特許第5777009号(P5777009)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5777009廃ガスからCO2を分離回収する方法及び装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5777009
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】廃ガスからCO2を分離回収する方法及び装置
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/62 20060101AFI20150820BHJP
   B01D 53/14 20060101ALI20150820BHJP
   C01B 31/20 20060101ALI20150820BHJP
【FI】
   B01D53/62
   B01D53/14 100
   C01B31/20 B
【請求項の数】12
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-287423(P2011-287423)
(22)【出願日】2011年12月28日
(65)【公開番号】特開2013-136012(P2013-136012A)
(43)【公開日】2013年7月11日
【審査請求日】2014年4月3日
(73)【特許権者】
【識別番号】511069116
【氏名又は名称】水素燃料開発株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091502
【弁理士】
【氏名又は名称】井出 正威
(74)【代理人】
【識別番号】100125933
【弁理士】
【氏名又は名称】野上 晃
(72)【発明者】
【氏名】吉野 賢二郎
(72)【発明者】
【氏名】源平 浩己
(72)【発明者】
【氏名】稲村 潤一郎
【審査官】 長谷川 真一
(56)【参考文献】
【文献】 特表平07−508463(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0113957(US,A1)
【文献】 特開平05−049838(JP,A)
【文献】 特開2010−194530(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/34−53/96
B01D 53/14−53/18
C01B 31/00−31/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
MgH又はMgを水又は水蒸気と接触させて酸化反応させて得られたMgOを用いて廃ガスからCOを分離回収する方法であって、COを含有する廃ガスを前記MgOと接触させてMgCOを生成させることにより廃ガスからCOを除去する第一の工程と、第一の工程で生成されたMgCOを230℃〜300℃にて加熱分解してMgO及びCOのそれぞれに分離して回収する第二の工程とを含み、第二の工程で回収したMgOを第一の工程で用いるMgOとしてリサイクルすることを特徴とする方法。
【請求項2】
第一の工程で生成した熱を、MgCOの加熱分解の加熱源として使用する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
廃ガスの熱を用いて第二の工程の加熱を行う、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
廃ガスは予め脱硫されている、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第二の工程で回収されたCOは貯槽に搬送される、請求項1〜4の何れか1項に記載の方法。
【請求項6】
MgH又はMgを水又は水蒸気と接触させて酸化反応させて得られたMgOを用いて廃ガスからCOを分離回収する装置であって、COを含有する廃ガスを前記MgOと接触させてMgCOを生成させる反応装置(1a)と、生成したMgCOを廃ガスから分離する分離装置(1b)と、分離されたMgCOを230℃〜300℃にて加熱分解してMgO及びCOのそれぞれに分離して回収する加熱装置(2)と、回収されたMgOを前記反応装置(1a)に搬送してリサイクルする搬送装置(25)とを少なくとも備えることを特徴とする装置。
【請求項7】
前記反応装置(1a)で発生した熱を、MgCOの加熱分解の加熱源として供給する熱交換器(15)を更に備えている、請求項6に記載の装置。
【請求項8】
廃ガスの熱を、前記加熱装置(2)の加熱源として供給する熱交換器(21)を更に備えている、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
廃ガスは予め脱硫されている、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記分離装置(1b)は、バグフィルタである、請求項6に記載の装置。
【請求項11】
前記搬送装置(25)は、前記加熱装置(2)と前記反応装置(1a)との間を連結するスクリューフィーダである、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記加熱装置(2)から回収されたCOが搬送される貯槽(24)を更に備えている、請求項6〜11の何れか1項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸化マグネシウム(本明細書では「MgO」と記す)を媒体として廃ガスから二酸化炭素(本明細書では「CO」と記す)を分離回収する方法及び装置に関する発明である。
【背景技術】
【0002】
COを分離回収する技術としては、従来、ゼオライト等の吸着剤を利用した物理吸着法、COガス透過膜を利用した膜分離法、アミンを用いてCOを吸収させる化学的回収法などがある。
【0003】
しかし、物理吸着法は、COの選択率が低く、また、高温、高湿又は高圧下で廃ガスを処理する必要があり、処理条件の管理が煩雑で、多くのエネルギーを消費するという欠点がある。膜分離法は、COの回収率が低く、膜材料が高価で耐久性に劣るという欠点がある。化学的回収法は、アミンの毒性の問題があり、また、COを吸収した溶液からCOを回収する際に、溶液を加熱する必要があり、温度管理が煩雑で、多くのエネルギーを消費するという欠点がある。
【0004】
従来、COを含有する廃ガスをMgOと反応させて炭酸マグネシウム(本明細書では「MgCO」と記す)として回収することは提案されているが、COをMgCOとして固定化することを開示するに過ぎず、さらにMgCOからCOを分離回収することについては何ら開示していない(特許文献1参照)。また、廃ガスをMgOからなる脱炭酸剤に接触させて脱炭酸する方法において、脱炭酸剤を常圧700℃の空気と接触させることによりMgOとして再生することが提案されているが、再生時に排出されるCOを回収することについては何ら着目していない(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−234829号公報
【特許文献2】特開昭51−4090号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、廃ガスから低コストかつ低エネルギー消費にて安全にCOを高純度で分離回収できる方法及び装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者等は、上記の課題を解決するために鋭意検討した結果、MgOを媒体として用い、これと廃ガスのCOを反応させてMgCOとして回収した後、さらに、MgCOをMgOとCOに分離回収するとともに、MgOを廃ガスとの上記反応にリサイクル使用することで、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、その一局面によれば、廃ガスからCOを分離回収する方法であって、COを含有する廃ガスをMgOと接触させてMgCOを生成させことにより廃ガスからCOを除去する第一の工程と、第一の工程で生成されたMgCOを加熱分解してMgO及びCOのそれぞれに分離して回収する第二の工程とを含み、第二の工程で回収したMgOを第一の工程で用いるMgOとしてリサイクルすることを特徴とする方法を提供する。
【0009】
また、本発明は、他の局面によれば、廃ガスからCOを分離回収する装置であって、COを含有する廃ガスをMgOと接触させてMgCOを生成させる反応装置(1a)と、生成したMgCOを廃ガスから分離する分離装置(1b)と、分離されたMgCOを加熱分解してMgO及びCOのそれぞれに分離して回収する加熱装置(2)と、回収されたMgOを前記反応装置(1a)に搬送してリサイクルする搬送装置(25)とを少なくとも備えることを特徴とする装置を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、MgOを廃ガスのCOと反応させてMgCOとして回収した後、このMgCOを加熱によりMgOとCOのそれぞれに分離することとしたので、COを高い純度で回収できる。また、回収されたMgOは廃ガスとの反応に再利用できるので、MgOを媒体としたCOの分離回収系を構築することができ、また、MgOとCOとの反応は常温常圧で進行する発熱反応であるため、発生した熱をMgCOの加熱に再利用でき、低コストかつ低エネルギー消費でCOを回収できる。また、MgOは無害なので、本発明によれば、安全性の高いCOの分離回収が行える。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明のCO分離回収方法の一例(廃ガス温度500℃以上)を示すフロー図である。
図2】本発明のCO分離回収方法の他の例(廃ガス温度300〜350℃)を示すフロー図である。
図3】本発明のCO分離回収方法の更に他の例(廃ガス温度300℃未満)を示すフロー図である。
図4】本発明のCO分離回収装置を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の方法では、第一の工程にて、COを含有する廃ガスをMgOと接触させることにより、下記反応式(1)で示される反応を生起させ、COをMgCOとして固定して回収する。その後、第二の工程において、回収されたMgCOは加熱分解され、下記反応式(2)で示されるように、CO及びMgOのそれぞれに分離して回収される。回収されたMgOは、反応式(1)の反応にリサイクルされるので、省資源を達成することができる。また、反応式(1)は発熱反応であるので、この熱を回収して、反応式(2)のMgCOの加熱に利用することができ、省エネルギーを達成することができる。また、廃ガスが高温である場合は、廃ガスの熱を回収して、反応式(2)のMgCOの加熱に利用することができ、この場合も、省エネルギーを達成することができる。
【0013】
MgO+CO→MgCO+ΔH 100.6kJ/mol …(1)
MgCO→MgO+CO−ΔH 117.3kJ/mol …(2)
【0014】
本発明の第一の工程において、廃ガスとMgO粒子との接触は、通常、10〜200℃、好ましくは50〜95℃に冷却された廃ガスを公知の固気接触装置を用いてMgOと接触させることにより行うことができる。固気接触装置としては、粉体インジェクタを使用することができ、例えば、MgOの粒子をインジェクタにて散布し、廃ガスと接した上で、廃ガスとMgO粒子との接触を行うことができる。反応式(1)の反応は常温常圧で廃ガスとMgO粒子とを接触させるだけで進行するので、加熱、加湿、加圧等の操作が必要なく、従来のCO分離回収方法よりも簡便に実施でき、省エネルギーも達成できる。反応式(1)で発生した熱は、熱交換器を通じて回収することにより、本発明の第二の工程におけるMgCOの加熱の熱源や、その他の加熱装置の熱源としてリサイクルできる。
【0015】
本発明で使用するMgO粒子の粒径は、基本的には0.5mm以下が望ましい。
【0016】
MgOとしては、下記反応式(3)又は(4)に従い、MgH又はMgを水又は水蒸気と接触させて酸化反応させることにより水素ガスを製造する工程で回収されたMgOを好適に使用することができる。かかる水素ガス製造工程で発生したMgOは一般に高純度であるため、本発明で使用するに好都合である。
【0017】
MgH+HO→MgO+2H+熱 …(3)
Mg+HO→MgO+H+熱 …(4)
【0018】
本発明で使用できる廃ガスは、COを含有している廃ガスであれば特に限定されるものではないが、例えば、火力発電所や製鉄所のボイラーや溶鉱炉から排出されるような、化石燃料等を燃焼させた結果生じる廃ガスを使用できる。MgOはCO以外に硫黄酸化物(SO)を吸着するので、本発明で使用する廃ガスは、予め脱硫されていることが好ましい。また、MgOは窒素酸化物(NO)とは反応しないが、リサイクルされるMgOの純度を保つ観点から、本発明で使用される廃ガスは、予め脱硝されていることが好ましい。
【0019】
第一の工程で生成されたMgCOは、公知の固気分離装置を用いて廃ガスから分離して回収することができる。固気分離装置としては、バグフィルタやサイクロンを使用することができる。COが分離された廃ガスは、煙道等を介して大気中に放出することができる。
【0020】
本発明の第二の工程では、第一の工程で生成されたMgCOを加熱分解してMgO及びCOのそれぞれに分離して回収する。MgCOは、通常230℃以上、好ましくは250℃〜300℃に加熱することにより、上記式(2)に従って、固体状のMgOとガス状のCOに分解する。例えば、MgCOは、270℃で80%がMgOに転化し、300℃では90%がMgOに転化する。この加熱分解は、電気炉等の密閉された炉や、スクリューフィーダや流動床を備えた密閉槽にMgCOを導入して、該炉又は槽の内部を上記温度に保持することによって行うことができ、発生したガスを回収することによりCOの回収を行うことができ、MgOは固形分として回収される。加熱の熱源としては、例えば、廃ガスの温度が300℃を超える場合は、この廃ガスから熱交換器を介して回収した熱を用いることができ、廃ガス以外の熱源を使用する必要がなく、省エネルギーを達成することができる。なお、廃ガスの温度が300℃未満の場合は、廃ガス以外の他の熱源(ボイラー等)を用いてMgCOを加熱することが必要である。
【0021】
第二の工程において回収されたMgOは、第一の工程で使用するMgOとして再利用することができる。
第二の工程においてガス状で回収されたCOは、例えば、コンデンサなどで冷却し、液化して貯蔵することができ、また、海洋隔離、地中貯留等の他、一酸化炭素に改質してフィッシャー・トロプシュ法による炭化水素合成に使用することができる。
【0022】
図1は、温度500℃以上の廃ガスからCOを分離回収する本発明の実施形態を示すフロー図である。
【0023】
符号1は、廃ガスをMgOと接触させて上記反応式(1)の反応を行い、粉末状のMgCOと、COが除去された廃ガスとに分離回収するユニットを示す。ユニット1には、煙道Dから約200℃まで自然冷却された廃ガスが導管10aを介してコンデンサ11に導入され、ここで80℃程度まで冷却された後、導管10bを介してユニット1に導入され、そこでMgOと接触させられる。上記反応式(1)の反応は常温常圧で進行するので、廃ガス中のCOはMgOと接触するだけでMgOと反応してMgCOとして固定される。廃ガスのMgOとの接触は、上記固気接触装置を使用することで行うことができる。かくして、ユニット1からは、COが除去された廃ガスが導管12を介して煙道Dに排出され、大気中へのCOの放出を抑制される。廃ガスとMgCOとの分離は、上記固気分離装置を使用することで行うことができる。導管12から排出される廃ガスは、上記反応式(1)の反応が発熱反応であることから、200℃程度に加熱された状態で煙道Dに排出されるが、この廃ガスの熱を熱交換器で回収して、例えば、後記ユニット2における加熱の熱源として再利用してもよい。
【0024】
符号2は、MgCOを加熱して分解し、固体状のMgOとガス状のCOに分離回収するユニットを示す。ユニット2には、ユニット1で生成したMgCOがスクリューフィーダ等の適当な搬送装置13を用いて導入され、MgCOの分解温度以上、例えば270℃に保持される。この加熱の熱源としては、煙道Dの上流付近の約500℃の高温の廃ガスを導管20a及び20bを介して熱交換器21に通過させることによって回収された熱を使用することができる。すなわち、本発明は、MgCOの分解温度以上(例えば、300℃以上)の廃ガスを対象とする場合は、他の系からの熱源の供給を必要としないクローズドシステムとして実施することができる。ユニット2で生成したガス状のCOは公知の固気分離装置でMgOから分離回収され、導管26を介してコンデンサ22に導入されて冷却された後、CO液化装置23で液化されCO貯槽24で貯蔵される。この貯蔵されたCOは、上記のように海洋隔離、地中貯留、炭化水素合成等に供することができる。MgOはユニット2からスクリューフィーダ等の搬送装置25でユニット1に送られ、再利用される。
【0025】
図2は、温度300〜350℃の廃ガスからCOを分離回収する本発明の実施形態を示すフロー図である。
【0026】
図2のフロー図は、ユニット1で生成したMgCOをユニット2に導入する前に予熱するための予備加熱器14を備えている点で、図1のフロー図と異なる。図1に関連して上述したように、上記反応式(1)の反応は発熱反応であり、ユニット1から排出される廃ガスは200℃程度に加熱される。したがって、図2では、ユニット1から排出される廃ガスを導管12aを介して熱交換器15に導いた後、導管12bを介して煙道Dに戻すようにしており、熱交換器15で熱を回収し、予備加熱器14の熱源として使用している。MgCOは搬送装置13aで予備加熱器14に送られ、そこで200℃程度に加熱されてから搬送装置13bでユニット2に送られるので、ユニット2の加熱の負担が軽減され、ユニット2に熱源の供給する廃ガスの温度が300〜350℃程度であっても、図1と同様に、他の系からの熱源の供給を必要としないクローズドシステムを構築することができる。
【0027】
図3は、温度300℃未満の廃ガスからCOを分離回収する本発明の実施形態を示すフロー図である。
【0028】
図3のフロー図は、ユニット2における加熱の熱源として、廃ガスの代わりに、ボイラー3の廃ガスを使用し、予備加熱器14の熱源として、ユニット1から排出される廃ガスの代わりに、ボイラー3で加熱された媒体(水、CO等)の熱を利用している点で、図2のフロー図と異なる。すなわち、天然ガス、重油等を燃料として用いたボイラー3の廃ガスが、導管32aを介して熱交換器21に送られ導管32bを介してダクトDに排出されている。そして、熱交換器21で回収された熱を用いて、ユニット2の加熱が行われる。一方、ボイラー3で加熱された媒体は導管31aを介して熱交換器15に送られ、導管31bを介してボイラー3に戻されて循環されている。そして、熱交換器15で回収された熱を用いて、予備加熱器14の加熱が行われる。なお、図3の場合でも、図2と同様に、ユニット1から排出される廃ガスの熱を回収して、ユニット2及び/又は予備加熱器14の熱源として使用できることは言うまでもない。
【0029】
図4は、本発明のCO分離回収装置の一実施形態を示す模式図である。図4の装置では、脱硫及び脱硝済みの約200℃の廃ガスを、煙道Dから導管10aを介してコンデンサ11に導入して約80℃に冷却した後、導管10bを介してインジェクタ−1aに導入してMgO粉末と混合し、導管1cを介してバグフィルタ1bに導入して固気分離し、MgCO粉末とCOが除去された廃ガスとに分離する。廃ガスはバグフィルタ1b内のフィルタを通過して導管12から煙道Dに排出される。導管12にはブロワーBが設置されているので、ブロワーBを動作させることにより、煙道Dから導管10a、導管10b、導管1c、導管12を経て煙道Dに戻される廃ガスの流れが生起される。バグフィルタ1bで廃ガスから分離回収されたMgCOは、搬送装置であるスクリューフィーダ13a及び13bを介してユニット2に導入される。ユニット2は、外套を備えたスクリューフィーダからなり、図1〜3のフロー図に従い、外套には廃ガスまたはボイラーの燃焼ガスが導入され、スクリューフィーダで搬送中のMgCOを270℃に加熱して粉末状のMgOと気体状のCOに分解する。気体状のCOは、導管26から排出され、図1〜3のフロー図に従い、コンデンサ22及びCO液化装置23により液化されてCO貯槽24に貯蔵される。粉末状のMgOは、スクリューフィーダ25によってインジェクタ1aに導入され、廃ガスのCOの固定のためにリサイクルされる。COの分離回収コストは、従来の技術では5000円/t−CO程度であったが、本発明者の試算によれば、本発明によって同コストを3000円/t−CO程度にまで低減させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明のCO分離回収方法及び装置は、MgOを媒体としてCOを回収するものであり、各種廃ガスからCOを分離回収するのに使用でき、特に、高温の廃ガスの熱を有効に利用し且つMgOをリサイクル使用しながら、低いエネルギー消費と省資源でCOを安全に回収できる。また、水素化マグネシウムを加水分解して水素ガスを発生させる水素発生装置からMgOが副生するプラントでは、かかる水素発生装置と組み合わせて使用することで、MgOの有効利用を図ることができる。
【符号の説明】
【0031】
B ブロワー
D 煙道
1 ユニット(反応式(1))
1a インジェクタ
1b バグフィルタ
1c 導管
10a,10b 導管
11 コンデンサ
12,12a,12b 導管
13,13a,13b 導管
14 予備加熱器
15 熱交換器
2 ユニット(反応式(2))
20a,20b 導管
21 熱交換器
22 コンデンサ
23 CO液化装置
24 貯槽
25 搬送装置
26 導管
3 ボイラー
31a,31b 導管
32a,32b 導管
図1
図2
図3
図4