(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記搬送ユニットは、前記一辺を対称軸とした線対称形状であって、前記支軸の軸方向上下にそれぞれ、前記搬送方向と逆向きに進む前記搬送ベルトの他辺と、その鉛直面が接触して回転する傍プーリーを有する、
ことを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の紙幣搬送装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1で提案された紙幣搬送ユニットでは、紙幣ガイドの内面同士を両フレームの支軸周りの回転角度に応じて適当な曲率を有する曲面をもって連続させることが可能な弾性シートを具備する構成により、搬送路の屈曲又は湾曲部分において紙幣を搬送ベルトから外方へ離脱させることなく円滑に案内することができるとされる。しかしながら、弾性シートは、搬送路の屈曲又は湾曲部分において、搬送ベルトから外方への紙幣の離脱を防ぐことが可能であっても、搬送ベルトから上下方向への紙幣の脱離に対して無力である。
【0006】
さらに、この紙幣搬送ユニットは、弾性シートの一端を第1フレームの紙幣ガイドの一端に固着しておいて、他端を第2フレームの紙幣ガイドの内面に挿入する構成であるので、紙幣搬送ユニットの搬送路への組み込みに際し、弾性シートが第2フレームの紙幣ガイドの内面に挿入されているか否かを確認する必要があって、取り扱いに慎重さが求められる。また、第2フレームの紙幣ガイドの内面から弾性シートが何らかの原因で外れたことを知る手段がないので、紙幣搬送装置を実際に作動させた際の紙幣詰まり、紙幣脱離等に対して迅速な対応がなされず、思わぬトラブルに陥る恐れがある。
【0007】
したがって、紙幣搬送装置に適用する屈曲又は湾曲可能な紙幣搬送ユニットには、搬送路の屈曲又は湾曲部分において紙幣を搬送ベルトから外方へ離脱させることなく円滑に案内することはもちろんのこと、紙幣の上下方向への脱離も防ぐことが必要である。加えて、取り扱いの容易さや、作動時のトラブル発生が極力少ないことが求められる。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑みて創作され、1本の無端搬送ベルト方式を採用した紙幣搬送装置において、簡単な構造としながら、紙幣搬送路の屈曲又は湾曲部分において搬送ベルトから外方及び上下方向への紙幣の脱離を防ぐことができ、取り扱いの容易さを実現し、併せて作動時に紙幣が脱離する等のトラブル発生も抑制することができる紙幣搬送ユニットを備えた紙幣搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、本発明は、連続する1本の無端ベルトを含んで構成される紙幣搬送路を備え、この紙幣搬送路で前記無端ベルトの一辺が進む搬送方向に紙幣が搬送される紙幣搬送装置において、前記紙幣搬送路に組み込まれ、搬送されてきた前記紙幣を、内部を通過させて案内する第1紙幣通路が設けられている第1フレームと、この第1フレームの搬送方向下流側の前記紙幣搬送路に組み込まれ、前記第1フレームを通過した前記紙幣を、内部を通過させて案内する第2紙幣通路が設けられている第2フレームと、前記第1紙幣通路と前記第2紙幣通路との間で、その鉛直面を前記一辺に接触させて回転自在に設けられる主プーリーと、この主プーリーの中心を貫通してこれを回転自在に支持する支軸と、前記第1フレーム及び前記第2フレームを貫通し、この貫通した点を中心にして前記第1フレーム及び前記第2フレームを回動自在に支持する前記支軸と同一又は別の第2支軸と、前記第1紙幣通路と前記第2紙幣通路との間へ、前記第1紙幣通路の下流側端に連続させられて組み込まれ、
長辺及び短辺を有する底面及び天面と、前記底面及び天面の長辺同士を連結する一側面と、前記底面及び天面の短辺同士を、切欠き部が形成されたことで不連続に連結する他側面とからなり、その内部が前記第1紙幣通路を延長する延長通路となる延長通路部材と、を有する搬送ユニットが備えられていることを特徴とする。
【0010】
特に、上記延長通路部材は
、無端ベルトの一辺を介して主プーリーが設けられている側と反対側から、切り欠き部が無端ベルトの一辺を越えさせられて組み込まれる。上記延長通路部材は、第1紙幣通路の下流側端に連続させられるのが、一側面及び他側面の上流側端であり、組み込まれる数は1以上であって、このうち最も上流側の1つが、その一側面の少なくとも一部を第1紙幣通路の下流側端に重ならせて第1フレーム内部に収容され、搬送ユニットは、第1フレーム又は第2フレームが第2支軸を中心に回動させられ、第2紙幣通路の上流側端が、最も下流側の延長通路部材に連続させられることで屈曲角度が決まることを特徴とする。
【0011】
さらに、上記搬送ユニットの主プーリーの鉛直面は、凹凸のない平滑面とされていることを特徴とする。
【0012】
また、上記搬送ユニットは、搬送ベルトの一辺を対称軸とした線対称形状であって、支軸の軸方向上下にそれぞれ、搬送方向と逆向きに進む搬送ベルトの他辺と、その鉛直面が接触して回転する傍プーリーを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、上記特許文献1で提案された弾性シートに代えて、第1紙幣通路と第2紙幣通路との間へ、第1紙幣通路の下流側端に連続させられて組み込まれ、
長辺及び短辺を有する底面及び天面と、底面及び天面の長辺同士を連結する一側面と、底面及び天面の短辺同士を、切欠き部が形成されたことで不連続に連結する他側面とからなり、その内部が第1紙幣通路を延長する延長通路となる延長通路部材を採用して搬送ユニットを構成している。したがって、延長通路部材は、その内部が第1紙幣通路を延長する延長通路となることで、搬送されてきた紙幣を搬送ベルトから外方へ離脱することを防止するとともに、紙幣の搬送ベルトから上下方向への離脱も防止することができる。
特に、紙幣の搬送ベルトから上下方向への離脱を、底面及び天面によって防止することができる。また、シートではないので組み込み後に外れてしまうといったトラブルを回避することができる。
【0014】
さらに、延長通路部材は
、切り欠き部に搬送ベルトを越えさせ、かつ、一側面及び他側面の上流側端を第1紙幣通路の下流側端に連続させて組み込むため、第1紙幣通路を延長する延長通路として、第1紙幣通路を通過した紙幣を外方及び上下方向へ離脱させることなくスムーズに案内することができる。
【0015】
また、本発明では、搬送ユニットに組み込まれる1以上の延長通路部材のうち最も上流側の1つを、その一側面の少なくとも一部を第1紙幣通路の下流側端に重ならせて第1フレーム内部に収容するとともに、第2紙幣通路の上流側端を、最も下流側の延長通路部材の下流側端に連続するように第1フレーム又は第2フレームを第2支軸を中心として回動させることで搬送ユニットの屈曲角度を決定している。したがって、第1フレーム又は第2フレームを第2支軸を中心に回動し、かつ、必要な数の延長通路部材を組み込むことで、任意の角度の屈曲又は湾曲部分を有する紙幣搬送路に対応することができる。このとき、組み込んだ1以上の延長通路部材の下流側端に第2紙幣通路の上流側端が連続するため、延長通路部材の内部を通過した紙幣は、確実に第2紙幣通路へと案内される。また、このような延長通路部材の組み込み作業は、所望の屈曲角度を任意に設定した後のネジ止めは不要とするので、容易であるといえる。
【0016】
特に、第1フレームの下流側端部と第2フレームの上流側端部との間へ組み込まれた1以上の延長通路部材のうちの最も上流側の1つは、その一側面の少なくとも一部が第1紙幣通路の下流側端と重ねられて第1フレーム内部に収容される。このため、延長通路部材の個数で凡その角度を決定しつつ、最も上流側の1つの延長通路部材によって、細かな角度を決定する(微調整する)ことができ、屈曲又は湾曲角度を柔軟に設定することができる。
【0017】
本発明ではこのほか、主プーリーの鉛直面は、凹凸のない平滑面とされている構成であるので、第1紙幣通路、第2紙幣通路及び延長通路部材を通過する紙幣への負荷を低減し、紙幣の紙幣搬送路からの離脱防止やスムーズな案内をより確実にすることができる。また、搬送ユニットを搬送ベルトの一辺を対称軸とした線対称形状とし、支軸の軸方向上下にそれぞれ、搬送方向と逆向きに進む搬送ベルトの他辺と、その鉛直面が接触して回転する傍プーリーを有する構成とすることにより、紙幣搬送路が何れの方向に屈曲又は湾曲していても1種類の搬送ユニットで対応することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る搬送ユニットを備えた紙幣収納装置に関し、その一実施形態を詳述する。この一実施形態は、本発明の構成を具現化した例示に過ぎず、特許請求の範囲に記載した事項を逸脱することがなければ種々の設計変更を行うことができる。
【0020】
一般に、1本の無端搬送ベルト方式を採用した紙幣搬送装置は、所定の駆動源により駆動され、連続する1本の無端ベルトを含んで構成される紙幣搬送路を備え、この紙幣搬送路で無端ベルトの一辺が進む搬送方向に紙幣が搬送される構成である。したがって、このような構成の紙幣搬送装置は、その紙幣搬送路の一部を屈曲又は湾曲しようとすれば、屈曲又は湾曲部分で紙幣が紙幣搬送路から脱離したり、紙幣搬送路で詰まったりしてしまうため、
図10に示すような非直線的で湾曲(屈曲)したレイアウトの遊技機島に適用することができない。
【0021】
本発明は、この紙幣搬送路の屈曲又は湾曲部分を、本発明を構成する搬送ユニットを組み込んで形成した紙幣搬送装置である。換言すれば、本発明は、本発明を構成する搬送ユニットにより、紙幣が紙幣搬送路から脱離したり、詰まったりしない紙幣搬送路の屈曲又は湾曲部分を構築することができる紙幣搬送装置に係る。なお、
図10において本発明は明示されていない。また、本発明は直線的なレイアウトの遊技機島にも適用可能である。以下、図面を参照しつつ本発明を構成する搬送ユニットについて詳述していく。
【0022】
本発明を構成する搬送ユニットUは、
図1(a),(b)及び
図9に示すように、紙幣搬送路上に組み込まれ、この組み込まれた部分の紙幣搬送路を屈曲又は湾曲することができる。
図1(a),(b)において、筒状体Tで示される紙幣搬送路の直線部は、筒状体T内に搬送ベルトの一辺とローラーとが収容されて構成されている。この筒状体Tに後述する第1フレーム1の特に第1紙幣通路12を連続させるようにして搬送ユニットUが組み込まれ、本発明に係る紙幣搬送装置は構築される。
【0023】
搬送ユニットUは、
図1〜
図4に示すように、例えば、搬送方向FDに進む搬送ベルトBの一辺B1を包囲するようにして紙幣搬送路に組み込まれる第1フレーム1と、この第1フレーム1の搬送方向FD下流側の紙幣搬送路に、搬送ベルトBの一辺B1を包囲するようにして組み込まれる第2フレーム2と、この第2フレーム2と第1フレーム1との間に設けられる主プーリー3と、この主プーリー3の中心を貫通して支持する支軸4と、第1フレーム1及び第2フレーム2を貫通して支持し、上記支軸4と同一の第2支軸としての支軸4と、第1フレーム1と第2フレーム2との間へ、搬送ベルトBの一辺B1を介して主プーリー3の反対側から組み込まれる延長通路部材5とで構成されている。また、支軸4の軸方向上下の端部にそれぞれ、搬送方向と逆向きBDに進む搬送ベルトBの他辺B2と、その鉛直凹面6aで接触可能に設けられる傍プーリー6を有している。なお、本発明を構成する搬送ユニットでは、上述のように、主プーリー3の中心、第1フレーム1及び第2フレーム2を同一の支軸4により貫通させた構成であってもよく、主プーリーの中心と、第1フレーム及び第2フレームとを、それぞれ別の支軸により貫通させた構成であってもよい。
【0024】
搬送ユニットUは、
図2及び
図3に示すように、搬送方向FDに進む搬送ベルトBの一辺B1を対称軸とした線対称形状である。したがって、例えば、
図2において搬送ユニットUは、手前側に屈曲又は湾曲する紙幣搬送路を形成するが、これを搬送ベルトBの一辺B1を軸に180度回転させれば、奥側に屈曲又は湾曲する紙幣搬送路を形成することができる。すなわち、本発明に係る紙幣搬送装置は、何れの方向にも紙幣搬送路を屈曲又は湾曲させることが可能な紙幣搬送路を構築することができる(
図9も参照のこと)。このとき、搬送ベルトBの他辺B2は、本発明を構成する搬送ユニットUを取り付ける向きにより、支軸4の軸方向上下の端部にそれぞれ設けられている傍プーリー6のいずれか一方と接触することになる。
【0025】
第1フレーム1は、
図2〜
図4に示すように、搬送ベルトBの一辺B1を包囲するようにして紙幣搬送路に組み込まれる筐体部11と、
図4〜
図6に示すように、筐体部11内に収容されて設けられ、搬送ベルトBの一辺B1とローラーとで搬送されてきた紙幣を内部を通過させて案内する第1紙幣通路12とで構成されている。
図5に示すように、第1紙幣通路12には、遊技機が遊技機島の両側面に設置され、この両側面から紙幣搬送路へ紙幣が導入されることに対応し、二つの通路121,122が形成されている。
【0026】
特に
図5に基づいて説明すれば、二つの通路121,122は、その空間が、高さ方向の中間の連結空間部124で連結されている。搬送ベルトBの一辺B1は、この連結空間部124を通過する。また、二つの通路121,122には、その側壁から連結空間部124へ向けて、鉛直面を搬送ベルトBの一辺B1に接触させて回転自在となる紙幣押圧ローラー121a,122aが設けられている。この紙幣押圧ローラー121a,122aは、第1紙幣通路12において通過中の紙幣を搬送ベルトBの一辺B1へ向けて押圧し、紙幣を外部に離脱させることなく、搬送ベルトBの一辺B1とともに搬送方向FDに搬送する。
【0027】
また、第1フレーム1には、第1紙幣通路12を二つの通路121,122に仕切る仕切り体123から連結空間部124へ向けて、その鉛直面を搬送ベルトBの一辺B1に接触させて回転自在となるベルト押圧ローラー123aが上下に設けられることが好ましい。このベルト押圧ローラー123aによって、第1紙幣通路12内の搬送ベルトBの一辺B1の撓みを抑制することができる。
【0028】
第2フレーム2は、
図2や
図3に示すように、第1フレーム1の搬送方向FD下流側の紙幣搬送路に、搬送ベルトBの一辺B1を包囲するようにして組み込まれる。第2フレーム2自体の構成は第1フレーム1とほぼ同様であって、
図6に示すように、筐体部21及び第2紙幣通路22で構成され、第2紙幣通路22に、第2仕切り体223により仕切られる二つの第2通路221,222が形成され、その側壁から第2連結空間部224へ向けて第2紙幣押圧ローラー221a,222aが設けられている。また、第2フレーム2にも、第2紙幣通路22内の搬送ベルトBの一辺B1の撓みを抑制する第2ベルト押圧ローラー223aが上下に設けられることが好ましい。
【0029】
第1フレーム1及び第2フレーム2は、
図1(a),(b)や
図4に示すように、筐体部11の下流側端部111の上下と、筐体部21の上流側端部211の上下の紙幣搬送路から遠ざかる方向に突出して形成された支持板111a,211aで重ねられ、この重ねられた支持板111a,211aが支軸4に貫通されている。この貫通された2点を中心に第1フレーム1と第2フレーム2とは支軸4に回動自在に支持されている。この支持板111a,211aで重ねられて支軸4に支持される構成により、第1フレーム1及び第2フレーム2は、搬送ユニットUの屈曲又は湾曲時に相互にぶつかる等の不都合が生じない。
【0030】
なお、第1フレーム1は、筐体部11の下流側端部111に対応する位置まで第1紙幣通路12が延設されていない。これは、後述するように、延長通路部材5が第1紙幣通路12の下流側端に連続するように配置され、第1フレーム1(筐体部11)内に収容されるスペースを確保するためである。また、紙幣押圧ローラー121a,122aと第2紙幣押圧ローラー221a,222aとの間の距離は、屈曲時においても紙幣の長手方向の長さより短い距離とされている。
【0031】
主プーリー3は、
図4や
図6に示すように、第1紙幣通路12と第2紙幣通路22との間に、その鉛直面3aを搬送ベルトBの一辺B1に接触させて回転自在に設けられている。また、中心に支軸4が貫通し、この支軸4によって主プーリー3は回転自在に支持されている。主プーリー3の鉛直面3aは、凹凸のない平滑面とされることが好ましい。平滑面であることにより、主プーリー3は接触する搬送ベルトBの一辺B1を点(又は、搬送方向の直線)で押圧するので、搬送されてきた紙幣に対して与える応力を軽減することができる。例えば、主プーリーの鉛直面が搬送ベルトの一辺に嵌り合う凹状であると、紙幣は主プーリーから凹状の面で応力を受けることになる。そうすると紙幣は凹状に変形し易く、凹状に変形すれば紙幣詰まり等の不都合が生じる恐れがある。
【0032】
支軸4は、本実施形態において、上述したように、主プーリー3の中心、第1フレーム1及び第2フレーム2の支持板111a,211aを貫通してこれらを支持している。また、支軸4の軸方向上下の端部で、傍プーリー6の中心を貫通し、傍プーリー6を搬送方向と逆向きBDに進む搬送ベルトBの他辺B2と、その鉛直凹面6aで接触可能にしている。
【0033】
延長通路部材5は、
図7及び
図8に示すように、長辺及び短辺を有する略台形状の底面51及び天面52と、底面51及び天面52の長辺同士を連結する一側面53と、底面51及び天面52の短辺同士を、切欠き部54aが形成されたことで不連続に連結する他側面54とからなる。内部には、底面51及び天面52を切欠き部55aが形成されたことで不連続に連結し、内部空間を仕切る延長仕切り体55が設けられている。
【0034】
底面51及び天面52には、後述するように1以上の延長通路部材5を一体として第1紙幣通路12と第2紙幣通路22との間へ組み込むため、孔を有する連結体5a及びこの連結体5aの孔に嵌る突条5bとが設けられている。また、1以上の延長通路部材5を一体とするための構造として、一側面53の内側面であって上流側端として組み込まれる側に係合爪部53aが、一側面53の外側面であって下流側端として組み込まれる側に、係合爪部53aが係合する係合受部53bが、それぞれ設けられている。
【0035】
延長通路部材5は、
図1(a),(b)に示すように、搬送ベルトBの一辺B1を介して主プーリー3が設けられている側と反対側から第1フレーム1(第1紙幣通路12)と第2フレーム2(第2紙幣通路22)との間へ組み込まれる。具体的には、切り欠き部54aが搬送ベルトBの一辺B1を越えさせられ、かつ、一側面53及び他側面54の上流側端(すなわち、一側面53の係合爪部53aが設けられている側)が第1紙幣通路12の下流側端に連続させられて組み込まれる。このとき、延長通路部材5の延長仕切り体55は、第1紙幣通路12を二つの通路121,122に仕切る仕切り体123に連続する。また、搬送ベルトBの一辺B1は、延長仕切り体55の切欠き部55aが形成する空間を通過することとなる。これにより、延長通路部材5の内部は第1紙幣通路12を通過した紙幣を案内する通路(延長通路)となる。
【0036】
また、延長通路部材5は1以上(
図1(a)において1個、
図1(b)において3個、また、
図8において4個)が、底面51及び天面52の連結体5aと突条5bとの嵌合、一側面53の係合爪部53aと係合受部53bとの係合を通じて一体とされてから、第1紙幣通路12と第2紙幣通路22との間へ組み込まれる。特に、延長通路部材5は一側面53の上流側端になる係合爪部53aが、下流側端になる係合受部53bに外側から係合して一体化する。延長通路部材5の一体とする個数は、予め紙幣搬送路を屈曲又は湾曲させようとする角度から導き出せばよい。本実施形態において1個の延長通路部材5は、
図1(b)や
図7から理解されるように25度前後の屈曲角度を形成することができる。
【0037】
なお、
図7及び
図8に示すように、短辺は屈曲時に対応するため、湾曲辺とすることが好ましく、したがって、他側面54は、湾曲した平面を有することが好ましい。延長仕切り体55も同様の理由から湾曲した平面を一側面53側に有することが好ましい。一方、一側面53は、上流側端の係合爪部53aを、下流側端の係合受部53bへ外側から確実に係合させるため、湾曲させない平面としている。そして、複数の延長通路部材5を一体としたとき、各々の延長通路部材5の一側面53は、上流側端が、その下流側端よりも外側に位置することとなって、内部を通過する紙幣の搬送方向FDに引っ掛かる箇所が生じない。また、湾曲させない平面としたことにより、内部を通過する紙幣が仮に側面53に接触したとしても、その接触が線となるのでスムーズな紙幣の搬送に支障をきたさない。一方、一側面53を他側面54のように湾曲した平面とすれば、内部を通過する紙幣が一側面53に接触したとき、その接触が面となる恐れがあって、紙幣が折れ曲がる等により、延長通路部材5の内部で詰まる恐れが生じてしまう。
【0038】
さらに、延長仕切り体55の他側面54側の平面も一側面53と同様に、湾曲させない平面とすることが好ましい。複数の延長通路部材5を一体としたとき、各々の延長仕切り体55の他側面54側の上流側端は、その下流側端の他側面54側よりも外側に位置することとなって、内部を通過する紙幣が搬送方向FDに引っ掛かる箇所を生じさせず、内部を通過する紙幣が仮に延長仕切り体55の他側面54側の平面に接触したとしても、その接触が線となるからである。また、各々の延長仕切り体55の他側面54側の上流側端は、その下流側端の他側面54側よりも外側に位置することとなるものの、延長仕切り体55の下流側端の厚み、及び、搬送ベルトBの一辺B1との位置関係により、その位置に、延長通路部材5の一側面53と延長仕切り体55の間を通過する紙幣が接触することがないものとされている。
【0039】
以下、
図1〜
図8を参照しつつ、搬送ユニットUに複数(例えば、3個)の延長通路部材5を組み込んで、屈曲又湾曲した紙幣搬送路を形成する手順について簡単に説明する。本実施形態では、1つの延長通路部材5により約25度の屈曲角度を形成することができるので、組み込む延長通路部材5が3個であれば、約50〜75度の範囲の屈曲又は湾曲した紙幣搬送路を形成することができる(
図1(b)参照)。約50〜75度と屈曲又は湾曲角度に幅があるのは、後述するように、1個の延長通路部材5に角度の微調整機能を担わせるためである。
【0040】
まず、3個の延長通路部材5を、底面51及び天面52の連結体5aの孔と突条5bとの嵌合、一側面53の係合爪部53aと係合受部53bとの係合を通じて一体とする。続いて、一体とした延長通路部材5を、搬送ベルトBの一辺B1を介して主プーリー3が設けられている側と反対側から第1紙幣通路12と第2紙幣通路22との間へ組み込む。詳述すれば、切り欠き部54aに搬送ベルトBの一辺B1を越えさせ、一側面53の係合爪部53aが設けられている側を第1紙幣通路12の下流側端に連続させて組み込む。
【0041】
このとき、一体とした3個の延長通路部材5のうち、最も上流側にある1つの一側面53の少なくとも一部を、第1紙幣通路12の下流側端に重ならせて第1フレーム1内部に収容する。すなわち、最も上流側にある1つの延長通路部材5の一側面53の少なくとも一部と、第1紙幣通路12の下流側端とが重なる範囲で、屈曲又は湾曲しようとする角度を微調整する。最後に、第1フレーム1又は第2フレーム2を支軸4を中心に回動させ、第2紙幣通路22の上流側端を、一体とした延長通路部材5のうち最も下流側の1つの下流側端に連続させる。これにより、2個の延長通路部材5による約50度と、1個の延長通路部材5による微調整により決定される0〜25度とからなる約50〜75度の範囲で所望の屈曲角度を決定することができる。なお、所望の屈曲角度を任意に設定した後に、傍プーリー6の鉛直凹面6aを搬送ベルトBの他辺B2に接触させることで、搬送ユニットUを備えた紙幣搬送装置が完成する。本発明を構成する搬送ユニットUでは、筒状体Tとの接続に際してネジ止めが必要となるのみであって、所望の屈曲角度を任意に設定した後のネジ止めは不要である。
【0042】
ここで、本発明を構成する搬送ユニットUは、
図1(a)に示すように、1個の延長通路部材5により0度を含み、約25度までの所望の屈曲角度を決定することができる。すなわち、
図1(a)は、搬送ユニットUの屈曲前の状態を示すものであるが、換言すれば屈曲角度0度の状態を示すものであり、屈曲又は湾曲させない状態においても、延長通路部材5を1つ、第1紙幣通路12と第2紙幣通路22との間へ組み込む構成である。第1フレーム1が筐体部11の下流側端部111に対応する位置まで第1紙幣通路12が延設されていないので、第1紙幣通路12の下流側端と第2紙幣通路22の上流側端との間が連続しておらず、これを1つの延長通路部材5を組み込むことで、連続通路とするのである。
【0043】
したがって、搬送ユニットUでは、1個以上の延長通路部材5を具備して構成され、最も上流側の1個の延長通路部材5の一側面の少なくとも一部を第1紙幣通路12の下流側端と重ならせ、かつ、最も下流側の延長通路部材5の下流側端に第2紙幣通路22の上流側端を連続させることで理論上0〜100度までの屈曲角度を決定し、屈曲又は湾曲した紙幣搬送路を形成することができる。これにより、本発明を構成する搬送ユニットUを通過する紙幣Yは、第1紙幣通路12の下流側端から、理論上0〜100度までの任意の角度に屈曲又は湾曲されている延長通路部材5を経て、第2紙幣通路22の上流側端へと確実に案内されることになる。なお、本発明の実施上、屈曲又は湾曲した紙幣搬送路は、0〜90度の角度を形成することで十分である。
【0044】
上述の説明では、延長通路部材5が1個で約25度の屈曲又は湾曲角度を形成することができる例を示しているが、底面及び天面の短辺と長辺との長さ比を変えること等によって1個により形成する屈曲又は湾曲角度を任意に設定することができる。また、上述の説明では、第1紙幣通路12に設けられる紙幣押圧ローラー121a及び第2紙幣通路22に設けられる第2紙幣押圧ローラー221aを、主プーリー3とともに紙幣を搬送ベルトBの一辺B1へ押圧するものとして説明したが、主プーリー3単独で搬送ユニットU内(特に、通路121及び第2通路221内)を紙幣搬送できる場合、紙幣押圧ローラー121a及び第2紙幣押圧ローラー221aは不要となることに留意すべきである。
【0045】
続いて、
図9を参照しつつ、屈曲又は湾曲させた搬送ユニットUを紙幣が通過していく様子を簡単に説明する。
【0046】
まず、紙幣は、遊技機島の両側面から本発明に係る紙幣搬送装置の紙幣搬送路へ導入され、筒状体Tで示される紙幣搬送路の直線部において搬送ベルトBの一辺B1及びローラーによって一辺B1の進む搬送方向FDに搬送され、第1フレーム1の第1紙幣通路12の二つの通路121,122のいずれかに案内される。通路121において紙幣は、搬送ベルトBの一辺B1及び紙幣押圧ローラー121aによって第1紙幣通路12の下流側端まで案内される。通路122において紙幣は、搬送ベルトBの一辺B1及び紙幣押圧ローラー122aによって第1紙幣通路12の下流側端まで案内される。
【0047】
次に、紙幣は第1紙幣通路12の下流側端に連続させて設けられている延長通路部材5の内部に案内される。通路121に案内された紙幣は、紙幣押圧ローラー121aと搬送ベルトBの一辺B1に搬送されつつ、延長通路部材5の他側面54及び延長仕切り体55の間で主プーリー3と搬送ベルトBの一辺B1とにより、搬送方向FDに搬送される。通路122に案内された紙幣は、紙幣押圧ローラー122aと搬送ベルトBの一辺B1に搬送されつつ、延長通路部材5の延長仕切り体55及び一側面53との間で、搬送ベルトBの一辺B1と延長通路部材5の一側面53aとにより、搬送方向FDに搬送される。
【0048】
主プーリー3と搬送ベルトBの一辺B1との関係が点接触であるので、延長通路部材5を通過させられる紙幣への応力は低く抑えられ、紙幣は変形し難い。また、延長通路部材5は、底面51及び天面52の略台形状により、一側面53の上流側端が、その下流側端よりも搬送ベルトBの一辺B1から離れているため、紙幣が屈曲又は湾曲する方向に曲げられながら延長通路部材5を通過する。特に、延長通路部材5の一側面53は、上流側端の係合爪部53aが下流側端の係合受部53bに外側から係合するため、内部を通過する紙幣が搬送方向FDに引っ掛かる箇所がないので、変形することなく、延長通路部材5を通過する。しかも、延長通路部材5を通過中の紙幣は、上下方向への離脱も延長通路部材5の底面51及び天面52によって防止される。
【0049】
その後、紙幣は、延長通路部材5の下流側端に連続させられている第2フレーム2の第2紙幣通路22の上流側端から、その内部へと案内される。第2紙幣通路22へと案内された紙幣は、第2紙幣通路22に形成されている二つの第2通路221,222のいずれかに案内され、搬送ベルトBの一辺B1及びこの一辺B1に鉛直面を接触させて回転自在である紙幣押圧ローラー221a,222aによって第2紙幣通路22の下流側端まで案内される。具体的には、第2通路221において紙幣は、搬送ベルトBの一辺B1及び紙幣押圧ローラー221aによって第2紙幣通路12の下流側端まで案内され、第2通路222において紙幣は、搬送ベルトBの一辺B1及び紙幣押圧ローラー222aによって第2紙幣通路12の下流側端まで案内される。続いて、第2紙幣通路12の下流側端まで案内された紙幣は第2フレーム2(第2紙幣通路12の下流側端)に連続する筒状体Tで示される紙幣搬送路の直線部内を搬送ベルトBの一辺B1及びローラーによって一辺B1の進む搬送方向FDに搬送されていく。
【0050】
搬送ユニットU内を搬送される紙幣の流れを確認すれば、以下のとおりである。すなわち、通路121に案内された紙幣は搬送方向FDに、延長通路部材5の他側面54及び延長仕切り体55の間を経て、第2通路221に搬送される。通路122に案内された紙幣は、搬送方向FDに、延長通路部材5の一側面53及び延長仕切り体55の間を経て、第2通路222に搬送されるのである。
【0051】
したがって、本発明に係る紙幣搬送装置では、搬送ユニットUを、略台形状の底面51及び天面52と、底面51及び天面52の長辺同士を連結する一側面53と、切欠き部54aが形成されることで、底面51及び天面52の短辺同士を不連続に連結する他側面54とからなる延長通路部材5を採用して構成したことで、紙幣搬送路の屈曲又は湾曲部分で、紙幣を搬送ベルトBから外方へ及び上下方向への離脱を防ぐことができる。また、その形状から、延長通路部材5が搬送ユニットUに組み込んだ後に外れてしまうといったトラブルが皆無であり、作動時のトラブル発生を極めて抑えた構成とすることができる。
【0052】
搬送ユニットUは、必要な数の延長通路部材5を第1紙幣通路12と第2紙幣通路22との間へ第1紙幣通路12の下流側端に連続させて組み込むとともに、第1フレーム又は第2フレームを支軸を中心に回動することで、第1紙幣通路12から延長通路部材5を経て第2紙幣通路22へと連続し、任意の角度の屈曲又は湾曲部分を有する紙幣搬送路を形成することができる。したがって、屈曲又は湾曲部分を有する紙幣搬送路において紙幣を、連続する通路によって確実に搬送することができる。特に、組み込んだ延長通路部材5のうち最も上流側の1つを、その一側面53の少なくとも一部を第1紙幣通路12の下流側端に重ならせて第1フレーム1内部に収容することで、屈曲又は湾曲させたい角度の微調整を行うことができる。
【0053】
しかも、搬送ユニットUへの延長通路部材5の組み込みは、切り欠き部54aに搬送ベルトBの一辺B1を越えさせ、かつ、一側面53の上流側端を第1紙幣通路12の下流側端に連続させるという容易な作業で済ますことができる。所望の屈曲角度を任意に設定した後にはネジ止めすら必要ない。弾性シートのように、第2フレームの内面に挿入されているか否かを確認するといった取り扱いの慎重さが求められることがない。
【0054】
以上、本発明の出願人が最良であると信じる実施形態を詳述したが、本発明は、特許請求の範囲に記載された事項を逸脱することがなければ、上記実施形態に限定されることなく、種々の設計変更を行うことが可能である。例えば、本発明の目的を達成する各構成部材の材質や材料は、本発明の目的を達成する限り、任意の材質や材料を採用することができる。また例えば、上記実施形態において延長通路部材の底面及び天面の形状は略台形状であるものを例示したが、屈曲角度の決定に寄与する長辺及び短辺を有する限り、略矩形状をはじめ、様々な底面及び天面の形状に変更することが可能である。また、本発明は、主プーリー単独で搬送ユニットU内の紙幣を搬送することができる場合、第1紙幣通路の紙幣押圧ローラー及び第2紙幣通路の第2紙幣押圧ローラーは不要であり、このような構成の紙幣搬送装置をその範囲に含むものである。