(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記導電素子(12a)が、前記検出電極(12)から前記センサ増幅器(14)のアース点までの有効距離を減ずることによって、前記試験下のサンプルと前記センサ増幅器(14)の入力との間の結合インピーダンスを減ずることを特徴とする、請求項1に記載の電位センサ。
前記電界効果トランジスタ(30)が、前記センサ増幅器(14)と異なる温度で維持されるゾーンに前記センサ増幅器(14)から物理的に分離されていることを特徴とする、請求項1に記載の電位センサ。
前記電界効果トランジスタ(30)の出力が、不必要な直流ドリフト及びオフセットのうち少なくとも1つを除去する直流レベル再生回路(34)を経由して前記センサ増幅器(14)に供給され、前記直流レベル再生回路(34)がローパスフィルタとして機能するコンデンサ(C3)を具えることを特徴とする、請求項1に記載の電位センサ。
前記シリコンデュアルゲートMOSFET(60)のソースをブートストラップするよう構成された追加のブートストラッピング回路をさらに具えることを特徴とする、請求項8に記載の電位センサ。
前記追加のブートストラッピング回路がさらに、前記シリコンデュアルゲートMOSFET(60)のドレインをブートストラップするよう構成されることを特徴とする、請求項10に記載の電位センサ。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明は例示により、添付の図を引用して更に記載される。
【0019】
図1により、国際特許出願第WO03/048789号に開示されるような電気力学的センサがまず述べられる。
【0020】
図1に示されるように、国際特許出願第WO03/048789号による電気力学的センサ10は、非反転入力のセンサ増幅器14に接続される検出電極12を具えている。使用時において、検出電極12は測定信号をセンサ増幅器14へ供給し、その出力は出力としての増幅された検出信号を供給する。
【0021】
検出電極12は導電性ステム18に取り付けられるディスク電極16を含み、ディスク電極16は基板22上の表面酸化層20を具えている。センサ増幅器14は電極12と非反転入力の増幅器14との間に結合される、固定化入力抵抗24を有し、安定した入力バイアス電流を増幅器14へ提供している。実際には、入力抵抗24は一般的に100GΩ又はそれ以上のオーダの高い抵抗値を有している。センサ増幅器14は電極12と抵抗24を含む入力回路を物理的に囲み、増幅器14の出力によって駆動されるシールドを提供するガード26を更に有している。漂遊容量は従って、ガード又はシールド26上の電位を入力検出電極12上と同一に維持することによる、この受動フィードバック技術によって緩和される。
【0022】
ガード26に加えて、更なる回路素子は国際特許出願第WO03/048789号に記載のように、センサのブートストラッピングや中和のために提供できる。
【0023】
図1に示した初期のセンサを電気力学的なボディセンシング用に使用して、酸化層20が観察下で、ヒトの皮膚に比較的強い電気的結合を提供するコンデンサを形成する場合には、接触モードで、あるいは、酸化層20を省くことができ、比較的弱い電気結合を提供する容量結合を、衣類又はその他の介在層を通じて得ることができる場合は、電気的に絶縁されたセンシングモードで、生物測定学的な測定を得ることができる。
【0024】
本発明によるセンサ28は、このようなセンサが
図1のセンサ10を効果的に具えるように
図2により記載され、検出電極12とセンサ増幅器14を有し、特に、試験下の対象に対する弱い容量結合がある場合には、信号測定の精度を増加させる更なる及び異なる素子を含んでいる。
【0025】
1のこのような追加素子は、電極12を囲み、アースあるいはセンサ増幅器の零の電位点のような、基準電圧電位V
rと接続される環状導電素子12aを具えている。環状素子12aの効果は、電極12からセンサ増幅器12用のアース点までの有効距離を減ずることによって、ソースインピーダンス、すなわち、試験下のサンプルと、結合抵抗R
cと結合コンデンサC
cとの組合せにより提供されるようなセンサ増幅器14の入力との間の結合インピーダンスを減少させることである。素子12aは環状である必要はなく、他の構造でも良い。
【0026】
更なる追加の素子はセンサ回路自体に含まれている。特に本発明のセンサ28は、
図1のセンサ10の特徴と協同して、市販用のオペアンプで利用可能なものよりも本質的に低いデバイス入力容量を有する、独立型前置増幅器ステージ30を使用する。このような独立型前置増幅器ステージ30は
図2に概略的に示され、この独立型デバイスの実施例が
図3乃至6により述べられている。本発明は、例えば
図2乃至6にそれぞれ示したように、独立型デバイスの動作を向上させるために前置増幅器ステージ30と組み合わせて、様々なブートストラッピング技術を更に使用できる。更に、又は代わりに、本発明は、例えば
図2や7乃至9に示したような、雑音の振幅を減ずる技術を使用できる。
【0027】
図2はどのように、これらの異なる技術がセンサに適用されて、有意にSN比を向上させるかを示す、本発明によるセンサ28のブロック図である。実際に検出電極12とセンサ増幅器14との間に挿入される独立型前置増幅器ステージ30の一実施例は、
図3及び4に詳細に示され、述べられている。この実施例は、
図2に分離して示されているブートストラッピング回路32を含んでいる。ブートストラッピング回路32並びに直流レベル再生回路34を更に含む、独立型前置増幅器ステージ30の別の実施例は
図5に例示されている。
【0028】
図5の独立型前置増幅器ステージ30は、例えば、
図6に示したようなカスコード回路接続36によって提供されて、前置増幅器ステージ30として使用されるFETのソースをブートストラップし、及び/又は、
図7に示したようなドレインブートストラップ回路38によって提供されて、前置増幅器ステージ30として使用されるFETのドレインをブートストラップする、追加のブートストラッピングによって更に向上できる。
【0029】
図8乃至12に示した雑音の減少のための更なる技術は、センサ28に更に適用することができる。これらの技術は、低周波数不安定性の問題を克服するための
図8に示した直流安定性ゲイン設定回路40、及び/又は低周波数雑音の問題を取り扱うための
図9及び10に示したノイズマッチング回路42、及び/又は、ドリフト減少の問題を取り扱うための
図11乃至12に示された強化ブートストラップ回路44の提供を含むことができる。これらの追加の回路は総て、一般的にオペアンプベースのセンサにとって、並びに、特に
図2に関して述べたような独立型前置増幅器ステージ30を含むセンサ28のバージョンにとって適切である。しかしながら、検出電極12と試験下のサンプルとの間の弱い結合の場合においては、最大のSN比は、
図2乃至7による下記のような独立型前置増幅器ステージ30と、
図8乃至12に関する下記のような技術の少なくとも1つとの双方を利用することによって得られる。
【0030】
独立型前置増幅器ステージ
試験下のサンプルとセンサ28との間の結合キャパシタンスC
cが、センサ28の入力キャパシタンスC
inより更に小さい場合について、利用可能な測定信号はキャパシタンスC
cとC
inで作られる容量分圧器によって減衰する。実際に多くの遠隔モニタリングアプリケーションに対する、及び、特に例えば、生物測定的センシングの分野における顕微鏡プローブに対する場合にこのようになる。この場合において、SN比を増加させる最良の方法は、入力キャパシタンスC
inを減少させ、結合キャパシタンスC
cより小さく、又は同等にすることである。しかしながら、市販の利用可能なオペアンプは1乃至10pFの範囲の入力キャパシタンスC
inを有し、更に減ずることができない。本発明は、0.1pFと同程度に低い入力キャパシタンスを有する独立型前置増幅器ステージ30が、より低い入力キャパシタンスをあるのに有効な検出電極12とセンサ増幅器14を組み合わせて、使用することができるという認識に基づいている。フロントエンドの前置増幅器のようなデバイスの使用は、大きなファクタ(10倍ないし100倍)まで利用可能な信号を増加させる。
【0031】
図3に示したようなセンサ28の一実施例においては、前置増幅器ステージ30は入力V
inによって
図3に示される既知のセンサの検出電極12と、既知のセンサのオペアンプ14との間に位置する高電子移動度トランジスタ(HEMT)デバイス50を用いて得られる。HEMTデバイス50は、デバイスの半導体チャネル内の電荷担体の非常に高い移動度のために非常に低いノイズ特性を示す。HEMTデバイス50はこの例では共通のソース増幅器として構成され、反転の電圧ゲイン特性を有している。抵抗RdはHEMTデバイス50のチャネルを通ずる電流を制限し、直流動作点は、HEMTデバイス50のゲートに接続されるゲート抵抗Rgに適用される電圧によって設定される。HEMTデバイス50のドレインから受け取られる出力信号は、センサ増幅器14を構成するオペアンプOPA1により増幅され、オペアンプOPA1のゲインは、2つの抵抗R1、R2及びコンデンサC1とのフィードバック接続によって設定される。
【0032】
オペアンプOPA1からの出力の減衰バージョンは、ゲート抵抗RgのためにコンデンサC2を介してブートストラップ信号を提供するように配列される更なるオペアンプOPA2を具えるブートストラップ回路32(
図2参照)を含む受動フィードバックループにより、フィードバックされて増幅され、それによってセンサ28の入力インピーダンスを増加させる。オペアンプOPA2のゲインは2つの抵抗R3とR4により設定される。更に、抵抗R5はHEMTデバイス50により要求される入力バイアス電流のために直流経路を提供している。
【0033】
SN比の更なる向上は、独立型前置増幅器ステージ30を提供する第1段階のトランジスタ50を物理的に分離し、例えば
図4に示したように低温で動作させることによって得ることができる。
図4の回路は、破線の左側の回路部分が、低温動作のために極低温で維持され、右側の部分が室温になる。
【0034】
HEMTデバイス50が、
図3及び4に示されるように、センサ増幅器14の前の前置増幅器の形態を取るか、代わりに、次のオペアンプOPA1のフィードバックループ内に取り込むことができることは留意すべきである。更に、HEMTデバイス50は作動的に用いられる場合、2又はそれ以上のデバイスを具えることができる。
【0035】
図5に示された別の実施例において、シリコンデュアルゲートMOSFET(又は、そのように接続された2つのFET)は、前置増幅器ステージ30として使用される。MOSFET60は適切なドレイン抵抗R
dによってバイアスをかけられて、反転の電圧ゲインを与える。センサ電極12からの入力信号はMOSFET60のゲートG2と結合し、MOSFET60のゲートG2は、更なる抵抗R
G1によって適切なバイアス電圧で保持される。この例での入力バイアス電流は一般的には、ブートストラップ回路32に接続される、10乃至100GΩの範囲の抵抗値を有する高い数値の抵抗R
bによって提供され、必要な結合と直流バイアスとを、抵抗R
bに提供するコンデンサC4と抵抗R10の並列接続を具えている。
【0036】
ドレインDから受け取られる、この実施例のMOSFET60の出力は、増幅された入力信号と不必要な直流オフセットの双方を含んでいる。この直流オフセットは、次のオペアンプ回路OPA3と組み合わせた直流レベル再生回路によって除去でき、差動増幅器として構成され、センサ28のセンサ増幅器14を表わしている。オペアンプOPA3のゲインは、反転入力用の抵抗R6及びR7により、非反転入力用の抵抗R7及びR9によって設定される。更にコンデンサC3は、そこに結合される信号の交流成分を排除するローパスフィルタとして機能を果たすように抵抗R9を横切って接続され、それによって直流オフセットが残る。このようにして、オペアンプOPA3によって増幅される差分信号は、必要な信号のみからなる。この技術は、MOSFET60の出力にある直流ドリフトに応答し、フィルタ素子の時定数によって設定される折点周波数以下の信号からこれを除去するという利点を有する。
【0037】
オペアンプOPA3からの出力は、
図1に示したようなガード回路用、及び既述のようなブートストラップ回路、並びに国際特許出願第WO/03048789号に記載のような中和回路用の受動フィードバック信号を提供するのに適している。
図5の構造を有するセンサ28用の1pF未満の入力キャパシタンスは、この実施例を用いて実験的な試行で測定されてきた。
【0038】
抵抗R
bにより提供されるような上述の直流入力バイアス電流は、実際は:第1に、ブートストラップコンデンサC4を通ずる漏れにより(通常は、コンデンサの有効抵抗値は、バイアス抵抗の抵抗値よりかなり低い);第2に、ブートストラップコンデンサC4と並列になる抵抗R10の追加により;第3に、バイアス抵抗R
bとブートストラップコンデンサC4との組合せからアースする抵抗を含むことにより;という3つの手段の一の又はある組合せにより、提供されうることに留意すべきである。
【0039】
図6及び7に示された実施例は
図5に示され、述べられている回路の変形であり、これらが記載されている。同じような部分は同一の引用符号で示され、更に詳細には述べていない。
【0040】
図6に示された
図5の実施例のバージョンにおいて、シリコンデュアルゲートMOSFET60は、デバイスがソースSに内蔵ブートストラップされるカスコード構造で接続されて、内蔵ブートストラッピングは前置増幅器ステージ内に提供される。このようなカスコード接続36(
図2参照)は、MOSFET60と、MOSFET60がセンサ28の入力ステージである場合、総てのセンサとの双方で入力キャパシタンスをC
inを大きく減ずる効果を有する。この回路については、MOSFET60により提供される第1の独立型前置増幅器ステージの電圧ゲインは1であり、転置されない。MOSFET60の出力は、オペアンプOPA3(増幅器14)を含む直流レベル再生回路34を通じて供給され、次いで反転増幅器OPA4と結合されて、ブートストラップ回路32用のフィードバック信号の補正位相を提供している。オペアンプOPA4のゲインは、2つの抵抗R11及びR12によって設定される。オペアンプOPA4からの出力の端数部は以前のようにブートストラップ回路32のために用いられる。0.2pF未満の入力キャパシタンスはセンサ28用のこの構成を用いて、実験的な試行で測定されてきた。
【0041】
カスコード回路接続36を有する
図6の実施例の更なる向上は、
図7の実施例に示されるように可能である。この実施例によると、ソースSに対するブートストラップと同様に、MOSFET60のドレインDに対する追加のブートストラップは、本来の入力キャパシタンスを更に減ずることを可能にしている。追加のブートストラップ38はこの例においてはコンデンサC4と抵抗R10との並列接続のMOSFET末端と、MOSFET60のドレインDとの間に接続されるブートストラップコンデンサC5を用いて得られる。代替的に例えば、C4/R10の並列接続の他方の末端から得られる独立して誘導されるブートストラップ信号を使用することは可能である。
【0042】
例によると、入力キャパシタンスは
図7の回路を用いて0.1pF未満に減ずることができる。これは〜0.1pF又はより大きい結合キャパシタンスがある限りにおいては、最適なSN比が得られることを示している。しかしながら、回路のこの構造のために、測定可能にすることは予測され、〜10
−15Fまで減った結合キャパシタンスについて、10:1のSN比がソースでの1ボルト信号を推測する。
【0043】
図3乃至7の回路は、弱い結合がサンプルに生ずる場面において、試験下のサンプルに対する電位センサ28の全体反応を有意に向上させる。しかしながら、下に示す特定の状況においては、問題が低周波数の動作でまだ生ずる。
図8乃至12で示され、述べられた回路はこれらの問題を取り扱う。
【0044】
直流安定性ゲイン設定回路
ほとんどの増幅器の最適な雑音性能は、閉ループゲインが1よりかなり大きい、一般的には30倍ないし100倍の場合に得られる。電位センサ28内に大きな電圧ゲインを取り込むことは、雑音性能の改善を引き起こすが、更に低周波数不安定性を導入し、センサの設定時間を増加させる。この問題を軽減する一のアプローチは、国際特許出願第WO/03048789号に述べたような低周波数ネガティブフィードバック安定化ループを使用している。別の簡単かつ有効な技術は、
図8に詳細に示したような直流安定性ゲイン設定回路40(
図2参照)を使用することによって、交流結合をゲイン設定回路網に導入することである。このような直流安定性ゲイン設定回路40は、
図3乃至7の実施例に述べられた1又はそれ以上の技術との組合せで、都合よく使用できるが、独立して単独で使用した場合でも利益を提供できる。
【0045】
特に、
図8の直流安定性ゲイン設定回路40は、センサ28のセンサ増幅器14の出力でのネガティブフィードバックループと接地との間に、時定数を低周波数動作のセンサ28用に設定するための動作直列接続の抵抗R
fとコンデンサC
fを具え、時定数は:
f
c=1/2πR
fC
f
によって与えられる。この効果は、直流で1にセンサ増幅器14のゲインを減じることである一方、信号周波数で高ゲインを維持し、このようにしてセンサを安定化し、設定時間を改善している。このようにして、高い電圧ゲインと安定性と共に低い雑音性能を得ることが可能となる。
【0046】
ノイズマッチング回路
センサ28のセンサ増幅器14のような差動入力増幅器の雑音性能は、多くのファクタに依存している。パラメータ間で考慮されるのは、ソースインピーダンスのレベル、すなわち、試験下のサンプルと、入力抵抗R
inと入力キャパシタンスC
inとの組合せにより提供されるような入力インピーダンスと比較される、結合抵抗R
cと結合キャパシタンスC
cとの組合せにより提供されるようなセンサ増幅器14の入力との間の結合インピーダンスと、電圧及び電流雑音の相対的な寄与が増幅器14の出力で観察されるような全体的な周波数依存性雑音を生成するように組み合わされる範囲とである。サンプルと入力との間の結合インピーダンスが非常に高い場合について(すなわち、R
c>>R
in及び/又はC
c<<C
in)、このファクタは周波数依存性雑音に非常に大きな影響を及ぼす。
【0047】
センサ増幅器14の反転及び非反転入力の間にある精密なインピーダンス整合は、共通モードの除去比率を最大化するだけではなく、雑音を最小化するのに役立つ。このことは、例えば
図9に示されるような
図2のノイズマッチング回路42を提供する周波数依存性整合回路網を含むことによって得ることができる。この回路網においては、R
m=R
c及びC
m=C
cの抵抗R
mとコンデンサC
mからなる並列結合は、センサ増幅器14の入力に加えられて、この平衡状態と、これによるセンサ増幅器14の出力で観察される周波数依存性雑音の減少とを得る。
【0048】
図9の回路の変形において、並列素子R
m、C
mは、
図10で示したような適したバイアス素子があれば、FETや可変容量ダイオードの並列結合によって置換されて、信号対雑音の最適化用の抵抗及びキャパシタンスに遠隔整調できる値を許容することができる。バイアス電圧V
gとV
vはFETチャネルの抵抗と可変容量ダイオードのキャパシタンスをそれぞれ制御する。
【0049】
図8の回路の場合のように、
図9又は10のノイズマッチング回路42は、
図3乃至7の実施例により述べられた1又はそれ以上の技術との組合せで都合よく使用することができるが、独立して単独で使用した場合でも利益を提供できる。
【0050】
国際特許出願第WO/03048789号に述べたような、入力バイアス回路網をブートストラップするのに高域透過特性を有する受動フィードバックループを使用することは、入力インピーダンスを増加させることによって、基本センサ10の性能を有意に向上させる。しかしながら、この技術は、ブートストラップ回路の抵抗RとコンデンサC用に選択される値によって設定された場合、要求される長い時定数により非常に低周波数(つまり、1Hz未満)で、実行することを困難にしている。言い換えれば、SN比は低周波数で減ずる。この問題を取り扱う一つの方法は
図2及び11に示されたような強化ブートストラップ回路の使用を具え、センサ増幅器14から利用可能な高ゲイン出力(例えば、10倍)を利用している。例えば、抵抗値について9:1の比率を示す、増幅器14の出力での2つのゲイン設定抵抗9R及びRの提供は、10倍のゲインを与える。最大のブートストラップ及び安定動作が得られる場合、ブートストラップ信号は正確に1倍にしなければならない。この強化ブートストラップ回路44においては、増幅器14からの出力信号はブートストラップコンデンサCを通じて、
図11のコンデンサCの左手側に示された、9:1の比率の更なる抵抗R及び9Rを具える1/10抵抗型減衰器にフィードバックされて、1倍のブートストラップ信号を提供する。このことは、時定数の10倍の増加(本例においては)となり、従って、既知の低い動作周波数又は低い周波数動作のために、コンデンサC用の小さな値を導いている。
【0051】
図11の強化ブートストラップ回路の変形は、ハイパスフィルタを用いて
図12に示すようなより低い動作周波数のブートストラップ回路を設定している。ここで時定数は増幅器14の出力からのフィードバック回路に接続される抵抗−コンデンサ対(RC)によって設定され、高インピーダンス緩衝増幅器OPA6と共に、RC対は二次ハイパスフィルタを形成する。ゲインはゲイン設定抵抗R1とR2により提供される。
【0052】
図12の変形は、高インピーダンス緩衝増幅器の前に受動ハイパスフィルタか、アクティブハイパスフィルタかのいずれかを使用するできることが分かり、双方が低周波数動作をR及びCの都合よい数値で得られるのを可能にする。
【0053】
更に、強化ブートストラップ回路44は
図3乃至7の実施例により述べられた1又はそれ以上の技術との組合せで都合よく使用することができるが、独立して単独で使用した場合でも利益を提供できる。
【0054】
図8乃至12により述べられた回路は、独立して又は
図3乃至7の実施例により述べられた技術との組合せで使用できることは理解すべきである。