特許第5777510号(P5777510)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許5777510生物適合性及び生分解性のエラストマー性ポリマー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】5777510
(24)【登録日】2015年7月17日
(45)【発行日】2015年9月9日
(54)【発明の名称】生物適合性及び生分解性のエラストマー性ポリマー
(51)【国際特許分類】
   C07K 14/00 20060101AFI20150820BHJP
   A61L 31/00 20060101ALI20150820BHJP
   A61F 2/82 20130101ALI20150820BHJP
【FI】
   C07K14/00ZNA
   A61L31/00 Z
   A61F2/82
【請求項の数】37
【全頁数】53
(21)【出願番号】特願2011-508520(P2011-508520)
(86)(22)【出願日】2009年5月11日
(65)【公表番号】特表2011-519931(P2011-519931A)
(43)【公表日】2011年7月14日
(86)【国際出願番号】US2009002907
(87)【国際公開番号】WO2009151520
(87)【国際公開日】20091217
【審査請求日】2012年5月9日
(31)【優先権主張番号】61/051,987
(32)【優先日】2008年5月9日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】513083004
【氏名又は名称】エボニック コーポレイション
【氏名又は名称原語表記】Evonik Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100099483
【弁理士】
【氏名又は名称】久野 琢也
(74)【代理人】
【識別番号】100143959
【弁理士】
【氏名又は名称】住吉 秀一
(72)【発明者】
【氏名】パタナイク, アシーマ
【審査官】 野村 英雄
(56)【参考文献】
【文献】 特表2007−530169(JP,A)
【文献】 特表2005−502396(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0038310(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2007/0265197(US,A1)
【文献】 米国特許第04898926(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07K 1/00−19/00
C12N 15/00−15/90
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
PubMed
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)1つ又はそれ以上のECM−模倣ペプチドと、
b)アミノ酸又はその残基を含まない、1つ又はそれ以上の生分解性部分と、
を含む生物適合性ポリマーであって、
前記生物適合性ポリマーは、1,000Daから2,000,000Daまでの重量平均分子量を有し、かつ次式を有し、
【化1】
式中、Mimは、次式を有するECM−模倣ペプチドであり、
−[Xaa−Xbb−Xcc−Xdd−Xee]
式中、Xaa、Xbb、Xcc、Xdd、及びXeeは、
i)グリシン、
ii)バリン、
iii)プロリン、
から各々独立して選択されたアミノ酸残基であり、
添字xは1から30までの整数であり、
添字yは1から10までの整数であり、および
添字zは1から2000までの整数であり、
ただし、前記ECM−模倣ペプチドが、Val−Gly−Val−Pro−Glyである場合は除かれる、
BioDegは、1つ又はそれ以上の生分解性部分を含んでいる非アミノ酸又はその残基であり、その際、前記1つ又はそれ以上の生分解性部分は、
ヒドロキシ酸又はその残基を含むか、
乳酸、グリコール酸、ラクチド、グリコリド、バレロラクトン、カプロラクトン、ヒドロキシブチレート、又はそれらの混合物の1つ又はそれ以上の残基を含むか、あるいは
次式を有し、
【化2】
かつ添字wは、0から9までの整数である、
生物適合性ポリマー。
【請求項2】
前記1つ又はそれ以上のECM−模倣ペプチドが、
i)Val−Pro−Gly−Val−Gly、
ii)Val−Pro−Gly−Gly−Val、
iii)Val−Pro−Val−Gly−Gly、
iv)Gly−Pro−Gly−Val−Val、
v)Gly−Pro−Val−Gly−Val、
vi)Gly−Pro−Val−Val−Gly、
vii)Pro−Val−Gly−Val−Gly、
viii)Pro−Val−Gly−Gly−Val、
ix)Pro−Val−Val−Gly−Gly、
x)Pro−Gly−Gly−Val−Val、
xi)Pro−Gly−Val−Gly−Val、
xii)Pro−Gly−Val−Val−Gly、
xiii)Val−Gly−Pro−Val−Gly、
xiv)Val−Gly−Pro−Gly−Val、
xv)Val−Val−Pro−Gly−Gly、
xvi)Gly−Gly−Pro−Val−Val、
xvii)Gly−Val−Pro−Gly−Val、
xviii)Gly−Val−Pro−Val−Gly、
xx)Val−Gly−Gly−Pro−Val、
xxi)Val−Val−Gly−Pro−Gly、
xxii)Gly−Gly−Val−Pro−Val、
xxiii)Gly−Val−Gly−Pro−Val、
xxiv)Gly−Val−Val−Pro−Gly、
xxv)Val−Gly−Val−Gly−Pro、
xxvi)Val−Gly−Gly−Val−Pro、
xxvii)Val−Val−Gly−Gly−Pro、
xxviii)Gly−Gly−Val−Val−Pro、
xxix)Gly−Val−Gly−Val−Pro、及び、
xxx)Gly−Val−Val−Gly−Pro、
から選択される、請求項1に記載のポリマー。
【請求項3】
前記1つ又はそれ以上の生分解性部分がヒドロキシ酸又はその残基を含む、請求項1に記載のポリマー。
【請求項4】
前記1つ又はそれ以上の生分解性部分が、乳酸、グリコール酸、ラクチド、グリコリド、バレロラクトン、カプロラクトン、ヒドロキシブチレート、又はそれらの混合物の1つ又はそれ以上の残基を含む、請求項1に記載のポリマー。
【請求項5】
前記1つ又はそれ以上の生分解性部分が乳酸又はラクチドの残基を含む、請求項1に記載のポリマー。
【請求項6】
前記1つ又はそれ以上の生分解性部分が次式を有し、
【化3】
添字wが、0から9までの整数である、
請求項1に記載のポリマー。
【請求項7】
式を有し、
【化4】
式中、R、R、R、及びRは、
i)水素、
ii)−CH
iii)−CHCH
iv)−CHCHCH
v)−CH(CH
vi)−CH(CH)CHCH、及び
vii)−CHCHCH(CH
から各々独立して選択され、
添字wは0から9までの整数であり、
添字xは1から30までの整数であり、および
添字zは1から2000までの整数であり、かつ
1,000Daから2,000,000Daまでの重量平均分子量を有する、
生物適合性ポリマー。
【請求項8】
式を有し、
【化5】
式中、R、R、R、及びRは、
i)水素、
ii)−CH
iii)−CHCH
iv)−CHCHCH
v)−CH(CH
vi)−CH(CH)CHCH、及び
vii)−CHCHCH(CH
から各々独立して選択され、
添字wは0から9までの整数であり、
添字xは1から30までの整数であり、および
添字zは1から2000までの整数であり、かつ
1,000Daから2,000,000Daまでの重量平均分子量を有する、
生物適合性ポリマー。
【請求項9】
式を有し、
【化6】
式中、R、R、R、及びRは、
i)水素、
ii)−CH
iii)−CHCH
iv)−CHCHCH
v)−CH(CH
vi)−CH(CH)CHCH、及び
vii)−CHCHCH(CH
から各々独立して選択され、
添字wは0から9までの整数であり、
添字xは1から30までの整数であり、および
添字zは1から2000までの整数であり、かつ
1,000Daから2,000,000Daまでの重量平均分子量を有する、
生物適合性ポリマー。
【請求項10】
式を有し、
【化7】
式中、R、R、R、及びRは、
i)水素、
ii)−CH
iii)−CHCH
iv)−CHCHCH
v)−CH(CH
vi)−CH(CH)CHCH、及び
vii)−CHCHCH(CH
から各々独立して選択され、
添字wは0から9までの整数であり、
添字xは1から30までの整数であり、および
添字zは1から2000までの整数であり、かつ
1,000Daから2,000,000Daまでの重量平均分子量を有する、
生物適合性ポリマー。
【請求項11】
式を有し、
【化8】
式中、R、R、R、及びRは、
水素、
i)水素、
ii)−CH
iii)−CHCH
iv)−CHCHCH
v)−CH(CH
vi)−CH(CH)CHCH、及び
vii)−CHCHCH(CH
から各々独立して選択され、
添字wは0から9までの整数であり、
添字xは1から30までの整数であり、および
添字zは1から2000までの整数であり、かつ
1,000Daから2,000,000Daまでの重量平均分子量を有する、
生物適合性ポリマー。
【請求項12】
式を有し、
[Xaa−Xbb−Xcc−Xdd−Xee]−[BioDeg]
式中、
Xaa、Xbb、Xcc、Xdd、及びXeeのうちの少なくとも1つがプロリン残基であり、前記Xaa、Xbb、Xcc、Xdd、及びXeeのバランスは、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、及びイソロイシンから独立して選択され、
BioDegは、ラクチド、グリコリド、バレロラクトン、カプロラクトン、ヒドロキシブチレート、又はこれらの混合物の1つ又はそれ以上の残基を含み、
添字xは1から30までの整数であり、および
添字yは1から10までの整数であり、かつ
1,000Daから2,000,000Daまでの重量平均分子量を有する、
生物適合性ポリマー。
【請求項13】
1,000Daから20,000Daまでの重量平均分子量を有する、請求項1から請求項12までのいずれかに記載のポリマー。
【請求項14】
10,000Daから100,000Daまでの重量平均分子量を有する、請求項1から請求項12までのいずれかに記載のポリマー。
【請求項15】
100,000Daから400,000Daまでの重量平均分子量を有する、請求項1から請求項12までのいずれかに記載のポリマー。
【請求項16】
800,000Daから2,000,000Daまでの重量平均分子量を有する、請求項1から請求項12までのいずれかに記載のポリマー。
【請求項17】
5,000Daから20,000Daまでの重量平均分子量を有する、請求項1から請求項12までのいずれかに記載のポリマー。
【請求項18】
10,000Daから20,000Daまでの重量平均分子量を有する、請求項1から請求項12までのいずれかに記載のポリマー。
【請求項19】
50,000Daから2,000,000Daまでの重量平均分子量を有する、請求項1から請求項12までのいずれかに記載のポリマー。
【請求項20】
Xaa、Xbb、Xcc、Xdd、及びXeeのうちの少なくとも1つがバリン残基である、請求項12に記載のポリマー。
【請求項21】
Xaa、Xbb、Xcc、Xdd、及びXeeのうちの少なくとも1つがグリシン残基である、請求項12に記載のポリマー。
【請求項22】
請求項1に記載のポリマーであって、次式を有し、
−[−[Xaa−Xbb−Xcc−Xdd−Xee]−[BioDeg]−]
式中、
Xaa、Xbb、Xcc、Xdd、及びXeeは、
i)グリシン、
ii)バリン、
iii)プロリン、
から各々独立して選択されたアミノ酸残基であり、
添字xは1から30までの整数であり、
添字yは1から10までの整数であり、および
添字zは1から2000までの整数であり、
ただし、前記ECM−模倣ペプチドが、Val−Gly−Val−Pro−Glyである場合は除かれる、かつ
BioDegは、ラクチド、グリコリド、バレロラクトン、カプロラクトン、ヒドロキシブチレート、又はそれらの混合物の1つ又はそれ以上の残基を含む、
請求項1に記載のポリマー。
【請求項23】
前記添字zが2から6までの整数である、請求項22に記載のポリマー。
【請求項24】
前記添字zが3から5までの整数である、請求項22に記載のポリマー。
【請求項25】
前記添字xが4である、請求項22に記載のポリマー。
【請求項26】
前記添字xが5である、請求項22に記載のポリマー。
【請求項27】
前記添字xが6である、請求項22に記載のポリマー。
【請求項28】
請求項22に記載のポリマーであって、
i)[Val−Pro−Gly−Val−Gly]
ii)[Val−Pro−Gly−Gly−Val]
iii)[Val−Pro−Val−Gly−Gly]
iv)[Gly−Pro−Gly−Val−Val]
v)[Gly−Pro−Val−Gly−Val]
vi)[Gly−Pro−Val−Val−Gly]
vii)[Pro−Val−Gly−Val−Gly]
viii)[Pro−Val−Gly−Gly−Val]
ix)[Pro−Val−Val−Gly−Gly]
x)[Pro−Gly−Gly−Val−Val]
xi)[Pro−Gly−Val−Gly−Val]
xii)[Pro−Gly−Val−Val−Gly]
xiii)[Val−Gly−Pro−Val−Gly]
xiv)[Val−Gly−Pro−Gly−Val]
xv)[Val−Val−Pro−Gly−Gly]
xvi)[Gly−Gly−Pro−Val−Val]
xvii)[Gly−Val−Pro−Gly−Val]
xviii)[Gly−Val−Pro−Val−Gly]
xx)[Val−Gly−Gly−Pro−Val]
xxi)[Val−Val−Gly−Pro−Gly]
xxii)[Gly−Gly−Val−Pro−Val]
xxiii)[Gly−Val−Gly−Pro−Val]
xxiv)[Gly−Val−Val−Pro−Gly]
xxv)[Val−Gly−Val−Gly−Pro]
xxvi)[Val−Gly−Gly−Val−Pro]
xxvii)[Val−Val−Gly−Gly−Pro]
xxviii)[Gly−Gly−Val−Val−Pro]
xxix)[Gly−Val−Gly−Val−Pro]、及び、
xxx)[Gly−Val−Val−Gly−Pro]
から選択された式を有するアミノ酸配列を含み、
式中、添字xは2から6までの整数である、
請求項22に記載のポリマー。
【請求項29】
前記1つ又はそれ以上の生分解性部分が、別の生分解性ポリマーと架橋される1つ又はそれ以上の架橋部分を含む、請求項1に記載のポリマー。
【請求項30】
前記1つ又はそれ以上のECM模倣ペプチドが、別のECM模倣ペプチドと架橋される1つ又はそれ以上の架橋部分を含む、請求項1に記載のポリマー。
【請求項31】
生物活性剤をさらに含む、請求項1に記載のポリマー。
【請求項32】
前記1つ又はそれ以上のECM−模倣ペプチドが、エラスチン−模倣、フィブリノゲン−模倣、フィブロイン−模倣、シルク−模倣、コラーゲン−模倣、ケラチン−模倣、又はそれらの混合物を含む、請求項1に記載のポリマー。
【請求項33】
i)1つ又はそれ以上のECM−模倣ペプチドと、
ii)アミノ酸を含まない1つ又はそれ以上の生分解性部分と、
を含み、1,000Daから2,000,000Daまでの重量平均分子量を有する、生物適合性ポリマーを調製する方法であって、
a)次式を有するECM−模倣ペプチドを含有する試薬を提供すること、
HN−(Xaa−Xbb−Xcc−Xdd−Xee)−OH
式中、Xaa、Xbb、Xcc、Xdd、及びXeeは、
グリシン、
バリン、
プロリン、
から各々独立して選択されたアミノ酸残基であり、
添字xは1から30までの整数であり、
ただし、前記ECM−模倣ペプチドが、Val−Gly−Val−Pro−Glyである場合は除かれる、
b)ステップ(a)の前記ECM−模倣ペプチドに前記生分解性部分を含む生分解性試薬を結合させること、
その際、前記生分解性部分は、
ヒドロキシ酸又はその残基を含むか、
乳酸、グリコール酸、ラクチド、グリコリド、バレロラクトン、カプロラクトン、ヒドロキシブチレート、又はそれらの混合物の1つ又はそれ以上の残基を含むか、あるいは
次式を有し、
【化9】
かつ添字wは、0から9までの整数である、かつ
c)ステップ(b)の前記生成物を重合すること、
を含む、前記方法。
【請求項34】
請求項1から請求項32までのいずれか1項に記載の前記生物適合性ポリマーを含む物品。
【請求項35】
前記物品が、ステント、インプラント、フィルム、発泡体、スポンジ、パッチ、マトリクス、布、メッシュ、膜、又はフェルトである、請求項34に記載の物品。
【請求項36】
前記物品が、前記生物適合性ポリマーでコーティングされたステントである、請求項34に記載の物品。
【請求項37】
生物活性剤をさらに含む、請求項36に記載の物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2008年5月9日に出願された米国特許仮出願第61/051,987号の優先権を主張するものであり、引用によりその全体を本明細書に組み入れる。
【0002】
本明細書で開示されるのは、1つ又はそれ以上のECM−模倣ペプチドを含む生物適合性及び生分解性のポリマーである。さらに本明細書で開示されるのは、開示された生物適合性ポリマーの製造及び使用方法である。
【背景技術】
【0003】
細胞外基質(ECM)タンパク質は、細胞微小環境の重要な修飾物質(modulator)である。細胞−ECMの相互作用は、付着、移動、増殖、及び分化のような細胞機能の調節において重要である。細胞−ECM構造の分裂は、細胞の機能性に影響し、従って、アポトーシスをもたらすことがある。この理由のために、自然発生のECMタンパク質が、組織工学及び創傷治癒のような医療用途において検討されている。自然発生のECMタンパク質のサイズは数百キロダルトン以上の範囲であるが、これらのタンパク質の機能性は、一般に、ECMタンパク質内に存在する特定のペプチド配列の存在から発現する。1つ又はそれ以上のこうした配列がECMタンパク質を通して存在し、繰り返されることがある。1つの例として、第2の最も一般的なECMタンパク質であるエラスチンにおけるVal−Pro−Gly−Val−Gly[配列番号:1]の繰返しペンタペプチド配列は、その弾性に帰する。したがって、これらのペンタペプチドのポリマーは、医療用途における可能性を有することが報告されている(非特許文献1、及び、非特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】Dan W. Urry及びAsima Pattanaik著、「Elastic Protein−based Materials in Tissue Reconstruction」、Artificial Organs、831:pp.32−46、1997
【非特許文献2】Dan W. Urry、Asima Pattanaik、Jie Xu、T. Cooper Woods、David T. McPherson、及びTimothy M. Parker著、「Elastic Protein−based Polymers in Soft Tissue Augmentation and Generation」、J. Biomater. Sci. Polymer Edn.、9(10)、pp.1015−1048、1998
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
エラスチンタンパク質の生物学的半減期は、ほぼ70年程度である。ペンタペプチド(Val−Pro−Gly−Val−Gly)を含有するポリマーは、生物学的温度において折畳まれた状態のままであると考えられ、したがって、これはまたタンパク質分解に対して本来抵抗性がある。本来の組織がその部位で再構成され、該ポリマーの存在がもはや必要でなければ、あらゆる足場的な材料は劣化する能力をもつことが最も有利であろう。したがって、こうしたポリマーへの分解性部分又は官能基の付加は、組織工学、創傷治癒、コーティング、及び薬剤送達のような用途のための大きな可能性をもつであろう。分解性官能基の分解頻度及び半減期を制御することによって、これらのポリマーは、数日から数年にわたる半減期をもつように設計することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書で具体化され大まかに説明される、開示された材料、化合物、組成物、物品、及び方法の目的によれば、開示された主題は、1つの態様において、こうした組成物を調製及び使用するための組成物及び方法に関する。さらなる態様において、開示された主題は、生物適合性ポリマーであって、
a)1つ又はそれ以上のECM−模倣ペプチドと
b)アミノ酸又はその残基を含まない1つ又はそれ以上の生分解性部分と、
を含み、約1,000Daから約2,000,000Daまでの重量平均分子量を有する、生物適合性ポリマーに関する。同じく開示されるのは、開示された生物適合性ポリマーを用いる方法である。さらに開示されるのは、開示された生物適合性ポリマーを調製する方法である。
【0007】
付加的な利点が以下の詳細な説明に部分的に記載され、この詳細な説明から部分的に明らかとなり、又は以下で説明される態様の実施によって習得されるであろう。以下で説明される利点は、添付の請求項において特定的に示された要素及び組合せによって実現及び達成されるであろう。上記の一般的な説明と以下の詳細な説明との双方は、単なる例示的及び説明的なものであって、制限するものではないことを理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書に記載の材料、化合物、組成物、物品、装置、及び方法は、開示された主題と、そこに含まれる例の特定の態様の以下の詳細な説明を参照することによって、より容易に理解することができる。
【0009】
本発明のコポリマー、ポリマー混和剤、化合物、組成物、及び/又は方法が開示され説明されるに先立ち、本明細書に記載の態様は、もちろん変化することができるものとして、特定の化合物、合成方法、又は使用に限定されないことを理解されたい。本明細書で用いられる専門用語は、単に特定の態様を説明する目的のためのものであり、本明細書で特に定義されない限り、限定することを意図されたものではないことも理解されたい。
【0010】
また、本明細書の全体を通して、種々の刊行物が引用される。開示される事象が関係する最新技術をより十分に説明するために、これらの刊行物の開示内容は、その全体が引用により本出願の中に組み入れられる。開示された引用文献はまた、引用文献が依拠する文において説明される、それらに含まれた材料を引用することによって、個々に及び特異的に本明細書に組み入れられる。
【0011】
一般的な定義
本明細書及び特許請求の範囲の請求項において、以下の意味をもつように定義されるいくつかの用語に言及がなされる。
【0012】
本明細書の全体を通して、文脈上他の意味に解すべき場合を除き、「含む(comprise)」という言葉、或いは、「含む(comprises)」又は「含んでいる(comprising)」のようなその変形は、記述された整数又はステップもしくは整数又はステップの群の包含を意味し、あらゆる他の整数又はステップもしくは整数又はステップの群の排除を意味しないことが理解される。
【0013】
本明細書及び添付の請求項の範囲において用いられる、単数形の「ひとつの(a、an)」、及び「該、当該、前記(the)」は、文脈上他の意味に明白に規定される場合を除き、複数の指示対象を含むことに注意されたい。したがって、例えば、「医薬キャリア」への言及は、2つ又はそれ以上のこうしたキャリアなどの混合物を含む。
【0014】
「随意的な」又は「随意的に」は、後述される事象又は状況を起こすことができ又は起こさないことを意味し、その説明は、事象又は状況が起こる事例と起こらない事例とを含む。
【0015】
範囲は、本明細書において、「約」1つの特定の値から、及び/又は、「約」別の特定の値までとして表現することができる。こうした範囲が表現されるとき、別の態様は、1つの特定の値から及び/又は他の特定の値までを含む。同様に、先行詞「約」を用いることによって値が概算で表現されるとき、特定の値は別の態様をなすことが理解される。範囲の各々の終点は、他方の終点と関連して、及び他方の終点とは独立して、の両方において重要であることがさらに理解される。
【0016】
「接触している」とは、少なくとも1つの物質と別の物質との物理的接触を意味する。
【0017】
「十分な量」及び「十分な時間」とは、所望の結果、すなわち、例えばポリマーの一部を溶解させる結果を達成するのに必要な量及び時間を意味する。
【0018】
生物学的及び化学的定義
成分の重量パーセントは、特にそれと反対の記載のない限り、成分が含まれる調製物又は組成物の総重量に基づく。
【0019】
本明細書で用いられる「生物適合性」は、材料又は装置への生物学的応答が生体内での装置の意図された用途に適していることを意味する。これらの材料のあらゆる代謝産物もまた生物適合性となるはずである。
【0020】
本明細書で用いられる「アミノ酸」は、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン、セリン、トレオニン、トリプトファン、チロシン、及びバリン、そしてまたβ−及びγ−アミノ酸を含むα−アミノ酸(Voet and Voet、Biochemistry、John Wiley and Sons、1990における標準アミノ酸として識別される)を意味する。
【0021】
「生分解性」は、一般に、生理的条件下で、それら自身、対象に対して生物適合性又は無毒であって、対象により代謝され、排出され、又は排出されることが可能な、より小さい単位又は化学種に分解又は腐食することになる生物適合性材料のことを指す。
【0022】
本明細書で用いられる「生物活性剤」は、病気又は障害の処置、診断、治癒、又は予防のための薬物として内服的に又は外用的に用いられてもよい治療的又は生物学的活性化合物のようなポリマー内に又はポリマー上に含まれる関心ある化合物を含む。例は、薬剤、小分子薬剤、ペプチド、タンパク質、オリゴヌクレオチド、イメージング剤、造影剤を含むことができるが、これらに限定されない。「生物活性剤」は、単一のこうした薬を含み、そしてまた、例えば、2つ又はそれ以上の生物活性剤の組み合わせを含む複数の生物活性剤を含むことも意図される。
【0023】
本明細書で用いられる「分子量」は、他に規定されない限り、一般にバルクポリマーの相対平均分子量のことをいう。実際には、分子量は、ゲル透過クロマトグラフィ(GPC)又は毛管粘度測定法(capillary viscometry)を含む種々の方法で推定し又は特徴付けることができるが、本明細書で言及される分子量はGPCによって測定されたものである。
【0024】
それと反対の記載のない限り、くさび形又は点線としてではなく実線としてのみ示された化学結合を有する式は、各々の可能性のある異性体、例えば、各々のエナンチオマー及びジアステレオマー、並びにラセミ又はスケールミック(scalemic)混合物のような異性体の混合物を考慮している。
【0025】
エナンチオマー種は、異なる異性体の又はエナンチオマーの形態で存在することができる。他に規定されない限り、それらの異性体形態への言及のない本明細書で説明されるエナンチオマー種は、すべての種々の異性体形態、並びに、ラセミ又はスケールミック混合物の異性体形態を含むものとする。例えば、乳酸への言及は、乳酸のL−及びD−異性体のL−乳酸、D−乳酸、及びラセミ又はスケールミック混合物を本明細書では含むものとし、ラクチドへの言及は、L−ラクチド、D−ラクチド、及びDL−ラクチド(ここで、DL−ラクチドは、ラクチドのL−及びD−異性体のラセミ又はスケールミック混合物を指す)を本明細書では含むものとし、同様に、ポリ(ラクチド)への言及は、ポリ(L−ラクチド)、ポリ(D−ラクチド)及びポリ(DL−ラクチド)を本明細書では含むものとし、同様に、ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)への言及は、ポリ(L−ラクチド−コ−グリコリド)、ポリ(D−ラクチド−コ−グリコリド)、及びポリ(DL−ラクチド−コ−グリコリド)、などを本明細書では含む。
【0026】
用語「パーセント(%)配列類似性」、「パーセント(%)配列同一性」などは、一般に、共通の起源を共有してもしなくてもよいタンパク質又はペプチドの異なるアミノ酸配列の間の同一度又は一致度のことを指す。配列同一性は、BLAST、FASTA、などのようないくつかの公的に入手可能な配列比較アルゴリズムのいずれかを用いて判定することができる。2つのアミノ酸配列の間のパーセント同一性を判定するために、これらの配列は最適な比較の目的で整列される。2つの配列の間のパーセント同一性は、これらの配列によって共有される同一の位置の数の関数である(すなわち、パーセント同一性=同一の位置の数/位置の総数(例えば、重なり位置(overlapping position))x100)。一実施形態において、該2つの配列は、同じ又はほぼ同じ長さである。2つの配列の間のパーセント同一性は、ギャップを許容する又は許容しない状態で、後述するものと同様の技術を用いて判定することができる。パーセント配列同一性を計算するにあたり、典型的には完全一致がカウントされる。
【0027】
2つの配列の間のパーセント同一性の判定は、数学的アルゴリズムを用いて達成することができる。2つの配列の比較のために使用される数学的アルゴリズムの限定的ではない例は、Karlin and Altschul、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 90:5873−5877、1993におけるように修正されたKarlin and Altschul、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:2264、1990のアルゴリズムである。こうしたアルゴリズムは、Altschul et al.、J. Mol. Biol. 215:403、1990のNBLAST及びXBLASTプログラムに組み入れられる。BLASTタンパク質検索は、本発明のタンパク質配列と相同のアミノ酸配列を得るために、XBLASTプログラムの、スコア=100、ワード長=12で行うことができる。配列の比較のために使用される数学的アルゴリズムの別の限定的ではない例は、Myers and Miller、CABIOS 4:11−17、1988のアルゴリズムである。こうしたアルゴリズムは、GCGシーケンス・アラインメント・ソフトウェア・パッケージの一部であるALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み入れられる。アミノ酸配列の比較のためにALIGNプログラムを使用するとき、PAM120ウエイト残基表、ギャップ・レングス・ペナルティ12、及びギャップ・ペナルティ4を用いることができる。一実施形態において、2つのアミノ酸配列の間のパーセント同一性は、Blossum 62マトリクス又はPAM250マトリクスのいずれか、ギャップ・ウエイト16、14、12、10、8、6、又は4、及び、レングス・ウエイト1、2、3、4、5、又は6を用いるNeedleman and Wunschのアルゴリズム(J. Mol. Biol. 48:444−453、1970)を用いて判定される。配列類似性はまた、検査によって判定することもできる。
【0028】
本明細書で開示されるように、本明細書で考慮されるタンパク質及びペプチド(例えば、ECM−模倣ペプチド)の多くの変異体が存在する。ECM模倣ペプチドの変異体に加えて、開示された方法及び組成物においても機能するこれらのペプチドの誘導体が存在する。タンパク質の変異体及び誘導体は、当業者にはよく理解され、アミノ酸配列修飾と関連付けることができる。例えば、アミノ酸配列修飾は、典型的に、3つのクラス、すなわち置換、挿入、又は欠損の変異体のうちの1つ又はそれ以上に含まれる。挿入は、アミノ及び/又はカルボキシル末端融合(terminal fusion)、並びに、単一の又は多数のアミノ酸残基の配列内挿入(intrasequence insertion)を含む。挿入は、普通はアミノ又はカルボキシル末端融合のものよりも小さい挿入となり、例えば、およそ1〜4残基である。欠損は、タンパク質配列からの1つ又はそれ以上のアミノ酸残基の除去によって特徴付けられる。典型的に、約2〜約6以下の残基がペプチド/タンパク質分子内のいずれか1つの部位で欠損される。これらの変異体は、普通はタンパク質をコード化するDNAにおけるヌクレオチドの部位特異的突然変異によって調製することができ、それにより変異体をコード化するDNAを生成し、その後、組換え細胞培養において該DNAを発現する。既知の配列を有するDNAにおける所定の部位で置換変異をもたらす技術、例えばM13プライマ突然変異及びPCR突然変異は、周知である。したがって、開示されたペプチドの産生のために組換え技術を用いることができる。しかしながら、本明細書で開示されたECM−模倣ペプチドのような比較的短いペプチド/タンパク質のために、典型的に化学合成を用いることができる。アミノ酸置換は、典型的に単一のアミノ酸残基のものであるが、いくつかの異なる場所で直ちに起こることがあり、挿入は、普通はおよそ約1個から約10個までのアミノ酸残基で起こり得るものであり、欠損は、約1残基から約30残基までの範囲となり得る。欠損又は挿入は、隣接するペアにおいてなされることができる、すなわち、2つのアミノ酸残基の欠損又は2つのアミノ酸残基の挿入である。最終的な構成に到達するために、置換、欠損、挿入、又はそれらのあらゆる組み合わせが組み合わされてもよい。置換変異体は、少なくとも1つのアミノ酸残基が除去されその場所に異なる残基が挿入されたものである。こうした置換は一般に、以下の表1に従って行われ、「保存的置換」と呼ばれる。
【0029】
【表1】
機能の実質的な変化は、表1のものよりも保存性の低い置換を選択すること、すなわち、(a)例えばシート又は螺旋構造のような、置換領域におけるポリペプチド・バックボーンの構造、(b)標的部位における分子の電荷又は疎水性、又は(c)側鎖のバルク、の維持に対するそれらの影響がより著しく異なる残基を選択することによってもたらすことができる。タンパク質特性に最も大きい変化をもたらすと一般に期待される置換は、(a)親水性残基、例えばセリル又はスレオニルが、疎水性残基、例えば、ロイシル、イソロイシル、フェニルアラニル、バリル、又はアラニルと(又はアラニルによって)置換されたもの、(b)システイン又はプロリンがあらゆる他の残基と(又は残基によって)置換されたもの、(c)電気陽性の側鎖を有する残基、例えば、リシル、アルギニル、又はヒスチジルが、電気陰性の残基、例えば、グルタミル又はアスパルチルと(又は残基によって)置換されたもの、又は(d)嵩高い側鎖を有する残基、例えば、フェニルアラニンが、側鎖をもたないもの、例えばこの場合はグリシンと(又はグリシンによって)置換されたもの、(e)硫酸化及び/又はグリコシル化のための部位の数を増加させることによるもの、とされる。
【0030】
例えば、1つのアミノ酸残基と生物学的に及び/又は化学的に同様の別のものとの置換えは、保存的置換として当業者に公知である。例えば、保存的置換は、1つの疎水性残基を別の疎水性残基、又は1つの極性残基を別の極性残基と置き換えることになる。これらの置換は、Gly、Ala;Val、Ile、Leu;Asp、Glu;Asn、Gln;Ser、Thr;Lys、Arg;及びPhe、Tyrのような組み合わせを含む。各々の明白に開示された配列のこうした保存的置換された変形物は、本明細書で提供されたポリペプチド内に含められる。
【0031】
置換突然変異又は欠損突然変異は、N−グリコシル化(Asn−X−Thr/Ser)又はO−グリコシル化(Ser又はThr)のための部位を挿入するのに用いることができる。システイン又は他の不安定な残基の欠損が望ましい場合もある。例えば、塩基性残基の1つを欠損させること又はそのような残基1つをグルタミニル残基又はヒスチジル残基に置換することによって、潜在的なタンパク質分解部位、例えば、Argの欠損又は置換を達成することができる。
【0032】
特定の翻訳後誘導体化は、発現されたポリペプチドに対する宿主細胞の組換え活動の結果である。グルタミニル残基及びアスパラギニル残基は、翻訳後に対応するグルタミル残基及びアスパルチル(asparyl)残基へ頻繁に脱アミドされる。代替的に、これらの残基は、弱酸性の条件下で脱アミド化される。他の翻訳後修飾は、プロリン及びリジンのヒドロキシル化、セリル残基又はスレオニル残基のヒドロキシル基のリン酸化、リジン、アルギニン、及びヒスチジン側鎖のO−アミノ基のメチル化(Creighton、Proteins: Structure and Molecular Properties、W.H.Freeman&Co.、San Francisco、pp.79−86 (1983)、その材料の翻訳後誘導体化について引用により本明細書に組み入れる)、N−末端アミンのアセチル化、及び幾つかの事例においては、C−末端カルボキシルのアミド化を含む。
【0033】
本明細書で開示されたペプチド及びタンパク質の変異体、誘導体、及びアナログを定義する1つの方法は、特定の既知の配列との相同性/同一性の点で変異体、誘導体、及びアナログを定義することによる、と理解される。例えば、配列番号:1は、ECM模倣ペプチドの特定の配列を記載するものである。具体的に開示されるのは、記述された配列に対して少なくとも90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の配列類似性を有する、本明細書で開示されたこれらの並びに他のペプチド及びタンパク質の変異体、誘導体、及びアナログである。当業者であれば、より十分に前に開示されるように、2つのタンパク質の配列類似性をどのようにして判定するかを容易に理解するであろう。
【0034】
開示された組成物に組み入れることができる多くのアミノ酸及びペプチド・アナログが存在することがさらに理解される。例えば、前述のアミノ酸とは異なる官能性置換基を有する多くのD−アミノ酸又はアミノ酸が存在する。自然発生のペプチドの反対の立体異性体、並びに、ペプチド・アナログの立体異性体が開示される。これらのアミノ酸は、選択したアミノ酸をtRNA分子に取り入れる(charging)ことによって、およびアミノ酸アナログをペプチド鎖の中に部位特異的な方法で挿入するために例えばアンバー・コドンを利用する最適な遺伝子構造工学で、アミノ酸ポリペプチド鎖に容易に組み入れることができる(Thorson、et al.、Methods in Molec Biol 77:p.43−73、1991、Zoller、Curr Opin Biotech 3:p.348−354、1992; Ibba、Biotech & Gen Eng Rev 13:p.197−216、1995、Cahill、et al.、TIBS 14(10):p.400−403、1989; Benner、TIB Tech 12:p.158−163、1994; Ibba and Hennecke、Bio/technology 12:p.678−682、1994、このすべては、アミノ酸アナログと関連するそれらの材料について引用することにより本明細書に組み入れられる)。
【0035】
本明細書で開示されたペプチドに類似しているが天然のペプチド結合を介して結合される分子を合成することができることがさらに考慮される。例えば、ペプチド・アナログは、−CHNH−、−CHS−、−CH−CH−、−CH=CH−(シス及びトランス)、−COCH−、−CH(OH)CH−、及び−CHSO−を含むアミノ酸又はアミノ酸アナログのための結合を有することができる(これらの及び他のものは、Spatola、in Chemistry and Biochemistry of Amino Acids,Peptides,and Proteins,B.、Weinstein、eds.、Marcel Dekker、New York、p.267(1983)と、Spatola、Vega Data(March 1983)、Vol.1、Issue3、Peptide Backbone Modifications(general review)と、Morley、Trends Pharm Sci(1980)p.463−468と、Hudson et al.、Int J Pept Prot Res 14:p.177−185、1979(−CHNH−、−CHCH−)と、Spatola et al.、Life Sci、38:p.1243−1249、1986(−CHS−)と、Hann、J Chem Soc、Perkin Trans I、307−314、1982(−CH=CH−、シス及びトランス)と、Almquist、et al.、J Med Chem 23:p.1392−1398、1980(−COCH−)と、Jennings−White et al.、Tetrahedron Lett、23:2533、1982(−COCH−)と、Szelke et al.、European Appln、EP 45665 CA(1982)(−CH(OH)CH−)と、Holladay et al.、Tetrahedron Lett 24:p.4401−4404、1983(−CH(OH)CH−)と、Hruby Life Sci 31:p.189−199、1982(−CHS−)と、において見出すことができ、その各々は、ペプチド・アナログ、模倣、及び非ペプチド結合に関係するその材料について引用することにより本明細書に組み入れられる)。また、ペプチド・アナログは、結合原子間に、β−アラニン、γ−アミノ酪酸、などのような2つ以上の原子を有することができることが理解される。
【0036】
アミノ酸アナログ及びペプチド・アナログは、より経済的な産生、より高い化学安定性、強化された薬理学的特性(半減期、吸収、効力、効能、など)、変化された特異性(例えば、生物活性の広域スペクトル)、減少された抗原性、及び他のもののような強化された又は望ましい特性をしばしば有する。例えば、これらのアミノ酸はペプチダーゼなどによって認識されないので、より安定なペプチドを生成するためにD−アミノ酸及びβ−アミノ酸を用いることができる。より安定なペプチドを生成するために、共通配列の1つ又はそれ以上のアミノ酸と同じタイプのD−又はβ−アミノ酸との系統的置換(例えば、L−リジンの代わりにD−リジン又はアラニンの代わりにβ−アラニン)を用いることができる。2つ又はそれ以上のペプチドを環化する或いは互いに結合させるために、システイン残基を用いることができる。これは、ペプチドを特定の構造にするのに有益とすることができる(Rizo and Gierasch、Ann Rev Biochem 61:387、1992)。
【0037】
ここで、開示された材料、化合物、組成物、成分、装置、物品、及び方法の特定の態様への言及を詳細に行い、これらの例は、以下の説明及び実施例、図面、並びにそれらの前の説明及び以下の説明において解説される。
【0038】
生物適合性ポリマー
開示された生物適合性ポリマーは、幾つかの望ましい特性、例えば、弾性、可撓性、及び強度を有する。したがって、それらは、自然発生のECM−タンパク質と比べたときに、依然として生分解を受けながらも修正された特性を有することができる。本明細書で開示されたECM−模倣ペプチド配列は、エラスチン−模倣、フィブリノゲン−模倣、フィブロイン−模倣、シルク−模倣、コラーゲン−模倣、ケラチン−模倣、又は1つ又はそれ以上の他の模倣と前述のものとが一緒になった混合物とすることができる。
【0039】
開示された生物適合性ポリマーは、
a)1つ又はそれ以上のECM−模倣ペプチドと、
b)アミノ酸を含まない1つ又はそれ以上の生分解性リンカーと、
を含むことができ、該ポリマーは、約1,000Daから約2,000,000Daまでの重量平均分子量を有する。一実施形態において、該ポリマーは、約1,000Daから約2,000,000Daまでの重量平均分子量を有する。別の実施形態において、該ポリマーは、約1,000Daから約20,000Daまでの重量平均分子量を有する。さらなる実施形態において、該ポリマーは、約1,000Daから約10,000Daまでの重量平均分子量を有する。さらに他の実施形態において、該ポリマーは、約10,000Daから約100,000Daまでの重量平均分子量を有する。さらにまた他の実施形態において、該ポリマーは、約10,000Daから約50,000Daまでの重量平均分子量を有する。さらに別の実施形態において、該ポリマーは、約5,000Daから約20,000Daまでの重量平均分子量を有する。さらにまた別の実施形態において、該ポリマーは、約10,000Daから約20,000Daまでの重量平均分子量を有する。さらなる別の実施形態において、該ポリマーは、約50,000Daから約200,000Daまでの重量平均分子量を有する。さらなる他の実施形態において、該ポリマーは、約100,000から約400,000Daまで、約400,000から約800,000Daまで、又は約800,000から約2,000,000Daまでの重量平均分子量を有する。
【0040】
開示されたECM−模倣ペプチドは、アミノ酸、例えば、α−アミノ酸、β−アミノ酸、γ−アミノ酸、などの残基を含む。加えて、これらのアミノ酸は、キラル、例えば、(L)−アミノ酸、(D)−アミノ酸、ラセミ混合物、又は1つの光学異性体が強化される、例えば、一方のエナンチオマー(enatiomer)が他方のものを上回る60:40の比の混合物とすることができる。加えて、ジアステレオマーの形態で存在するアミノ酸、特に、トレオニンについて、開示されたECM−模倣ペプチドを形成するためにあらゆるジアステレオマーの形態又はこれらの混合物を用いることができる。
【0041】
開示された生物適合性ポリマーの1つの態様は、次式を有するポリマーに関連し、
【0042】
【化1】
式中、Mimは、次式を有するECM−模倣ペプチドであり、
−[Xaa−Xbb−Xcc−Xdd−Xee]
式中、Xaa、Xbb、Xcc、Xdd、及びXeeは、
i)グリシン又はその保存的置換と
ii)バリン又はその保存的置換と、
iii)プロリン又はその保存的置換と
から各々独立して選択されたアミノ酸残基であり、
BioDegは生分解性部分を有する非アミノ酸残基であり、
添字xは1から30までの整数であり、
添字yは1から10までの整数であり、
添字zは1から2000までの整数である。
【0043】
この実施形態の1つの繰返しにおいて、添字xは1である。別の繰返しにおいて、添字xは2から10までの整数である。さらなる繰返しにおいて、添字xは2から6までの整数である。さらにまた他の繰返しにおいて、添字xは2から5までの整数である。さらなる別の繰返しにおいて、添字xは、2から4まで、5から10まで、10から20まで、20から30まで、15から30まで、2から20まで、などの整数である。さらに別の繰返しにおいて、添字xは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、又は30から選択された整数であり、記述されたいずれの値も範囲の上端点又は下端点となり得る。この実施形態の限定的ではない例は、4に等しい添字x、5に等しい添字x、及び6に等しい添字xを含む。
【0044】
この実施形態の1つの繰返しにおいて、添字yは1である。別の繰返しにおいて、添字yは2から6までの整数である。さらなる繰返しにおいて、添字yは3から5までの整数である。さらにまた他の繰返しにおいて、添字yは2から5までの整数である。さらなる別の繰返しにおいて、添字yは2から4までの整数である。さらに別の繰返しにおいて、添字yは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10から選択された整数であり、記述されたいずれの値も範囲の上端点又は下端点となり得る。
【0045】
添字zは1から2000までの整数である。添字zは、該ポリマーが約1,000Daから約2,000,000Daまでの重量平均分子量を有するような値を有する。一実施形態において、添字zは、該ポリマーが約1,000Daから約2,000,000Daまでの重量平均分子量を有するような値を有する。別の実施形態において、添字zは、該ポリマーが約1,000Daから約20,000Daまでの重量平均分子量を有するような値を有する。さらなる実施形態において、添字zは、該ポリマーが約1,000Daから約10,000Daまでの重量平均分子量を有するような値を有する。さらに他の実施形態において、添字zは、該ポリマーが約10,000Daから約100,000Daまでの重量平均分子量を有するような値を有する。さらにまた他の実施形態において、添字zは、該ポリマーが約10,000Daから約50,000Daまでの重量平均分子量を有するような値を有する。さらに別の実施形態において、添字zは、該ポリマーが約5,000Daから約20,000Daまでの重量平均分子量を有するような値を有する。さらにまた別の実施形態において、添字zは、該ポリマーが約10,000Daから約20,000Daまでの重量平均分子量を有するような値を有する。さらなる別の実施形態において、添字zは、該ポリマーが約50,000Daから約200,000Daまでの重量平均分子量を有するような値を有する。
【0046】
開示されたポリマーの別の態様は、1つ又はそれ以上のECM−模倣ペプチド(Mim)と1つ又はそれ以上の生分解性部分(BioDeg)とを連結するように働く生分解性又は生分解性でない連結基、Lをさらに含むポリマーに関連する。この態様の1つの実施形態は、次式を有するポリマーに関連し、
【0047】
【化2】
式中、添字y及び添字zは、本明細書で定義されたとおりである。この態様の別の実施形態は、次式を有するポリマーに関連し、
【0048】
【化3】
式中、添字y及び添字zは、本明細書で定義されたとおりである。この態様のさらに別の実施形態は、次式を有するポリマーに関連し、
【0049】
【化4】
式中、添字y及び添字zは、本明細書で定義されたとおりである。この態様のさらにまた別の実施形態は、次式を有するポリマーに関連し、
【0050】
【化5】
式中、添字y及び添字zは、本明細書で定義されたとおりである。
【0051】
この態様のさらなる別の実施形態は、次式を有するポリマーに関連し、
【0052】
【化6】
式中、添字y及び添字zは、本明細書で定義されたとおりである。
【0053】
細胞外マトリクス(ECM)模倣ペプチド
開示された生物適合性及び/又は生分解性ポリマーは、ECM−模倣ペプチドの1つ又はそれ以上のセグメント(本明細書の式では「Mim」と定義される)(例は本明細書で提供される)を含むことができる。開示された1つ又はそれ以上のECM−模倣ペプチドは、ECMタンパク質の全体を通して繰り返し、ECMタンパク質の特徴的特性を提供する任意のペプチド配列とすることができる。例えば、ECMタンパク質エラスチンは、より高い弾性特性によって特徴付けられる。この弾性特性は、該タンパク質の全体を通して繰り返されるペプチド配列から誘導されることが知られている。エラスチンの場合、この繰返しペプチド配列は、特徴的なβターン構造をエラスチンタンパク質に提供する。該ペプチド配列(ECM−模倣ペプチド配列)は、G、V、及びPに基づく4つ又はそれ以上のアミノ酸の繰返し配列を含む。したがって、エラスチンECM−模倣ペプチド配列の例は、VPGG、GxxP、GxGVP、VPGxG、GVGVP、GVGVxP、などを含むがこれに限定されず、式中xは、この配列のECM−模倣特性を失うことなく種々の他のアミノ酸から選択することができる(例えば、xは、バリン、リジン、ヒスチジン、グルタミン酸、アルギニン、アスパラギン酸、セリン、トリプトファン、チロシン、フェニルアラニン、ロイシン、グルタミン、アスパラギン、システイン、又はメチオニンから選択することができ、xはより好ましくはバリン又はリジンである)。同様に、シルクのECM−模倣ペプチド配列は、GAGAGSを含むことができる。この説明を踏まえて、ECM模倣ペプチドは、エラスチン模倣、フィブリノゲン模倣、フィブロイン模倣、シルク模倣、コラーゲン模倣、ケラチン模倣、又はそれらの混合物であるとして記載することができる。
【0054】
1つの態様において、ECM模倣ペプチド(Mim)は、3個のアミノ酸、4個のアミノ酸、5個のアミノ酸、6個のアミノ酸、7個のアミノ酸、などを含んでもよい。このように、開示された生物適合性ポリマーは、例えば、次式を有する1つ又はそれ以上のMim単位を含み、
−[Xaa−Xbb−Xcc]−又は、
−[Xaa−Xbb−Xcc−Xdd]−又は、
−[Xaa−Xbb−Xcc−Xdd−Xee]−又は、
−[Xaa−Xbb−Xcc−Xdd−Xee−Xff]−又は、
−[Xaa−Xbb−Xcc−Xdd−Xee−Xff−Xgg]−、
式中、Mim単位を含んでいるアミノ酸は、3個、4個、5個、6個、7個、又はそれ以上のアミノ酸を有するECM−模倣ペプチド配列からなる。
【0055】
開示された生物適合性ポリマーの1つのカテゴリは、次式を有する1つ又はそれ以上のMim単位を含み、
−[Xaa−Xbb−Xcc−Xdd−Xee]
式中、Xaa、Xbb、Xcc、Xdd、及びXeeは、
i)グリシン又はその保存的置換、
ii)バリン又はその保存的置換、
iii)プロリン又はその保存的置換、
から各々独立して選択されたアミノ酸残基であり、
式中、Xaa、Xbb、Xcc、Xdd、及びXeeは、
i)グリシン又はその保存的置換、
ii)バリン又はその保存的置換、
iii)プロリン又はその保存的置換、
から独立して選択されたアミノ酸残基を表す。
【0056】
本開示の目的のために、該保存的置換は、グリシンの置換としてアラニン(Glyの代わりにAla)、バリンの置換としてロイシン及びイソロイシン(Valの代わりにLeu及びIle)、及びプロリンの置換としてアジリジン−2−カルボン酸、アゼチジン−2−カルボン酸、ピペリジン−2−カルボン酸、及びピペリジン−3−カルボン酸(Proの代わりにAza、Aze、2−Pip、及び3−Pip)を含む。
【0057】
添字xが1に等しいこのカテゴリの一実施形態において、ECM−模倣ペプチドの限定的ではない例は、以下からから選択される。
【0058】
【表2】
添字xが2に等しいこのカテゴリの別の実施形態において、ECM−模倣ペプチドの限定的ではない例は、以下から選択される。
【0059】
【表3】
ECM−模倣ペプチドの別のカテゴリは、例えば以下のようなグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、及びプロリンから選択されたアミノ酸を含む特定のECM−ペプチド模倣配列がECM−ペプチド内に見出されるペプチドを含む。
【0060】
【表4】
このカテゴリの別の実施形態は、複数のレセプタ配列を含むECM−模倣ペプチドに関連する。例えば、ECM−模倣ペプチドは次式を有し、
[(Xaa−Xbb−Xcc−Xdd−Xee)]
[(Xaa−Xbb−Xcc−Xdd−Xee)]
[(Xaa−Xbb−Xcc−Xdd−Xee)]、又は、
[(Xaa−Xbb−Xcc−Xdd−Xee)]
式中、[(Xaa−Xbb−Xcc−Xdd−Xee)]は、以下から選択された1つ又はそれ以上の配列を含む。
【0061】
【表5】
別の実施形態において、ECM模倣ペプチド(Mim)は、3個のアミノ酸、4個のアミノ酸、6個のアミノ酸、7個のアミノ酸、などのような5個以外の任意の数のアミノ酸を含んでもよい。限定的ではない例は、
i)Val−Pro−Gly−Gly[配列番号:80]及び
ii)Ala−Pro−Gly−Val−Gly−Val[配列番号:81]、
を含む。
【0062】
開示されたECM−模倣ペプチド、Mim、及びMimのポリマー(すなわち、ポリペプチド):
−[Mim]
は、ペプチド(化学)合成経路を通じて又は微生物合成経路を通じて或いはこれらの組み合わせによって作製することができる。例えば、ポリ(GVGVP)は、微生物合成によって得ることができる。[Mim]又はMimのポリマー、−[Mim]−、(すなわちポリ(GVGVP)タンパク質)のいずれかの配列を含んでいる遺伝子が、組換えE.Coliホストシステムにおいてクローン化され発現されている。所望のバッチの発酵後に、ポリ(GVGVP)をE.Coli溶解産物から精製することができる。
【0063】
生分解性部分
開示された生物適合性ポリマーは、アミノ酸を含まない1つ又はそれ以上の生分解性部分(本明細書の式では「BioDeg」として識別される)を含むことができる。生分解性部分の第1のカテゴリは、ラクチド、グリコリド、バレロラクトン、ヒドロキシブチレート、カプロラクトン、又はこれらの混合物のようなヒドロキシ酸のモノマー又はホモポリマーを含む。生分解性部分、BioDegの限定的ではない例は、以下を含む。
【0064】
i)乳酸、
ii)グリコール酸、
iii)ラクチド(ジ−乳酸)、
iv)グリコリド(ジ−グリコール酸)、
v)カプロラクトン、
vi)ヒドロキシブチレート、
vii)バレロラクトン、
viii)ヒドロキシ酸、
ix)ヒドロキシ脂肪酸、
x)ポリ(ラクチド)、
xi)ポリ(グリコリド)、
xii)ポリ(カプロラクトン)、
xiii)ポリ(バレロラクトン)、
xiv)ポリ(ヒドロキシブチレート)、
xv)ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)、
xvi)ポリ(ラクチド−コ−カプロラクトン)、
xvii)ポリ(ラクチド−コ−バレロラクトン)、
xviii)ポリ(グリコリド−コ−カプロラクトン)、
xix)ポリ(グリコリド−コ−バレロラクトン)、
xx)ポリ(ラクチド−コ−グリコリド−コ−カプロラクトン)、
xxi)ポリ(ラクチド−コ−グリコリド−コ−バレロラクトン)。
【0065】
生分解性部分であるBioDegは、ECM−模倣ペプチド(Mim)に直接結合することができ、又は、本明細書でさらに定義される別々の結合又はリンク単位、LによってECM−模倣ペプチド(Mim)に結合することができる。
【0066】
このカテゴリの第1の実施形態は、ラクチドのホモポリマーを含む。この実施形態は、ラクチドの1から100までの残基を含み、したがって次式によって表すことができ、
【0067】
【化7】
式中、添字yは0から100までである。1つの繰返しにおいて、添字yは1から6までである。別の繰返しにおいて、添字yは2から5までである。さらなる繰返しにおいて、添字yは8から12までである。さらに他の繰返しにおいて、添字yは9から11までである。さらにまた別の繰返しにおいて、添字yは10から50までである。さらにまた他の繰返しにおいて、添字yは5から15までである。さらなる他の繰返しにおいて、添字yは20から40までである。しかしながら、該ホモポリマーは、あらゆる数のモノマー単位、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、及び20を含むことができる。限定的ではない例は以下を含む。
【0068】
【化8】
このカテゴリの別の実施形態は、グリコリドのホモポリマーを含む。この実施形態は、グリコリドの1から100までの残基を含み、したがって次式によって表すことができ、
【0069】
【化9】
式中、添字yは0から100までである。1つの繰返しにおいて、添字yは1から6までである。別の繰返しにおいて、添字yは2から5までである。さらなる繰返しにおいて、添字yは8から12までである。さらに他の繰返しにおいて、添字yは9から11までである。さらにまた別の繰返しにおいて、添字yは10から50までである。さらにまた他の繰返しにおいて、添字yは5から15までである。さらなる他の繰返しにおいて、添字yは20から40までである。しかしながら、該ホモポリマーは、あらゆる数のモノマー単位、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、及び20を含むことができる。限定的ではない例は以下を含む。
【0070】
【化10-1】
【0071】
【化10-2】
このカテゴリの別の実施形態は、カプロラクトンのホモポリマーを含む。この実施形態は、6−ヒドロキシヘキサン酸の1から100までの残基を含み、したがって次式によって表すことができ、
【0072】
【化11】
式中、添字yは0から100までである。1つの繰返しにおいて、添字yは1から6までである。別の繰返しにおいて、添字yは2から5までである。さらなる繰返しにおいて、添字yは8から12までである。さらに他の繰返しにおいて、添字yは9から11までである。さらにまた別の繰返しにおいて、添字yは10から50までである。さらにまた他の繰返しにおいて、添字yは5から15までである。さらなる他の繰返しにおいて、添字yは20から40までである。しかしながら、該ホモポリマーは、あらゆる数のモノマー単位、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、及び20を含むことができる。限定的ではない例は以下を含む。
【0073】
【化12】
連結基
開示された生物適合性ポリマーは、1つ又はそれ以上の連結基をさらに含むことができる。連結基、Lは、ECM−模倣ペプチド(Mim)を生分解性部分(BioDeg)、例えば、次式を有するポリマーに結合するように働くことができる。
【0074】
【化13】
また、該連結基は、ECM−模倣ペプチド及び生分解性部分のブロックをECM−模倣ペプチド及び生分解性部分の他のブロック、例えば、次式を有するポリマーに結合するように働くことができる。
【0075】
【化14】
さらに該連結基は、ECM−模倣ペプチドを生分解性部分に結合するとともに、生分解性部分に連結されたECM−模倣ペプチドのブロックをECM−模倣ペプチド及び生分解性部分の他のブロック、例えば、次式を有するポリマーに結合するように働くことができる。
【0076】
【化15】
さらにまた該連結基は、ECM−模倣ペプチドを生分解性部分に結合するとともに、生分解性部分に連結されたECM−模倣ペプチドのブロックをECM−模倣ペプチド及び生分解性部分の他のブロック、例えば、次式を有するポリマーに結合するように働くことができる。
【0077】
【化16】
連結基Lは、生分解性のもの又は生分解性でないものとすることができる。開示された連結基の限定的ではない例は、以下から選択された1つ又はそれ以上の基又は化学結合を含むことができる。
【0078】
i)アルキル、
ii)アルコキシ、
iii)カルボニル、
iv)脱離基を含むハロゲン
v)エステル、
vi)オルトエステル、
vii)無水物、
viii)リン酸塩、
ix)ホスファゼン、
x)リン酸エステル、
xi)ジオキサナン(dioxanaone)、
xii)炭酸塩、
xiii)オルトカルボナート、
xiv)アミド、
xv)アミン、
xvi)エステルアミド、
xvii)イソシアネート、
xviii)ウレタン、
xix)エーテルエステル、
xx)ピロリドン、
xxi)又は単位(i)から(xx)の組合せを含む単位。
【0079】
一実施形態において、該連結基は、少なくとも1つのハロゲン脱離基を含む連結剤によって形成される。例えば、反応部分は次式を有し、
X−(CH−COH、X−(CH−COCH、又は、X−(CH−COCl、
式中、Xはハロゲン脱離基であり、添字tは1から10までの整数である。開示されたポリマーの中に十分に組み入れられたとき、このタイプの反応部分は次式を有する連結基を形成することができる。
【0080】
【化17】
別の実施形態において、該連結基は、それ自身で分岐することができ、又は結果として得られるポリマーとの化学架橋を形成するための分岐の可能性がもたらされるように多官能性とすることができる。例えば、酸、特に、アスパラギン酸、グルタミン酸、及びクエン酸から誘導された連結基は架橋を形成することができる。又は、該架橋単位は、アミノ酸、例えば、リジン、オルニチン、などから誘導することができる。
【0081】
別の実施形態において、該連結基は、2つのカルボニル反応部分を含む連結剤によって形成される。例えば、反応部分は次式を有し、
HOC−(CH−COH、HCOC−(CH−COCH、ClOC−(CH−COCl、式中、添字tは1から10までの整数である。開示されたポリマーの中に十分に組み入れられたとき、このタイプの反応部分は次式を有する連結基を形成することができる。
【0082】
【化18】
さらなる実施形態において、該連結基は、少なくとも1つのハロゲン脱離基を含む連結剤によって形成される。例えば、反応部分は次式を有し、
【0083】
【化19】
式中、添字tは1から10までの整数である。開示されたポリマーの中に十分に組み入れられたとき、このタイプの反応部分は次式を有する連結基を形成することができる。
【0084】
【化20】
さらなる実施形態は、次式を有する連結基を含み、
【0085】
【化21】
式中、各々の添字tは1から10までの整数である。
【0086】
開示されたポリマーは、連結基の混合物を含むことができる。例えば、次式を有する開示されたポリマーは、
【0087】
【化22】
1つ又はそれ以上のECM−模倣ペプチドを1つ又はそれ以上の生分解性部分に接続し、それによりブロックを形成する第1の連結基と、複数のブロックを接続する第2の連結基とを有することができる。
【0088】
具体例
開示されたポリマーの1つのカテゴリは、次式を有する生物適合性ポリマーに関連し、
【0089】
【化23】
式中、R、R、R、及びRは、
i)水素、
ii)−CH
iii)−CHCH
iv)−CHCHCH
v)−CH(CH
vi)−CH(CH)CHCH
vii)−CHCHCH(CH
から各々独立して選択され、
添字wは0から9までの整数であり、添字xは1から30までの整数であり、添字zは1から2000までの整数である。
【0090】
1つの実施形態は、次式を有する生物適合性ポリマーに関連する。
【0091】
【化24】
この実施形態の限定的ではない例は、以下を含む。
【0092】
【化25-1】
【0093】
【化25-2】
別の実施形態は、次式を有する生物適合性ポリマーに関連し、
【0094】
【化26】
式中、R、R、R、及びRは、
i)水素、
ii)−CH
iii)−CHCH
iv)−CHCHCH
v)−CH(CH
vi)−CH(CH)CHCH
vii)−CHCHCH(CH
から各々独立して選択され、
添字wは0から9までの整数であり、添字xは1から30までの整数であり、添字zは1から2000までの整数である。
【0095】
1つの実施形態は、次式を有する生物適合性ポリマーに関連する。
【0096】
【化27】
この実施形態の限定的ではない例は、以下を含む。
【0097】
【化28】
さらなる実施形態は、次式を有する開示されたポリマーを含み、
【0098】
【化29】
式中、R、R、R、及びRは、
i)水素、
ii)−CH
iii)−CHCH
iv)−CHCHCH
v)−CH(CH
vi)−CH(CH)CHCH
vii)−CHCHCH(CH
から各々独立して選択され、
添字wは0から9までの整数であり、添字xは1から30までの整数であり、添字zは1から2000までの整数である。
【0099】
使用
開示されたポリマーは、種々の医療、製薬、医療機器、獣医用途に用いることができる。一般に、開示されたポリマーの用途の限定的ではない例は、これらのポリマーの使用を含む。
【0100】
(a)ステント、インプラント、フィルム、発泡体、スポンジ、パッチ、マトリクス、布、メッシュ、膜、フェルト、固体、液体、粘稠液、粘弾性材料、ゲル、ヒドロゲル、などのような例を含むが、それらに限定されない、ステント、インプラント、医療機器、医療品などを含む装置として。
【0101】
(b)ステント、インプラント、装置、医療機器、医療品、などの上のコーティングとして。
【0102】
(c)造影剤、イメージング剤、生物活性剤、薬剤、小分子薬剤、ペプチド、タンパク質、核酸、抗体、抗体断片、因子、アプタマー、などを含む生物活性剤又は他の医学上有用な薬剤の送達又は投与のため。
【0103】
(d)ステント、インプラント、医療機器、医療品、などを含む装置上の薬剤溶出ポリマー・コーティング又はフィルムとして。
【0104】
これらのポリマーは、フィルム、シート、コーティング、粒子、微粒子、ナノ粒子、カプセル、マイクロカプセル、ナノカプセル、インプラント、発泡体、スポンジ、パッチ、マトリクス、布、メッシュ、膜、フェルト、固体、液体、粘稠液、粘弾性材料、ゲル、ヒドロゲル、などのような限定的ではない例を含む種々の形態からの生物活性剤又は他の医学上有用な薬剤の送達又は投与のために用いることができる。
【0105】
以下は、本発明のポリマーを用いて投与することができる生物活性剤の限定的ではない例であり、本明細書では、ペプチド、ホルモン、酵素、抗体、モノクローナル抗体、抗体断片、モノクローナル抗体断片、などのようなタンパク質、アプタマー、siRNA、DNA、RNA、アンチセンス核酸などのような核酸、アンチセンス核酸アナログなど、低分子量化合物、又は高分子量化合物、レセプタ・アゴニスト、レセプタ拮抗薬、部分レセプタ・アゴニスト、及び部分レセプタ拮抗薬を含むがこれらに限定されない。
【0106】
本開示の微粒子組成物に用いることができる代表的な薬剤又は生物活性剤は、ペプチド薬剤、タンパク質薬剤、除痛材料、抗原、因子、成長因子、抗生物質や抗菌薬や抗ウィルス薬や抗菌物質や駆虫薬や抗真菌物質及びそれらの組合せのような抗感染薬、抗アレルギー薬、ステロイド、男性ホルモンステロイド、うっ血除去薬、催眠薬、ステロイド性抗炎症薬、非コリン作用薬、交感神経作用薬、鎮静薬、縮瞳薬、精神賦活薬、精神安定薬、ワクチン、エストロゲン、プロゲステロン薬、体液性薬(humoral agents)、プロスタグランジン、鎮痛薬、鎮痙薬、抗マラリア薬、抗ヒスタミン薬、心臓作用薬、非ステロイド性抗炎症薬、抗パーキンソン病薬、抗アルツハイマー病薬、抗高血圧薬、β−抗アドレナリン薬、α−抗アドレナリン薬、栄養剤、及びベンゾフェナントリジンアルカロイドを含むが、これらに限定されない。さらに、該生物活性剤は、興奮薬、鎮静薬、催眠薬、鎮痛薬、抗痙攣薬、など、として働くことができる物質とすることができる。
【0107】
さらに、本明細書で開示されたポリマーは、CNS活性剤、向神経活性薬剤、炎症性及び抗炎症薬剤、腎臓及び心血管薬、胃腸薬、抗新生物薬、免疫調整剤、免疫抑制薬、造血剤、成長因子、抗凝固薬、血栓溶解剤、抗血小板薬、ホルモン、ホルモン活性剤、ホルモン拮抗薬、ビタミン、点眼薬、タンパク質同化薬、制酸薬、抗喘息薬、抗コレステロール血症及び抗高脂血症薬、抗痙攣薬、下痢止め薬、抗嘔吐薬、抗躁病薬、代謝拮抗剤、制嘔吐剤、肥満抑制薬、解熱薬及び鎮痛薬、鎮痙薬、抗血栓剤、鎮咳薬、抗尿酸血症薬(anti−uricemic agents)、抗狭心症薬、抗ヒスタミン薬、食欲抑制薬、生物学的製剤、脳拡張薬(cerebral dilator)、冠動脈拡張薬、気管支拡張薬(bronchiodilators)、細胞毒薬、うっ血除去薬、利尿薬、診断用薬、赤血球増殖薬、去痰薬、胃腸鎮静薬、高血糖症薬、催眠薬、低血糖症薬、緩下薬、ミネラル補給剤、粘液溶解薬、神経筋薬、末梢血管拡張薬、抗精神薬、興奮薬、甲状腺及び抗甲状腺薬、組織成長薬、子宮弛緩薬(uterine relaxants)、ビタミン、抗原性物質、などを送達又は投与するために用いることができる。他のクラスの生物活性剤は、Goodman & GilmanのThe Pharmacological Basis of Therapeutics(McGraw Hill)に挙げられたもの、並びに、Merck Index及びThe Physicians Desk Reference(Thompson Healthcare)に収録された生物活性剤を含む。
【0108】
他の生物活性剤は、アンドロゲン阻害剤、多糖類、成長因子(例えば、血管内皮成長因子−VEGF)、ホルモン、血管新生阻害因子、デキストロメトルファン、臭化水素酸デキストロメトルファン、ノスカピン、クエン酸カルベタペンタン、塩酸クロフェジアノール、マレイン酸クロルフェニラミン、酒石酸フェニンダミン、マレイン酸ピリラミン、コハク酸ドキシラミン、クエン酸フェニルトロキサミン、塩酸フェニレフリン、塩酸フェニルプロパノールアミン、塩酸プソイドエフェドリン、エフェドリン、リン酸コデイン、コデイン硫酸モルヒネ、ミネラル補給剤、コレスチラミン(cholestryramine)、N−アセチルプロカインアミド、アセトアミノフェン、アスピリン、イブプロフェン、塩酸フェニルプロパノールアミン、カフェイン、グアイフェネシン、水素化アルミニウム、水素化マグネシウム、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、アミノ酸、ホルモン、インターフェロン、サイトカイン、及びワクチンを含む。
【0109】
生物活性剤のさらなる例は、ペプチド薬剤、タンパク質薬剤、除痛材料、抗原や抗生物質や抗菌薬や抗ウィルス薬や抗菌物質や駆虫物質や抗真菌物質及びそれらの組合せのような抗感染薬、抗アレルギー薬、男性ホルモンステロイド、うっ血除去薬、催眠薬、ステロイド抗炎症薬、非コリン作用薬、交感神経作用薬、鎮静薬、縮瞳薬、精神賦活薬、精神安定薬、ワクチン、エストロゲン、プロゲステロン薬、体液性薬、プロスタグランジン、鎮痛薬、鎮痙薬、抗マラリア薬、抗ヒスタミン薬、抗増殖性物質、抗VEGF薬、心臓作用薬、非ステロイド性抗炎症薬、抗パーキンソン病薬、抗高血圧薬、β−抗アドレナリン薬、栄養剤、及びベンゾフェナントリジンアルカロイドを含むが、これらに限定されない。該薬剤はさらに、興奮薬、鎮静薬、催眠薬、鎮痛薬、抗痙攣薬、などとして働くことができる物質とすることができる。
【0110】
制御された放出システムは、多数の生物活性剤を単独で又は組み合わせて含むことができる。他の生物活性剤は、アセトアミノフェン、アセチルサリチル酸、などのような鎮痛薬;リドカイン、キシロカイン、などのような麻酔薬;デキサドリン、酒石酸フェンジメトラジン、などのような食欲減退剤;メチルプレドニゾロン、イブプロフェン、などのような抗関節炎薬;硫酸テルブタリン、テオフィリン、エフェドリン、などのような抗喘息薬;スルフィソキサゾール、ペニシリンG、アンピシリン、セファロスポリン、アミカシン、ゲンタマイシン、テトラサイクリン、クロラムフェニコール、エリスロマイシン、クリンダマイシン、イソニアジド、リファンピン、などのような抗生物質;アンホテリシンB、ナイスタチン、ケトコナゾール、などのような抗真菌薬;アシクロビル、アマンタジン、などのような抗ウィルス薬;シクロホスファミド、メトトレキサート、エトレチナート、パクリタキセル、タキソール、などのような抗癌剤;ヘパリン、ワルファリン、などのような抗凝固薬;フェニトインナトリウム、ジアゼパム、などのような抗痙攣薬;イソカルボキサジド、アモキサピン、などのような抗うつ薬;塩酸ジフェンヒドラミン、マレイン酸クロルフェニラミン、などのような抗ヒスタミン薬;インスリン、プロゲスチン、エストロゲン、コルチコイド、グルココルチコイド、アンドロゲン、などのようなホルモン;トラジン、ジアゼパム、塩酸クロルプロマジン、レセルピン、塩酸クロルジアゼポキシド、などのような精神安定薬;ベラドンナアルカロイド、塩酸ジシクロミン、などのような鎮痙薬;必須アミノ酸、カルシウム、鉄、カリウム、亜鉛、ビタミンB12、などのようなビタミン及びミネラル;塩酸プラゾシン、ニトログリセリン、塩酸プロプラノロール、塩酸ヒドララジン、パンクレリパーゼ、琥珀酸デヒドロゲナーゼ、などのような心血管作動薬;LHRH、ソマトスタチン、カルシトニン、成長ホルモン、グルカゴン様ペプチド、成長放出因子(growth releasing factor)、アンギオテンシン、FSH、EGF、骨形成タンパク質(BMP)、エリスロポエチン(erythopoeitin)(EPO)、インターフェロン、インターロイキン、コラーゲン、フィブリノゲン、インスリン、第VIII因子、第IX因子、エンブレル(Enbrel)(登録商標)、リツキサン(Rituxam)(登録商標)、ハーセプチン(Herceptin)(登録商標)、α−グルコシダーゼ、セレザイム(Cerazyme)/セレデース(Ceredose)(登録商標)、バソプレシン、ACTH、ヒト血清アルブミン、γ−グロブリン、構造タンパク質、血液製剤タンパク質、複合タンパク質、酵素、抗体、モノクローナル抗体、などのようなペプチド及びタンパク質;プロスタグランジン;核酸;炭水化物;脂肪;モルヒネ、コデイン、などのような麻薬、精神療法;抗マラリア薬、L−ドーパ、フロセミド、スピロノラクトン、などのような利尿薬;塩酸ランチジン、塩酸シメチジン、などのような抗潰瘍薬を含むがこれらに限定されない。
【0111】
生物活性剤はまた、例えば、サイトカイン、インターロイキン、インターフェロン、コロニー刺激因子、潰瘍壊死因子、など;ラパマイシン、タクロリムス、などのような免疫抑制薬;ネコのフケ、シラカバ花粉、チリダニ、牧草花粉、などのようなアレルゲン;肺炎連鎖球菌(Streptococcus pneumoniae)、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)、化膿連鎖球菌(Streptococcus pyrogenes)、ジフテリア菌(Corynebacterium diphteriae)、リステリア菌(Listeria monocytogenes)、炭疽菌(Bacillus anthracis)、破傷風菌(Clostridium tetani)、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)、ウェルシュ菌(Clostridium perfringens)、髄膜炎菌(Neisseria meningitides)、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)、ミュータンス菌(Streptococcus mutans)、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、チフス菌(Salmonella typhi)、パラインフルエンザ菌(Haemophilus parainfluenzae)、百日咳菌(Bordetella pertussis)、野兎病菌(Francisella tularensis)、ペスト菌(Yersinia pestis)、コレラ菌(Vibrio cholerae)、レジオネラ菌(Legionella pneumophila)、結核菌(Mycobacterium tuberculosis)、ライ菌(Mycobacterium leprae)、梅毒トレポネーマ(Treponema pallidum)、レプトプピラ菌(Leptspirosis interrogans)、ライム病ボレリア(Borrelia burgddorferi)、カンピロバクター・ジェジュニ(Campylobacter jejuni)、などのような細菌性生物の抗原;疱瘡、インフルエンザA及びB、呼吸器合胞体(respiratory synctial)、パラインフルエンザ、麻疹、HIV、SARS、水痘−帯状疱疹、単純疱疹1及び2、サイトメガロウィルス(cytomeglavirus)、エプスタイン−バー、ロタウィルス、ライノウィルス、アデノウィルス、乳頭腫ウィルス、ポリオウィルス、ムンプス、狂犬病、風疹、コクサッキーウィルス、ウマ脳炎、日本脳炎、黄熱病、リフトバレー熱、リンパ球性脈絡髄膜炎、B型肝炎、などのようなウィルスの抗原;クリプトコッカス・ネオフォルマンス(Cryptococcuc neoformans)、ヒストプラスマ・カプスラーツム(Histoplasma capsulatum)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、カンジダ・トロピカリス(Candida tropicalis)、ノカルディア・アステロイド(Nocardia asteroids)、リケッチア・リケッチ(Rickettsia ricketsii)、リケッチア・チフィ(Rickettsia typhi)、マイコプラスマ・ニューモニエ(Mycoplasma pneumoniae)、クラミジア・シッタシ(Chlamyda psittaci)、トラコーマクラミジア(Chlamydia trachomatis)、熱帯熱マラリア原虫(Plasmodium falciparum)、トリパノソーマ・ブルセイ(Trypanasoma brucei)、赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica)、トキソプラスマ(Toxoplasma gondii)、膣トリコモナス(Trichomonas vaginalis)、マンソン住血吸虫(Schistosoma mansoni)、などのような真菌類、原生動物、及び寄生生物の抗原を含む免疫調整剤とすることができる。これらの抗原は、完全に死んだ生物、ペプチド、タンパク質、糖タンパク、炭水化物、又はこれらの組み合わせの形態であってもよい。
【0112】
さらに特定の態様において、該生物活性剤は抗生物質を含む。該抗生物質は、例えば、アミカシン、ゲンタマイシン、カナマイシン、ネオマイシン、ネチルミシン、ストレプトマイシン、トブラマイシン、パロモマイシン、アンサマイシン、ゲルダナマイシン、ハービマイシン、カルバセフェム、ロラカルベフ、カルバペネム、エルタペネム、ドリペネム、イミペネム/シラスタチン、メロペネム、セファロスポリン(第1世代)、セファドロキシル、セファゾリン、セファロチン(Cefalotin又はCefalothin)、セファレキシン、セファロスポリン(第2世代)、セファクロル、セファマンドール、セフォキシチン、セフプロジル、セフロキシム、セファロスポリン(第3世代)、セフィキシム、セフジニル、セフジトレン、セフォペラゾン、セフォタキシム、セフポドキシム、セフタジジム、セフチブテン、セフチゾキシム、セフトリアキソン、セファロスポリン(第4世代)、セフェピム、セファロスポリン(第5世代)、セフトビプロール、グリコペプチド、テイコプラニン、バンコマイシン、マクロライド、アジスロマイシン、クラリスロマイシン、ジリスロマイシン、エリスロマイシン、ロキシスロマイシン、トロレアンドマイシン、テリスロマイシン、スペクチノマイシン、モノバクタム、アズトレオナム、ペニシリン、アモキシシリン、アンピシリン、アズロシリン、カルベニシリン、クロキサシリン、ジクロキサシリン、フルクロキサシリン、メズロシリン、メチシリン、ナフシリン、オキサシリン、ペニシリン、ピペラシリン、チカルシリン、ポリペプチド、バシトラシン、コリスチン、ポリミキシンB、キノロン、シプロフロキサシン、エノキサシン、ガチフロキサシン、レボフロキサシン、ロメフロキサシン、モキシフロキサシン、ノルフロキサシン、オフロキサシン、トロバフロキサシン、スルホンアミド、マフェニド、プロントジル(旧型(archaic))、スルファセタミド、スルファメチゾール、スルファニルアミド(Sulfanilimide)(旧型)、スルファサラジン、スルフィソキサゾール、トリメトプリム、トリメトプリム−スルファメトキサゾール(コトリモキサゾール)(TMP−SMX)、デメクロサイクリン、ドキシサイクリン、ミノサイクリン、オキシテトラサイクリン、テトラサイクリン、及び他のものを含むテトラサイクリン;アルスフェナミン、クロラムフェニコール、クリンダマイシン、リンコマイシン、エタンブトール、ホスホマイシン、フシジン酸、フラゾリドン、イソニアジド、リネゾリド、メトロニダゾール、ムピロシン、ニトロフラントイン、プラテンシマイシン、ピラジナミド、キヌプリスチン/ダルホプリスチン、リファンピシン(米国ではリファンピン)、チニダゾール、又はこれらの組み合わせのうちの1つ又はそれ以上の抗生物質とすることができる。1つの態様において、該生物活性剤は、リファンピシン(米国ではリファンピン)とミノサイクリンとの組合せとすることができる。
【0113】
開示されたポリマーが血管グラフトを用意するために用いられるとき、それらは、本来の血管と同様の特徴を有すると同時に、所望の生物学的応答、例えばエラスチン模倣応答を引き出すことができる。本明細書で開示された生物適合性ポリマーは、1つ又はそれ以上の方法又は構成で用いることができる。一実施形態において、開示された生物適合性ポリマーを含む合成血管グラフトは、当該技術分野の当業者には公知の技術を用いて種々のサイズ又は長さにすることができる。例えば、これらの合成血管の作製は、血管グラフトを所望の直径、厚さ、及び長さに形状付け及び形成するためにエレクトロスピニング装置を用いて達成することができる。幾つかの繰返しにおいて、該生物適合性ポリマーは、例えば動脈グラフトを作製するときに、該ポリマーがさらに架橋して所望の機械的剛性を提供することができるように、架橋可能単位を含むことができる。
【0114】
別の実施形態において、ファイバ血管グラフトを、開示された生物適合性ポリマーのうちの1つ又はそれ以上の生物適合性ポリマーでコーティングすることができる。この実施形態において、該ポリマー・コーティングは、該グラフトを同化吸収する身体の能力を助ける生物学的応答を引き出す。また、ECM−模倣ペプチドを含有するポリマーの使用は、例えば、エラスチンとフィブリノゲン−模倣ペプチドとの混合物が用いられる場合、より迅速な治癒を可能にする。
【0115】
さらに本明細書で開示されるのは、1つ又はそれ以上の生物適合性ポリマーを含む生物機械装置である。例えば、動脈の梗塞を克服するのに用いられるステントは、1つ又はそれ以上の望ましい応答を引き出すために、開示されたポリマーでコーティングすることができる。これらの応答は、創傷治癒又は動脈壁の一体性の強化を含むことができる。
【0116】
生物機械装置の別の実施形態は、間接置換療法、例えば、股関節及び膝関節の置換装置に関連する。他の生物機械装置は、縫合糸、例えば、動脈縫合糸を含む。該縫合糸は、開示されたポリマー又は開示されたポリマーでコーティングすることができる標準の生物適合性縫合糸を含むことができる。
【0117】
開示された生物適合性ポリマーは、フィルムつまり膜を形成するために用いることができる。例えば、該ポリマーが、膜つまりフィルムにされて組織再構成(例えば、心臓の又は膀胱の組織再構成)のためのパッチ、皮膚移植片、などとして用いられるとき、それらは組織再構成の用途に用いることができる。
【0118】
開示された生物適合性ポリマーはまた、医療機器上のコーティングに用いることができる。特に望ましいコーティングは、ステントのような装置上の薬剤溶出コーティングである。代替的に、十分な分解性のポリマー・ステント(薬剤の添加を有する又は有さない、すなわち分解性のポリマー・ステント上の薬剤溶出ポリマー・コーティングを有する又は有さない)を用意するために、開示された生分解性ポリマーを用いることができる。
【0119】
調製
本開示はさらに、開示された生物適合性ポリマーを調製する方法に関連する。
【0120】
ステップ(a)
ステップ(a)は、次式を有する試薬を含有するECM−模倣ペプチドを提供することを含み、
HN−Xaa−Xbb−Xcc−Xdd−Xee−OH
式中、Xaa、Xbb、Xcc、Xdd、及びXeeは、各々独立してアミノ酸残基である。
【0121】
試薬を含有するECM−模倣ペプチドの限定的ではない例は、次式を有するバリニルプロリニルグリシニルバリニルグリシンである。
【0122】
【化30】
【0123】
【表6】
1つの繰返しにおいて、ステップ(a)は、次式を有する試薬を含有するECM−模倣ペプチドを提供することを含む。
HN−(Xaa−Xbb−Xcc−Xdd−Xee)−OH
式中、Xaa、Xbb、Xcc、Xdd、及びXeeは、各々独立してアミノ酸残基であり、添字xは1から100までの整数である。
【0124】
xが2に等しいこの繰返しに係る試薬を含有するECM−模倣ペプチドの限定的ではない例は、次式を有する。
【0125】
【化31】
ECM模倣ペプチド、Mim、又はポリペプチド(Mim)xは、公知の化学合成方法によって調製することができる。しかしながら、ポリペプチド(Mim)xは、公知の微生物合成方法を通じて調製されることが好ましい。
【0126】
ステップ(b)
ステップ(b)は、α−アミノ酸を含まないプレポリマーのような生分解性試薬を提供することを含む。一実施形態において、該生分解性試薬は、モノマーを含む非α−アミノ酸のホモポリマー、コポリマー、又はブロック・コポリマーとすることができる。限定的ではない例は、以下を含む。
【0127】
i)ポリ(ラクチド)、
ii)ポリ(グリコリド)、
iii)ポリ(カプロラクトン)、
iv)ポリ(バレロラクトン)、
v)ポリ(ラクチド−コ−グリコリド)、
vi)ポリ(ラクチド−コ−カプロラクトン)、
vii)ポリ(ラクチド−コ−バレロラクトン)、
viii)ポリ(グリコリド−コ−カプロラクトン)、
ix)ポリ(グリコリド−コ−バレロラクトン)、
x)ポリ(ラクチド−コ−グリコリド−コ−カプロラクトン)、及び、
xi)ポリ(ラクチド−コ−グリコリド−コ−バレロラクトン)。
【0128】
さらなる実施形態において、該生分解性試薬は、単一のモノマー単位、例えば、乳酸、グリコール酸、6−ヒドロキシヘキサン酸、ヒドロキシ酸、ヒドロキシ酸脂肪酸、など、又は生分解性官能基をポリマー・バックボーンに組み入れる単一のモノマー単位の包含をもたらす試薬を含むことができる。さらにまた、該生分解性試薬は、乳酸のダイマー又はトリマーなどを含むことができる。これらの試薬は、当該技術分野では公知の方法によって調製することができ、又は幾つかの場合においては市販のものである。
【0129】
ステップ(c)
ステップ(c)は、ステップ(a)からのECM−模倣ペプチド含有試薬を、ステップ(b)からの生分解性試薬と接触させて、(Mim)−(BioDeg)の組合せを形成することを含む。ステップ(c)のさらなる実施形態において、該ステップは、ステップ(a)からのECM−模倣ペプチド含有試薬か又はステップ(b)からの生分解性試薬のいずれかを連結剤と接触させることに関係し、該連結剤は、ECM−模倣ペプチド含有試薬と、以下から選択された部分を含んでいる生分解性試薬との間に1つ又はそれ以上の連結基又は結合を導入する。
【0130】
i)アルキル、
ii)アルコキシ、
iii)カルボニル、
iv)脱離基を含むハロゲン
v)エステル、
vi)オルトエステル、
vii)無水物、
viii)リン酸塩、
ix)ホスファゼン、
x)リン酸エステル、
xi)ジオキサナン(dioxanaone)、
xii)炭酸塩、
xiii)オルトカルボナート、
xiv)アミド、
xv)アミン、
xvi)エステルアミド、
xvii)イソシアネート、
xviii)ウレタン、
xix)エーテルエステル、
xx)ピロリドン、又は
xxi)単位(i)から(xx)の組合せを含む単位。
【0131】
(Mim)−(BioDeg)の結果として得られる組み合わせは、−NH又は−OH基を有する一方の端部上で及び−COOH基による他方の端部上のいずれかで終端することができる。これは、次のステップであるステップ(d)における重合を容易にする。
【0132】
ステップ(d)
ステップ(d)は、ステップ(c)において形成された(Mim)−(BioDeg)要素(entity)の重合に関係する。この重合反応は、種々の合成技術で行うことができる。1つの方法は、一方の端部上にアミン又はヒドロキシル基のいずれか及び他方の端部上にカルボン酸基を有する(Mim)−(BioDeg)が反応する縮重合反応を含む。第2の方法は、アミン又はヒドロキシル末端基をカルボン酸基と互いにリンクするためにペプチド・カップリング剤の使用を含む。この手法は、EDCがペプチド・カップリング剤である下記のスキームのステップ3で示されるものである。EDCは、最初にカルボン酸基を活性化し、これは次いで、ヒドロキシル末端基の攻撃のための反応部位となる。次いで、逐次反応が、最終的な生分解性ECM−模倣ポリマーを形成するために用いられる。したがって、ステップ(d)の結果は、−(−(Mim)−(BioDeg)−)として説明することができ、式中、添字x、y、及びzは本明細書で定義されるとおりである。
【0133】
さらなる実施形態において、連結基、Lは、該ポリマーに種々の方法で組み入れることができる。例えば、ステップ(c)又は(d)、或いはその両方において説明された化学的性質は、MimとBioDegを互いにカップリングすること(ステップc)及び該ポリマーを調製すること(ステップd)に有用な反応試薬に関係することができる。こうしたカップリング・ステップは、連結基又は結合を組成物(連結基「L」)に導入することができる。これらのカップリング・ステップを実行するのに有用な幾つかの反応試薬は、NHS、IIDQ、EDCI、CDI、HOBt、DCCIのようなカルボン酸活性化剤を含むことができ(例えば、Principles of Peptide Synthesis、M.Bodanszky、Springer−Verlag、1984;Amino Acid and Peptide Synthesis(第2版)、John Jones、Oxford University Press、2002を参照)、これらは、カルボン酸とアミン基との結合を通じてアミド結合を調製すること及びカルボン酸とヒドロキシル基との結合を通じてエステル結合を調製することにしばしば有用である。
【0134】
明細書及び請求項の範囲の全体を通して、ECM−模倣は種々の方法で表わされるが、しかしながら、可能な簡略表記が用いられるとき、例えば、ECM−模倣バリルプロリルグリシルバリルグリシン[配列番号:1]を含む5−アミノ酸について、簡略表記VPGVG[配列番号:1]が用いられる。開示されたポリマーの化学合成を説明するときに代替的表現が用いられるが、しかしながら、これらの表現はECM−模倣の末端アミノ及びカルボキシ末端で起こることができる化学反応の理解を容易にするために用いられることが当業者にはわかるであろう。例えば、式HN−[VPGVG]−COH[配列番号:1]は、等しく良好にVPGVG[配列番号:1]を表す。
【実施例】
【0135】
実施例
以下の実施例は、開示された主題に係る方法及び結果を解説するために記載される。これらの実施例は、本明細書で開示された主題のすべての態様を含めることを意図しておらず、むしろ代表的な方法及び結果を解説することを意図している。これらの実施例は、当業者には明らかな本発明の均等物及び変形を排除することを意図していない。
【0136】
数(例えば、量、温度、pH、など)に関する正確さを保証する努力がなされているが、幾らかの誤差及び偏差が考慮されるべきである。特に明記のない限り、部は重量部、温度は℃又は周辺温度であり、圧力は大気圧又はその付近の大気圧である。多くの変形及び条件、例えば、説明されたプロセスから得られた生成物純度及び収率を最適化するために用いることができる成分濃度、温度、圧力、並びに他の反応範囲及び条件の組み合わせが存在する。妥当なルーチン実験のみが、こうしたプロセス条件を最適化するために必要とされる。
【0137】
予言的(Prophetic)実施例1:ECM−模倣ペプチドの合成
スキームIは、ECM−模倣ペプチドVPGVG[配列番号:1]の調製を概説する。
【0138】
【表7】
ペンタペプチドHN−[VPGVG]−COHは、例えば、標準カップリング手順を用いて又はポリマー支持の(Merrifield)カップリング手順を用いて、他の同様の合成手順によって調製することができる。他の実施例において、ペンタペプチド(並びにポリペンタペプチド)を調製するために微生物発酵を用いることができる。以下は、VPGVG[配列番号:1]の調製の限定的ではない予言的実施例である。
【0139】
ステップ(i)
N−Cbz−バリルプロリンメチルエステル(Cbz−NH−[VP]−COCH)の調製:N−Cbz−バリン(2.5g、10mmol)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(1.6g、11mmol)及びトリエチルアミン(2.0g、20mmol)のDMF溶液(10mL)に、プロリンメチルエステル塩酸塩(1.8g、11mmol)のDMF溶液(5mL)を滴下して加える。この溶液を室温で撹拌し、N−Cbz−バリンが消失するまでTLCによって反応を監視する。次いで、反応溶液をジクロロメタン(30mL)で希釈し、有機層を0.1NのHCl(20mL)、水(20mL)で抽出し、次いで、NaSOにより乾燥させる。所望の化合物をもたらすために溶媒を真空中で除去する。
【0140】
ステップ(ii)
N−Cbz−バリルプロリン(Cbz−NH−[VP]−COH)の調製:N−Cbz−バリルプロリンメチルエステル(Cbz−NH−[VP]−COCH)(3.62g、10mmol)のTHF溶液(10mL)にLiOHの1M水性溶液(11mL、11mmol)を加え、この溶液を夜通し撹拌する。結果として得られる溶液を1MのHClでpH約7まで酸性化し、フラスコの内容物が水(20mL)と酢酸エチル(20mL)とに分かれる。有機相を塩水で抽出し、NaSOにより乾燥させ、次いで、所望の化合物をもたらすために真空中で濃縮させる。
【0141】
ステップ(iii)
N−Cbz−バリルプロリルグリシンメチルエステル(Cbz−NH−[VPG]−COCH)の調製:N−Cbz−バリルプロリン(Cbz−NH−[VP]−COH)(3.5g、10mmol)、1−(3−ジメチルアミノ−プロピル)−3−エチルカルボジイミド(1.6g、11mmol)、及びトリエチルアミン(2.0g、20mmol)のDMF溶液(15mL)にグリシンメチルエステル塩酸塩(1.38g、11mmol)のDMF溶液(5mL)を滴下して加える。この溶液を室温で撹拌しN−Cbz−バリルプロリンが消失するまでTLCによって反応を監視する。次いで、反応溶液をジクロロメタン(50mL)で希釈し、有機層を0.1NのHCl(20mL)、水(20mL)で抽出し、次いで、NaSOにより乾燥させる。所望の化合物をもたらすために溶媒を真空中で除去する。
【0142】
ステップ(iv)
N−Cbz−バリルプロリルグリシン(Cbz−NH−[VPG]−COH)の調製:N−Cbz−バリルプロリルグリシンメチルエステル(Cbz−NH−[VPG]−COCH)(4.2g、10mmol)のTHF溶液(20mL)にLiOHの1M水性溶液(11mL、11mmol)を加え、この溶液を夜通し撹拌する。結果として得られる溶液を1MのHClでpH約7まで酸性化し、フラスコの内容物が水(30mL)と酢酸エチル(30mL)とに分かれる。有機相を塩水で抽出し、NaSOにより乾燥させ、次いで、所望の化合物をもたらすために真空中で濃縮させる。
【0143】
ステップ(v)
N−Cbz−バリルプロリルグリシルバリンメチルエステル(Cbz−NH−[VPGV]−COCH)の調製:N−Cbz−バリルプロリルグリシン(Cbz−NH−[VPG]−COH)(4.05g、10mmol)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(1.6g、11mmol)及びトリエチルアミン(2.0g、20mmol)のDMF溶液(15mL)にバリンメチルエステル塩酸塩(1.8g、11mmol)のDMF溶液(5mL)を滴下して加える。N−Cbz−バリルプロリルグリシンが消失するまで当該溶液を室温で撹拌する。次いで、反応溶液を、ジクロロメタン(50mL)で希釈し、有機層を0.1NのHCl(20mL)、水(20mL)で抽出し、次いで、NaSOにより乾燥させる。所望の化合物をもたらすために溶媒を真空中で除去する。
【0144】
ステップ(vi)
N−Cbz−バリルプロリルグリシルバリン(Cbz−NH−[VPGV]−COH)の調製:N−Cbz−バリルプロリルグリシルバリンメチルエステル(Cbz−NH−[VPGV]−COCH)(5.2g、10mmol)のTHF溶液(25mL)にLiOHの1M水性溶液(11mL、11mmol)を加え、この溶液を夜通し撹拌する。結果として得られる溶液を1MのHClでpH約7まで酸性化し、フラスコの内容物が水(30mL)と酢酸エチル(30mL)とに分かれる。有機相を塩水で抽出し、NaSOにより乾燥させ、次いで、所望の化合物をもたらすために真空中で濃縮させる。
【0145】
ステップ(vii)
N−Cbz−バリルプロリルグリシルバリルグリシンメチルエステル(Cbz−NH−[VPGVG]−COCH)の調製:N−Cbz−バリルプロリルグリシルバリン(Cbz−NH−[VPGV]−COH)(5.54g、10mmol)、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(1.6g、11mmol)及びトリエチルアミン(2.0g、20mmol)のDMF溶液(15mL)にグリシンメチルエステル塩酸塩(1.38g、11mmol)のDMF溶液(5mL)を滴下して加える。N−Cbz−バリルプロリルグリシルバリンが消失するまで当該溶液を室温で撹拌する。次いで、反応溶液をジクロロメタン(50mL)で希釈し、有機層を0.1NのHCl(20mL)、水(20mL)で抽出し、次いで、NaSOにより乾燥させる。所望の化合物をもたらすために溶媒を真空中で除去する。
【0146】
ステップ(viii)
N−Cbz−バリルプロリルグリシルバリルグリシン(Cbz−NH−[VPGVG]−COH)の調製:N−Cbz−バリルプロリルグリシルバリルグリシンメチルエステル(Cbz−NH−[VPGVG]−COCH):(5.75g、10mmol)のTHF溶液(30mL)にLiOHの1M水性溶液(11mL、11mmol)を加え、この溶液を夜通し撹拌する。結果として得られる溶液を1MのHClでpH約7まで酸性化し、フラスコの内容物が水(25mL)と酢酸エチル(50mL)とに分かれる。有機相を塩水で抽出し、NaSOにより乾燥させ、次いで、所望の化合物をもたらすために真空中で濃縮させる。
【0147】
ステップ(ix)
バリルプロリルグリシルバリルグリシン(HN−[VPGVG]−COH)[配列番号:1]の調製:メタノール(100mL)中のN−Cbz−バリルプロリルグリシルバリルグリシン(Cbz−NH−[VPGVG]−COH)(5.5g、10mmol)を500mLParr水素化容器(hydrogenation vessel)に入れる。窒素雰囲気下で10%Pd/C(10mg)を加える。触媒の完全な分散を保証するために十分に振とうしながら当該溶液を45psiの気体水素の下で3時間水素化する。窒素パージされた溶液を、次いで、触媒を除去するためにCelite(商標)に通して濾過する。所望の生成物をもたらすために濾液を真空中で濃縮させる。
【0148】
予言的実施例2:ECM−模倣ペプチドの合成
スキームIIは、以下の実施例2において説明されるような[VPGVG][配列番号:31]の調製を概説する。
【0149】
【表8】
ペンタペプチドHN−[VPGVG]−COH[配列番号:31]は、他の技術によって調製することができる。以下は、HN−[VPGVG]−COH[配列番号:31]の調製の限定的ではない予言的実施例である。
【0150】
ステップ(i)
バリルプロリルグリシル(glycly)バリルグリシンメチルエステル(HN−[VPGVG]−COCH)の調製:メタノール(100mL)中のN−Cbz−バリルプロリル−グリシルバリルグリシンメチルエステル(Cbz−NH−[VPGVG]−COCH)(5.75g、10mmol)を500mLParr水素化容器に入れる。窒素ブランケットの下で10%Pd/C(10mg)を加える。触媒の完全な分散を保証するために十分に振とうしながら当該溶液を45psiの気体水素の下で3時間水素化する。窒素パージされた溶液を、次いで、触媒を除去するためにCelite(商標)に通して濾過する。所望の生成物をもたらすために濾液を真空中で濃縮させる。
【0151】
ステップ(ii)
N−Cbz−バリルプロリルグリシルバリルグリシルバリルプロリルグリシルバリルグリシンメチルエステル(Cbz−NH−[VPGVG]−COCH)の調製:N−Cbz−バリルプロリルグリシルバリルグリシン(Cbz−NH−[VPGVG]−COH)(5.6g、10mmol)[上記のスキームIのステップ(h)において調製されるように]、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド(1.6g、11mmol)及びトリエチルアミン(2.0g、20mmol)のDMF溶液(30mL)に、バリルプロリルグリシルバリル−グリシンメチルエステル(HN−[VPGVG]−COCH)(4.85g、11mmol)のDMF溶液(20mL)を滴下して加える。この溶液を室温で撹拌し、N−Cbz−バリルプロリルグリシルバリルグリシンが消失するまでTLCによって反応を監視する。次いで、反応溶液を、ジクロロメタン(50mL)で希釈し、有機層を0.1NのHCl(20mL)、水(20mL)で抽出し、次いで、NaSOにより乾燥させる。所望の化合物をもたらすために溶媒を真空中で除去する。
【0152】
ステップ(iii)
N−Cbz−バリルプロリルグリシルバリルグリシルバリルプロリルグリシルバリルグリシン(Cbz−NH−[VPGVG]−COH)の調製:N−Cbz−バリルプロリルグリシルバリルグリシルバリル−プロリルグリシルバリルグリシンメチルエステル(Cbz−NH−[VPGVG]−COCH)(9.8g、10mmol)のTHF溶液(50mL)にLiOH(11mL、11mmol)の1M水性溶液を加え、この溶液を夜通し撹拌する。結果として得られる溶液を1MのHClでpH約7まで酸性化し、フラスコの内容物が水(50mL)と酢酸エチル(50mL)とに分かれる。有機相を塩水で抽出し、NaSOにより乾燥させ、次いで、所望の化合物をもたらすために真空中で濃縮させる。
【0153】
ステップ(iv)
バリルプロリルグリシルバリルグリシルバリルプロリルグリシルバリルグリシン[VPGVG](HN−[VPGVG]−COH)[配列番号:31]の調製:N−Cbz−バリルプロリルグリシルバリル−グリシルバリルプロリルグリシルバリルグリシン(Cbz−NH−[VPGVG]−COH)(8.5g、10mmol)のメタノール溶液(100mL)を500mLParr水素化容器に入れる。10%Pd/C(10mg)を加える。触媒の完全な分散を保証するために十分に振とうしながら当該溶液を45psiの気体水素の下で3時間水素化する。窒素パージされた溶液を、次いで、触媒を除去するためにCelite(商標)に通して濾過する。所望の生成物をもたらすために濾液を真空中で濃縮させる。
【0154】
予言的実施例3:ECM−模倣ペプチドの合成
スキームIIIは、実施例2において説明される手順を用いる[VPGVG][配列番号:82]の調製を概説する。
【0155】
【表9】
予言的実施例4:本明細書で開示される生物適合性・生分解性ポリマーの合成
スキームIVは、スキームIIにおいて概説され実施例2において説明された手順を用いてスキームIIIにおいて概説されたように調製することができる開始材料としてCbz−NH−[VPGVG]−COHを用いる生分解性・エラストマー性ポリマー[VPGVG]−乳酸塩の調製を概説する。
【0156】
【表10】
予言的実施例5:本明細書で開示される生物適合性・生分解性ポリマーの合成
以下は、生物適合性・生分解性ポリマーHN−[VPGVG]−乳酸塩の合成の予言的実施例である。
【0157】
ステップ(i)
Cbz−NH−[VPGVG]−COCH(CH)COCHの調製:N−Cbz−[VPGVG]−COH(2.24g、1mmol)のDMF溶液(30mL)に1,1’−カルボニルジイミダゾール(0.32g、2mmol)を加える。この反応溶液を氷浴中で冷却し、乳酸メチル(0.21g、2mmol)のDMF(2mL)溶液を加える。酸が消失するまで反応をTLCで観察する。反応溶液は水と酢酸エチル/ジクロロメタン(3:1)(20mL)とに分かれる。該溶液を付加的な水(10mLアリコート)で乳酸メチルが消失するまで洗浄する。所望の生成物をもたらすために有機相を乾燥させ濃縮させる。
【0158】
ステップ(ii)
Cbz−NH−[VPGVG]−COCH(CH)COHの調製:Cbz−NH−[VPGVG]−COCH(CH)COCH(2.3g、1mmol)のTHF溶液(30mL)にLiOH(1.1mL、1.1mmol)の1M水性溶液を加え、この溶液を夜通し撹拌する。結果として得られる溶液を1MのHClでpH約7まで酸性化し、フラスコの内容物が水(50mL)と酢酸エチル(50mL)とに分かれる。有機相を塩水で抽出し、NaSOにより乾燥させ、次いで、所望の化合物をもたらすために真空中で濃縮させる。
【0159】
ステップ(iii)
N−[VPGVG]−COCH(CH)COHの調製:Cbz−NH−[VPGVG]−COCH(CH)COH(2.25g、1mmol)のメタノール溶液(100mL)を500mLParr水素化容器に入れる。10%Pd/C(10mg)を加える。触媒の完全な分散を保証するために十分に振とうしながら当該溶液を45psiの気体水素の下で3時間水素化する。窒素パージされた溶液を、次いで、触媒を除去するためにCelite(商標)に通して濾過する。所望の生成物をもたらすために濾液を真空中で濃縮させる。
【0160】
予言的実施例7:本明細書で開示される生物適合性・生分解性ポリマーの合成
以下は、生物適合性・生分解性ポリマー−[−NH−[VPGVG]−COCH(CH)CO−]−の合成の予言的実施例である。HN−[VPGVG]−COCH(CH)COH(1g)のTHF溶液を室温で4日間撹拌する。結果として得られる溶液を真空中で濃縮させ、結果として得られる物質を溶媒に取り出し、その平均分子量を求める。
【0161】
予言的実施例8:本明細書で開示される生物適合性・生分解性ポリマーの合成
市販のエラスチンを濾過し、水で抽出する。水可溶の留分を、次いで凍結乾燥し、得られたペプチド留分をECM−模倣、Mimとして用いる。Mim部分をDMF中に取り出す。この溶液に、乳酸メチルと1,1’−カルボニルジイミダゾール(1:1)とのDMF混合液を部分的に加える。HPLCによって監視したとき主要なオリジナルのMimピークが消失するまで乳酸塩溶液を加える。結果として得られる溶液は水と酢酸エチルとに分かれる。溶媒を真空中で除去し、残留物を水性THF中に取り出す。前のステップにおいて加えられた乳酸メチルの量に基づいて1MのLiOH溶液を加える。この溶液を中和し濃縮する。あらゆる無機塩を除去するために結果として得られるスラリーを濾過し、濾液を凍結乾燥させる。結果として得られる固体をジオキサン中に取り出し、40℃で1週間加熱する。この溶液を高真空の下で濃縮させて、水中に取り出し、濾過し、濾液を凍結乾燥させて所望のポリマーを得る。
【0162】
実施例9:本明細書で開示される生物適合性・生分解性ポリマーの合成
スキームVは、生物適合性・生分解性ポリ(GVGVP)ポリマーの合成を概説する。
【0163】
【化32-1】
【0164】
【化32-2】
ステップ1:PLG−NHSの調製
シングルネックの反応フラスコに、HO−PLG−COOHを5.00g(MW3200、1.56mmolの−COOH基)、EDC−HClを2.995g(MW191.7、15.6mmole)、N−ヒドロキシスクシニミドを1.798g(MW115.09、15.62mmol)、及びクロロホルム25mLを加えた。該固体をゆっくりと溶解させた。澄んだ溶液を室温で21時間撹拌した。高真空の下で約15mLのクロロホルムを除去することによって反応混合物を濃縮した。約10mLのクロロホルムが該フラスコ内に残った。これに、メタノール100mLを加えた。生成物が沈殿した。混合物を2時間撹拌した。フレッシュなメタノール50mLを加えた後で上澄み液を移した。該混合物を夜通し撹拌した。その上澄み液を移した。該フラスコ内の固体を高真空の下で60℃で乾燥させた。4.15gの生成物PLG−NHSが得られた。H NMRは、分子量が3200Daであることを示す。
【0165】
予言的ステップ2:PLG−GVGVP共役物(conjugate)の調製
フラスコに、GVGVP(MW10k、4x10−5モル)を0.4g、PLG−NHS(MW3200、NMRにより測定、4x10−4モル)を1.28g、及び無水DMSO2mLを加える。澄んだ反応混合物を18時間撹拌する。この反応混合物に酢酸エチル22mLを加える。生成物の沈殿がすぐに起こるはずである。反応混合物をファルコン管(falcon tube)に移し、固体生成物を分離するために2000rpmで20分間遠心分離する。上澄み液を移し、フレッシュな酢酸エチル10mLを加え遠心分離する。上澄み液を移した後で、固体生成物を回収し、高真空の下で60℃で3時間乾燥させる。
【0166】
予言的ステップ3:PLG−GVGVPの縮重合
フラスコに、PLG−GVGVPを0.52g、ジイソプロピルカルボジイミド(4×10−5モル)を62.μl、ジメチルアミノピリジンを47mg(3.84×10−5モル)、及び無水DMSO20mLを加える。反応混合物を室温で44時間撹拌する。反応混合物に酢酸エチル200mLを加える。反応混合物をファルコン管に移し、固体生成物を分離するために2000rpmで20分間遠心分離する。上澄み液を移し、フレッシュな酢酸エチル10mLを加える。混合物を30分間撹拌する。混合物を再び遠心分離した後上澄み液を移す。管からの固体生成物を高真空の下で夜通し乾燥させる。
【0167】
予言的実施例10:パクリタキセル又はラパマイシンでコーティングされたステント
開示された生物適合性・生分解性ポリマーを、生物活性剤が加えられる適切な溶媒中に溶解させることができる。該薬剤は、溶解させ又は分散させることができる。例はパクリタキセル又はラパマイシンを含む。例えば、溶液は、溶媒中に1〜5wt%のポリマーを含有するように調製する。この溶液に1〜5wt%のパクリタキセル(薬剤とポリマーとの組み合わされた総重量に基づいて)を加える。代替的に、ほぼ20〜30wt%のラパマイシンを該ポリマー溶液に加えることができる(薬剤とポリマーとの組み合わされた総重量に基づいて)。心臓ステントを、薬剤を含有するポリマー溶液の中に浸漬し、次いで取り出す。溶媒を蒸発させるために適切な温度及び圧力条件の下での蒸発によって溶媒を乾燥させて、薬剤を含有するポリマー・フィルム・コーティングを残す。その結果、薬剤溶出ポリマーでコーティングされたステントが得られる。代替的に、該薬剤溶出ポリマーでコーティングされたステントを用意するために、該薬剤−ポリマー溶液をステント上に噴霧被覆してもよい。
【0168】
予言的実施例11:酢酸ゴセレリンの組み入れ
開示された生物適合性・生分解性ポリマーを適切な有機溶媒系に溶解させることができる。この溶液に5wt%酢酸ゴセレリン(生物活性ペプチド)を加える。このポリマー溶液を高剪断混合の下で乳化させて2wt%のポリビニルアルコールを含有する水性溶液にする。結果として得られる水中油型懸濁液を、次いで、液滴から有機溶媒を抽出するために付加的な水で希釈し、それにより薬剤を含有するポリマー微粒子を形成する。これらの粒子は、濾過により捕集し、洗浄し、乾燥して、生分解性の薬剤を含有する微粒子を形成する。
【0169】
予言的実施例12:リスペリドンの組み入れ
乾燥粉末の形態の開示された生物適合性・生分解性ポリマーを乾燥薬剤粉末と混合して薬剤とポリマーとの乾燥配合物を形成することができる。例えば、リスペリドンを5wt%のレベルで本発明のポリマーの中に配合する。この配合物を、次いで、直径1mmの押出しロッドの形態に押し出し、次いで、1.5cmの長さに切断して押出しロッド・インプラントの個々の剤形に形成する。
【0170】
予言的実施例13:細いフィラメントの調製
開示された生物適合性・生分解性ポリマーは、押し出して細いフィラメント(直径ほぼ75〜100マイクロメートル)にすることができる。このフィラメントは、次いで、ガーゼ状の布を準備するために織る。この布は、次いで、創傷被覆パッチとして用いられる所望のサイズに切断する。代替的に、該細いフィラメントは、厚さほぼ0.5mmの織られていないフェルトを準備するために用いられる。このフェルトは、医療/外科的空間充填パッキング材料として用いられる所望のサイズに切断する。代替的に、該細いフィラメントは、フィラメント内に適切な量の生物活性剤(例えば、2〜5wt%の局所麻酔薬又は1〜5wt%の非ステロイド系抗炎症薬)を含有するように調製する。このフィラメントは、次いで、種々の医療又は外科的用途のための織られた又は織られていない布を準備するために用いる。
【0171】
【表11-1】
【0172】
【表11-2】
【配列表】
[この文献には参照ファイルがあります.J-PlatPatにて入手可能です(IP Forceでは現在のところ参照ファイルは掲載していません)]
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