉検出部としての点検扉開閉検出センサS1と、停止無効指令を指令する人為操作式の停止無効指令部としての停止無効指令スイッチSWと、を設けている。
【0065】
<点検扉開閉検出センサS1>
点検扉開閉検出センサS1は、点検扉55にて押圧操作されるリミットスイッチ等によって構成されて、点検扉55が全閉位置である閉状態であるか、点検扉55が全閉位置から開き側に操作された開状態であるかを検出して、その検出情報を注入制御部Hに出力するように構成されている。
【0066】
<停止無効指令スイッチSW>
停止無効指令スイッチSWは、作業者が点検扉55を開いて保管空間内に入る前に操作するように、例えば、
図2に示すように、壁体Kの外面部における点検扉55の近くに設置される。
停止無効指令スイッチSWは、
図4に示すように、操作体56を操作解除位置A又は無効指令位置Bに操作可能に構成されている。停止無効指令スイッチSWは、操作体56が無効指令位置Bに操作されている場合に停止無効指令を注入制御部Hに指令し、操作体56が操作解除位置Aに操作されている場合には、停止無効指令を注入制御部Hに指令しないように構成されている。
本実施形態では、操作体56は、ばねなどの弾性体により操作解除位置Aに復帰付勢されている。これにより、操作体56が無効指令位置Bに操作されたままの状態に放置され、点検扉55が開かれた際に、作業者の意図とは異なり、窒素ガスの供給が停止されない事態を防止することができる。
操作体56として、
図4に示すような抜き差し可能な鍵が用いられてもよいし、操作つまみが常設されている、いわゆるセレクタスイッチが用いられてもよい。
【0067】
3−2−1.通常停止状態又は停止無効状態の設定
本実施形態では、注入制御部Hは、基本的に、停止無効指令スイッチSWから停止無効指令が指令された場合に、停止無効状態であると判定して停止モードを停止無効状態に設定し、停止無効指令スイッチSWから停止無効指令が指令されていない場合に、通常停止状態であると判定して停止モードを通常停止状態に設定するように構成されている。
本実施形態では、注入制御部Hは、停止無効状態に設定した後、予め定めた設定時間(例えば、5分)が経過しても、点検扉開閉検出センサS1により点検扉55の開状態が検出されない場合は、停止無効状態を解除して停止モードを通常停止状態に切換えるように構成されている。つまり、作業者が、点検作業を行うために停止無効指令スイッチSWを操作した後、その点検作業を中止するような場合において、不必要に停止無効状態が継続することを回避できるように構成されている。
【0068】
また、本実施形態では、上記のように、操作体56が操作解除位置Aに復帰付勢されているので、作業者が操作体56を無効指令位置Bに操作した後、手を離して保管空間内に入った場合に、操作体56が操作解除位置Aに自動的に戻り、停止無効指令スイッチSWは停止無効指令を指令し続けないように構成されている。
よって、本実施形態では、注入制御部Hは、通常停止状態が設定されている状態で、停止無効指令スイッチSWから停止無効指令が指令された場合に、停止モードを停止無効状態に設定し、予め定めた解除条件が成立した場合に、停止無効状態を解除して停止モードを通常停止状態に設定するように構成されている。
【0069】
上記解除条件は、停止無効状態が設定された後、予め定めた設定時間が経過しても点検扉開閉検出センサS1により点検扉55の開状態が検出されない場合、又は停止無効状態の設定後予め定めた設定時間が経過する前に点検扉開閉検出センサS1により点検扉55の開状態が検出され、その後点検扉55の閉状態が検出された場合に、成立するように構成されている。
【0070】
3−2−2.通常停止状態における供給制御
注入制御部Hは、停止無効指令スイッチSWから停止無効指令が指令されていない状態である通常停止状態において、点検扉開閉検出センサS1により点検扉55の開状態が検出された場合は、当該点検扉55の開状態が検出される前に各注入部Nに対して実行していた供給パターンである直前供給パターンに基づく窒素ガスの供給制御を中止して、全ての容器50に対する窒素ガスの供給を強制的に停止させるように、各注入部Nの作動を制御するように構成されている。本実施形態では、容器50の収容の有無に関わらず、全ての注入部N(マスフローコントローラ40)に対して窒素ガスの供給を停止させるように構成されている。
【0071】
本実施形態では、注入制御部Hは、直前供給パターンに基づく各マスフローコントローラ40に対する目標流量の設定制御を中止し、全てのマスフローコントローラ40に対して指令する目標流量をゼロに設定して、窒素ガスを供給する全ての流量調節弁を強制的に閉じさせる。なお、この場合は、作業者による操作(人為操作)や外部からの遠隔操作による、供給パターンを定めるパラメータの変更を禁止するように構成されている。これにより、強制的な供給停止が解除されて、窒素ガスの供給が行われないようにできる。
【0072】
本実施形態では、注入制御部Hは、通常停止状態において点検扉55の開状態が検出された場合は、強制的に、全てのマスフローコントローラ40に対する運転モードをマニュアル運転モードに設定すると共に停止パターンに設定して、全てのマスフローコントローラ40に対する目標流量をゼロに設定する。そして、注入制御部Hは、作業者による操作や外部からの遠隔操作により、停止パターンにおける目標流量の設定値や、運転モードの切り替え設定や、規定の供給パターンの選択設定などが変更されないようにロックする。
【0073】
<復帰処理>
注入制御部Hは、点検扉55が閉状態であると判定した場合に、窒素ガスの供給停止を終了して、直前供給パターンに基づく窒素ガスの供給制御を再開すると共に、供給パターンを定めるパラメータの変更禁止を解除してパラメータの変更の受け付けを開始するように構成されている。
本実施形態では、注入制御部Hは、点検扉開閉検出センサS1により点検扉55の閉状態が検出された場合に、点検扉55が閉状態であると判定するように構成されている。
或いは、注入制御部Hは、点検扉開閉検出センサS1により点検扉55の閉状態が検出されており、且つ作業者が操作卓HSにより窒素ガスの供給停止を解除する解除操作を行った場合に、点検扉55が閉状態であると判定するように構成されてもよい。このように、作業者による操作卓HSの確認操作を必要とすることで、作業者が、保管空間内にいる状態で、点検扉55が閉じられた場合に、窒素ガスの供給が再開させることを防止できる。
【0074】
3−2−3.停止無効状態における供給制御
一方、注入制御部Hは、停止無効指令スイッチSWから停止無効指令が指令された状態である停止無効状態において、点検扉開閉検出センサS1により点検扉55の開状態が検出された場合は、当該点検扉55の開状態が検出される前に各注入部Nに対して実行していた供給パターンである直前供給パターンに基づく各容器50に対する窒素ガスの供給を継続させると共に、直前供給パターンを定めるパラメータの人為操作による変更を禁止するように構成されている。
【0075】
本実施形態では、注入制御部Hは、容器50の収納の有無に関わらず、全てのマスフローコントローラ40のそれぞれに対応して設定されていた直前供給パターンを保持する。そして、注入制御部Hは、各直前供給パターンに基づいて、各マスフローコントローラ40に対する目標流量の設定を行うように構成されている。
【0076】
例えば、注入制御部Hは、点検扉55の開状態が検出される前に、あるマスフローコントローラ40に対して、自動運転モードが設定されており、初期パージパターン、保管用パージパターン、及びノズルパージパターンが設定されている場合は、点検扉55の開状態が検出された後も、これら自動運転モード、初期パージパターン、保管用パージパターン、及びノズルパージパターンが設定されている状態を保持し、これらの直前供給パターンに基づくマスフローコントローラ40に対する目標流量の設定を継続する。
あるいは、注入制御部Hは、点検扉55の開状態が検出される前に、あるマスフローコントローラ40に対して、マニュアル運転モードが設定されており、直接入力パターンが設定されている場合は、点検扉55の開状態が検出された後も、マニュアル運転モード、直接入力パターンが設定されている状態を保持し、この直接入力パターンに基づくマスフローコントローラ40に対する目標流量の設定を継続する。
【0077】
また、本実施形態では、注入制御部Hは、各マスフローコントローラ40に対応して設定されている直前供給パターンを定めるパラメータをユーザが操作卓HSにより変更できないようにロックする。
本実施形態では、変更がロックされるパラメータは、直前供給パターンとされた供給パターンを規定する、初期目標流量や初期期間などの経過時間と目標流量との関係を設定したデータや、容器50が収納部10Sに収容されたことなどのイベント(条件)である。また、変更がロックされるパラメータは、自動運転モードとマニュアル運転モードとの切り替え設定や、マニュアル運転モードにおける直接入力パターン、停止パターン、クリーニングパターンとの間の切り替え設定である。
【0078】
なお、注入制御部Hは、操作卓HSによる変更をロックしている間、「窒素ガスの供給停止の解除状態で作業者入室中、窒素ガスの供給パターンの変更禁止」などの窒素ガスの供給を継続している共に変更を禁止している状態を表す案内を、表示装置DSに表示させたり、音声により報知させたりしてもよい。
【0079】
これにより、保管空間外にいる作業者が、保管空間外に設置された操作卓HSにより、保管空間内にいる作業者が認識していない状態で、各容器50に対する窒素ガスの供給状態が変更されることを防止できる。例えば、保管空間内にいる作業者が認識していない状態で、窒素ガスの供給流量が増加されて、保管空間内の酸素濃度が低下したり、窒素ガスの供給流量が増減されて窒素ガスの供給状態の検査が妨げられたりすることを防止できる。
【0080】
<遠隔操作の禁止>
本実施形態では、注入制御部Hは、有線又は無線通信で接続された外部の管理システムから遠隔操作可能に構成されている。なお、注入制御部Hは、1つの不活性ガス注入装置1に対して1つずつ設けられ、対応する不活性ガス注入装置1に近接した位置に配置されている。一方、管理システムは、複数の不活性ガス注入装置1を集中管理するために、各不活性ガス注入装置1と通信ネットワークにより接続されており、不活性ガス注入装置1から比較的離れた位置に配置されている。管理システムは、各不活性ガス注入装置1における各注入部Nの作動を、注入制御部Hによる制御に代えて、遠隔操作により強制的に制御可能に構成されている。
【0081】
そこで、注入制御部Hは、停止無効状態において点検扉55の開状態が検出された場合は、更に、外部から遠隔操作による、直前供給パターンを定めるパラメータの変更を禁止するように構成されている。
本実施形態では、注入制御部Hは、各マスフローコントローラ40に対応して設定されている直前供給パターンを定めるパラメータを、外部の管理システムから通信ネットワークを介した遠隔操作により変更できないようにロックする。変更がロックされるパラメータは、上記した、作業者による操作の場合と同様とされる。
例えば、管理システムにおいて、対応する不活性ガス注入装置1に係るパラメータを変更する操作を受け付けないように構成したり、管理システムにおいて、対応する不活性ガス注入装置1に係るパラメータが変更されても、注入制御部H側で変更を受け付けないように構成したりする。この際、管理システムにおいて、上記のような窒素ガスの供給を継続している共に変更を禁止している状態を表す案内を、管理システムの表示装置に表示させたり、音声により報知させたりしてもよい。
これにより、不活性ガス注入装置1側の作業者が認識していない状態で、各容器50に対する窒素ガスの供給状態が変更されることを防止できる。
【0082】
<通知部>
本実施形態では、注入制御部Hは、停止無効状態において、容器50に対する窒素ガスの供給を継続させている場合は、
図4に示すように、窒素ガスの供給を継続することを作業者に通知する通知部としての無線式の通信器57Aを作動させるように構成されている。
本実施形態では、通信器57Aは、作業者が携帯する携帯電話等の携帯端末57Bに対して、窒素ガスの供給を継続することを示すメッセージを通信するように構成され、そして、携帯端末57Bが、受信したメッセージを、携帯端末57Bの表示画面に表示する、または、音声にて出力することにより、作業者に窒素ガスの供給が継続されている状態であることを報知するように構成されている。
【0083】
<復帰処理>
注入制御部Hは、点検扉55が閉状態であると判定した場合は、直前供給パターンに基づく窒素ガスの供給制御を継続させると共に、作業者による操作(人為操作)や外部からの遠隔操作による供給パターンを定めるパラメータの変更の禁止を解除して供給パターンを定めるパラメータの変更の受け付けを開始し、通知部による作業者への通知を停止するように構成されている。
本実施形態では、注入制御部Hは、上記の通常停止状態と同様に、点検扉開閉検出センサS1により点検扉55の閉状態が検出された場合に、点検扉55が閉状態であると判定するように構成されている。
或いは、注入制御部Hは、上記の通常停止状態と同様に、点検扉開閉検出センサS1により点検扉55の閉状態が検出されており、且つ作業者が操作卓HSによりパラメータの変更禁止を解除する解除操作を行った場合に、点検扉55が閉状態であると判定するように構成されてもよい。
【0084】
<酸素濃度の低下による供給停止>
本実施形態では、不活性ガス注入装置1は、
図2に示すように、壁体Kにて外部と区画された保管空間内の酸素濃度を検出する酸素濃度検出センサS2を設けており、
図4に示すように、この酸素濃度検出センサS2の検出情報が注入制御部Hに入力されている。
【0085】
そして、注入制御部Hは、停止無効状態において直前供給パターンに基づく窒素ガスの供給を継続させている場合に、酸素濃度検出センサS2により検出される酸素濃度が予め定めた設定値未満になると、通常停止状態と同様に、直前供給パターンに基づく窒素ガスの供給制御を中止して、全ての容器50に対する窒素ガスの供給を強制的に停止させるように、各注入部Nの作動を制御するように構成されている。
【0086】
本実施形態では、注入制御部Hは、停止無効状態において酸素濃度が予め定めた設定値未満になると、停止無効状態を解除して停止モードを通常停止状態に設定するように構成されている。この停止無効状態の解除により、注入制御部Hは、通常停止状態において点検扉55の開状態が検出された状態になるので、直前供給パターンに基づく窒素ガスの供給制御を中止して、全ての容器50に対する窒素ガスの供給を強制的に停止させる。
この場合も、作業者による操作(人為操作)や外部からの遠隔操作による、供給パターンを定めるパラメータの変更を禁止するように構成されている。
【0087】
なお、複数の酸素濃度検出センサS2が、保管空間の内部の複数箇所に分散して設置されてもよい。この場合は、注入制御部Hは、複数の酸素濃度検出センサS2のいずれか一つの酸素濃度が設定値未満になると、上記のように、窒素ガスの供給を強制的に停止させるように構成されてもよい。
【0088】
3−3.フローチャート
以上で説明した本実施形態に係る窒素ガスの供給制御の処理を、
図6及び
図7に示すフローチャートの例に示すように構成することができる。
図6のフローチャートは、通常停止状態又は停止無効状態の設定処理を示し、
図7のフローチャートは、窒素ガスの供給制御の処理を示す。
注入制御部Hは、
図6及び
図7のフローチャートに示す処理を、所定の演算周期(例えば、100ms)毎に実行するように構成されている。
【0089】
3−3−1.通常停止状態又は停止無効状態の設定処理
まず、
図6のフローチャートについて説明する。
注入制御部Hは、停止モードに通常停止状態が設定されている場合(ステップ♯01:Yes)は、停止無効指令スイッチSWから停止無効指令が指令されていないか判定する(ステップ♯02)。注入制御部Hは、停止無効指令が指令されていると判定した場合(ステップ♯02:Yes)は、停止モードを停止無効状態に設定する(ステップ♯03)。一方、注入制御部Hは、停止無効指令が指令されていないと判定した場合(ステップ♯02:No)は、停止モードを通常停止状態に設定したままにする。
【0090】
一方、注入制御部Hは、停止モードに停止無効状態が設定されている場合(ステップ♯01:No)は、酸素濃度検出センサS2により検出される酸素濃度が予め定めた設定値未満になっていないか判定する(ステップ♯04)。注入制御部Hは、酸素濃度が予め定めた設定値未満になっていると判定した場合(ステップ♯04:Yes)は、停止無効状態を解除して停止モードを通常停止状態に設定する(ステップ♯08)。一方、注入制御部Hは、酸素濃度が予め定めた設定値未満になっていないと判定した場合(ステップ♯04:No)は、点検扉開閉検出センサS1により点検扉55の開状態が検出されていないか判定する(ステップ♯05)。注入制御部Hは、点検扉55が開状態であると判定した場合(ステップ♯05:Yes)は、停止モードを停止無効状態に設定したままにする。
【0091】
注入制御部Hは、点検扉55が閉状態であると判定した場合(ステップ♯05:No)は、停止無効状態の設定後、点検扉55が閉状態のままで予め定めた設定時間経過したか否か判定する(ステップ♯06)。注入制御部Hは、点検扉55が閉状態のままで予め定めた設定時間経過したと判定した場合(ステップ♯06:Yes)は、停止無効状態を解除して停止モードを通常停止状態に設定する(ステップ♯08)。
注入制御部Hは、点検扉55が閉状態のままで予め定めた設定時間経過していないと判定した場合(ステップ♯06:No)は、点検扉55が開状態から閉状態に変化したか否か判定する(ステップ♯07)。具体的には、注入制御部Hは、前回の演算周期の時には、点検扉55が開状態であると検出されており、今回の演算周期で点検扉55が閉状態であると検出されていないか判定する。注入制御部Hは、点検扉55が開状態から閉状態に変化したと判定した場合(ステップ♯07:Yes)は、停止無効状態を解除して停止モードを通常停止状態に設定する(ステップ♯08)。注入制御部Hは、点検扉55が開状態から閉状態に変化していないと判定した場合(ステップ♯07:No)は、停止モードを停止無効状態に設定したままにする。
【0092】
3−3−2.窒素ガスの供給制御の処理
次に、
図7のフローチャートについて説明する。
注入制御部Hは、ステップ♯11で点検扉55が開状態であるか閉状態であるか判定する。本実施形態では、注入制御部Hは、点検扉開閉検出センサS1の検出情報により点検扉55が閉状態から開状態に変化した場合に、点検扉55の開閉状態を開状態に設定して開状態であると判定し、その後、点検扉開閉検出センサS1により点検扉55の閉状態が検出されており、且つ操作卓HSにより作業者の解除操作が行われた場合に、点検扉55の開閉状態を閉状態に設定して閉状態であると判定するように構成されている。
注入制御部Hは、点検扉55が閉状態であると判定している場合(ステップ♯11:No)は、予め設定されたパラメータにより定まる供給パターンに基づいて、注入部Nの作動を制御して容器50に対する窒素ガスの供給を制御する通常の供給処理を行う(ステップ♯12)。そして、注入制御部Hは、作業者による操作(人為操作)や外部からの遠隔操作により、供給パターンを定めるパラメータの変更要求があった場合に、当該パラメータの変更を受け付ける受付処理を行う(ステップ♯13)。
【0093】
一方、注入制御部Hは、点検扉55が開状態であると判定している場合(ステップ♯11:Yes)は、ステップ♯14に進む。注入制御部Hは、停止モードが通常停止状態に設定されている場合(ステップ♯14:Yes)は、直前供給パターンに基づく窒素ガスの供給制御を中止して、窒素ガスの供給を強制的に停止させる供給停止処理を行う(ステップ♯15)。そして、注入制御部Hは、作業者による操作(人為操作)や外部からの遠隔操作による、供給パターンを定めるパラメータの変更を禁止して、窒素ガスの供給停止の解除を禁止する処理を行う(ステップ♯16)。
注入制御部Hは、停止モードが停止無効状態に設定されている場合(ステップ♯14:No)は、直前供給パターンに基づく各容器50に対する窒素ガスの供給を継続させる処理を行う(ステップ♯17)。そして、注入制御部Hは、作業者による操作(人為操作)や外部からの遠隔操作による、直前供給パターンを定めるパラメータの変更を禁止する処理を行う(ステップ♯18)。また、注入制御部Hは、窒素ガスの供給を継続することを通知部により作業者に通知する処理を行う(ステップ♯19)。
【0094】
〔その他の実施形態〕
最後に、本発明のその他の実施形態について説明する。なお、以下に説明する各実施形態の構成は、それぞれ単独で適用されるものに限られず、矛盾が生じない限り、他の実施形態の構成と組み合わせて適用することも可能である。
【0095】
(1)上記実施形態では、不活性ガスとして、窒素ガスを用いる場合を例示したが、不活性ガスとしては、アルゴン等の種々のガスを使用できるものである。なお、本発明における不活性ガスとは、酸素含有量が低く、絶対湿度が低いガスである必要がある。
【0096】
(2)上記実施形態では、窒素ガス供給源、吐出ノズル10i及びマスフローコントローラ40を主要部として、注入部Nを構成する場合、つまり、マスフローコントローラ40を用いて注入部Nを構成する場合を例示したが、例えば、マスフローコントローラ40を設置せずに、容器50への供給流量を変更調節する流量調節弁、及び、容器50への供給流量を計測する流量センサを、窒素ガスの供給路中に設けて、注入制御部Hが、流量センサの検出情報に基づいて、流量調節弁の作動を制御する形態で実施してもよい。
この場合、窒素ガス供給源、吐出ノズル10i及び流量調節弁を主要部として、注入部Nが構成されることになる。
【0097】
(3)上記実施形態では、通常停止状態において点検扉55が開かれると、複数の収納部10Sの夫々に対応して設置されるマスフローコントローラ40にて窒素ガスの供給を停止することにより、容器50に対する窒素ガスの供給を停止させるようにしたが、例えば、窒素供給源に装備した供給断続弁を閉じ操作して、容器50に対する窒素ガスの供給を停止する等、容器50に対する窒素ガスの供給を停止する構成は、種々の構成を適用できるものである。
【0098】
(4)上記実施形態では、不活性ガスの供給を継続することを作業者に通知する通知部として、作業者の携帯端末57Bにメッセージを通信する通信器57Aを例示したが、例えば、点検扉55の近くに、通知部として、上記メッセージを音声にて出力するスピーカを設置する等、通知部の具体構成は変更できるものである。
【0099】
(5)上記実施形態では、操作体56は、ばねなどの弾性体により操作解除位置Aに復帰付勢されているようにしたが、操作体56は、操作解除位置Aに復帰付勢されていなくともよい。
【0100】
(6)上記実施形態では、停止無効指令部は、機械式の停止無効指令スイッチSWとされているようにしたが、タッチパネルや操作卓HSにより操作したり、暗証番号の入力により操作したりする電子式のスイッチとされてもよい。