特許第5777212号(P5777212)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5777212
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】外科手術用デバイス
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/10 20060101AFI20150820BHJP
【FI】
   A61B17/10
【請求項の数】17
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2011-194166(P2011-194166)
(22)【出願日】2011年9月6日
(65)【公開番号】特開2012-110675(P2012-110675A)
(43)【公開日】2012年6月14日
【審査請求日】2014年7月29日
(31)【優先権主張番号】61/415,430
(32)【優先日】2010年11月19日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/209,509
(32)【優先日】2011年8月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507362281
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【弁理士】
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド エー. ニコラス
(72)【発明者】
【氏名】デイビッド エー. サイシナー
(72)【発明者】
【氏名】ドナルド マリノウスカス
【審査官】 堀川 泰宏
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−047498(JP,A)
【文献】 特開2005−253632(JP,A)
【文献】 特開2004−329624(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0101692(US,A1)
【文献】 特開2010−064673(JP,A)
【文献】 特開2009−218070(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科手術用デバイスであって、該外科手術用デバイスは、
操作者の手によって保持されるように構成されたハンドルと、
該ハンドルに結合されたシャフト部分であって、該シャフト部分は、シャフト長手方向軸を規定する、シャフト部分と、
該シャフト部分に対して回転および旋回するように該シャフト部分の遠位端に支持されているエンドエフェクタと、
該シャフト部分を通って延びる第一の駆動シャフトであって、該シャフト部分の該シャフト長手方向軸の周りでの該エンドエフェクタの回転を引き起こすように該エンドエフェクタに作動可能に接続されてい第一の駆動シャフトと、
該シャフト部分を通って延びる第二の駆動シャフトであって、該シャフト部分の該シャフト長手方向軸に対する該エンドエフェクタの旋回を引き起こすように該エンドエフェクタに作動可能に接続されてい第二の駆動シャフトと、
該ハンドルを保持する該操作者の手の親指によって起動されるように該ハンドルに支持されている制御器
を備え、
該制御器は、
第一の回転可能部材と、
第二の回転可能部材
を備え
該第一の回転可能部材は、該第一の回転可能部材の第一の方向および第二の方向への回転の際に、対応して、該第一の駆動シャフトを第一の方向および第二の方向のうちの一方に回転させて、該シャフト部分に対する該エンドエフェクタの対応する第一の方向への回転および第二の方向への回転を引き起こすように構成されており
該第二の回転可能部材は、該第二の回転可能部材の第一の方向および第二の方向への回転の際に、対応して、該第二の駆動シャフトを第一の方向および第二の方向のうちの一方に回転させて、シャフト部分に対する該エンドエフェクタの対応する第一の方向への旋回および第二の方向への旋回を引き起こすように構成されており、
該制御器は、
該第一の駆動シャフトの回転を引き起こすための複数の磁石に関連付けられた第一のホール効果スイッチであって、該複数の磁石は、該第一の回転可能部材の周りに配置されている、第一のホール効果スイッチと、
該第二の駆動シャフトの回転を引き起こすための複数の磁石に関連付けられた第二のホール効果スイッチであって、該複数の磁石は、該第二の回転可能部材の周りに配置されている、第二のホール効果スイッチと
を備える、外科手術用デバイス。
【請求項2】
前記第一の回転可能部材は、回転軸を規定し前記第二の回転可能部材は、回転軸を規定し該第二の回転可能部材の該回転軸は、該第一の回転可能部材の該回転軸に対して直交して配向している、請求項1に記載の外科手術用デバイス。
【請求項3】
前記第一の回転可能部材は、回転軸を規定し該第二の回転可能部材は、回転軸を規定し該第二の回転可能部材の該回転軸は、該第一の回転可能部材の該回転軸に対して実質的に平行である、請求項1に記載の外科手術用デバイス。
【請求項4】
前記第二の回転可能部材の前記回転軸は、前記第一の回転可能部材の前記回転軸に対して同心状である、請求項3に記載の外科手術用デバイス。
【請求項5】
前記第一の回転可能部材と前記第二の回転可能部材とは、互いの内部に入れ子状である、請求項1に記載の外科手術用デバイス。
【請求項6】
前記エンドエフェクタ回転運動およ旋回運動に関連する触知フィードバックおよび可聴フィードバックのうちの少なくとも1つを提供するためのフィードバック機構をさらに備える、請求項1に記載の外科手術用デバイス。
【請求項7】
前記フィードバック機構は、前記第一の回転可能部材および前記第二の回転可能部材の各々に提供された歯と係合する板ばねを備える、請求項に記載の外科手術用デバイス。
【請求項8】
前記エンドエフェクタは、前記シャフト長手方向軸に対して実質的に直交して延びる旋回軸の周りで単一面内で旋回するように、前記シャフト部分の前記遠位端に旋回可能に接続されている、請求項1に記載の外科手術用デバイス。
【請求項9】
前記エンドエフェクタの回転速度は、前記第一の回転可能部材の回転速度と相応し該エンドエフェクタの旋回速度は、前記第二の回転可能部材の回転速度と相応する、請求項1に記載の外科手術用デバイス。
【請求項10】
前記第一の回転可能部材の比較的遅い回転速度は、約1:1の比を有する前記エンドエフェクタの回転速度をもたらし前記第二の回転可能部材の比較的遅い回転速度は、約1:1の比を有する該エンドエフェクタの旋回速度をもたらし該第一の回転可能部材の比較的速い回転速度は、該第一の回転可能部材の該比較的速い回転速度よりも大きい該エンドエフェクタの回転速度をもたらし該第二の回転可能部材の比較的速い回転速度は、該第二の回転可能部材の該比較的速い回転速度よりも大きい該エンドエフェクタの旋回速度をもたらす、請求項に記載の外科手術用デバイス。
【請求項11】
前記ハンドルは、
前記シャフト部分を支持している上部分と、
該上部分から延びる中間部分であって、該中間部分は、長手方向軸を規定し該中間部分の該長手方向軸は、前記シャフト長手方向軸に対して約30°の角度で配向している、中間部分
を備える、請求項1に記載の外科手術用デバイス。
【請求項12】
前記エンドエフェクタは、顎部分を備える、請求項1に記載の外科手術用デバイス。
【請求項13】
外科手術用デバイスであって、該外科手術用デバイスは、
ピストルグリップの様式で操作者の手によって保持されるように構成されたハンドルと、
該ハンドルから延びるシャフト部分であって、該シャフト部分は、シャフト長手方向軸を規定する、シャフト部分と、
該シャフト部分の遠位端に支持されているエンドエフェクタであって、該エンドエフェクタは、該シャフト部分に対して回転および旋回し得る、エンドエフェクタと、
該ハンドルを保持する該操作者の手の親指によって片手で起動されるように該ハンドルに支持されている制御器
を備え、
該制御器は、
第一の回転可能部材と、
第二の回転可能部材
を備え
該第一の回転可能部材は、第一の方向および第二の方向のうちの一方に回転して、該シャフト部分に対する該エンドエフェクタの対応する第一の方向への回転および第二の方向への回転を引き起こすように構成されており
該第二の回転可能部材は、第一の方向および第二の方向のうちの一方に回転して、シャフト部分に対する該エンドエフェクタの対応する第一の方向への旋回および第二の方向への旋回を引き起こすように構成されており、
該制御器は、
該第一の駆動シャフトの回転を引き起こすための複数の磁石に関連付けられた第一のホール効果スイッチであって、該複数の磁石は、該第一の回転可能部材の周りに配置されている、第一のホール効果スイッチと、
該第二の駆動シャフトの回転を引き起こすための複数の磁石に関連付けられた第二のホール効果スイッチであって、該複数の磁石は、該第二の回転可能部材の周りに配置されている、第二のホール効果スイッチと
を備える、外科手術用デバイス。
【請求項14】
前記第一の回転可能部材は、回転軸を規定し前記第二の回転可能部材は、回転軸を規定し該第二の回転可能部材の該回転軸は、該第一の回転可能部材の該回転軸に対して直交して配向している、請求項13に記載の外科手術用デバイス。
【請求項15】
前記エンドエフェクタは、前記シャフト長手方向軸に対して実質的に直交して延びる旋回軸の周りで単一面内で旋回するように、前記シャフト部分の前記遠位端に旋回可能に接続されている、請求項13に記載の外科手術用デバイス。
【請求項16】
前記エンドエフェクタの回転速度は、前記第一の回転可能部材の回転速度と相応し該エンドエフェクタの旋回速度は、前記第二の回転可能部材の回転速度と相応する、請求項13に記載の外科手術用デバイス。
【請求項17】
前記第一の回転可能部材の比較的遅い回転速度は、約1:1の比を有する前記エンドエフェクタの回転速度をもたらし前記第二の回転可能部材の比較的遅い回転速度は、約1:1の比を有する該エンドエフェクタの旋回速度をもたらし該第一の回転可能部材の比較的速い回転速度は、該第一の回転可能部材の該比較的速い回転速度よりも大きい該エンドエフェクタの回転速度をもたらし該第二の回転可能部材の比較的速い回転速度は、該第二の回転可能部材の該比較的速い回転速度よりも大きい該エンドエフェクタの旋回速度をもたらす、請求項16に記載の外科手術用デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本願は、2010年11月19日に出願された米国仮特許出願番号61/415,430の利益および優先権を主張する。この米国仮特許出願の全内容は、本明細書中に参考として援用される。
【0002】
(背景)
(技術分野)
本開示は、外科手術用デバイスに関し、そしてより特定すると、キャブ・フォワード(cab−forward)構成を有するハンドルに支持された制御器を有する、電力で回転および/または関節運動する外科手術用デバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
(関連技術の背景)
1つの型の外科手術用デバイスは、直線状にクランプし、切断し、そしてステープル留めするデバイスである。このようなデバイスは、例えば、胃腸管から癌性組織または異常な組織を切除するために、外科手術手順において使用され得る。従来の直線状にクランプし、切断し、そしてステープル留めするデバイスは、細長シャフトおよび遠位部分を有する、ピストルグリップ様式の構造体を備え得る。この遠位部分は、鋏様式の把持要素を備え得る。このデバイスにおいて、この鋏様式の把持要素の一方の部材(例えば、アンビル部分)は、この構造体全体に対して移動または旋回し、一方で、この鋏様式の把持要素の他方の部材は、この構造体全体に対して固定されたままである。この把持要素の起動は、このハンドルの内部または表面に保持されたトリガによって、制御され得る。
【0004】
この鋏様式の把持要素に加えて、このステープル留めデバイスの遠位部分はまた、ステープル留め機構を備え得る。この把持要素の固定された部材は、ステープルカートリッジ受容領域、およびステープルを上方に駆動して、クランプされた組織に通し、そしてアンビル部分に対して駆動し、これによって、以前には開いていたこの組織の端部を封止するための機構を備え得る。これらの把持要素は、シャフトと一体的に形成され得るか、または種々の把持要素、鋏要素および/もしくはステープル留め要素が交換可能であり得るように、取り外し可能であり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
外科医は、対向する把持要素間に所望の組織を配置する目的で、これらの対向する把持要素を種々の角度の間で動かすことが必要であり得る。従って、クランプし、切断し、そしてステープル留めするデバイスの操作性を改善する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明は、例えば、以下を提供する:
(項目1)
外科手術用デバイスであって、
操作者の手によって保持されるように構成されたハンドル;
該ハンドルに結合されたシャフト部分であって、該シャフト部分は、シャフト長手方向軸を規定する、シャフト部分;
該シャフト部分に対して回転および旋回するように該シャフト部分の遠位端に支持されているエンドエフェクタ;
該シャフト部分を通って延びる第一の駆動シャフトであって、該シャフト部分の該シャフト長手方向軸の周りでの該エンドエフェクタの回転を引き起こすように該エンドエフェクタに作動可能に接続されている、第一の駆動シャフト;
該シャフト部分を通って延びる第二の駆動シャフトであって、該シャフト部分の該シャフト長手方向軸に対する該エンドエフェクタの旋回を引き起こすように該エンドエフェクタに作動可能に接続されている、第二の駆動シャフト;ならびに
該ハンドルを保持する該操作者の手の親指によって起動されるように該ハンドルに支持されている制御器であって、該制御器は、
第一の回転可能部材;および
第二の回転可能部材;
を備える、制御器、
を備え、
該第一の回転可能部材は、該第一の回転可能部材の第一の方向および第二の方向への回転の際に、対応して、該第一の駆動シャフトを第一の方向および第二の方向のうちの一方に回転させて、該シャフト部分に対する該エンドエフェクタの対応する第一の方向への回転および第二の方向への回転を引き起こすように構成されており;そして
該第二の回転可能部材は、該第二の回転可能部材の第一の方向および第二の方向への回転の際に、対応して、該第二の駆動シャフトを第一の方向および第二の方向のうちの一方に回転させて、シャフト部分に対する該エンドエフェクタの対応する第一の方向への旋回および第二の方向への旋回を引き起こすように構成されている、
外科手術用デバイス。
(項目2)
前記第一の回転可能部材が回転軸を規定し、そして前記第二の回転可能部材が回転軸を規定し、ここで該第二の回転可能部材の該回転軸が、該第一の回転可能部材の該回転軸に対して直交して配向している、上記項目に記載の外科手術用デバイス。
(項目3)
前記第一の回転可能部材が回転軸を規定し、そして該第二の回転可能部材が回転軸を規定し、ここで該第二の回転可能部材の該回転軸が、該第一の回転可能部材の該回転軸に対して実質的に平行である、上記項目のいずれか一項に記載の外科手術用デバイス。
(項目4)
前記第二の回転可能部材の前記回転軸が、前記第一の回転可能部材の前記回転軸に対して同心状である、上記項目のいずれか一項に記載の外科手術用デバイス。
(項目5)
前記第一の回転可能部材と前記第二の回転可能部材とが、互いの内部に入れ子状である、上記項目のいずれか一項に記載の外科手術用デバイス。
(項目6)
前記制御器が、
前記第一の駆動シャフトの回転を引き起こすための、前記第一の回転可能部材に関連する第一のホール効果スイッチ;および
前記第二の駆動シャフトの回転を引き起こすための、前記第二の回転可能部材に関連する第二のホール効果スイッチ、
を備える、上記項目のいずれか一項に記載の外科手術用デバイス。
(項目7)
前記エンドエフェクタの前記回転運動および前記旋回運動に関する触知フィードバックおよび可聴フィードバックのうちの少なくとも1つを提供するためのフィードバック機構をさらに備える、上記項目のいずれか一項に記載の外科手術用デバイス。
(項目8)
前記フィードバック機構が、前記第一の回転可能部材および前記第二の回転可能部材の各々に提供された歯と係合する板ばねを備える、上記項目のいずれか一項に記載の外科手術用デバイス。
(項目9)
前記エンドエフェクタが、前記シャフト長手方向軸に対して実質的に直交して延びる旋回軸の周りで単一面内で旋回するように、前記シャフト部分の前記遠位端に旋回可能に接続されている、上記項目のいずれか一項に記載の外科手術用デバイス。
(項目10)
前記エンドエフェクタの回転速度は、前記第一の回転可能部材の回転速度と相応し、そして該エンドエフェクタの旋回速度は、前記第二の回転可能部材の回転速度と相応する、上記項目のいずれか一項に記載の外科手術用デバイス。
(項目11)
前記第一の回転可能部材の比較的遅い回転速度は、約1:1の比を有する前記エンドエフェクタの回転速度をもたらし;前記第二の回転可能部材の比較的遅い回転速度は、約1:1の比を有する該エンドエフェクタの旋回速度をもたらし;該第一の回転可能部材の比較的速い回転速度は、1:1より大きい比を有する該エンドエフェクタの回転速度をもたらし;該第二の回転可能部材の比較的速い回転速度は、1:1より大きい比を有する該エンドエフェクタの旋回速度をもたらす、上記項目のいずれか一項に記載の外科手術用デバイス。
(項目12)
前記ハンドルが、
前記シャフト部分を支持している上部分;および
該上部分から延びる中間部分であって、該中間部分は、長手方向軸を規定し、そして該中間部分の該長手方向軸は、前記シャフト長手方向軸に対して約30°の角度で配向している、中間部分、
を備える、上記項目のいずれか一項に記載の外科手術用デバイス。
(項目13)
前記エンドエフェクタが顎部分を備える、上記項目のいずれか一項に記載の外科手術用デバイス。
(項目14)
外科手術用デバイスであって、
ピストルグリップの様式で操作者の手によって保持されるように構成されたハンドル;
該ハンドルから延びるシャフト部分であって、該シャフト部分は、シャフト長手方向軸を規定する、シャフト部分;
該シャフト部分の遠位端に支持されているエンドエフェクタであって、該エンドエフェクタは、該シャフト部分に対して回転および旋回し得る、エンドエフェクタ;ならびに
該ハンドルを保持する該操作者の手の親指によって片手で起動されるように該ハンドルに支持されている制御器であって、該制御器は、
第一の回転可能部材;および
第二の回転可能部材;
を備える、制御器、
を備え、
該第一の回転可能部材は、第一の方向および第二の方向のうちの一方に回転して、該シャフト部分に対する該エンドエフェクタの対応する第一の方向への回転および第二の方向への回転を引き起こすように構成されており;そして
該第二の回転可能部材は、第一の方向および第二の方向のうちの一方に回転して、シャフト部分に対する該エンドエフェクタの対応する第一の方向への旋回および第二の方向への旋回を引き起こすように構成されている、
外科手術用デバイス。
(項目15)
前記第一の回転可能部材が回転軸を規定し、そして前記第二の回転可能部材が回転軸を規定し、ここで該第二の回転可能部材の該回転軸が、該第一の回転可能部材の該回転軸に対して直交して配向している、上記項目のいずれか一項に記載の外科手術用デバイス。
(項目16)
前記制御器が、
前記エンドエフェクタの回転を引き起こすための、前記第一の回転可能部材に関連する第一のホール効果スイッチ;および
前記エンドエフェクタの回転を引き起こすための、前記第二の回転可能部材に関連する第二のホール効果スイッチ、
を備える、上記項目のいずれか一項に記載の外科手術用デバイス。
(項目17)
前記エンドエフェクタが、前記シャフト長手方向軸に対して実質的に直交して延びる旋回軸の周りで単一面内で旋回するように、前記シャフト部分の前記遠位端に旋回可能に接続されている、上記項目のいずれか一項に記載の外科手術用デバイス。
(項目18)
前記エンドエフェクタの回転速度は、前記第一の回転可能部材の回転速度と相応し、そして該エンドエフェクタの旋回速度は、前記第二の回転可能部材の回転速度と相応する、上記項目のいずれか一項に記載の外科手術用デバイス。
(項目19)
前記第一の回転可能部材の比較的遅い回転速度は、約1:1の比を有する前記エンドエフェクタの回転速度をもたらし;前記第二の回転可能部材の比較的遅い回転速度は、約1:1の比を有する該エンドエフェクタの旋回速度をもたらし;該第一の回転可能部材の比較的速い回転速度は、1:1より大きい比を有する該エンドエフェクタの回転速度をもたらし;該第二の回転可能部材の比較的速い回転速度は、1:1より大きい比を有する該エンドエフェクタの旋回速度をもたらす、上記項目のいずれか一項に記載の外科手術用デバイス。
(項目20)
外科手術用デバイスを操作する方法であって、該方法は、
外科手術用デバイスを提供する工程であって、該外科手術用デバイスは、
ピストルグリップの様式で操作者の手によって保持されるように構成されたハンドル;
該ハンドルから延びるシャフト部分であって、該シャフト部分は、シャフト長手方向軸を規定する、シャフト部分;
該シャフト部分の遠位端に支持されているエンドエフェクタであって、該エンドエフェクタは、該シャフト部分に対して回転および旋回し得る、エンドエフェクタ;ならびに
該ハンドルを保持する該操作者の手の親指によって片手で起動されるように該ハンドルに支持されている制御器であって、該制御器は、
第一の回転可能部材;および
第二の回転可能部材;
を備える、制御器、
を備え、
該第一の回転可能部材は、第一の方向および第二の方向のうちの一方に回転して、該シャフト部分に対する該エンドエフェクタの対応する第一の方向への回転および第二の方向への回転を引き起こすように構成されており;そして
該第二の回転可能部材は、第一の方向および第二の方向のうちの一方に回転して、シャフト部分に対する該エンドエフェクタの対応する第一の方向への旋回および第二の方向への旋回を引き起こすように構成されている、
工程;ならびに
該第一の回転可能部材を回転させて、該シャフト部分に対する該エンドエフェクタの回転を引き起こす工程;または
該第二の回転可能部材を回転させて、該シャフト部分に対する該エンドエフェクタの旋回を引き起こす工程、
のうちの少なくとも一方を行う工程、
を包含する、方法。
【0007】
(摘要)
外科手術用デバイスは、ハンドルに結合されたシャフト部分を備え、このハンドルは、長手方向軸を規定する。この外科手術用デバイスはまた、第一の駆動シャフトを介して回転運動を起動するように構成された第一のドライバ、および第二の駆動シャフトを介して関節運動を起動するように構成された第二のドライバを備える。この外科手術用デバイスはまた、第一のダイヤルおよび第二のダイヤルを有する制御器を備え、この第一のダイヤルは、この第一のドライバを起動させるように構成され、そしてこの第二のダイヤルは、この第二のドライバを起動させるように構成される。この第二のダイヤルは、この第一のダイヤルの内部に配置される。
【0008】
(要旨)
本開示は、キャブ・フォワード構成を有するハンドルに支持された制御器を有する、電力で回転および/または関節運動する外科手術用デバイスに関する。
【0009】
本開示の1つの局面によれば、外科手術用デバイスが提供され、この外科手術用デバイスは、操作者の手によって保持されるように構成されたハンドル;このハンドルに結合されたシャフト部分であって、このシャフト部分は、シャフト長手方向軸を規定する、シャフト部分;このシャフト部分に対して回転および旋回するように、このシャフト部分の遠位端に支持されているエンドエフェクタ;このシャフト部分を通って延びる第一の駆動シャフトであって、このシャフト部分のシャフト長手方向軸の周りでのこのエンドエフェクタの回転を引き起こすように、このエンドエフェクタに作動可能に接続されている第一の駆動シャフト;このシャフト部分を通って延びる第二の駆動シャフトであって、このシャフト部分のシャフト長手方向軸に対するこのエンドエフェクタの旋回を引き起こすようにこのエンドエフェクタに作動可能に接続されている、第二の駆動シャフト;ならびにこのハンドルを保持する操作者の手の親指によって起動されるように、このハンドルに支持されている制御器を備える。この制御器は、第一の回転可能部材;および第二の回転可能部材を備える。この第一の回転可能部材は、この第一の回転可能部材の第一の方向および第二の方向への回転の際に、対応して、この第一の駆動シャフトを第一の方向および第二の方向のうちの一方に回転させて、このシャフト部分に対するこのエンドエフェクタの対応する第一の方向への回転および第二の方向への回転を引き起こすように構成されている。この第二の回転可能部材は、この第二の回転可能部材の第一の方向および第二の方向への回転の際に、対応して、この第二の駆動シャフトを第一の方向および第二の方向のうちの一方に回転させて、このシャフト部分に対するこのエンドエフェクタの対応する第一の方向への旋回および第二の方向への旋回を引き起こすように構成されている。
【0010】
この第一の回転可能部材は、回転軸を規定し得、そしてこの第二の回転可能部材は、回転軸を規定し得、この第二の回転可能部材の回転軸は、この第一の回転可能部材の回転軸に対して直交して配向し得る。
【0011】
この第一の回転可能部材は、回転軸を規定し得、そしてこの第二の回転可能部材は、回転軸を規定し得、そしてこの第二の回転可能部材の回転軸は、この第一の回転可能部材の回転軸に対して実質的に平行であり得る。
【0012】
この第二の回転可能部材の回転軸は、この第一の回転可能部材の回転軸に対して同心状であり得る。
【0013】
この第一の回転可能部材とこの第二の回転可能部材とは、互いの内部に入れ子状であり得る。
【0014】
この制御器は、第一の駆動シャフトの回転を引き起こすための、第一の回転可能部材に関連する第一のホール効果スイッチ;および第二の駆動シャフトの回転を引き起こすための、第二の回転可能部材に関連する第二のホール効果スイッチを備え得る。
【0015】
この外科手術用デバイスは、エンドエフェクタの回転運動および旋回運動に関連する、触知フィードバックおよび可聴フィードバックのうちの少なくとも1つを提供するためのフィードバック機構をさらに備え得る。このフィードバック機構は、第一の回転可能部材および第二の回転可能部材の各々に提供された歯と係合する、板ばねを備え得る。
【0016】
このエンドエフェクタは、シャフト長手方向軸に対して実質的に直交して延びる旋回軸の周りで単一面内で旋回するように、シャフト部分の遠位端に旋回可能に接続され得る。
【0017】
本開示の1つの局面によれば、エンドエフェクタの回転速度は、第一の回転可能部材の回転速度と相応し(commensurate)得、そしてエンドエフェクタの旋回速度は、第二の回転可能部材の回転速度と相応し得る。第一の回転可能部材の比較的遅い回転速度は、約1:1の比を有するエンドエフェクタの回転速度をもたらし得る。第二の回転可能部材の比較的遅い回転速度は、約1:1の比を有するエンドエフェクタの旋回速度をもたらし得る。第一の回転可能部材の比較的速い回転速度は、1:1より大きい比を有するエンドエフェクタの回転速度をもたらし得る。第二の回転可能部材の比較的速い回転速度は、1:1より大きい比を有するエンドエフェクタの旋回速度をもたらし得る。
【0018】
ハンドルは、シャフト部分を支持する上部分;およびこの上部分から延びる中間部分を備え得、この中間部分は、長手方向軸を規定し得、そしてこの中間部分の長手方向軸は、このシャフト長手方向軸に対して約30°の角度で配向し得る。
【0019】
このエンドエフェクタは、顎部分を備え得る。
【0020】
本開示のさらなる局面によれば、外科手術用デバイスが提供され、この外科手術用デバイスは、ピストルグリップの様式で操作者の手によって保持されるように構成されたハンドル;このハンドルから延びるシャフト部分であって、このシャフト部分は、シャフト長手方向軸を規定する、シャフト部分;このシャフト部分の遠位端に支持されたエンドエフェクタであって、このエンドエフェクタは、このシャフト部分に対して回転および旋回し得る、エンドエフェクタ;ならびにこのハンドルを保持する操作者の手の親指によって片手で起動されるようにこのハンドルに支持された制御器を備える。この制御器は、第一の回転可能部材;および第二の回転可能部材を備える。この第一の回転可能部材は、第一の方向および第二の方向のうちの一方に回転して、このシャフト部分に対するこのエンドエフェクタの対応する第一の方向への回転および第二の方向への回転を引き起こすように構成される。この第二の回転可能部材は、第一の方向および第二の方向のうちの一方に回転して、このシャフト部分に対するこのエンドエフェクタの対応する第一の方向への旋回および第二の方向への旋回を引き起こすように構成される。
【0021】
この第一の回転可能部材は、回転軸を規定し得、そしてこの第二の回転可能部材は、回転軸を規定し得る。この第二の回転可能部材の回転軸は、この第一の回転可能部材の回転軸に対して直交して配向し得る。
【0022】
この制御器は、エンドエフェクタの回転を引き起こすための、第一の回転可能部材に関連する第一のホール効果スイッチ;およびエンドエフェクタの回転を引き起こすための、第二の回転可能部材に関連する第二のホール効果スイッチを備え得る。
【0023】
このエンドエフェクタは、シャフト長手方向軸に対して実質的に直交して延びる旋回軸の周りで単一面内で旋回するように、シャフト部分の遠位端に旋回可能に接続され得る。
【0024】
エンドエフェクタの回転速度は、第一の回転可能部材の回転速度と相応し得ることが想定される。エンドエフェクタの旋回速度は、第二の回転可能部材の回転速度と相応し得る。従って、この第一の回転可能部材の比較的遅い回転速度は、約1:1の比を有するエンドエフェクタの回転速度をもたらし得る。この第二の回転可能部材の比較的遅い回転速度は、約1:1の比を有するエンドエフェクタの旋回速度をもたらし得る。この第一の回転可能部材の比較的速い回転速度は、1:1より大きい比を有するエンドエフェクタの回転速度をもたらし得る。この第二の回転可能部材の比較的速い回転速度は、1:1より大きい比を有するエンドエフェクタの旋回速度をもたらし得る。
【0025】
本開示の別の局面によれば、外科手術用デバイスを操作する方法が提供される。この方法は、外科手術用デバイスを提供する工程を包含し、この外科手術用デバイスは、ピストルグリップの様式で操作者の手によって保持されるように構成されたハンドル;このハンドルから延びるシャフト部分であって、このシャフト部分は、シャフト長手方向軸を規定する、シャフト部分;このシャフト部分の遠位端に支持されたエンドエフェクタであって、このエンドエフェクタは、このシャフト部分に対して回転および旋回し得る、エンドエフェクタ;ならびにこのハンドルを保持する操作者の手の親指によって片手で起動されるようにこのハンドルに支持された制御器を備える。この制御器は、第一の回転可能部材;および第二の回転可能部材を備える。この第一の回転可能部材は、第一の方向および第二の方向のうちの一方に回転して、このシャフト部分に対するこのエンドエフェクタの対応する第一の方向への回転および第二の方向への回転を引き起こすように構成される。この第二の回転可能部材は、第一の方向および第二の方向のうちの一方に回転して、このシャフト部分に対するこのエンドエフェクタの対応する第一の方向への旋回および第二の方向への旋回を引き起こすように構成される。この方法は、第一の回転可能部材を回転させて、シャフト部分に対するエンドエフェクタの回転を引き起こす工程;および第二の回転可能部材を回転させて、シャフト部分に対するエンドエフェクタの旋回を引き起こす工程、のうちの少なくとも一方を行う工程をさらに包含する。
【0026】
本開示の1つの局面によれば、外科手術用デバイスが提供され、この外科手術用デバイスは、ハンドルに結合されたシャフト部分であって、このシャフト部分は、長手方向軸を規定する、シャフト部分;第一の駆動シャフトを介して回転運動を起動するように構成された第一のドライバ;第二の駆動シャフトを介して関節運動を起動するように構成された第二のドライバ;ならびに第一のダイヤルおよび第二のダイヤルを有する制御器を備える。この第一のダイヤルは、この第一のドライバを起動させるように構成され、そしてこの第二のダイヤルは、この第二のドライバを起動させるように構成される。この第二のダイヤルは、この第一のダイヤルの内部に配置される。
【0027】
この第二のダイヤルは、この第一のダイヤルに対して垂直に配向し得る。この第一のダイヤルとこの第二のダイヤルは、同時に作動可能であり得る。
【0028】
この外科手術用デバイスは、回転運動を引き起こすための第一のホール効果スイッチ、および関節運動を引き起こすための第二のホール効果スイッチをさらに備え得る。
【0029】
この外科手術用デバイスは、使用者により起動される回転運動および関節運動に関するフィードバックを提供するための、フィードバック機構をさらに備え得る。このフィードバック機構は、第一のダイヤルおよび第二のダイヤルのうちの少なくとも一方と接触する板ばねを備え得る。
【0030】
本開示の別の局面によれば、外科手術用デバイスを操作する方法が提供される。この方法は、外科手術用デバイスを提供する工程を包含し、この外科手術用デバイスは、エンドエフェクタとハンドルとを相互接続するシャフト部分であって、このシャフトは、長手方向軸を規定する、シャフト部分;第一の駆動シャフトを介する回転運動を起動するように構成された第一のドライバ;第二の駆動シャフトを介する関節運動を起動するように構成された第二のドライバ;ならびに第一のダイヤルおよび第二のダイヤルを有する制御器を備える。この第一のダイヤルは、この第一のドライバを起動するように構成され、そしてこの第二のダイヤルは、この第二のドライバを起動するように構成される。この第二のダイヤルは、この第一のダイヤルの内部に配置される。この方法は、第一のダイヤルを回転させて、シャフトに対するエンドエフェクタの回転を引き起こす工程;および/または第二のダイヤルを回転させて、シャフトに対するエンドエフェクタの関節運動を引き起こす工程をさらに包含する。
【0031】
本開示のさらなる局面によれば、外科手術用デバイスが提供され、この外科手術用デバイスは、ハンドル;このハンドルから延びるシャフト部分であって、このシャフトは、長手方向軸を規定する、シャフト部分;このシャフト部分の遠位端に支持されたエンドエフェクタ;第一のドライバであって、第一の駆動シャフトを介してシャフトに対するエンドエフェクタの回転を引き起こすように構成されている、第一のドライバ;第二のドライバであって、第二の駆動シャフトを介してシャフトに対するエンドエフェクタの関節運動を引き起こすように構成されている、第二のドライバ;ならびにこのハンドルに支持された制御器であって、この制御器は、第一のダイヤル、およびこの第一のダイヤルの内部に配置された第二のダイヤルを有する、制御器を備える。この第一のダイヤルは、この第一のダイヤルの回転の際に、第一のドライバを起動させて、シャフトに対するエンドエフェクタの回転を引き起こすように構成される。この第二のダイヤルは、第二のドライバを起動させて、第二の駆動シャフトを介する、シャフトに対するエンドエフェクタの関節運動を起動させるように構成される。
【0032】
この第二のダイヤルは、この第一のダイヤルに対して垂直に配向し得る。
【0033】
この外科手術用デバイスは、この第一のダイヤルに関連する第一のホール効果スイッチ、およびこの第二のダイヤルに関連する第二のホール効果スイッチをさらに備え得る。
【0034】
この外科手術用デバイスは、第一のダイヤルおよび第二のダイヤルの各々に関連するフィードバック機構をさらに備え得る。このフィードバック機構は、エンドエフェクタに伝達される回転および関節運動に関するフィードバックを提供するためのものである。このフィードバック機構は、この第一のダイヤルおよびこの第二のダイヤルの各々に接触する板ばねを備え得る。
【0035】
この外科手術用デバイスは、第一のダイヤルの回転がシャフトに対するエンドエフェクタの回転を引き起こし;そして第二のダイヤルの回転がシャフトに対するエンドエフェクタの関節運動を引き起こすように、構成され得る。
【0036】
第一のダイヤルの第一の方向への回転は、エンドエフェクタの第一の方向への回転を引き起こし得、そして第一のダイヤルの第二の方向への回転は、エンドエフェクタの第二の方向への回転を引き起こし得る。
【0037】
第二のダイヤルの第一の方向への回転は、エンドエフェクタの第一の方向への関節運動を引き起こし得、そして第二のダイヤルの第二の方向への回転は、エンドエフェクタの第二の方向への関節運動を引き起こし得る。
【0038】
このハンドルは、キャブ・フォワード構成を有し得る。
【0039】
本開示の外科手術用器具の種々の実施形態が、図面を参照しながら本明細書中で以下に記載される。
【発明の効果】
【0040】
本発明は、クランプし、切断し、そしてステープル留めするデバイスの操作性を改善することを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0041】
図1A図1Aは、本開示に従う、制御器を有する外科手術用デバイスの斜視図である。
図1B図1Bは、図1Aの外科手術用デバイスの概略側面立面図である。
図2図2は、本開示に従う制御器の斜視図である。
図3A図3Aは、本開示に従う制御器の分解斜視図である。
図3B図3Bは、本開示に従う制御器の分解斜視図である。
図4図4は、本開示に従う、制御器を組み込むキャブ・フォワード様式の外科手術用デバイスの斜視背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
(実施形態の詳細な説明)
図面および以下の説明において、同じ参照番号は、類似の要素または同一の要素を確認する役に立ち、慣習的であるように、用語「近位」とは、装置の使用中に操作者に最も近い端部をいい、一方で、用語「遠位」とは、操作者から最も遠い端部をいう。
【0043】
図1Aおよび図1Bを参照すると、本開示に従う制御器を有する外科手術用デバイスの斜視図が与えられている。
【0044】
図1Aおよび図1Bにおいて、外科手術用デバイス800が示されており、この外科手術用デバイスは、独立型であるように構成され得、例えば、この外科手術用デバイスは、種々のモータ、駆動シャフト、制御システムなどを一体的な配置で備え、その結果、別の電気機械的外科手術システムの取り付けが排除され得る。このような配置は、外科手術用デバイス800が使用前に、別に配置される駆動システムに接続されなくてよいという利点を有し得る。外科手術用デバイス800は、例えばカニューレ(図示せず)を介して、患者の身体内に挿入するために特によく適するように、構成され得る。外科手術用デバイス800は、クランプし、切断し、そしてステープル留めするデバイスであり得る。
【0045】
外科手術用デバイス800は、エンドエフェクタまたは顎部分811aを備え得、このエンドエフェクタまたは顎部分は、ヒンジ部分811cによって、シャフト部分811bに旋回可能に結合され得る。図1Aおよび図1Bに見られるように、シャフト部分811bは、長手方向軸「D」を規定する。顎部分811aは、遠位端および近位端を有する第一の顎850、ならびに遠位端および近位端を有する第二の顎880を備え得る。第一の顎850および第二の顎880は、それぞれの近位端またはその近くで、互いに対して旋回可能に結合され得る。図1Aおよび図1Bに示されるように、第一の顎850および第二の顎880は、旋回軸「A」の周りで互いに対して旋回可能であり得る。この配置において、これらの顎は、第一の顎850が第二の顎880に対して開閉する際、および第一の顎850が第二の顎880に対して動く地点で、第一の顎850と第二の顎880との両方(例えば、これらの長手方向軸)が面内にあるままになるように、構成され得る。しかし、外科手術用デバイス800は、その代わりに、第一の顎850と第二の顎880とが、図1Aおよび図1Bに示される配向とは異なる配向であり得る旋回軸の周りで、互いに対して旋回し得るように構成されてもよいことが理解されるべきである。
【0046】
上記のように、顎部分811aは、シャフト部分811bにヒンジ部分811cによって旋回可能に結合され得る。具体的には、顎部分811aは、シャフト部分811bに対して、旋回軸「B」の周りで旋回可能であり得る。この旋回軸は、顎部分811a上およびシャフト部分811b上の任意の位置、または顎部分811aとシャフト部分811bとの間の任意の位置に配置され得、そして顎部分811aおよびシャフト部分811bに対する任意の周囲位置で配置され得る。示される例示的実施形態において、旋回軸Bは、垂直に配向し得、紙面内にあり得る。この配置において、顎部分811aおよびシャフト部分811bは、シャフト部分811bに対する顎部分811aの関節運動の際、およびシャフト部分811bに対する顎部分811aの移動の任意の地点で、顎部分811aおよびシャフト部分811bが、旋回軸「B」に対して垂直であり得る面内にあるままになるように、構成され得る。他の例示的実施形態において、旋回軸「B」は、異なる配向を有し得、これによって、顎部分811aが異なる面内で旋回することを可能にし得ることが、認識されるべきである。顎部分811aは、シャフト部分811bに対する任意の角度へ、そして任意の角度の間で旋回可能であり得、その結果、顎部分811aは、使用中に望ましいように選択的に配置され得る。
【0047】
さらに、外科手術用デバイス800は、外科手術用デバイス800の長手方向軸の周りでの、種々の構成要素の回転を提供し得る。例えば、種々の実施形態において、顎部分811aおよび/またはシャフト部分811bは、ハンドル8103(以下により詳細に記載される)に対して回転可能であり得る。ハンドル8103は、シャフト部分811bの近位端に取り付けられ、そして長手方向軸「D」に沿って回転可能であり得る。シャフト部分811bは、顎部分811aが接続される遠位部分8101a、およびハンドル8103に接続される近位部分8101bを規定する。
【0048】
一般に、ハンドル8103は、外科手術用デバイス800を操作するために、操作者によって把持され得る。ハンドル8103は、近位部分またはベース部分8102、中間部分8104、および遠位部分または上部分8105を備える。この中間部分8104は、ベース部分8102から延び、そして指で起動される数個の制御ボタン8107、8108を備え得る。この遠位部分または上部分8105は、シャフト部分811bに接続される。
【0049】
米国特許出願公開第2009/0101692号(その全内容は、本明細書中に参考として援用される)が、顎部分811aおよび外科手術用デバイス800の構成および操作のより詳細な議論について、参照され得る。
【0050】
本開示に従って、ハンドル8103は、改善された人間工学を提供し、そして操作者に対する快適さを増加させるように、設計および構成される。この点に関して、ハンドル8103の中間部分8104は、シャフト部分811bにより規定される長手方向軸「D」からある角度で延びる、長手方向軸「C」を規定し得る。具体的には、図1Bに見られるように、ハンドル8103の中間部分8104の長手方向軸「C」は、シャフト部分811bにより規定される長手方向軸「D」に対して約30°の傾斜の角度を規定する。
【0051】
図1Aおよび図1Bはまた、制御器2000を図示する。この制御器は、図2図4を参照しながら以下により詳細に記載される。制御器2000は、シャフト部分811bに対する顎部分811aの旋回を引き起こすように、そしてシャフト部分811bに対する、またはシャフト部分811bのハンドル8103に対する、顎部分811aの長手方向軸「D」の周りでの回転を引き起こすように、機能する。
【0052】
制御器2000は、第一の回転可能部材2100(ホイールまたはダイヤルの形態)および第二の回転可能部材2200(ホイールまたはダイヤルの形態)を備え得る。第一の回転可能部材2100は、第二の回転可能部材2200と連絡して作動可能であり得、そして両方が、ハウジング2300内に支持され得る。第一の回転可能部材2100は、外科手術用デバイス800の1つ以上の構成要素の回転運動を制御するために使用され得、一方で、第二の回転可能部材2200は、外科手術用デバイス800の1つ以上の構成要素の長手軸方向運動/関節運動/旋回運動を制御するために使用され得る。例えば、第一の回転可能部材2100は、顎部分811aを旋回軸「B」の周りで旋回させるために使用され得、一方で、第二の回転可能部材2200は、顎部分811aを長手方向軸「D」の周りで旋回させるために使用され得る。従って、外科手術用デバイス800の制御器2000は、回転/関節運動/旋回の制御器として働き得る。
【0053】
一例の実施形態において、制御器2000は、二重のホイール/ダイヤル構成であり得、例えば、ハンドル8103の上表面または後表面に適切に配置され得、そして操作者がハンドル8103をピストルグリップの様式で保持する場合に、この操作者の親指によって起動可能であるようなサイズにされ得る。上で議論されたように、ハンドル8103は、制御器2000がハンドル8103の上部分8105の後表面に位置する場合に、操作者により快適な人間工学を提供するような設計および構成にされ得ることが想定される。ある実施形態において、制御器2000は、シャフト部分811bの長手方向軸「D」と整列するようにハンドル8103に配置されることが想定される。図3Aおよび図3Bに見られるように、第一の回転可能部材2100は、シャフト部分811bにより規定される長手方向軸「D」に対して実質的に平行であるか、または鋭角で角度を付けた、回転軸「E」を規定する。さらに、図3Aおよび図3Bに見られるように、第二の回転可能部材2200は、第一の回転可能部材2100の回転軸「E」に対して実質的に直交する回転軸「F」を規定する。第一の回転可能部材2100の回転軸「E」と第二の回転可能部材2200の回転軸「F」とが互いに交差することがさらに想定される。
【0054】
二重ダイヤル機構が制御器2000について示されるが、当業者は、複数の様々な形状およびサイズを有し、そして外科手術用デバイス800の任意の部分で複数の構成および配向で相互接続された、複数の異なるダイヤルを備える制御器を想定し得る。例えば、1つの実施形態において、制御器2000は、各ダイヤルが回転軸を規定し、これらの回転軸が互いに対して実質的に平行である、少なくとも1対のダイヤルを備え得る。別の実施形態において、制御器2000は、共通の回転軸を共有する少なくとも1対の同心状ダイヤルを備え得る。制御器2000は、任意の軸で回転するように、ハンドル8103に支持されたボールを備えてもよいことがさらに想定される。本開示の別の実施形態によれば、第一の回転可能部材2100と第二の回転可能部材2200とは、互いの内部に入れ子状である。
【0055】
使用において、第一の回転可能部材2100の時計回り方向への回転は、ハンドル8103に対する顎部分811aの時計回り方向への回転を引き起こし得、一方で、第一の回転可能部材2100の反時計回り方向への回転は、ハンドル8103に対する顎部分811aの反時計回り方向への回転を引き起こし得る。同様に、第二の回転可能部材2200の時計回り方向への回転は、ハンドル8103に対する顎部分811aの第一の方向への旋回を引き起こし得、一方で、第二の回転可能部材2200の反時計回り方向への回転は、ハンドル8103に対する顎部分811aの第二の方向への旋回を引き起こし得、ここで第二の方向は、第一の方向の逆である。
【0056】
本開示に従って、第一の回転可能部材2100が使用者または操作者によって回転させられる速度は、顎部分811aの回転速度を制御し得、一方で、第二の回転可能部材2200が使用者または操作者によって回転させられる速度は、顎部分811aの旋回速度を制御し得ることが想定される。第一の回転可能部材2100の少しずつの回転は、顎部分811aの少しずつの回転をもたらし、そして第二の回転可能部材2200の少しずつの回転は、顎部分811aの少しずつの回転をもたらすことがさらに想定される。換言すれば、顎部分811aの回転速度は、第一の回転可能部材2100の回転速度と相応し、そして顎部分811aの旋回速度は、第二の回転可能部材2200の回転速度と相応する。この様式で、操作者が第一の回転可能部材2100および/または第二の回転可能部材2200をゆっくりと回転させる場合、顎部分811aは、ゆっくりと回転および/または旋回し、そして操作者が第一の回転可能部材2100および/または第二の回転可能部材2200を速く回転させる場合、顎部分811aは、速く回転および/または旋回する。
【0057】
第一の回転可能部材2100および/または第二の回転可能部材2200が操作者により回転させられる速度は、顎部分811aの回転および/または旋回の角度を変化または決定することがさらに想定される。例えば、操作者が第一の回転可能部材2100および/または第二の回転可能部材2200をゆっくりと回転させる場合、顎部分811aは、選択された第一の速度(例えば、およそ1:1の比)で回転および/または旋回する。しかし、操作者が第一の回転可能部材2100および/または第二の回転可能部材2200を速く回転させる場合、顎部分811aは、第一の速度より速い、選択された第二の速度(例えば、およそ2:1もしくは3:1の比、または1:1より大きい任意の望ましい比)で回転および/または旋回する。
【0058】
図3Aおよび図3Bを参照すると、本開示に従う図2の制御器2000の分解斜視図が与えられている。
【0059】
図3Aおよび図3Bに見られるように、制御器2000は、第一の回転可能部材2100を備え、この第一の回転可能部材は、複数の磁石2120を支持する回転ホイール2110の形態である。複数の磁石2120は、回転ホイール2110の周でN極とS極を交互にして、回転ホイール2110内/上に支持され得る。制御器2000の第一の回転可能部材2100は、支持ハウジング2300またはその周りに回転可能に支持され、そして回転軸「E」を規定する。
【0060】
制御器2000は、第二の回転可能部材2200をさらに備え、この第二の回転可能部材は、複数の磁石2220を支持する回転ホイール2210の形態である。複数の磁石2220は、回転ホイール2210の周でN極とS極とを交互にして、回転ホイール2210内/上に支持され得る。回転ホイール2210は、支持ハウジング2300内/上に回転可能に支持され、そして回転軸「F」を規定する。制御器2000は、回転ホイール2110および2210と作動可能に関連する、ベース部材2400をさらに備える。
【0061】
ベース部材2400は、複数のホール効果スイッチを支持する。具体的には、ベース部材2400は、第一のホール効果スイッチ2130が回転ホイール2110の複数の磁石2120と磁気的に位置合わせされるように、第一のホール効果スイッチ2130を支持する。ベース部材2400はまた、第二のホール効果スイッチ2230が回転ホイール2210の複数の磁石2220と磁気的に位置合わせされるように、第二のホール効果スイッチ2230を支持する。ホール効果スイッチ2130および2230が図示されて記載されるが、制御器2000が、光学センサ、この光学センサと位置合わせされた照射部材などを備えて、ホール効果スイッチの作業および目的を達成し得ることは、本開示の範囲内である。
【0062】
制御器2000は、固定部材2502を介して支持ハウジング2300およびベース部材2400を支持するように構成された、裏打ち部材2500を備える。制御器2000は、ベース部材2400に支持された、板ばねの形態のラチェット部材2410をさらに備える。ラチェット部材2410は、第一の回転可能部材2100に形成されたラチェット歯のセット2130、および第二の回転可能部材2200に形成されたラチェット歯のセット2230と作動可能に係合する。ラチェット部材2410は、第一の回転可能部材2100および/または第二の回転可能部材2200が回転する際に、クリック音の形態で、ある程度の触知フィードバックおよび/または可聴フィードバックを使用者に提供し得る。例えば、一連のナブまたはリブが、回転部材2100、2200の表面に提供され得、そして少なくとも1つのナブが、回転部材2100、2200のナブ/リブに隣接する関係で、表面上に提供され得る。可聴音は、当業者に公知である任意の方法に従って、電子的に合成されてもよいことがさらに想定される。
【0063】
制御器2000は、光、LED、記号などの形態の視覚インジケータを備え得ることが想定され、この視覚インジケータは、顎部分811aの回転/旋回の方向、および/または顎部分811aが中心位置もしくはホーム位置にあるときの視覚指標を操作者に提供する。
【0064】
操作において、第一の回転可能部材2100が回転すると、この第一の回転可能部材に支持された磁石2120が第一のホール効果スイッチ2130に対して移動して、第一のホール効果スイッチ2130を起動させ、これは次に、この第一のホール効果スイッチに接続された回路基板(図示せず)に、外科手術用デバイス800の駆動構成要素(例えば、図1Aに図示されるような、第一の駆動シャフト1110a)への適切な信号を提供させて、顎部分811aの回転を引き起こす。さらに、第二の回転可能部材2200が回転すると、この第二の回転可能部材に支持された磁石2220が第二のホール効果スイッチ2230に対して移動して、第二のホール効果スイッチ2230を起動させ、これは次に、この第二のホール効果スイッチに接続された回路基板(図示せず)に、外科手術用デバイス800の駆動構成要素(例えば、図1Aに図示されるような、第二の駆動シャフト1110b)への適切な信号を提供させて、顎部分811aの旋回を引き起こす。
【0065】
有利には、第一の回転可能部材2100の第一の方向への回転は、顎部分811aの第一の方向への回転を引き起こし、そして第一の回転可能部材2100の第二の方向への回転は、顎部分811aの第二の方向への回転を引き起こす。同様に、第二の回転可能部材2200の第一の方向への回転は、顎部分811aの第一の方向への旋回を引き起こし、そして第二の回転可能部材2200の第二の方向への回転は、顎部分811aの第二の方向への旋回を引き起こす。
【0066】
上記のように、制御器2000は、第一の回転可能部材2100および第二の回転可能部材2200を備えるように構成され、ここで第二の回転可能部材2200は、少なくとも部分的に、第一の回転可能部材2100の内部に配置され得、そして第二の回転可能部材2200は、第一の回転可能部材2100に対して垂直に配向し得る。また、制御器2000は、第一の回転可能部材2100および第二の回転可能部材2200を備え得、ここで第一の回転可能部材2100と第二の回転可能部材2200とは、同時に作動されることを可能にされ得る。しかし、第二の回転可能部材2200が作動されるときに第一の回転可能部材2100がロックされてもよいこと、およびその逆であってもよいことが、想定される。
【0067】
図4を参照すると、本開示に従う制御器2000を組み込む外科手術用デバイス800の斜視背面図が与えられており、ここで、外科手術用デバイスは、キャブ・フォワード様式の構成を有する。具体的には、図1Bを参照しながら上に記載されたように、外科手術用デバイスは、ハンドル8103の上部分8105から角度を付けて近位に延びる中間部分8104を備える。
【0068】
上記のことから、種々の図面を参照して、当業者は、特定の改変もまた、本開示の範囲から逸脱することなく本開示に対してなされ得ることを理解する。本開示の数個の実施形態が図面に示されたが、本開示はこれらに限定されることを意図されない。なぜなら、本開示は当該分野が許容すると同程度に範囲が広いこと、および本明細書も同様に読まれることが意図されるからである。従って、上記説明は、限定であると解釈されるべきではなく、単に、特定の実施形態の例示であると解釈されるべきである。当業者は、添付の特許請求の範囲の趣旨および範囲内で、他の改変を予測する。
【符号の説明】
【0069】
800 外科手術用デバイス
811a エンドエフェクタまたは顎部分
811b シャフト部分
811c ヒンジ部分
850 第一の顎
880 第二の顎
8103 ハンドル
8101a 遠位部分
8101b 近位部分
2000 制御器
2100 第一の回転可能部材
2200 第二の回転可能部材
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4