特許第5777314号(P5777314)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5777314
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】化粧空間
(51)【国際特許分類】
   E04H 1/02 20060101AFI20150820BHJP
   E04H 1/12 20060101ALI20150820BHJP
【FI】
   E04H1/02
   E04H1/12 Z
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2010-227380(P2010-227380)
(22)【出願日】2010年10月7日
(65)【公開番号】特開2012-82583(P2012-82583A)
(43)【公開日】2012年4月26日
【審査請求日】2013年9月30日
(73)【特許権者】
【識別番号】390037154
【氏名又は名称】大和ハウス工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】濱崎 真由子
(72)【発明者】
【氏名】金田 健也
(72)【発明者】
【氏名】田中 奈王子
(72)【発明者】
【氏名】小池 昭久
(72)【発明者】
【氏名】荒木 法子
(72)【発明者】
【氏名】小川 真美
(72)【発明者】
【氏名】横江 麻実
(72)【発明者】
【氏名】西村 麻希
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 美佐
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 貴美子
(72)【発明者】
【氏名】日高 由香子
(72)【発明者】
【氏名】遠藤 瑞穂
(72)【発明者】
【氏名】吉田 茂
【審査官】 土屋 真理子
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−037493(JP,A)
【文献】 特開平07−026743(JP,A)
【文献】 特開2001−090354(JP,A)
【文献】 実開平04−006939(JP,U)
【文献】 特開平03−005578(JP,A)
【文献】 特開平10−216033(JP,A)
【文献】 特開2000−054655(JP,A)
【文献】 特開2002−129764(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04H 1/02 − 1/04
A47B 67/00 − 67/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
戸建住宅の1階の平面視略L字型をしたリビングダイニングキッチンの一部を仕切って設けられた化粧空間であって、
該化粧空間は、リビングダイニングキッチンと扉レスで連続し、かつ、居住空間からの視線が遮られた空間であり、
該リビングダイニングキッチンから該化粧空間ヘ到るアプローチが略S字型となっており、
該化粧空間は中央部に、横方向に伸びた幅広のカウンターと、該カウンターの上面から上方に向けて突出し正面側に鏡を備え、カウンターの幅よりも短く、カウンターの中央部に設けられた仕切板を有する化粧台が、化粧空間とアプローチが連接する入り口を有する壁面と垂直となるように、一方の端部を壁面と対向する壁面に当接させて設けられ、
該化粧台により化粧空間が2つの空間に分割されており、
化粧空間の天井高が、リビングダイニングキッチンの天井高より低くなっており、
化粧空間及びアプローチには間接照明としての照明装置が設けられていることを特徴とする化粧空間。
【請求項2】
前記化粧空間の少なくとも一つのコーナー部がR形状となっている請求項1に記載の化粧空間。
【請求項3】
前記化粧空間の少なくとも一つの壁面が屋外と連続する窓である請求項1または2に記載の化粧空間。
【請求項4】
前記化粧空間の少なくとも一つの壁面に開口部が設けられ、該開口部により、化粧空間と前記居住空間が連通している請求項1からのいずれか1項に記載の化粧空間。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅の居住空間の一部を仕切って設けられた化粧空間に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、住居内で女性が化粧を行うのは、洗面所に設けられた洗面化粧台や寝室に備え付けられた化粧台に向かってすることが常であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−82390号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
化粧は女性が、日常から非日常へと変貌する手段であり、女性にとっては有意義な癒しの作業であるにもかかわらず、従来の住宅では日常生活の延長上である寝室や洗面所などの生活空間で化粧が行われており、女性にとって化粧をするという行為を楽しむための空間が提供されていなかった。
【0005】
特に洗面台に設けられた洗面化粧台や寝室に備え付けられた化粧台は壁面に沿って設けられており、化粧が壁面に向かってする作業となってしまい、壁面の圧迫感を感じながら化粧をすることになり、化粧をする行為が癒しとなるとはいえない状況であった。
【0006】
今後ますます女性の社会進出が増え、ストレスを感じる女性が増える状況にあるなか、発明者は繭の中に包まれて癒されるような空間を演出し、日常生活の中で、女性がリラックスでき、癒しを感じることのできる化粧空間の提案が必要であるという発想に到った。
【0007】
本発明は、以上のような問題点に鑑み、住宅内において女性が化粧をすることが癒しとなり、非日常性を体感することができる空間を提供すること、さらには繭の中に包み込まれて癒されるような癒しの空間を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題は、住宅の居住空間の一部を仕切って設けられた化粧空間であって、該化粧空間は、居住空間と扉レスで連続し、かつ、居住空間からの視線が遮られた空間であり、該化粧空間は中央部に、カウンターと、カウンターから上方に向けて突出し正面側に鏡を備えた仕切板を有する化粧台が設けられ、該化粧台により化粧空間が2つの空間に分割されていることを特徴とする化粧空間により解決される。
【0009】
この化粧空間は、居住空間の一部を仕切って設けられており、居住空間からの視線が遮られているので、化粧空間内で、家族の視線を気にすることなく、ゆったりとした気分で化粧を行うことができる一方で、居住空間とは扉レスで連続しているため、化粧空間が独立した部屋ではなく、家族から独立して引きこもって化粧をするのではなく、家族の気配を感じながら化粧をすることができる。
【0010】
そして、化粧空間の中央部には化粧台が設けられているので、化粧は壁に向かってではなく、部屋の中央部を向かってすることになり、化粧台が壁に向かって配置されているときのように壁からの圧迫感を受けることなく、化粧台の鏡を備えた仕切板の周囲を介して化粧台の背面側の空間を認識しながら開放的な気分で化粧をすることができる。
【0011】
そして、化粧台により化粧空間が2つの空間に分割されているので、化粧空間を化粧台の正面側の化粧をするための空間と化粧台の背面側の化粧以外の行為をするための空間とに分けて利用することができるので、化粧台の正面側の空間では化粧をし、化粧の背面側の空間では時間をかけてパックをするなど、その用途に合わせて多目的に使うことができる。なお、ここで化粧空間が2つの空間に分割されているとは、化粧空間が完全に2つの空間に仕切られていることを意味するのではなく、化粧空間の利用上2つの空間に分割されている場合を指し、化粧空間が全体として1つの空間である意味で用いている。
【0012】
上記の化粧空間において、化粧台の一方の側端部が前記化粧空間の壁面に当接しているとよい。
【0013】
化粧台の一方の側端部が化粧空間の壁面に当接しているので、化粧空間を化粧台の正面側の空間と背面側の空間2つの空間に略コの字型に2つの空間に分割され、それぞれの空間が通り抜けできないことにより、それぞれの空間にいるときに包まれ感を感じることができ、それぞれの空間を行き来する動線が1つに確定される。
【0014】
また、上記の化粧空間において、化粧空間の天井高が、前記居住空間の天井高より低くなっているとよい。
【0015】
化粧空間の天井高が、居住空間の天井高より低くなっているので、居住空間から化粧空間に移動したときに、異空間へ入った感覚を感じることができ、また、天井高が低いことにより包まれ感がうまれ、あたかも自分か繭の中に包まれているかのような感覚を感じることができる。
【0016】
また、上記の化粧空間において、居住空間から化粧空間ヘ到るアプローチが略S字型となっているとよい。
【0017】
居住空間から化粧空間へ到るアプローチが略S字型になっているので、居住空間と化粧空間が扉レスで連続しているにもかかわらず、居住空間からの視線を確実に遮ることができる。また、住居空間という日常性の空間から化粧空間という非日常性の空間への移行を演出することができる。
【0018】
また、上記化粧空間において、化粧台に正面側及び背面側からアクセス可能な洗面部が設けられているとよい。
【0019】
化粧台に正面側及び背面側からアクセス可能な洗面部が設けられているので、化粧空間の2つの分割された化粧台の正面側の空間と背面側の空間どちらからでも、化粧台の洗面部を利用することができる。
【0020】
また、上記化粧空間において、少なくとも一つのコーナー部がR形状となっているとよい。
【0021】
化粧空間の少なくとも一つのコーナー部が角型でなくR形状であることで、丸みをおびた印象を与え、化粧空間にいる人はやさしく包まれた癒しの空間を実感することができる。なお、ここでコーナー部とは壁面と壁面により構成されたコーナー部だけでなく、壁面と天井面、壁面と床面により構成されるコーナー部も含む意味で用いている。
【0022】
また、上記化粧空間において、少なくとも一つの壁面が屋外と連続する窓であるとよい。
【0023】
化粧空間の少なくとも一つの壁面が屋外と連続する窓であるので、太陽光を取り込むことができ、化粧をする際、蛍光灯や白熱灯だけでなく、太陽光も活用してさまざまな光に対応した化粧を行うことができる。
【0024】
また、上記化粧空間において、化粧空間の少なくとも一つの壁面に開口部が設けられ、開口部により、化粧空間と居住空間が連通しているとよい。
【0025】
化粧空間の少なくとも一つの壁面に開口部が設けられ、開口部により、化粧空間と居住空間が連通していることで、ひとりでこもりがちな化粧空間でありながら、居住空間の人の気配を感じることができ、家族がそばにいる安心感を体感しながら自分ひとりのプライベート空間を楽しむことができる。とくに、小さい子供を抱える女性にとっては、子供の気配を感じながら化粧をすることができるので、安心することができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明は以上のとおりであるから、住宅内において女性が化粧をすることが癒しとなり、非日常性を体感することができる空間を提供すること、さらには繭の中に包み込まれて癒されるような癒しの空間を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の実施形態である化粧空間が適用される住宅の1階平面図である。
図2】化粧空間を示す図1の要部拡大平面図である。
図3】化粧台を示す斜視図である。
図4】化粧空間を示す、図2のA−A線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0029】
図1,2に示す本発明の実施形態である化粧空間1において、2は化粧空間1が設けられる戸建住宅、3は居住空間としてのリビングダイニングキッチンである。図1,2はそれぞれ戸建住宅2の1階平面図、1階部分平面図であり、戸建住宅2の1階には化粧空間1、リビングダイニングキッチン3の他、納戸5、廊下6、玄関7、洗面所8、浴室9、トイレ10が設けられている。
【0030】
化粧空間1は、戸建住宅2の1階のリビングダイニングキッチン3の一部を壁面で仕切ることにより設けられた空間であり、リビングダイニングキッチン3とは扉が設けられず行き来自在に連続しており、化粧空間1として閉じられた一つの個室としてではなく、化粧空間1はリビングダイニングキッチン3の壁面で仕切られた一部の空間として設けられる。本実施形態では、リビングダイニングキッチン3が平面視略L字型をしており、リビングダイニングキッチン3のうち、屋外側に突出した部分が化粧空間1とされている。
【0031】
リビングダイニングキッチン3から化粧空間1へは、2度の直角方向への方向転換を経て到るように略S字型のアプローチ11が設けられており、アプローチ11の照明は、リビングダイニングキッチン3という日常性の空間から化粧空間1という非日常性の空間への移行を演出するための間接照明が設けられている。
【0032】
化粧空間1の平面は、平面視方形をしており、中央部には化粧台12が、化粧空間1とアプローチ11が連接する入り口13を有する壁面14と垂直となるように、一方の端部を壁面14と対向する壁面15に当接させて設置されている。
【0033】
化粧台12は、図3に示すように、横方向に伸びた幅広のカウンター12aと、カウンター12aの上面から上方に向けて突出し、化粧台12の正面側に鏡15を備えた平板状の仕切板12bを有する。仕切板12bは、その幅がカウンター12aの幅よりも短く、カウンター12aの中央部に設けられ、化粧をする人は、仕切板12bの両側及び上方の仕切板12bで仕切られていない空間を介して、化粧台12で仕切られた化粧台12の背面側の空間を認識することができる。また、後述するように、仕切板12bで仕切られていない空間を介して、化粧台12の背面側より洗面部17へのアクセスが可能となっている。仕切板12bの鏡15が備えられた側の鏡15を挟む両横側には、縦方向に沿って化粧をするための照明装置16,16が設けられている。照明措置16,16には、自然光の色温度に近い5000ケルビンの色温度を有する照明、例えば昼白色蛍光灯などが用いられている。また、仕切板12bは、カウンター12aの前縁部122aから鏡15までの距離が、化粧時に化粧をする人が前屈みにならなくても、鏡に自分の顔を十分に映しながら化粧が行える距離、例えば30〜40cm、特に35cmとなるように設けられている。
【0034】
化粧台12の化粧空間1の壁面と当接しない側の端部には、洗面部17が設けられている。洗面部17は、給水栓18と水を受ける洗面ボウル19からなり、給水栓18及び洗面ボウル19は、化粧台12の正面側、背面側、側面側の3方向から使用できるようにアクセス可能となっている。
【0035】
カウンター12aと仕切板12bとの間には、洗面部17と一体となった収納部20が設けられている。収納部20は、複数の引き出し式の収納庫21‥で構成され、一部の収納庫21の上面22aは、内部の収納物が確認できるようにガラスなどの透過性の材料で覆われており、収納庫21‥を単なる収納するためだけのスペースとして利用するのではなく、大切なモノやお気に入りのモノなどを飾り、眺めるためのスペースとしても活用することができる。また、一部の収納庫21の上面は、周辺部より一段低い凹部22bが設けられ、収納庫21‥の上面に置いてある化粧品などが化粧の途中で滑り落ちたりしないようになされている。なお、カウンター12aの下面に設けられた23‥は、収納ケースである。
【0036】
化粧台12によって化粧空間1は、化粧台12の正面側の化粧をするための空間27と化粧台12の背面側の化粧以外の行為をするための空間28とに分割され、化粧台12の背面側の化粧以外の行為をするための空間28には、やわらかなフロアマット29とともにソファ30やテーブル33が設置され、リラックスした時間を過ごせるようになされており、読書をしたり音楽を聞いたりなど一人の時間を楽しんだり、パックなど時間のかかる化粧時などに活用することができる。
【0037】
図4に示すように、化粧空間1の天井は、化粧空間1の壁面24‥との間に隙間を有する天井パネル25が、リビングダイニングキッチン3と比較して天井高さが低くなるように吊り下げられており、化粧空間1の天井高さがリビングダイニングキッチン3と比較して低くなっている。また、天井パネル25の上面側外周部には、間接照明としての照明装置26が設けられ、壁面24‥と天井パネル25との隙間を介して、化粧空間1を間接的に照明する。
【0038】
また、図1,2に示すように化粧空間1及びアプローチ11のコーナー部31は、R形状となるようになされている。また、化粧空間1の壁面の一部には屋外と連続する窓32が設けられている。
【0039】
化粧空間1とリビングダイニングキッチン3を仕切る壁面24の上方部には、化粧空間1とリビングダイニングキッチン3とを連通する開口部34が設けられている。開口部34を介して、化粧空間1に居ながらにして、リビングダイニングキッチン3の人の気配を感じることができる。
【0040】
この化粧空間は、リビングダイニングキッチンの一部を仕切って設けられており、リビングダイニングキッチンからの視線が遮られているので、化粧空間内で、家族の視線を気にすることなく、ゆったりとした気分で化粧を行うことができる一方で、リビングダイニングキッチンとは扉レスで連続しているため、化粧空間が独立した部屋ではなく、家族から独立して引きこもって化粧をするのではなく、家族の気配を感じながら化粧をすることができる。
【0041】
そして、化粧空間の中央部には化粧台が設けられているので、化粧は壁に向かってではなく、部屋の中央部を向かってすることになり、化粧台が壁に向かって配置されているときのように壁からの圧迫感を受けることなく、化粧台の鏡を備えた仕切板の周囲を介して化粧台の背面側の空間を認識しながら開放的な気分で化粧をすることができる。
【0042】
そして、化粧台により化粧空間が2つの空間に分割されているので、化粧空間を化粧台の正面側の化粧をするための空間と化粧台の背面側の化粧以外の行為をするための空間とに分けて利用することができるので、化粧台の正面側の空間では化粧をし、化粧の背面側の空間では時間をかけてパックをするなど、その用途に合わせて多目的に使うことができる。
【0043】
また、化粧台の一方の端部が化粧空間の壁面に当接しているので、化粧空間を化粧台の正面側の空間と背面側の空間2つの空間に略コの字型に2つの空間に分割され、それぞれの空間が通り抜けできないことにより、それぞれの空間にいるときに包まれ感を感じることができ、それぞれの空間を行き来する動線が1つに確定される。
【0044】
また、化粧空間の天井高が、リビングダイニングキッチンの天井高より低くなっているので、リビングダイニングキッチンから化粧空間に移動したときに、異空間へ入った感覚を感じることができ、また、天井高が低いことにより包まれ感がうまれ、あたかも自分か繭の中に包まれているかのようか感覚を感じることができる。特に、化粧空間の床面積がプランの制約上小さくなってしまった場合でも、天井高さを低くなっているので、化粧空間内の高さと平面積の比率により、包まれ感を感じることができる。
【0045】
また、リビングダイニングキッチンから化粧空間へ到るアプローチが略S字型になっているので、リビングダイニングキッチンと化粧空間が扉レスで連続しているにもかかわらず、リビングダイニングキッチンからの視線を確実に遮ることができる。また、リビングダイニングキッチンという日常性の空間から化粧空間という非日常性の空間への移行を演出することができる。
【0046】
また、化粧台に正面側及び背面側からアクセス可能な洗面部が設けられているので、化粧空間の2つの分割された化粧台の正面側の空間と背面側の空間どちらからでも、化粧台の洗面部を利用することができる。
【0047】
また、化粧空間の少なくとも一つのコーナー部が角型でなくR形状であることで、丸みをおびた印象を与え、化粧空間にいる人はやさしく包まれた癒しの空間を実感することができる。
【0048】
また、化粧空間の少なくとも一つの壁面が屋外と連続する窓であるので、太陽光を取り込むことができ、化粧をする際、蛍光灯や白熱灯だけでなく、太陽光も活用してさまざまな光に対応した化粧を行うことができる。
【0049】
また、化粧空間の少なくとも一つの壁面に開口部が設けられ、開口部により、化粧空間とリビングダイニングキッチンが連通していることで、こもりがちになってしまう化粧空間でありながら、リビングダイニングキッチンの人の気配を感じることができ、家族がそばにいる安心感を体感しながら自分ひとりのプライベート空間を楽しむことができる。とくに、小さい子供を抱える女性にとっては、子供の気配を感じながら化粧をすることができるので、安心することができる。
【0050】
そして、住宅内において女性が化粧をすることが癒しとなり、非日常性を体感することができる空間が実現でき、さらには繭の中に包み込まれて癒されるような癒しの空間を実現することができる。
【0051】
以上に、本発明の実施形態を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、発明思想を逸脱しない範囲で各種の変更が可能である。例えば、上記の実施形態では、
【0052】
また、上記実施形態では、化粧空間を建物の1階のリビングダイニングキッチンの一部に設けた場合について示したが、2階の居住空間の一部に設けてもよいし、居住空間とはリビングダイニングキッチンにかぎらず、リビングであってもよいし、和室であってもよいし、キッチンであってもよい。また、居住空間に対する化粧空間の位置に限定はなく、上記実施例のように居住空間の端部に限定されず、中央部にあってもよいのはいうまでもない。
【符号の説明】
【0053】
1・・・化粧空間
2・・・戸建住宅
3・・・居住空間(リビングダイニングキッチン)
11・・・アプローチ
12・・・化粧台
13・・・カウンター
14・・・仕切板
15・・・鏡
17・・・洗面部
18・・・給水栓
19・・・洗面ボウル
20・・・収納部
27・・・化粧台の正面側の化粧をするための空間
28・・・化粧台の背面側の化粧以外の行為をするための空間
31・・・コーナー部
32・・・窓
34・・・開口部
図1
図2
図3
図4