(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記連結部材は、前記支柱挿入孔の周縁部に設置される中間部材であって、前記支柱を貫通させるとともに前記支柱挿入孔と連通する貫通孔を有する中間部材を備えることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の照明器具。
【発明を実施するための形態】
【0010】
実施の形態1.
図1は、本実施の形態1に係る照明器具100を用いたスポットライト300の斜視図である。
図2は、本実施の形態1に係る照明器具100を用いたスポットライト300の2面図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。
図3は、本実施の形態1に係る照明器具100を用いたスポットライト300の分解斜視図である。
図1〜
図3を用いて、照明器具100を用いたスポットライト300の全体構成について説明する。
【0011】
図1〜
図3に示すように、スポットライト300は、灯具である照明器具100、照明器具100に電源を供給する電源ユニット190、電源ユニット190と照明器具100を連結するアーム部170を備える。電源ユニット190は、スポットライト300をダクトレール等に取り付けるためのダクトプラグ180を上面に備える。アーム部170は、コ字形状であり、中央部が電源ユニット190に固定され、両側の端部が照明器具100の両側部に固定される。アーム部170は、電源ユニット190に照明器具100を吊り下げるように電源ユニット190と照明器具100とを連結する。
【0012】
照明器具100は、本体120、LED光源部130、レンズ140、アダプタ150、レンズホルダ160、取付ネジ161を備える。
【0013】
本体120は、LED光源部130からの発熱を放熱するためにアルミダイカスト等の熱伝導率の高い材料で形成されている。LED光源部130及びレンズ140は、本体120の内部に配置され、レンズホルダ160及び取付ネジ161により固定される。
【0014】
LED光源部130は、発光面133にLED131(光源)を実装する光源基板134を備える。また、発光面133には位置決め孔132(凹部)を備える。位置決め孔132の機能については後述する。
【0015】
レンズ140は、光源基板134の発光面133側(発光方向側)に配置される。以下において、説明の便利のため、発光方向側を前側あるいは表側、前側の反対側を後側あるいは裏側(発光方向の反対側)と呼ぶ場合もある。
【0016】
レンズ140は、アクリルなどの透過性のよい透明樹脂で形成されているが、耐熱性が低いためLED光源部130による発熱から保護する必要がある。レンズ140は、LED光源部130側(裏側)の面のLED131に対応する位置に、LED131から広がるように略円錐形に形成された配光レンズ141を備える。
【0017】
また、レンズ140は、LED光源部130側(裏側)の面に、光源基板134の方向へ延びる支柱142を有する。支柱142は、光源基板134の発光面133に設けられた位置決め孔132に対応する位置に設けられる。
図3に示すように、光源基板134は、発光面133に3つの位置決め孔132を備える。また、レンズ140は、3つの位置決め孔132に対応する位置に3つの支柱142を備える(図示なし)。支柱142は、レンズ140と一体成形された構成部である。
【0018】
アダプタ150(連結部材)は、位置決め孔132(凹部)に嵌め込まれる凸部(
図6参照)を備えるとともに、支柱142の先端部142a(
図6参照)を挿入する支柱挿入孔153(
図7参照)を備える。アダプタ150(連結部材)は、レンズ140の支柱142とLED光源部130の位置決め孔132との間に配置される。アダプタ150は、熱に強い材料で形成され、例えば、ポリカーボネートやセラミックなどで形成される。
【0019】
レンズホルダ160は、本体120の内部に配置されたレンズ140及びLED光源部130を押さえた状態で、取付ネジ161を用いて本体120に固定される。
【0020】
図4は、
図2(a)のA−A一部断面図である。
図5は、照明器具100の部分拡大図である。
図6は、
図5のB部拡大図である。
図7は、本実施の形態1に係るアダプタ150の2面図である。
図4〜
図7を用いて、レンズ140と光源基板134との連結(取付)構造について説明する。
【0021】
図4、
図5に示すように、レンズ140は、光源基板134側の面(以下、レンズ裏面とする)に、略円錐形状の配光レンズ141を備える。配光レンズ141は、円錐形状の頂点部分にLED131が位置するように配置される(
図5参照)。1つのLED131に対して、1つの配光レンズ141が配置される。
【0022】
レンズ140は、レンズ裏面から突出する支柱142を備える。支柱142を光源基板134の備える位置決め孔132に挿入することにより、レンズ140の位置決めをする。支柱142は、レンズ裏面に少なくとも3つ設けられる。支柱142を少なくとも3つ設けることにより、レンズ140は光源基板134に対して3点で位置決めされるので、位置決めが容易かつ確実となり、レンズ140を誤って配置するなどの誤作業を防止することができる。
【0023】
支柱142を位置決め孔132に直接挿入すると、光源基板134から発せられる熱が支柱142を介してレンズ140に直接伝わってしまう。そこで、本実施の形態に係る照明器具100では、アダプタ150を介して支柱142を位置決め孔132に挿入する構成とする。アダプタ150は、光源基板134からレンズ140の支柱142への熱伝導率よりも、アダプタ150からレンズ140の支柱142への熱伝導率の方が低くなるような材質で形成される。
【0024】
図6、
図7に示すように、アダプタ150は、位置決め孔132に嵌め込まれるアダプタ凸部151と、アダプタ凸部151の前側(発光方向側)に形成されたアダプタつば部152とを備える。アダプタ凸部151は径L1であり、アダプタつば部152の径L2はアダプタ凸部151の径L1よりも大きい。アダプタ150は、径がL2の円柱の中央に、径がL1の円柱を接続した形状である。
【0025】
アダプタ150は、中央に支柱挿入孔153を備える。支柱挿入孔153は、アダプタつば部152の前面の中央部から後方向(アダプタ凸部151の方向)に向かって形成された孔である。アダプタつば部152からアダプタ凸部151にかけて貫通する貫通孔である。
【0026】
図7に示すように、アダプタ150(連結部材)は、支柱挿入孔153の中心軸154と、アダプタ凸部151の中心軸154とが重なるように形成されている。
【0027】
図6に示すように、アダプタ凸部151は、位置決め孔132に挿入される。すると、アダプタつば部152の裏面155と光源基板134の発光面133とが当接して係止する。
【0028】
さらに、レンズ140の支柱142の先端部142aが支柱挿入孔153に挿入される。支柱挿入孔153の径はL4である。
図6に示すように、支柱142の先端部142aの径L6は、支柱挿入孔153の径L4よりもやや小さいが、L4と略等しい大きさである。支柱142は、先端部142aのレンズ裏面側(支柱142の根元側)に段差部142bを備える。段差部142bの径L5は先端部142aの径L6(あるいは、支柱挿入孔153の径L4)よりも大きい。したがって、支柱挿入孔153に先端部142aを挿入した場合に、段差部142bと支柱挿入孔153の周縁とが当接して先端部142aの挿入が係止される。
【0029】
支柱挿入孔153は、アダプタ150の中央を貫通する貫通孔としたが貫通孔でなくても構わない。アダプタ150の支柱挿入孔153は、アダプタつば部152の前面が開口し、奥に底部を有する構成としてもよい。この場合は、支柱142の先端は底部に当接して支柱142の挿入が係止されるので、支柱142に段差部142bを形成する必要がない。支柱挿入孔153に底部がない場合には(貫通孔の場合には)、支柱142の先端が貫通孔を貫通して光源基板134に直接接してしまい、支柱142が熱の影響を受けてしまうのを防ぐため段差部142bが必要である。
【0030】
アダプタ150は、熱に強い材料で形成され、例えば、ポリカーボネートやセラミックなどで形成される。アダプタ150からレンズ140の支柱142への熱伝導率は、光源基板134からレンズ140の支柱142への熱伝導率よりも低い。アダプタ150は耐熱性・断熱性を有するので、光源基板134からレンズ140への熱の伝達が少なくなり、レンズ140が熱により変形するのを防ぐことができる。
【0031】
図6に示すように、アダプタ150とレンズ140との接触部分は、支柱142の先端部142aの外周面である。この外周面の面積をなるべく少なくすることにより、より熱の伝わりが小さくなる。例えば、先端部142aの高さL8とアダプタつば部152の厚みL3とは、略等しいことが好ましい。例えば、L8はL3以上かつ(L3×1.5)以下である関係が好ましい。
【0032】
本実施の形態に係る照明器具100は、LED131を光源とし、LED131が実装された光源基板134からなるLED光源部130と、LED光源部130が取付けられている本体120とを備える。さらに、照明器具100は、LED131から出た光を制御するためにLED光源部130の前面に設けたレンズ140であって、LED131のそれぞれの前面に一つずつ配置された配光レンズ141を有するレンズ140を備える。また、照明器具100は、レンズ140と光源基板134の間に設けられたアダプタ150と、レンズ140を固定することができるレンズホルダ160とを備える。そして、照明器具100は、レンズ140に設けられた脚部(支柱142)と、アダプタ150が光源基板134に設けられた位置決め穴(位置決め孔132)により、レンズ140とLED131の位置を決めることができ、アダプタ150により光源基板134が高温になってもレンズ140に熱の影響を及ぼさないことを特徴とする。
【0033】
本実施の形態に係る照明器具100は、アダプタ150(連結部材)は、支柱挿入孔153の中心軸と、アダプタ凸部151の中心軸とが重なるように形成されている。これにより、位置決めのための支柱142と位置決め孔132とを有する照明器具の位置決め機能を損なうことなくアダプタ150を位置決め孔132に設置することができる。
【0034】
実施の形態2.
図8は、本実施の形態2に係るアダプタ158の2面図である。
図7に示すアダプタ150と同様の機能を有する構成部については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0035】
アダプタ158は、支柱挿入孔153の内側面に凹凸部153aを備える。支柱挿入孔153の断面形状は、
図8に示すようにアスタリスク(*)形状であり、凹凸部153aを備える。このようにすることにより、支柱挿入孔153の内側面とレンズ140の先端部142a(
図6参照)の外周面との接触面積を減らし、熱の伝わりを少なくすることができる。
【0036】
支柱挿入孔153の内側面とレンズ140の先端部142aの外周面との接触面積を減らすことができれば、断面形状が*形状でなくてもよい。例えば、支柱挿入孔153の断面形状は、星形形状などでもよい。また、支柱挿入孔153の内側面とレンズ140の先端部142aの外周面との接触面積を減らすことができれば、凹凸部153aを備えていなくてもよい。例えば、支柱挿入孔153の断面形状は、3角形、4角形、5角形などの多角形形状でもよい。
【0037】
以上のように、本実施の形態に係る照明器具100によれば、支柱挿入孔153の内側面とレンズ140の先端部142aの外周面との接触面積を減らし、熱の伝わりを少なくすることができる。
【0038】
実施の形態3.
図9は、本実施の形態3に係る支柱142、アダプタ150及び光源基板134の取り付け状態を示す図である。
図6に示す図と同様の機能を有する構成部については同一の符号を付し、その説明を省略する。
【0039】
本実施の形態では、実施の形態1に示すアダプタ150を、アダプタつば部152の厚みL3の寸法を変化させることができる態様について説明する。
【0040】
レンズ140とLED131との焦点距離を変えることにより(配光レンズ141と対応するLED131との焦点距離を変えることにより)、光の距離配光角度を変更することができる。レンズ140とLED131との焦点距離を変えるためには、アダプタつば部152の厚みL3の寸法を変化させればよい。アダプタつば部152の厚みL3は、発光面133から支柱142の段差部142bの距離を意味し、このL3を長くすればLED131と対応する配光レンズ141との間隔を離すことができ、このL3を短くすればLED131と対応する配光レンズ141との間隔を近づけることができる。
【0041】
アダプタつば部152の厚みL3を変化させるためには、LED131と対応する配光レンズ141との間隔が所望の間隔となるように、アダプタ150を交換すればよい。つまり、アダプタ150は交換可能であるので、アダプタつば部152の厚みL3が異なる複数種類のアダプタ150を準備しておけばよい。アダプタ150を取り替えることにより、所望の配光角度をもったレンズを複数用意する必要がなくなり、アダプタつば部152の厚みL3の異なるアダプタ150を複数用意しておけば、レンズは1種類のレンズでまかなうことができる。
【0042】
以上のように、本実施の形態にかかる照明器具100によれば、レンズ140よりも製造コストの低いアダプタ150を複数種類用意しておけば、レンズ140は1種類でよく、全体としてコストの削減となる。
【0043】
また、アダプタつば部152の高さL3を高くするために、
図9に示すように、中間部材159を設置してもよい。アダプタ150は、支柱挿入孔153の周縁部に設置される中間部材159であって、支柱142の先端部142aを貫通させるとともに支柱挿入孔と連通する部材貫通孔159aを有する中間部材を備える。
【0044】
中間部材159は、アダプタ150と同一の素材で形成されることが好ましい。中間部材159は、熱に強い材料で形成され、例えば、ポリカーボネートやセラミックなどで形成される。
【0045】
中間部材159は、アダプタ150の前面(表面)に設置される。これにより、発光面133から支柱142の段差部142bまでの距離が中間部材159の厚み分L9だけ長くなる。つまり、中間部材159を配置することにより、発光面133から支柱142の段差部142bまでの距離がL3+L9となる。このように、レンズ140と発光面133との距離を調節することができ、LED131と対応する配光レンズ141との間隔を調節することができる。
【0046】
また、中間部材159は単なるリング状(環状)の円板部材であり、製造コストはアダプタ150よりも低い。また、中間部材159の厚みはL9であるが、中間部材159は同一種類のものを複数枚重ねて使用することができる。したがって、厚みを調節するために複数種類の中間部材159を製造する必要はなく、製造コストがより少なくてすむ。
【0047】
以上のように、中間部材159を用いれば、アダプタ150よりも製造コストの低い中間部材159を複数枚用意すればよく、中間部材159よりも製造コストの高いレンズ140やアダプタ150は1種類でよいので、全体として製造コストの削減となる。
【0048】
以上、実施の形態1〜3について説明したが、これらの3つの実施の形態を組み合わせて実施しても構わない。あるいは、これらのうち、1つの実施の形態を部分的に実施しても構わない。あるいは、これらの3つの実施の形態を部分的に組み合わせて実施しても構わない。