【実施例】
【0031】
図1(a)に示す本発明の取付部材1の第1実施例は、凹部21を有する第1部材2と凸部31を有する第2部材3とを枢着してなり、前記第1部材2は、
図2に示すように外装面4に形成される突状部40の一方側(図面左側)に配され、前記第2部材3は、突状部40の他方側(図面右側)に配されるものである。
なお、前記第1部材2と第2部材3とは、
図3(b)に示すように第1部材2より第2部材3の方が短い態様が多いが、特に限定するものではなく、例えば
図1(d)では両部材2,3を同じ長さとした(=取付部材1')が、第2部材3が長くてもよい。
【0032】
前記第1部材2は、取付時に回動させる第2部材3に対し、突状部40の一方側に固定(不動)するものであり、第2部材3の回動の支点(軸)である凹部21を有し、突状部40の一方側に係止する第1係止部22と、太陽電池モジュール等を支持する支持部23と、ボルト材である締着具2xを挿通させる通孔24と、を有する構成である。
図示実施例の第1部材2は、
図1(b)に示すように下端が屋根面4に接地する接地面25である縦片2Aの上方へ延在する首状部2Bを介して上面が支持部23である頭状部2Cを備え、前記首状部2Bの右側には、下方へ向かう傾斜部2Dが形成される成形体であって、突状部40の一方側を包囲状に覆うように配される。
そして、前記縦片2Aの下端に内側へ突出する第1係止部22が設けられている。
また、前記頭状部2Cの頂部に設けられる支持部23の略中央には、上方が開放する溝部231が設けられている。
前記傾斜部2Dの基端には、断面が略円弧状の凹部21が形成されている。この凹部21は、内径が、後述する第2部材3の凸部31の外径より僅かに大きく、且つ下方が開放する形状としたが、その開放幅は、凸部31の外径よりも小さく形成している。そのため、凹部21に凸部31を嵌め付けた状態では、脱落することが無く、回転自在に枢着される。
前記傾斜部2Dの略中央には、斜め上方が開放する溝部26が設けられ、その底部には通孔24が形成されている。この溝部26には、雌螺子部としてナット2yが装着されている。
【0033】
前記第2部材3は、突状部40の他方側に配する部材であって、取付時に回動させるものであり、回動の支点(軸)である凸部31を有し、突状部40の他方側に係止する第2係止部32と、締着具2xの下端が当接する当接受部33と、を有する構成である。
図示実施例の第2部材3は、
図1(c)に示すように略イ状の成形体であって、その上端に設けられる凸部31は、断面略円形状であり、その下端に設けられる第2係止部32は、内側へ突出する突出片状であり、その下面が屋根面4に接地する接地面34である。また、その高さの中程に設けられる当接受部33は、受け溝状であって、締着具2xの下端を位置規制する規制部331が形成されている。
【0034】
なお、
図1(a)に示す取付部材1には、ボルト材である締着具2xを溝部26の外側に配設したナット2zを貫通させて溝部26内に装着したナット2yに取り付けたが、このナット2zは、ボルトの緩み止めの作用を果たす。即ち地震等に起因する外力が作用した場合にも締め込んだ締着具2xが緩むことにより突状部40から脱離するような事故を防止することができる。
【0035】
そして、前記第1部材2(の凹部21)と前記第2部材3(の凸部31)とを枢着した状態の取付部材1を、
図2に示すように外装面4の突状部40に配設し、第1部材2の第1係止部21を突状部40の一方側(図面左側)に沿わせると共に、上方から締着具2xを締め付けて第2部材3を回動させ、第2部材3の第2係止部31を突状部40の他方側(図面右側)に係止することができる。
詳しくは、第1の工程として、
図2(c),(e)に示すように第1部材2と第2部材3とを枢着した状態の取付部材1を外装面4,4IIの突状部40,4iiに臨ませる。
この状態で第2の工程として、上方から各種治具を用いて締着具2xを締め付ける(締め込む)と、図示するように締着具2xの先端が当接受部33を押圧するため、第2部材3が軸21,31に対して次第に回動する。
その結果、
図2(a),(d)に示すように第2部材3の第2係止部32が突状部40の他方側に係止する。
【0036】
なお、
図2では、突状部40,40iiの構成が異なる2種の外装面4,4IIに前記構成の取付部材1を取り付けた例を示したが、
図2(a),(c)における突状部40は、左右の外装材4A,4Aの側縁を略垂直状に立ち上げ、該立ち上げ部分の上端をカシメて形成したものである。この外装面4では、外装材4A,4Aの平坦状の面板部が前記取付部材1の接地面25,34を受支する受部である。したがって、前記第2の工程において、締着具2xを締め込んだ際に、
図2(b)に示するように、第2部材3は、接地面34が外装材4Aの面板部上を滑るように回動する。
【0037】
また、
図2(d),(e)における突状部40iiは、左右の外装材4B,4Bの側縁を略垂直状に立ち上げ、該立ち上げ部分を吊子4Cにて保持すると共に、その外側に、下端(弾性嵌合部)を略く字状に成形したキャップ状のカバー材4Dを取り付けて形成したものである。この外装面4IIでは、外装材4B,4Bの面板部に設けた隆状台部41,41が前記取付部材1の接地面25,34を受支する受部である。したがって、前記第2の工程において、締着具2xを締め込んだ際には、図示しないが、第2部材3は、接地面34が外装材4Aの隆状台部41上を滑るように回動し、取付部材1の第1係止部22及び第2係止部32は突状部40iiの前記弾性嵌合部に係止する。
【0038】
このように、本発明の取付部材1では、上方から締着具2xを締め込むことにより、当接受部33が押圧応力を受けて第2部材3が回動し、第2係止部32が突状部40の他方側に係止するものである。
これに対し、
図2(f)に示すような従来の取付部材9では、略水平状に配されたボルトナット91,92を締め付けて左右の各部材9a,9bの下端に形成した係止部93,94を突状部40'に係止するものである。
したがって、従来の取付部材9では、ボルトナット91,92が、突状部40'の上方に配されるのに対し、本発明の取付部材1では、締着具2xが突状部40,4A'の高さに関係なく配されるという相違がある。そのため、従来では、最も締め付け応力が作用する部位(=ボルト91の頭部やナット92が当接する部分)と突状部4'を係止する部位(=係止部93,94)との間に距離(少なくとも突状部4'の高さ以上)が生じ、本発明では、そのような制限がないため、図示するように突状部4,4'の高さに満たない近接しているため、応力の伝搬が直接的であり、また締め過ぎが部材の変形を生じ難いという効果を生ずる。
【0039】
図3は、前記構成の取付部材1を、太陽電池モジュール5の取付構造に用いた実施例であって、前記取付部材1の支持部23に、太陽電池モジュール5を直接的に固定し、支持部23に設けた溝部231に取り付けられた締着手段(ボルト1a,ナット1b)にて押さえ材6を固定した構成である。
図示実施例の太陽電池モジュール5は、太陽電池50の周縁に所定形状のフレーム(枠)5b,5cを一体的に固定したパネル状であって、該太陽電池モジュール5,5の流れ方向の側縁を、断面形状が逆ハット状の押さえ材6にて押さえる構成である。
この実施例における押さえ材6は、前述のように断面逆ハット状のピース材であり、前記ボルト1aの取付孔を有する底状部62の両側縁を立ち上げ、その上端を外方へ延在させて押さえ部61,61とした構成である。
前記取付部材1の支持部23に設けられた溝部231に、締着手段としてボルト1aをスライド可能に保持させ、該ボルト1aにナット1b,1cを取り付けて位置調整すると共に押さえ材6を任意(所定)の位置に締着することができる。
【0040】
このような構成を有する太陽電池モジュール5の取付構造は、前記取付部材1の支持部23に太陽電池モジュール5を取り付けた構成であり、突状部40を備える外装面4に対し、太陽電池モジュール5を簡易な構造にて取り付けることができる。
特に図示実施例では、支持部23に、締着手段1aをスライド可能に保持する溝部231が形成され、締着手段1aの頭部を収納した状態で位置調整を可能としたので、支持部23に取り付ける太陽電池モジュール5を取り付ける際に、適宜に位置調整して取付を容易に実施することができる。
【0041】
図4(a)に示す第2実施例の取付部材1IIは、前記第1実施例の取付部材1における第1部材2の首状部4bがない第1部材2IIを用いた以外は、ほとんど同様であって、図面に同一符号を付して説明を省略する。
なお、
図4(b)では、両部材2II,3を同じ長さとした(=取付部材1II')が、前述のように前記第1部材2IIと第2部材3とは、
図5(b)に示すように第1部材2IIより第2部材3の方が短い態様が多いが、特に限定するものではなく、第2部材3が長くてもよい。
【0042】
図4(c)〜(f)には、突状部40,40ii,40iii,40ivの構成が異なる2種の外装面4,4II,4III,4IVに前記構成の取付部材1IIを取り付けた例を示した。ここで、
図4(c)に示す外装面4及び突状部40は、前述の
図2(a),(c)における外装面4及び突状部40と全く同様であり、
図4(d)に示す外装面4II及び突状部40iiは、前述の
図2(d),(e)における外装面4II及び突状部40iiと全く同様であるから説明を省略する。
【0043】
図4(e)における突状部40iiiは、縦長状であって、左右の外装材4E,4Eの側縁を略垂直状に立ち上げ、該立ち上げ部分を吊子4Fにて保持すると共にその外側に、下端(弾性嵌合部)を略円弧状に成形したキャップ状のカバー材4Gを取り付けて形成したものである。
【0044】
図4(f)左右の外装材4H,4Hの側縁を略傾斜状に立ち上げ、該立ち上げ部分に設けた略く字状の被保持部分を吊子4Iに弾性的に保持させると共に、一方の側縁(=図では左側に配した外装材4Hの側縁)を他方の側縁(=図では右側に配した外装材4Hの側縁)に重合させて弾性的に嵌合させて形成したものである。この外装面4IVでは、外装材4H,4Hの面板部に設けた第2立ち上がり部42,42の頂部が前記取付部材1IIの接地面25,34を受支する受部である。また、取付部材1IIの第1係止部22及び第2係止部32は、突状部40ivの前記被保持部分に係止する。
【0045】
図5は、前記構成の取付部材1IIの支持部23に、横桟7Aを介して太陽電池モジュール5を間接的に固定した取付構造の実施例であって、この太陽電池モジュール5は、前記
図3における太陽電池モジュール5と全く同様であって、図面に同一符号を付して説明を省略する。
この実施例における横桟7Aは、
図5(b)に示すように略中央に最も高い塔状部71を、その流れ方向の前後に次に高い台状の支持受部72,72を、その更に流れ方向の前後に、最も低い略J字状の固定受部73,73を有する構成であり、前記塔状部71の頂部には、上方が開放する溝部711が設けられている。
そして、各固定受部73には、それぞれ固定板7bが被覆するように配設され、該固定板7bは前記取付部材1IIの溝部231に取り付けられた締着手段(ボルト1d,ナット1e)にて固定されるので、この横桟7Aは前記取付部材1IIの支持部23に取り付けられるものとなる。
また、この横桟7Aの溝部711には、締着手段としてボルト7cがスライド可能に保持させ、該ボルト7cに取り付けてスライド可能であって、該ボルト7cを挿通させた押さえ材6'を任意(所定)の位置に調整してナット7dを締着して固定できる。
なお、この実施例における押さえ材6'は、底状部62の両側縁の立ち上げ高さが前記
図3などの実施例における押さえ材6と比べて低いが、同様に押さえ部61,61にて太陽電池モジュール5の流れ方向の側縁を押さえる構成である。