(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5777438
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】気管挿管用歯牙保護デバイス
(51)【国際特許分類】
A61B 1/267 20060101AFI20150820BHJP
A61B 1/273 20060101ALI20150820BHJP
A61B 1/00 20060101ALI20150820BHJP
【FI】
A61B1/26
A61B1/00 300B
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2011-164918(P2011-164918)
(22)【出願日】2011年7月28日
(65)【公開番号】特開2013-27499(P2013-27499A)
(43)【公開日】2013年2月7日
【審査請求日】2014年6月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000153823
【氏名又は名称】株式会社八光
(72)【発明者】
【氏名】萱場 泓郎
(72)【発明者】
【氏名】中澤 孝基
【審査官】
伊藤 昭治
(56)【参考文献】
【文献】
特開2009−279043(JP,A)
【文献】
特表2007−523666(JP,A)
【文献】
特表2008−515572(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 1/00 − 1/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性及び可撓性を有する樹脂により、上顎歯列の歯列弓に適合して両端が開いたU字形状を形成し、該歯列に嵌装可能に断面を凹型とした、喉頭鏡による気管挿管のさい上顎歯列を覆着して用いる歯牙保護デバイスであって、歯列表側に当接する壁部の高さを、奥歯側より前歯側を大きく形成し、歯列表側に当接する壁部の外側面中央下端部であって、歯列に覆着したさい前歯先端と上唇の間に位置する部位に、帽子の鍔状に突出する張出し部を備えることを特徴とする気管挿管用歯牙保護デバイス。
【請求項2】
前記歯列表側に当接する壁部の内側面中央上端部であって、歯列に覆着したさい上唇小帯を挟む部位に突起を備える請求項1の気管挿管用歯牙保護デバイス。
【請求項3】
前記デバイスの底部表面側(断面の凹型の底部分にあたる位置)の中央部であって、歯列に覆着したさい前歯先端を保護する部位に格子状の凹凸面で形成するリブを備える請求項1乃至2のいずれかの気管挿管用歯牙保護デバイス。
【請求項4】
前記歯列表側に当接する壁部中央部の歯牙当接面は、底部の面に対し75°以上、85°以下の角度で内側に傾斜してなる請求項1乃至3のいずれかの気管挿管用歯牙保護デバイス。
【請求項5】
前記上顎歯列弓に適合するU字形状の湾曲は、可変可能に形成される請求項1乃至4のいずれかの気管挿管用歯牙保護デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気管挿管のさいに、喉頭鏡による圧迫や衝撃から前歯の損傷を防止するための気管挿管用歯牙保護デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
気管挿管は、全身麻酔のさいの人工呼吸管理や、心肺停止などの救急患者に対する気道確保のため、麻酔科医の他、気管挿管認定救急救命士が行なうことのできる一般的な処置となっている。そして、通常、この気管挿管は、先端側がL字などに湾曲した喉頭鏡を用いて喉頭を展開し、声門を目視にて確認しながら、そこに気管内チューブを挿管していくものであるが、口腔より挿入した喉頭鏡で喉頭を展開するさいは、該喉頭鏡の把持部を、上顎側に倒すように回動させる操作となるため、誤って上顎前歯に喉頭鏡を強く当ててしまうことがあり、また、操作のしやすさから積極的に上顎前歯を支点とした回動操作が行なわれることがあるなど、この衝撃や圧迫により上顎前歯を損傷させてしまうケースが多々報告されている。
特に、緊急患者に対する気道確保の場合は、一刻を争う処置であるため、チューブ挿管が優先されるあまり、前歯保護への意識がおろそかにされることがあり、前記前歯損傷の懸念が大きくなっている。
また、前歯を欠損している患者の場合では、該欠損部に喉頭鏡が嵌入してしまい喉頭展開が上手くいかない場合があるといった問題も指摘されている。
【0003】
そのため、この喉頭鏡による前歯の破損を防止する目的、あるいは、前歯の欠損を補う目的の器具として、従来から、喉頭鏡本体の後端側表面(ブレード部)であって、使用時に、人の上顎前歯の嵌合面に当たる部分に所定の厚さのエラストマーからなる所定の硬度と弾性を有する歯牙保護部材を着脱自在に取り付けた喉頭鏡が提案されている。(特許文献1)
【0004】
しかし、この喉頭鏡では、歯牙保護部材を着脱可能なブレード部を有する特別な喉頭鏡が必要で汎用性が無いこと、また、喉頭鏡の構成が複雑になり器具が高価になるといった問題がある。
そこで、本発明者らにより、喉頭鏡を用いての気管挿管に先立ち上顎前歯に覆着して用いるマウスピースの様なデバイスとして、弾性及び可撓性を有する樹脂により、形状を上顎前歯の形に適合して湾曲し、断面を凹形状に成形した、該デバイスと前記喉頭鏡が接触し衝撃や圧迫を受ける可能性の高い部位を、接触しない部位よりも肉厚に形成するか、あるいは、硬く形成する、該部位の補強部を備えて構成した前歯保護デバイスが提案された。(特許文献2)
【0005】
この前歯保護デバイスによると、患者の上顎前歯に該デバイスの凹み部を嵌入させ、該前歯に覆着することにより、弾性及び可撓性を有する該保護デバイスが緩衝材となり、喉頭鏡の回動操作、更には、前歯を支点とした操作による前歯への接触のさいの衝撃、圧迫を低減することができ、前歯損傷の可能性を低くすることができる。また、前歯に欠損がある場合に、該デバイスを覆着することにより、喉頭鏡が欠損部へ嵌入することがないため、前歯欠損による喉頭展開の不都合を無くすことができる。
また、使用に当たっては、患者の上顎前歯に覆着するのみで面倒が無く、時間も有しないため救急の場合に適している。
更に、上記した通りの使用勝手となるため、どの様な喉頭鏡にも使用可能で、また、弾性および可撓性の樹脂により構成し、手指により該デバイスの湾曲の大きさを可変可能なものとすると、患者の装着部(前歯)の形状に適合して装着できることにより汎用性が高いデバイスとすることができる。
加えて、形状構造が簡単であるため、例えば樹脂成型などにより大量にかつ安価に製造することができるといった多くの利点を備えるデバイスとなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】実開平4−114302号公報
【特許文献2】特開2009−279043号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、前記従来の前歯保護デバイスでは、デバイスの装着が前歯のみへの覆着となるなどのため、装着した状態で安定感がなく、使用中脱落してしまうことがあるといった問題があった。
【0008】
そこで、本発明は、気管挿管のさいに喉頭鏡による上顎前歯の損傷を防止すると共に、デバイスを歯牙へ覆着したさい脱落することのない安定した装着状態を保つことができる気管挿管用歯牙保護デバイスを提供することを課題とした。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の気管挿管用歯牙保護デバイスは、喉頭鏡による気管挿管のさい上顎歯列に覆着して用いるデバイスであって、弾性及び可撓性を有する樹脂により、形状を上顎歯列の歯列弓に適合し両端を開いたU字形に、また、該歯列に嵌装可能に断面を凹型として形成し、歯列表側に当接する壁部の高さを、奥歯側より前歯側を大きく形成し
、歯列表側に当接する壁部の外側面中央下端部であって、歯列に覆着したさい前歯先端と上唇の間に位置する部位に、帽子の鍔状に突出する張出し部を備えて構成した。
【0010】
更に、前記デバイスは以下ように形成、構成されることが好ましい。
・前記歯列表側に当接する壁部の内側面中央上端部であって、歯列に覆着したさい上唇小帯を挟む部位に突起を備える
。
・前記デバイスの底部表面側(断面の凹型の底部分にあたる位置)の中央部であって、歯列に覆着したさい前歯先端を保護する部位に格子
状の凹凸面で形成するリブを備える。
・前記歯列表側に当接する壁部中央部の歯牙当接面であって、歯列に覆着したさい前歯から歯茎の表側に当接する部位の壁部の面を、底部の面に対し75°以上、85°以下の角度で内側に傾斜させて形成する。
・前記上顎歯列弓に適合するU字形状の湾曲は、可変可能に形成される。
【0011】
(作用)
本手段の気管挿管用歯牙保護デバイスによると、前記した従来の前歯保護デバイスと同様に、弾性及び可撓性を有する保護デバイスが緩衝材となり前歯への衝撃、圧迫を低減することができ、前歯損傷の可能性を低くすることができるなどの前述の作用に加え、上顎歯列弓に沿って前歯から奥歯まで該デバイスの凹み部を嵌入し覆着することにより、デバイスと歯牙や歯茎との接触面積がおおきくなり、また、前歯側を奥歯覆着側の壁部より高く形成することで、デバイスの形状が歯列の形状に適合したものとなるため、安定した装着状態となる。
更に、上顎歯列表側に当接する壁部の内側面中央上端部(歯列に覆着したさい上唇小帯を挟む部位)に突起を備えたことにより、該突起が当接部の歯茎に押圧接触し、デバイス覆着時の外れ防止機能を持つことにより歯牙覆着のさいの安定性を一層高めることができる。
【0012】
また、歯列表側に当接する壁部の外側面中央下端部(歯列に覆着したさい前歯先端と上唇の間に位置する部位)に鍔状の張出部を備えると、デバイス装着時に該張出部が前歯先端と上唇の間に当接され上唇を保護することで、喉頭鏡とデバイスの間に上唇が挟まり切ってしまうなどのトラブルを防止することができる。
また、最も喉頭鏡が接触しやすい部位となる、デバイスの断面凹部の底部表面側の中央部(歯列に覆着したさい前歯先端を保護する部位)に格子状などの凹凸面を形成するリブを備えると、該部位に喉頭鏡が接触したさいの衝撃を分散することができ、前歯の損傷防止機能を一層高めることができる。
更に、歯列表側壁部の中央部の歯牙当接面を、底部の面に対して75°以上、85°以下の角度で内側に傾斜させると、人の上顎前歯(歯牙から歯茎)の形に合致する形状となり覆着したさいのフィット感が高まり、また、裏側壁部と協働しての挟持効果を高めることで一層安定した装着が可能となる。
尚、この角度が75°より小さくなったり、85°より大きくなったりすると一般的な人の上顎前歯の形との差異が大きくなることで、覆着したさい接触面が小さくなることでフィット感が悪くなり、裏側壁部と協働しての挟持効果にアンバランスをきたす可能性があるなど装着安定性を損なう懸念がある。
加えて、弾性および可撓性の樹脂により構成し、手指により該デバイスの湾曲の大きさを可変可能なものとすると、患者の歯列弓の形状に適合して覆着できることにより汎用性が高いデバイスとすることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の前歯保護デバイスによると、前記構成、作用により、気管挿管のさいに喉頭鏡による上顎前歯の損傷を防止すると共に、デバイスを歯牙へ覆着したさいデバイスの脱落の懸念がない安定した装着状態を実現できることで、気管挿管をより安全に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本形態の気管挿管用歯牙保護デバイスは、気管挿管のさい喉頭鏡により喉頭を展開する操作で、誤って上顎前歯を損傷してしまうことを防止するため、気管挿管に先立って上顎歯列のほぼ全体(前歯から奥歯まで)に覆着して、喉頭鏡と歯牙との直接で、強い接触を防ぐための緩衝器具として用いられる。
【0016】
以下、本発明の実施の形態につき図面を参考にしながら詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態を示す気管挿管用歯牙保護デバイスを示している。
本例のデバイスは、全体として人の上顎の歯列弓に適合して両端が開いたU字形状(放物線形状)に形成され、断面が内部に歯牙を嵌入する凹形状として形成されるデバイス本体1に、該断面の凹形状10の2つの壁部のうち歯列表側が当接する壁部表側11の外表面11Bの中央下端部、即ち、歯列に覆着したさいに前歯先端と上唇の間にあたる部位に上唇のカーブに沿って帽子の鍔のように形成される鍔状張出部3と、前記断面の凹形状10の底部13の外表面中央部であって、歯列に覆着したさいに前歯先端を保護する部位に格子状突起の凹凸面として形成される格子状リブ4を設けて構成し、歯牙(特に前歯)を保護する観点からある程度の強度(硬度)を保持しつつ、手指によりU字に形成された湾曲を患者の歯列弓に適合させ変形可能な弾性と可撓性を備えた樹脂(本例においては、スチレン系エラストマー)により、全体を一体成型して形成した。
尚、本器具を形成する樹脂の性状としては、前記したように、ある程度の強度(硬度)を保持しつつ、弾性と可撓性を備えていることに加え、喉頭鏡と接触したさいに、引っ掛からずに滑り易い、ある程度摩擦抵抗の小さな材質であることが好ましく、本例において使用したスチレン系エラストマーなどが好適となる。
【0017】
次に各部について詳細に説明する。
図2、
図3は、本形態の外観図で、
図2Aは上面図、
図2Bは底面図、
図3Aは正面図、
図3Bは裏面図をそれぞれ示しており、
図4は、
図3Aに示すD−Dによる側面断面図を示している。
デバイス本体1は、全体形状としては、一般的な成人の前歯から奥歯までの歯列弓の湾曲に沿って、上顎のみに装着されるマウスピースのような奥行き巾40〜45mm程度(実施例、約43mm)の両端が開いた左右対称のU字形状として形成され、上顎の歯牙全体及び歯茎を表裏面から挟み込み覆って装着できるように、覆着したさい歯牙の表面側と上唇の間に位置する歯牙表側壁部11、歯牙の裏面側に当たる歯牙裏側壁部12、歯牙先端を覆って保護する底部13、及び、前記2つの壁部及び底部の3面の内面となる歯牙及び歯茎を収容する凹部10の各部より構成する。そして、表側壁部11の高さは裏側壁部12より大きく形成されており、該表側壁部11の高さは、前歯側F(デバイス中心部分)の高さHFを奥歯側B(デバイス両端側)の高さHBより大きく形成している。
尚、本実施の形態における壁部の高さは、表側壁部11の中央部(切り欠け部14を除く)となる最長部を約21mmとして、奥歯側両側に向け徐々に傾斜させ高さを小さくして両端部となる最短部を約12mmとして形成した。また、裏側壁部12の高さは、本形態においては、前記表側壁部11と反対に中央部から両端部に向け徐々に傾斜させ高さを大きくし、約7mm〜8mmに形成している。
【0018】
また、前記歯牙表側壁部11の中央部(前歯に当接する部位)と底部13とのなす角度Sを82°として、一方、歯牙裏側壁部12の中央部(前歯裏側に当接する部位)と底部13とのなす角度を124°として形成した。尚、前記歯牙表側壁部11と底部13との角度Sは一般的な成人の上顎前歯の形状に適合するものとして、前記の通り75°から85°の間で設定され、歯牙裏側壁部12と底部13の角度も一般的な成人の基準より設定されることが望ましい。
更に、表側壁部11の中央部の上端であって歯列に覆着したさい上唇小帯に当たる位置に、該上唇小帯を避けるように切り欠け部14を設け、歯牙に覆着したさいのデバイスの外れ防止として、該切り欠け部14の内側面両脇部である、表側壁部11の内面側となる歯牙当接面11Bの中央部上端部に、前記切り欠け部14を挟み対称となる突起2を設けて形成する。
【0019】
本形態のデバイス本体1よると、引用文献2のような従来の前歯保護デバイスと同様に、喉頭鏡による気管挿管のさい、弾性及び可撓性を備える本デバイスが緩衝材となり上顎前歯への衝撃、圧迫を低減することができ、前歯損傷等不慮の事故を防止することができることに加え、本デバイスを上顎歯列弓に沿って前歯から奥歯まで嵌入し覆着することで、デバイスと歯牙との接触面積がおおきくなり、また、表側壁部11の高さを奥歯側Bより前歯側Fを高く形成することで歯列の形状に適合して覆着することができ、安定した装着状態とすることができる。
また、歯牙表側壁部11と底部13との角度を前述のように設定することで、人の上顎前歯の形状にフィットした接触面積の大きな装着状態となり、デバイスの脱落が防止され、装着安定性を一層高めることができる。
更に、表側壁部11の歯牙当接面11Bの中央上端部(歯列に覆着したさい上唇小帯を挟む部位)に突起2を備えることにより、該突起2が歯茎の当接部に係り押圧接触することにより、覆着時の外れ防止手段となり歯牙覆着のさいの安定性を更に高めることができる。
【0020】
鍔状張出部3は、前記デバイス本体1の表側壁部11の外表面11A下端部中央部分に幅30mm程度にわたり帽子の鍔状(三日月状)に突起して設けられ、底部を平面とし、上側面は上唇に適合する接触面となるような張出先端に向かい穏やかに傾斜する面を持つ嘴状の断面形状として形成する。尚、実施の形態における張出部の最大突起長さ(中央部の長さ)は約3mmとして形成した。
【0021】
該鍔状張出部3は、デバイスを歯列弓に覆着したさい前歯先端の覆着部と上唇の間に当たる部分に位置し、前記のように帽子の鍔状に、また、嘴状断面形状となるように形成することで、上唇当接部となる面が該上唇の形状に沿ったものとなり、デバイスと喉頭鏡の隙間に上唇が挟まれて、上唇を切ってしまう等のトラブルを防止することができる。
【0022】
格子状リブ4は、前記デバイス本体1の底部13の外表面中央部分に幅35mm程度にわたり左右対称に形成され、該底部13の湾曲形状に沿って湾曲して形成される長手方向の横突起(本形態においては3本)、及び、該湾曲に対し放射状に配置される短手方向の縦突起(本形態においては5本)を格子状に組み合わせて配置し凹凸部として形成した。尚、実施の形態における突起の高さは、短手方向中央部を両側部より大きく形成しており、その高さは2mm〜3mmとして構成した。
【0023】
該格子状リブ4を配置した底部13中央部分(上顎前歯先端を保護する部分)は、本デバイスを歯列に覆着し気管挿管するさい、喉頭鏡により最も衝撃を受ける可能性が高い部位であり、また、喉頭展開操作の支点として圧迫されることが想定される部位ともなっていることから、この格子状リブ4を備えることにより、覆着部位が肉厚となることに加え、凹凸により喉頭鏡が接触したさいの衝撃を分散することができる高い歯牙保護機能を備えることができる。
尚、ここに形成される凹凸面の構造は、格子状に限定するものではなく喉頭鏡の圧迫を分散するような同等な効果を生じる構造であればどのような形態の凹凸面が形成されてもよい。
【0024】
そして、前記デバイス本体1、鍔状張出部3、格子状リブ4を樹脂により一体的に成型して本実施の形態の気管挿管用歯牙保護デバイスとした。本デバイスによると、喉頭鏡の気管挿管に先立ちデバイスを上顎歯列弓に覆着するだけで、喉頭鏡による上顎前歯の損傷を防止すると共に、施術中に脱落のない安定した装着が実現でき、使い勝手に優れた安全性の高い気管挿管用歯牙保護デバイスを提供することができる。
【符号の説明】
【0025】
1. デバイス本体
10. 断面の凹形状(凹部)
11. (歯牙)表側壁部
11A. 表側外表面
11B. 表側歯牙当接面
12. (歯牙)裏側壁部
12A. 裏側外表面
12B. 裏側歯牙当接面
13. 底部
14. 切り欠け部
2. 突起
3. 鍔状張出し部
4. 格子状リブ
F. 前歯側
B. 奥歯側