特許第5777220号(P5777220)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5777220プリント配線板の製造方法及びそれを用いたプリント配線板
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5777220
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】プリント配線板の製造方法及びそれを用いたプリント配線板
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/18 20060101AFI20150820BHJP
【FI】
   H05K3/18 A
【請求項の数】7
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-112864(P2012-112864)
(22)【出願日】2012年5月16日
(65)【公開番号】特開2013-239649(P2013-239649A)
(43)【公開日】2013年11月28日
【審査請求日】2014年6月4日
(73)【特許権者】
【識別番号】593215380
【氏名又は名称】株式会社伸光製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100123869
【弁理士】
【氏名又は名称】押田 良隆
(72)【発明者】
【氏名】東馬由和
【審査官】 井上 信
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−268693(JP,A)
【文献】 特開昭60−186088(JP,A)
【文献】 特開2002−329966(JP,A)
【文献】 特開2011− 23613(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 3/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キリ穴を有するプリント配線板の一方の平面に備えられる外層回路に、前記外層回路における最後の表面処理である最終表面処理を施した後、前記外層回路と相対した他方の平面に備えられる外層回路に、前記外層回路における最後の表面処理である最終表面処理を施すプリント配線板の製造方法において、
前記最終表面処理の成分が最終表面処理される外層回路と相対した平面に設けられる外層回路の回路面に前記キリ穴を通じて漏れ出すのを防ぐための表面処理成分の漏れ防止用外層回路を、前記キリ穴の両平面における開口部若しくは一方の平面における開口部を全包囲した多重額縁形状、多重リング状、メッシュ形状の中から少なくとも1種類が選ばれる閉じた幾何形状で具備した後、前記最終表面処理を施すことを特徴とするプリント配線板の製造方法。
【請求項2】
キリ穴を有するプリント配線板の一方の平面に備えられる外層回路に、前記外層回路における最後の表面処理である最終表面処理を施した後、前記外層回路と相対した他方の平面に備えられる外層回路に、前記最終表面処理とは異なる最終表面処理を施すプリント配線板の製造方法において、
前記最終表面処理の成分が最終表面処理される外層回路と相対した平面に設けられる外層回路の回路面に前記キリ穴を通じて漏れ出すのを防ぐための表面処理成分の漏れ防止用外層回路を、前記キリ穴の両平面における開口部若しくは一方の平面における開口部を全包囲した多重額縁形状、多重リング状、メッシュ形状の中から少なくとも1種類が選ばれる閉じた幾何形状で具備した後、前記最終表面処理を施すことを特徴とするプリント配線板の製造方法。
【請求項3】
キリ穴を有するプリント配線板の一方の平面に備えられる外層回路に、前記外層回路における最後の表面処理である最終表面処理を施した後、前記外層回路と相対して他方の平面に備えられる外層回路に、前記最終表面処理とは異なる最終表面処理を施すプリント配線板の製造方法において、
前記他方の平面に備えられる外層回路への最終表面処理の成分が前記キリ穴を通じて前記一方の平面に備えられる外層回路の回路面に漏れ出すのを防ぐための表面処理成分の漏れ防止用外層回路を、前記キリ穴の一方の平面における開口部を全包囲した多重額縁形状、多重リング状、メッシュ形状の中から少なくとも1種類が選ばれる閉じた幾何形状で具備した後、前記他方の平面に備えられる外層回路への最終表面処理を施すことを特徴とするプリント配線板の製造方法。
【請求項4】
前記最終表面処理が、めっき処理であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項5】
前記キリ穴周囲に具備する漏れ防止用外層回路が、前記キリ穴の平面における開口部を全包囲する形状で、前記キリ穴の径方向の断面形状において凹凸構造を有する回路であって、
前記凹凸構造の凸部が、幅0.03〜1.0mmの回路配線により構成され、
前記凹凸構造の凹部が、前記凸部と凸部間の空隙により構成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項6】
前記凹凸構造の凹部である空隙が、前記凸部を構成する回路配線の幅を超えない大きさであることを特徴とする請求項5記載のプリント配線板の製造方法。
【請求項7】
キリ穴を有する両面に最終めっき処理が施されるプリント配線板であって、
前記プリント配線板の少なくとも一面に、前記キリ穴の開口部周囲に前記開口部を全包囲した多重額縁形状、多重リング状、メッシュ形状の中から少なくとも1種類が選ばれる閉じた幾何形状で、最終めっき処理のめっき成分の漏れを防止する漏れ防止用外層回路を備えることを特徴とするプリント配線板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント配線板の製造方法及びそれを用いたプリント配線板に関する。
【背景技術】
【0002】
モジュール基板のような部品実装基板は、搭載される部品やその実装方法によって電極への最終表面処理が適宜選択される。また、それ自体もマザーボードへの実装や単体で製品になる場合があり、それぞれの接続先や使用方法によって電極への最適な最終表面処理が選択される。
【0003】
例えば、部品が実装される場合、はんだ実装やワイヤーボンディング実装などが挙げられ、はんだ実装の場合はフラッシュ金めっきのような無電解銅めっき法を用いた薄い金めっきやプリフラックスと呼ばれる有機膜を形成することが多い。
ワイヤーボンディング実装やフリップチップ実装などは、接続信頼性を確保するために電解金めっき法や、無電解めっき法でも厚い金めっきを形成する方法が選択される。
【0004】
近年では、LEDモジュール基板などは、発生したLEDチップからの光を有効に活用するために実装面を銀めっきで処理する場合もある。
単体で使用される場合、例えばSDカード向けでは、メモリーチップの実装部は通常の金めっきだが、外部電極には耐摩耗性、摺動性に優れる硬質金めっきが使われる。LEDモジュール基板では、LEDチップ搭載部は銀めっきだが、マザーボード側ははんだ実装用の金めっきの場合もある。
【0005】
このように、実装方法や使用方法によって外部電極が配置された一方の面と他方の面では、双方に施される最終表面処理の方法が異なる場合がある。
以上のように、基板の外部電極が配置された一方の面と他方の面でその双方に施される最終表面処理が異なる場合の工法は、例えば特許文献1や特許文献2に開示されるように、めっき不要部分にマスキングを施す手法が適用される。
【0006】
この手法を使えば、マスキングされてない電極部分への最終表面処理の種類と、マスキングを除去して露呈した電極部分への最終表面処理の種類を異なるものにすることが可能となる。この際、初めに最終表面処理をした部分を改めてマスキングを施し、ついで2回目の最終表面処理を行うことも可能である。
つまり、外部電極配置された一方の面の全体にマスキングを施して他方の面に最終表面処理を行い、一方の面のマスキングを除去した後に他方の面にマスキングを施し、ついで異なる種類の最終表面処理をマスキングされていない面に行うことで一方の面と他方の面のそれぞれに異なる種類の最終表面処理を施すことが可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2006−324314公報
【特許文献2】特開2004−228129公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
特許文献に示される従来のめっき不要部分にマスキングを施す方法において、基板内に一方の面と他方の面に通じるキリ穴があると、湿式法による最終表面処理をした場合、そのキリ穴を通じてマスキングをした面に表面処理液が浸透し、キリ穴周辺もしくは製品部分の外部電極に不要な最終表面処理が成されてしまう場合があり、このような状態では、本来の目的とは異なる種類の最終表面処理が外部電極に成されるため、製品として機能しなくなり、不良製品を作製してしまうこととなる。
【0009】
このような状況の中、本発明では、上記問題を解決すべく、キリ穴周辺の外部電極の形状を最適に定めることによりマスキングした面への最終表面処理液の浸透を抑制し、外部電極への最終表面処理を所望の状態にせしめる回路基板の製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の第1の発明は、キリ穴を有するプリント配線板の一方の平面に備えられる外層回路に、その外層回路における最後の表面処理である最終表面処理を施した後、この外層回路と相対した他方の平面に備えられる外層回路に、その外層回路における最後の表面処理である最終表面処理を施すプリント配線板の製造方法において、最終表面処理の成分が最終表面処理される外層回路と相対した平面に設けられる外層回路の回路面に、キリ穴を通じて漏れ出すのを防ぐための表面処理成分の漏れ防止用外層回路を、キリ穴の両平面における開口部若しくは一方の平面における開口部を全包囲する形状で具備した後、最終表面処理を施すことを特徴とするプリント配線板の製造方法である。
【0011】
本発明の第2の発明は、キリ穴を有するプリント配線板の一方の平面に備えられる外層回路に、その外層回路における最後の表面処理である最終表面処理を施した後、この外層回路と相対した他方の平面に備えられる外層回路に、先の最終表面処理とは異なる最終表面処理を施すプリント配線板の製造方法において、最終表面処理の成分が最終表面処理される外層回路と相対した平面に設けられる外層回路の回路面に、キリ穴を通じて漏れ出すのを防ぐための表面処理成分の漏れ防止用外層回路を、キリ穴の両平面における開口部若しくは一方の平面における開口部を全包囲する形状で具備した後、最終表面処理を施すことを特徴とするプリント配線板の製造方法である。
【0012】
本発明の第3の発明は、キリ穴を有するプリント配線板の一方の平面に備えられる外層回路に、その外層回路における最後の表面処理である最終表面処理を施した後、この外層回路と相対して他方の平面に備えられる外層回路に、先の最終表面処理とは異なる最終表面処理を施すプリント配線板の製造方法において、他方の平面に備えられる外層回路への最終表面処理の成分がキリ穴を通じて、一方の平面に備えられる外層回路の回路面に漏れ出すのを防ぐための表面処理成分の漏れ防止用外層回路を、キリ穴の一方の平面における開口部を全包囲する形状で具備した後、他方の平面に備えられる外層回路への最終表面処理を施すことを特徴とするプリント配線板の製造方法である。
【0013】
本発明の第4の発明は、第1から第3の発明における最終表面処理が、めっき処理であることを特徴とするプリント配線板の製造方法である。
【0014】
本発明の第5の発明は、第1から第4の発明におけるキリ穴周囲に具備する漏れ防止用外層回路が、キリ穴の平面における開口部を全包囲する形状で、キリ穴の径方向の断面形状において凹凸構造を有する回路であって、その凹凸構造の凸部が、幅0.03〜1.0mmの回路配線により構成され、その凹凸構造の凹部が、凸部と凸部間の空隙により構成されていることを特徴とするプリント配線板の製造方法である。
【0015】
本発明の第6の発明は、第5の発明における凹凸構造の凹部である空隙が、凸部を構成する回路配線の幅を超えない大きさであることを特徴とするプリント配線板の製造方法である。
【0016】
本発明の第7の発明は、第1から第6の発明におけるめっき成分漏れ防止用外層回路が、キリ穴の開口部を囲む多重額縁形状、多重リング状、メッシュ形状の中から少なくとも1種類が選ばれる閉じた幾何形状であることを特徴とするプリント配線板の製造方法である。
【0017】
本発明の第8の発明は、キリ穴を有する両面に最終めっき処理が施されるプリント配線板であって、プリント配線板の少なくとも一面に、そのキリ穴の開口部周囲にキリ穴の開口部を全包囲する形状で、最終めっき処理のめっき成分の漏れを防止する漏れ防止用外層回路を備えることを特徴とするプリント配線板である。
【発明の効果】
【0018】
本発明のプリント配線板の製造方法によれば、キリ穴周辺の外部電極を含む回路配線(外層回路)の形状を所望の定義に従って形成することにより、マスキングされた面に対して他方の面で行う最終表面処理の成分がキリ穴を通じて浸透することを回避できる。
よって、マスキングされた面に不要な最終表面処理がなされることがなく、品質の高いプリント配線板を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】最終表面処理における表面処理成分の漏れ状態を説明する模式図で、(a)はマスキング材貼り付け状態、(b)は表面処理を施した状態、(c)はマスキング材を外した状態を示す図である。
図2】本発明の漏れ防止用外層回路の特徴を示す図で、漏れ防止用外層回路の径方向断面図である。
図3】本発明の漏れ防止用外層回路の特徴を示す図で、その代表的な平面形態を示す平面図で、(a)はリング形状(二重リング)、(b)はリング形状(三重リング)、(c)は額縁メッシュ形状である。
図4】実施例で用いたキリ穴周辺の外層回路を示す平面図で、(a)は比較例のリング状(一重リング)、(b)は従来の額縁デザインである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明は、プリント配線板の最外層における外部電極を含む回路配線を形成し、一方の面の全体をフィルム状のマスキング材で被覆し、他方の面の外部電極を含む回路配線に対して所望の種類の最終表面処理を行い、ついで、そのマスキング材を除去し、最終表面処理済みの面の全体をフィルム状のマスキング材で被覆し、その他方となる面に対して異なる種類の最終表面処理を行う。その後、フィルム状のマスキング材を除去する。
これら一連の作業により、プリント配線板の一方の面と他方の面とで、それぞれの面の外部電極を含む回路配線に対して異なる種類の最終表面処理を行い、両面共に健全な処理表面を得ようとするものである。なお、外部電極を含む回路配線は、本発明における外層回路を示すものである。
【0021】
そのため、このプリント配線板に部品実装時の位置合わせを目的としたキリ穴が設けられている場合、図1に示すように、そのキリ穴周辺の外部電極を含む回路配線とマスキング材の密着が十分な状態ではなく(図1(a)の状態)、最終表面処理の成分がマスキング材で被覆された面に浸透(図1(b)の状態)して図1(c)に見られるようなマスキングされた面の外部電極を含む回路配線に所望とは異なる種類の最終表面処理が施される部分が生じ、製品の機能が損なわれることになり不良製品となることがある。
図1は最終表面処理成分の漏れ状態を説明する模式図で、(a)はマスキング材貼り付け状態を示し、(b)は最終表面処理を施した状態、(c)はマスキング材を外した状態を示す図である。2はキリ穴、4はマスキング材、10は絶縁基材、11は外層回路A、12は外層回路B、13は最終表面処理層である。
【0022】
そこで、その不具合を回避するためには、マスキングされる面のキリ穴周辺の外部電極を含む回路配線とマスキング材との密着性を十分に確保することが必要であり、本発明では、キリ穴の開口部周囲にその開口部を全包囲する形で、漏れ防止用外層回路として、キリ穴の径方向の断面が凹凸構造を有する回路を設け、その形状、回路幅、及び回路間幅などを規定することによって、設けた漏れ防止用外層回路とマスキング材との密着性を十分に確保して配線基板の回路配線に所望の健全な最終表面処理を施すことを可能とし、不良製品の発生を大幅に減ずるものである。
【0023】
図2は本発明の漏れ防止用外層回路の特徴を示す図で、漏れ防止用外層回路の断面図である。
図2において、2はキリ穴、3は漏れ防止用外層回路、31は漏れ防止用外層回路の回路配線、32は回路配線間の空隙部、Lは回路配線幅、Lは空隙部32の幅、4はマスキング材である。
【0024】
図2に示すように、本発明における漏れ防止用外層回路3は、キリ穴2の周囲にキリ穴2を囲むように、キリ穴の径方向に凹凸構造を備えるもので、マスキング材4との楔効果により、その密着性を上げるものである。
ここで、外層回路の回路配線31の回路配線幅Lは、0.03〜1.0mmが望ましく、回路配線間の空隙部32の幅Lとの関係は、空隙部32の幅Lが回路配線幅Lを超えない大きさであることが望ましい。
回路配線幅Lが0.03mmより狭い場合、若しくは1.0mmより広い場合の両者共に、マスキング材4との密着性の向上が見られない。また、空隙部32の幅Lは、回路配線幅Lより広い値を採る場合では、マスキング材4との楔効果が十分に得られずに、漏れを完全には防止できないためである。
【0025】
図3は、その代表的な平面形態を示すもので、(a)はリング形状(二重リング)、(b)はリング形状(三重リング)、(c)は額縁メッシュ形状である。
図3において、2はキリ穴、3は漏れ防止用外層回路、31は漏れ防止用外層回路の回路配線、32は回路配線間の空隙部、Sは漏れ防止用外層回路の内側部である。
【0026】
以下に、本発明の漏れ防止用外層回路の形成法を説明する。なお、最終表面処理としてめっき処理の場合を例示して説明するが、他の表面処理の場合においても下記手順に則って行われる。
【0027】
[回路配線の加工]
先ず、両面に所望厚みの銅箔を貼り付け、キリ穴加工した銅張積層板の銅箔部分を、エッチング法を用いて、所望、例えば図3(a)〜(c)に示す漏れ防止用外層回路形態に、その回路配線を加工する。
この加工の詳細を以下の(1)から(5)に示す。(1)から(5)の工程を経ることによって、漏れ防止用外層回路の回路配線を形成する。
【0028】
(1)銅張積層板の銅箔上に感光性ドライフィルムを貼り付ける工程。
(2)所望の漏れ防止用外層回路を含む回路配線を描画した露光マスクを用いて(1)の感光性ドライフィルム上に、回路配線の形状を焼きつける露光工程。
(3)露光されたドライフィルムの被露光部分を溶解除去する現像工程。
(4)感光性ドライフィルムが除去されて露呈した銅箔部分を溶解除去するエッチング工程。
(5)銅箔状に残存する感光性ドライフィルムを除去する剥離工程。
【0029】
[最終表面処理]
1.一方の平面に備えられる外層回路に対する最終表面処理(先の最終表面処理)
次に、一方の平面に配置される外部電極を含む回路配線にのみ電解銀めっき法による最終表面処理を施す。この処理工程の詳細は、以下の(6)から(8)に示す通りに行う。ここで、一方の平面に設けられる外部電極を含む回路配線を外層回路Aとし、他方の平面に設けられる外部電極を含む回路配線を外層回路Bとして、以下の説明に供する。
【0030】
(6)電解銀めっきを施す一方の平面(外層回路A側)とは他方の平面(外層回路B側)の全体にマスキングフィルムを貼る工程。
(7)電解銀めっきを施す面(外層回路A側)の外層回路Aの回路配線に電解銀めっきを施す工程。
(8)他方の平面(外層回路B側)に貼られたマスキングフィルムを剥がす工程。
【0031】
2.他方の平面に備えられる外層回路に対する最終表面処理:外層回路B
次に、他方の平面に配置される外層回路Bの回路配線にのみ電解硬質金めっき法による最終表面処理を施す。この処理工程の詳細は、以下の(9)から(11)に示す通りに行う。
【0032】
(9)電解硬質金めっきを施す平面(外層回路B側)に対して、他方の平面(外層回路A側)の全体にマスキングフィルムを貼る工程。
(10)電解硬質金めっきを施す平面の外層回路Bの回路配線に電解硬質金めっきを施す工程。
(11)マスキングフィルムを剥がす工程。
【0033】
以上の工程により、プリント配線板の両面に備わる外層回路の回路配線に、それぞれに所望の最終表面処理を施すことができる。
上記では、それぞれの面に、その都度マスキングフィルムを貼る場合を示したが、本発明の適用は、上記限りではなく、以下(i)から(iv)に示すような電解めっき層を積層した回路配線を形成するような最終表面処理に対する加工工程においても有用である。
【0034】
3.電解めっき層を積層する最終表面処理
(i)当該プリント配線板の両面に電解銀めっきを施す工程。
(ii)電解銀めっきを最終表面処理とする一方の平面にマスキングフィルムを貼る工程。
(iii)他方の平面の外部電極を含む回路配線に電解硬質金めっきを施す工程。
(iv)マスキングフィルムを剥がす工程。
【実施例】
【0035】
以下、実施例を用いて本発明をより詳細に説明する。
先ず、両面に所望厚みの銅箔を貼り付け、キリ穴加工した銅張積層板のキリ穴周辺の銅箔部分を、上記「回路配線の加工」に記載の(1)から(5)の工程を経て、図3(a)〜(c)に示す漏れ防止用外層回路、並びに比較例及び従来例として図4(a)、(b)に示す一重リング形状、及び額縁デザインの外層回路の回路配線に加工した。なお、キリ穴の径は1.55mmとした。
表1に、それぞれの漏れ防止用外層回路の詳細を示す。
【0036】
次に、漏れ防止用外層回路を形成した銅張積層板の両面に、上記「最終表面処理」に記載の(6)から(8)、次いで(9)から(11)の工程を施して、銅張積層板の両面にめっき処理を施したプリント配線板の供試材を作製して、キリ穴周辺のめっき漏れの有無を目視観察した。
漏れ防止用外層回路の外側に明らかにめっき漏れによるめっきムラが見られる場合を「×」、漏れ防止用外層回路の内側(図3(a)符号Sに示すキリ穴2と漏れ防止用外層回路3の最初の回路配線31の間の範囲)にのみめっきムラが見られる場合を「△」、めっきムラが見られない場合を「○」と評価して、その結果を表1に併せて示した。
【0037】
【表1】
【符号の説明】
【0038】
1 プリント配線板
2 キリ穴
3 漏れ防止用外層回路
4 マスキング材
10 絶縁基材
11 一方の平面に備えられる外層回路(外層回路A)
12 他方の平面に備えられる外層回路(外層回路B)
13 最終表面処理層
31 漏れ防止用外層回路の回路配線
32 回路配線間の空隙部
回路配線幅(回路幅)
空隙部32の幅(回路間幅)
S 漏れ防止用外層回路の内側部
図1
図2
図3
図4