(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5777321
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】熱伝導シリンダー
(51)【国際特許分類】
F28D 1/047 20060101AFI20150820BHJP
F28D 7/10 20060101ALI20150820BHJP
F28D 20/00 20060101ALI20150820BHJP
F28D 21/00 20060101ALI20150820BHJP
【FI】
F28D1/047 Z
F28D7/10 Z
F28D20/00 Z
F28D21/00 Z
【請求項の数】1
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2010-242197(P2010-242197)
(22)【出願日】2010年10月28日
(65)【公開番号】特開2011-94952(P2011-94952A)
(43)【公開日】2011年5月12日
【審査請求日】2013年10月16日
(31)【優先権主張番号】12/588,779
(32)【優先日】2009年10月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】599075531
【氏名又は名称】楊 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100093779
【弁理士】
【氏名又は名称】服部 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】楊 泰和
【審査官】
関口 勇
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭57−058043(JP,A)
【文献】
特開2005−337590(JP,A)
【文献】
米国特許第5623986(US,A)
【文献】
特開2001−174073(JP,A)
【文献】
特開2006−118851(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F28D 1/047
F28D 7/10
F28D 20/00
F28D 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
浅層地表または池、湖、川、海洋等の自然蓄熱体または人工的に設置された固相、または気相、または液相物体により構成された蓄熱体(500)の中に設置し、またU型コアパイプ及びループパイプの流体入口端及び/または出口端の配管セグメントを直接断熱材料により構成することにより、または二者の間に断熱構成を設置することにより、配管に温度差がある熱伝導流体が流れるとき、同側に隣り合っている入口端の配管セグメントと出口端の配管セグメントとの間に熱伝導が行われることにより起きる熱エネルギーの損失を低減する熱伝導シリンダーであって、
当該熱伝導シリンダーの各U型配管(100)の中に、
1)液相流体、
2)気相流体、
3)液相から気相に変化する流体、
4)気相から液相に変化する流体、
のうち少なくとも一種の熱伝導流体(111)が通過し、
柱状熱伝導体の中に複数の輻射状に配列するU型配管(100)を設置し、またその軸芯の近くに集中して同じ流向の配管群の外側に断熱構成を設置し、
U型配管(100)は、熱伝導流体(111)を通過させるU型管状体により形成され、熱伝導流体(111)をその中に通過させ、U型配管(100)を固相物体または膠状物体により構成された柱状熱伝導体(300)に設置し、各U型配管(100)は第1流体出入口端(101)及び第2流体出入口端(102)を持ち、また第1流体出入口端(101)の近くの配管セグメントを柱状熱伝導体(300)のコアに集中して隣り合うように設置し、かつ第2流体出入口端(102)の近くの配管セグメントは、柱状熱伝導体(300)の軸方向外側に沿って、辺縁の近くに設置し、また輻射状に分布設置し、
柱状熱伝導体(300)は、熱伝導材料により構成され、かつ円形、または橢円形、または正方形、または長方形、または星形の断面である柱状に構成され、かつU型配管(100)及び断熱装置(400)を被覆し、
断熱装置(400)は、断熱効果を持つ固体、または可撓体、または発泡体、または封入されたコロイド、または気体、または液体、または真空構造により構成される断熱構成であり、柱状熱伝導体(300)の軸芯に集中して隣り合うように設置する各U型配管(100)の第1流体出入口端(101)の近くの配管セグメントと各U型配管の第2流体出入口端(102)の近くの配管セグメントとの間に設置され、または第1流体出入口端(101)の近くの配管セグメントを直接または断熱材料または断熱材の外被材により製作し、
上述の断熱構成を通して、同一U型配管(100)の同じ側にある第1流体出入口端(101)の近くの配管セグメントと第2流体出入口端(102)の配管セグメントとの間に熱伝導が行われるために起きる熱エネルギーの損失を低減することを特徴とする熱伝導シリンダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、温度差のある熱伝導流体が流れる熱伝導シリンダーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のU型配管熱交換装置では、U型配管装置の流体入口端の配管セグメントと流体出口端の配管セグメントとは、同側に隣り合って設置されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
このため、従来のU型配管熱交換装置のU型配管装置では、同側に隣り合っている流体入口端の配管セグメントと流体出口端の配管セグメントとの間に温度差がある流体が流れると、常に近すぎるために、温度差の熱伝導が行われてしまい、熱エネルギーが損失する。
本発明の目的は、入口端近くの配管セグメントと出口端近くの配管セグメントとの間に熱伝導が行われるために起きる熱エネルギーの損失を低減可能な熱伝導シリンダーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の熱伝導シリンダーは、一種の輻射状に熱エネルギーを互いに伝送するU型管である。具体的には、輻射状に熱エネルギーを互いに伝送するU型管のU型流体配管入口端及び/または出口端の配管セグメントを直接断熱材料により構成し、または二者の間に断熱構成を設置し、更に熱伝導材料により製作した熱伝導シリンダーを設置することにより構成される。
これにより、本発明の熱伝導シリンダーは、同側に隣り合って、温度差がある流体入口端の配管セグメントと流体出口端の配管セグメントとの間に、温度差がある流体が流れるとき、温度差の熱伝導が行われ、熱エネルギーの損失を避けることができる。
【0005】
(発明の効果)
本発明の熱伝導シリンダーは、浅層地表または池、湖、川、海洋等の自然蓄熱体または人工的に設置された固相、または気相、または液相物体により構成された蓄熱体(500)の中に設置される。また、U型コアパイプ及びループパイプの流体入口端及び/または出口端の配管セグメントは、直接断熱材料により構成される。または、二者の間に断熱構成を設置し、本発明の熱伝導シリンダーが構成される。
これにより、配管に温度差がある熱伝導流体が流れるとき、同側に隣り合っている入口端の配管セグメントと出口端の配管セグメントとの間に熱伝導が行われるために起きる熱エネルギーの損失を避けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】熱伝導柱体の中に二個または二個以上の輻射状に配列するU型配管を設置し、その軸芯の近くに集中して同じ流向の配管群の外側に断熱構成を設置する、本発明の実施形態の説明図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態)
本発明
の実施形態の熱伝導シリンダーは、浅層地表または池、湖、川、海洋等の自然蓄熱体または人工的に設置された固相、または気相、または液相物体により構成された蓄熱体500の中に設置される。また、U型コアパイプ及びループパイプの流体入口端及び/または出口端の配管セグメントを直接断熱材料により構成される。または、二者の間に断熱構成を設置し、当該熱伝導シリンダーが構成される。
これにより、本実施形態の熱伝導シリンダーは、配管に温度差がある熱伝導流体が流れるとき、同側に隣り合っている入口端の配管セグメントと出口端の配管セグメントとの間に熱伝導が行われ、熱エネルギーの損失を避けることができる。
【0008】
本実施形態の熱伝導シリンダーの各U型配管100の中に、下記の少なくとも一種の熱伝導流体111が通過する。
1)液相流体。
2)気相流体。
3)液相から気相に変化する流体。
4)気相から液相に変化する流体。
【0009】
図
1は、柱状熱伝導体の中に二個または二個以上の輻射状に配列するU型配管を設置し、またその軸芯の近くに集中して同じ流向の配管群の外側に断熱構成を設置する、本発明
の実施形態の構成の説明図である。図
2は図
1の断面図である。図
1及び図
2の中の主な構成を下記に示す。
【0010】
−−U型配管100:熱伝導流体111を通過させるU型管状体により形成され、熱伝導流体111をその中に通過させる。U型配管100は、固相物体または膠状物体により構成された柱状熱伝導体300に設置される。各U型配管100は第1流体出入口端101及び第2流体出入口端102を持つ。第1流体出入口端101の近くの配管セグメントを柱状熱伝導体300のコアに集中して隣り合うように設置し、かつ第2流体出入口端102の近くの配管セグメントは、柱状熱伝導体300の軸方向外側に沿って、辺縁の近く設置し、また輻射状に分布設置する。
【0011】
−−柱状熱伝導体300:熱伝導材料により構成され、かつ円形、または橢円形、または正方形、または長方形、または星形等の各種幾何形状の断面である柱状に構成され、かつU型配管100及び断熱装置400を被覆する。
【0012】
−−断熱装置400:断熱効果を持つ固体、または可撓体、または発泡体、または封入されたコロイド、または気体、または液体、または真空構造により構成される断熱構成である。柱状熱伝導体300の軸芯に集中して隣り合うように設置する各U型配管100の第1流体出入口端101の近くの配管セグメントと各U型配管の第2流体出入口端102の近くの配管セグメントとの間に設置される。または、第1流体出入口端101の近くの配管セグメントを直接または断熱材料または断熱材の外被材により製作する。
【0013】
上述の断熱構成を通して、同一U型配管100の同じ側にある第1流体出入口端101の近くの配管セグメントと第2流体出入口端102の配管セグメントとの間に熱伝導が行われるために起きる熱エネルギーの損失を大幅に減少させることができる。
【0014】
本実施形態の熱伝導シリンダーにおいて、複数のU型配管を共同して柱状熱伝導体300の軸芯へ通じる所に設置し、相対的に大きな径の配管により共通配管200の第1流体出入口端1101を構成し、かつ柱状熱伝導体300の軸方向の周辺に沿って、輻射状に第2流体出入口端102を設置することができ
る。
【符号の説明】
【0015】
100・・・U型配管
101・・・第1流体出入口端
102・・・第2流体出入口端
111・・・熱伝導流体
300・・・柱状熱伝導体
400・・・断熱装置
500・・・蓄熱体