特許第5777087号(P5777087)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 三星電子株式会社の特許一覧

特許5777087LCタンクフィルタを含む受信器及びその動作方法
<>
  • 特許5777087-LCタンクフィルタを含む受信器及びその動作方法 図000002
  • 特許5777087-LCタンクフィルタを含む受信器及びその動作方法 図000003
  • 特許5777087-LCタンクフィルタを含む受信器及びその動作方法 図000004
  • 特許5777087-LCタンクフィルタを含む受信器及びその動作方法 図000005
  • 特許5777087-LCタンクフィルタを含む受信器及びその動作方法 図000006
  • 特許5777087-LCタンクフィルタを含む受信器及びその動作方法 図000007
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5777087
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】LCタンクフィルタを含む受信器及びその動作方法
(51)【国際特許分類】
   H03F 3/45 20060101AFI20150820BHJP
   H04B 1/16 20060101ALI20150820BHJP
   H03F 1/30 20060101ALI20150820BHJP
【FI】
   H03F3/45 Z
   H04B1/16 R
   H03F1/30 A
   H03F1/30 B
【請求項の数】9
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2010-257988(P2010-257988)
(22)【出願日】2010年11月18日
(65)【公開番号】特開2011-109669(P2011-109669A)
(43)【公開日】2011年6月2日
【審査請求日】2013年11月13日
(31)【優先権主張番号】10-2009-0112256
(32)【優先日】2009年11月19日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100086368
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 誠
(72)【発明者】
【氏名】文 鉉 元
(72)【発明者】
【氏名】柳 華 烈
【審査官】 緒方 寿彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−124965(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0113625(US,A1)
【文献】 特表2008−510333(JP,A)
【文献】 米国特許第07343146(US,B1)
【文献】 米国特許出願公開第2006/0035619(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H03F 1/00− 3/45、3/50− 3/52、
3/62− 3/64、3/68− 3/72
H04B 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の入力端子に入力する差動入力信号を増幅し、複数の出力端子を通じて差動出力信号を出力する差動増幅器と、
前記差動増幅器の前記複数の出力端子に接続するオシレータと、を含み、
前記差動増幅器と前記オシレータは、イネーブル信号に応答して二者択一的に動作する受信器であって、
前記受信器は、
前記複数の出力端子のうちの何れか一つから出力された信号の第1周波数とPLLから出力された信号の第2周波数とを互いに比較して、調整コードを調節するコード発生器と、
前記複数の入力端子に接続し、前記調整コードに応答して、前記差動入力信号のそれぞれの周波数を調節するLCタンクフィルタと、
をさらに含むことを特徴とする受信器。
【請求項2】
前記コード発生器は、
前記第1周波数をM分周した第1分周周波数と前記第2周波数を(N*L)分周した第2分周周波数とを互いに比較し、その比較結果によって、前記調整コードを調節することを特徴とする請求項に記載の受信器。
【請求項3】
前記コード発生器は、
前記第2周波数をN分周した第3周波数に基づいて、前記第1分周周波数と前記第2分周周波数との差を計算し、その計算結果によって、前記調整コードを調節することを特徴とする請求項に記載の受信器。
【請求項4】
前記コード発生器は、
前記第1分周周波数と前記第2分周周波数との差が、前記第3周波数のK周期以内である時、調整終了信号を出力し、
前記オシレータは、前記調整終了信号によって非活性化する前記イネーブル信号に応答してディセーブルされることを特徴とする請求項に記載の受信器。
【請求項5】
前記受信器は、
前記調整終了信号に応答してイネーブルされ、前記差動出力信号のそれぞれの周波数と同位相差動信号のそれぞれの周波数との差に相応する複数の第1中間周波数信号を出力する第1ダウンミキサと、
前記調整終了信号に応答してイネーブルされ、前記差動出力信号のそれぞれの周波数と直交位相差動信号のそれぞれの周波数との差に相応する複数の第2中間周波数信号を出力する第2ダウンミキサと、
をさらに含むことを特徴とする請求項に記載の受信器。
【請求項6】
複数の入力端子に入力する差動入力信号を増幅し、複数の出力端子を通じて差動出力信号を出力する差動増幅器と、
前記差動増幅器の前記複数の出力端子に接続するオシレータと、を含み、
前記差動増幅器と前記オシレータは、イネーブル信号に応答して二者択一的に動作する受信器であって、
前記受信器は、
前記複数の出力端子に接続し、調整コードに応答して、前記差動出力信号のそれぞれの周波数を調節するLCタンクフィルタと、
前記複数の出力端子のうちの何れか一つから出力され、前記LCタンクフィルタによって調整された第1周波数とPLLから出力された信号の第2周波数とを互いに比較して、前記調整コードを調節するコード発生器と、
をさらに含むことを特徴とする受信器。
【請求項7】
前記コード発生器は、
前記第2周波数をN分周した第3周波数に基づいて、前記第1分周周波数と前記第2分周周波数との差を計算し、その計算結果によって、前記調整コードを調節することを特徴とする請求項に記載の受信器。
【請求項8】
前記コード発生器は、
前記第1分周周波数と前記第2分周周波数との差が、前記第3周波数のK周期以内である時、調整終了信号を出力し、
前記オシレータは、前記調整終了信号によって非活性化する前記イネーブル信号に応答してディセーブルされることを特徴とする請求項に記載の受信器。
【請求項9】
前記受信器は、
前記調整終了信号に応答してイネーブルされ、前記LCタンクフィルタの出力信号のそれぞれの周波数と同位相差動信号のそれぞれの周波数との差に相応する複数の第1中間周波数信号を出力する第1ダウンミキサと、
前記調整終了信号に応答してイネーブルされ、前記LCタンクフィルタの複数の出力信号のそれぞれの周波数と直交位相差動信号のそれぞれの周波数との差に相応する複数の第2中間周波数信号を出力する第2ダウンミキサと、
をさらに含むことを特徴とする請求項に記載の受信器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信器に係り、特に、PVT変化に鈍感なLCタンクフィルタを含むRF受信器に関する。
【背景技術】
【0002】
RF受信器で、フィルタは、工程(process;P)、電圧(voltage;V)、または温度(temperature;T)の変化に敏感に変化するために、所望の周波数特性を得ることができない場合がある。これにより、工程(P)、電圧(V)、または温度(T)の変化に鈍感なフィルタを含む受信器が要求される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明が解決しようとする技術的な課題は、工程、電圧、または温度の変化に鈍感なLCタンクフィルタを含む受信器と受信器の動作方法とを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の実施形態による受信器は、複数の入力端子に入力される差動入力信号を増幅し、複数の出力端子を通じて差動出力信号を出力する差動増幅器と、差動増幅器の複数の出力端子に接続するオシレータと、を含む。
差動増幅器とオシレータとは、イネーブル信号に応答して二者択一的に動作する。
【0005】
実施形態によって、受信器は、複数の出力端子のうちの何れか一つから出力された信号の第1周波数と、PLLから出力された信号の第2周波数とを互いに比較して、調整コードを調節するコード発生器と、複数の入力端子と接続し、調整コードに応答して、差動入力信号のそれぞれの周波数を調節するLCタンクフィルタと、をさらに含む。
【0006】
コード発生器は、第1周波数をM分周した第1分周周波数と第2周波数を(N*L)分周した第2分周周波数とを互いに比較し、その比較結果によって、調整コードを調節する。
コード発生器は、第2周波数をN分周した第3周波数に基づいて、第1分周周波数と第2分周周波数との差を計算し、その計算結果によって、調整コードを調節する。
コード発生器は、第1分周周波数と第2分周周波数との差が、第3周波数のK周期以内である時、調整終了信号を出力し、オシレータは、調整終了信号によって非活性化するイネーブル信号に応答してディセーブルされる。
【0007】
受信器は、調整終了信号に応答してイネーブルされ、差動出力信号のそれぞれの周波数と同位相差動信号のそれぞれの周波数との差に相応する複数の第1中間周波数信号を出力する第1ダウンミキサと、調整終了信号に応答してイネーブルされ、差動出力信号のそれぞれの周波数と直交位相差動信号のそれぞれの周波数との差に相応する複数の第2中間周波数信号を出力する第2ダウンミキサと、をさらに含む。
【0008】
実施形態によって、受信器は、複数の出力端子と接続し、調整コードに応答して、差動出力信号のそれぞれの周波数を調節するLCタンクフィルタと、複数の出力端子のうちの何れか一つから出力され、LCタンクフィルタによって調整された第1周波数とPLLから出力された信号の第2周波数とを互いに比較して、調整コードを調節するコード発生器と、をさらに含む。
オシレータは、ネガティブコンダクタンスを用いてオシレーション信号を生成する。
【0009】
本発明の実施形態によるLCタンクフィルタを含む受信器の動作方法は、オシレータから出力され、LCタンクフィルタによって決定された第1周波数と、PLLから出力された第2周波数とを用いて調整コードを生成する段階と、調整コードによって、LCタンクフィルタのキャパシタンスを調節する段階と、を含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明の実施形態によるLCタンクフィルタを含む受信器で、コード発生器を利用することによって、LCタンクフィルタの特性をPVT変化に無関係に維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の実施形態による受信器のブロック図。
図2図1に示したRF増幅器の回路図。
図3図1に示したLCタンクの回路図。
図4図1に示した受信器の動作を制御するための制御信号の波形図。
図5図1に示したコード発生器の回路図。
図6図1に示した受信器の動作を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付した図面を参照して、本発明を詳しく説明する。
図1は、本発明の実施形態による受信器のブロック図を示す。図1を参照すると、受信器10は、LNA12、第1LCフィルタ14、RF増幅器16、第2LCフィルタ18、及びコード発生器32を含む。図1に示す受信器10は、GPS受信器のRFフロントエンドの一部であり得る。
【0013】
実施形態によって、受信器10は、第1LCフィルタ14と第2LCフィルタ18とのうちの少なくとも一つを含みうる。第1LCフィルタ14と第2LCフィルタ18のそれぞれは、LC調節フィルタまたはLCタンクフィルタとも呼ばれうる。LNA12は、アンテナ(図示せず)と前置選択フィルタ(図示せず)とを通じて入力された信号を増幅し、増幅された信号RF inpとRF innとを出力する。前置選択フィルタは、バンドパスフィルタとして具現可能である。
【0014】
第1LCフィルタ14の総キャパシタンスは、コード発生器32から出力された調整コードCal_codeによって調節される。この際、調整コードCal_codeは、複数のビットを含む。例えば、第1LCフィルタ14の遮断周波数は、調整コードCal_codeによって調節される。
第1LCフィルタ14または第2LCフィルタ18が、図3のように具現される場合、第1LCフィルタ14のキャパシタンスと第2LCフィルタ18のキャパシタンスは、コード発生器32から出力された調整コードCal_codeによって調節される。
【0015】
例えば、第1LCフィルタ14または第2LCフィルタ18は、インダクタ(L)、インダクタ(L)に並列接続する複数のキャパシタC0、2C0、4C0、及び8C0、及び複数のスイッチを含む。複数のスイッチのそれぞれは、4ビット調整コードCal_codeを構成する各ビットのレベルによってオン/オフされる。第1LCフィルタ14は、LNA12の出力負荷として使われる。調整コードCal_codeによって第1LCフィルタ14または第2LCフィルタ18は、工程、電圧、または温度のうちの少なくとも一つの変化に無関係に動作することができる。
【0016】
図2は、図1に示したRF増幅器の回路図を示す。図1図2とを参照すると、RF増幅器16は、ロック検出器30から出力されたロック信号PLL_LOCKに応答して調整動作を開始し、コード発生器32から出力された調整終了信号Cal_ENDに応答して正常増幅動作を行う。
【0017】
すなわち、調整動作時、第1LCフィルタ14または第2LCフィルタ18のLC調整は、コード発生器32から出力された調整コードCal_codeによって行われる。実施形態によって、第1LCフィルタ14または第2LCフィルタ18のキャパシタンスまたはインダクタンスのうちの少なくとも一つは、調整コードCal_codeによって調節される。
【0018】
調整動作または正常増幅動作を行うRF増幅器16は、差動増幅器40、オシレータ70、及びイネーブル信号発生器90を含む。
差動増幅器40は、インダクタ42、キャパシタバンク44、複数のトランジスタ50、52、54、及び56、第1スイッチ58、及び第1電流源60を含む。ここで、第1スイッチ58は、NMOSトランジスタとして具現されるものを仮定するが、これに限定されるものではない。
【0019】
キャパシタバンク44は、可変キャパシタとして具現可能である。実施形態によって、キャパシタバンク44の総キャパシタンスは、少なくとも一つの制御信号に応答して調節される。
複数のトランジスタ50と52のそれぞれのゲートは、接地接続する。
【0020】
各LCタンクフィルタ14と18に対するLC調整が終了した後、正常増幅動作の間に、すなわち、図4に示した相補イネーブル信号Cal_ENBが、ハイレベルである時、差動増幅器40は、複数の入力端子54と56とに入力される差動入力信号RF inpとRF Innとの差を増幅し、複数の出力端子46と48を通じて差動出力信号RF outpとRF outnとを出力する。
【0021】
調整動作時に動作するオシレータ70は、クロス接続する複数のトランジスタ72と74、第2スイッチ78、及び第2電流源80を含む。ここで、第2スイッチ78は、NMOSトランジスタとして具現されるものを仮定するが、これに限定されるものではない。
調整動作の間に、すなわち、図4に示したイネーブル信号Cal_ENが、ハイレベルである時、差動増幅器40の出力端子46と48に接続するオシレータ70は、オシレーション信号を出力端子46と48とに出力する。オシレーション信号は、各LCタンクフィルタ14と18のキャパシタバンクのキャパシタンスを決定するために使われる。
【0022】
実施形態によって、オシレータ70は、ネガティブコンダクタンスを有するクロス接続された複数のトランジスタ72と74を用いてオシレーション信号を発生させる。
調整動作の間に、イネーブル信号発生器90は、ロック検出器30から出力されたロック信号PLL_LOCKに応答してハイレベルを有するイネーブル信号Cal_ENを発生させる。
【0023】
オシレータ70は、ハイレベルを有するイネーブル信号Cal_ENに応答してイネーブルされ、差動増幅器40は、ローレベルを有する相補イネーブル信号Cal_ENBに応答してディセーブルされる。ここで、イネーブル信号Cal_ENと相補イネーブル信号Cal_ENBは、相補信号または差動信号である。
正常増幅動作の間に、イネーブル信号発生器90は、コード発生器32から出力された調整終了信号Cal_ENDに応答してローレベルを有するイネーブル信号Cal_ENを発生させる。
【0024】
オシレータ70は、ローレベルを有するイネーブル信号Cal_ENに応答してディセーブルされ、差動増幅器40は、ハイレベルを有する相補イネーブル信号Cal_ENBに応答してイネーブルされる。
すなわち、調整動作の間には、オシレータ70のみ動作し、正常増幅動作時には、差動増幅器40のみ動作する。実施形態によって、受信器10は、初期化動作、調整動作、及び正常増幅動作を順次に行うことができる。
【0025】
第2LCフィルタ18は、RF増幅器16の出力端子に接続され、調整コードCal_codeに応答してRF増幅器16から出力された差動出力信号のそれぞれの周波数を調節する。すなわち、RF増幅器16の差動出力信号のそれぞれの周波数は、第2LCフィルタ18によって決定される。
【0026】
調整動作の間に、コード発生器32は、RF増幅器16の出力端子のうちの何れか一つから出力され、第2LCフィルタ18によって調節された第1周波数Fcalと、PLL28から出力された信号の第2周波数FLOとを互いに比較し、その比較結果に相応する調整コードCal_codeを第1LCフィルタ14と第2LCフィルタ18とのうちの少なくとも何れか一つに出力する。
【0027】
調整動作の間に、コード発生器32は、第1周波数Fcalと第2周波数FLOとが互いに一致するか、または第1周波数Fcalと第2周波数FLOとの差が、一定範囲内になるまで調整コードCal_codeを減少、または増加させることができる。実施形態によって、第1周波数Fcalの上昇エッジと第2周波数FLOの上昇エッジとを一致または同期させる時、第1周波数Fcalの下降エッジと第2周波数FLOの下降エッジとが比較の対象となりうる。
【0028】
実施形態によって、コード発生器32は、第1周波数FcalをM(Mは、自然数であり、例えば、M=64)分周した第1分周周波数と、第2周波数FLOを(N*L)分周した第2分周周波数とを互いに比較し、その比較結果によって増加、または減少する調整コードCal_codeを出力する。例えば、NとLは自然数であり、Nは4であり、Lは16であり得る。実施形態によって、比較の対象は、第1分周周波数の周期と第2分周周波数の周期とである。
【0029】
また、コード発生器32は、第2周波数FLOをN分周した第3周波数FDETに基づいて、第1分周周波数(例えば、第1分周周波数の周期)と第2分周周波数(例えば、第2分周周波数の周期)との差を計算し、その計算結果によって調整コードCal_codeを増加、または減少させることができる。
【0030】
例えば、コード発生器32は、第1分周周波数と第2分周周波数との差が、第3周波数FDETのK周期以内である時、第1周波数Fcalと第2周波数FLOとが互いに一致すると判断し、調整終了信号Cal_ENDをRF増幅器16に出力する。ここで、Kは、自然数である。
【0031】
RF増幅器16のイネーブル信号発生器90は、調整終了信号Cal_ENDに応答してローレベルを有するイネーブル信号Cal_ENを発生させ、ハイレベルを有する相補イネーブル信号Cal_ENBを発生させる。
この際、オシレータ70はディセーブルされ、差動増幅器40はイネーブルされる。受信器10は、正常増幅動作を行う。正常増幅動作時、RF増幅器16は、LNA12の出力信号RF inpとRF innまたは第1LCタンクフィルタ14の出力信号を増幅し、増幅された信号RF outpとRF outnとを周波数変換器20と22とに伝送する。
【0032】
PLL28は、外部信号の周波数Frefの位相に同期した位相を有する第2周波数FLOを含む信号を出力する。ロック検出器30は、第2周波数FLOの位相が外部信号の周波数Frefの位相に同期する時、ハイレベルを有するロック信号PLL_LOCKを生成する。
【0033】
図1では、ロック検出器30は、PLL28から分離されているが、実施形態によって、ロック検出器30は、PLL28の内部に具現可能である。
複数の周波数変換器20と22はそれぞれ、局部発振器から出力された複数の信号LO_IP、LO_IN、LO_QP、及びLO_QNのそれぞれの周波数に基づいて、RF増幅器16によって増幅された複数の信号のそれぞれの周波数または第2LCタンクフィルタ18の複数の出力信号のそれぞれの周波数を変換する。
【0034】
複数の周波数変換器20と22はそれぞれ、ハイレベルを有する補正終了信号Cal_ENDに応答して周波数変換動作を行い、調整動作時、複数の周波数変換器20と22はそれぞれディセーブルされ、正常増幅動作時、複数の周波数変換器20と22はそれぞれイネーブルされる。
【0035】
ダウンミキサとして具現可能な第1周波数変換器20は、局部発振器から出力された同位相差動信号LO_IPとLO_INのそれぞれの周波数に基づいて、RF増幅器16によって増幅された複数の信号のそれぞれの周波数または第2LCタンクフィルタ18の複数の出力信号のそれぞれの周波数を中間周波数に変換する。第1トランスインピーダンス増幅器24は、第1周波数変換器20の出力信号を増幅して、増幅された信号IF−IoutpとIF−Ioutnとを出力する。増幅された信号IF−IoutpとIF−Ioutnは、差動信号または相補的な信号である。
【0036】
また、ダウンミキサとして具現可能な第2周波数変換器22は、局部発振器から出力された直交位相差動信号LO_QPとLO_QNのそれぞれの周波数に基づいて、RF増幅器16によって増幅された信号のそれぞれの周波数または第2LCタンクフィルタ18の出力信号のそれぞれの周波数を中間周波数に変換する。第2トランスインピーダンス増幅器26は、第2周波数変換器22の出力信号を増幅して、増幅された信号IF−QoutpとIF−Qoutnとを出力する。増幅された信号IF−QoutpとIF−Qoutnとは、差動信号または相補信号である。
【0037】
図5は、図1に示したコード発生器の回路図を示す。
図5を参照すると、コード発生器32は、周波数分周ブロック100、ディバイダブロック、比較ブロック114、論理回路ブロック、及び二進サーチブロック124を含む。
【0038】
周波数分周ブロック100は、第1周波数Fcalと第2周波数FLOのそれぞれを分周して、分周された周波数を有するそれぞれの信号を出力する。
周波数分周ブロック100は、第1周波数FcalをM分周するための第1分周器102、第2周波数FLOをN分周するための第2分周器104、及び第2分周器104によって分周された第3周波数FDETをL分周するための第3分周器106を含む。
【0039】
コード発生器32で、第1周波数Fcalと第2周波数FLOとを直接比較する場合、エラーが発生することがあるため、このようなエラーの発生を防止するために、コード発生器32は比較する周波数を低め、低くなった周波数を比較する。
ディバイダブロックは、複数のディバイダ108−1、108−2、110−1、110−2、112−1、及び112−2を含む。それぞれのディバイダ108−1、108−2、110−1、110−2、112−1、及び112−2は、第1分周器102によって分周された周波数と第3分周器106によって分周された周波数とを分周して、それぞれの分周周波数fra、fva、frb、fvb、frc、及びfvcを出力する。
【0040】
比較ブロック114は、複数の比較器114−1、114−2、及び114−3を含む。
第1比較器114−1は、第3周波数FDETによってディバイダ108−1から出力された分周周波数fraとディバイダ108−2から出力された分周周波数fvaとを比較し、その比較結果によって、第1アップ信号up1と第1ダウン信号dn1とを出力する。
【0041】
例えば、第1比較器114−1は、ディバイダ108−1から出力された分周周波数fraが、ディバイダ108−2から出力された分周周波数fvaより早い場合、第1アップ信号up1を出力し、分周周波数fraが、分周周波数fvaより遅い場合、第1ダウン信号dn1を出力する。もちろん、実施形態によって、その反対であり得る。
【0042】
第1周波数Fcalと第2周波数FLOとが互いに一致する範囲内にある時、すなわち、分周周波数fraと分周周波数fvaとの差が一定範囲内にある時、第1比較器114−1は、ハイレベルを有する第1アップ信号up1とハイレベルを有する第1ダウン信号dn1とを出力する。
【0043】
第2比較器114−2は、第3周波数FDETによってディバイダ110−1から出力された分周周波数frbとディバイダ110−2から出力された分周周波数fvbとを比較し、その比較結果によって、第2アップ信号up2と第2ダウン信号dn2とを出力する。
例えば、第2比較器114−2は、ディバイダ110−1から出力された分周周波数frbが、ディバイダ110−2から出力された分周周波数fvbより早い場合、第2アップ信号up2を出力し、分周周波数frbが、分周周波数fvbより遅い場合、第2ダウン信号dn2を出力する。もちろん、実施形態によって、その反対であり得る。
【0044】
第1周波数Fcalと第2周波数FLOとが互いに一致する範囲内にある時、すなわち、分周周波数frbと分周周波数fvbとの差が一定範囲内にある時、第2比較器114−2は、ハイレベルを有する第2アップ信号up2とハイレベルを有する第2ダウン信号dn2とを出力する。
【0045】
第3比較器114−3は、第3周波数FDETによってディバイダ112−1から出力された分周周波数frcとディバイダ112−2から出力された分周周波数fvcとを比較し、その比較結果によって、第3アップ信号up3と第3ダウン信号dn3とを出力する。
例えば、第3比較器114−3は、ディバイダ112−1から出力された分周周波数frcが、ディバイダ112−2から出力された分周周波数fvcより早い場合、第3アップ信号up3を出力し、分周周波数frcが、分周周波数fvcより遅い場合、第3ダウン信号dn3を出力する。
【0046】
第1周波数Fcalと第2周波数FLOとが互いに一致する範囲内にある時、すなわち、分周周波数frcと分周周波数fvcとの差が一定範囲内にある時、第3比較器114−2は、ハイレベルを有する第3アップ信号up3とハイレベルを有する第3ダウン信号dn3とを出力する。
【0047】
本明細書で、周波数が‘早い’または‘遅い’とは、比較時点で比較対象となる二つの周波数のうちの何れか一つの周波数の周期が、他の一つの周波数の周期より短い場合、または長い場合を意味する。また、周波数を比較するということは、比較時点で各周波数の周期を比較することを意味する。
【0048】
各アップ信号up1、up2、及びup3は、調整コードCal_codeを増加させるための制御信号として使われ、各ダウン信号dn1、dn2、及びdn3は、調整コードCal_codeを減少させるための制御信号として使われる。実施形態によって、その反対として具現可能である。
【0049】
論理回路ブロックは、調整終了信号Cal_ENDを発生させるための第1論理回路ブロックと、二進サーチブロック124の動作を制御するための第2論理回路ブロックとを含む。
第1論理回路ブロックは、複数のANDゲート116−1、116−2、及び116−3と第1ORゲート120とを含む。
複数のANDゲート116−1、116−2、及び116−3のうちの少なくとも一つから出力された信号が、ハイレベルである時、第1ORゲート120は、ハイレベルを有する調整終了信号Cal_ENDを出力する。
【0050】
第2論理回路ブロックは、複数のORゲート118−1、118−2、及び118−3と第2ORゲート122とを含む。
二進サーチブロック124は、第2ORゲート122の出力信号に応答して二進サーチを行い、その遂行結果によって調整コードCal_codeを増加、または減少させることができる。
【0051】
図6は、図1に示した受信器の動作を示すフローチャートである。
図1から図6を参照すると、調整動作時(ステップS10)、PLL28が、ロック状態である時、ロック検出器30は、ハイレベルを有するロック検出信号PLL_LOCKを発生させる。したがって、RF増幅器16のイネーブル信号発生器90は、ハイレベルを有するロック検出信号PLL_LOCKに応答してハイレベルを有するイネーブル信号Cal_ENを出力する。オシレータ70は、オシレーション信号を発生させる。コード発生器32は、第2LCタンクフィルタ18によって決定された第1周波数FcalとPLL28から出力された第2周波数FLOとを比較し、第1周波数Fcalが、第2周波数FLOと同一になるまで、または第1周波数FcalをM分周した第1分周周波数と第2周波数FLOを(N*L)分周した第2分周周波数との差が、第3周波数FDETのK周期以内に到逹するまで調整コードCal_codeを調節する(ステップS20)。
【0052】
第1周波数Fcalと第2周波数FLOとが同一である時、または第1分周周波数と第2分周周波数との差が、第3周波数FDETのK周期以内である時、コード発生器32は、ハイレベルを有する調整終了信号Cal_ENDを発生させる(ステップS30)。イネーブル信号発生器90は、ハイレベルを有する調整終了信号Cal_ENDに応答してローレベルを有するイネーブル信号を発生させる。オシレータ70の動作は中断され、差動増幅器40の増幅動作が開始する。RF増幅器16の差動増幅器40は、正常増幅動作を行う(ステップS40)。
【0053】
前述したように、本実施形態による受信器10は、工程、電圧、または温度の変化に無関係に一定のQファクターを維持することができる。
【符号の説明】
【0054】
10:受信器
12:LNA
14:第1LCフィルタ
16:RF増幅器
18:第2LCフィルタ
32:コード発生器
図1
図2
図3
図4
図5
図6