特許第5776992号(P5776992)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5776992自然放出蛍光をパルス励起、連続脱励起、およびゲート記録するSTED顕微鏡法、STED蛍光相関分光法、およびSTED蛍光顕微鏡
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  • 特許5776992-自然放出蛍光をパルス励起、連続脱励起、およびゲート記録するSTED顕微鏡法、STED蛍光相関分光法、およびSTED蛍光顕微鏡 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5776992
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】自然放出蛍光をパルス励起、連続脱励起、およびゲート記録するSTED顕微鏡法、STED蛍光相関分光法、およびSTED蛍光顕微鏡
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/64 20060101AFI20150820BHJP
【FI】
   G01N21/64 E
   G01N21/64 B
【請求項の数】23
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2013-539143(P2013-539143)
(86)(22)【出願日】2010年11月22日
(65)【公表番号】特表2013-543980(P2013-543980A)
(43)【公表日】2013年12月9日
(86)【国際出願番号】EP2010067956
(87)【国際公開番号】WO2012069076
(87)【国際公開日】20120531
【審査請求日】2013年10月1日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用 発行者名 Kyu Young HAN/Seoul National University Library 刊行物名 Photoswitching of color centers in diamond and its application to far−field optical nanoscopy 発行年月日 2010年9月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】510273525
【氏名又は名称】マックス−プランク−ゲゼルシャフト ツル フォルデルング デル ヴィッゼンシャフテン イー.ヴイ.
(73)【特許権者】
【識別番号】513125924
【氏名又は名称】デウチェス クレブスフォルスチュングスゼントラム
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】ヘル,ステファン ダブリュ.
(72)【発明者】
【氏名】エンゲルハルド,ヨハン
(72)【発明者】
【氏名】レウス,マティアス
(72)【発明者】
【氏名】ウェストファル,ヴォルカー
(72)【発明者】
【氏名】エッゲリング,クリスチャン
(72)【発明者】
【氏名】モネロン,ゲル
(72)【発明者】
【氏名】ハン,キュ−ヤング
(72)【発明者】
【氏名】ビシドミニ,ギウセッペ
(72)【発明者】
【氏名】カトリン,ウィリグ
【審査官】 横尾 雅一
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2009/024529(WO,A1)
【文献】 特開平11−095120(JP,A)
【文献】 特開2000−241782(JP,A)
【文献】 特表2010−537179(JP,A)
【文献】 特開2004−077175(JP,A)
【文献】 Auksoriua E , et.al.,"Stimulated emission depletion microscopy with a supercontinuum source and fluorescence lifetime imaging",OPTICS LETTERS,2008年 1月15日,Vol.33, No.2,p.113-115
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/62−21/74
G02B 19/00−21/00
G02B 21/06−21/36
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料(2)内の蛍光体で標識された構造を撮像するSTED蛍光顕微鏡法であって、
蛍光体を励起して蛍光(9)を放出させるために、少なくとも1個の焦点域に焦点される励起光(3)を前記試料(2)にパルス照射する工程と、
励起した前記蛍光体を脱励起するために、前記少なくとも1個の焦点域内に強度ゼロポイントを備える脱励起光(12)を前記試料(2)に連続照射する工程と、
前記試料(2)内の励起した前記蛍光体が自然放出する蛍光(9)を、前記励起光(3)の各パルス後に、前記脱励起光(12)の照射を継続した状態で、記録する記録工程と、
前記パルス照射および連続照射する工程前記記録工程を前記励起光(3)の焦点域および前記脱励起光(12)の強度ゼロポイントの異なる位置で繰返し実行する工程と、を備え、
前記記録工程において、励起した前記蛍光体が自然放出する前記蛍光(9)は前記励起光(3)の繰り返し照射される各パルスの間の時間に記録され、
前記記録工程において、前記励起光(3)の前記各パルスの後に放出される前記蛍光(9)に対して少なくとも1個の時間ゲートが設けられ、
前記少なくとも1個の時間ゲートは前記励起光(3)の前記各パルスをトリガー信号として所定の時間間隔で開放および閉鎖されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
試料(2)に含まれる蛍光体の変動を前記試料(2)の空間的に制限された所定範囲内で観察するSTED蛍光相関分光法であって、
蛍光体を励起して蛍光(9)を放出させるために、少なくとも1個の焦点域に焦点される励起光(3)を前記試料(2)パルス照射する工程と、
励起した前記蛍光体を脱励起し、前記少なくとも1個の焦点域内に強度ゼロポイント備える脱励起光(12)を前記試料(2)に連続照射する工程と、
前記試料(2)内の励起した前記蛍光体が自然放出する蛍光(9)を、前記励起光(3)の各パルス後に、前記脱励起光(12)の照射を継続した状態で、記録する記録工程とを備え、
前記記録工程において、励起した前記蛍光体が自然放出する前記蛍光(9)は前記励起光(3)の繰り返し照射される各パルスの間の時間に記録され、
前記記録工程において、前記励起光(3)の前記各パルスの後に放出される前記蛍光(9)に対して少なくとも1個の時間ゲートが設けられ、
前記少なくとも1個の時間ゲートは前記励起光(3)の前記各パルスをトリガー信号として所定の時間間隔で開放および閉鎖されることを特徴とする、方法。
【請求項3】
前記記録工程において、励起した前記蛍光体が放出する前記蛍光(9)は、前記蛍光(9)の自然放出によってのみ減衰する前記蛍光体の励起状態の寿命より高い時間分解能で記録される、請求項1又は請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記記録工程において、励起した前記蛍光体が放出する前記蛍光(9)は、少なくとも、前記蛍光(9)の自然放出および最大照射強度の前記脱励起光(12)による脱励起により減衰する蛍光体の励起状態の寿命と同程度に高い時間分解能で記録される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記記録工程において、励起した前記蛍光体が放出する前記蛍光(9)は少なくとも200ピコ秒の時間分解能で記録される、請求項3又は請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記記録工程において、励起した前記蛍光体が放出する前記蛍光(9)は少なくとも100ピコ秒の時間分解能で記録される、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも1個の時間ゲートは、前記脱励起光(12)の強度ゼロポイント外の励起した前記蛍光体の原則的に全てが蛍光を放出した直後に開放される、請求項1〜6のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記少なくとも1個の時間ゲートは、前記励起光(3)の焦点域内の励起した前記蛍光体の原則的に全てが蛍光を放出する前に閉鎖される、請求項1〜7のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記記録工程において、さらに補完的時間ゲートが備えられ、前記少なくとも1個の時間ゲートおよび前記補完的時間ゲートは交互に開放および閉鎖される、請求項1〜8のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記記録工程において、前記励起光(3)の各パルスの後に自然放出される前記蛍光(9)に対して前記少なくとも1個の時間ゲートおよび前記少なくとも1個の時間ゲートの後に位置する第2の時間ゲートが設けられ、前記第2の時間ゲートは、前記試料に含まれる第2の励起蛍光体より短い寿命を有する第1の励起蛍光体の原則的に全てが蛍光を放出した後にのみ開放される、請求項1〜9のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記励起光(3)のパルス照射工程において、前記励起光(3)の波長は、多光子プロセスを介して蛍光体を励起して蛍光(9)を放出させるよう選択される、請求項1〜10のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記励起光(3)のパルス照射工程において、前記励起光(3)の波長は波長のスーパーコンティニウムから選択される、請求項1〜11のうちいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
試料(2)に含まれる蛍光体を励起して蛍光(9)を放出させるために、少なくとも1個の焦点域に焦点される励起光(3)を前記試料(2)にパルス照射するパルス励起光源(4)と、
励起した前記蛍光体を脱励起するために、前記少なくとも1個の焦点域内に強度ゼロポイントを備える脱励起光(12)を前記試料(2)に連続照射する脱励起光源(11)と、
前記試料(2)内の励起した前記蛍光体が自然放出する蛍光(9)を前記励起光(3)の各パルス後に、前記脱励起光(12)の照射を継続した状態で、記録する検出器(10)と、を備えるSTED蛍光顕微鏡(1)であって、
前記検出器(10)は、励起した前記蛍光体が自然放出する前記蛍光(9)を前記パルス励起光源(4)から繰り返し照射される各パルスの間の時間に記録し、
前記検出器(10)は少なくとも1個の時間ゲート(15)を備え、
前記少なくとも1個の時間ゲート(15)は前記パルス励起光源(4)の前記各パルスにより起動され、
前記少なくとも1個の時間ゲートは前記励起光(3)の前記各パルスをトリガー信号として所定の時間間隔で開放および閉鎖される、ことを特徴とする顕微鏡(1)。
【請求項14】
前記検出器(10)は、励起した前記蛍光体が放出する前記蛍光(9)を少なくとも200ピコ秒の時間分解能で記録する、請求項13に記載の顕微鏡(1)。
【請求項15】
前記検出器(10)は、励起蛍光体が放出する前記蛍光(9)を少なくとも100ピコ秒の時間分解能で記録する、請求項14に記載の顕微鏡(1)。
【請求項16】
前記検出器(10)の時間ジッタは200ピコ秒以下である、請求項14に記載の顕微鏡(1)。
【請求項17】
前記検出器(10)の時間ジッタは100ピコ秒以下である、請求項15に記載の顕微鏡(1)。
【請求項18】
前記検出器(10)は単一光子計数器を含む、請求項13〜17のうちいずれか一項に記載の顕微鏡(1)。
【請求項19】
前記検出器(10)は更に補完的時間ゲートを備え、前記少なくとも1個の時間ゲートおよび前記補完的時間ゲートは交互に開放および閉鎖される、請求項13〜18のうちいずれか一項に記載の顕微鏡(1)。
【請求項20】
前記脱励起光源(11)は連続波レーザダイオードである、請求項13〜19のうちいずれか一項に記載の顕微鏡(1)。
【請求項21】
前記パルス励起光源(4)は、前記検出器(10)が記録する蛍光の波長の約2倍の長さを有する波長の励起光(3)を放出する、請求項13〜20のうちいずれか一項に記載の顕微鏡(1)。
【請求項22】
前記パルス励起光源(4)は、音響光学変調器を用いて前記励起光(3)の波長を選択するための波長のスーパーコンティニウムを出力する、請求項13〜21のうちいずれか一項に記載の顕微鏡(1)。
【請求項23】
前記パルス励起光源(4)からの前記励起光(3)の焦点域および前記脱励起光源(11)からの前記脱励起光(12)の強度ゼロポイントを用いて前記試料(2)を走査する走査ステージを更に備える、請求項13〜22のうちいずれか一項に記載の顕微鏡(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的にはSTED蛍光顕微鏡法およびこの方法を実施するのに適したSTED蛍光顕微鏡に関連する。詳細には、前記STED蛍光顕微鏡法は試料内の蛍光体で標識された構造を撮像するために実施してもよく、又は、試料の空間的に制限された所定範囲内で試料に含まれる蛍光体の変動を観察する蛍光相関分光法(FCS:Fluorescence Correlation Spectroscopic)として実施してもよい。
【0002】
蛍光分子は、詳細には蛍光分子又は蛍光量子ドットであってもよい。
【背景技術】
【0003】
誘導放出抑制(STED:Stimulated Emission Depletion)蛍光顕微鏡法によれば、試料内の蛍光体で標識された構造を撮像する際、又はFCS法において観察範囲を回折限界を超えて決定する際に空間分解が可能となる。これは、励起光により蛍光体を励起して蛍光化した後、励起蛍光体を誘導して誘導放出させる脱励起光又はSTED光により励起蛍光体の空間分布を変化させることにより実現される。励起光は回折限界を超える空間次元を有する焦点域のみに焦点されてもよく、又、誘導放出により基底状態に戻り引続き蛍光を発することができるため励起蛍光体が暗黒に保持されず、その周囲で蛍光体が再度完全に脱励起される脱励起光の強度のゼロポイントは更に極小でもよい。例えば、脱励起光の強度分布のゼロポイントは脱励起光の異なる成分の相殺的干渉により決定されてもよく、また、脱励起光の全体強度が高くなることにより、それを超えると蛍光体が完全に脱励起される当該ゼロポイントの境界が幾何学的点の周囲に近接して引かれることとなる。
【0004】
STED蛍光顕微鏡法においては、通常、励起光は試料にパルス照射される。一般的には、脱励起光も試料にパルス照射され、脱励起光の強度分布のゼロポイントを超えて放出される蛍光を記録する検出器は、脱励起光の各パルスが消失した直後にのみ作動する。
【0005】
しかしながら、上述したとおり、高空間分解能を得るためには脱励起光は比較的高い強度を有することが求められる。高強度パルスを出力するパルスレーザーはコストが高く、特に、強度分布のゼロポイントにおいても脱励起光の各パルス後に励起蛍光体が残存しないということを避けるために、パルスが非常に短い、すなわち、蛍光の自然放出により励起状態が減衰する蛍光体の励起状態の寿命より短い必要がある場合、コストが高くなる。
【0006】
特許文献1は、上述した励起光および脱励起光のパルス照射に加えて、コストを抑えるため連続波レーザを励起光源として用いることを開示している。この場合でも、脱励起光の強度分布のゼロポイント外で自然放出蛍光を記録する検出器は、脱励起光の各パルスが試料を通過した直後にのみ作動する。
【0007】
特許文献2は、多光子プロセス内で蛍光を放出させるために試料内の蛍光体を励起する波長で励起光が試料にパルス照射される、二光子励起STED蛍光顕微鏡法を開示している。脱励起光又はSTED光は連続波として試料に照射され、励起蛍光体が試料内で自然放出する蛍光は、励起光の複数パルスにわたって連続的に記録される。試料内の蛍光体を励起するために用いられる多光子プロセスにより、励起蛍光体の空間分布は脱励起光の強度分布のゼロポイントを大きく超えないと予想される。したがって、脱励起光は連続波レーザで試料に照射され、また、試料が自然放出する蛍光が連続的に記録されるため、コストを大幅に削減することが可能となる。自然放出蛍光を記録する際、励起光、脱励起光および蛍光体からの誘導放出は適切なエッジフィルタ又は狭帯域フィルタにより遮断され、および/又は、励起光および脱励起光を適切に偏光する場合、偏光フィルタにより遮断される。
【0008】
しかしながら、多光子励起を用いた蛍光顕微鏡法における信号の発生量は小さく、多光子プロセスにおいて蛍光体を励起するのに適切な、適切な出力強度を有するパルス光源はコストが高い。
【0009】
STED蛍光顕微鏡法の一種でCW−STEDと呼ばれる方法が公開されており、試料にパルス照射される励起光が単純な一光子プロセスにおいて蛍光体を励起して蛍光化する点において、特許文献2に開示されている方法と異なる。
【0010】
特許文献2およびCW−STEDに開示されている二光子励起方法のいずれにおいても、期待される空間分解能が得られないことが分かっている。実際、蛍光体で標識された既知の構造の画像は、パルス励起光およびパルス脱励起光を用いて、自然放出蛍光を脱励起光の各パルスの後にのみ記録して得られた同一構造の画像と比較すると、若干不明瞭である。
【0011】
したがって、低コストの連続波レーザを用いながら空間分解能にも優れたSTED蛍光顕微鏡法が求められている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第5,731,588A1号明細書
【特許文献2】米国公開公報2010/0176307号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の一様態は、試料内の蛍光体で標識された構造を撮像するSTED蛍光顕微鏡法に関する。本様態による方法は:蛍光体を励起して蛍光化し、少なくとも1個の焦点域に焦点される励起光を前記試料にパルス照射する工程と;励起蛍光体を脱励起し、前記少なくとも1個の焦点域内に強度ゼロポイントを備える脱励起光を前記試料に連続波照射する工程と;前記試料内の励起蛍光体が自然放出する蛍光を、励起光の各パルス後に前記脱励起光の照射に重ね合せた後、記録する工程と;前記照射工程および記録工程を前記励起光の焦点域および前記脱励起光の強度ゼロポイントの異なる位置で繰返し実行する工程とを備える。前記記録工程において、励起蛍光体が自然放出する前記蛍光は前記励起光の連続パルス間の時間分解能により記録される。
【0014】
本発明のその他の様態は、試料に含まれる蛍光体の変動を前記試料の空間的に制限された所定範囲内で観察するSTED蛍光相関分光法に関する。本様態による方法は:蛍光体を励起して蛍光化し、少なくとも1個の焦点域に焦点される励起光を前記試料にパルス照射する工程と;励起蛍光体を脱励起し、前記少なくとも1個の焦点域内に強度ゼロポイント備える脱励起光を前記試料に連続波照射する工程と;前記試料内の励起蛍光体が自然放出する蛍光を、励起光の各パルス後に、前記脱励起光の照射に重ね合せた後、記録する工程とを備える。前記記録工程において、励起蛍光体が自然放出する前記蛍光は前記励起光の連続パルス間の時間分解能により記録される。
【0015】
本発明の更に他の様態は、STED蛍光顕微鏡であって:試料に含まれる蛍光体を励起して蛍光化し、少なくとも1個の焦点域に焦点される励起光を前記試料にパルス照射するパルス励起光源と;励起蛍光体を脱励起し、前記少なくとも1個の焦点域内に強度ゼロポイントを備える脱励起光を前記試料に照射する連続波脱励起光源と;前記試料内の励起蛍光体が自然放出する蛍光を、励起光の各パルス後に、前記脱励起光の照射に重ね合せた後、記録する検出器(10)と、を備えるSTED蛍光顕微鏡に関する。前記検出器は、励起蛍光体が自然放出する前記蛍光を前記励起光源の連続パルス間の時間分解能により記録する。
【0016】
本発明のその他の特徴および利点は、当業者にとって、以下の図面および詳細な説明を検討することにより明確となるであろう。これらその他の特徴および利点は、特許請求の範囲により定義される本発明の範囲内に属するものとする。
【0017】
本発明は、以下の図面を参照することにより、より良い理解が可能となる。本発明の原理を明確に図示することを優先して、図面内の構成部材の縮尺は必ずしも適切ではない。図面において、類似の参照番号は複数の図面の対応する部材に対して付与されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1図1は、新規なSTED蛍光顕微鏡の実施の形態の基本設計を示す。
図2図2は、励起光の経時変化、脱励起光の経時変化、2個のゲート0および1の開放時間、および診断試料が脱励起光の強度ゼロポイント(灰色の線)および当該ゼロポイント周囲(黒色の線)で自然放出した蛍光の強度を示す。
図3図3は、図1の顕微鏡による試料内の同一構造の画像3例を示す。画像(a)は、脱励起光を用いない単純な共焦点モードによるものである。画像(b)は、図2のゲート1に記録される蛍光強度によるものである。画像(c)は、CW−STEDモードに相当する、図2のゲート0およびゲート1に記録される蛍光強度の和によるものである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
試料内の蛍光体で標識された構造を撮像する新規なSTED蛍光顕微鏡法、および試料の空間的に制限された所定範囲内で試料に含まれる蛍光体の変動を観察する新規なSTED−FCS法のいずれにおいても、励起蛍光体が放出する蛍光は、励起光の連続パルス間に高い時間分解能で記録される。すなわち、数十MHzという励起光パルスの典型的な繰り返し率においてでも、時間分解能はこの繰り返し率の逆数より大幅に高くある必要がある。本発明によれば、自然放出蛍光は、励起光パルス間の一時点ではなく、励起光の各パルスとともに開始される各周期において所定の時間間隔で記録される。これにより、自然放出蛍光の、試料の脱励起光の強度分布のゼロポイントを囲む領域外の部分を破棄、又は記録しないことが可能となる。本発明の発明者は、蛍光の脱励起光の強度分布のゼロポイント外で放出される部分と正に同一の光学的特性を有する自然放出蛍光の部分が、CW−STED画像が不明瞭に見える理由であると発見した。
【0020】
新規の本方法においては、脱励起光の強度分布のゼロポイント以外の領域外で自然放出される蛍光を破棄しても、自然放出蛍光を記録する際の高い時間分解能により、脱励起光の強度分布のゼロポイント外で自然放出される蛍光の記録を開始することが可能となり、したがって、ゼロポイント外で励起される蛍光体が脱励起光により脱励起された直後に、任意の自然放出蛍光の光子を最大数記録することが可能となる。自然放出蛍光の全記録を通して脱励起光は連続波として照射されるため、色エッジ又は帯域フィルタにより自然放出蛍光と分離され、および/又は脱励起光が適切に偏光される場合、偏光フィルタにより分離される。これらの手段はまた、誘導放出により蛍光体が放出する光を記録対象の自然放出蛍光から分離する。また、自然放出蛍光を記録する際の高時間分解能により、励起光の最終パルスとの時間間隔が大きくなり、対応して脱励起光の強度分布のゼロポイント内に残存する励起蛍光体の数が減少するのに伴って、信号対雑音比が減少し始めるとすぐに記録を終了することが可能となる。
【0021】
STED−FCS法においては、記録される自然放出蛍光がゼロポイント外の物質からの寄与を含まないため、空間的に制限される観察範囲は脱励起光の強度分布のゼロポイントまで狭められる。
【0022】
新規の本方法において、励起蛍光体が放出する蛍光を記録する時の時間分解能は、励起状態が蛍光の自然放出のみにより減衰する場合、蛍光体の励起状態の寿命より原則的に常に高い必要がある。
【0023】
好ましくは、蛍光の自然放出および最大照射強度の脱励起光により誘導される誘導放出の両方により励起状態が減衰する場合、時間分解能は少なくとも蛍光体の励起状態の寿命と同じ高さである。この寿命はまた、脱励起光の強度分布のゼロポイント外で蛍光体が自然放出する蛍光は記録せずに、試料が自然放出する蛍光を励起光の各パルス後に記録開始してもよい時間間隔を決定する。新規の本方法の実施に必要な絶対時間分解能は、求められる寿命の絶対値による。通常、時間分解能は少なくとも200ピコ秒である。好ましくは、時間分解能は少なくとも100ピコ秒である。
【0024】
自然放出蛍光の記録に高時間分解能を利用する効果的で低コストな方法として、励起光の各パルス後に放出される蛍光に対して時間ゲートを設ける。この時間ゲートは自然放出蛍光を記録する検出器に設けてもよく、その場合、検出器は時間ゲートの最中のみ検知動作する。もしくは、このゲートは検出器により記録される蛍光全体から特定の蛍光を分離するために用いてもよい。これを目的として、検出器自体とは別に時間ゲートを設けてもよい。しかしながら、蛍光の記録に用いられる各装置は求められる高時間分解能を有していなければならない。したがって、個別に設けられるゲートも高時間分解能を有する検出器、すなわち、時間ジッタのほとんどない検出器を必要とする。適切なものとして、時間ジッタが100ピコ秒以下の好適な単一光子計数検出器が市販されている。
【0025】
脱励起光の強度分布のゼロポイント外で自然放出される蛍光を分離するため、好ましくは、強度ゼロポイント外の励起蛍光体の原則的に全部が自然に又は脱励起光による脱励起により蛍光を放出した後、少なくとも1個のゲートが開放される。
【0026】
最後に残存する励起蛍光体が蛍光を放出するのを待っていると信号対雑音比が減少するにすぎないので、好ましくは、前記少なくとも1個のゲートは励起光の焦点域内の励起蛍光体の原則的に全部が蛍光を放出する前に閉鎖される。
【0027】
なお特に前段落に関して、「励起光の焦点域内の励起蛍光体の原則的に全部が蛍光を放出する前に」等の規定は統計的見地から解釈されるものとする。励起光の特定のパルス後において脱励起光の強度ゼロポイントに励起蛍光体が一切存在しない場合もあれば、ゼロポイントにおける励起蛍光体の数が非常に少ない場合もあり、これら蛍光体の全てがすぐに蛍光を放出する場合もある。
【0028】
新規の本方法において、好ましくは、前記少なくとも1個のゲートは励起光の各パルスに対して所定の時間間隔で開放および閉鎖される。すなわち、前記ゲートの開放および閉鎖は励起光の各パルスにより起動させてもよい。
【0029】
新規の本方法において、脱励起光は連続波として照射されるため、前記少なくとも1個のゲートは脱励起光の照射中に開放のみならず閉鎖される。例えば連続波レーザダイオード等の連続波固体レーザを用いて脱励起光を照射することにより、新規の本方法を実施する際、かなりのコスト削減が可能となる。
【0030】
本発明を実施するために用いられる各ゲートは、好ましくは、その時に用いられている蛍光体および測定条件に完全に合わせることができる等、開放時間および閉鎖時間に関して調整可能であると理解されるものとする。更に、前記ゲートの可調性を利用して、非常に低い光強度で非常に高い空間分解能を呈する非常に狭いゲート、および非常に高い光強度で低い空間分解能を呈する広いゲートの間での微調整が可能である。
【0031】
特に効果的で省コストな新規の本方法の一実施の形態は、交互に開放および閉鎖する2個の補完的時間ゲートを有する。当該補完的ゲートは非常に高い周波数で正確に起動される市販の装置を備える。
【0032】
また、高時間分解能で自然放出蛍光を記録することを利用して、例えば励起光の各パルス後に自然放出される蛍光に対して第1のゲートおよび時間的に連続する第2のゲートを設け、前記時間的に連続するゲートは、試料に含まれる第2の励起蛍光体より寿命の短い第1の励起蛍光体の原則的に全部が蛍光を放出した後にのみ開放される、2色又は複数色STED法として新規の本方法を実行してもよい。その結果、前記第2の励起蛍光体により自然放出される蛍光のみが前記第2の時間ゲートに記録される。脱励起光の強度分布のゼロポイントにおける前記第2の蛍光体の濃度は、前記第2のゲートの最中に記録される蛍光の強度に基づいて決定してもよい。この濃度を考慮して、ゼロポイントにおける前記第1の蛍光体の濃度について、前記第1のゲートの最中に記録される蛍光強度を診断してもよい。
【0033】
新規の本方法において、ゲートを設ける代わりに、複数の時間的に連続するチャンネルに蛍光を記録してもよい。そして、どのチャンネルに記録される蛍光強度又は総数を診断するかは後に選択してもよい。ゲートを設けても、所定の時間的に連続するチャンネルを選択しても診断に基本的な違いはない。しかしながら、高時間分解能のゲートを設ける方が、複数の時間的に連続するチャンネルに同じ時間分解能で蛍光を記録するより低コストの可能性がある。
【0034】
新規の本STED蛍光顕微鏡において、前記検出器は励起蛍光体により自然放出される蛍光を励起光源の連続パルス間に高時間分解能で記録する。好ましくは、前記検出器は特定の自然放出蛍光を分離する時間ゲートを備える。なお、自然放出蛍光を記録する際の適当な時間分解能は、前記検出器自体、および励起光源からの励起光の各パルス後に所定の時間間隔で自然放出蛍光のみを記録するために前記検出器に設けられる所定の装置により決定されることは自明である。
【0035】
上述したように、前記検出器は、各光子の到達時間を時間ジッタほとんどなしで求める単一光子計数器および個別のゲートを備えていてもよい。前記個別のゲートは、電子的に又はソフトウエア内に設けてもよい。このような実施例は両方とも当業者に周知である。
【0036】
新規の本STED蛍光顕微鏡は、励起光源の焦点域および脱励起光源の強度ゼロポイントを用いて試料を走査する走査ステージを備えていてもよい。前記走査ステージは試料を移動してもよく、又は好ましくは、励起光源の焦点域、脱励起光源の強度ゼロポイント、および前記検出器の検出域を同時に移動する光学素子を用いてもよい。前記走査ステージは、FCS法における新規の本STED顕微鏡の使用に必ずしも必須ではない。
【0037】
新規の本STED顕微鏡の更なる詳細は、本発明の新規な本方法を説明した際に既に説明済みである。
【0038】
新規の本方法および新規の本STED顕微鏡はいずれも、励起光および脱励起光を照射するため、および自然放出蛍光を、励起光の複数の個別焦点域内で脱励起光の強度分布の複数の個別ゼロポイントに対して同時に記録するため用いてもよいことは自明である。既知のSTED顕微鏡のその他の好ましい実施の形態を本発明に設けてもよい。そのような実施の形態は、空間分解能をz方向に高めるための励起光の波長での蛍光体の二光子又は多光子励起、および音響光学変調器により波長のスーパーコンティニウムの任意の波長により励起光を選択して、例えば、様々な蛍光体の吸収スペクトルに適合させるものを含む。このスーパーコンティニウムは通常、レーザからの高エネルギパルスを適切な光導波路又は光ファイバに導入することにより得られる。
【実施例】
【0039】
図面をさらに詳細に参照して、図1は、本発明によるSTED蛍光顕微鏡1を示す。前記顕微鏡1はFCS法に用いてもよい。しかしながら本実施の形態は試料2内の蛍光体で標識された特定の構造を撮像するものであり、x方向、y方向およびz方向を指す矢印で示す走査ステージを備える。試料2内の蛍光体は励起光源4によりパルス放出される励起光3により励起されて蛍光化される。前記励起光3は、ダイクロイックミラー5を介して、前記励起光3を前記試料2内の焦点域に焦点する対物部6へ向けて反射される。前記ダイクロイックミラー5と前記対物部6との間において、前記励起光3は更なるダイクロイックミラー7およびその他の光学素子8を通過する。前記対物部6により前記試料2内で焦点される前記励起光3の焦点域は、回折限界により制限される最小寸法を有する。すなわち、試料内の励起蛍光体が自然放出する、検出器10により記録される蛍光9は、光学的に標準の空間分解能で試料の所定の点に割当てられてもよい。その結果、前記焦点された励起光3を用いて前記試料2を走査することにより得られる前記試料2内の特定の構造の画像は、回折限界により範囲が決められる空間分解能を有するのみとなる。回折限界を克服するため、前記STED顕微鏡1は、STED光又は脱励起光12を連続波として出力する更なる光源11を備える。位相マスク13を用いて、前記対物部6により焦点される前記脱励起光12の強度分布が前記試料2内の前記励起光3の焦点域内でゼロポイントを有するよう、前記脱励起光12の波面を変形させる。このゼロポイント外のいずれの地点においても、前記脱励起光12は前記励起光3により励起される蛍光体を誘導放出させる。誘導された光は、前記自然放出蛍光9の波長とは異なり、前記検出器10の前に配置されるフィルタ14により遮断してもよい、前記脱励起光12と同一の波長を有する。前記試料2が反射する前記励起光3および前記脱励起光12の一部も前記フィルタ14により前記検出器10から遮断する。その結果、前記検出器10は前記試料2外で自然放出される蛍光のみを記録する。ここで、目指す、前記検出器10の信号の前記脱励起光12の強度分布のゼロポイントへの高空間分解能での割り当ては、前記検出器が高時間分解能で自然放出蛍光を検出し、前記励起光源4からの励起光3の各パルスが起動する時間ゲート15を用いて前記検出器10からの信号を収集カード(Acquisition Card)16の2個のゲート0および1内に別々に収集することにより、可能となる。
【0040】
図2は、前記励起光3、前記脱励起光12、前記ゲート0および1、および試料内の蛍光体からの蛍光強度の経時変化を示す。この蛍光強度は、脱励起光の強度分布のゼロポイント(灰色の線:ISTED=0)およびゼロポイントの周囲について示されており、脱励起光の強度が、誘導放出により非常に短時間で励起蛍光体が完全に脱励起される飽和強度Iの5倍を超える。脱励起光の強度分布のゼロポイントにおける蛍光強度の経時変化は、蛍光の自然放出によってのみ減衰する蛍光体の励起状態の寿命により決まる。ゼロポイント周囲において、蛍光強度の経時変化は、脱励起光による誘導放出の結果大幅に短縮される寿命により決まる。
【0041】
図1の前記検出器10により記録される蛍光強度は、脱励起光の強度分布のゼロポイントとその周囲外、両方からの自然放出蛍光を含む。しかしながら、ゲート1、ゼロポイント周囲の蛍光体の励起状態が減衰した後にのみ開放し、前の励起光パルスにより励起された蛍光体が原則的に全て蛍光を放出すると閉鎖するよう設けることにより、ゲート1で記録される蛍光は完全に脱励起光の強度分布のゼロポイント外となるため、当該ゼロポイントに割当てられてもよい。ゲート0はゲート1を補完するものである。ゲート0はゲート1が開放すると閉鎖し、ゲート1が閉鎖すると開放する。ゲート0に記録される蛍光強度は、脱励起光の強度分布のゼロポイント外およびその周囲外の蛍光を両方含む。したがって、ゲート0に記録される自然放出蛍光の絶対強度は、ゲート1に記録される強度より大幅に高くなる。更に、ゲート0においても、前記脱励起光12は脱励起光の強度分布のゼロポイント外の蛍光体による寄与を大幅に減少させる。したがって、ゲート0に収集される蛍光強度のみを診断する場合でも、前記脱励起光12により空間分解能が回折限界を超えて向上する。
【0042】
図3は、本発明により得られる空間分解能(b)を、共焦点蛍光顕微鏡法(a)およびCW−STED顕微鏡法(c)において得られる空間分解能と比較するものである。図3の画像は全て、蛍光体で標識された試料内の同一構造を示す。最も明度が高い画像(a)は、脱励起光によって蛍光強度が低下しない共焦点モードで得られたものである。結果、画像(a)は最も低い空間分解能を呈する。CW−STEDモードにおいて、図2のゲート0および1に記録された強度を付加することにより得られた画像(c)では、明度の低下とひきかえに空間分解能が向上している。しかしながら、構造はまだ不明瞭である。本発明によって、すなわち、図2のゲート1に収集される自然放出蛍光のみに基づいて得られた画像(b)では、明度が更に低下して空間分解能が更に向上している。しかしながら、信号対雑音比は高いままであり、対象の構造が周囲に対してコントラスト高く画像化されている。
【産業上の利用可能性】
【0043】
本発明によれば、連続波脱励起光の強度を原則的に低下させることが可能である。適当な自然放出蛍光のみを記録する前記ゲート1を設けることにより、当該ゲートで記録される信号は全て、試料内の脱励起光の強度分布ゼロポイントの目標位置に直接割当てることが可能となる。光強度が低ければ、試料に、特にそれが生体試料であれば、与える損傷効果が低い。したがって、本発明によれば、非常に高強度の光を照射することにより損傷させることなく生体試料を診断することも可能となる。本発明は詳細には、励起光の焦点域に約20mW光パワーという低強度の脱励起光を照射することにより実施してもよい。
【0044】
本発明の精神および原理から実質的に逸脱しない限り、本発明の好ましい実施の形態に様々な変更および修正を加えてもよい。そのような変更および修正は全て、以下の特許請求の範囲により定義する本発明の範囲に属するものとする。
【符号の説明】
【0045】
1 顕微鏡
2 試料
3 励起光
4 励起光源
5 ダイクロイックミラー
6 対物部
7 ダイクロイックミラー
8 光学素子
9 自然放出蛍光
10 検出器
11 脱励起光源
12 脱励起光
13 位相マスク
14 フィルタ
15 時間ゲート
16 収集カード
図1
図2
図3