【実施例】
【0103】
(実施例1)
(導入)
関節炎におけるIL−3の役割を分析した。最近、IgEに対する抗体による好塩基球の活性化によるコラーゲン関節炎の顕著な悪化が観察された。好塩基球は、表層IgEの架橋構造だけでなく、他の因子、特にIL−3によっても活性化され得る。好塩基球は、IL−4だけでなく、関節炎促進性のサイトカインIL−6をも放出する(下記参照)。培養物において、IL−3濃度が極めて低くても、マウスの好塩基球からのIL−6の顕著な放出を誘導し、好塩基球の生存を長期化させる(下記参照)。DBA/1マウスでのコラーゲン関節炎モデルにおいて、疾患の様々な段階での足におけるIL−3の発現を分析し、滑膜組織における好塩基球およびマスト細胞の数を定量し、かつ、IL−3の遮断または投与が疾患の発症率および活動性に与える影響を調査した。加えて、関節炎における疾患段階に特異的なIL−3の放出の理解を深めるために、生体外(in vitro)でのT細胞からのIL−3の放出の制御を調査した。
【0104】
(材料および方法)
(コラーゲン関節炎の誘発−マウスの処置)
以下の方法でオスDBA/1マウスに関節炎を発症させた。0日目の検体に、完全フロイントアジュバンド条件下、100−200μgのウシコラーゲンII型(シグマ社、C1188)を、尾基部に回の皮内/皮下注射、21日目の検体に、アジュバンドなしでの、100−200μgのコラーゲンII型の腹腔内注射による再投与。臨床上の関節炎スコアを、盲検方式で以下のように評価した:0、通常;1、1つの関節での腫脹;2、複数の関節での腫脹;3、足全体の腫脹;4、変形および/または強直。
図2および3に示す実験のために、検体動物を、35μgのブロッキング抗IL−3抗体(クローン MP2−8F8、バイオゾル社、ドイツ)、または精製ラットIgG(シグマ−アルドリッチ社)を1日ごとに腹腔内注射による処置を施した。検体のマウスは、37日目に屠殺した。
図4に示す実験のために、個々のマウスの関節炎スコアが少なくとも2となったときに、50μgの抗IL−3抗体または精製ラットIgGを用いた毎日の腹腔内処置を開始した。処置は7日間継続した。
図5に示す実験のために、20−30日目のマウスに、100ngのIL−3(ペプロテック社)またはPBSの、1日2回の腹腔内注射の処置を施した。臨床上の関節炎スコアを、盲検方式で以下のように評価した:0、通常;1、1つの関節での腫脹;2、複数の関節での腫脹;3、足全体の腫脹;4、変形および/または強直。動物実験は、バイエルン政府の法規(Az.55.2−1−54−2531−109−05)に従って行った。
【0105】
(滑膜組織の調製−サイトカインおよび浸潤細胞の定量)
足首関節から足を切断し、炎症を生じた足から皮膚を除去し、残りの組織を、500μL/1000μLの量のPBS中に、外科用メスを用いて注意深く取り出した。遅滞なく、試料を400×gで10分間遠心分離した。上澄みを直ちに凍結させ、サイトカインのELISAに用いた。滑膜組織を、コラゲナーゼI(シグマ社)により37℃、20分間で消化し、単細胞浮遊液を得て、FACS分析に用いた。
【0106】
(組織学的分析)
後足を、3.7%ホルマリンで24時間固定し、RDO高速脱灰器(メディツ ゲーエムベーハー、ドイツ)を用いて脱灰し、パラフィンに包埋した。少なくとも10個の、足根中足関節の5μmの厚さの部分をHEで染色し、全ての分類:滑膜炎(1、限局的な炎症性浸潤;2、細胞組織学的に支配的な炎症性浸潤)、滑膜の過形成(1、連続的であり、1つの関節に少なくとも三層の厚い滑膜表層;2、連続的であり、複数の関節に少なくとも三層の厚い滑膜表層)、パンヌス形成および軟骨喪失(1、パンヌスにより部分的に覆われた軟骨、軟骨喪失なし;2、軟骨喪失あり)、および骨破壊(1、小範囲の骨破壊;2、広範囲の骨破壊)について、0(通常)から2までのスケールで、盲検方式で評価した。
【0107】
(フローサイトメトリー、ELISA、サイトカイン)
フローサイトメトリーまたは磁気細胞分離のために、以下の抗体を使用した:フルオレセインイソチオシアネート−抗CD45(LCA;30−F11)、アロフィコシアニン−抗CD45(LCA;30−F11)、フルオレセインイソチオシアネート−抗CD11b(M1/70)、フィコエリトリン−抗CD11b(M1/70)、Fc−ブロック(2.4G2)、フィコエリトリン−抗CD19(1D3)、アロフィコシアニン−抗GR−1(RB6−8C5)、アロフィコシアニン−抗CD4(RM4−5)、フィコエリトリン−抗c−kit(2B8)、フルオレセインイソチオシアネート−抗IgE(R35−72)、フィコエリトリン−抗IL−3(MP2−8F8)、フルオレセインイソチオシアネート−およびフィコエリトリン−標識アイソトープコントロール(全てBDバイオサイエンス社)、アロフィコシアニン−抗CD49b(DX5;ミルテニー社)。未固定の細胞を、Fc−ブロック(5μg/mL)と共に15分間氷冷し、その後、直接標識化された抗体と組み合わせて45分間氷冷した。3回洗浄した後、赤血球をFACS−溶解液(BDバイオサイエンス社)で溶解させ、試料をFACSCalibur(BDバイオサイエンス社)で分析した。細胞内IL−3の定量化のために、細胞をまずアロフィコシアニン−抗CD4で、その後、製造業者の指示に従ってFix−PermおよびPerm−洗浄溶液(BDバイオサイエンス社)を用いて処理し、そしてIL−3に対するPE−標識化抗体で染色した。
【0108】
IL−3、IL−4およびIL−6を、BDバイオサイエンス社から市販されているELISAキットを用いて測定した。IL−1β、IFN−γ、TNF−α、GM−CSFおよびIL−17を、R&D−システムズ社からのELISAキット(Quantikine)を用いて測定した。コラーゲンに対する抗体をELISAにより定量化した。コラーゲン(20μg/mL)をELISAプレート上に終夜でコートした。図中の凡例に示すように、血漿試料をPBS/3%BSA中に希釈した。
【0109】
コラーゲンに結合した免疫グロブリンを、HRP標識化ポリクローナルウサギ−抗マウス抗体(P260、ダコ社)、またはマウスIgGI(クローン LO−MG1−2、セロテック)またはマウスIgG2a(クローン R19−15、BDファーミンゲン社)に対して特異的なHRP−標識化モノクローナル抗体を用いて検出した。
【0110】
マウスのサイトカインIL−3、IL−4およびIL−6をプロテック社から得た。
【0111】
(細胞の単離および培養)
コラーゲン関節炎に罹患したマウス由来の脾細胞から、B細胞およびCD4
+T細胞を、CD19およびCD4を標的とする磁気ビーズ(ミルテニー社)を用いて取り除いた。好塩基球、単球または好中球を、脾細胞のIgE、CD11bもしくはGR−1に対するフルオロクロム標識化抗体とのインキュベーション、およびその後のフルオロクロムを標的とする磁気ビーズとのインキュベーションにより、取り除いた。全脾細胞または特定の白血球サブセットを除去した脾細胞を、ウシコラーゲンII型を用いて、または用いることなく、96−ウェル平底プレート(2Mio細胞/200μL培地)中で3日間培養した。細胞培養の上清をELISAに用い、コラーゲン特異的なIL−3の放出を以下の通りに測定した:コラーゲンによるIL−3の放出−コラーゲンによらないIL−3の放出。
【0112】
CD4
+T細胞、B細胞および単球を、CD4、CD19およびCD11b(ミルテニー社)を標的とする磁気ビーズを用いて、C57BL/6またはTLR−4欠損型C3Hマウス(チャールス・リバー社)の脾細胞から単離した。単離した細胞の純度は、常時95%超であった。細胞を、96ウェル丸底プレートで、総量200μL培地/ウェル(RPMI−1640、10%ウシ胎児血清および1%ペニシリン/ストレプトマイシン添加)で、3日間培養した。ウェル当たりの細胞数は、各々の細胞タイプについて50,000とした。CD3およびCD28に対する抗体でコートされたビーズ(T細胞エキスパンダ・ビーズ、Dynal/インビトロジェン社)を、50,000ビーズ/ウェルの濃度で用いた。図示のように、以下の試薬が加えられる:CD3(0.5μg/mL、クローン2C11)、LPS(10μg/mL、シグマ社)、CpG−DNA(1μM、PG1668=TCCATGACGTTCCTGATGCT、TIBMolBiol社)、IL−4(10ng/mL)、IL−6(10ng/mL)に対する抗体。IL−3の濃度は、3日後の培養上清中でELISAにより測定した。IL−3の細胞内染色のために、CD4
+T細胞を、B細胞または単球の存在下で、α−CD3およびLPSにより3日間活性化した。PMA(10ng/mL)およびイオノマイシン(1μg/mL)を、培養の最後の4時間の間加え、ブレフェルジンA(5μg/mL)を、培養の最後の2.5時間の間加えた。
【0113】
好塩基球を、DX−5を標的とした磁気マイクロビーズおよびLS−カラム(ミルテニー社)を用いて、C57BL/6マウスの骨髄から濃縮した。好塩基球は、CD45の低発現およびDX−5の高発現により同定され、濃縮された細胞の約10%を構成した。好塩基球(1,100細胞/ウェル)を、様々な時間、96ウェル丸底プレート中で、総量200μLの培地/ウェル(RPMI−1640、10%ウシ胎児血清および1%ペニシリン/ストレプトマイシン添加)で、様々な濃度の組換えIL−3と共に培養した。IL−4およびIL−6の濃度を、細胞培養の上清中でELISAにより測定した。CD45およびDX−5に対する抗体を、ヨウ化プロピジウム(10μg/mL)およびビーズ計数(コールター社)と組み合わせることで、全ての細胞を染色した後、ウェル当たりの生存の好塩基球数を、各時点で、フローサイトメトリーにより定量化した。
【0114】
(統計)
エラーバーは、全図における平均値の標準誤差を示す。細胞培養実験は、三回行った。有意性を示すP値を、片側t−検定を用いて算出し、1つの星印(p<0.05)または2つの星印(p<0.01)を用いて示した。
【0115】
(結果)
(コラーゲン関節炎におけるIL−3および好塩基球)
我々はまず、IL−3が関節炎マウスの脾臓および滑膜組織中で産生されるかどうかを調査した。コラーゲンによる初回免疫後31日目に、我々は、全脾細胞または特定の白血球サブセットを除去した脾細胞を、コラーゲンにより再刺激し、コラーゲン不存在下でのIL−3の放出を差し引くことによってコラーゲン特異的なIL−3の放出を測定した。全脾細胞、またはCD19
+細胞(B細胞)、IgE
+細胞(好塩基球)もしくはGR−1
+細胞(主に好中球)を除去した脾細胞は、コラーゲンによる刺激の後、大量のIL−3を産生した。対照的に、CD4
+T細胞またはCD11b
+細胞(主に単球)の除去は、コラーゲン特異的なIL−3の放出を完全に停止させ、IL−3の産生が、CD4
+T細胞およびCD11b
+共刺激細胞(
図1a)の存在を両方とも必要とすることを示した。B細胞は、CD4
+T細胞によるIL−3の産生を補助するために必要とされず、単独では十分な効果を奏しない。B細胞不存在下でのIL−3の放出の増加は、分析に用いた多数のT細胞および単球により生じる。T細胞及び単球の数は、ウェル当たりの総白血球数を一定に保った上で、B細胞が脾臓中の白血球の50%超となるようにするために、多くしたものである。後足の滑膜組織中のサイトカインの産生を、コラーゲンによる初回免疫後36日目に測定した(
図1b)。このため、足を足首関節で切断し、皮膚を除去し、そして軟部組織を1mLのPBS中に全部取り出した。400×gで10分間遠心分離した後、上澄み中のサイトカインをELISAにより測定した。0−2のスコアを有する14の足および3−4のスコアを有する12の足を用いて、臨床上明らかな関節炎の程度に従って、試料とした足を、2つのグループに階層化した。予想したように、顕著な炎症を伴う足は、多量のIL−6およびIL−1β(それぞれ、683および619pg/mL)を有し、炎症を伴わないまたは低度の炎症を伴う足は、数倍低いIL−6およびIL−1β量(それぞれ、144および72pg/mL)を有した。TNF−αは、極めて少量でのみ検出可能であったが、3−4のスコアを有する足では増加した。対照的に、IL−3は、0−2のスコアの足では容易に検出可能だったが(66pg/mL)、重度の炎症を伴う足では大いに有意に減少した(14pg/mL)。IL−17、GM−CSFまたはIFN−γの局所レベルは、足の炎症の程度と相関しなかった(
図1b)。
【0116】
IL−3が、好塩基球からのヒスタミンおよびIL−4の放出を誘発し、促進することは公知である。我々は、IL−3それ自体も、培養中において、マウスの好塩基球からIL−6の高い放出を誘発して、単離した好塩基球の生存を顕著に長期化することを示す(
図1c)。IL−6の放出は、極めて低いIL−3濃度であっても観察される(約0.3ng/mLのIL−3で、最大半量の放出)。IL−3はまた、好塩基球からIL−4の放出を誘発し、ここで、IL−3の放出はIL−6の放出(データに示さず)より約3倍低かった。IL−3の不存在下では、培地中で4日間生存したのは、好塩基球の6%だけであったが、その一方で、IL−3の添加により好塩基球の生存が約60%に増加した(
図1c)。
【0117】
我々は、コラーゲン関節炎マウスの炎症を生じた足に、好塩基球およびマスト細胞が存在するかどうかをフローサイトメトリーにより分析した。炎症を生じた足由来の滑膜組織を、単細胞浮遊液を得るために、コラゲナーゼにより消化した。細胞を、IgE、c−kitおよびCD45に対する抗体で染色して、好塩基球(IgE
+、c−kit
−、CD45
low)およびマスト細胞(IgE
+、c−kit
+、CD45
+)を同定した。好塩基球は、炎症を生じた全ての足で、全ての浸潤したCD45
+白血球の約0.4%の頻度で明確に検出された一方で、マスト細胞は、いくつかの炎症を生じた足で、好塩基球より20倍低い頻度でわずかにしか見られなかった。大多数の浸潤細胞は、単球および好中球であり、それらはIL−3に対して応答性があることも公知である。
【0118】
(コラーゲン関節炎におけるIL−3の機能分析)
コラーゲン関節炎の初期型におけるIL−3の存在、およびIL−6またはIL−1などの炎症性サイトカインを放出することによってIL−3に対して応答することができる細胞(例えば、好塩基球および単球)の存在は、IL−3が関節炎の発症に関わっている可能性があることを示唆する。
【0119】
そのため、我々は、モノクローナル抗体によるIL−3の遮断が、200μgのコラーゲンII型を0および21日目に注射されたマウスにおいて、関節炎の発症率および重症度を向上させるかどうかを調べた。21−36日目の1つのグループのマウス(n=15)に、抗IL−3抗体(35μg/日)を腹腔内注射で1日ごとに投与し、その一方で、コントロールグループに、同じ用量および時間間隔でラットIgGを注射した。疾患発症の間のIL−3の遮断は、臨床上明らかな関節炎の重症度を、際立って有意に低減させた。37日目に、コントロール群の関節炎スコアの平均値は5.3であるが、投与群の関節炎スコアは1.9であった(
図2a)。また、関節炎の発症率は、37日目において約50%と大幅に低減された(
図2a)。37日目に、我々は、前足を用いて、滑膜組織に浸潤する細胞の分析、および回収した滑膜組織の上澄み(500μL/足)中のIL−6およびTNF−αの測定を行った。後足を組織学的評価のために用いた。前足の1試料あたりの、回収される単球の数、好塩基球の数およびCD11b
+細胞(単球および好中球を含む)の総数は、抗IL−3による処置を施したマウスにおいて、有意に低減された。また、回収した滑膜組織において測定したIL−6の量は、抗IL−3で処置したマウスにおいて有意に低減された(
図2b)。後足の組織学的分析は、滑膜増殖および骨破壊の程度が抗IL−3で処置したマウスにおいて有意に低減したことを示した。浸潤細胞の程度は、有意に低下し、抗IL−3で処置したマウスにおける軟骨破壊の低減(p=0.06)の傾向が見られた(
図3)。コラーゲンに対する抗体(IgG1およびIgG2a)の血漿力価は、37日目の抗IL−3で処置したマウスにおいて低減した(
図2c)。37日目の末梢血のFACS分析において、好中球および単球の頻度(
図2c)に有意な変化がみられず、好塩基球の頻度に軽度ではあるが有意な低減が見られた。
【0120】
これらのデータは、IL−3が、コラーゲン関節炎の誘発および初期増殖について重要な役割を果たすことを示す。
【0121】
我々は、IL−3の遮断により既に確立された関節炎の進行が低減するかを次に分析した。マウスを、200μgのコラーゲンII型で2回免疫し、関節炎の進行について毎日検査した。個々のマウスの関節炎スコアが少なくとも2になったときに、抗IL−3抗体(n=10、処置前の関節炎スコア2.6)またはコントロールIgG(n=10、処置前の関節炎スコア2.7)のいずれかを用いて、処置(50μgの抗体の毎日の腹腔内投与)を開始した。
図4に示すように、IL−3の遮断は、既に確立した関節炎の進行を低減させない。これらのデータは、IL−3が関節炎の進行後期には関与しないことを示す。これらのデータは、重度の炎症を伴う足における、IL−3の発現の低下と相関する(
図1参照)。
【0122】
我々はまた、疾患発症の間のIL−3の投与が関節炎の発症率および重症度を増大させ得るかどうかも調査した。マウスを、0日目および21日目に100μgのコラーゲンII型により免疫した。1つの群のマウス(n=21)を、20−30日目に、100ngのIL−3を1日2回の腹腔内注射により投与し、一方で、コントロール群(n=18)に、同量のPBSを注射した。疾患発症の間のIL−3の注射は、コラーゲン関節炎の発症率および重症度を有意に増大させた(
図5)。31日目(IL−3の最終接種の1日後)、IL−3で処置したマウスにおいて、コラーゲンに対する抗体の血漿力価が有意に増加し、末梢血好塩基球の数が2倍に増加し、IL−6の血漿濃度がほぼ5倍に増加することが示された。IL−3処置マウス群およびPBS処置マウス群の有意差は、37日目(IL−3の最終接種の7日後)に検出できなかったことから、好塩基球の増加およびIL−6の血漿濃度の増加は一時的であったといえる。これらのデータは、IL−3の有効性が、コラーゲンII型で免疫されたDBA/1マウスにおける疾患の発症および進行を制限することを示唆する。
【0123】
(CD4
+T細胞によるIL−3産生の制御)
活性化されたCD4
+T細胞は、IL−3の主要な発生源細胞であるとみられる。しかしながら、T細胞によるIL−3の分泌がどのように制御されるかは、ほとんど知られていない。したがって、我々はどの因子がIL−3産生を増加または減少させるのかを、生体外(in vitro)で調査した。CD3に対する可溶性抗体および補助細胞としてのB細胞による、精製CD4
+T細胞のポリクローナルな活性化は、IL−3の産生をほとんど生じない。CD11b
+単球が補助細胞として用いられた場合、可溶性のα−CD3により活性化されたCD4
+T細胞によるIL−3産生が、3倍超増加した(
図6a)。TLRのリガンドLPSおよびCpG−DNAの添加は、補助細胞であるB細胞または単球の存在下における、ポリクローナルに活性化されたCD4
+T細胞によるIL−3分泌を顕著に増加させた(
図6a)。α−CD3の不存在下におけるLPSまたはCpG DNAによるCD4
+T細胞および補助細胞の刺激は、検出可能なIL−3放出を生じなかった(図示せず)。ビーズに固定されたCD3およびCD28に対する抗体の組み合わせによるCD4
+T細胞の活性化は、補助細胞の存在またはLPSまたはCpG DNAによる刺激によらず、非常に多量のIL−3の放出を生じさせた(
図6a)。IL−3の産生は、CD4
+T細胞によるものでであって、B細胞または単球によるものでないということを実証するために、我々は、細胞内のIL−3量をフローサイトメトリーにより測定した(
図6b)。CD4
+T細胞を、LPSで刺激したB細胞またはLPSで刺激した単球の存在下、α−CD3と共に3日間培養した。IL−3の細胞内染色は、CD4
+T細胞においてのみ検出可能であり、CD4陰性のB細胞または単球においては検出できなかった。TLR−4欠損マウス(C3Hマウス)を用いて、我々は、どのようにLPSがIL−3の放出を向上させるかを更に詳細に分析した(
図6c)。補助細胞であるB細胞がLPSに応答することができない場合、CD4
+T細胞によるIL−3の放出の向上は検出できなかった。TLR−4欠損のCD4
+T細胞が用いられた場合、IL−3産生は減少するよりむしろ増加した。これらのデータは、LPSが補助細胞を刺激することによってCD4
+T細胞によるIL−3放出を増大させ、かつ、CD4
+T細胞に対して提供される共刺激のレベルがIL−3の発現に決定的に影響することを示す。
【0124】
IL−3の量が重度の関節炎を伴う足で低く抑えられるという我々の発見に基づいて、我々は、炎症を生じた関節中に高濃度で存在するサイトカインが、活性化されたCD4
+T細胞によるIL−3発現を低減させることができるかどうか調査した。この目的のために、CD4
+T細胞を、様々なサイトカイン(IL−6、IL−4、IL−1β、TNF−α、MIP−2)の存在下で活性化した。IL−1β、TNF−αまたはMIP−2の添加は、IL−3の放出に、影響を及ぼさなかった(図示せず)。しかしながら、IL−6またはIL−4の添加は、T細胞活性化のために用いられる共刺激因子(非刺激の単球、LPSで刺激したB細胞または単球、および抗CD3/28被覆ビーズ)によらず、活性化されたCD4
+T細胞によるIL−3の放出を有意に低減させた(
図6d−e)。IL−6およびIL−4の組み合わせは、相乗的であり、IL−3産生(
図6d、e)を極めて顕著に遮断した。IL−6およびIL−4はまた、抗CD3/28被覆ビーズのみにより活性化されたCD4
+T細胞からのIL−3の分泌を低減し、IL−6およびIL−4が、CD4
+T細胞に対して作用し、補助細胞に作用しないことを示唆した。
【0125】
(考察)
この試験において、我々は、IL−3が後期相ではなく初期相のコラーゲン関節炎の発達に寄与する重要な因子であることを明らかにする。関節炎の発症の間の、モノクローナル抗体によるIL−3の遮断は、臨床上および組織学上の関節炎の徴候および浸潤細胞数を顕著に低減させたが、確立した関節炎を伴うマウスにおけるIL−3の遮断は全く効果がなかった。IL−3の投与が関節炎の重症度および発症率を顕著に増大させたため、関節炎の初期相では、IL−3の有効性が疾患限定因子と見られる。IL−3は、脾臓中のCD4
+T細胞により全身的に、かつ滑膜組織中の細胞により局所的に産生され、全身的に、かつ関節内で局所的に作用することによって、初期の関節炎を悪化させ得る。IL−3の遮断は、α−IL−3治療の終了時に測定される、末梢血中の好塩基球数の有意な低減、およびコラーゲンに対する抗体の血漿力価の低減を生じた。我々は最近、活性化された好塩基球が、液性記憶免疫応答の発達に大いに寄与することを明らかにした。活性化された好塩基球は、可溶性因子(主にIL−6)を放出し、B細胞の増殖およびその生体外および生体内における血漿細胞への分化を促進する細胞間接着依存性因子を供給する(22)。IL−3は、末梢血中の好塩基球数を増大させること、好塩基球を活性化させること、およびコラーゲンに対する抗体の血漿力価を増大させることによって、初期の関節炎を悪化させると推測される。我々は、IL−3が非常に強力な好塩基球の活性化因子であり、生体外での好塩基球の生存を顕著に長期化すること、および生体内のIL−3の投与が、コラーゲンに対する抗体の血漿レベルを高め、末梢血中の好塩基球数を2倍に高め、血漿中のIL−6量を5倍に高めることを明らかにする。しかしながら、IL−3は、関節炎の発達に寄与し得るいくつかの他の標的細胞(例えば、導入で詳述した単球および樹状細胞)も有していることに留意されたい。全身的効果とは別に、IL−3は関節中の局所的な効果を有し得る。IL−3は、軽度の炎症が生じた関節(スコア0−2)で容易に検出可能であるが、重度の炎症が生じた関節(スコア3−4)では低量に抑えられる。関節中には、やはり、IL−3についてのいくつかの潜在的な標的細胞が存在する。IL−3は、単球からのIL−1の放出を増大させることができ、破骨細胞の発達を誘発させることができる(14、17)。我々は、コラーゲン関節炎マウスの関節中の好塩基球およびマスト細胞の存在をより詳細に分析し、関節炎マウスの炎症が生じた滑膜組織中の好塩基球数の増加(約0.4%の総浸潤白血球)を見出したが、一方でマスト細胞をほとんど検出しなかった。様々な関節炎モデル、および異なった種のマスト細胞欠損マウスにおける矛盾した結果のため、関節炎の発達に対するマスト細胞の役割は、現在のところ明らかでない(23−25)。我々のデータは、IL−3の関節炎促進性の効果が、好塩基球の活性化により部分的に仲介され、いずれも好塩基球を活性化することが知られている、抗IgEまたは抗CCR2抗体の投与による関節炎の悪化を示す以前のデータと一致することを示唆する(26、27)。
【0126】
滑膜組織中のIL−3の発現が、関節炎の重症度と負に相関する理由、およびIL−3の発現が制御される機序について理解を深めるために、我々は、IL−3の主要な細胞性の源と考えられているCD4
+T細胞を用いた生体外(in vitro)の分析を行った。プロモータ解析およびシクロスポリンAによる抑制は別として、T細胞によるIL−3産生の制御について入手可能なデータが非常に限られている(28)。IL−3の発現は、TH1およびTH2細胞の両方で見られる(29)。我々は、CD4
+T細胞によるIL−3産生が、CD4
+T細胞に提供される共刺激レベルに依存することを示す。新たに単離されたB細胞の存在下では、α−CD3によるCD4
+T細胞の活性化は、IL−3の発現をほとんど生じさせないが、単球またはB細胞、およびTLR−4またはTLR−9に対するリガンドにより活性化した単球の存在は、CD4
+T細胞によるIL−3産生を顕著に増加させた。細胞内サイトカイン染色およびTLR−4欠損C3Hマウス由来の細胞を用いて、我々は、LPSが、T細胞に対して直接的にではなくB細胞に対して作用することによって、CD4
+T細胞中のIL−3産生を増加させることを示す。LPSがコラーゲン関節炎を悪化させるのに対して、TLR−4の遮断はコラーゲン関節炎を改善することは公知である(30、31)。我々はまた、炎症が生じた関節中に存在する炎症促進性サイトカインが、ポリクローナルに活性化されたCD4
+T細胞によるIL−3の分泌をどのように変容させるかを分析し、IL−1β、TNF−αまたはMIP−2ではなく、IL−6およびIL−4が、CD4
+T細胞によるIL−3発現を減少させることを見出した。IL−4およびIL−6の組み合わせにより、単球、またはLPS刺激したB細胞および単球により誘発されるIL−3産生がほぼ完全に妨げられた。好塩基球は、大量のIL−4およびIL−6を産生するため、好塩基球の活性化とT細胞によるIL−3産生との間に負のフィードバックの関係を想定できる。全脾細胞および特定の白血球サブセットを除去した脾細胞のコラーゲンII型による再刺激は、IL−3がほぼ専らCD4
+T細胞により産生され、抗原を提示するCD11b
+単球の存在を必要とすることを裏付けた。B細胞は、単球の不存在下では、CD4
+T細胞によるIL−3産生を補助しない。
【0127】
要約すると、我々のデータは、IL−3がコラーゲン関節炎の発達に関わっており、関節リウマチの初期型について、または維持療法における再燃の防止についての新規な治療標的であることを証明した。
【0128】
(実施例2)
滑液中または血漿中のIL−3の存在は、関節リウマチの活性化型についての指標であることが見いだされた。このことは、以下の試験で示される。IL−3が関節炎患者の滑液または血漿中で検出可能かどうかを分析するために、関節炎の症状を伴いリウマチ専門家の元を訪れた、21人の患者を試験した。これらの患者から、標準的な方法により血漿を入手した。更に、関節穿刺により滑液を入手して、遠心分離の後、試験のために用いた。
【0129】
血漿および滑液の両方におけるIL−3の測定のために、ELISA試験を用いた。結果を
図7に示す。図示のように、活動性関節リウマチと診断された8人の患者中6人において、IL−3が血漿または滑液中で見られた。非活動性RAと診断された患者においても、他のタイプの関節炎を伴う患者においても、IL−3を検出することができなかった。
【0130】
患者は、以下の試験により、関節リウマチ、または他のタイプの関節炎、すなわち、シェーグレン症候群、骨関節症、スチル病または脊椎関節炎と診断された。血漿中のC反応性蛋白(CRP)量および滑液中の白血球数を、活動性および非活動性関節炎について定めた。活動性RAの指標を、CRP>20mg/l、または滑液中の白血球数>10000/μLと定義した。従って、14人の患者が関節リウマチと診断され、そのうち8人は、活動性関節リウマチを伴うことが見いだされ、かつ7人の患者は、他のタイプの関節炎と診断された。活動性関節リウマチを伴うその患者では、血漿または滑液中のIL−3量は、平均9.5pg/mL、標準偏差±3.3であった。
【0131】
これらのデータは、IL−3が活動型の関節リウマチに苦しむ患者にのみ存在することを示す。これらの場合、患者を、疾患を軽減するかまたは治療する、IL−3の遮断により治療することができる。検出可能なIL−3量を呈しない患者は、本発明のIL−3阻害剤により治療することができない。
【0132】
(参考文献)
1.Miyajima A, Kitamura T, Harada N, Yokota T, Arai K. Cytokine receptors and signal transduction. Annu. Rev. Immunol. 1992;10:295−331.
2.Hara T, Miyajima A. Two distinct functional high affinity receptors for mouse interleukin−3 (IL−3). Embo J. 1992; 11 (5): 1875−84.
3.Lantz CS, Boesiger J, Song CH, Mach N, Kobayashi T, Mulligan RC, et al. Role for interleukin−3 in mast−cell and basophil development and in immunity to parasites. Nature. 1998;392(6671): 90−3.
4.Ihle JN, Keller J, Oroszlan S, Henderson LE, Copeland TD, Fitch F, et al. Biologic properties of homogeneous interleukin 3. I. Demonstration of WEHI−3 growth factor activity, mast cell growth factor activity, p cell−stimulating factor activity, colony−stimulating factor activity, and histamine−producing cell− stimulating factor activity. J. Immunol. 1983;131 (1): 282−7.
5.Kirshenbaum AS, Goff JP, Dreskin SC, Irani AM, Schwartz LB, Metcalfe DD. IL−3−dependent growth of basophil−like cells and mastlike cells from human bone marrow. J. Immunol. 1989;142(7): 2424−9.
6.Valent P, Schmidt G, Besemer J, Mayer P, Zenke G, Liehl E, et al. Interleukin− 3 is a differentiation factor for human basophils. Blood. 1989;73(7): 1763−9.
7.Dvorak AM, Seder RA, Paul WE, Morgan ES, Galli SJ. Effects of interleukin−3 with or without the c−kit ligand, stem cell factor, on the survival and cytoplasmic granule formation of mouse basophils and mast cells in vitro. Am. J. Pathol. 1994;144(1): 160−70.
8.Haak−Frendscho M, Arai N, Arai K, Baeza ML, Finn A, Kaplan AP. Human recombinant granulocyte−macrophage colony−stimulating factor and interleukin 3 cause basophil histamine release. J. Clin. Invest. 1988;82(1): 17−20.
9.MacDonald SM, Schleimer RP, Kagey−Sobotka A, Gillis S, Lichtenstein LM. Recombinant IL−3 induces histamine release from human basophils. J. Immunol. 1989;142(10): 3527−32.
10.Kurimoto Y, de Week AL, Dahinden CA. Interleukin 3−dependent mediator release in basophils triggered by C5a. J. Exp. Med. 1989;170(2): 467−79.
11.Le Gros G, Ben−Sasson SZ, Conrad DH, Clark−Lewis I, Finkelman FD, Plaut M, et al. IL−3 promotes production of IL−4 by splenic non−B, non−T cells in response to Fc receptor cross−linkage. J. Immunol. 1990;145(8): 2500−6.
12.Yoshimoto T, Tsutsui H, Tominaga K, Hoshino K, Okamura H, Akira S, et al. IL−18, although antiallergic when administered with IL−12, stimulates IL−4 and histamine release by basophils. Proc. Natl. Acad. Sci. U S A. 1999:96(24): 13962−6.
13.Frendl G, Beller Dl. Regulation of macrophage activation by IL−3. I. IL−3 functions as a macrophage−activating factor with unique properties, inducing Ia and lymphocyte function−associated antigen−1 but not cytotoxicity. J. Immunol. 1990;144(9): 3392−9.
14.Frendl G, Fenton MJ, Beller Dl. Regulation of macrophage activation by IL−3. II. IL−3 and lipopolysaccharide act synergistically in the regulation of IL−1 expression. J. Immunol. 1990;144(9): 3400−10.
15.Buelens C, Bartholome EJ, Amraoui Z, Boutriaux M, Salmon I, Thielemans K, et al. lnterleukin−3 and interferon beta cooperate to induce differentiation of monocytes into dendritic cells with potent helper T−cell stimulatory properties. Blood. 2002;99(3): 993−8.
16.Ebner S, Hofer S, Nguyen VA, Furhapter C, Herold M, Fritsch P, et al. A novel role for IL−3: human monocytes cultured in the presence of IL−3 and IL−4 differentiate into dendritic cells that produce less IL−12 and shift Th cell responses toward a Th2 cytokine pattern. J. Immunol. 2002;168(12): 6199−207.
17.Barton BE, Mayer R. IL−3 induces differentiation of bone marrow precursor cells to osteoclast−like cells. J. Immunol. 1989;143(10): 3211−6.
18.Toyosaki−Maeda T, Takano H, Tomita T, Tsuruta Y, Maeda−Tanimura M, Shimaoka Y, et al. Differentiation of monocytes into multinucleated giant bone− resorbing cells: two−step differentiation induced by nurse−like cells and cytokines. Arthritis Res. 2001 ;3(5): 306−10.
19.Firestein GS, Xu WD, Townsend K, Broide D, Alvaro−Gracia J, Glasebrook A, et al. Cytokines in chronic inflammatory arthritis. I. Failure to detect T cell lymphokines (interleukin 2 and interleukin 3) and presence of macrophage colony− stimulating factor (CSF−1) and a novel mast cell growth factor in rheumatoid synovitis. J. Exp. Med. 1988; 168(5): 1573−86.
20.Alvaro−Gracia JM, Zvaifler NJ, Firestein GS. Cytokines in chronic inflammatory arthritis. V. Mutual antagonism between interferon−gamma and tumor necrosis factor−alpha on HLA−DR expression, proliferation, collagenase production, and granulocyte macrophage colony−stimulating factor production by rheumatoid arthritis synoviocytes. J. Clin. Invest. 1990;86(6): 1790−8.
21.Yamada R, Tanaka T, Unoki M, Nagai T, Sawada T, Ohnishi Y, et al. Association between a single−nucleotide polymorphism in the promoter of the human interleukin−3 gene and rheumatoid arthritis in Japanese patients, and maximumLikelihood estimation of combinatorial effect that two genetic loci have on susceptibility to the disease. Am. J. Hum. Genet. 2001 ;68(3): 674−85.
22.Denzel A, Maus UA, Gomez MR, Moll C, Niedermeier M, Winter C, et al. Basophils enhance immunological memory responses. Nat. Immunol. 2008;9(7): 733−42.
23.Lee DM, Friend DS, Gurish MF, Benoist C, Mathis D1 Brenner MB. Mast cells: a cellular link between autoantibodies and inflammatory arthritis. Science. 2002;297(5587): 1689−92.
24.Nigrovic PA, Binstadt BA, Monach PA, Johnsen A, Gurish M, Iwakura Y, et al. Mast cells contribute to initiation of autoantibody−mediated arthritis via IL−1. Proc. Natl. Acad. Sci. U S A. 2007;104(7): 2325−30.
25.Zhou JS, Xing W, Friend DS, Austen KF, Katz HR. Mast cell deficiency in Kit(W−sh) mice does not impair antibody−mediated arthritis. J. Exp. Med. 2007;204(12): 2797−802.
26.Bruhl H, Cihak J, Plachy J, Kunz−Schughart L, Niedermeier M, Denzel A, et al. Targeting of Gr−1+,CCR2+ monocytes in collagen−induced arthritis. Arthritis Rheum. 2007;56(9): 2975−85.
27.Bruhl H, Cihak J, Schneider MA, Plachy J, Rupp T, Wenzel I1 et al. Dual role of CCR2 during initiation and progression of collagen−induced arthritis: evidence for regulatory activity of CCR2+ T cells. J. Immunol. 2004;172(2): 890−8.
28.Hawwari A, Burrows J, Vadas MA, Cockerill PN. The human IL−3 locus is regulated cooperatively by two NFAT−dependent enhancers that have distinct tissue−specific activities. J. Immunol. 2002; 169(4): 1876−86.
29.Stevens TL, Bossie A, Sanders VM, Fernandez−Botran R, Coffman RL, Mosmann TR, et al. Regulation of antibody isotype secretion by subsets of antigen− specific helper T cells. Nature. 1988;334(6179): 255−8.
30.Yoshino S, Sasatomi E, Mori Y, Sagai M. Oral administration of lipopolysaccharide exacerbates collagen−induced arthritis in mice. J. Immunol. 1999; 163(6): 3417−22.
31.Abdollahi−Roodsaz S, Joosten LA, Roelofs MF, Radstake TR, Matera G, Popa C, et al. Inhibition of Toll−like receptor 4 breaks the inflammatory loop in autoimmune destructive arthritis. Arthritis Rheum. 2007;56(9): 2957−67.
32.Emanuel PD, Peiper SC, Chen Z, Sheng DC, Zuckerman KS. Specific inhibition of interleukin 3 bioactivity by a monoclonal antibody reactive with hematopoietic progenitor cells. Proc Natl Acad Sci U S A. 1990 Jun;87(12): 4449−52.
33.Sun Q, Woodcock JM, Rapoport A, Stomski FC, Korpelainen El, Bagley CJ, Goodall GJ, Smith WB, Gamble JR, Vadas MA, Lopez AF. Monoclonal antibody 7G3 recognizes the N−terminal domain of the human interleukin−3 (IL−3) receptor alpha−chain and functions as a specific IL−3 receptor antagonist. Blood. 1996 Jan 1 ;87(1): 83−92.
34.Watanabe Y, Kitamura T, Hayashida K, Miyajima A. Monoclonal antibody against the common beta subunit (beta c) of the human interleukin−3 (IL−3), IL− 5, and granulocyte−macrophage colony−stimulating factor receptors shows upregulation of beta c by IL−1 and tumor necrosis factor−alpha. Blood. 1992 Nov 1 ;80(9): 2215−20.
35.Morel PA, Schreurs J, Townsend K1 Gross M, Chiller JM, Tweardy DJ. Identification of a novel protein capable of interacting with the IL−3 receptor. J Immunol. 1991 Apr 1 ;146(7): 2295−304.
36.Ellington AD, Szostak JW: In vitro selection of RNA molecules that bind specific ligands. Nature 1990, 346:818−822.
37.Tuerk C, Gold L: Systematic evolution of ligands by exponential enrichment: RNA ligands to bacteriophage T4 DNA polymerase. Science 1990, 249:505−510.
38.Klussmann S, Nolte A, Bald R, Erdmann VA1 Furste JP: Mirror−image RNA that binds D−adenosine. Nat Biotechnol 1996, 14:1112−1115.