特許第5777501号(P5777501)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5777501焼結機のパレットのデータ測定装置およびデータ測定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5777501
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】焼結機のパレットのデータ測定装置およびデータ測定方法
(51)【国際特許分類】
   F27B 21/14 20060101AFI20150820BHJP
   C22B 1/20 20060101ALI20150820BHJP
   H04B 5/02 20060101ALI20150820BHJP
   F27B 21/08 20060101ALN20150820BHJP
【FI】
   F27B21/14 B
   C22B1/20 U
   H04B5/02
   !F27B21/08 A
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2011-270870(P2011-270870)
(22)【出願日】2011年12月12日
(65)【公開番号】特開2013-122342(P2013-122342A)
(43)【公開日】2013年6月20日
【審査請求日】2014年5月13日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006655
【氏名又は名称】新日鐵住金株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000203977
【氏名又は名称】日鉄住金テックスエンジ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101557
【弁理士】
【氏名又は名称】萩原 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100096389
【弁理士】
【氏名又は名称】金本 哲男
(74)【代理人】
【識別番号】100095957
【弁理士】
【氏名又は名称】亀谷 美明
(72)【発明者】
【氏名】中村 功
(72)【発明者】
【氏名】篠原 貴司
(72)【発明者】
【氏名】平加 記靖
(72)【発明者】
【氏名】内沢 敏宏
(72)【発明者】
【氏名】大沼 義憲
【審査官】 田中 永一
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−007904(JP,A)
【文献】 特開平10−310828(JP,A)
【文献】 特開昭59−009133(JP,A)
【文献】 特開2011−084758(JP,A)
【文献】 特開2009−280837(JP,A)
【文献】 特開2009−275239(JP,A)
【文献】 特開2013−122341(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F27B 21/00 − 21/14
C22B 1/20
H04B 5/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
焼結原料を積載して移動可能な複数のパレットが移動方向に連結され、その先端と後端とが接続された無端の一連のパレット群と、前記パレット群の下方に配設された複数のウインドボックスと、前記複数のウインドボックスそれぞれの下端部に接続され前記ウインドボックス内のガスを排気するための吸気管とからなる焼結機において、焼結機内を周回する前記パレットそれぞれの焼結機長手方向の位置を検出し、その位置ごとの前記パレット内の測定データを取得する焼結機のパレットのデータ測定装置であって、
前記パレットそれぞれのサイドウォールの外側に設置され、識別情報の書き込みおよび読み取りが可能なRFIDタグと、
焼結機の筐体に固定され、前記一連のパレット群に対向し、周回する各パレットに設置された前記RFIDタグとの間で電波を所定の時間だけ送受信することが可能な位置に設置されたアンテナと、
前記アンテナに接続され、前記各RFIDタグの識別情報を含む信号の書き込みおよび読み取りが可能なRFIDタグのリーダ/ライタと、
前記リーダ/ライタから入力されるRFIDタグの識別情報に基づいて、前記アンテナの位置を通過するパレットを識別し、該パレットの位置を検出して認識するデータ処理部と、を備え、さらに、
前記パレット内の焼結鉱の温度分布を導出するための画像を撮像する赤外線カメラと、を備え
前記データ処理部は、前記赤外線カメラが撮像するパレットを、前記リーダ/ライタで前記RFIDタグが認識されるパレットに対するパレットの移動方向における位置から特定して、前記赤外線カメラで撮像している画像データから、前記パレット毎の温度データを取得することを特徴とする、焼結機のパレットのデータ測定装置。
【請求項2】
前記赤外線カメラは、排鉱部を通過するパレットの上方もしくは水平方向に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の焼結機のパレットのデータ測定装置。
【請求項3】
前記複数のパレットのうち少なくとも1台のパレットの内部に設置された温度計と、
前記温度計が取り付けられた温度測定パレットのサイドウォールの外側に設置され、前記温度計の測定データを取りこむ無線子機と、
前記焼結機の筐体に固定され、前記無線子機からのデータを受信する1台の無線親機と、を備えていることを特徴とする、請求項1または2に記載の焼結機のパレットのデータ測定装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかに記載の焼結機のパレットのデータ測定装置を用いたデータ測定方法であって、
前記赤外線カメラが撮像する位置は排鉱部であり、前記リーダ/ライタが認識した前記RFIDタグを備えたパレットに対して、前記パレットN台分方とし、前記リーダ/ライタが認識した前記RFIDタグを備えたパレットよりもN台方のパレットが、前記赤外線カメラにより撮像されていると特定することを特徴とする、焼結機のパレットのデータ測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄鋼業における焼結機のパレットのデータ測定装置およびデータ測定方法に関し、詳しくは、原料を積載して焼結機上をエンドレスに周回している各パレットの温度情報をパレット毎に取得して管理するためのデータ測定装置および測定方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
高炉鉄鋼業で用いられるDL式焼結機1は、図1に示すように、長手方向に多数のパレット2が連結されて矢印の長手方向に移動可能な一連のパレット群P、および、パレット群Pの下方に固定して設けられた複数個のウインドボックス3からなる吸気手段を有する。図1に示すように、パレット群Pは、エンドレスに焼結機1内を周回する。ウインドボックス3は、吸気管4を介してブロア(図示省略)で吸気する。パレット群Pの周回中に、各パレット2に、ホッパ5からコークス粉を含む焼結原料が供給され、積載される。その焼結原料層の表面が点火炉6で着火され、ウインドボックス3を介して吸気される。吸気されることにより、焼結原料層の上側の表面から下方に燃焼帯を進行させ、焼結鉱を連続的に製造する。
【0003】
このような焼結機1の操業状態を把握し、歩留まりを向上させるためには、焼結機内におけるパレット内部の温度状態を把握することが重要である。
【0004】
特許文献1には、焼結機における測定データを収集するために、複数の無線親機を設置し、パレットに設置した無線子機からデータを受信するデータ収集方法が記載されている。
【0005】
また、特許文献2には、焼結機のパレットの側面に個別にRFIDを設置し、各パレットの識別および焼結機の長手方向の位置検出を行う位置認識装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2011−84758号公報
【特許文献2】特開2010−7904号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1では、無線親機がパレット個別に対応していないので、パレットの個別管理ができない。また、無線親機を複数台設置しているため、高コストとなるうえ、データ伝送処理も複雑である。また、パレットの位置が焼結機の上側か下側かの判定は、無線状態に左右され、正確に判定できない場合がある、という問題点がある。
【0008】
また、特許文献2は、位置検出を行うものであるが、焼結機の操業状態と各パレットの情報を把握するために、さらに、温度データに関するデータ収集手段が必要とされていた。
【0009】
本発明の目的は、高炉鉄鋼業で用いられる焼結機において、エンドレスに周回している各パレット内の温度分布を取得できる焼結機のパレットのデータ測定装置およびデータ測定方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記問題を解決するため、本発明は、焼結原料を積載して移動可能な複数のパレットが移動方向に連結され、その先端と後端とが接続された無端の一連のパレット群と、前記パレット群の下方に配設された複数のウインドボックスと、前記複数のウインドボックスそれぞれの下端部に接続され前記ウインドボックス内のガスを排気するための吸気管とからなる焼結機において、焼結機内を周回する前記パレットそれぞれの焼結機長手方向の位置を検出し、その位置ごとの前記パレット内の測定データを取得する焼結機のパレットのデータ測定装置であって、前記パレットそれぞれのサイドウォールの外側に設置され、識別情報の書き込みおよび読み取りが可能なRFIDタグと、焼結機の筐体に固定され、前記一連のパレット群に対向し、周回する各パレットに設置された前記RFIDタグとの間で電波を所定の時間だけ送受信することが可能な位置に設置されたアンテナと、前記アンテナに接続され、前記各RFIDタグの識別情報を含む信号の書き込みおよび読み取りが可能なRFIDタグのリーダ/ライタと、前記リーダ/ライタから入力されるRFIDタグの識別情報に基づいて、前記アンテナの位置を通過するパレットを識別し、該パレットの位置を検出して認識するデータ処理部と、を備え、さらに、前記パレット内の焼結鉱の温度分布を導出するための画像を撮像する赤外線カメラと、を備え、前記データ処理部は、前記赤外線カメラが撮像するパレットを、前記リーダ/ライタで前記RFIDタグが認識されるパレットに対するパレットの移動方向における位置から特定して、前記赤外線カメラで撮像している画像データから、前記パレット毎の温度データを取得することを特徴とする、焼結機のパレットのデータ測定装置を提供する。
【0011】
前記赤外線カメラは、排鉱部を通過するパレットの上方もしくは水平方向に設けられていてもよい。
【0012】
さらに、前記複数のパレットのうち少なくとも1台のパレットの内部に設置された温度計と、前記温度計が取り付けられた温度測定パレットのサイドウォールの外側に設置され、前記温度計の測定データを取りこむ無線子機と、前記焼結機の筐体に固定され、前記無線子機からのデータを受信する1台の無線親機と、を備えてもよい。
【0013】
また、本発明によれば、上記焼結機のパレットのデータ測定装置を用いたデータ測定方法であって、前記赤外線カメラが撮像する位置は排鉱部であり、前記リーダ/ライタが認識した前記RFIDタグを備えたパレットに対して、前記パレットN台分方とし、前記リーダ/ライタが認識した前記RFIDタグを備えたパレットよりもN台方のパレットが、前記赤外線カメラにより撮像されていると特定することを特徴とする、焼結機のパレットのデータ測定方法が提供される。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、焼結機上をエンドレスに周回しているパレットの温度データを、赤外線カメラで撮像することにより収集し、焼結機上におけるパレットの位置認識情報と温度データとを照合することにより、パレット毎の幅方向の温度分布を把握することができる。これにより、焼結機の適正な操業管理、設備管理の実施が行える。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明にかかる焼結機の側面図である。
図2】本発明にかかる焼結機およびデータ測定装置の構成の概略を示す平面図である。
図3】パレットの斜視図である。
図4】本発明にかかる温度測定装置の構成を示すブロック図である。
図5】無線子機および電池の取り付け例を示すパレットの側面図である。
図6】無線子機のON、OFFのタイミングの例を示す図である。
図7】赤外線カメラにより取得した温度データを表示したモニタ画面の例を示す写真である。
図8】赤外線カメラで撮像しているパレットの特定方法を示す図である。
図9】温度計による温度測定開始および終了のタイミングの例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態を、図を参照して説明する。
【0017】
図1および図2は、本発明にかかる焼結機の概要を示す。高炉鉄鋼業の焼結機1においては、長手方向に多数、例えば100〜200台程度のパレット2が無端状に連結された一連のパレット群Pを形成している。パレット群Pは、矢印の長手方向に移動可能であり、焼結機1内をエンドレスに周回する。各パレット2は、図3に示すように、底面にグレートバー11とスタンドを並べ、左記を挟んで両側面に配置されるサイドウォール12の外側に、車輪13を備えている。パレット群Pは、焼結機1内に固定して設けられた軌条上を、各パレット2に備えられた車輪13が転がることにより、焼結機1の長手方向に移動する。
【0018】
パレット群Pの下方に固定して設けられた複数個のウインドボックス3は、吸気管4を介してブロア(図示省略)で吸気される。パレット群Pの周回中に、各パレット2に、ホッパ5からコークス粉を含む焼結原料が供給され、積載される。その焼結原料層の表面が点火炉6で着火され、同時にウインドボックス3を介して吸気される。それにより、焼結原料層の上側の表面から下方に燃焼帯を進行させ、焼結鉱を連続的に製造する。製造された焼結鉱は、パレット2が図1に示す排鉱部8の位置に到達したときに排出され、空のパレット2が図1に示すホッパ5の位置の給鉱部9に到達すると、再び焼結原料が供給される。
【0019】
本実施形態では、全てのパレット2の側面部に、市販のRFIDタグ14がそれぞれ1個ずつ装着されている。RFIDタグ14は、電池交換の不要なパッシブタイプを用いることが好ましい。そして、装着するパレット2が鋼製のため、オンメタル状態で通信距離の長いUHF帯のRFIDタグを用いると良い。各パレット2に装着されたRFIDタグ14それぞれには、予め当該パレット番号等の識別情報を保持させておく。なお、RFIDとは、Radio Frequency Identificationの略であり、内蔵メモリに記録したID情報を埋め込んだタグ(ICチップからなるタグ)から、電波などを用いた近距離の無線通信によって所望の情報を送受信するものをいう。このRFIDタグ14に対して無線通信可能な外部の送受信装置を用いることで、所望の情報をRFIDタグ内のメモリに読み書きすることができる。
【0020】
RFIDタグ14との間で電波を送受信する情報読み書き用アンテナ15を、図2に示すように、パレット2の側面に装着されたRFIDタグ14に正対する向きに、焼結機1の筐体10側に固定して設置する。パレット2に装着されているRFIDタグ14がアンテナ15のちょうど正面を通過するときのRFIDタグ14とアンテナ15との距離は、例えば約1mとする。図2に示すように、アンテナ15は、信号線16を介して、RFIDタグ14への情報の書き込みおよび読み取りを実行するリーダ/ライタ17を経由し、データ処理部18に接続される。アンテナ15の正面近くを、RFIDタグ14を設置したパレット2が通過する際に、リーダ/ライタ17が読み取ったRFIDタグ14の信号に基づいて、パレット2の番号をデータ処理部18が認識する。
【0021】
さらに、焼結機1の筐体10に、パレット2の移動速度を測定するために、例えばPLGで構成した速度検出器を設置してもよい。その場合、速度検出器から出力される例えばパルス信号を、データ処理部18に入力する。これにより、隣り合ったRFIDタグ14がリー/ライタ17を通過する時間からパレット2の移動速度が算出される。また、RFIDタグ14の不良などの原因で、パレット番号を含む識別信号を読み飛ばすことがあったとしても、予め登録されたRFIDタグのパレット番号の並びに基づき、読み飛ばした不良なRFIDタグのパレット番号を特定し、当該RFIDタグの前後のRFIDタグがリー/ライタを通過する時間及びパレットの寸法からパレットの移動速度を算出することができる。
【0022】
以上の位置認識装置19は、本出願人が上記の特許文献2で開示しているものであり、本発明は、この位置認識装置19を備えている。
【0023】
さらに、本実施形態では、図4に示すような温度測定装置20を有している。本実施の形態では、パレット群Pのうち、いずれか1つのパレット2aの内部の中央に、温度計が例えばスタンドに設置される。熱電対21が設置されたパレット2a側面のサイドウォール12に、無線子機22が設置され、熱電対21と無線子機22とが接続される。なお、無線自体には、指向性は必要ない。さらに、焼結機1の長手方向中程に、1台の無線親機23が筐体10に固定設置される。これにより、パレット2aの内部に設置された熱電対21による焼結層内の温度データが、無線子機22からアンテナ24を介して、無線親機23で受信される。無線親機23で受信された温度データは、データ処理部18でデータの管理が行われる。データ処理部18は、例えばパソコン等のコンピュータを備えている。
【0024】
無線子機22を設けたパレット2aのサイドウォール12には、図4図5に示すように、乾電池26および従来公知の排熱発電による熱電モジュール27を用いた蓄電池28が取り付けられ、無線子機22は、乾電池26および蓄電池28から電源が供給される。
【0025】
さらに、本実施形態では、無線子機22は、傾きセンサ34を内蔵している。そして、無線子機22が設置されたパレット2aが、焼結機1下部から給鉱部9、すなわち図1の右上部分の、ホッパ5から焼結原料が供給される位置に到達する途中で、予め設定した角度、例えば図6に示すように+45°に傾いたことを傾きセンサが感知すると、無線子機22がONとなる。また、排鉱部8でパレット2が傾き始めて焼結機1下部に向かう途中で、予め設定した角度、例えば−45°に傾いたことを傾きセンサが感知すると、無線子機22がOFFになるスリープ機能を有している。
【0026】
さらにまた、本実施形態では、パレット2の直下に位置するウインドボックス3の側壁に、パレット2の幅方向に対向して、ウインドボックス3内の酸素濃度の変動を検知するために、漏風検知装置40が設置されている。漏風検知装置40は、レーザ式酸素濃度計41のレーザ光を発射する発光器42とレーザ光を検知する受光器43を有し、ウインドボックス3の側壁の対向位置に貫通するパージ管44の一端に発光器42、他端に受光器43が接続されている。この漏風検知装置40も、本出願人が上記の特許文献2で開示しているものである。漏風検知装置40は、リーダ/ライタ17でRFIDタグ14が認識されるパレット2の位置から、パレット2の移動方向においてM台前方もしくは後方のパレット2の位置に設置する。
【0027】
そして、本発明では、焼結機1の排鉱部8に到達したパレット2を撮像する赤外線カメラ7が、排鉱部8の上方もしくは水平方向において、筐体10に固定設置されている。赤外線カメラ7は、撮像対象物すなわち焼結鉱から出ている赤外線放射エネルギーを可視化して画像データとして取得し、温度分布の画像表示等を可能にするものである。赤外線カメラ7は、パレット2の移動方向に対して直交する幅方向全体を撮像するように設置される。撮像するタイミングは、例えばパレット2が排鉱部8に到達して傾く際に、上方もしくは水平方向に設置された赤外線カメラ7の位置にフォトセンサを設置し、露出する燃焼帯を検出すると撮像が開始されるようにする。赤外線カメラ7は、図2に示すように、データ処理部18に接続され、撮像したパレット2の画像データがデータ処理され、温度データ(温度分布データ)としてモニタ画面に表示される。図7は、赤外線カメラ7により取得した画像データおよび温度データを表示したモニタの例である。図7に示すように、可視光画像および赤外光画像と、これをデータ処理してパレットの幅方向の温度分布をデータ化したものがグラフ表示されている。温度分布の表示としては、2次元空間で、温度を色分けて表示しても良い。また、赤外線カメラ7としては、測定した画像データから温度分布を導出するデータ処理部を具備する所謂サーモカメラを用いることもできる。
【0028】
以上のように、本実施形態では、データ測定装置は、赤外線カメラ7、位置認識装置19、温度測定装置20、漏風検知装置40から構成される。これらを備えた焼結機1において、温度測定は、赤外線カメラ7と温度測定装置20で行う。各パレット2の幅方向の温度分布は、赤外線カメラ7により測定される画像デー
タに基づき導出される。図8に示すように、赤外線カメラ7が撮像するパレット2bが、リーダ/ライタ17でRFIDタグ14が認識されるパレットから、パレット2の移動方向においてN台方の位置である場合、赤外線カメラ7で撮像している画像データから得られる温度データは、RFIDタグ14のリーダ/ライタ17で読み取られたパレット2よりもN台方のパレット2bの測定結果として取得する。
【0029】
パレット2の移動方向の位置毎の温度分布は、温度測定装置20により測定する。温度測定装置20による測定は、温度測定パレット2aに給鉱部9で焼結原料が供給されてから排鉱部8で排出されるまでの間行われ、温度測定の開始および終了のタイミングは、RFIDタグ14のリーダ/ライタ17により、所定のパレット2が認識されたときに判定される。すなわち、図9に示すように、パレット2aの温度測定の開始は、パレット2aが、RFIDタグ14のリーダ/ライタ17で読み取られたパレット2の位置から−X台の位置に到達したときとする。言い換えれば、パレット2aよりも、進行方向においてX台前方のパレット2のRFIDタグ14がリーダ/ライタ17で読み取られると、パレット2aの温度測定が開始される。また、温度測定の終了は、パレット2aが、RFIDタグ14のリーダ/ライタ17で読み取られたパレット2の位置から+X台の位置に到達したときとする。言い換えれば、パレット2aよりも進行方向においてX台後方のパレット2のRFIDタグ14がリーダ/ライタ17で読み取られると、パレット2aの温度測定が終了する。さらに、温度測定中のパレット2aの位置は、リーダ/ライタ17で読み取られるパレット2の番号とパレット2aとの距離によって算出されるので、焼結機1の位置毎の温度測定データが取得できる。これにより、焼結機1の給鉱部9から排鉱部8までの間の長手方向の温度分布が得られる。
【0030】
また、漏風検知装置40によるデータは、RFIDタグ14のリーダ/ライタ17で読み取られたパレット2よりもM台前方もしくは後方のパレットの測定結果として取得する。これにより、漏風が検知されたパレットを正確に把握できる。
【0031】
以上のように、本発明では、RFIDタグ14によるパレット位置の認識に基づいて温度等の測定データを追跡することにより、これらの測定データを、パレットの位置毎の測定データとして取得できる。また、測定中のパレットの位置が、リーダ/ライタ17で読み取られたパレット2のRFIDタグ14から特定できる。したがって、焼結プロセスの温度等の測定データを正確に収集して監視することで、操業状態および設備状態を把握し、操業の改善を行って歩留まり向上や設備のメンテナンスに反映させることができるので、高度な操業を実現できる。
【0032】
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到しうることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0033】
例えば、パレット内の温度測定は複数箇所で行ってもよく、無線子機へ測定データを送信できる温度測定手段であれば、熱電対以外でも構わない。また、温度計により温度測定を行うパレットは、焼結機のパレット群のうち1つのパレットではなく、複数のパレットについて行ってもよい。通常、無線親機は、複数の無線子機からのデータを受信できるため、無線親機の性能に応じて、複数のパレットについて測定を行うことが可能である。さらに、赤外線カメラ7を焼結機1内に複数台設置しても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、焼結鉱を製造する焼結プロセスにおいて、周回するパレット毎の温度測定の他、鉄鋼業の他プロセスや他産業の同様なプロセス等において、移動する装置毎の各種測定データの検出にも適用可能である。
【符号の説明】
【0035】
1 焼結機
2 パレット
2a 温度測定パレット
3 ウインドボックス
4 吸気管
5 ホッパ
6 点火炉
7 赤外線カメラ
8 排鉱部
9 給鉱部
10 筐体
11 グレートバー
12 サイドウォール
13 車輪
14 RFIDタグ
15 アンテナ
17 リーダ/ライタ
18 データ処理部
19 位置認識装置
20 温度測定装置
21 熱電対
22 無線子機
23 無線親機
40 漏風検知装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図8
図9
図7