【実施例】
【0038】
図1(d),(e)に示す本発明の取付部材1の第1実施例は、受けフランジ21と、外装面5に形成される山状部分である突状部51への取付部22とを有する左右一対の持出架台2と、取付ボルト4の頭部41を保持する保持部31と、下方へ延在する脚片部32と、該脚片部32の下端に形成される係止部321と、を有する保持材3とを一体的に連結してなり、
図1(a)や
図1(c)に示す操作を実施して施工するものである。
【0039】
前記持出架台2は、外装面5に形成される突状部51に固定する左右一対の部材であって、受けフランジ21と、突状部51への取付部22とを有する構成であり、老朽化した外装面上に新たな外装面を上葺きする二重葺き構造や外装面上に雪止め金具や避雷針等の外設部材を取り付ける取付構造などに用いられる通常の持出架台に簡単な加工(挿入口211を形成する加工)を加えて適用(流用)したものである。なお、受けフランジ21に設けられた円孔212は、本案の保持材を用いない場合(取付ボルトの立設を必要としない場合)の締着用であり、本実施例においては持出架台をボルト立設の有無で共通化(兼用)を図ったものである。
【0040】
図示実施例の持出架台2は、
図1(c)に示すように下端が外装面5に接地する下フランジ状の着座部23を備え、その直上に下から順に、突状部51の頂部に形成される凸部511の基端を挟持する括れ状の挟持部221、凸部511を包持する膨出状の包持部222、略垂直状の縦片部223、が形成され、上端に略水平状の受けフランジ21が設けられた構成である。
また、前記縦片部223には、締付機構224としてのボルト(224B)を貫通させる通孔が形成され、前記挟持部221、包持部222、縦片部223、及び締付機構224にて取付部22が形成されている。なお、この持出架台2は、左右一対の部材であるから、各部位は一体化以前の状態の図面には、左側部材であれば末尾にLを、右側部材であれば末尾にRを付記し、締付機構224を構成するボルトには末尾にBを、ナットには末尾にNを付記した。
そして、左右の受けフランジ21に簡単な加工により、
図1(b)に示すように内側に位置する奥行き方向の幅(奥幅)が幅狭部分211aと、その外側に位置する奥幅が幅広部分211bとからなる挿入口211が設けられている。この幅狭部分211aは、後述する保持材3の脚片部32の奥幅より広く、係止部321の奥幅より幅狭に形成され、幅広部分211bは、係止部321の奥幅より幅広に形成されている。
【0041】
前記保持材3は、前述のように取付ボルト4の頭部41を保持する保持部31と、下方へ延在する脚片部32と、該脚片部32の下端に形成される係止部321とを有する構成である。
【0042】
図示実施例の保持材3は、保持部31が、下方が開放する矩形状の枠体であり、その略水平状の上面311には取付ボルト4を上方へ突出させるための通孔が形成され、その側面312は略垂直状の縦片にて形成されている。この保持部31の左右方向の幅は、予め取付ボルト4の頭部41の幅と略等しく形成されており、この保持部31の高さは、予め取付ボルト4の頭部41の高さと略等しく形成されている。より詳細には保持部31の上面部裏面と受けフランジ21の表面との間隔を、取付ボルト4の頭部41とほぼ同じ高さとしている。
また、脚片部32は、前記保持部31の側面を下方へ延在させた略垂直状の縦片状であり、係止部321は、前記脚片部32の下端を左右方向の外方へ略水平状に折曲した横片状であり、その奥行き方向の幅(奥幅)は前記挿入口211の幅狭部分211aの奥幅よりも幅広に形成され、その左右方向の幅(横幅)は前記挿入口211の横幅よりも幅広に形成されている。
【0043】
前記構成の左右一対の持出架台2と保持材3とを連結するには、
図1(a)に示すように持出架台2の受けフランジ21(21L,21R)に形成した挿入口211のうち、奥幅が広い幅広部分211bから保持材3の係止部321を挿入する。具体的には中央に配置させた保持材3に対し、左右一対の持出架台2を外側から臨ませて係止部321を奥幅が広い幅広部分221bから挿入する。そして、
図1(c)に示すように持出架台2の取付部21を外装面5の突状部51(凸部511)に沿わせようとする、即ち左右の受けフランジ21(21L,21R)が連続するように持出架台2を一体化すると、左右の係止部321,321に対し、持出架台2を構成する右側部材及び左側部材が傾動するため、各係止部321は奥幅が狭い幅狭部分211aに配置されるものとなり、脱離が防止されて連結される。なお、この操作が後述する外設部材の施工法の第1の工程となる。この状態における連結とは、分離しない状態に連結されていることを示している。
【0044】
なお、
図1(c)に示した外装面5上に形成される突状部51は、後述する
図2や
図3に示す外設部材の取付構造の実施例に用いるものと同様であり、山状部分と谷状部分とが連続する構成の外装面において、山状部分を指すものである。図示実施例では、この山状部分である突状部51の頂部に凸部511が形成された構成であり、タイトフレーム5B上に固定された吊子5Cの起立片に、左右の外装材5A,5Aの側縁の端部を略垂直状に立ち上げてカシメて形成したものである。
【0045】
そして、この取付部材1を外装面5に形成される突状部51に取り付けるために、左右の受けフランジ21L,21Rが連続するように一体化させると、この第1実施例では、係止部321,321の左右方向の外側が挿入口211.211の左右方向の最外側より外側に位置され、係止部321,321の奥行き方向の外側が挿入口211,211の奥行き方向の最外側より外側に位置され、左右の各係止部321が受けフランジ21L,21Rの裏面に重合状に係止し、保持部31内の取付ボルト4が受けフランジ21上に起立されるものとなる。
具体的には、左右の各係止部321の係止について、前述のように左右方向の外側ばかりでなく奥行き方向の外側でも受けフランジ21の裏面に重合状に係止するので、極めて安定に係止されるものとなる。
また、取付ボルトの起立については、左右の包持部222L,222Rにて突状部51の頂部に形成された凸部511を覆うと共に、左右の挟持部221L,221Rにて凸部511の基端を挟み込むように配置させると、左右の受けフランジ21L,21Rが連続するので、この状態で締付機構であるボルト224Bにナット224Nを締め付けて固定する。
なお、この操作が後述する外設部材の施工法の第2の工程となる。
【0046】
このように取付部材1の突状部51への取付方法(操作)としては、通常の持出架台の施工と全く同様であるが、この取付部材1は前述の構成を有するので、半ば自動的に保持材3の保持部31内の取付ボルト4が起立されるものとなる。
即ち前述のように、取付ボルト4を保持する保持材3を持出架台2に組み付けているため、保持部31の開放下面を左右の受けフランジ21L,21Rが塞ぐ状態となり、保持部31内の取付ボルト4を半ば自動的(強制的)に起立させることができる。特にこの第1実施例では、前述のように予め保持部31の高さを、取付ボルト4の頭部41の高さと略同一に形成したので、保持部31内の取付ボルト4の頭部41の頂面(下端)が受けフランジ21L,21R上に保持部31にて押し付けるように密接状に接して起立させることができる。
【0047】
図2や
図3に示す構造は、前記第1実施例の取付部材1を用いて外設部材6である太陽電池モジュールの取付構造の一例であって、外装面5及び突状部51の構造については、前記
図1(c)の説明にて記述したとおりである。
なお、
図2(a)では、前記取付部材1を予め一体状に組み付けた後に外装面5に取り付けるように示しているが、実際には前述のように、取付部材1を組み立てつつ突状部51に取り付けて一体化させる、即ち組立と取付とが同時に行われるものである。
そして、図示実施例では取付部材1の受けフランジ21に、直接的に外設部材6である太陽電池モジュールを支持させると共に、取付部材1に起立させた取付ボルト4に断面逆ハット状の押さえ材7を配してナット4Nを取り付けて固定している。
【0048】
図示実施例の太陽電池モジュール6は、太陽電池60の周縁に所定形状のフレーム(枠)6b,6cを一体的に固定したパネル状であって、該太陽電池モジュール6,6の流れ方向の側縁を、断面形状が逆ハット状の押さえ材7にて押さえた構成である。
この実施例における押さえ材7は、前述のように断面逆ハット状のピース材であり、前記取付ボルト4が挿通する通孔721を有する底状部72の両側縁を立ち上げ、その上端を外方へ延在させて押さえ部71,71とした構成である。
【0049】
このような構成を有する太陽電池モジュール6の取付構造は、前記取付部材1の受けフランジ21に太陽電池モジュール6を取り付けた構成であり、突状部51を備える外装面5に対し、太陽電池モジュール6を簡易な構造にて取り付けることができる。
しかも受けフランジ21に取付ボルト4が起立状に取り付けられているので、該取付ボルト4に押さえ材7を装着し、ナット4Nを締め付けることにより、太陽電池モジュール6,6を容易に取り付けることができる。
【0050】
さらに、図示実施例では、前述のように保持材3の保持部31の高さを、予め取付ボルト4の頭部41の高さと略等しく形成したので、取付ボルト4が安定に起立しており、しかも保持部31の幅を、予め取付ボルト4の頭部41の幅と略等しく形成したので、ナット4Nの締め付けに際して取付ボルト4が共周りすることもない。
【0051】
図4には、持出架台の受けフランジに形成する挿入口、及び保持材の係止部に関するバリエーションを示した。
【0052】
図4(a),(b)に示す第2実施例の取付部材1IIは、前記第1実施例における持出架台2に、係止部321'を縦片状に形成した保持材3'を組み合わせたものである。
この第2実施例の取付部材1IIでは、前記第1実施例と同様に外側に位置する奥幅が広い幅広部分211bから係止部321'を挿入し、左右の受けフランジ21(21L,21R)が連続するように持出架台2を一体化すると、左右の係止部321',321'に対し、上方から持出架台2を構成する右側部材及び左側部材が傾動するため、各係止部321'は奥幅が狭い幅狭部分211aに配置されるものとなり、脱離が防止されて連結される。なお、この第2実施例の係止部321'は縦片状に形成されているので、前述のように左右の受けフランジ21が連続するように持出架台2を一体化させることにより、係止部321'の上端縁が受けフランジ21の裏面に突き立てられるように係止される
【0053】
図4(c),(d)に示す第3実施例の取付部材1IIIは、挿入口211'を各受けフランジ21'の略中央の外側から切り込んで形成した持出架台2'に、前記第2実施例における保持材3'を組み合わせたものである。
この第3実施例の取付部材1IIIでは、挿入口211'の切り込み端縁(外側)から挿入した後に係止部321'を受けフランジ21'の裏面側に位置するように配置させ、挿入口211'の内側まで配置させると脱離が防止されて連結される。そして、取付状態では、係止部321'の上端縁が受けフランジ21'の裏面に突き立てられるように係止される点では前記第2実施例と同様である。
【0054】
図4(e),(f)に示す第4実施例の取付部材1IVは、前記第3実施例における持出架台2'に、前記第1実施例における保持材3を組み合わせたものである。
この第4実施例の取付部材1IVでは、挿入口211'の切り込み端縁(外側)から係止部321を受けフランジ21'の裏面側に位置するように配置させ、挿入口211'の内側まで配置させる点では前記第3実施例と同様であり、取付状態では、係止部321の面が受けフランジ21'の裏面に接面状に係止される点では前記第1実施例と同様である。
【0055】
図4(g),(h)に示す第5実施例の取付部材1Vは、挿入口211"を一条のスリット状に形成した持出架台2"に、前記第2,第3実施例における保持材3'よりも係止部321"の前方側を長く形成した保持材3"を組み合わせたものである。
この第5実施例の取付部材1Vでは、下段に図示したように傾斜状に臨ませた係止部321"の前方側を挿入口211"から裏面側へ配置させ、徐々に係止部321"の全体を裏面側へ配置させる。
【0056】
図5には、持出架台2*の受けフランジ21*に略矩形状の挿入口213を形成し、該持出架台2*に組み合わせる保持材3VI〜3IXの係止部321vi〜321ixの左右方向の幅(横幅)を前記挿入口213の横幅より大きく形成したバリエーションを示した。
【0057】
図5(a),(b)に示す第6実施例の取付部材1VIは、保持材3VIの係止部321viの奥幅が脚片部32viと同幅で形成される以外は前記第1実施例と略同様である。
この第6実施例では、係止部321vi,321viの左右方向の外側が挿入口213.213の左右方向の最外側より外側に位置され、受けフランジ21*,21*の裏面に重合状に係止する。
【0058】
図5(c),(d)に示す第7実施例の取付部材1VIIは、係止部321vii以外の脚片部32viiの奥幅が、挿入口213の奥幅より大きく形成されているので、保持材3VIIの係止部321viiのみが挿入口213に挿通されて裏面側へ配置される以外は前記第1実施例と略同様である。
この第7実施例では、係止部321vii,321viiの左右方向の外側が挿入口213.213の左右方向の最外側より外側に位置され、受けフランジ21*,21*の裏面に重合状に係止する。さらに、脚片部32vii,32viiの下端が受けフランジ21*,21*の表面に突き合わせ状に係止する。
【0059】
図5(e)に示す第8実施例の取付部材1VIIIは、保持材3VIIIの係止部321viiiが脚片部32viiiより幅狭に形成される以外は前記第1実施例と略同様である。
この第8実施例では、係止部321viii,321viiiの左右方向の外側が挿入口213.213の左右方向の最外側より外側に位置され、受けフランジ21*,21*の裏面に重合状に係止する。
【0060】
図5(f)に示す第9実施例の取付部材1IXは、保持材3IXの係止部321ixが複数形成される以外は前記第1実施例と略同様である。
この第9実施例では、各係止部321ixの左右方向の外側が挿入口213.213の左右方向の最外側より外側に位置され、受けフランジ21*,21*の裏面に重合状に係止する。なお、この場合、挿入口が複数形成されるものでもよい。
【0061】
図5(g)に示す持出架台2#には、前述のように取付ボルトの立設を必要としない場合の締着用として穿設された円孔212と、前記第6〜9実施例のために形成した挿入口213とが恰も連結した形状の孔214が形成されている。この挿入口214は、円孔212内に糸鋸状の切削具を挿入し、矩形状の挿入口213を形成したものと見なすこともできる。
このような持出架台2#の挿入口214でも、少なくとも前記第6,7,9実施例における持出架台2*に代えても何等支障がなく、保持材3VI,3VII,3IXの係止部321vi,321vii,321ixの取付に際して全く同様に取り付けることができる。