(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
図1は、この発明の実施形態に係る発光装置1を上方から見た斜視図である。
図1を参照して、この発明の一実施形態に係る発光装置1は、所定方向に細長い直方体形状をなしている。以下では、発光装置1および発光装置1の構成部品について説明する場合に、発光装置1の横方向、幅方向および上下方向を用いることにする。横方向とは、発光装置1の長手方向であって、
図1では左上と右下とを結ぶ方向であり、幅方向とは、発光装置1において長手方向に直交する短手方向であって、
図1では左下と右上とを結ぶ方向である。上下方向とは、長手方向および短手方向の両方に直交する方向である。発光装置1は、横方向に長いものの、上下方向に薄いので、発光装置1の配置に関する省スペース化や発光装置1自身の薄型化が図られている。
【0018】
図2は、発光装置1を上方から見た分解斜視図である。
図2を参照して、発光装置1は、筐体2と、光源となる実装基板3と、実装基板3からの光の集光や配光を行う複数(ここでは3つ)の光学部材4と、透明カバー5と、複数(ここでは6つ)の固定ねじ6と、コネクターブロック7と、複数(ここでは2つ)の固定ボルト8とを主に含んでいる。
【0019】
以下では、光学部材4、実装基板3、透明カバー5、筐体2、コネクターブロック7の順番で、これらの部品について個別に説明する。
図3Aは、発光装置1における1つの光学部材4を下方から見た斜視図である。
図3Bは、所定方向から光学部材4を見た側面図である。
図3Cは、
図3Bとは別の方向から光学部材4を見た側面図である。
【0020】
光学部材4の説明に際し、
図2以外に、必要に応じて、
図3A〜
図3Cを参照する。
光学部材4は、透明(半透明も含む)の樹脂で形成されている。光学部材4は、上下に薄い板状である。平面視における光学部材4は、横方向に長手の長方形をなしているので、横方向に沿って平行に延びる一対の長辺4Aと、幅方向に沿って延びる一対の短辺4Bとを有している。
【0021】
図3Aを参照して、光学部材4では、幅方向における両端部が横方向全域に亘って下方へ略直角に折り曲げられており、当該両端部において折り曲げられた部分の幅方向外側端面が、前述した長辺4Aを区画している。
光学部材4の底面4Cにおいて、その幅方向両端部は、下方へ垂設された部分を有している。当該両端部のその各垂設部分には、幅方向内側に沿う位置に、複数(ここでは片側あたり3つ)の支柱9が、横方向に等間隔を隔てた状態で設けられている。そのため、支柱9は、1つの光学部材4に対して6つ設けられている。支柱9は、上下に延びる円柱状であり、光学部材4に対して一体化されている。幅方向で同じ側に位置する3つの支柱9は、幅方向で同じ側の長辺4Aに対して幅方向内側で沿う位置(光学部材4の周縁部)から垂下している。各支柱9の下端面9Aには、支柱9の円中心位置から下方へ突出する位置決め用凸部10が一体的に設けられている。位置決め用凸部10は、支柱9よりも細い円柱状である。位置決め用凸部10の下端が、光学部材4全体の下端である(
図3B参照)。光学部材4では、支柱9を設けるだけの簡易な構成で、光学部材4に位置決め用凸部10を設けることができる。
【0022】
光学部材4では、幅方向両側の支柱9に挟まれた領域に、複数(ここでは6つ)のレンズ11が一体的に設けられている。複数のレンズ11は、幅方向両側の支柱9に挟まれた領域における横方向全域に亘って配置されていて、横方向に等間隔を隔てて並んでいる。
図3Bを参照して、各レンズ11は、光学部材4の底面4Cから下方へ円弧状に膨出する下膨出部11Aと、光学部材4の天面4Dから上方ヘ円弧状に膨出する上膨出部11Bとを含んでいる。下膨出部11Aの方が、上膨出部11Bよりも、膨出量(上下方向における厚み)が大きい。下膨出部11Aの下端面は、各支柱9の下端面9Aよりも上方に位置している。下膨出部11Aの下端面は、横方向および幅方向(まとめて「水平方向」という場合がある)に沿って平坦になっており、この下端面には、上方ヘ少し窪む窪み12が形成されている。
【0023】
光学部材4の底面4Cにおいて、幅方向両端部(下方へ折れ曲った部分)、支柱9およびレンズ11の下膨出部11A以外の部分は、水平方向に沿って略平坦になっている。
図2を参照して、光学部材4の天面4Dにおいて一対の長辺4Aのそれぞれに沿う位置には、係合凸部13が2つずつ設けられている。つまり、1つの光学部材4は、4つの係合凸部13を有している。各長辺4Aにおいて、2つの係合凸部13は、横方向に間隔を隔てている。各長辺4Aでは、横方向に3つ並ぶ支柱9のうち両端の2つの支柱9のそれぞれと真ん中の支柱9との間(詳しくは、両端の2つの支柱9側に偏った位置)に、係合凸部13が1つずつ配置されている(
図3Aおよび
図3C参照)。
【0024】
各係合凸部13は、長辺4Aよりも外側方(幅方向外側)へ張り出している。厳密には、
図3Bを参照して、各係合凸部13は、長辺4A(光学部材4の幅方向端部)から一旦上方に延びてから、幅方向外側へ延びている。平面視において、各係合凸部13は、幅方向外側へ向かって幅狭となる略等脚台形状である(
図2および
図3A参照)。各係合凸部13において、幅方向外側端よりも手前(内側)には、上方ヘ盛り上がる上凸部13Aが一体的に設けられている。上凸部13Aの上端面13Bは、水平方向に沿って平坦になっている。上端面13Bは、係合凸部13の上端であり、光学部材4全体の上端でもある。よって、各レンズ11の上膨出部11Bの上端面は、上凸部13Aの上端面13Bよりも下方に位置している。
【0025】
次に、実装基板3について説明する。
図4は、発光装置1における実装基板3を下方から見た斜視図である。
実装基板3の説明の際、
図2とともに、
図4も参照する。
実装基板3は、上下方向に薄い板状であり、平面視で横方向に長手の長方形状をなしている。横方向において、実装基板3は、横方向につなげた3つの光学部材4のまとまりとほぼ同じ長さを有している(
図2参照)。実装基板3の平面視における四隅のうちのひとつは、斜めに切り欠かれた切欠き部3Aになっている。実装基板3の天面3B(
図2参照)および底面3C(
図4参照)は、いずれも水平方向に沿って平坦である。
【0026】
図2を参照して、実装基板3の天面3Bにおいて、幅方向両端部(幅方向両端から少し内側の部分)のそれぞれには、複数(ここでは9つ)の(光学部材)位置決め用凹部14が、横方向全域に亘って設けられている。位置決め用凹部14は、光学部材4を実装基板3に位置決めするためのものである。天面3Bの幅方向両端部のそれぞれにおいて、9つの位置決め用凹部14は、横方向に等間隔を隔てて配置されている。各位置決め用凹部14は、天面3Bから下方へ窪んでいる。この実施形態では、位置決め用凹部14は、実装基板3を上下方向(厚さ方向)に貫通しているが(
図4参照)、実装基板3を貫通していなくてもよい。平面視において、各位置決め用凹部14は、前述した位置決め用凸部10(
図3A参照)より僅かに大径の円形状である。
【0027】
実装基板3の天面3Bの幅方向両端部のそれぞれにおいて、横方向に9つ並ぶ位置決め用凹部14における両端の位置決め用凹部14の間の領域には、複数(ここでは3つ)のねじ挿通孔15が、横方向に所定の間隔(等間隔でなくてもよい)を隔てて形成されている。実装基板3には、全部で6つのねじ挿通孔15が形成されている。各ねじ挿通孔15は、実装基板3を上下方向に貫通する丸孔であり、位置決め用凹部14を避けるように形成されている。各ねじ挿通孔15には、固定ねじ6が天面3B側(上方)から1つ挿通される(後述する)。
【0028】
実装基板3の天面3Bにおいて、幅方向両側の位置決め用凹部14およびねじ挿通孔15によって挟まれた領域には、複数(ここでは18個)の発光素子16が、当該領域の横方向全域に亘って、等間隔で実装されている。この実施形態における発光素子16は、LED(発光ダイオード)である。発光素子16の上面から、光が出射される。なお、実装基板3には、発光素子16の熱を逃がすための小孔(図示せず)が各発光素子16の周囲に多数形成されていてもよい。
【0029】
次に、透明カバー5について説明する。
図5は、発光装置1における透明カバー5を下方から見た斜視図である。
透明カバー5の説明の際、
図2とともに、
図5も参照する。
透明カバー5は、透明(半透明も含む)の樹脂またはガラスで形成された上下に薄い板状である。なお、発光装置1を機械油が付着し得る状況(工場等)で使用する場合には、透明カバー5を、耐油脂性を有する樹脂素材やガラス素材で形成するとよい。
平面視において、透明カバー5は、横方向に長手の長方形状をなしており、実装基板3よりも一回り大きい(
図2参照)。ただし、透明カバー5には、実装基板3と異なり、平面視における四隅のいずれもが、直角に尖っていて、斜めに切り欠かれていない。透明カバー5では、天面5A(
図2参照)および底面5B(
図5参照)がいずれも水平方向に沿って平坦であり、天面5Aおよび底面5Bに直交する側面は、いずれも上下方向に沿って平坦である。当該側面は、透明カバー5の長辺を区画する一対の長手面5Cと、透明カバー5の短辺を区画する一対の短手面5Dとを含んでいる。
【0030】
透明カバー5の底面5Bにおいて、一対の長手面5Cの周囲の部分(幅方向両端部)を、押さえ部17ということにする(
図5参照)。
次に、筐体2について説明する。
図6は、発光装置1における筐体2の平面図である。
図7Aは、
図6のA−A矢視図である。
図7Bは、
図6のB−B矢視図である。
図7Cは、
図6のC−C矢視図である。
【0031】
筐体2の説明の際、
図2とともに、
図6や
図7A〜
図7Cも参照する。
図2を参照して、筐体2は、発光装置1の外郭をなす部分であり、たとえば耐油脂性を有する素材(ここではアルミニウム)で形成されている。筐体2は、横方向に長手の直方体形状である。筐体2の上面2Aには、開口部18が形成されている。平面視において、開口部18は、透明カバー5とほぼ同じ大きさの横長長方形状である。そして、筐体2には、開口部18から連続して下方へ窪む凹状の内部空間19が形成されている。内部空間19は、横長直方体形状の空間であり、上側部分19Aと、下側部分19Bとを含んでいる。平面視において、上側部分19Aは、下側部分19Bよりも一回り大きい。
【0032】
内部空間19に関連して、筐体2は、固定用壁20と、側壁21と、棚壁22と、開口壁23とを一体的に有している。また、筐体2は、その外表面を区画する外側壁24も有している。
固定用壁20は、水平方向に平坦な板状であり、その上面20Aが、水平方向に平坦であって、内部空間19(下側部分19B)の一部である底面を区画している(
図7A〜
図7Cも参照)。平面視において、固定用壁20は、横方向に長手の長方形状であり、実装基板3よりも僅かに大きい。
【0033】
図6を参照して、固定用壁20の上面20Aは、一対の長辺20Bと、一対の短辺20Cとを有している。一対の長辺20Bは、幅方向において対向配置されていて、上面20A(固定用壁20)の幅方向における両側縁になっている。一対の短辺20Cは、横方向において対向配置されていて、上面20A(固定用壁20)の横方向における両側縁になっている。
【0034】
固定用壁20の上面20Aにおける四隅のひとつ(
図6における左上の隅)には、位置決め部25が一体的に設けられている。位置決め部25は、固定用壁20に積層された板状であり、実装基板3の横方向における向きを決める部材である(
図2も参照)。位置決め部25は、平面視において、固定用壁20の1つの長辺20Bと1つの短辺20Cとをつなぐように延びる位置決め縁38を有している。位置決め縁38は、傾斜部38Aと、第1直線部38Bと、第2直線部38Cとを含んでいる。傾斜部38Aは、長辺20Bから短辺20Cへ向けて長辺20Bおよび短辺20Cの両方に傾斜して延びている。第1直線部38Bは、傾斜部38Aから連続して短辺20Cと平行に延びている。第2直線部38Cは、第1直線部38Bから連続して長辺20Bと平行に延び、短辺20Cにつながっている。
【0035】
固定用壁20の幅方向両端部のそれぞれには、複数(ここでは3つ)のねじ組付孔26が横方向に間隔を隔てて形成されている。固定用壁20においてねじ組付孔26を区画する部分には、ねじ部(図示せず)が形成されている。
側壁21は、固定用壁20の側縁である一対の長辺20Bおよび短辺20Cのそれぞれから上方へ略垂直に立ち上がっている(
図7A〜
図7C参照)。そのため、側壁21は、長辺20Bおよび短辺20Cのそれぞれに対して一対ずつ、合計で4つ設けられている。4つの側壁21のうち、一対の長辺20Bのそれぞれから立ち上がっている一対の側壁21を、長側壁21Aといい、一対の短辺20Cのそれぞれから立ち上がっている一対の側壁21を、短側壁21Bということにする。4つの側壁21によって、内部空間19の一部である下側部分19Bが区画されている(
図2も参照)。
【0036】
棚壁22は、各側壁21の上縁から側壁21と直交方向に外方へ張り出している。そのため、側壁21は、一対の長側壁21Aおよび短側壁21Bのそれぞれに対して一対ずつ、合計で4つ設けられている。4つの棚壁22のうち、一対の長側壁21Aのそれぞれから前記直交方向(この場合は幅方向)に外側へ張り出している一対の棚壁22を、長棚壁22Aといい、一対の短側壁21Bのそれぞれから前記直交方向(この場合は横方向)に外側へ張り出している一対の棚壁22を、短棚壁22Bという。各棚壁22では、上面は、水平方向に平坦であるが、側壁21につながる内縁22Cだけは、上方へ少し突出している(
図7A参照)。ここで、各棚壁22において、内縁22Cとは反対側(前記直交方向外側)の縁を外縁22Dということにすると、各棚壁22の上面において、上方へ突出した内縁22Cと外縁22Dの間には、内縁22Cの突出量に相当する深さの窪み27が形成されている(
図7A〜
図7C参照)。
【0037】
ここで、一対の長側壁21Aのそれぞれの上端(対応する長棚壁22Aの内縁22Cでもある)には、複数(ここでは6つ)の係合凹部28が横方向に等間隔を隔てて形成されている。各係合凹部28は、幅方向で同じ側にある長側壁21Aおよび長棚壁22Aを連続して切り欠くように下方へ窪んでいる(
図7B参照)。そのため、各係合凹部28は、長側壁21Aおよび長棚壁22Aのそれぞれの側に開放している。平面視における各係合凹部28の形状は、長棚壁22Aの内縁22Cから外縁22Dへ向かって幅狭となる略等脚台形状であり、光学部材4の各係合凸部13(
図3A参照)が上方からちょうど嵌り込める大きさを有している。
【0038】
開口壁23は、各棚壁22の外縁22Dから上方へ略垂直に立ち上がっている。そのため、開口壁23は、一対の長棚壁22Aおよび短棚壁22Bのそれぞれに対して一対ずつ、合計で4つ設けられている。4つの開口壁23によって、内部空間19の上側部分19Aが区画されている。4つの開口壁23のうち、一対の長棚壁22Aのそれぞれの外縁22Dから立ち上がっている一対の開口壁23を、長開口壁23Aといい、一対の短棚壁22Bのそれぞれの外縁22Dから立ち上がっている一対の開口壁23を、短開口壁23Bという。4つの開口壁23の上縁によって囲まれた部分が、開口部18である。そのため、一対の長開口壁23Aは、開口部18を隔てて幅方向において互いに対向しており、一対の短開口壁23Bは、開口部18を隔てて横方向において互いに対向している。
【0039】
外側壁24は、各開口壁23の上縁から水平方向外側へ延びた後に折れ曲がって下方へ延びている。そのため、外側壁24は、一対の長開口壁23Aおよび短開口壁23Bのそれぞれに対して一対ずつ、合計で4つ設けられている。4つの外側壁24のうち、一対の長開口壁23Aのそれぞれの上縁から延びている一対の外側壁24を、長外側壁24Aといい、一対の短開口壁23Bのそれぞれの上縁から延びている一対の外側壁24を、短外側壁24Bという。各外側壁24の下端は、固定用壁20よりも下方にあり、筐体2全体の下端でもある(
図7A〜
図7C参照)。
【0040】
一対の長外側壁24Aは、幅方向で同じ側にある長側壁21Aとの間に、幅方向の隙間Sを隔てている(
図7Aおよび
図7B参照)。そのため、筐体2の幅方向に沿った縦断面は、略M字形状になっている(
図7Aおよび
図7Bにおいてハッチングを付した部分を参照)。
一対の短外側壁24Bのそれぞれは、横方向で同じ側にある短側壁21Bと一体化されている(
図7C参照)。一体化された短外側壁24Bおよび短側壁21Bのまとまり(「短壁29」ということにする)は、筐体2の横方向両端部として横方向両側に1つずつ存在している。各短壁29には、短壁29を横方向に貫通する貫通孔30が形成されている(
図2および
図7C参照)。また、前述した位置決め部25側(
図6における左側)の一方の短壁29Aは、他方の短壁29Bよりも横方向に厚手である。一方の短壁29Aの上端面には、位置決め爪31が一体的に設けられている(
図7Cも参照)。位置決め爪31の先端31Aは、横方向で同じ側にある開口壁23(短開口壁23B)よりも開口部18内部へはみ出ている。他方の短壁29Bの横方向外側端面には、貫通孔30に対する幅方向両外側に、ねじ組付孔32が1つずつ形成されている(
図2参照)。短壁29Bにおいてねじ組付孔32を区画する部分には、ねじ部(図示せず)が形成されている。
【0041】
図2を参照して、筐体2の底面には、金属板等で形成された取付ステー33が、筐体2から横方向外側へはみ出るように取り付けられている。取付ステー33に設けられたねじ挿通孔34にねじ(図示せず)を挿通して固定物(図示せず)に組み付けることによって、発光装置1全体を当該固定物に固定することができる。
コネクターブロック7は、幅方向に長手の直方体形状であり、前述した他方の短壁29Bを横方向から見たときと同じ大きさの輪郭を有している。コネクターブロック7の横方向外側端面7Aには、幅方向中央位置にソケット35が組み付けられていて、ソケット35の幅方向両外側に、ねじ挿通孔36が1つずつ形成されている。ソケット35には、外部の電源(図示せず)につながった電気ケーブル(図示せず)が接続されている。各ねじ挿通孔36は、コネクターブロック7を横方向に貫通している。コネクターブロック7の上端面には、位置決め爪37が一体的に設けられている。位置決め爪37の先端37Aは、コネクターブロック7の横方向外側端面7Aとは反対側の端面7Bから横方向外方へはみ出している。
【0042】
図8は、完成状態にある発光装置1の平面図である。
図9Aは、
図8のA−A矢視図である。
図9Bは、
図8のB−B矢視図である。
図9Cは、
図8のC−C矢視図である。
図9Dは、
図8のD−D矢視図である。
図9Eは、
図8のE−E矢視図である。
次に、
図2や
図8や
図9A〜
図9Eを参照しながら、発光装置1の組み立て手順について説明する。
【0043】
まず、
図2に示すように各部品を準備する。そして、筐体2の開口部18に対して、各発光素子16が上を向いた姿勢にある実装基板3を上方から嵌め入れ、同じ姿勢を保ちながら内部空間19内で下降させる。なお、実装基板3の横方向における向きは決まっており、実装基板3の切欠き部3Aと、固定用壁20の位置決め部25の位置決め縁38における傾斜部38Aとが平面視でほぼ重なるようにする。
【0044】
実装基板3の底面3Cが固定用壁20の上面20Aに対して上から当接すると、実装基板3の下降が停止する。このとき、位置決め部25の位置決め縁38における傾斜部38Aが、実装基板3の切欠き部3Aに対して横方向外側から沿っている。また、実装基板3における各ねじ挿通孔15が、固定用壁20におけるいずれか(平面視で同じ位置にある)のねじ組付孔26と平面視で重なっている。この状態で、実装基板3の上方から、固定ねじ6を各ねじ挿通孔15に挿通し、ねじ組付孔26のねじ部(図示せず)に組み付ける。これにより、実装基板3が、内部空間19の下側部分19Bに配置された状態で、固定用壁20に対して上から固定される。このとき、実装基板3は、固定用壁20によって定位置で固定されている。なお、この定位置とは、実装基板3の底面3Cが固定用壁20の上面20Aに当接する位置でも良いし、底面3Cが上面20Aから所定量だけ上方へ離間した位置(
図9A〜
図9E参照)であってもよい。
【0045】
実装基板3が定位置に固定された後、
図2に示すよう3つの光学部材4を横方向に並べ、各光学部材4を、支柱9が下方へ延びた姿勢で、筐体2の開口部18に対して上方から嵌め入れる。そして、各光学部材4を、同じ姿勢を保ちながら、内部空間19内において実装基板3の天面3Bへ向けて下降させる。
図2において左右に並んだ3つの光学部材4において、左端の光学部材4は、実装基板3の天面3Bにおける左端部寄りの領域上に載置され、当該左端の光学部材4の各支柱9の位置決め用凸部10(
図3A参照)は、当該領域における左寄り6つの位置決め用凹部14のいずれか(平面視で同じ位置にあるもの)に対して上から嵌合する。また、当該左端の光学部材4の各係合凸部13は、一対の長側壁21Aにおける左端部寄り4つの係合凹部28のいずれか(平面視で同じ位置にあるもの)に対して上から嵌合する(いずれかの係合凹部28によって受け入れられる)。
【0046】
左右に並んだ3つの光学部材4において、右端の光学部材4は、実装基板3の天面3Bにおける右端部寄りの領域上に載置され、当該右端の光学部材4の各支柱9の位置決め用凸部10は、当該領域における右寄り6つの位置決め用凹部14のいずれか(平面視で同じ位置にあるもの)に対して上から嵌合する。また、当該右端の光学部材4の各係合凸部13は、一対の長側壁21Aにおける右端部寄り4つの係合凹部28のいずれか(平面視で同じ位置にあるもの)に対して上から嵌合する。
【0047】
左右に並んだ3つの光学部材4において、真ん中の光学部材4は、実装基板3の天面3Bにおける真ん中の領域上に載置され、当該真ん中の光学部材4の各支柱9の位置決め用凸部10は、当該領域における真ん中6つの位置決め用凹部14のいずれか(平面視で同じ位置にあるもの)に対して上から嵌合する。また、当該真ん中の光学部材4の各係合凸部13は、一対の長側壁21Aにおける真ん中4つの係合凹部28のいずれか(平面視で同じ位置にあるもの)に対して上から嵌合する。
【0048】
この状態にある各光学部材4は、各位置決め用凸部10が位置決め用凹部14に嵌合し、かつ、支柱9の下端面9Aが実装基板3の天面3Bに対して上から面接触していることによって、実装基板3に対して相対移動不能に位置決め固定されている(
図9Bおよび
図9E参照)。また、各光学部材4の各レンズ11は、実装基板3に実装されたいずれか(横方向で同じ位置にある)1つの発光素子16の真上(当該発光素子16の光軸X上の前方)に配置されている(
図9A参照)。具体的には、それぞれのレンズ11および発光素子16において、1つのレンズ11の窪み12と、1つの発光素子16とが、横方向において同じ位置にあって、平面視で重なっている(
図9E参照)。このように、位置決め用凹部14は、実装基板3に実装された発光素子16に対して一定の位置関係で光学部材4を取り付けるために機能する。
【0049】
また、
図9Aに示すように、一対の長側壁21Aは、係合凹部28において光学部材4の係合凸部13を受け入れることによって、各光学部材4の長辺4A側部分(幅方向における両側部)を支持している。係合凹部28に受け入れられた係合凸部13の上端は、棚壁22の上面と略面一になっている。詳しくは、係合凸部13の上凸部13Aの上端面13Bは、棚壁22の内縁22Cの上端と面一になっており(
図9B参照)、係合凸部13において上凸部13Aより先端側の部分の上端面13Cは、棚壁22の上面において窪み27が形成された部分(窪み27の底)と面一になっている(
図9A参照)。
【0050】
次いで、筐体2の各棚壁22の上面の窪み27の全域に接着剤Yを流し込む。その直後に、透明カバー5を開口部18に取り付けて内部空間19の上側部分19Aに収容する。詳しくは、
図2を参照して、透明カバー5の横方向一端(
図2における左側の短手面5D)を筐体2の位置決め爪31の先端31Aの下方に潜り込ませることで位置決め爪31に係合してから、透明カバー5を開口部18に嵌め込む。
図9B〜
図9Eを参照して、開口部18に取り付けられた透明カバー5では、横方向両側部(短手面5Dの周囲)および幅方向両側部(長手面5Cの周囲)が、棚壁22の上端(詳しくは、内縁22Cの上端)によって下から受け止められて保持されている。
【0051】
この状態では、透明カバー5の長手面5Cおよび短手面5Dのそれぞれが、筐体2の開口壁23(平面視で同じ位置にある長開口壁23Aまたは短開口壁23B)に当接しており、これによって開口壁23によって支持されている。なお、
図9B〜
図9Eでは、説明の便宜上、長手面5Cおよび短手面5Dのそれぞれと開口壁23との間に僅かな隙間を設けているが、この隙間は、実際にはほとんどない。
【0052】
また、この状態では、
図9Aおよび
図9Bを参照して、透明カバー5の幅方向両端側における押さえ部17が、各光学部材4の各係合凸部13の上凸部13Aの上端面13Bに接触することで、上凸部13Aを上方から押さえている。そして、透明カバー5の底面5Bの外周縁部において係合凸部13を押さえていない部分は、各棚壁22の窪み27に流し込まれた接着剤Yに接触している。これにより、接着剤Yが乾いた状態において、透明カバー5は、棚壁22(つまり、筐体2)に対して接着固定されている。この状態では、透明カバー5の押さえ部17が、各光学部材4の各係合凸部13を引き続き上から押さえているので、光学部材4が実装基板3から浮き上がって位置決め用凹部14と位置決め用凸部10との嵌合(
図9B参照)がずれないようになっている。なお、透明カバー5を棚壁22に対して接着固定する場合には、ねじ固定する場合に比べて、ねじが存在しない分、発光装置1の薄型化を図ることができる。
【0053】
また、接着剤Yは、係合凸部13と、係合凸部13を受け入れた係合凹部28(筐体2において係合凹部28を区画する部分)との間にも入り込んでいて、これにより、係合凸部13は、筐体2に対して接着固定されている。そのため、光学部材4が実装基板3から浮き上がって、位置決め用凹部14と位置決め用凸部10との嵌合がずれることや、係合凸部13が係合凹部28から外れることが確実に防止されている。なお、透明カバー5の押さえ部17と係合凸部13とが接着剤Yによって接着固定されていてもよい。
【0054】
次いで、
図2を参照して、コネクターブロック7を、筐体2の短壁29Bに対して横方向外側(
図2では右側)から取り付ける。取り付けが完了したコネクターブロック7では、位置決め爪37の先端37Aが、平面視において開口部18内まではみ出ていて、透明カバー5の横方向他端(
図2における右端)に対して上側から係合している(
図9D参照)。また、ソケット35と実装基板3の各発光素子16とが電気的に接続される。このとき、コネクターブロック7の各ねじ挿通孔36が、横方向から見て、筐体2において幅方向で同じ位置にあるねじ組付孔32と重なっている。
【0055】
なお、位置決め爪31の先端31Aおよび位置決め爪37の先端37Aが透明カバー5に係合しているので(
図9Cおよび
図9D参照)、仮に透明カバー5と棚壁22との接着が弱くても、透明カバー5が筐体2から外れることはない。
そして、最後に、固定ボルト8を各ねじ挿通孔36に挿通して、対応するねじ組付孔32のねじ部(図示せず)に組み付けると、コネクターブロック7が筐体2に対して固定され、これにより、
図1に示すように発光装置1が完成する。この状態で、ソケット35を介して実装基板3の各発光素子16に電力が供給されると、発光素子16は光を発し、その光は、発光素子16の光軸X(
図9A参照)上の前方に配置されたレンズ11を通過することによって集光・配光され、その後、透明カバー5を透過して、上方へ向かう。これにより、発光装置1の上方にある物に対して発光素子16の光が照射される。
【0056】
なお、筐体2においてコネクターブロック7が取り付けられた側とは反対側の短壁29Aの貫通孔30に対して別のソケット35を挿入すれば(
図9C参照)、このソケット35を介して、複数の発光装置1を電気的に連結することができる。
図9Aおよび
図9Bを参照して、完成した発光装置1では、筐体2の固定用壁20によって定位置に固定された実装基板3の位置決め用凹部14に、光学部材4の位置決め用凸部10が嵌合されていることによって、光学部材4は、実装基板3に対して位置決めされて固定されている。さらに、位置決め用凹部14と位置決め用凸部10との嵌合がずれないように透明カバー5の押さえ部17が光学部材4を押さえることによって、光学部材4は、透明カバー5と実装基板3(換言すれば、実装基板3が固定された筐体2)とに挟持されている。
【0057】
そのため、光学部材4と実装基板3との相対位置が強固に固定されているので、発光装置1に振動や衝撃が加わっても、当該相対位置に変化が生じることはなく、光学部材4における(発光素子16からの)光の光学特性を一定に維持することができる。また、光学部材4は、筐体2内で弾性保持されている訳でないから、発光装置1に振動や衝撃が加わっても、光学部材4に疲労が蓄積されにくくなるので、振動や衝撃に起因して光学部材4が破損することはない。
【0058】
よって、発光装置1における耐振動性や耐衝撃性の向上を図ることができる。
また、光学部材4の側部の係合凸部13が筐体2の側壁21(係合凹部28)に支持されることによって、光学部材4の位置が一層安定するので、発光装置1に振動や衝撃が加わっても、光学部材4と実装基板3との相対位置に変化が生じることを一層抑制できる。よって、発光装置1における耐振動性や耐衝撃性の一層の向上を図ることができる。
【0059】
また、一対の側壁21によって、光学部材4における幅方向両側の側部(係合凸部13)が支持されるので、光学部材4の位置がより一層安定する。そのため、発光装置1に振動や衝撃が加わっても、光学部材4と実装基板3との相対位置に変化が生じることをより一層抑制できる。よって、発光装置1における耐振動性や耐衝撃性のより一層の向上を図ることができる。
【0060】
また、開口部18に取り付けられた透明カバー5を、棚壁22に保持することによって、その幅方向側部において筐体2の棚壁22に対して位置決めできるので、透明カバー5の押さえ部17によって押さえられる光学部材4の位置がより一層安定する。そのため、発光装置1に振動や衝撃が加わっても、光学部材4と実装基板3との相対位置に変化が生じることをより一層抑制できる。よって、発光装置1における耐振動性や耐衝撃性のより一層の向上を図ることができる。
【0061】
また、透明カバー5は、その側面である長手面5Cおよび短手面5Dにおいても筐体2に対して位置決めされるので(
図9A〜
図9D参照)、透明カバー5の押さえ部17によって押さえられる光学部材4の位置がより一層安定する。そのため、発光装置1に振動や衝撃が加わっても、光学部材4と実装基板3との相対位置に変化が生じることをより一層抑制できる。よって、発光装置1における耐振動性や耐衝撃性のより一層の向上を図ることができる。
【0062】
また、光学部材4の係合凸部13が、側壁(つまり、筐体2)の係合凹部28に受け入れられることで、光学部材4は、実装基板3に対してだけでなく、実装基板3が固定された筐体2に対しても位置決めされたことになる。つまり、光学部材4および実装基板3は、筐体2という共通の物体に対して位置決めされることから、光学部材4と実装基板3との相対位置に変化が生じることをより一層抑制できる。よって、発光装置1における耐振動性や耐衝撃性のより一層の向上を図ることができる。また、位置決め用凸部10を位置決め用凹部14に嵌合して、係合凸部13を係合凹部28に嵌め込むだけで、光学部材4が筐体2および実装基板3のそれぞれに対して一度に位置決めされるため、発光装置1の生産に係る作業工数の低減を図ることができる。
【0063】
また、透明カバー5の側部が筐体2の棚壁22に受け止められた状態では、透明カバー5の側部(押さえ部17に相当する)は、光学部材4において係合凸部13(厳密には、係合凹部28から棚壁22側に露出された上端部分)だけを押さえつけている(
図9A参照)。つまり、透明カバー5を開口部18に取り付けると、透明カバー5は、光学部材4における外周側の一部(係合凸部13)だけを押さえつける(側壁21との間で直接挟持する)から、光学部材4全体に余計なストレス(歪み等)が生じない。特に、係合凸部13の上端(上端面13B)は、レンズ11の上膨出部11Bよりも高い位置にあるので、透明カバー5がレンズ11に当接してレンズ11にストレスを与えることはない。そのため、透明カバー5に起因して光学部材4と実装基板3との相対位置に変化が生じることを抑制できるので、光学部材4における(発光素子16からの)光の光学特性を一定に維持することができる。
【0064】
この発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
たとえば、実装基板3は、固定ねじ6によって筐体2(固定用壁20)に固定されているが(
図2参照)、接着剤によって筐体2に固定されてもよい。また、実装基板3における発光素子16の数は任意に設定可能であり、発光素子16の数に対応して、光学部材4の数や、各光学部材4に設けられるレンズ11の数も任意に設定できる。
【0065】
また、発光素子16には、LED以外のものも適用できる。
また、横方向に並ぶ光学部材4のうち、横方向両端の光学部材4は、長側壁21Aだけでなく、最寄りの短側壁21Bによっても支持されてもよい(
図2参照)。そのために、横方向両端の各光学部材4は、短辺4Bから横方向外側へ張り出す係合凸部13を有していて、当該係合凸部13が、最寄りの短側壁21Bに追加で設けられた係合凹部28に受け入れられるとよい。そうすれば、横方向両端の各光学部材4を筐体2に対して一層強固に固定できる。
【0066】
また、発光装置1は、横方向に長手の直方体形状でなくてもよく、たとえば、平面視で正方形状であってもよいし、四隅が丸められた楕円形状であってもよい。
また、位置決め用凸部10を光学部材4に設け、位置決め用凹部14を実装基板3に設けたが(
図9B参照)、位置決め用凸部10を実装基板3に設け、位置決め用凹部14を光学部材4に設けるという逆の構成もあり得る。